運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-04-14 第51回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月十四日(木曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 日野 吉夫君    理事 池田 清志君 理事 湊  徹郎君    理事 渡辺 栄一君 理事 井谷 正吉君    理事 稻村 隆一君 理事 山口丈太郎君       井出一太郎君    大竹 太郎君       倉石 忠雄君    小坂善太郎君       高橋 禎一君    羽田武嗣郎君       増田甲子七君    森下 元晴君       岡本 隆一君    佐野 憲治君       田口 誠治君    中澤 茂一君       松平 忠久君    稲富 稜人君  出席政府委員         総理府総務副長         官       細田 吉藏君         防衛庁参事官         (防衛局長)  島田  豊君         大蔵事務官         (銀行局保険部         長)      上林 英男君         中小企業庁長官 山本 重信君         気象庁長官   柴田 淑次君         建 設 技 官         (河川局長)  古賀雷四郎君         消防庁次長   川合  武君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  金子 任利君         総理府技官         (科学技術庁研         究調整局総合研         究課長)    緒方 雅彦君         総理府技官         (科学技術庁国         立防災科学技術         センター異常気         候防災研究室第         二研究部長)  丸山 文行君         大蔵事務官         (主計官)   佐藤 吉男君         大蔵事務官         (主計官)   小田村四郎君         大蔵事務官         (主計官)   長岡  実君         大蔵事務官         (理財局地方資         金課長)    玉置 明男君         文 部 技 官         (管理局教育施         設部指導課長) 大串不二雄君         厚生事務官         (社会局保護課         長)      松下 廉蔵君         厚生事務官         (社会局施設課         長)      飯原 久弥君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      福森 友久君         運 輸 技 官         (気象庁観測部         地震課長)   木村 耕三君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      重兼 鴨夫君         建 設 技 官         (道路局国道第         一課長)    蓑輪健二郎君         建設事務官         (住宅局調査         官)      川島  博君         建設事務官         (住宅局住宅総         務課長)    角田 正経君         建 設 技 官         (国土地理院測         地部長)    原田 美道君         自治事務官         (財政局財政         課長)    佐々木喜久治君         日本国有鉄道常         務理事     林  武次君         参  考  人         (長野県知事) 西沢権一郎君         参  考  人         (長野県埴科郡         松代町長)   中村兼治郎君         参  考  人         (東京大学地震         研究所長)   萩原 尊礼君     ————————————— 四月十三日  委員大橋武夫君、高橋清一郎君、舘林三喜男君、  塚田徹君、川崎寛治君、山花秀雄辞任につき、  その補欠として羽田武嗣郎君、倉石忠雄君、井  出一太郎君、小坂善太郎君、中澤茂一君及び松  平忠久君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員渡海元三郎辞任につき、その補欠として  増田甲子七君が議長指名委員に選任された。 同日  理事稻葉修君及び小沢辰男君同日理事辞任につ  き、その補欠として湊徹郎君及び渡辺栄一君が  理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  参考人出頭要求に関する件  長野松代周辺地震による災害対策  長野松代周辺地震による災害対策に関す  る件      ————◇—————
  2. 日野吉夫

    日野委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  理事稻葉修君及び小沢辰男君から、それぞれ理事辞任いたしたいとの申し出があります。いずれもこれを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 日野吉夫

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  引き続き理事補欠選任を行ないます。これは先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 日野吉夫

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、湊徹郎君及び渡辺栄一君を理事指名いたします。(拍手)      ————◇—————
  5. 日野吉夫

    日野委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、長野松代周辺において頻発いたしております地震による災害対策につきまして調査を進めてまいりたいと存じます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本問題調査のため、本日、長野県知事西沢権一郎君、松代町長中村兼次郎君、及び東京大学地震研究所長萩原尊礼君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 日野吉夫

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  7. 日野吉夫

    日野委員長 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中のところを本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございました。  松代町を中心として周辺地帯一帯に頻発いたしております地震に関しましては、本委員会といたしましても、多大の関心を持ち、憂慮いたしているところでありまして、先般政府から既略説明を聴取いたしたのでありますが、その後、一段と広範囲にわたり、頻発の度を加え、震度が強くなってまいっているやに伺っているのでありまして、地元住民の方々にはまことに同情の念を禁じ得ないところであります。  参考人におかれましては、地震による災害対策に関しまして、何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  それでは、最初に西沢参考人、次いで中村参考人の順に、それぞれ十分程度の御意見の開陳を願い、萩原参考人委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、まず西沢参考人お願いいたします。
  8. 西沢権一郎

    西沢参考人 ただいま御紹介をいただきました長野県知事西沢でございます。  本日、当委員会におきまして、松代中心として発生いたしております地震関係につきまして陳述機会をお与えいただきまして、まことにありがとうございます。  なお、松代地震につきましては、国会におかれましても、また、政府におかれましても、いち早くこの問題を大きな問題として取り上げられ、中央の、あるいは国会における論議、あるいは中央防災会議においてそれぞれ論議、検討をされ、あるいは各省の連絡会議等をおつくりいただく等、また、現地にはそれぞれ代表の方等を御派遣いただきまして、現地民に対して親しく慰問をされ、激励をされ、また対策等を講ぜられるという、もろもろの施策、あたたかい手を差し伸べてもらっておることに対しまして、地元関係者を代表いたしまして、この機会に心からお礼を申し上げる次第でございます。  松代地震発生いたしましたのは、御承知を賜わっておると思いますが、昨年の八月の初めでございます。順次拡大をいたしましたけれども、十一月ごろを一つのピークといたしまして、その後また順次下り坂になったのでありまして、昨年の末ないしは本年の一月ころの予想では、これは観測所等予想でありますけれども、大体三月から四月ころになると終息を告げるであろうという、そういう予報と申しますか、それがもっぱらでございました。私どもも、このことを信じたり、また、そういうふうにありたいものだというふうに念願いたしておったところが、事態は全く逆でありまして、横ばいどころか、最近においては非常に活発になってまいった次第でございます。このことは、観測所等の報告によりますと、新たなるエネルギーが加わったのだ、こういうことで、事態は非常に危険な状態であると、こういうことでありまして、地元民といたしましては、終わりを告げるであろうというふうに思っておりましたやさきでありまするので、非常に驚いておるというのが現状でございます。それに裏打ちをするように、符牒を合わせるように、実は四月の五日には、松代の隣の、やや東北にあります若穂町というところを中心にして震度五という地震発生をいたしまして、相当被害を及ぼしております。松代中心にいままで発生しておったものが隣へ移ったので、松代から中心がそれたのかというふうに思っておりましたところ、今度また逆戻りをいたしまして、松代中心にして十一日にはやはり震度五という地震発生をいたしまして、また相当被害を与えておるというのが現状でございまして、しかも、震度五はもちろんであるが、今後震度六も起こりかねないという非常に危険な状態であると、こういうことで、私どももそれに即応するような対策というものを立て直さなくちゃいけない、いままでの松代地震対策というものを改めていかなければならないという決意を新たにいたしておるというのが現状でございます。  そこで、いままで松代地震は最高が震度五くらいであろうというふうにもっぱらいわれておりましたので、そういう対策でありましたけれども、今度は震度六も起こる可能性もあるということでありますので、したがいまして、いままでの地域対策を強化することはもちろんでありますけれども対策すべきところの地域というものも広げる必要がある。これはお手元の「予想される被害地域」という資料をごらんいただけばおわかりいただくのでありますけれども松代中心にしていままでは二十市町村というものを被害予想される区域として対策を講じておったのでありますが、さらに今回は十六市町村をそれに追加いたしまして、三十六市町村というものに対策を立てていかなければならないという、そういう事態になった次第でございまして、これも容易ならざる事態であるというふうに思う次第でございます。  ここで、県の地震対策につきまして簡単に御説明を申し上げたいと思いますが、御承知のように、防災会議というものがございまして、その中に地震部会というものを設けた次第でございます。専門の委員等をそれぞれ任命いたしておりましたやさきに松代地震発生をいたしまして、直ちにこれによりまして松代地震対策というものを立てたのでありまして、お手元に、非常に大冊なものになっておりますけれども、「松代地震対策計画」というのを差し上げてありますが、これが松代地震対策の全貌でございます。ただいま申しましたように、いままでは二十市町村でありましたけれども、三十六市町村ということで手直しをいたしたのでありまして、順次手直しをいたしまして、最近の計画というものは、お手元に差し上げてございますこの計画でございまして、これには、県はもちろんでありますけれども関係協力機関といたしまして、国鉄であるとか、あるいは営林局であるとか、あるいは電電公社であるとか、あるいは電力会社であるとか、その他それぞれの機関も加わりましてこの対策を立てたのでありまして、特に警察自衛隊等も非常に協力体制を緊密に確立されておりまして、自衛隊などは、この事態に対処いたしまして、師団長がみずから県へこのごろ参られまして、万一の場合には四千人を動員するというような、そういう対策もできております。それから警察は、すでに震度五の地震がありましたので、それに従いましてこのごろ八百名ぐらいすでに動員をされておるような次第でありまして、そういう体制はすっかり確立いたしておりまして、一々御説明は時間の関係で申し上げませんけれども、二十項目にわたりまして、それぞれ、食糧をはじめとして、飲料水、あるいはけが人が出た場合にはどうするとか、あるいは救援物資はどうだというようなことを全部ここに規定してありまして、これによって進めてまいる所存でございます。  次に、地震対策についての私ども陳情といいますか要請でございますが、それも、お手元に差し上げてございます陳情書をごらんいただきたいのでございますけれども、それが私ども対策についての国に対する要請でございます。これは県の対策と、それから先ほど申しました三十六市町村それぞれ対策を立てておりますが、三十六市町村がまちまちであるということではよろしくないから、三十六市町村が一本になりまして対策を立てていったり、お互いに連絡協調をし、助け合っていこうという、こういう体制を確立しておりまして、協議会というものをつくっております。その協議会長には私がなっておりまして、そこで統制をとっていこうという、そういう体制でございます。その陳情書と、それから付属の書類に金額等が出ておりますけれども、大体今回ただいまの時点における対策として、県関係で二億余り市町村関係で五億余りという、そういう金額が出ておりまして、これは事業費でありますけれども、これに対してそれぞれ国のほうで財政的な援助措置等をいただきたいというのが、私ども陳情の要旨でございます。このことにつきましては、もうすでに昨年国においてたいへん心配をされておるのでありまして、この点、私どもたいへん感謝をいたしておる次第でございますけれども、しかし、地元の者から申しますと、まだまだ十分ではないというような点もないではございません。  さらにまた、いままでの事態を継続するということ以外に、新しい問題として特に発生いたしましたのは、個人住宅に対してやはり守ってやりたいという、そういうことが新しい事態でございます。いままでの私ども行政を担当している者の常識としては、こういう災害に対しては個人住宅はもう個人責任において守るべきものであって、そこまで手が回らない。もっとも、生活保護家庭とか、そういう特殊なものはもちろんいままででもやっておりますけれども、それ以上のことは行政の手の及ぶところではないということになっておりましたけれども、今回の地震はやや趣を異にしておる。ややといいますか、大いに趣を異にしておるというふうに思います。地震発生いたしまして火災が生ずるということは——私ども火災を防ぐということが一番重点でありまして、人命と火災を防ぐということでこれは日夜警戒をいたしておりまして、先ほど申しました震度五という地震発生いたしましても、火災は一件も発生いたしておりません。これはもう非常に地震に対する訓練をしておるというそのたまものであるというふうに思って、私どもたいへん喜んでおるのでありますけれども、そういう事情でありまして、火災を防ぎたい。そこで、危険家屋倒壊をするということになると、火災発生するおそれがある。そこで、火災防止というそういう公の見地に立っても、やはり個人住宅にちょっと突っかい棒をするとか、あるいはかすがいをするというようなことで倒壊を防ぐ、そのために火災防止にもなるということで、ボーダーライン層以下といいますか、その程度のところは、個人住宅に対しても自治体においても崩壊を防止してやりたいということがもっぱらでございます。そこで、国のほうへ新しい事態としてこれをお願いしたい。国がやっていただかないといっても地方自治体としてはやらないわけにはいかないんじゃないかということが、ただいままでの空気でありまして、それらが新しく発生した事態でございます。  そのほかにもいろいろございますけれども、特に私はこの際お願いをいたしたいことは、国も、いろいろ法規等がございまして、財政支出等にあたってもそれぞれ制約がございますけれども、こういう非常事態でありますので、ひとつそこのところは弾力ある運営、できますならば、現地における財政支出とか判断とかいうものを大幅に知事に委譲するといいますか、私にまかせるというくらいなことをやっていただければ、たいへんありがたいというふうに思います。各市町村でもって地震対策はどういうことをやればいいかということがいろいろありますけれども、一々国に相談をし、その承認を得てというようなことであると、間に合わないということもありますし、また適切でないということもありますので、知事責任をもってやる、知事を信頼し、知事にまかせるというくらいにやっていただければ、たいへんありがたいと思います。私は、まかされたからといって、決してでたらめなことをやろうというようなことは毛頭も考えておりませんし、国と十分に連絡をしつつやりたいと思いますけれども、少なくとも、いま地震で非常に恐怖にかられておるところの住民が、国のほうでも知事相当の権限をまかせて、知事の腹でもってやれということになったとなれば、そのこと自体で非常に安心するというか、そういうことになろうというふうに思うのでありまして、これはたいへん無理なことでありますけれども、そのようなこともでき得ますれば、たいへんありがたいというふうに思います。  私どもは、この地震に対して、見えざる敵との戦いというように言っておりまして、震度六がはたして起こるのか起こらぬのかわかりませんけれども、しかし、五というものがいま現実に起こっておって、前ぶれがあるのでありますから、前ぶれがあるにもかかわらず十全なかまえをしなかったということになれば、これは天災ではなくして人災であるというそしりを受けるというふうに思う次第でございます。したがいまして、この際、多少過剰であっても、過剰防衛的なことをやらないと、住民はおさまらないではないかというふうに思います。現地においては、何か特殊地帯指定とか激甚地指定をして、一切そういうものを特殊なケースとして国が引き受けるというようなことをやってくれという要望がございますけれども、私が申しました精神と相通ずるものであろうというふうに思います。特殊なケースでありますので、国としても方針決定等はなかなか困難なことがあろうと思いますけれども、私が申し上げました精神をおくみ取りいただきまして、特にそういうことに御配慮をいただければ、たいへんありがたいと思う次第でございます。  なお、最後に申し上げたいことは、いま国会地震に対する保険について審議をされておるということでありますから、これもぜひ成立をさせていただきたいということ、それから原子力の時代宇宙旅行時代であるのに、地震の予知といいますか予報といいますか、これがどうもできないということでありまして、この点、科学的にさらに研究を進めるということ、これは国においても検討されておるということで、私ありがたく思っておる次第でございますけれども、そういう方面もさらに強力に進めていただくことを最後お願い申し上げまして、時間の関係等もございましたので十分意を尽くしませんけれども、私の陳述を終わらせていただきます。(拍手
  9. 日野吉夫

