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河野(正)
委員 どうもいろいろ
お答えを聞いておりますと、できるだけ
労働省側に
責任がかぶってこぬようにということで、
責任回避的な
お答えのような印象を受けます。ですから、建設的に過去の
事故は過去の
事故として率直に聞き入れて、要は今後の
事故を防止するということが主目的でございますから、そういう
意味で、私は過去の反省すべき点は大いに反省するという謙虚な態度というものがなければならぬと思うのです。たとえば、いま
明星工業の話が出ましたが、これらが十二月から
事業を始めて、そこで
指導監督の機会がなかったような話ですけれ
ども、しかし十二月もございますし、一月もございます。二月十六日のことでございますから、その間どう見ても二カ月間の期間はあるわけですから、少なくとも
名古屋造船所というものが可燃性材料を使って危険な環境であるということであるとするならば、やはりそういう
監督なら
監督、
指導なら
指導というものがあってしかるべきだろう。これはもう現実にそういう
事故が起こったわけですから、そういうところに手抜かりがあったということならば、謙虚にそれを認めながらそして今後はそういう手抜かりがないようにというふうな配慮、
努力というものが行なわれて初めて私は
災害というものが防止されるというふうに考えますので、その辺は十分ひとつ謙虚にこの事実というものに対する反省というものをされる必要があろうと思います。ですから、それは反省を求めることにして、次の問題に移りたいと思います。
そういう考え方からいま
一つ問題として取り上げてまいりますと、昨年の八月四日、同じような
火災事故が起こった。その当時三日後に
書類が
提出された。ですけれ
ども事故発生後、直ちに電話で
報告をされた。もちろんその
書類が出ておるのがわからなかったというくらいですから、電話で
報告するくらいのことは早くにとっくに忘れられたと思いますが、ところがその際いわれたことは、
労災保険の問題があるから、そこで人身
事故が起こった場合には
調査するんだ。昨年の八月の場合は、
火災事故が起こりましたけれ
ども、幸いにして人身
事故が起こらなかった。負傷者や
事故者が起こらなかった。この点はけっこうだったわけですが、ところがそういうふうな人身
事故が起こらなかった、したがって、
労災保険も払うことはいらなかった、そういうことで
調査が怠られたというようなことも
現地で話題にのぼっているわけです。金を払うから
調査する、金を払わぬからこれは
調査する必要はないというようなまことにあさはかな
——これは
局長がそういう考え方だと思いませんよ、しかし要は、
現地の係員の言動が問題になるわけですから、これはいかに
労働大臣がりっぱな方針をお示しになっても、
現地がそれを着実に守らぬことには、それは全く絵にかいたもちに終わるわけですから、私は
現地がそういう全くあさはかな考え方で
行政の運用をする、しかもそれが今日の十五名の死者を出すというまことに不幸な悲惨な
災害が起こった
原因の一端を負うとするならば、私は、そういう
現地の係官の考え方については、これはもう許すことはできない、こういう
感じを持つわけですが、そういう傾向と申しますか、あるいはそういう事実があるのかないのか、この点は小さい問題であるようですけれ
ども、しかし
行政の運用の中におきましては、いま申しまするように突発的にどういう
事故が起こってくるかわからない、その
事故の
原因すべてではないかもわからないですけれ
ども、一部怠ったことは事実ですから、それについての御
見解を承っておきたい。