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1966-04-27 第51回国会 衆議院 建設委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二十七日(水曜日)    午前十一時二十七分開議  出席委員    委員長 田村  元君    理事 井原 岸高君 理事 小金 義照君    理事 服部 安司君 理事 廣瀬 正雄君    理事 松澤 雄藏君 理事 岡本 隆一君    理事 川村 継義君       逢澤  寛君   稻村左近四郎君       大倉 三郎君    木部 佳昭君       丹羽喬四郎君    堀川 恭平君       湊  徹郎君    森山 欽司君       山本 幸雄君    減辺 栄一君       井谷 正吉君    金丸 徳重君       佐野 憲治君    三木 喜夫君       稲富 稜人君  出席国務大臣         建 設 大 臣 瀬戸山三男君  出席政府委員         内閣官房長官 橋本登美三郎君         建設政務次官  谷垣 專一君         建設事務官         (計画局長)  志村 清一君         建 設 技 官         (住宅局長)  尚   明君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁保安局         保安課長)   雨森 和雄君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道部長)  蜂須賀国雄君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 四月二十三日  委員木部佳昭辞任につき、その補欠として田  中榮一君が議長指名委員に選任された。 同月二十六日  委員田中榮一辞任につき、その補欠として木  部佳昭君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月二十六日  建設機械貸与業の育成に関する請願外五件  (佐々木秀世紹介)(第三四四一号)  戦傷病者公営住宅割当等に関する請願(植木  庚子郎紹介)(第三四九五号)  同(田中正巳紹介)(第三四九六号)  同(赤澤正道紹介)(第三五三二号)  同(二階堂進紹介)(第三五三三号)  同(中野四郎紹介)(第三五八四号)  同(丹羽喬四郎紹介)(第三五八五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  住宅建設計画法案内閣提出第一一〇号)      ————◇—————
  2. 田村元

    田村委員長 これより会議を開きます。  住宅建設計画法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。三木喜夫君。
  3. 三木喜夫

    三木(喜)委員 私は三月の二十四日、本会議におきまして住宅建設計画法案について基本的な問題を質問いたしましたが、本会議でありましたので細部にわたってお聞きすることができなかったし、また時間的な制約もありましたので、きょうは委員会でその細部にわたって質問をいたしたいと思います。  さらに、当日総理おいでになりませんでしたので、総理に対するところ質問保留になっておるわけです。委員会にお願いして、総理ないしは官房長官おいでを願って、政府全体の住宅計画に対する基本的な内閣全体としての考え方、これをお聞きしたい、こういうように思っておったのですが、その点は委員長どういうぐあいになっておるのでしょうか。最初にそれをお聞きしておきたいと思います。
  4. 田村元