    日野委員長 たいへん御苦労さまでした。  次に、中村参考人お願いいたします。
  10. 中村兼治郎

    中村参考人 ただいま御紹介をいただきました地元松代町長中村兼次郎であります。  ただいま知事さんからお話がございまして、あるいは重複するようなところがあるかも存じませんが、お許しをいただきたいと存じます。  このたび地元松代町の町長をお招きいただいて、地元実情を申し述べる機会を得させていただきまして、まことにこの上もないしあわせでございます。  実は、もう花の咲くいまごろは地震が終息するという予想観測所あるいは東大研究所等からいただいておったのでございまして、だんだん震度の数も少なくなり、安心をしておりましたところが、三月の半ばごろから様相が変わってまいりまして、一日千五百回をこえるような事情になってまいり、何だかだんだん震度が大きくなりまして、四月に入ってからは、四千五百回をこえるような事情になってまいりました。なおまた、震度三というようなものが連続して毎日襲ってくるというような事情でございまして、観測所あるいは東大地震研究所等お話では、いままで終息するということを情報で申し上げたが、これはことごとく御破算であるという情報でございまして、地元町民をはじめ、私どもほんとうに心から恐怖の念にかられ、なおまた、四月の五日、十一日というように連続して襲ってまいりました大きな震度というもので実は町民ことごとくぼう然自失というのが、ほんとう現状の姿でございます。ことに十一日の日の状況におきましては、屋根がわらが落ち、壁に亀裂が入り、私ども、ただいままで御配慮によりました線に沿って、あくまでもこの防災を強力に推進してまいった次第でございますけれども、事ここに至っては、ただいま申し上げますように、何とも人力ではなすすべがない。そこで、十一日に急遽臨時議会を招集いたしまして、いろいろ意見をまとめてみました。しかるところ、観測所お話等を総合いたして推察いたしますると、まだこのあと震度六というようなものがくるかもしれないというお話でございまして、もし震度六というものが松代町を襲うということになりますと、現在の家屋の三〇%は倒壊するであろうということも予測されておるような実情でございますので、急遽私は県のほうへ参りまして、知事さんにもいろいろお願いを実はいたしたわけでございます。  それは、私ども六つの中学校を持っておるのでございますが、建物は、それは古くはございますけれども、どうにかこのところ四、五年あるいは十年は使っていかれる、こういうものが、毎日毎日のゆすれであぶなくて、どうも生徒を入れるわけにまいらないわけでございます。そこで、ぜひこの頭の重いかわらを引き下げてしまってトタンぶきにしようということを知事さんにもお願いをいたしてあるというわけでございます。  なおまた、ただいま申し上げましたように、民家の三〇%というものは倒壊するだろう、これに対抗するには、何といたしましても、これは各個人建物でございますから、町がこれを行なうというわけにはまいりませんけれども、すでに私の手元へは、ゆすっている家から固定という定まった資産税を取るのは一体どういうわけだという、理屈をこねて迫ってまいるような実情であります。毎日毎日ふるっているところへ持ってきて固定とは何だ、そういう資産税を取るとははなはだけしからぬというのが、町民の大部分の意向でございます。これも一理あることで、私として何とも言えないで、ただ涙をためておる、こういう姿でございます。  中小企業は、いつ地震がくるかわからないから、毎日生産を落としてはいけないということで仕事をしております。ところが、どさっとくるから、それでシャフトが欠けてしまう。そうすると、そのシャフトを取りかえている間というものは、シャフトの金はわずかでございますけれども、五十人なり六十人なりの者を休ませてシャフトの取りかえをしなければいけないということでございますから、中小企業生産というものもそれで低下してくるということでございます。当然これはいわゆる償却資産の減税をしていかなければならないのではないかということと、いま一つは、旋盤のごときも、がたがたときますから、何としても土台が狂ってしまう、そうすれば、その旋盤の機械を水平を保たせていかなければならないから、これをつけかえていかなければならない、こういう実情に相なっておるのが現状でございます。  そこで私どもは、行政の上からも、また政治面から参りましても、何とかして住民を安堵させるという考え方でなければならないけれども、いかんせん、口ばかりではだめなんで、何とか物質なりその他のもので補ってやるということ、それ以外に方法はない。ところが、少し山つきになってまいりますと、宅地が石がきを積んで段々になっておる、そういうところの石がきがくずれてくる。一体、町では被害の状況を報告しろというが、百銭もくれないで、報告ばかりさせて何の役に立つという。これも理屈があるので、私はこれにも答えることができないというのが現状でございまして、三千五百回からの有感地震があるということは、ほとんど十分間に二度あるいは一つ半というような割合でがたがたゆすってくるということでございますから、ほとんど居ごこちというものはございません。私は役場の町長室におりますが、そこへ職員が鉄かぶとを持ってきて、町長さん、上のほうから何か落ちてきてはいけないから、これをかぶれというわけで、私に鉄かぶとを用意させて、いつ何どきでも鉄かぶとをかぶるしたくをさせておるというのが現状でございまして、各家庭においてもおのずからそういう気分で、ほとんど安からざる気分がございます。  あるいは政府の御当局にたいへん御迷惑になることを申し上げるかもしれませんが、実情でございますから申し上げたいと思うのでございますけれども、いまじょうぶな建物であっても、ただいま申し上げるように、毎日毎日ゆすっておるのでありますから、よほどじょうぶな建物でも漸次脆弱になってき、くぎもゆるんでくるというのが実情でございます。しかるに、県の教育委員会の義務教育課は、来てみまして、これは半壊だ、これは使用禁止だと言われる。生徒を入れていけないところは、それを直ちにつぶして次の対策を立てるように御指導いただくならばともあれ、それができない。私どもは、使用禁止の建物を、ほとんど国宝のように建てておくということであります。使えないものをどうして建てておくんだといって町民からはしかられますけれども、建ててやるには金が要る。それは半壊としか認めないということでございますから、その費用の三分の一しかもらうことができない。町にそういう財政力があるならば、私はだれにも御相談しなくてやるのでございますけれども、国家の一つの規定がございまして、それは直ちに私どもの自由にならないというので、私どもは涙をのんでおるというのが実情でございます。なお、今後ともそういうふうにゆすられればいけない建物というものは、頭の重いからでございますから、これを直ちに撤去して、いっときも早くその建物の保存をするという考え方で、私はこの際全部かわらをおろしてトタン板にするということを提唱して、知事さんにもいろいろ御相談申し上げておるというのが実情でございます。  こういうことでございまして、中小企業といい、あるいは町民の一般といい、学校の施設といい、まことに実情が長引いておりますので、ほんとうに苦しみ抜いておるということで、町民は、ただいま申し上げましたように、ぼう然自失の態度でございまして、私はじめもうノイローゼになっておるということでございます。人さまの言うことはもう聞こえない、何とかして町民を安堵させる方法はないものか、こういう姿で、昨日も、今朝の十時半に出頭しろという仰せでございますから、昨日出かけてまいりましたが、やはり夜も心配だから役場に電話をかけて、様子はどうだ、こういうふうに聞かなければならない私の切実なこの憂いも御推察いただきまして、この際、ただいま知事さんのほうからお願いがございましたが、何とぞ先生方の御配慮によりまして、この地震地帯の町民、村民あるいは市民がほんとうに安心してそこに居住できるようにお願い申し上げたいと思うのでございます。すでに老人、それから病人は疎開を始めておるような次第でございます。いまも毎日毎日できておる事柄でございますから、詳細な数字はただいま持っておりませんが、すでにもう三、四百人は疎開を始めておるというような実情でございます。いつ何どきマグニチュード六というようなものがまいるかわからない。そのためにも、私は今日の皆さんへのこの陳述を終えて直ちに帰って、すぐさまでも三〇%に当たる家屋の補強をして住民を安心せしめたい、かような考え方でおるような次第でございます。  何とぞこの衷情を御賢察いただきまして、格段の御高配を賜わることを切にお願い申し上げまして、私の陳述を終わることにいたします。(拍手
  11. 日野吉夫

    日野委員長 たいへん御苦労さまでした。  これにて意見の聴取は終わりました。     —————————————
  12. 日野吉夫

    日野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松平忠久君。
  13. 松平忠久

    ○松平委員 ただいま参考人のそれぞれの御意見を聞きまして、全く御同情にたえません。  まず、お二人の参考人の方にお聞きしたいのですが、私どもも聞いておるし、ただいまの陳述によりましても、二月、三月、四月、ずっと減ってくる、こういう地震観測所等の想定のもとにいろんな仕事をされてきているのではなかろうかと思います。県及び町の予算というものは、おそらく、一月、二月ごろ事務的にやられて、三月にこれを決定したということであろうと思うのですが、その県並びに町の予算の決定にあたりましては、一応想定としては、三月、四月にはだんだん下火になってくるんだ、こういう想定で予算の編成に当たられたのではなかろうか、こういうふうに察しているわけですけれども、予算編成をどういう姿勢をもって行なったかということをまずお伺いいたします。
  14. 西沢権一郎

    西沢参考人 ただいまのお尋ね、ごもっともでありまして、予算の編成というのは大体一月から二月ごろに取りかかっておりまして、そのころは非常に下火のときでありますから、昨年のような地震対策の予算というものはことしは計上しないでも済むのではないか、そういうことで予算の編成をいたしました。ところが、いま申し上げましたように、三月になりましてだんだん頻発をいたしてまいりました。ちょうど県会の開会中にもそのことが質問等にもあらわれまして、どういうふうにするか、こういうことでございました。そこで、ちょうど新年度予算が成立いたしますから、県の守備範囲というのは主として公共施設、公用施設等にまつわるものが多いわけで、だから、県自体のやるべきことは、新しくできたところの予算をとりあえず傾斜することによってその対策は講ぜられる。一〇〇%ではありませんけれども、講ぜられる。しかし、そこへ集中することによってほかのほうが手薄になるということは、将来の問題としてはあろうと思います。そういうことについてはまた追加の時期において追加する等の処置を講ずる。それから予備費がございますから、緊急やむを得ざるものに対しては予備費の支出とか、そういうことによって県自体の、お手元に差し上げておりますところの二億余りの処置というものは、大体昨年と同じようなことを増加したということでもってできるのではないかということでやっておりますけれども市町村はちょっと事情が違いまして、特殊な、そういう公共施設等が中心でない、それもありますけれども中心でないので、多少事情が違う。それで、やはり専決をするなり、あるいは臨時議会等もあるようでありますけれども、そういうことによって処置をしなければならないじゃないかというふうに思いますが、県のほうとしてはとりあえずそういうことでもって処置してまいりたいと思います。
  15. 中村兼治郎

    中村参考人 ただいままで申し上げましたように、四月には終わるという考え方でございましたから、さらに地震に対する予算というものは組んでございません。
  16. 松平忠久

    ○松平委員 そこに非常に問題があると思うのであります。  そこで、時間もありませんので、参考人陳述に基づいて若干お伺いしたいと思いますが、第一の問題は、学校についてであります。その第一は、使用禁止をされておる校舎が、老朽校舎としての取り扱いを受けておるから、それを改築するという場合には、三分の一しか実は補助がない。使用禁止ということと、三分の一の補助しかよこさないという関連性、それは一体どこにあるのか。つまり、一〇〇%危険であるから使用禁止だろうと思う。一〇〇%これは危険であるというならば、それを改築する場合には、災害にあったと同様に三分の二の補助をするのが当然であろうと思うけれども、現行法の中でそういう認定をするのは何に根拠しているのか、それを伺いたい。
  17. 大串不二雄

    ○大串説明員 お答えいたします。  ただいまの御質問でございますけれども建物が危険であると認定されましても、現行の公立学校の災害復旧の国庫負担法によりますと、実際に災害によりまして被害を受けた場合でありませんと、この国庫負担法によります対象にはなりませんので、したがって、災害によりまして実際に被害を受けた場合でありませんと、法律によります三分の二の補助の対象にはならないわけであります。危険であるということだけでもって災害復旧の対象として三分の二の補助で改築するというわけには、現行法ではまいらないわけであります。
  18. 松平忠久

    ○松平委員 これはいままでわれわれの伺っておることとは若干違っておる見解であって、使用禁止をしたということは、一〇〇%危険だから使用禁止をしたわけでしょう。これは全壊になったのと同じ解釈をして差しつかえないと思うのだけれども、それをしゃくし定木に役人の立場においてやるということは、結局、君ら予算がないからではないか。予算をもっと要求したらどうなんです。予算がないから、そういうしゃくし定木でもってやって、そうして地方公共団体に非常な心配をかけている、こういうことだろうと思うのだけれども、その私の見解について君らどういう気持ちを持っておるか。
  19. 大串不二雄

    ○大串説明員 ただいまの問題につきましては、実は災害復旧の扱いというのは、三分の二の補助を対象といたします災害復旧の国庫負担法では、災害を受けた場合、原形に復旧する場合にその対象となるということでありまして、災害を受けないものにつきましては、別の考え方をいたさなければならないわけであります。この点につきましては、前例もございませんので、これに準ずる措置をとることは困難ではないかと思います。
  20. 松平忠久

