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1966-04-21 第51回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二十一日(木曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 日野 吉夫君    理事 池田 清志君 理事 白浜 仁吉君    理事 湊  徹郎君 理事 渡辺 栄一君    理事 井谷 正吉君 理事 山口丈太郎君       井出一太郎君    小坂善太郎君       田澤 吉郎君    田村 良平君       高橋 禎一君    羽田武嗣郎君       増田甲子七君    岡本 隆一君       川崎 寛治君    川村 継義君       佐野 憲治君    中澤 茂一君       松平 忠久君    山田 耻目君       稲富 稜人君  出席国務大臣         国 務 大 臣 瀬戸山三男君  出席政府委員         総理府総務副長         官       細田 吉藏君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房審議室長) 高柳 忠夫君         大蔵事務官         (主計局次長) 鳩山威一郎君         厚生事務官         (社会局長)  今村  譲君         気象庁長官   柴田 淑次君         消防庁次長   川合  武君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  金子 任利君         警  視  長         (警察庁警備局         警備課長)   後藤 信義君         防衛庁書記官         (防衛局第一課         長)      井口 孝文君         総理府技官         (科学技術庁研         究調整局総合研         究課長)    緒方 雅彦君         大蔵事務官         (理財局資金管         理課長)    野村 克通君         大蔵事務官         (銀行局保険部         保険第二課長) 田辺 博通君         国税庁次長   中嶋 晴雄君         文 部 技 官         (管理局教育施         設部長)    中尾 龍彦君         文 部 技 官         (管理局教育施         設部指導課長) 大串不二雄君         文部事務官         (管理局教育施         設部助成課長) 岩田 俊一君         厚 生 技 官         (公衆衛生局防         疫課長)    春日  斉君         厚生事務官         (社会局施設課         長)      飯原 久弥君         農 林 技 官         (農地局建設部         災害復旧課長) 松井 芳明君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      福森 友久君         通商産業事務官         (中小企業庁計         画部長)    荒玉 義人君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部業務課         長)      馬渡 一真君         運 輸 技 官         (鉄道監督局民         営鉄道部運転車         両課長)    梅山嘉一郎君         運 輸 技 官         (気象庁観測部         地震課長)   木村 耕三君         建設事務官         (河川局次長) 青木 義雄君         建 設 技 官         (道路局企画課         長)      豊田 栄一君         建設事務官         (住宅局調査         官)      川島  博君         建 設 技 官         (国土地理院企         画監査室長)  檀原  毅君         自治事務官         (財政局財政課         長)     佐々木喜久治君         日本国有鉄道常         務理事     川上 寿一君     ————————————— 四月二十一日  委員落合寛茂君辞任につき、その補欠として川  崎寛治君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  長野松代周辺地震による災害対策      ————◇—————
  2. 日野吉夫

