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中井委員 それがいけないと思うのだね。もういいかげんに、
公害問題については
厚生大臣なら
厚生大臣、
総務長官なら
総務長官と、こうきめておきませんと、この間からこの
特別委員会ができて、私
どもしろうとながらいろいろ聞いておりますが、実に複雑ですね。しかも事態は
一つなのです。これは非常に重要だと思うのですね。
それから、いろいろ
研究をしてみると、たとえば
公害というのは、不
特定多数の人が不
特定多数のみんなに迷惑を及ぼすんだ、こういう定義のように一般的になっているが、ちっとも不
特定じゃないんだな。多数であるかもしれぬが、
公害を与えるグループは
特定しているんだ。これは私は
政府をもちろん攻撃もしたいが、その前に、今度は逆に、
機構の複雑さからくる自然現象的なものとしての
対策の落ち、怠慢というものが非常に多いということを実は発見をしておる。これは
首脳部におきまして縦の線をかなり深く入れていただく。一番いい例が
海水汚濁の問題でございましょう。みんなその話をすると
もっともだと思いながら、さてどこでどうしたという
方法に少しずつ差しつかえがあるような、ちょっとやってもらってはぐあいが悪いなというようなものがありまして、それも決して決定的じゃないんですね。それをやられると
会社がつぶれるとか、それがやられるとたいへんな、黒字が
赤字になりますというような形じゃないんだな。実際を調べてみるとたいしたことじゃないんだな。もう
ほんとうに
地方税の何分の一かというふうなことなんだ。それで問題はこじれてしまう。これはもうこの時期に至りますと、少なくとも最高の
責任大臣をきめておかなければいかぬ、それはそうだと言ってしまえばそれまでですよ。それがいけないと思うので私は申し上げておる。いまの
自民党内閣でどちらにおきめになるか議論をしてもらいたいが、われわれとしては、全くこういうことでいたずらに時日を経過をいたしておるということについては非常なふんまんを感じます。あなたは
東京都の選出ですが、たとえば
隅田川の問題をとりましても、
東京都に
関係がある、
通産省だ、何だかだと言っておりますが、川は一本なんですね。実際何でもないんです。昔の
日本のさむ
らい的感覚をもってすれば、もうこれは一ぺんにやられますよ。いまは近代的だからというので
機構が複雑になった。それに籍口して今度はできないという。こういうばかばかしいことはないと私は思うのですがね。これこそ
日本人的な政治に対する
洞察力の不足といいますか、いいかげんなところまではいくが、それ以上、
新聞には毎日書くけれ
ども、それじゃどうすればいいんだということはどこにもはっきり書いてない。お涙ちょうだいばかりですね。
新聞記事には、あそこでどういうこと、こっちでどういうこと、こういうこと、
集団移住をしたいそうだというのが、せめてちょっと大きなものです。ちっとも深くいってない。しかもそれは、
安井先生、あなたに申し上げておくが、決してお金を要することでもない、大事業でもないんですよ。そのことで非常に困るらしく
説明をするけれ
ども、それは
うそ、あなたはいま、ちょっと
説明の中であったが、
重油そのものから
亜硫酸ガスを取る、
硫黄を取る。経費は大体三割高くかかるですよ、ああそうかね。ところが、
データをだんだんとっていきますと、
重油を含んでおる原油が、含んでいないものと比べると非常に安いんだね。だから安いものを依然として買うわけだな、そういう
収支計算。それから
硫黄分がずいびんできるんだな。そうすると、
硫黄の値が非常に下がる上がるというふうなことをかってに考えて
計算をしておる。第一、
日本において発表されておりますのは、
アメリカの
データで、ドルで書いてあるものを
日本が円に換算しただけであります。一トン
当たり千五百円くらいと書いてありました。四百六十円ですか、それが三倍で千五百円くらいかかりますというふうな
——一%取るのに四百六十円だなんという
数字でございましたが、その四百六十円が
ほんとうに正しいのかどうか、一
