○瀬戸山国務大臣 いま
川俣さんのお話は、二つに分けて考えていただきたいと私は思う。先ほど来農林省から御説明いたしておりますように、この法律が目的としておりますのは、
川俣さんに御説明するまでもないことで御理解願っておると思いますが、たとえば築地の魚市場にいたしましても、あるいは神田の青果物市場にいたしましても、一点集中的に従来の市場を中心としてそういう物資が動いておる。したがって、それが一度あそこに集中し、それからさらにまた、都市あるいはその周辺に分散輸送される。あるいはその間に相互輸送がある。これはトラックを中心とした陸上輸送が非常にふくそうする。二重二重の輸送体系をつくっておる。これはまたひいては輸送経費の増高を来たしておる。こういう現状で、市場自体も非常に機能も低下する。こういう問題の解決にそういう一点集中型の市場等の流通機構を数点にこれを分散する。それによって陸上トラック等の輸送ふくそうを相当緩和しよう、また、二重三重の輸送体系になっておるのを、できるだけ簡素化して輸送費の節減をはかろう、こういうことが大きなねらいであります。でありますから、第一条にも書いてありますように、それをねらいとしておる団地形成、機構の
整備である、こういうふうに一応御理解願いたい。しからば一体、魚、海産物の中で、生鮮魚介類をどこかでやはり海上輸送しなければならぬ。これは、いまの
東京港だけでは先ほど来御意見がありましたように、まだまだ十分でないじゃないか。したがって焼津に揚がったり、あるいは三崎に揚がったり、
東京以外の地点に陸揚げしなければならぬ、それが非常に不経済になっておる。
東京に近いのに、わざわざほかの地点に揚げておる。そしてさらに
東京の市場までまた自動車輸送しなければならぬので、自動車交通を、
東京都内ばかりじゃなくて、ほかの地点もふくそうさしておる、なお一そう経費が増高しておるじゃないか。この二つの問題点を言われたと思うのです。
そこで、御理解願いたいのは、この法律では、
東京の都心部にある市場を中心とした都市交通の隘路を打開しよう、これをねらっておるわけであります。でありますから、海産物等の生鮮魚介類を揚げる地点の設備が不適当である、こういう点についてはこの法律以外の問題として
整備しなければならぬ、こういうふうに私は分けて考えていただきたいと思います。したがって、この法律で港の問題を考えておらないじゃないか、こうおっしゃることはよくわかりますけれども、この法律のねらっておるところは、その点以外の問題にある。農林省が先ほど来答えておられることは、その港の設備が整っておらない、不十分である、これが不十分でないというわけじゃなくて、その点は別途に考えていくべき問題であるということをお答えいたしておる、こういうふうに御理解願いたい。その点はこの法律以外の問題として、不十分であるということは私も認めて差しつかえないと思います。そういうふうに分けて御理解願いたいと思います。