    田村委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  5. 田村元

    田村委員長 速記を始めて。
  6. 三木喜夫

    三木(喜)委員 あとで理事会でひとつきめていただきたいと思います。  総理にお聞きしたかった問題は、この前の質問でもはっきり申し上げておるのですが、地価対策住宅には地価が問題になってきますから、それに対しての閣僚協議会のようなものをつくって、その取り組み方を本会議質問をしております。それはもう総理から聞かなければどうにもならぬ問題で、むしろ私は総理にお聞きすることによって、建設大臣建設省施策がやりやすいようにと思って要求しておるわけでして、何も他意はございませんから、後ほど来ていただいてもけっこうです。  それからもう一つは、これは建設省にお聞きしてもいいわけなんですけれども西ドイツ連邦建築法、これが、ごね得だとかそういったものを全部封じて、投機的思惑をなくしております。したがって土地取得が非常にスムーズにいっております。日本は、これに関連しまして、土地を取得するのに都合のいい抜本的な法律考えなければならぬ。土地収用法の手直しも最後的にはざる法になってしまって抜け穴ができておりますから、これではどうにもならぬ。そういう点も総理決意を聞きたかったわけです。  それから、前に新市街地法案が準備されておりました。せめてこれだけでも内閣がやる気なら、いまのように土地問題がこんなに拘束されないだろう、こういうことで総理質問しておるわけなんです。こういう点は建設省関係からでもけっこうですから、内閣決意をひとつ聞いていただいて、前の質問に応じて次会に御答弁いただければけっこうでございます。  それでは、建設大臣にお聞きした点につきまして細部にわたってきょうは聞いてまいりたいと思います。  私も克明に建設大臣土地に対する思想というものを読んでみました。まず予算分科会において建設大臣が言っておられること、それから本会議で私が質問したときに御答弁になったこと、それから各種の出版物建設省から出ておりますが、それによって、いまの政府には土地政策があるのか、住宅を建てる建てると言っておるけれども砂上楼閣になりはしないだろうかという懸念から、全部見てみました。結論するところ瀬戸山大臣のお考えは、なかなかむずかしい、これは一朝一夕にはいくつものじゃない、したがってこれから土地に対する規制なり収用。しやすい方法をとるんだ、こういうことに私は結論的にはなっておるように思うのです。  そこで、土地収用法とかあるいは税制の上で今度はちょっと手直しされておりますが、それはそれなりにその法律案のときにやるといたしまして、この前のときに、一口では言えないけれども土地の問題については私はいろいろ考えがある、ここでは言えませんが委員会お話ししたい、こういうことでございましたので、ひとつ基本的な考え方と、それから考えだけではこれは政策なり行政になりませんから、それをどういうような順序でやっておられるかということを、住宅建設五カ年計画を立てられたこの法案審議する前にお聞きしておきたいと思うのです。
  7. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 土地の問題はそう簡単でないことはどなたも御了承願えると思うのです。簡単でないところをやはり解決をしていかなければならない、ここにむずかしさがあると思っております。いつも答えが長いと言われますから簡単に申し上げたいと思うのですが、簡単に言うとまたわからぬとおっしゃられますけれども……。まあ住宅政策をやりますについては、当然に土地が前提になるわけであります。従来といえども承知のように公営住宅等はまず計画を、一〇〇%とは申し上げませんけれども、それに近いような実績を持っております。なお民間住宅等についても、いわゆる自力建設についても相当の実績を示してきております。ただ、五カ年間で六百七十万戸をどうしても遂行したい、こういうことについては従来に増して土地取得あるいは宅地開発、こういう問題にも積極的な手法をこらさなければならない。住宅問題だけでなしに、一般公共事業としての道路その他をやります場合に、どうも従来のように地価が自然のままで上がるということ、また場合によっては土地取得に対して御承知のような個人の権利だけを主張するようなことでは、仕事も進まないし、また資金効率が低下する、国民の税金と申しますか負担においてやる仕事がその効率が下がる、こういう意味住宅対策のみならず、土地政策と申しますか、できるだけ地価の不当な高騰を押えると申しますか、チェックする手段を講じなければならない、こういうことで法律改正やらあるいは行政やり方というものについてくふうをこらしていこう、これがいま進めつつある状態でございます。予算的には、すでに三木さん御承知の点ですが、土地宅地開発等について従来にも増して予算措置を講ずる、こういうことをやっておるわけでございます。  土地収用法は近く御審議を願えると思いまするが、これば従来のように公共事業等を進めますことによって、付近のあるいはその公共事業用地とされる人が、国民負担でもってやる仕事によって特別な地価高騰による利益を得るということを可能な限りチェックする、そういう意味事業認定時の価格で評価をする、こういう制度に改めよう、これが手ぬるいとおっしゃるのでありますけれども憲法に、私有財産権を認め、しかもそれに正当の補償をするということになっておりますと、現在の憲法上からは今回提案しております程度のことしか行ない得ない、私どもはさよう考えて提案をいたしておるわけでございます。  その他、公共用地に取得する場所以外の地価について、いま完全にこれをストップするという法律等は、そう簡単に考えられませんので、一般公共用地、その他いわゆる社会資本によって地価が上がった場合、その譲渡所得については、法律によってこれは社会還元と申しますか、これを徴収していこう、こういう考え方収用法税制改正、これを組み合わして地価の不当な高騰をチェックする、こういう考え方でおるわけであります。  その他、基本的には、やはり前にも申し上げましたように、どうしても土地利用制度と申しますか、土地利用区分というものを相当明確にきめないと、土地利用計画土地制度、あるいはそれに伴う地価の厳密な意味における規制、こういうことは簡単にできませんので、その制度もできるだけ早く立てなければならない、こういう考え方で準備を進めておる、これがおおむねの私どもの態度でございます。
  8. 三木喜夫