    日野委員長 これより会議を開きます。災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、長野松代周辺地震による災害対策に関し調査を進めてまいりたいと存じます。’  この際、おととい政府に設けられました長野松代周辺地区地震対策連絡協議会会長国務大臣瀬戸山三男君、及び副会長総理府総務長官細田吉藏君から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。瀬戸山国務大臣
  3. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 当災害対策特別委員会で、特に松代地震に関連していろいろ御心配をいただき、御審議、御検討をいただいておりますことは、政府としても深く敬意を表するところでございますが、この際、政府のこれに対する対策と申しますか、考え方を申し述べまして、いろいろ御協力をお願いいたしたいと思います。  御承知のとおりに、昨年来松代中心としてきわめてひんぱんな地震が継続いたしております。地元長野県あるいは松代町、その周辺市町村、約一年近い間地震に悩まされております。地元でも、万一の場合に備えて各種対策を立てておりますが、もちろん、県、市町村だけでその対策が万全を期するわけにまいりませんので、政府といたしましても、昨年来、地元とよく協議をいたしまして、各種の防災的な、予防的な、あるいは万一の場合に備えての対策を立ててまいっております。  昨年立てました基本的な対策は、気象庁あるいは地震研究所等の専門的な地震の動きに対する考え方に基づきまして、その当時の状況では、まず最大限震度五ぐらいの地震が想定される、こういう状況でありましたから、その専門的な観察に基づきまして対策を立てる必要がある、そういう意味で、政府といたしましては、震度五ということであれば——これは自然現象でございますから、なかなか測定は、現在の科学技術においても必ずしも確定的なことはできないということでありますので、震度六を想定して対策を立てる。したがって、学校あるいは集会所等公共的な建築物等については、震度六を想定して補強工作あるいは別の方策を講ずる、その他については、震度程度地震を想定して各種方策を講ずる、こういうことで今日までまいっております。おおむねそれで民心も安定し平静を保ってきておったわけでありますが、御承知のとおり、最近になりまして、三、四月になりましてだんだん地震の回数も再び増加の傾向がある、さらに強さも増してきた、同時に、震動の範囲が広がってきた、関係市町村が広がってきた、こういう状況でありますので、地元の県、市町村はもとよりそれに対していろいろな心配をいたします。もちろん住民はまた相当の不安にかられておる、こういう状況でありますから、政府といたしましても、今回さらにこれに対する連絡協議会を設置することにいたしまして、不肖私が会長という責務を担当することになり、さっそく昨日第一回の会合を開きまして、現時点における政府のとるべき態度考え方等について協議をいたしました。これはあとで副会長総務長官から御説明申し上げますが、それに基づいて明日閣議にはかりまして、一応の基本的な考え方政府として決定いたしまして、すみやかに実施に移したい。御承知のとおり、地震のことでありますから、台風と違ってきわめて予測がむずかしい。現に起こりつつある、今日ただいま起こるかもしれないという問題でありますから、起こらないことを切望いたしますけれども、これはいつ起こるかもわからないという前提のもとに対策を立つべきである。御承知のとおり、災害はおおむね起こることがなかなか予測できませんので、起こってから災害復旧対策を立てるというのが現在の法律制度であります。もちろん、一般的な予防対策各種方法一般災害についてとっておりますけれども、多くの災害に関する諸法規というものは、起こった後の処理についてのものでありますから、地震の場合にはこういう実例が希有でありますので、法律あるいは規則、行政の今日主での慣例、そういうものに必ずしもそぐわない点が多くありますので、この際は、一般予防対策はこれは常にやっておりますけれども、起こったときを想定いたしまして、法律規則現行のそののりを越えて政治として行なうべき面がたくさんあろう、こういう態度対策を立てたい。もちろん、地元とよく相談をいたしまして、実情に合う政策をとりたい。しかもこれは果断にして迅速を要する、こういう考え方で臨みたいということだけを申し上げて、この際また皆さんの御意見等も承って万全の措置をとりたい、かように考えておるわけでございます。
  4. 日野吉夫