企業当たり二・八%のものをゼロにする必要があるとは限りません。そういう問題について、たとえば二%少なくするならば千円以内でできるとか、いろいろな
数字が出てきますし、大体また
日本において、それじゃそういうことを
研究してみようか、大いに
通産省の
工業技術院あたりでやっているのです。やっておられることはあなたは知らない。
通産大臣も知らない。私は調べたのですが、いま
東京電力と
日立製作がやっておりますよ。
政府から少し金が出ているようだ。東電や中部電力はそれについて一銭も金を出しておらぬ。あれだけ迷惑をかけておいて、
政府の予算が出るまではやらぬというふうな形です。調べてみるとこうだ。これはおそらく
自民党の
閣僚諸君、
政務次官諸君は知らないと思う。そういう具体的なことはなぜ知らぬかといえば、組織が複雑で、そういう
公害を何とかしたいと思っている
厚生大臣のところとずっと離れたところにあるということであります、率直に言って。でございますから、これはぜひとも
担当大臣を
保守党内閣といえ
どもさっそくきめるべきであるし、昨年は、本
会議で当時の
大蔵大臣の
田中角榮君が、
公害の
責任は
企業にありますということをはっきり言っている。
通産大臣もはっきり言っている。全部はっきり言った。これまではそこまでもきていなかったが、これは言いました。いまの
内閣でも、きっと
公害の
責任は
企業にもあると言うでしょう。昔は、だれかわかりません。それは国か
地方団体などが民衆を守るためにやるべきだなんて言っていましたが、それは払拭されました。そこまできたら、さらに突っ込んでやってもらいたいし、しかもそのことが
企業の存廃を左右するなどということは
うそです。これを深く掘り下げてもらいたい。それは多少の
赤字になるかもしれません。九
電力会社がたく
火力を全部
重油でやれば、そういう
人たちのいう
原価計算でそのままとって一年の欠損は約百六十億という
数字でございました。私はこれを見て、九
電力会社の一年分の所得はおそらく数千億だと思いますが、これはやれるなというすなおな感じを持つ。それは全く裸の
数字でそうなのですから、概算百六十億ぐらいです。今日
日本全国に
火力発電を方々置こうというので、この間も舞鶴に置こうとしたら大反対で、関西電力は弱っておるだろうと思うのですが、百六十億というのをそのまま受け取りましても、九
電力会社に分散しますと、もっとずっとずっと下の金です。しかもそれを
研究をし、節約をして
合理化をはかれば、おそらく半分や三分の一になるでしょう。私はなると思います。あの
数字を見まして、そこから
対策を積極的に出してもらいたい。これは
世界で
日本が最も追い込まれているんじゃないかと思うんだ。地勢的に、人口稠密でありますし、
アメリカやソ連の資料も私はずいぶん調べましたが、それはぼうばくたる大平原の中へ、五十キロ周辺ほとんど何もないというところに
電力会社が
発電所をつくるのとまるで違いますから、そういうものはあまり
参考になりません。そこで最も
日本に合ったものということになりますと、いま申し上げたような、そういうものをやるためにもまず
担当大臣と、その次は
公害対策のやはり
基本法を、
公害に対する憲法をぜひ
政府として出すべきである。私
どもは去年出しました。出したら、まことに
ざるの
ざるであるというので一笑に付されました。まことに
ざるの
ざるであるかもしれません。しかし、それは大まかなものですから、それから入っていかないことには、だんだん網の目をこまかくしていくという考え方でないことにはこの問題は片づかない。私は二年来
研究しているのだが、そういうふうな
結論を得たのです。
そこで、この
主務官庁の問題と
公害対策基本法の問題は、
安井さんはいつまでにつくるというふうな御回答はなかったが、この
基本法の問題ばぜひ
政府として急いでもらいたい。そうして
社会党、また民社党も出しておられますが、この三つの案を比較されて、いいところを国会がとって持っていく。こういう形でこの
公害問題は前進すべきものだと私は考えておりますが、この点について重ねて心境を伺っておきたいと思います。