    ○松平委員 課長ではやはりよくわからぬと思うのだ。ただ現行法の範囲内だけでいろいろ言っておるので、一方において使用禁止で、前例のないことだとか、何か方法を考えなければならないということを君は言ったけれども、総理府副長官、いまのような文部省側の答弁なんですが、これはもっとあたたかい政治的な考慮というものを加えなければならない問題ではないか。いまの課長も、前例のないことであるから、別途考えなければならないということを言っておったけれども、何かそこらに腹案がございますか。
  21. 細田吉藏

    ○細田政府委員 使用禁止をいたしておるという場合は、ただ老朽であるから使用禁止をしておるというのが通例だと思います。ところが、今回の場合は、地震が起こりそうだ、現に起こっておる、こういうために、もうちょっと大きいのがきたらあぶない、こういう意味で使用禁止をしておると思う。昨年の秋から校庭にプレハブの校舎をつくっておりますが、これは二階の校舎が地震が起こったときに危険だということのために、臨時に——これは法律上の根拠はありません。予算補助を六割出しましてつくっておるわけなんであります。そこで、それと同じような考え方——いま文部省のほうから話がございましたように、前例がないという言い方は、実はこの松代地震のようなことが前例がないわけでありますから、そういう点で、さらに文部省並びに大蔵省で研究を十分にさせたい、かように思うわけでございます。
  22. 松平忠久

    ○松平委員 いまのプレハブの問題でちょっとお聞きしたいのですが、私どもこの間視察してみると、プレハブ自体がいたんできていて、廊下なんか穴があいている、こういう状態なんですが、プレハブの修繕費はだれが出しますか。
  23. 大串不二雄

    ○大串説明員 お答えいたします。  プレハブ校舎の場合には、校舎の建物の維持補修に関しましては、それぞれの市町村で措置をしていただくことになっております。
  24. 松平忠久

    ○松平委員 その点も若干問題がありますけれども、時間の関係で次に移ります。  現在の法律のもとでは、災害については個人補償はしておらない。このことが前提になっておりますけれども松代の場合は前例のない一つの災害であって、毎日その災害が積み重なっておる、こういう実情だろうと思います。震度六がくれば三割はつぶれる。しかし、それを補強すれば一割に食いとめることができるのではないかということで、老朽家屋の補強をして、突っかい棒なんかをする、それをしたいというわけだけれども、金のあるところはできる、また、生活保護の適用を受けているものは別途考慮されるところがあるでありましょうが、ボーダーラインの人たちは結局それができない。みすみすつぶれる三割の中に入ってしまう、こういうことであるように思われます。したがって、これは何か安い材木をあっせんするか、あるいは修繕費の一部を負担するかというような方法はとれないかどうか。現行法でなければ、行政措置、予算措置でありますが、そういうものによってやり得るようなことがないのかどうか、あるいは特別交付税というようなことも、回り回って考えられないこともないと思いますけれども、いわゆる個人住宅の補強工事に対する助成というようなことについて、総理府副長官はどういうふうにお考えですか。
  25. 細田吉藏

    ○細田政府委員 すでに御案内のとおり、個人災害補償という問題につきましては、災害が起こりました際に、現行法上は非常にむずかしい問題が——何と申しましょうか、消極的なものが多うございます。かねがね災害対策委員会でも、災害のつど問題になっておることは、御承知のとおりでございます。その際に、共済制度とか、あるいは融資、そういうことで片づけておる場合が多いと思うわけでございます。今回の住宅の補強の問題につきましては、先ほど知事からもお話がございましたが、単なる個人災害ということになりますと、これはなかなかむずかしい。生活保護者とか、あるいは世帯更生資金によるようなものは別でございますが、それ以上になりますとなかなかむずかしくて、これは個人補償全体の問題にひっからみます。しかし、先ほど知事がおっしゃったような、これは公のものと考えられぬかどうか、まあ火事でも起こったら、これは全部大きな火災になるんだ、そういうような理屈のもとに何らかの措置がとれるんじゃないかということで、実は昨日も私どものほうの連絡会議を開きまして、各省に知恵を出してもらおう、国有林の問題もいまございましたが、何か方法がないか、もう少し考えてもらいたいということを私からも要請したわけでございまして、関係各省でももう少し考えようじゃないか、こういうことで実はきのうは別れたような次第でございます。どうせこれは市町村がほうっておけないという事態ではないかと思います。そういうことでございますので、最後の場合に、特別交付税とかなんとかということになるかどうか、しかし、そこまでいかない前に何らかの方法がとれるかどうか、いま少し、それこそ前向きで各省で検討をいたしたい、こう考えておるようなわけでございます。
  26. 松平忠久

    ○松平委員 その姿勢は、きわめて積極的な姿勢だろうと私は思います。ぜひそれはその姿勢で前向きに検討願いたいと思います。  それから、松代町長さんに伺いたいのですが、お聞きするところによると、あなたのところでは、数年前ですか、ボーリングしたら温泉が出てきたというので、それをもとにして国民温泉というようなものをつくった。この金を五、六千万借りて、すでに期限が来ている。その期限を延長してくれということで、町で金を貸した向きに陳情をしておるけれども、どうしてもそれは一たん返せ、そうしてその上でまた貸してやるべき場合ができたら貸してやろうというようなことを言っておるということを聞いているのですが、それはほんとうですか。それから、それはだれですか、どこの金を使っていますか。
  27. 中村兼治郎

    中村参考人 ただいまの御質問でございますが、私のほうで温泉を掘さくいたしまして、そこから湧出したものをもとに宿舎を建てるために、実は国民健康保険の還元融資を対象にしてお借りをいたしました。これは六千万お借りをいたしました。そこで、本年の二月第一回の償還をしてまいらなければならないようなことでございましたが、地震のために、ほとんど来客がとだえてしまいました。おそらく毎日十五人程度のものしか温泉へ来ない、こういうことで、昨年度の企業会計の赤字が約六百万というような数字に相なりました。そこで、この起債の返還の延期方を長野財務局へ陳情いたしました。しかるところ、起債は国の計画があって、そうしてまた新しいところへ貸していかなければならないのだから、それはまかりならない。であるから、またあらためて起債の申請をしろというお話でございました。この起債の申請をいたしましても、そういうような、地震のために国民宿舎が収入減になったという例はいままでないのだから、そういうことが理由では起債はできないということで、まあ泣き寝入りと申しますか、他の金融機関から融通を受けてこれを償還いたしておるというのが現状でございます。  実は昨年来も、先生方の御配慮によりまして一応地震対策はいたしたものの、国のそれぞれの規制によりまして、千五百六十万というものが私ども起債で収支をつけておるというような事情でございます。こういうような事情で、町の財政というものも、毎年する仕事もしていかなければならない、税金は限度がきまっておる、こういうことでございますから、それらのものは、逐次他のものを節約して返済していくよりほかしようがないというのが現状でございます。
  28. 松平忠久

    ○松平委員 大蔵省に伺いたいのですが、いま私の質問しているのに対して、もちろん町長の答えがそういう答えで、私も初めてこの問題は聞いたのだけれども、そういう無理なことをして金をどうしても取り立てなければいかぬという、その根拠もおかしいが、そういう行政のやり方というものがおかしいんじゃないかと思うのですが、あなた、この問題を聞いていますか。
  29. 玉置明男

    ○玉置説明員 お話しの件は理財局の所管でございまして、私の担当しております仕事ではございませんので、その辺お断わりしておきたいと思いますが、理財局の中で資金管理課というのがございまして、それが運用部資金の管理回収の仕事をやっております。したがいまして、私どもの立場で責任のある答弁ができませんのは残念でございますが、従来、同様のケースにつきまして私が資金管理課長といろいろ話した例もありますので、そういうものを頭に置いてお答えしたいと思いますが、従来、災害復旧の場合でも、償還年限の延長、あるいは借りかえ、こういう要望が二、三ございましたが、その場合も、やはり資金の効率的な運用という面からしまして、なるべく償還年限の延長をしないで済ます。実情に応じて考慮はいたしますが、ごく最近の運用を見ますと、延長した例は一件もないようでございますが、しかしながら、やはり災害実情に応じて考慮をしなければならない問題だと思いますので、例がないからといって一切延長はできないというふうには私ども考えておりません。もちろん、担当の課長意見を聞かなければいけませんが、やはりケース・バイ・ケース実情に応じて、どうしても償還能力がないという場合は何らかの方法を考えてしかるべきじゃないかというふうに私は考えております。
  30. 松平忠久

    ○松平委員 一方において、国がいろいろ考えて、現行法の中でできるだけ、あるいは法を弾力的に運用してでもこの地震対策をしなくちゃならぬというのにかかわらず、一方のほうは、法をたてにして、貸した金はどんどん取り上げる、こういう不統一な行政のあり方というものはないと思うのだ。これは、細田副長官、いまのような小さい問題だけれども、心得ておいてもらって、もっと統一のある対策というものをやるように関係各事務当局を督励してもらいたいと思うのです。  それから最後に、私が聞いたところによると、国土地理院のいわゆる磁気測量というものは本年三月に行なうことに決定しておった。ところが、それを八月に延ばしてしまった。地震がだんだん下火になったせいかどうかよくわかりませんが、聞くところによると、それを測量するのに金がかかる、ガソリン代がかかる、そのガソリン代二十万円がどうしてもくめんがつかぬために昨年度はできなかった、そこでこれを来年度に延ばしたということを聞いております。ところが、これは科学技術庁の研究調整局でそういうものは調整して、そうして金を出すべき性質のものではなかろうかと思うのです。それをやらないのはどういうわけであるかというととが第一点。  第二点は、あなたのほうの地下室の倉庫にジオディメーターという新しい機械があるそうであって、距離測量をする場合にこのジオディメーターを使うことが一番いいのだ、こういうことをいわれておる。これを使うのに予算が六十万円かかる、こういうことを私はあなたのほうの係の者から聞いておる。そうして、松代中心にしてこのジオディメーターというものを使ったならば、もっと地震の震源地、距離あるいは予知にも関連のあるところの調査ができる、こういうことを聞いているけれども、それをどうして使わないのか。  この二点は、はっきりここで、どういう理由で一方は延ばし、一方はそれを使わないのか、答えてもらいたい。
  31. 原田美道

    ○原田説明員 松代地震につきましての測量を国土地理院は担当するというわけでございます。測量には、水準測量をまず考えております。次に基線、長さの測量をやり、これでもって水平の動きを確かめる。それからあとは、地殻の中の物理的な現象に基づく磁気測量、あるいは重力測量、その四つのうち……。
  32. 松平忠久

    ○松平委員 そんな長ったらしいことは要らない。なぜ八月に延ばしたかということを聞いているのだ。
  33. 原田美道

    ○原田説明員 この事業のうち、ただいまやっておりますのは、四月十二日から水準測量班が出ております。次に出ますのが重力、地磁気、これが国土地理院の事業費でいたします。それから、一方、科学技術庁に対しては、昨年一月二十五日に調整費を四十年度、四十一年度の分を請求いたしまして、四十一年度の分につきましては、第四回目の測量について実施いたしたいと思って、八月以降に計画いたしております。
  34. 松平忠久

    ○松平委員 昨年の計画では三月にやろうというのであるけれども、それを四回目にしてしまったのはどういう理由なのか。
  35. 原田美道

    ○原田説明員 地磁気に関しましては、東大地震研究所で昨年来ずっと連続観測をやっております。国土地理院は、非常に広域、すなわち、新潟、直江津、松本、それから上越を越えましたその範囲をわれわれは考えておる。非常に広い範囲を考えており、一月末にはやはり長期計画をすぐ立てるという考えでそういう大きな計画をつくったわけでありますが、実施の時期につきましては、地震研究所その他の連続観測をやっているデータ、その日その日の毎日のデータをわれわれ考慮しまして、それから地震研究所の要望がありまして、では四月以降さっそく広域に入ろう、ただし、地理院は水準測量に最も重点を置きまして、少なくとも現在これは三カ月から四カ月の周期で実施いたしております。
  36. 松平忠久

    ○松平委員 ジオディメーターは……。
  37. 原田美道

    ○原田説明員 ジオディメーターは、ことしの四月、まず現場に三角点がございます。大体四キロメートルほどでございますが、そのうち、いままでやっておりましたのが、震研で皆神山の約数キロの範囲内で実施しておりますので、国土地理院は、さらに広い範囲のいわゆる面積の伸び縮み、そういうものを測定する計画で、これも現地において調査しております。これには何を使うか。結局、従来は角度をはかるという方法でございましたが、時間といいますか、長さをはかるという技術が戦後非常に発達しまして、それには、電波を使う方法と、光の速度を使う方法と二方法があります。現在両方を地理院は持っておりますが、現在考えておるのは、昼間でも使える電波を使う方法を考えております。
  38. 松平忠久

    ○松平委員 東大地震研究所長にお伺いしたい。いまお話がありましたが、電波を使うというか、光波を使うという光波測量をすることが非常にいいということで、あなたのほうの研究会というか談話会、ここで、私が拝見しますと、第四項目に出ております。この光波測量の機械というものはどの程度持っておるのか、また、どの程度これは松代地震に活用なさったのか、これを伺いたい。
  39. 萩原尊礼

    萩原参考人 地震研究所では、ただいまジオディメーターと称しておりますものは一台ございます。あと多少それに改良を加えたものを試作して研究中のものも一台ございますが、実際に現場へ運んでいけるというものは一台でございます。
  40. 松平忠久

    ○松平委員 私らしろうとでありますけれども松代地震を科学的に、光波測量なりジオディメーター、そういうもので把握していくためには、約四台くらいの機械が必要かと思う。それから、四台のものを適当なところに据えてやらなければならぬということを聞いておるのですが、いまお聞きすれば、地震研究所に一台かそこらしかない、こういうことでありますが、これは一台四百万円ばかりのものだということを聞いているのだけれども、そういうものをもっとふやして、そして地震予知に貢献するというようなことはできるわけですか。もしそうだとするならば、もっと買うようなことを考えたらどうか、こう思いますが、どうですか。
  41. 萩原尊礼