  5. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま松代周辺地区地震対策基本方針につきまして瀬戸山建設大臣から御説明がございました。私はさらに補足いたしまして、昨日の第一回の対策連絡協議会におきまして審議をいたしました内容のおもなるものについて御報告を申し上げたいと存じます。  御案内のとおり、一昨日の閣議でこの対策連絡協議会がきまりましたので、昨日一時から総理府におきまして会合を持ちまして、関係省庁全員出席をいただいたわけでございます。状況説明等を伺いましたあとで、対策の問題でございますが、その前に、長野県知事から私に午前中に連絡がございまして、長野県の対策本部会合を実はいま開いておる、ついては、いままでいろいろ要望しておったほかに新たな問題が出てきておるので、そういうものを含めてひとつきょうぜひ取り上げてもらいたい、こういう御意見がございましたので、各項目について詳細に検討していただいたわけでございます。これまで出ておりますものとあわせまして、そういう点を申し上げたいと思います。  第一には、何と申しましても住宅対策でございます。この住宅対策のうち、いままでよりも少し進んだ地元考え方が出てまいりましたのは、危険であるために使用をやめてもらわなければならぬといううちが出てきた、昨日のところでは大体二百戸程度という地元からの話でございますが、これに対しまして、ちょうど災害が起こりました場合の応急仮設住宅というものがあるわけでございますが、この応急仮設住宅をつくってもらえぬか、こういう要求がございました。これにつきましては、災害救助法が発動された場合に、応急復旧住宅というもの、これは厚生省の所管になるわけでありますが、そういうものを考えておるわけでありますけれども、今回の場合は、いま大臣からお話がございましたように、異例でございますので、災害救助法に準じた扱い応急復旧住宅をひとつ早急につくりたい、こういうふうに昨日きめたわけでございます。  それから、前から出ております資金貸し付けの問題とか、あるいは補強用材の問題、こういう問題でありますが、資金貸し付けにつきましては、特に瀬戸山会長から御指示がございまして、手続をもっと簡単にやれるように、個人が一人一人こういう地震のさなかにいろいろ金融公庫あたりと折衝するというようなことで、借りたくてもそのためにむしろ借りられないというようなことがないようにということで、建設省のほうでそういう指示をいたすことにいたしました。  さらに、国有林材の払い下げという問題がございます。補強用材としてこれを安く払い下げてもらいたいということでございます。昨日の結論といたしましては、個々の一人一人に対してということでなしに、県に対しまして国有林材を時価よりも安い価格で払い下げるということについて、そういうととが実施できるように関係の省で至急に結論をまとめることになりました。  それから、この問題に関連いたしまして疎開というようなことが新聞にも出ておりますが、疎開の問題につきましては、知事からもお話がございまして、実は疎開と申しましてもいろいろな疎開があるわけでございますが、病人でございますとか、あるいは老幼、そういう方々の疎開については自発的にある程度のものがすでに行なわれておるようでございます。そういう問題については、むしろ、県といたしまして、これにきめこまかい政策を立てて善処したい。それから、いまの応急仮設住宅ども疎開といえば一種の疎開に当たるものかもしれませんが、今後のそういう問題については非常に影響するところが重大でございます。どういうふうに費用を出すかとか、あるいはどこへ一体疎開するのかとか、いろいろむずかしい問題がございますので、いましばらく——県のほうでいまいろいろな角度から調査しておるからということでございますので、そういう県の調査というものを待ってこれは善処することにいたした次第でございます。  次に、学校の問題でございますが、従来プレハブ校舎に対しまして国費の補助を行なっております。これにつきましては前回委員会でも申し上げましたが、さらに範囲が広がってまいりましたので、従来同様の措置を広げていくということにいたしておる次第でございます。  さらに、前回も問題になりました屋根がわらトタン張りにいたしたい、こういうようなことが御要望にございます。これにつきましては、危険の度合いに応じまして政府として措置をいたしたい、こういう考え方でございます。長野県のほうにおきましても全部が全部やろうという考え方でないようでございまして、要求しております金額もたいした額は出ておりません。こういう点につきましては、実情に応じて措置いたすことにいたした次第でございます。  それから、これは新たな問題でございますが、農林省関係になりますため池が非常に多い。この三十六カ市町村地区の中に四百カ所くらいある。非常に多いのだそうでございまして、そのうち七十くらいはどうもあぶないんじゃないか。これまでは実は放水をして水をためないでおる。しかし、これからは農作の関係でそういうわけにいかないということになると、これがくずれた場合は非常に大きな被害を与えるのじゃないか。そこでこれの補強をいたしたい。いま七十カ所くらいですが、土のうでございますとか、いろいろな方法で、技術的に問題がございましょうが、補強をしたい、これについて国として考えてもらいたい、こういうことでございました。これにつきましても、農林省のほうにおきまして財政当局とも相談をして善処いたすことにいたした次第でございます。  さらに、最後に消防関係でございますが、消防力の拡充につきましては、消防施設分散配置基本方針といたしまして、小型動力ポンプ防火水槽の整備をはかっていくことに消防庁現地相談をいたしまして善処いたすことにいたしております。  以上申し上げたような施策を、地震が現に起こっておるわけですが、さらに激しいものがいつ起きるかわからぬというような実情でございますので、早急に実施をする、こういう考え方で意思を統一し、明日の閣議で、ただいま会長から御説明がございましたようにきめていきたいと思っております。  その次にきまりましたことは、現地調査団でございまして、あしたの閣議終了後、十一時半に出発をされることになっておりますが、瀬戸山会長を団長といたしまして、そのほか十二名、各省庁からそれぞれの担当官をもって調査団を構成いたしまして、明日現地自衛隊機で出かけていただく、こういうことになりました。これも昨日きまりましたわけでございまして、明日お出かけをいただく、こういうことにいたしておる次第でございます。  以上、きわめて概略でございますが、御報告を申し上げます。     —————————————
  6. 日野吉夫

