○
鈴木(喜)
政府委員 経済企画庁の
水資源局長でございます。どうぞよろしく。
お
手元に「
水質保全行政について」という横に書いたパンフレットがございます。これに基づきまして、私のほうは
予算は非常に簡単でございますので、
予算の
背景になる
事柄について若干御
説明したいと思います。
三ページに、現存の
水質保全法の
運用の仕組みが書いてございますが、現在のところ、
水質保全関係の
法律としましては、
河川法その他
無数にございますが、その中で一定の
基準をつくりまして法的な
規制を加えるというのは、この
保全法の
関係の一連の
法律でございます。その中で
水質保全法は、
水域を
指定しまして
水質基準を
設定する、これを
中心にしましたいわば
基本法的なものでございまして、これに基づきまして、この
基準を
実施いたしますのが
工場、
事業場等の
排水規制法その他
下水道法等で、名
関係の省でやっておられるわけでございます。それを図示しましたのが三ページでございます。
続きまして、四ページに来
年度以降われわれとしてやや新しい角度から水質問題に取り組もうということで、若干の
内容が書いてございます。一番目は、いままで
水質保全法が三十四年に
施行になりまして以来約七カ年でございますが、いままでの
調査の
方式で、ただいままでのところ五十一
水域の
調査が済んでおりますが、三十六年にできました
調査基本計画では百二十一
水域をやることになっておりますので、なお七十
水域の
調査が残っておるわけでございます。そのほか最近の
状況によりまして、各県からまた五十数本の
水域についての
調査の要望が出ております。これらの
事態に対処いたしまして、四十一
年度以降約五カ年で
調査を
促進するということで、従来の
調査方式をやや変えましてこれを
促進したい、こういう
内容になっております。
調査方法としましては、五ページに書いてございますが、このうち(b)の
水質基準の
設定に関する
調査、これが従来やっておりました大体一年間通年の
調査をいたしまして、それを分析して
水質基準設定の
資料を得る、こういうかっこうでございますが、これは非常に時間もかかりますし、
水質基準の
設定に至らなくても問題の
解決する分もございますし、そういうようなことで、今後は(a)の
調査でございますが、これは
水域を
指定する前に概括的な
調査を行なう、こういうことで
調査の
促進をはかろうとしております。それから六ページの(c)でございますが、ここでただいまの
水質汚濁問題には
パルプ、
でん粉その他のわりあい共通的な問題がございますので、こういう問題につきまして、四十一
年度は、さしあたり
パルプ、
でん粉でありますが、共通的な問題を横から
調査していこう、こういうのが特殊問題に関する
調査でございます。こういうことで、今後五カ年の間に相当なスピードで
調査の
促進をはかっていきたい、こういう考えで
予算を提案している次第でございます。
それから、これは
内容に入りますが、六ページの(ロ)でございます。従来は比較的
特定の
産業間の
水利用に関する
利害衝突のケースが
中心になっておったわけでございますが、最近大都市の
過密化に伴いまして、
都市河川につきましては、もうこれ以上汚濁してはどうしようもないという
事態に立ち至っておりますので、
水質審議会の中に
総合部会を設けまして、現在
都市河川方式というようなことを検討しておりまして、すでに
多摩川、
大和川等についてはこの
方式に準じたことで
水質基準の
答申を得ております。これは従来の、ただいま申しましたように
特定産業間の
利害衝突という形から、ほかの
大気汚染その他と同じように、不
特定多数の
公害の被害という
一般公害に進むのに即応した
方式を考えておるわけでございます。特にこの場合には、新増設についてはきびしい
基準をつくることにしております。
それから八ページでございますが、われわれのやっております
水質保全に関します
総合調整の仕事は、
基準をつくっただけではなかなか問題が
解決いたしません。むしろ
関連行政に負うところが多いわけでございますが、特に
下水道の
整備その他につきましては、根本的な
解決はそれに負うといっても過言でないわけでございますので、昨年、
企画庁長官から
関係大臣に対しまして、特に
指定水域にかかわる
下水道につきましての勧告を行ないまして、
下水道の
予算の中身につきましては、すでに四十
年度においてある
程度追加の
措置をとっていただき、四十一
年度におきましても、相当大幅な
増加の案になって、現在
国会において
審議を願っておるわけでございます。
十ページの
予算のところでございますが、御
承知のように私
どものほうは
事務官庁でございますので、
水質保全関係の
経費といたしましては、前
年度三千二十三方に対しまして三千七百七十六万でございまして、
内容のおもなものは三番目の
水質調査費でございます。約三割
程度の
増加になっておりますが、
内容といたしましては、ただいま御
説明しましたような
調査の
促進、五カ年
計画に基づきまして、従来は、この
新規のところの
備考欄にございますように、
水質基準調査という一年かかります綿密な
調査、これだけを三十四年からはやっておったわけでございますが、これで毎年七
水域程度やってまいったわけでございますが、今後大幅に
促進するという意味で、次の
水域指定調査、これが先ほど御
説明しました概括的な
調査でございます。それから
特殊問題調査、これは四十一
年度としましては
パルプ、
でん粉でありますが、これらによりまして
相当調査の
水域を広げていこう、こういうことでございます。
十一ページに、いままでの
水質保全法の
実施状況を書いてございますが、
水質調査につきましては、ただいま御
説明しましたように、三十四
年度から四十
年度までに五十一
水域についての
調査を終わっております。四十一
年度としましては、ただいまの
予算に
予定しておりますように、再
調査を含めまして三十二
水域の
調査を
予定しております。内訳は次に書いてあるとおりでございます。それから、現在までに
水域の
指定を終わり
水質基準の
設定を見たもの、この中にはまだ
告示の済んでいないものもございますが、十三水城ございます。十二ページをごらんいただきますように、比較的問題の多い
河川について従来やってきたわけでございます。
隅田川、淀川その他でございますが、このうち
多摩川と
四日市海域につきましては、
水質審議会が終わりまして、ただいま
告示の準備中でございます。そのほか現に
水質審議会に
部会をつくりまして、
審議中のものが七
水域ございます。遠賀川以下の七
水域でございます。
その他
水質保全法では、
大気汚染と同様でございますが、紛争につきましては
和解仲介の制度が
法律上規定されておりますが、その事案につきましては、ここにございますように、現在までのところ、
申し立て件数は三十件で、そのうち二十五件が
解決済み、もちろんこの
法律によらない
和解仲介はこのほかに
無数にあるわけでございます。
以上簡単でございますが、大要を御
説明申し上げました。