    萩原参考人 これは数が多いほどいいには違いございませんが、いわゆる光波による距離測定から出ます変化というのは、やはりミリメートルまではちょっと無理でございまして、原理的にどうしてもセンチメートル程度のむのになります。そうしますと、やはり相当の期間をおいてやりませんと、そうひんぱんにやりましても、誤差の範囲に入って結果が出ませんから、やはり相当の期間、松代のように変化の大きい場合でも、三月は置かないといけないわけでございます。ですから、一台でもってあちらをやり、こちらをやり、そういうことが可能でございます。多いにこしたことはございませんが、さしあたって何台もすぐ備えなければならないというものでもないと思います。
  42. 松平忠久

    ○松平委員 自治大臣はきょう出席されますか。
  43. 日野吉夫

    日野委員長 大臣は来ていないが、自治省から来ています。
  44. 松平忠久

    ○松平委員 それでは、私は自治大臣に対する質問があるのですが、留保しまして、時間の関係もございますから、以上で質問を打ち切ります。
  45. 日野吉夫

    日野委員長 次に、小坂善太郎君。
  46. 小坂善太郎

    ○小坂委員 同僚諸君の幾多御質問があるわけですが、理事会の御決定に従いまして、先に伺わせていただくことを感謝しております。  実はこの三月くらいには何とか片がつくのではないかというふうに思われておりました松代地震が、最近範囲をさらに拡大し、また頻度を増し、また規模をさらに大きくしているということであって、先ほど知事さんや町長さんのお話にありましたように、全く困ったことと言うほかないわけであります。すでに八カ月にわたってこの松代地震と戦ってこられた町民、またこの付近一帯の方々、またその指導に当たって苦労されておる両参考人の御心中を深くお察し申し上げる次第でございます。  そこで、この委員会を非常に適切に開いていただいたことを感謝しますと同時に、この委員会が非常に効果があったということにいたしたいと思いますので、時間もございませんから、できるだけむだなことを省きまして御質問をしていきたいと思っております。  そこで、最初に、見えざる敵地震との戦いでございますが、これが一体どの程度まで予知できるものかということについて東大地震研究所長萩原さんに伺いたいと思うのですが、すでに有感地震が六百四十、震度計に感ずる地震が六千五百九十回というような、いまだかつてない頻度数をこの四月一日には見ておるわけですが、こういう地震というのは、全く地震学というものが始まって以来初めてということじゃないかと思うのです。そこで、気象庁のほうにおいても、東大とよく連絡をとられて、なかなか適切な発表をしていただいておると思います。最初は、どうも食い違うような気がいたしまして私ども心配しておったのですが、最近はなかなか適切な発表のように思います。そこで、三月二十七日に萩原さんと木村気象庁地震課長が共同発表をされておりまして、震源地が、深さ、範囲ともに立体的に広がっておる、地震全体の規模が大きくなっておって、深さは八キロ以上を震源として深くなったことが見られておる、こういう発表をされておるのですが、この震源地が深くなったということは、また、それが浅くなったというようなことも発表されておる事例もあるようですが、これは一体どういうような原因で起きるのかということ、それからこれがどういう程度震度関係を持つのかということについて、ひとつしろうとわかりのするように御説明を願いたいと思います。
  47. 萩原尊礼

    萩原参考人 深さと範囲が広がったという問題でございますが、これは大体地殻を構成しております岩石に外から力が加わって無理が生じた場合に、どれだけのエネルギーがその中に貯えられるか、そういうエネルギーの大きさは体積できまってまいりますので、大体地震が深いところまで関係し、また範囲も広いということは、それだけエネルギーが大きいということになりまして、もし一時にそのエネルギーの解消が行なわれる、つまり、そういう大きい範囲の岩石が一どきにこわれれば、非常に大きなエネルギーが出る可能性があるということになりまして、マグニチュードの大きい地震の起こる可能性があるということ、あるいはまた、マグニチュードの小さい地震がひんぴんと起こるとしたら、その起こる回数が非常に多いだろう、今後もなお幾つも起こるであろう、そういうことが期待されるわけであります。  それから震源の深さの問題でございますが、これが深いということは、さっき申し上げましたように、非常に大きい規模の地震が起こり得るということになります。それから、浅くなってきたということは、地震そのもののマグニチュードは小さくても、浅い地震は地表に大きな影響を与えますので、その上にある建物その他に対する影響は非常に大きくなる。すなわち、マグニチュードは小さくても、地震の規模は小さくても、震度は大きくなり、被害は大きくなる、そういうことになります。
  48. 小坂善太郎

    ○小坂委員 なかなか容易ならぬように思いますが、そこで、地盤の隆起という問題ですね。これが長野の東北方に起きたり、あるいは、先ごろ言われておった豊野町の地盤隆起というのは、かえって沈んで、そうして今度は南のほうの青木あたりに逆に隆起が起きておる。この隆起の関係地震の起こる可能性、この関連性はどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。
  49. 萩原尊礼

    萩原参考人 地殻の変動、すなわち隆起、沈降、その他横に動く場合もありますが、そういうものと地震発生とは非常に関係があるということは、周知のことでございまして、そういう地殻の大きな変動が地震の前に先立って起こるということも、これは周知のことでございまして、極端な場合は、地震の起こる前に目でもって見ることができたという例もございます。たとえば、明治五年に島根県の濱田で起こりました地震は、地震の起こります数十分前に、海岸の潮がずっと沖のほうまで引いてしまって、しばらくして地震がきた。これは地震の前にそういう地殻の変動が伴う非常にいい例でございます。また、新潟地震の場合も、たまたま地盤沈下ということのために水準測量がひんぱんに行なわれておりまして、そこに異常な地殻の変動が見られ、そうして新潟地震が起こったのでございまして、そういう地震と地殻変動というものは切っても切れないものでございまして、こういう異常な変動があった場合には大地震と結びつくというふうに考えられておるのでありますが、しかし、私どもそのようにひんぱんに測量をやった経験というのは非常に少ないのでありまして、こういう変動が起こったらどういうふうな地震の起こり方をするか、あるいは、多少の変動があっても地震が起こらないで済む場合もあるかもしれませんが、そういう測量がいままでたびたび行なわれたという経験がまだ少ないために、ここに非常に明確な知識がまだないのでございます。
  50. 小坂善太郎

    ○小坂委員 あまり時間がありませんから、簡単な答えでけっこうです。  そこで、三月二十九日に長野気象庁で、震源地が東西に伸びて、若穂町のほうと千曲川沿いに伸びていくだろうという発表があったわけです。あなたのほうも、気象庁のほうもまた、同じようなことを四月の二日に言っておられるのですが、これが実に明確に的中したような形になっている。先ほど、地震計が少ないのじゃないかというお話がありましたが、なかなかこれは正確だというふうに思うのです。これは縁起でもない話ですけれども、こういうあなたのほうの観測の結果、近い将来に激しい地震の来る可能性というものはどういうふうに見ておられますか。簡単でよろしゅうございます。
  51. 萩原尊礼

    萩原参考人 たびたび申し上げているように、マグニチュード六あるいは七に近いものがあるかもしれません。したがって、中心では震度六、相当広い範囲で震度五、そういうものは起こる可能性はあると思います。
  52. 小坂善太郎

    ○小坂委員 これはひとつ政府でもよく聞いておいていただきたい。非常に危険であるということですね。非常に可能性がある。実に残念なことでありますが、これはいかんともしがたい。これは来るという天然現象に対して、われわれはどうしたら災害を少なくするかということに真剣に取り組まなければならぬ、こういうことだと思うのです。  そこで、先ほど知事さんからいろいろお話がありましたが、どうも、こういう時期になりまして、一々査定などをやっておったのでは、なかなか民心が安定するような措置ができぬのじゃないかという問題があるわけです。県としまして二億、市町村の分として五億という御要求があり、その詳細をわれわれもらっておるわけですが、これはどうですか、副長官、ひとつずばり政治的にこれは特交で見てやるという腹をきめて、そして知事の良識と人格を十分尊重して、これをまかせるから機動的にやれ、こういうふうな大づかみなお考えというものはできぬものでしょうか、これを伺いたい。
  53. 細田吉藏

    ○細田政府委員 何から何まで査定などやってはまだるっこいじゃないかというような趣旨の御発言もあったわけであります。たとえば一つの例をあげますと、校舎の問題などにつきましては、やはり文部省から専門の者が来まして、現地の皆さんと両方で知恵をしぼっていろいろやるわけでございまして、時間的にそれによっておくれるということは非常に警戒しなければいけませんが、そういう点は、専門家がそれぞれの関係各省におるわけでございますので、査定するということばじゃなくて、これは一緒になっていろいろ知恵を出し合ってやるということは意味があるのじゃないか、それによっておくれては困る、かように思うわけでございます。ただ、先ほどの知事さんのお話にもございましたし、それからいま小坂先生のお話にもございましたが、いままでの法規ではそのままどうもやるわけにいかぬというような問題が、具体的にはいろいろ出ております。そういうものにつきまして、むしろ知事はそういうふうにおっしゃったのではないかと思いますが、そういうものが大体必要じゃないか、こう思うわけでございます。自治大臣なり大蔵大臣がお答えしなければなりませんが、先般地元の皆さん方と自治大臣がお会いになりました際には、最終的なあと始末については自治省で考えるという御言明がございました。本日も自治省から佐々木財政課長が参っておりますが、自治大臣もそういう考えでございます。また、政府といたしましても、いまさしあたって急いで出されたものが、事業費といたしまして七億見当のものでございます。これまでにも、いろいろ現地の御要望につきましては、つなぎ融資の問題でございますとか、あるいは交付税の増額の問題でございますとか、あるいは起債の認可の問題でございますとか、いろいろやってまいっておるわけでございますが、新しい事態に対応して出てきたのが、これは地元の話ではもう少しふえるかもしれぬという話ですが、いずれにしましても、国全体の予算から考えますと、そう大きな予算ではございません。政府全体としましては、この災害が、いまお話がございましたように大きいものが起こりそうだ、これを予防するという立場でございますので、できるだけのことをいたしたい、こういう基本的な考え方に立っておるわけでございます。
  54. 小坂善太郎

    ○小坂委員 非常に御考慮いただいておることを感謝いたしますが、これも、松平君同様、自治大臣の御出席を待ってさらにお話をいただきたいということで、留保しておきたいと思います。その際に、固定資産税の問題、これを減免することについて、これはもちろん証拠のあるものということだろうと思いますけれども、そういう趣旨でこれもそのときあわせてお答えを願っておきたい、こう思うのであります。  それから消防の関係で御質問したいのですが、これも非常にいままで御配慮いただいて感謝しておりますけれども、どうも非常に地域が広がってまいりまして、長野市という大きなものが入ってきておるわけであります。そこで、従来防火用の水槽が四十立方メートルということになっておりましたが、これをもっとこまかいものをたくさんつくらせるようにしていただけないか。二十立方メートルという希望が出ておりますが・これがどうであるかということが一点。  それからもう一点は、化学消防車の問題です。これは長野市から東北信にかけまして化学消防車が一台しかない。ところが、この地区に、長野県警に調べてもらいますと、危険物として、高圧ガス関係が二百九十四件、それからガソリン関係が二百八十二件、そのほかに火薬の貯蔵庫が四十八カ所あるということになっておるわけです。これではとても一台の化学消防車では足りないと思いますので、この点を御考慮願いたいと思います。  この二点についてひとつ御答弁をわずらわしたい。
  55. 川合武

    ○川合政府委員 防火水槽の問題でございますが、これは私どもの戦闘の実際上の問題でございまして、率直に申しますと、二十立米では水が途中で切れてしまう、こういう経験と理論を持っているわけでございます。消防ポンプが大体使います水というものが四十立米程度くらい、こういう理論と経験を持っております。二十立米というものがございますが、これは腕用時代に私とももこれを補助したことがございます。いまこれからつくりますのは、お察しのように、もし水が途中で切れますと、水利の部署がえということになりますので、これは非常に困る問題でございます。戦闘技術でございますので、その点は、私ども現地と——指導と言うと大げさでございますが、まだ足りないところもあるかと思いますので、よく現地連絡いたしまして、それが実戦的な観点から四十立米の水槽をつくっていただきたい、こういうように思っております。  それから化学車の問題でございますが、これは実は化学車があればベターであることはもちろんでございますが、いま早急の場合、それからまた、地震というような、非常に地面の亀裂その他ということを想定いたしますときに、私どもは基本的に消防戦闘力の分散配置ということを考えておりまして、これに徹底してもらうように指導もしておるわけでございます。そこで、化学車がもしないとしての前提のためのいろいろな政策を、これは技術的でございますが、やっております。しかし、むろんこれはあったほうがベターということでもございますので、よく御意見の点は検討させていただきたいと思っております。
  56. 小坂善太郎