    日野委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。小坂善太郎君。
  7. 小坂善太郎

    小坂委員 政府のほうにおきまして、松代並びにその周辺地震について非常に御心配をいただきまして、深く感謝をしております。と同時に、この対策連絡協議会ができまして、瀬戸山会長並びに細田会長からただいまお話がありましたが、非常に問題の核心を突いておられると思います。われわれの要望に対して十分な考慮を払われておるということが読み取れまして、これまた深く感謝するところであります。  そこで、四つばかり、時間の関係もございますから、できるだけ簡単に問題をしぼりまして御質問を申し上げたいと思うのであります。  まず第一に、ただいまの御報告の中にもありましたように、この地震は、いわゆる地震学というものができて以来初めての異例地震である。非常に長期の地震であって、また、今後震度六というような烈震も予想されるという認識のもとにできておるのでありまして、いま幾つかお話しいただきました対策は非常にありがたいのでありまするが、根本問題として今後の烈震に対しても予想していろいろ心配していただいておるわけですけれども災害はもうすでに始まっておるのでありまして、実はあっちこっち私もこの週末に行ってまいりましたけれども相当被害が出ておるわけであります。このすでに出ておる被害について、これはどういうふうな認識でおられるか。このすでに始まっておる災害に対して、これをめんどうを見るのだ、こういう認識が基礎にならないと、あといろいろな財政措置その他というものが、政府のせっかくの善意にもかかわらず、なかなかけりがつかないおそれが出てくるのではないか、こういうことが心配されまするので、そういう意味で、どういう認識に立っておられるか。私は、もう災害があるのだ、事実あるのですから、ごらんになっていただいて大臣また十分認識していただくと思いますけれども、その認識についてどう考えておられるか、これをまず第一点に伺いたいと思います。
  8. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 ただいま私どものほうから御報告いたしましたことは、今後の問題という点に重点を置いて申し上げたわけであります。現に起こっておる被害あるいは今日までの状況、そういうものは、一般原則でまかなえるところは一般原則でまかなう、こういうたてまえのもとに、先ほど申し上げましたように、いまの法律制度等において必ずしもぴたっとこないという点は、それを乗り越えてやるべきであるという点についてだけ触れたのでありまして、もちろん、現に災害が起こりました状態、あるいは今日まで長い間各市町村が財政的に非常に負担をしておるという点は、それを加味して政府としては全般的な対策を立てる、こういうことはその前にやる、こういうふうな考え方であるわけでございます。
  9. 小坂善太郎

    小坂委員 そういたしますと、もうすでに問題として取り上げられ、町村がすでに支出しておるものについては特交で見るということが自治省との間には了解されておる、政府としての方針はできておる、かように了解してよろしゅうございますか。
  10. 細田吉藏

    細田政府委員 前回の当委員会におきましても、災害は現に起こっておる、こういう御指摘、そのとおりでございまして、実は昨日の対策協議会におきましても、金丸自治事務次官から、災害はいま起こっているのだ、したがって、そういう認識でやるべきである、そういう非常に力強い発言がむしろ自治事務次官からあったくらいでございまして、そういう点につきましては、自治省自体が、もう大臣事務次官もそういう決意でおるということでございます。
  11. 小坂善太郎

    小坂委員 それから次には、この災害対策基本法めんどうを見ております範囲は、これはあくまでも公共の災害であるわけですね。今度の松代並びにその周辺地震災害特徴というのは、非常にこまかい、絶え間ない地震のために個人が非常な災厄を受けておる。対象が個人住宅に非常に及んでおるというところに特徴があると思うのです。こういう問題につきましては、現在の法的な適用というのはどういうふうになるのか。瀬戸山大臣は、非常に大衆のために強く御主張になって、従来あらゆる面で非常にりっぱな御発言をされて、敬服しておりますが、この松代災害でも、この点は、法的にそういうことをせぬで、例外の措置として認めてやっていただけるものなんでしょうか。その点、ひとつしっかり私どもにわかるように御説明願いたい。
  12. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 普通の災害の場合は、個人の問題ということになりますと、現在までの政治考え方あるいは法律等扱い方は、これは個人の責任で、ある程度低利融資等によって救済する、こういう考え方でありますが、この場合はあまり長過ぎる、市町村もそうでありますけれども個人も、みずから防衛するために、精神面からも財政面からも非常な打撃を受けておる、この認識がないと、この松代周辺地震対策は適当でないという基本的な考え方を持っております。したがって、これは個人個人にどうするかということは、技術的にきわめてむずかしゅうございますけれども、先ほど県を中心にして国有林材の問題もありましたが、こういうものも、個人個人に安く払い下げるということはいまの制度ではないそうでありますけれども、そういうことは別問題として、県に一括して——どの程度にするかは検討を要しますけれども、できるだけ安くと申しますか、一括して県に渡して、県が住民を救うという立場でそういう国有林材を使う、こういう方式にしようということで、きのう指示したわけでありますが、そういう考え方で、個人の家の補強その他については県に——実際は市町村にいくと思いますけれども、県に相当財政援助をする、こういう方式をとるべきであろう、こういう基本的な考え方政府協議したい、かように考えておるわけでございます。
  13. 小坂善太郎

    小坂委員 逆の面から申し上げまして、援助を積極的に出すことと、今度は、税の面から損害を見てやるという考え方もあると思うのです。先般、松代の町長が、ユ−モアを解する男でありますから、年じゅうゆれておるのに、固定資産税を取っておるのはどういうわけだ、なかなかうまい表現をしておったのでありますが、固定資産税の減免、あるいは全体の所得税を払う場合に、現実損害を受けておるのでありますから、これは企業等損害を見るように必要経費個人所得税からも控除する、こんなような考え方というものはできないものであろうか、これは私としてはぜひひとつ御考慮願いたい、こういう意味で申し上げているわけでございます。
  14. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 これは自治省、大蔵省、関係省庁が見えておりますから、細部についてお答えいたさせますが、それは当然のことでありまして、現行制度で当然にそういうことは考えられますから、あたりまえのことだと思っております。細部については関係省庁からお答えさせることにいたします。
  15. 佐々木喜久治

    佐々木説明員 固定資産税は、必ずしも動かないものだけに限定するわけではございませんが、現実の問題といたしまして、固定資産税課税後におきまして地震等によって相当被害が生じておる、したがって、それだけ家屋等につきましては資産価値が下がっておるというような現状、並びに地震によっていろいろ財産上に被害をこうむることによって担税力がそれだけ失われているというような現状から見ます場合には、町といたしましてはその税負担について何らかの軽減措置をとるということは、事情としてはやむを得ないものというふうに考えておるわけであります。私どもは、そうした軽減措置につきましては、それに対応すべき国としての財政措置は講ずるつもりであります。
  16. 鳩山威一郎

    鳩山政府委員 税の問題は所管が違うのでありまして、帰りまして国税庁等にもよく御連絡をいたしたいと思いますが、考え方といたしましては、直接税におきましては、損害があれば経費あるいはそういった控除は当然できますし、それから既存の、たとえば前年度の債務が残るというような問題につきましては徴収猶予等の措置もございますので、そういったものは十分活用されると私は考えますが、なお、国税庁のほうにもよく連絡いたします。
  17. 小坂善太郎

    小坂委員 きのうの読売新聞だと思いますが、何か地震計を買いたいという地元の要求に対して、大蔵省はけってしまわれたということがございます。聞いてみると、あまり高いものじゃないようでございますが、これはどういうことでございますか。
  18. 柴田淑次

    ○柴田(淑)政府委員 新聞紙上で気象庁松代地震対策に予備費を要求したというように受け取れるような記事が載っておりました。私も拝見したのでありますが、実のところ現在では予備費の要求はしておりません。しかし、気象庁としましては、依然続く地震に対しまして、発生以来続けております観測をもっとこの際強化する必要は認めております。地震計のみならず、それに関連じた諸種の機械がございますので、そういったものの増加配備をしたいと考えておりまして、今明日中にその財源について結論を出したい所存でございますが、結論が出次第すぐにあと措置をしたいといふうに考えております。
  19. 小坂善太郎

    小坂委員 最後に一つ、これはお願いでございますが、どういう事態になるかわからぬということを地元も非常に必配しております。ただいま御報告で、瀬戸山大臣自身現地に行っていただくということで、ありがたいと思っておりますが、建設省関係の国道事務所が方々にあるわけです。これの職員は当分異動しないで、なれた者に専心してやらしていただくということを希望しておりますので、これはお願いですが、申し上げておきます。  以上をもって私は終わります。
  20. 日野吉夫