    ○小坂委員 中小企業庁長官がおいでになっておるようですので、その関係で伺いますが、どうも地元に非常に地震の影響があらわれておる。これは先ほど町長の言われたとおりであります。そこで、温泉地帯もあるわけでございますが、ここはもうゴールデンウイークを控えてお客がほとんどない。それで給料の遅払いも出ておるというようなことでございます。そこで、金融の問題が非常に重要になってくるのでございますが、一般の企業の場合、これは下請をやっておる人が多いのですが、親企業からの注文が少なくなる、それから品物の卸の手控えということが出てきておるようでございます。これについての金融措置をどう考えておられるのか。  それからもう一つは、先ほど問題になりましたが、たび重なる地震で機械が摩耗して精度を失っておる、そのために、実際機械はあるけれども能力がなくなっておる、こういうものに対する特別の償却ですが、これは、先ほどここに長谷川君もおりまして、自民党としてもこれはぜひ大蔵省に話して取り上げさせよう、こう言っておりますけれども、この点についてどうお考えか、御所信を伺いたい。
  57. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 松代地震の憂慮すべき状態につきましては、中小企業庁といたしましても重大な関心を払っておる次第でございまして、できるだけのお手伝いをいたしたいという考えでおります。実は昨年の十一月にいち早く私のほうの担当官を現地に派遣いたしまして、現地の状況もお聞きいたし、また県庁御当局とも御相談をいたしまして、とりあえず金融問題がたいへん重要な問題であるということで、異例の措置でございますが、松代町に政府系の三金融機関及び県の信用保証協会におきまして臨時相談室を開設いたしまして、そして現在までに相当の相談を受けておりまして、金融のほうでは約六千万円余り、また、信用保証のほうでは三千万円余り、合わせて約一億円の融資決定を見たような状況でございます。それから、特に、この貸し出しをいたします場合に、普通の金融機関の考え方ではちょっと間に合わない状況でございますので、たとえば担保の取り方、あるいは過去の債務の償還期限が来ておるものの延長、そういう点につきまして思い切り弾力的に運用するように私どもからも強く要請をいたしておるような状況でございます。今後も、事態の推移に応じまして、資金の量をふやすなり、あるいはその条件をさらに弾力的にはかるということにつきましては、できるだけの努力をいたしてまいりたいと思うのでございます。  それから、先ほどお話がございました機械の償却の問題でございますが、まことに実情ごもっともでございますので、私のほうといたしましてもその問題の解決に努力いたしたい、かように存ずる次第でございます。
  58. 小坂善太郎

    ○小坂委員 松代町だけでなくて、長野市のほうにもだいぶ広がっておりますし、あなたの御郷里の須坂にも関係があると思いますから、どうぞひとつ十分範囲を拡大していただきたいと思います。  それから建設省にお願いします。いまの予想でも非常に戦慄すべきお話があったわけですけれども震度六ということになりますと、これはもうたいへんなことになるので、これも長野県警に聞いてみたのでございますが、千曲川、犀川にかかる大きな橋というものは全部落ちてしまう、こういうのです。鉄筋で五・五、木橋なら五ないし五・五なら落ちる、こういうのでございます。そこで、これはひとつ補強の措置が要ると思うのですね。これは、いざ地震があったということで落ちた、それ、補強資材を運ぶということでは、間に合わぬと思います。やはり現地に非常に重要な橋が幾つかございます。たとえば丹波島の橋であるとか、あるいは村山の橋であるとか、あるいは篠ノ井の橋であるとか、そういう重要な線の橋には、あなたのほうと林野庁と相談をされて、そして地元の営林局の木を切り出して運ぶことをひとつ了解さしていただきたいというふうに思います。これは細田副長官の守備範囲かもしれませんが、こういうことは非常に必要だと思いますので、これをお願いしたいのであります。  それから、先ほどございました、民家のはすかいを打つ補強用の材木、これまた、普通の市中の材木屋は、なかなか足元を見込んでいろいろなことを言う手合いもあるわけでございますので、これまた営林局のほうに、払い下げてやれ、その金は市価の半分くらい、そういう具体的な指示をひとつお願いしたいと思いますが、この二点について御答弁を願いたいと思います。
  59. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪説明員 実は松代中心といたします国道関係及び地方道の橋台、橋梁につきましては、これは道路の関係でやはり地震によって一番重大な被害をこうむりますのが橋梁でございますので、関東地建及び本省の係官を派遣していろいろ調査さしております。現在のところ、村山橋その他の地方道関係については、一応まず橋梁の落橋を防ぐということを目的といたしまして、隣合ったけたを連結さしておくというようなことを三橋についてやっております。あと、地方道につきましては、さらにそのほかの長い橋四橋くらいについて考えております。また、国道の丹波島橋と篠ノ井橋でございますが、丹波島橋のほうも、これはゲルバーになっておりまして、非常に下部がしっかりしておりますので、震度六ぐらいのものがあっても、まず落橋以外にはそう大きな被害がないのではないか。落橋ということになりますと、やはり地震による水平加速度及び振幅によりまして、そのけたと隣合わせましたけたが別の方向に動きますと、そこで上に載っているけたが落ちるというようなことがございますので、これも同じようにストッパーをつけるなり、そういうことを早速やりたいというふうに考えているのでございます。  そのほかに、そういうことをやっておりましても非常に心配なのは、やはり地盤が大きく変動いたしますと、単にそれだけの処置ではなかなか落橋を防ぎ切れないと思いますので、いざ落橋するような事態がございますれば、いま各地方建設局に応急橋梁としてパネル橋を十三ぐらい使えるものを持っておりますが、これを早速持ってをまして応急橋をかけたいというふうに考えております。大体一つのパネル橋で、三十メートルぐらいの延長で約三メートル幅の橋ができるようになっておりますので、それを各地方建設局が保管しておりますのを、すぐに現地のほうに持っていくように考えております。  そのほか、ただいまお話になりましたように、そういうものを持ってきましても、やはり不時の場合にはそういう木材その他の応急資材が必要になってくると思いますので、その辺はよく地元長野県の土木部とも打ち合わせて善処をしていきたいというふうに考えております。
  60. 小坂善太郎

    ○小坂委員 ちょっと補足してお聞きしますが、その費用はどういうことになりますか。いま四十一年度の金でいただいているその中から出すのですか。新たに見てもらえますか。
  61. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪説明員 いまの橋梁の落橋を防止するために隣のけたをくっつける問題は、これは費用がどのぐらいかかるか、それによって考えたいと思います。  もう一つ、災害のための備蓄資材につきましては、一応それを使えるようになれば、もちろんこれは災害復旧費の中から出ると思うのでございますが、備蓄につきましては、いまのところ、やはり県のほうで一時準備してもらうというようなことになるのではないかというふろに考えております。
  62. 福森友久

    ○福森説明員 橋梁等の応急復旧材につきましては、営林局関係といたしまして、松代周辺に約四千五百立米備蓄いたしております。その中には用材等も含まれておりますが、橋のすぐ付近に備蓄するということにつきましては、保管場所の問題とか、そこに置いておきましての管理等の問題がございますので、現地の保管についてはさらに十分検討さしていただきたい、このように考えております。  なお、安価にこれを払い下げできないかということでございますが、現在の制度におきましては、国有林の所在市町村におきまして災害が起きまして、それによりまして災害救助法が適用されました場合に、都道府県が行なうところの復旧住宅の建築用材と、市町村の管理に属しております公用もしくは公用施設の応急復旧用材につきましては減額措置がございますが、しかし、それ以外のものにつきましては、延納措置等の特例はございますが、減額の措置がございません。この問題につきましては、各省庁とも関連いたしまして非常に困難な問題と考えておりますが、法律の改正等も必要であろうかと思いますので、その法律の改正が必要あるかどうか、このようなことにつきましても今後十分検討さしていただきたい、このように考えております。
  63. 細田吉藏

    ○細田政府委員 橋梁の問題につきましては、建設省から御答弁申し上げましたが、われわれとしましても、一番大切な交通路の確保の問題でございますから、この上ともやらせたいと思います。事故が起こって落ちたことを考えれば、補強程度のことは、経費からいいましても安いものになるわけでございます。ことに危険が非常に予想されるわけでございますから、この上ともやりたいと思っております。  なお、いま林野庁からも答弁がございましたが、全般に関しますので私からちょっと申し上げたいのでございますが、たとえば災害救助法が御案内のとおりございます。昨日の会議でも私申しましたし、また、前の松代関係会議でも言ったのですが、災害救助法というのは、ある条件があったときに発動するわけでございます。これは申し上げるまでもございません。しかし、今度の場合、予防的にこういうことをやりたいということが、これは単にいまの木材の払い下げ問題だけでなくて、ほかにもたくさんあるわけでございますが、そういう点につきまして現行法のもとで一体どういうふうにやっていけるか、いろいろ便宜手段を講じて、ちょうど救助法なら救助法が出たと同じような扱い方が、どういうふうにしたらできるか、こういう点についてさらにひとつ——この問題だけではございません、全般にわたっておりますので、政府部内で早急に検討して結論を出したい。いまごろ法律改正とかなんとか言いましても、これはたいへんなことでございますので、そういうことでなくて、実際に同じような効果が期待できるような形に持っていきたい。せっかく昨日も各省に、いろいろな角度からいろいろな問題について御検討願って早急に結論を出してもらいたい、こういうふうにやっておるわけでございます。
  64. 小坂善太郎

    ○小坂委員 いまの副長官のお話は、まさに私、最後に全般を締めくくってお願いしようと思っていた点で、非常に重要な点だと思うのでございます。われわれの仲間で台風常襲地帯の法律をつくって出しましたけれども、結局あれは補助率は何もないのです。法律をつくったというだけなんです。これじゃどうも何にもなりませんので、実効ある措置をしていただきたい。地震ほんとうに起きて、無防備で災厄を受けてから政府がやるということになったら、これはたいへんなことになるのです。これは人命はもとよりでありますけれども金額に見積もってもたいへんなものだ。これはいまの科学の進歩した研究の範囲で事前にわかっておることなんだというのですから、そのわかっておることに対して政府がどう措置するか、これは弔う政治判断といいますか、姿勢の問題でもあると思うので、法律をつくってもなかなか簡単でありませんから、これはぜひひとついまのお話のように早急に措置できますように特別措置を御研究願いたい。これは、当委員会委員長である社会党出身の日野君におかれても、御異議がないんじゃないかと思いますので、国会側はいいという気持ちでおりますから、どうぞひとつその判断でお願いしたい。  まだ申し上げたいことがありますが、お約束の時間がきてしまったようなので、まとめて申し上げますから、お答えを願いたいと思います。  運輸省、国鉄関係ですが、これは震度六ということになれば、信越線はいかれてしまう、長野電鉄、丸子電鉄、みんないかれてしまう。これに対してどういうふうな応急措置を考えておられるか。  それから校舎の問題、これは先ほどもございましたのですが、かわらを取ってトタンにふきかえるということも、きわめて適切な措置だと思いますし、それから全体の高率補助の問題、これも当然お願いしなければならぬことであると思いますので、この点どうかということ。  それから厚生省の関係ですが、水源の確保ということは絶対必要でございます。これについて、厚生省としては、飲料水の問題等が起きた場合にはどういう措置を考えておられるか。  それから血液型ですが、松代では町長さんが非常な御努力をされて血液型を全部取っていただいておるわけでございますけれども、これは範囲が非常に広くなってまいりますから、他にもそういうことを勧奨していただく必要があるんじゃないかと思いますので、これもお願いしておきます。  それから、こういうことは縁起でもないことですが、万一そういうことが起きた場合には自衛隊にも出動していただかなければならぬと思いますが、町村の自衛隊に対する出動要請関係ですね。どういう手続をとればいいのかということをこの際お話しいただきたい。  以上について御質問申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  65. 林武次

    ○林説明員 地震発生による列車の被害を最小限にとどめますために私のほうでいま考えておることを申し上げます。  新潟地震のときに当時運転しておりました四二五列車の実績を詳細に調査しまして対策を立てまして、それをいま現場に指示いたしておりますが、地震発生した場合には、まず列車を全部とめます。それで、その震度によりまして、四以下の場合には、徐行で走らせる、五以上の場合には、線路の状態を全部再検査いたしまして、異状がないときに初めて列車を運転させるという措置をいまとらせております。さらに、列車をとめた場合にも、くずれやすい築堤の上であるとか、あるいは橋の上ないしは陸橋の下であるとかという場合には、状況を見まして、もう少し安全な地へというふうなやり方で、昨年の十一月から現在まで、震度四の場合に五回、震度五の場合に三回そういう事態に遭遇をいたしておりますが、いま申し上げましたような措置によりまして全部事なきを得ております。さらに、地震によりまして線路が不通になった場合の迂回輸送の点であるとか、あるいは通信が途絶した場合の通信確保のための通信回線の迂回構成ないしは移動無線機の問題であるとか、あるいは復旧用資材のことであるとかいう点については、すべて手配を完了して対策を講じておる次第でございます。
  66. 飯原久弥

    ○飯原説明員 お答えいたします。  まず最初の水道の給水の確保でございますが、現在の段階では、県のほうと御連絡を申し上げまして、かりに長野周辺が壊滅状態になった場合には、応急的に七百トン程度の量が必要かと思います。そこで、ドラムかん二百本、たる六百六十九本、これは七十二リットル入りのものと二百リットル入りのものとございます。それから給水かんが六十五本、これは牛乳運搬用のもめでございます。それから給水車が三台、ろ水車が十六台という準備をしておるわけでございます。なお所管が公衆衛生局でございますので、公衆衛生局の者とも十分連絡をとりまして、さらに被害の範囲が拡大しましたときの体制をただいま検討しておるわけでございます。  それから血液につきましては、日本赤十字社のほうから本年の四月十二日に長野県の支部に連絡いたしまして、血液の緊急輸送について、その必要量を中央から空輸することがよいと思われますので、そこで、赤十字飛行隊が一時間以内に調布飛行場を離陸し得るように、少なくとも二機を準備しておるわけでございます。  なお、血液の問題につきましては私所管ではございませんので、関係局のほうによく連絡いたしまして、御要望に沿うように検討をいたしたいと思います。
  67. 島田豊

    ○島田豊政府委員 お答え申し上げます。  災害発生しました場合の災害派遣の要請権者は、都道府県知事ということでございます。事態に備えまして、平素自衛隊としましても、松代町、それから長野県庁に常時連絡官を置いてございまして、その間の連絡は遺漏ないと思います。また、松木の部隊が現地の担当部隊でございますけれども、県の災害対策本部とも常時密接な連絡をとっておりますので、県側としてもその辺の点につきましては十分御承知のことと思います。
  68. 小坂善太郎