  21. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 一つだけお伺いをしますが、いま建設大臣から協議会設置に関していろいろな所信の表明がありました。大臣のいまのお話では、現在松代周辺等に起きておりまする地震による被害について、その救済策、予防策については、現行法によると現実被害の救済のみであって、事前の予防措置については法律的には困難なような御発言がありましたが、基本法のどこを読みましても、防災ということを主にして制定されておるのが基本法でありまして、私はずっと調べておるのでありますけれども、特にその中で災害対策基本法施行令におきましても、あるいはまた、災害対策基本法の各条項におきましても、たとえそれが個人のものでありましても予防措置が十分にできるようになっていると考えるのですが、その御見解をもう一度お聞かせいただきたい。
  22. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 災害対策基本法の精神はまさにそのとおりであると思います。ただ、私ども一般的に申し上げたのは、御承知のとおり、従来、災害対策というものは、現に災害が起こった後にいろいろな災害復旧その他のことをやる、おおむねさようになっておる。したがって、こういうふうにまだ現に重大な災害が起こらないけれども、起こり得る可能性がある、こういう異例な場合には必ずしもそぐわない制度法律等が今日までの普通であるから、そういう点をかりにまかなえない法律がありましても、それを乗り越えて、いまおっしゃったような災害対策基本法の精神に基づいて、法律規則がなくても、それを生かしていくように政治でやるべきである、かようなことを申し上げておるわけでございます。
  23. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 御決意は私は非常に感謝しているわけですけれども、しかし、根本的には、もう現に昨年来頻発する地震によりまして、大臣もおっしゃったように、最悪の事態を想定することは困難であるにいたしましても、少なくとも今日重大な災害を予見し得るような事態にあることは間違いがないわけであります。そういたしますと、その現実に照らしてこの災害対策基本法並びに施行令を読みますと、当然それに対応する措置というものは法的に明らかに示されておる現実の事実だと私は考えます。したがって、その根拠に基づいて諸種の防災活動が行なわれますことは、当然この基本法に示されたものでありまして、政府の責任であるというように私は考えておる。したがって、いま、こういう非常事態であるので、法規に規定されておる以上に政治的な異常な決意をもってこれに対処するとおっしゃいましたが、私はそれに対しては深い敬意を表しますけれども、そこまで決意をしなくとも、私は、この災害対策基本法によっても、いま大臣のおっしゃったような防災活動、救済活動というものは当然できるものなりと考えておるのですが、それについていかがですか。
  24. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 今申し上げましたように、基本法の精神はそのとおりであります。ただ、個々の各省庁にまたがる法律規則というものが、従来、御承知のとおり、災害が起こった後の処理の規定に多くなっておる、だから、それはそういうものにとらわれないでやるのが今度の事態である、かようなことを各省庁指示——と申すと恐縮でありますが、心がまえを申しておる、かようなことでございます。
  25. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 あとで懇談の形式でまたありますので、その席上においていろいろと各省庁にわたって御懇談を申し上げたいと思いますから省きますが、たとえば災害対策基本法第三十五条等によりますと、この一項、二項あるいは三項等によりますと、各省庁にわたりきわめて詳細かつ明確に規定されているわけであります。したがいまして、これに基づいてこの災害に対する予防対策は当然講ぜられる。また、個人災害につきましても規定がされておりまして、公共施設のみならず、直接的にも間接的にも国土の保全並びに人命、財産の保護に関する防災措置について十分なる措置を講じなければならないということもちゃんとここに規定されておるわけであります。したがって、これが完全に施行されるかされないか、いわゆる法律に基づいて実際に実施されるかされないかは政府の熱意にかかっていると言っても、私は過言でないと思うのであります。しかしながら、それでなおかつ不備であると言われるならば、われわれとしては、今度は立法府の責任でありますから、当然それに対応し得るところの法律の改正を、政府にも願わなければならないが、われわれも考慮しなければならない、かように考えるわけでありますから、この点につきましては、防災会議その他政府機関において十分に御検討の上、一そうの防災措置を講じていただくよう私はお願いしたいと思います。  これをもちまして質問を終わります。
  26. 日野吉夫

    日野委員長 それでは、質疑はこの程度にとどめて、これから懇談に入りたいと存じます。  暫時休憩いたします。    午前十一時十六分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