    ○小坂委員 では、自治大臣への質問を留保して、これで終わります。
  69. 日野吉夫

    日野委員長 次に、中澤茂一君。
  70. 中澤茂一

    中澤委員 参議院でも二時から災害対策をやるようですから、基本的な点について一点だけお聞きしておきたいが、いま各委員の質問に対する政府関係者の答弁を聞いておると、災害が起きてないじゃないか、だから予防措置じゃないか、こういう答弁が全部と言ってもいいと思うんです。現実に災害が起きているんです。たとえば県道が四十メートルも地割れしてしまったとか、あるいは、個人災害ですけれども屋根がわらがみな落ちているとか、現実に災害が起きているのに、これは予防対策だという考え方自体が私はおかしいと思うんです。やはり災害法の適用をこの際やるべきである。細田副長官は非常に御努力を願っておって、私は感謝していますが、しかし、そういう指導方針ではいけないと思うんです。やはりこの際、現実に起きている災害だから、災害法を発動すべきである、そういう考え方で問題の処理をしていただかないと、現実に起きていないじゃないか、これは予防措置じゃないか——先ほど林野庁の答弁なんか聞いていると、災害のたびにわれわれはあれを問題にしているじゃないですか。要するに、個人住宅災害が起きた場合、たとえば狩野川台風の場合、あのときだって、政府はわれわれに約束しているんだ。ただ安売り払いの適用をそのつどやっているというような、そういうことではいけないんですよ。やはり政府の姿勢として、この際防災法というものを根本的に検討してつくるべきである。未然に防げる災害というものは、非常に安く上がるんですよ。それを、起きてから、災害救助法発動だ、激甚法発動だ、いつもそういうことをやっている。しかも今回の場合なんか、けさも六時に震度四が起きて、しかも更北村が今度は発火点になっておる。沖積層の一番軟弱な地点が現実に発火点になっておる。松代は三、長野周辺、篠ノ井周辺三、更北が四ということは——ことしも水沢地籍の下で爆発している。それで、萩原地震研究所長は、非常に心配だ、松代の場合、これが皆神山の岩盤の強いところで爆発しているのなら、ある程度自信は持てるけれども、この地盤軟弱な沖積層地帯に爆発地帯が移ったときには非常に心配だということを、この前われわれに言っている。現実にけさも六時に、更北が四で、あの周辺松代は三なんですよ。そういう事態が出ておる。いまわれわれがこうやっている間に六が出るかもしれない緊急の事態なんですよ。そういう点に細田副長官は、非常に御努力されており、政府関係の方も御努力はしておるが、こういう事態は異常事態なんですから、これを解決するために政治があるので、もしそれが未然防止の対策がとれないとすれば、政治はないということです。御承知のように、自治体財政が楽なら、こんなことを知事町長さんが忙しいのにこういうところに来て言う必要はない。長野県だって五百八十億の本年度予算を組んだけれども知事さん独自で使える金というものは、おそらくその三十分の一くらいしかない。総予算の二十分の一くらいしか自治体の長の自由に使える金はないというくらい、現在の自治体財政というものは全く困窮をきわめておる。その中で住民からは突き上げられる。松代町長がいても立ってもいられないという気持ちはわかると思うのです。そういう場合、それをやるのが政治じゃないですか。もしそれをやらないなら、政治などというものは不在だと言わざるを得ない。非常に毒づいたことを申し上げて、お骨折り願っておる細田副長官には申しわけないが、しかし、基本的に、災害が起きているんだという考え方で問題を処理願えるかどうかについて、細田副長官の御答弁を願いたい。
  71. 細田吉藏

    ○細田政府委員 全くおっしゃるとおりでございまして、ことばを簡単に申すものですから、そういうふうにお聞き取り願ったとすれば、非常に残念でございまして、それは私どもの言い方が簡略に申し上げておるのであります。災害は昨年以来起こっておるわけでございます。ただ、私どもがこれからの災害予防対策と言っておるのは、よりもっと大きいものに対して予防措置、こういう意味で申し上げておるのでございまして、私ども災害として取り組んでおるということについては、おっしゃるとおりでございますので、その点は政府関係各省もそのつもりでおるわけであります。より大きいものに対して予防という考え方でございますから、その点は御了承いただきたいと思います。  それから、いまおっしゃいますように、これはきょういまでも起こる可能性を持っておる問題でございますことは、お説のとおりでございまして、これは政治の大きな責任だと考えております。実は昨年十一月にかなり強いものがございまして、十一月に私ども各省の連絡会議を、三回でしだか、持っております。その当時の予想では、十一月くらいを一つの山にして、三、四月くらいまでで大体見通しが立つのではないか、こういう観測所なり震研のほうのお見通しでございまして、やや小康を得ておったような感じでございましたが、御案内のようにまたやってまいりましたので、私ども防災対策の本部をあずかっておる者といたしましては、いま中澤先生おっしゃいますように、すぐにでも起こる、したがって、これは急を要するということで、いろいろな各省の施策についても非常に急いでやらせるという気持ちでおるわけでございます。これは御趣旨のように政治不在でないようにしないと、もし不幸にしてもっと大きなものが起こった場合には、たいへんなことになるのではないか。実は先般、総理も非常に心配をいたしておりまして、特に私どもの長官なり私に強い御指示もあったようなわけでございます。いろいろおくれております点は申しわけございません。この上ともやりますから、御了承願います。
  72. 中澤茂一

    中澤委員 いま一問だけ。自治大臣が来てないから——ほんとうは大蔵大臣を呼ぶのだったんだが、とにかく先ほどぼくが申したように、地方財政に余裕があるのなら、東京に毎日知事さんや町長さんが通い詰める、こんな必要はない。地方財政が、いま言うように二十分の一くらいしか町長なり県知事の使える金がないという、こういう窮乏状態というものをどうするかという問題なんです。要するに、自治体さえ金があれば、何も東京になんか来る必要はない。だから、いままでいろいろお骨折り願って、いろいろな措置をとっていただいているけれども、これは何百億の金がかかるのなら政府としても重大な問題でしょうけれども、わずか二、三十億、四兆三千億の予算の中で二、三十億の金で三十万の住民が安心するかしないかの問題なんですから、政府の予算から見れば、こんなことはやりくりのつかぬ問題じゃないのです。細田副長官は非常に御努力を願っているが、とにかく現実に起きているんだから、どうしても災害法の適用、あるいは、これは疑義ありという方もあるでしょうが、例の激甚法、これによる高率補助方式というものをとらなければ、自治体というものはやっていけない。だから、それらに対して高率補助方式をどうするかということをこの際真剣に検討してもらいたい。さもなければ、先ほど知事さんが言ったように、もうまかせる、おやりなさい、住民の不安を取り除きなさい。かかった費用は政府責任を持ってあとひとつやりましょう、これならこれでまた一つの方法だから、いいと思うのです。ところが、このごろ聞くと、何か選挙対策をやっているんじゃないかとか、変な勘ぐりみたいなことを言っている役人さんがいるようだが、冗談じゃない。自治体の責任者として、これだけの事態が出て、住民がこれだけ不安になっているのに、自分の選挙対策でやっているなんというけちな長は、長野県にはいないと確信しているのです。だから、場合によれば、それらの諸施策の——全然つかみでやれとは言いませんよ。諸施策の問題に対して、ではこれだけのものは知事町長に権限委譲する、被害の出そうな市町村はおやりなさい、これだけのものは直ちに権限委譲しましょう、これくらい、細田副長官、ひとつがんばっていただけないですか。
  73. 細田吉藏

    ○細田政府委員 自治大臣がいずれあらためて機会を得てこちらへ出られまして御答弁があると思いますが、先ほども小坂先生の御質問にお答え申し上げましたが、別な機会に自治大臣から相当強い御決意の表明がございまして、私もそばにおって聞いたわけでございます。いずれにしましても、やらなければならぬということはさまったことでございます。それをどういうふうにしてやるか。しかもすみやかにやらなくちゃいかぬということでございますから、あとは、政治という大きな立場から、どうしてやるかという方法について、すみやかにやるという前提において、政府の中で十分善処いたしたい、かように思うわけでございます。
  74. 中澤茂一

    中澤委員 厚生省に伺っておきますが、問題は、現実に扶助を受けて生活をしておる人たちですね、これは非常にひどい家に住んでいるわけです。現実にこれらは住めないという危険が出ているわけです。一部には、この家じゃあぶなくてとても住めないから、他地区へ疎開しようという意見も出ているわけです。そういう場合、厚生省はどういう取り扱いをしますか。ボーダーライン層ですね、生活困窮者、これに対して何らか早急な対策を考えないと、もし倒壊家屋が出るとすれば、この地帯が一番多いのです。そういうものに対してどういうふうに厚生省は処置を考えておりますか。
  75. 飯原久弥

    ○飯原説明員 ただいまの低所得の方々の住宅の問題でございますが、これは世帯更生資金の貸し付け、これは昨年松代地震対策協議会におきまして約一千万の国庫補助を行なったわけでございます。なお、先生御案内のように、所得の階層によりましては、生活保護法の適用によります住宅扶助、こういうものが出されるわけでございます。ただ、具体的なケースにつきましては、福祉事務所で認定をするという仕組みになっておるわけでございます。
  76. 中澤茂一

    中澤委員 現地へだれか行ってみたですか。現地に本省から行ってごらんになった方がありますか。こういう緊急な問題は、出先の福祉事務所まかせではだめです。
  77. 飯原久弥

    ○飯原説明員 現地へは、昨年の十二月一日に私が行ってまいりました。
  78. 中澤茂一

    中澤委員 そこで、現地であなたが見た感じで、ボーダーライン層の地帯を疎開させたほうがいいと考えたですか。このまま烈震がくれば、あの地帯が一番倒壊家屋が出、人命損傷が出るだろうと言っておるのですが、その点はどう考えますか。
  79. 飯原久弥

    ○飯原説明員 当時の情勢と、また最近非常に地震が多くなっております状況と違っておりますので、ちょっと私個人意見をここで申し上げるわけにはいかないと思うわけでございます。したがって、先ほど申し上げましたように、個々のケースにつきましては、やはり私どものほうと県のほうと連絡をいたしまして、個々のケースについて解決をはかってまいりたいと思っております。
  80. 松平忠久

    ○松平委員 関連して。いまの生活保護法の適用を受けている人が疎開する場合には、疎開の費用は出すのですか。
  81. 飯原久弥

    ○飯原説明員 ただいまのお尋ねでございますが、生活保護法の施行につきましては、社会局の保護課が所管しておりますので……。
  82. 松平忠久

    ○松平委員 そんなことを聞いておるのではない。生活保護法の適用を受けておる者が疎開しようというときには、政府は金を出すかどうかと聞いておる。
  83. 飯原久弥

    ○飯原説明員 私どものほうの所管になっておりませんので、担当課のほうで責任あるお答えをすることにいたします。
  84. 松平忠久

    ○松平委員 ちょっと電話をかけて聞いてみてください。  それからもう一つ、ボーダーラインの場合にはどうなりますか。更生資金というのは、疎開するために金を貸してくれますか。
  85. 飯原久弥

    ○飯原説明員 世帯更生資金の住宅資金につきましては、これは補修あるいは新築の場合の住宅資金の貸し付けであります。
  86. 松平忠久

    ○松平委員 それでは、何といいますか、ボーダーラインで、疎開の費用がないが、どうしても疎開しなければならぬという場合には、どこかでそのめんどうを見て金を貸してくれるということが現在の法律の中でございますか。副長官、その点、疎開費用はどうでしょう。
  87. 細田吉藏

    ○細田政府委員 実は疎開の問題は、これは非常に重大な問題でございまして、人心に与える影響も考えなければいけない。しかし、一方、被害が大きいものが起こった場合にはその必要があるという問題が起こるわけでございます。そういう点で、実は県市町村において、そういうことの必要性については内々いろいろ御調査にはなっておるようでございますが、これをあまり大っぴらにやるというかっこうになりますと、これは相当不安動揺が大きいという問題もあろうと思います。さらに、家でなく、病人とか、あるいは幼児とか、そういうものの疎開の必要性があるかどうかというような点についても、地元でいろいろ御研究になっておるように私は承っております。  それから、相当大規模にその必要が起こったときに一体どうするか。たとえば、災害が起こって災害救助法が発動すれば、応急復旧住宅というものができることになっておることは、御案内のとおりでございます。それに準じたような方法をとらなければならぬという事態が起こってきたときにどうするか、こういうことでございますので、私こまかい専門的な点についてはお答えできませんけれども、起こった場合に災害救助法を発動するというような一つのケースがあるわけでございますから、そういうものに準じた考え方を、どうしても疎開しなければならぬというときには何か考えられないだろうか、こういう点についてさらに関係省と十分打ち合わせをいたしたい、かように思います。
  88. 日野吉夫

    日野委員長 松平君、いま聞き合わせているようですから、来たら後刻回答してもらいます。  次に、井出一太郎君。
  89. 井出一太郎

    ○井出委員 同僚委員諸君からかなり詳細な質問がありましたので、私は、それと重複を避けて、簡単に二、三点お尋ねをしたいと思いますが、委員長、一体、自治大臣は見えるのですか、どうなんですか。
  90. 日野吉夫

    日野委員長 いま都合を聞かせたのですが、ほかの委員会に出ておりますので、いま問い合わせ中ですが、きょうの出席は非常に困難だということで、いま努力中です。
  91. 井出一太郎

    ○井出委員 それはけしからぬと思う。すでに質問を留保されておられる委員もあるのですから、いやしくも閣議に責任を持つ国務大臣がここへあらわれないというのでは、当委員会の権威にもかかわる。また、日野委員長としてもこれを承服さるべきでない。さらに厳重に要求をしておきます。
  92. 日野吉夫

    日野委員長 厳重に要求をいたしますが、もし来れない場合は、あらためて委員会を開いて、留保された方々の質疑を願うことにします。
  93. 井出一太郎

    ○井出委員 そういう意味では細田副長官は政府の最高責任者のような形ですから、御迷惑でしょうけれども、よろしくお願いしたいのでございます。  今日松代町はまさに受難の町であり、中村町長は十字架をしょっておるというお立場でございますが、これは一松代に限ったものではない。伺えば、その周辺三十六市町村に及ぶというのでありますから、地方としては実際重大問題であります。それに対しまして、いま中澤委員も触れましたが、一体これは防災なのか災害なのか。すでに災害が起こっておる、これが私は実態であろうと思うのです。したがって、政府当局も、さっき副長官から御答弁がありましたが、そういう態度で処していただきたいと思うのでございます。その際、長野県には災害対策本部を設け、知事さんが本部長としてすでに縦横の活動をされておられるわけでありますが、私は、国でもすぐつくれとはここで申し上げない。国に災害対策本部をつくるようになっては、実は大ごとなんです。けれども、細田さんには、少なくとも本部長心得というくらいの意気込みで当たっていただきたいのでありますが、それについてのお心がまえをまず伺います。
  94. 細田吉藏

    ○細田政府委員 御案内のように、災害対策基本法によりますと、法律上の一番大きな政府機関としては防災会議がございます。会長は内閣総理大臣がこれに当たり、事務局長に総理府総務長官が当たることになっております。これは大災害が起こった場合にやるわけでございまして、昨年の二十三号ないし二十五号台風の際につくったわけでございます。ただ、松代につきましては、昨年の十一月から各省連絡会議と称するものを——実は防災会議の幹事役に集まる連中は各省でも大体きまっておるわけでございまして、これを昨日も開いたわけですが、大体五回くらい開いておりまして、私はそのつど長官にかわりまして議長として、いま先生のおことばの中にございました本部長心得というつもりで積極的にやらせていただいておるわけでございます。法律に基づかないものでも、対策本部というかっこう、あるいは閣議了解か何かとったものにしたらどうかということも考えてみたのですが、この地震の性質が、最近またちょっと変わってまいりましたけれども、いままでの見通しでは、マグニチュード五くらいが最大じゃないかというようなこともございましたので、むしろ、そういうものによってかえって人心の不安動揺を来たしてもいかがか、実質上やるだけのことはこれでやろうというような形で、連絡会議ということで実質上の運営をやらせていただいておる、こういうことでございます。最近の事態に対応しまして、この程度ではどうか、もう少しはっきりしたものにすることがいいかどうか、こういう点は実は目下私どもの中で検討さしていただいておる、こういう段階でございます。
  95. 井出一太郎

    ○井出委員 きょうのこの空気を見てみまして、役所の関係の御答弁がどうも歯切れが悪い感じなんです。役人というものは、規矩準縄を尊重しなければならぬ、これは当然である。役人がやたらと感激をしてしまって暴走をしてはこれはたいへんでありますから、その限度は私は心得ておるけれども地元現状ほんとうにたいへんなものでございます。私は、東京の連中などには常日ごろこういうことを言っておる。君ら考えてみたまえ。ちょうど空襲警報の中で七カ月も八カ月も暮らしておるのとこれは同じなんだ。御婦人は、寝巻きにも着かえないで、いつでも飛び出せる態勢のもとに、帯を解かずに寝ておるんだ。まくら元には、家財の中の重要なものを袋に入れて、いつでもかついで飛び出せる態勢におるではないか。さっき町長さんの言われたようなノイローゼの症状なんだ。これはもう長くなれば実際そうだと思うのです。私はいままで、あまり刺激をしてはかえっていけないという、さっきの副長官のおっしゃるような配慮もしつつ、事をあまり大騒ぎせぬようにという配慮もあったのですが、いまの段階では、特に三月末、四月初めの強震を目の前にいたしますと、どうもそう言ってはいられないという感じであります。物心両面ということをよく言います。物心両面の援助が必要だ。きょうの役所の御答弁を聞いておると、物のほうはもちろんやっていただかなければならぬが、心のほうもほんとうににじみ出るような気持ちで役所も当たっていただきたいということを特に申し上げておきます。  すでに諸問題に詳細に触れておられるから、たいして申し上げるほどのことはございませんが、この国会地震保険の法律案が出るはずになっております。これは新潟地震のような相当に強烈な、しかも被害金額が個々に何百万円というふうなものには適用されるように聞くのですけれども松代地震のような、いま目の前に倒壊家屋があるわけではない、火災が出ないということ、これには地元の人々の涙ぐましい努力がそうさせておるんだということでありますが、松代地震のような徐徐にくるものに対しまして、今回の地震保険の法律ははたしてどの程度の適用あるいは恩典が与えられるのか。これは大蔵省になるのですか、関係省がいたら、ちょっと伺っておきましょう。
  96. 日野吉夫

    日野委員長 佐藤主計官は別の委員会に出ておりますから……。
  97. 井出一太郎

    ○井出委員 この委員会に大蔵省がいないということはけしからぬ。
  98. 日野吉夫

    日野委員長 さっき答弁された玉置地方資金課長はいませんか。——それじゃ連絡して、来て答弁してもらいます。
  99. 井出一太郎

    ○井出委員 私は時間の関係もありますから、私の立っておるうちにあらわれないかもしれぬので、これは委員長に荷物をしょってもらいますから、どうぞひとつ……。
  100. 日野吉夫

    日野委員長 わかりました。
  101. 井出一太郎

    ○井出委員 あとはこまかなことになりまして、大体御答弁もあったようでありますが、林野庁の指導部長が見えておられますので、さっきの小坂さんの質問の補足みたいなことでありますが、伺います。  現地でははすかいのささえの棒を各個人が自己の負担で各家々に補強しておるわけです。これはなかなかばかにならない費用なんでございます。こういうものを、あなたのほうは、公共用のものでなければ特別な割引などはないというたてまえをとっておられるようだが、たとえば町が一括災害復旧材として購入をする、そして、あとは町の裁量でしかるべくそういうものを利用させていただくというような方法を用いたならば、何らかの特典に浴することができるかどうか、これをちょっと伺っておきたい。
  102. 福森友久

    ○福森説明員 この問題につきましては、実際には個人住宅に使われるものでございますので、さらに検討さしていただかなければ、ここで早急に答弁いたしかねる、こう思いますが、個人につきまして、そのような災害の場合には現在でも運用によりまして随契ができる、こういうたてまえになっておりますので、できるだけその運用をいたしたいと考えるわけであります。
  103. 井出一太郎

    ○井出委員 ひとつそれは運用その他、前向きでできるように検討をしていただきたいと思います。  それから最後に、萩原参考人がお見えになっておりますが、私は、先般、衆議院の科学技術特別委員会で若干地震の問題等についてお伺いいたしました。ですから、きょうは簡単にとどめますが、われわれしろうとの間に、地震というものは火山性のものだ、あるいは一方、地殻構造といいますか、構造性の地震だ、こういう二つの態様があるように聞いておるのでございますが、それは非常にプリミチブなしろうとの地震観でございますが、大体そういうものなんでしょうか。
  104. 萩原尊礼

    萩原参考人 これは私どもの間でも、構造性、火山性ということを使っております。または、こまかい点については、定義は同じ火山性でも、いろいろ人によって多少ニュアンスは違うと思いますが、やはり構造性、火山性のものが考えられております。
  105. 井出一太郎

    ○井出委員 従来は、松代の場合は、皆神山などの関係もございまして、火山性だ、こういうふうにわれわれは了解をしてまいりましたが、何か近ごろはもうちょっと進んで、これは構造的なものでもあるのだというふうなことを耳にするわけであります。あるいは、それが両方からみ合って複雑な発生の形をとっておるのかもしれませんが、そういう点、ひとつ御見解をお聞きしておくことと、もう一つは、きのうあたり、その科学技術特別委員会で、地震の予知ないしはこの発表の方式等を窓口を一つにして統一見解をお出しいただく、こういうふうな何か決議がなされたようでございますが、従来地元民もかなり迷っておったように思います。先ほど松代町長は、従来の見解が一応御破算になって、これからは新たな事態であると言われたが、何か、そのことは、これから大きな恐怖が増大するような感じがいたすのでございますが、この辺を、いまの時点においては一体統一見解としてどういうことなんだ、これを当委員会を通じて御表明をちょうだいできれば、たいへんけっこうかと思います。
  106. 萩原尊礼

    萩原参考人 火山性、構造性、これは現在においてはどちらであるというふうに割り切れない、おそらくからみ合ったものであろうと思います。そのことは、いろんな観測の結果によって見分けていきたいと思っております。たとえば、構造性と申しましても、これは力が働くわけでありますが、それではその力のもとは何かというと、やはり地殻の下にある溶岩の動きのようなものを考えなければならないわけであります。結局、構造性、火山性と申しましても、はっきりどっちというふうには割り切れないもので、やはりどうしてもからみ合ってくるものですが、どちらが非常に強いかということで分かれて、そういうことばが出てくるのかとも思いますが、この点は今後の観測、測定によって明らかになってくるものであろうかと存じます。  それから、第二の窓口の問題でございますが、これは、初期におきましては、いろいろ東大と気象庁と意見が食い違うというようなことが相当言われましたので、そういうことで現地の方にむだな御心配をかけてはいけないということから、最近は、気象庁のお世話で定期的に連絡会を持ち、関係者が集まりまして意見をまとめるという、そういったまとめた形で公表するということでやってきております。それが去る四月二日に、松代・北信地域地震調査の総合所見といたしまして、これは地震研究所の関係技師と、それから木村地震課長などが集まりましてつくり上げまして、公表いたしました。この所見は今日においても変わらないと思いますから、ちょっとお読みしておきます。  大体のことを申しますと、松代地区を中心に頻発しておりました北信地域地震活動は、三月中旬以降その活動の規模及び範囲を拡大したと考えられる。その理由といたしましては次のとおりでございます。  一つは、松代及びその周辺地震計のとらえる地震回数は、昨年の十一月の最盛期の二倍以上にのぼっている。この事実は、新しいエネルギーが供給されたものと考えられるわけです。第二は、二月以降になりまして、深さ十キロから十一キロメートル——それまでは八キロメートルがとまりでありましたが、そういう深い地震が新しく観測されるようになった。第三は、その震源が、皆神山周辺ばかりでなく、若穂町、東村、須坂市、更北村、川中島町、篠ノ井市、信更村及び更埴市方面に広がりつつあります。四番目に、新たに上田付近に三カ月間に三十ミリ余りという異常な隆起が発見されました。第五に、松代地域は依然として隆起を続けておりまして、その隆起の中心がやや北のほうに移動したように見られます。また、皆神山−長野を結ぶ方向に、ジオディメーターで計りまして、この数カ月間に十センチに及ぶ土地の伸びが認められました。最後に、豊野−中野地域に地磁気に局地的変化が認められました。  以上を総合いたしますと、南北数十キロにわたり、北信地域の地下に大規模な変動が起こっているものと解釈されます。また、この異常現象が直ちに大地震発生に結びつくかどうか、目下のところ不明でありますけれども、十分に警戒をする必要があると思います。現在の地震活動は、多少の消長があるかもしれませんが、相当長期間続くものと予想されます。  以上でございます。
  107. 井出一太郎

    ○井出委員 私はこれで質問をやめますが、いま萩原先生からお述べになりました当面の結論といいましょうか、予測といいましょうか、なかなか事態は予断を許さないように拝聴をいたしました。どうか知事さんや町長さん、その他周辺の各位が、一そう警戒を厳にされまするとともに、当委員会がともかくいま天下の視聴を集めてここに開かれたわけでありまするが、政府当局におかれましては、先ほど来示されましたような決意のもとに、十二分の対策と措置をとっていただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わることにいたします。
  108. 日野吉夫

    日野委員長 次に、羽田武嗣郎君。
  109. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 大体もう皆さんの質問で要点は尽きております。そこで、私はごく簡単に申し上げたいと思うのでございます。  まず第一にお願いをいたしたいのは、皆神山をボーリングするという問題は、ことしの四十一年度予算に二千万円の予算が特別調査費として計上されておるのでございますが、これはどうなっておりますか。それをまず承りたいと思います。
  110. 緒方雅彦

    ○緒方説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。  これは科学技術庁に、特別研究促進調整費という、研究の調整のための予算がございます。これは、各省の研究所が研究費としてお使いになるというようなことで、各省に配分する経費でございます。このボーリングでございますが、これはボーリングの関係と、それからあの辺一帯の地層の地質的な調査、この二つを総合研究といたしまして昨日大蔵省と協議が整いまして、約二千万でございますが、正確には千六百三十一万円ということで研究計画をまとめたわけでございます。このボーリングにつきましては、科学技術庁の付属機関でございます防災科学技術センターという研究所がございますが、この研究所がこのボーリングを担当いたすことになっております。
  111. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 その時期はいつからお始めになるわけですか。
  112. 緒方雅彦

    ○緒方説明員 これは昨日付で話がまとまりましたものでございますので、一応、今日あるいは明日から係官が現地へ出向きまして、たとえばボーリング地点の地元といろいろな交渉がございますが、そういったような交渉を開始いたすと同時に、ボーリング関係は、ボーリングそのものは業者にやってもらうわけでございますので、その入札のほうとか、そういったものを始めまして、順調にまいりますと大体五月の初めからボーリングにかかりたい、かように考えております。
  113. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 それでは、とにかく五月の初めにかかるということでございますから、これは至急に実現をしていただきたいと思います。  その次の問題としては、水管傾斜計という、地震をはかるところの機械があるそうでございます。この機械でやりますと、数時間前に、大体地震がいつ起こるということがわかる、こういうお話を承っておりますが、これはどのくらい現在実際に行なっておるのか、それを承りたいと思います。
  114. 萩原尊礼

    萩原参考人 水管傾斜計と申しますのは、土地のわずかな傾斜の変化をはかる機械でございます。このほかに、土地の傾斜をはかる機械といたしましては、振り子を使いました振り子型の傾斜計もございます。ただいま松代観測所の構内に据えてございますのは、水管傾斜計、それと振り子型の傾斜計、両方ございます。この水管傾斜計は地震研究所で開発されたものでございまして、戦前に第一号機がつくられまして、これが実際に使えるという確信を得ますのに十年以上かかったものでございますが、現在では日本で数カ所こういうものを置いてございます。地震の前に土地の変動をはかる機械の一つでございます。
  115. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 これは地震を予知して、そうしてそれを知らして、住民がこれに準備をするということで、非常に有用なものであると思います。ですから、もっとたくさんつくって各地に置いて、そうして地震の予知を十分にするということが望ましいと思いますが、一体その水管傾斜計というものは幾らくらいでできるものですか。
  116. 萩原尊礼

    萩原参考人 これは機械そのものはそれほど高くございません。機械そのものは百万円程度だと思います。ただ、それを地表に据えただけでは、やはり出てくるものは全く違うものが出てまいりますので、深い穴の中に置いて、しかもドアでそれを仕切る、そういうことで非常な手間がかかります。大体一カ所そういう観測所をつくりますのに二千万円足らずの金がかかります。
  117. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 金はかかるし、それから設備も相当必要のようでございますが、とにかく地震予知をする、しかも五時間くらい前に大体の予知の時間がある、こういうことでございますから、これは年度初めでございますので、どうかひとつこの方面に大いに力を入れて、そうして予知を早くしてもらうということにお力をいただきたいと思います。  それから次に、現地地震観測所は、所長以下定員がありましょうが、しかし、去年の八月二日からもう九カ月に及んでおりまして、不眠不休の状態でございます。それでございますから、これは新年度におきまして定員をふやすとか、あるいはアルバイトの学生をやるとか何とかしまして、そうして十分に健康で地震の観測ができるように計らっていただきたい、こう考えておりますが、これについてお考えを伺いたい。
  118. 柴田淑次

    ○柴田(淑)政府委員 ただいまの松代地震観測所の人員の急増という問題でございますが、昨年の秋以来、東京の気象本庁のほうと松代観測所のほうとは絶えずこの問題で密接な連絡を確保して、要望を本庁のほうで聞き入れまして、そのつど対策を立てておったのでございますが、現在の段階におきましては、先日と申しますか、もうだいぶ前でございますが、現地観測所と話し合いました結果、もう現在よりも二名の増員が必要であるということになりましたので、この際二名を増員することにしました。そうして今後は、その状況に応じまして必要と認められればさらに増員する体制をとっております。
  119. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 これは結局人道問題でもありますので、なお必要があれば至急に地元の要求をいれていただくように御配慮をいただきたいと思うのであります。  それから、先ほど来中澤委員並びに井出委員からもお話がございましたように、この地震というものは、もう去年の八月から二万回も現に松代でゆれておるのでございまして、松代の町の人々は全くノイローゼになっておるという状態でございまして、ことに経済的にも非常な幾多の困難が生じておるような状態でございます。そこで、この二万回という現実のゆれというものはすでに実績でございまして、これから地震が起こるというのじゃなくて、すでに二万回のものが起こっておるという点を十分に考慮いただいて、予防的な意味の予算というよりも、現実にすでにもう災害が起こっておる、こういう見地に立って、十分にその臨機の処置をおとりいただきたい。これは細田副長官からもすでにお話がございましたが、特にこの点を切望してやまない次第であります。
  120. 細田吉藏

    ○細田政府委員 先ほども申し上げましたように、昨年の秋以来、全国に例を見ないような地震が起こっておるわけでございまして、これが各般の市民生活に至大な影響をすでに及ぼしておるということにつきましては、私どももよく承知いたしております。いま羽田先生の御質問の中にもございましたような気持ちで政府といたしましても今後努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  121. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 これで私は質問を終わります。
  122. 日野吉夫

    日野委員長 それでは、参考人の方々は二時から参議院に御出席になるそうでありますから、この辺で御退席いただくことにいたします。  参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見を御開陳いただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  井出君。
  123. 井出一太郎

    ○井出委員 上林保険部長に伺いますが、実はあなたのほうですでに扱われた地震保険の問題です。先ほど、参考人として来られた長野県知事さんから、松代地震に対してこの保険にたいへん期待を持っていられる陳述があったのであります。私はかつてあなたとやりとりをして、若干心得てはおるのですが、相当個人被害が大きいものでないと今回の法律の適用には相ならぬ、こういうふうに承知をしております。しかし、きょうの切実な訴えを伺いますと、いま現にやろうとしておる法律の中で、何とか松代災害が適用になるようなくふうができないものか、まずその点を伺いたいと思います。
  124. 上林英男

    ○上林政府委員 御質問の御趣旨は、今回私ども国会に提案をいたしております地震保険の制度自体が、たとえば金額的に一定の制限をいたしましたり、あるいはてん補の範囲が全損及び経済全損に限っておるというような、いろいろと制約的な面があるというために、なかなか十分な御満足がいただけないのではないかという御趣旨に伺っておるのでございますが、その御趣旨もまことにごもっともなことと私ども考えておるわけでありますが、一方におきまして、過去におきまして有数の地震国でありますわが国がなぜ地震保険を持たないのかということで、ずいぶんいろいろと検討されたわけであります。この地震保険が困難であります理由は、何ぶんにも地震の頻度なり損害の規模なりが統計的にきわめて把握が困難でございます。また、一たん地震が起こりますと、その被害は非常に膨大なものになっておるのが実績でございます。したがいまして、こういうようなものを地震保険の制度としてつくり上げてまいりますためには、幾つかの解決すべき問題があるわけでありますが、その一つといたしまして、一たん起こりました際の巨大な危険の集績をどういうふうに調節していくか、こういう問題であります。その意味におきまして、発足の当初といたしましては、財政事情あるいは民間保険会社の負担の能力というようなものにかんがみまして、地震が起こりましたときの被害をてん補いたします限度といたしましては、この地震保険は特定の損害契約に付帯をさせて実施するつもりでありますが、その本体の契約の三〇%、また金額的には、家屋につきましては九十万円、家財につきましては六十万円という限度を設けております。あるいはそのてん補いたします場合は全損に限るということにいたしまして、損害の集積をできるだけ避けるというかっこうをとらざるを得なかったわけでございます。この点につきましては、今後こういう地震保険制度の普及状況その他財政力の増加、民間保険会社の担保力の増加というようなものと相まちまして、今後さらに改善の努力をしていきたいとは思っておりますが、発足の当初におきましては、地震保険の性格——何ぶんにも発足当初の問題でございますので、若干不十分のきらいがあることは私ども十分承知しておりますので、今後の改善にまちたい、こう考えておるわけでございます。
  125. 井出一太郎

    ○井出委員 もうだいぶ時間もおそくなっておりますから、これで切り上げますが、いま部長の言われる、発足当初であり、データもそろわぬ、そういうことは私もわからぬではありませんから、前向きに——現に起こっておるのですからね、そこから問題がくるわけです。したがって、なるべく早い機会にそういうものも対象として考える方向で努力をする、このお答えをちょうだいすれば、これで打ち切ります。
  126. 上林英男

    ○上林政府委員 ただいまも申しましたように、私どももこれで十分であるとは思っていないわけでございまして、今後の推移や、やってみました実績を見、財政力の状況なども考え、民間保険会社の担保力等も考えまして、そういう方向に改善の努力を傾けてまいりたいと思っております。
  127. 日野吉夫

    日野委員長 松平君。
  128. 松平忠久

    ○松平委員 疎開をする場合に、生活保護法の適用を受ける者は政府で金を出してくれますか、これが第一点。  それから、強制疎開をするという段階になるかもしれない、その場合には、生活保護の適用を受けていないけれども、ボーダーラインの人々、そういう方々の疎開は、強制疎開という段階になったならば、金はどこから出すのか。この二点を伺いたい。
  129. 松下廉蔵

    ○松下説明員 第一点の、生活保護世帯が疎開をいたします場合の経費ということでございますが、生活保護法は、たてまえ上、扶助の種類がきまっておりまして、いまのお話の場合、住宅事情をお考えかと思いますけれども住宅事情の内容といたしましては、これはやはり住宅が現実にあるということを前提といたしまして、その住宅の家賃、あるいはどうしても最低限それに必要な補修費、それだけを見るのが法律のたてまえになっておりますので、こういう異常事態に際しまして疎開する費用というのは、生活保護法では見る範囲の方法はございません。ただ、先ほど施設課長からも御答弁申し上げましたかと思いますが、世帯更生資金で転宅資金という貸し付けを受ける方法がございまして、生活保護世帯の中でも若干収入を得ておられるような世帯が、転宅される場合に転宅資金を借りまして、それをあとから返済いたします場合に、それを収入の中から控除いたしまして、結果的には、生活保護の全体のワクの中である程度めんどうを見るような方法は、ケースによっては可能かと存じております。  それから、もう一点の強制疎開の問題につきましては、強制疎開の法的根拠を、いま参りましたので私ちょっと明らかにいたしませんので、あるいは間違っているかもしれませんが、生活保護法のたてまえからいたしまして、そういった強制力をもって意思に反して疎開させられるというような場合には、当然、そういった強制する側におきましてまず第一次的にそういった補償がなされるのではないかと思っておりますので、生活保護を受けておる世帯あるいはボーダーラインの世帯につきまして、そのための費用を特に生活保護で出すということはございませんが、ただ、そういった疎開等によりまして、いままでの生活状態とか職業の状態とか、あるいは住宅状態が変わりますために、いままでは生活保護を受ける段階ではなかったけれども、疎開したことによって、それ以後の収入が減り、あるいは生活費がかさむというような実情が起こってまいりました場合、たとえば、いままでは自家であったけれども、今度はどうしても借家に入らなければならぬというような事態が起こりました場合に、その疎開先におきまして必要な限度における生活扶助あるいは住宅扶助を行なうことはもちろん可能でございます。
  130. 松平忠久

    ○松平委員 副長官、いまお聞きのとおりです。現行法では、生活保護法の適用を受けておる者といえども、疎開をするという場合には、金の出どころがない、こういうわけです。それから、強制疎開のことについても現行の法規がないわけです。そこで、そろそろ疎開をしなければならぬという段階に立ち至っておるということを聞いておるわけだが、すでに、婦人、老人、子供というようなものは、自分で疎開できるものは疎開しております。そこで、これがもう少しひどくなってくるということになれば、現実の問題として疎開というものが出てくるわけなんです。そこで、これらの点を一括して事務当局と打ち合わせをして、いい方法を考えてもらいたい。現行法では、それは不備で、できないということになっておる。その点を特に要望しておきます。  以上で終わります。
  131. 細田吉藏

    ○細田政府委員 先ほど疎開についてお答えを申し上げたとおりでございまして、十分検討さしていただきます。      ————◇—————
  132. 日野吉夫

    日野委員長 この際、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同をもって、長野松代周辺地震による災害対策に関する件について、本委員会において決議いたしたいとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。増田甲子七君。
  133. 増田甲子七

    ○増田委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、決議案を提出いたします。  まず、案文の朗読をいたします。   長野松代周辺地震による災害対策に関する件   松代町及びその周辺における地震は、最近異常な状態となり、各方面に被害を惹起し人心に重大な不安を与えている。かかる現状にかんがみ、政府は、これが防災並びに復旧に関し、総合的対策を講ずると共に、特に左の事項について万全を期すべきである。    一、防災法等の不備な現状を改善するため、早急に立法措置を図ると共に、政府は、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に照らし適切なる財政措置を講ずること。    一、災害予見が困難な現状において被災予防等に対処するため、国との緊密な連繋のもと地方公共団体の長(知事)に弾力的権限を認め、適切な措置をとり得るよう考慮すること。  右決議する。   〔拍手〕 これが決議文案です。  趣旨の御説明をいたします。  御説明は、もう自民党、社会党、民社党各位の質問等、また、政府の答えによって明瞭でございますから、重複することを避けますが、特にわれわれが力を入れたいのは、いわゆる激甚法等をものさしとし、これを参考として、適切にして妥当なる高率の国庫補助等の財政措置を、予防並びに復旧について講じてもらいたいということが一点でございます。  他の一点は、地方公共団体の長である知事——知事というのは例示でありまするが、あるいは市町村長等にも、国との緊密な連携のもとに適時適切なる措置をなし得る弾力的権限を認めて、適切なる措置を講じさせたい、こういう趣旨でございます。
  134. 日野吉夫

    日野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  発言の申し出がありますので、これを許します。山口丈太郎君。
  135. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 私は、ただいま議題となりました決議案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表し、賛成の討論をいたします。  現在、長野松代町を中心とする地震は、ますますその激しさを加え、そのため、当該地方住民の不安は言うに及ばず、地方産業をはじめ文教その他各般にわたり、万全の備えを急速に整備し、民生の安定をはからねばならないこと今日より急なるはない現状にあります。  長野県当局をはじめ各市町村にあっては、この現状に対処するため、日夜涙ぐましい努力を払われつつありますことは、本委員会全員の認めるところであり、深く感謝するところであります。しかしながら、財政的にはますます困難の度を加えつつあり、その苦しみは言語に絶するものがあることを訴えられつつあります。政府は、この際、さきに提案者の説明にありましたごとく、激甚災害予防に対し、万全の財政措置、適時適切な措置を、当該県に権限を与えて実施せられるよう取り計らわれることが当然と考えるのであります。  政府は、この際、本委員会委員全員一致の決議の趣旨をすみやかに実現されるよう強く要望し、賛成の討論といたします。(拍手
  136. 日野吉夫

    日野委員長 ほかに発言もないようでありますから、直ちに採決いたします。  ただいま提出者が読み上げました案文のとおり本委員会の決議とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 日野吉夫

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  この際、ただいまの決議につきまして、細田総理府総務副長官から発言を求められておりますので、これを許します。細田総理府総務副長官。
  138. 細田吉藏

    ○細田政府委員 政府といたしましては、ただいまの当委員会の全会一致の力強い御決議の趣旨を十二分に尊重いたしまして、先ほど来各般の問題についてお答えいたしましたが、さらにすみやかな対策を樹立してまいりたい、かように考えております。(拍手
  139. 日野吉夫

    日野委員長 おはかりいたします。  ただいまの決議を関係政府当局に送付いたしますが、その手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 日野吉夫

    日野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後一時四十四分散会