    三木(喜)委員 いまお聞きしておることは、大臣の持っておられる思想、それから苦慮されておるところ心境、こういうものは三月一日の予算分科会でも言っておられますし、二十四日の本会議でも同じことを言っておられるわけであります。私がお聞きしたいのは、たとえば土地利用区分にいたしましても、それをどんな方法で、いつごろやるのか。これはおくれればおくれるほどだめです。そういうように思うわけです。  そこで、大臣のおっしゃっておる中で、私も共鳴を感ずることは、ずっと建設大臣になられてから、土地商品でないという発想のもとに、三月一日には、何とか措置をとらなければ、どろ沼に入っていってどうにもならない、こういう考えから取り組んでいこうということをおっしゃっておる。それから三月の二十四日には、土地の問題に一番苦慮しておりますと、こういうように発言されておる。これが持っておられるところ心境だろうと思うのですが、思想としては土地公共性ということを非常に強く打ち出しておられる。したがってそれの施策は、いまお聞きしたように、土地収用法税制土地利用区分、この三つですけれども、その三つをどういう方法でやるか。土地収用法は、いろいろ大蔵省法務省からチェックされて、私らから言えば、ざる法になってしまいました。これは身をもって体験して遺憾に思っておられるだろうと思いますから、この収用法問題外にのけておきましょう。そこで土地利用区分なんかで三月一日、二十四日、そしてきょう四月二十七日と、一カ月過ぎてきているわけが、依然として同じところに低迷をしておる。施策的に、プログラム的にひとつ展開してもらいたいということを、きょうお聞きしておるわけです。
  9. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 土地利用区分と簡単に申しますけれども土地に対する一般国民考え方、今日までの実態、こういうことはよく御承知だと思います。ただ単に、ここは住宅地にする、ここは農耕地にする。そう一気になかなかこの問題は解決いたしません。一番の問題は、前にも申し上げたと思いますが、日本農業政策上、農耕地をどのくらい確保するか、これが一番の基本だと思います。あるいは大都市周辺において、食糧関係、あるいはいわゆる野菜の需給関係、これは一体どの程度に置けばいいか。こういうことから検討して、現在ある農耕地あるいは山林原野、こういうものの中で、道路その他はまた別な観点から考えなければなりませんけれども住宅用地あるいは市街地にすべきであるか、こういうところでありますから、そう一、二カ月やなにかで簡単にきまる問題でない。これは御理解願えると思うのです。まずそういう基本的なことから検討して、全国をそういうことにするということはなかなか長時間を要すると思いますから、私どものいまの考えは、できるだけ東京とか大阪とか、いわゆる大都市周辺で非常に緊急にそういう区分制度をきめる必要がある。こういうところを先にやるべきだという立場でいま検討を進めておりますが、これはもう現に前から宅地制度審議会土地利用区分研究部会をつくりまして、いま検討を願っておるのであります。何月ごろ成案を得るかということは、いま残念ながら明確には申し上げられません。ただ、いまおっしゃるようにこういう問題はできるだけ早くそういう制度をつくるべきである、こういうことを考えておるわけでございます。
  10. 三木喜夫

    三木(喜)委員 その次に、宅地なり土地がだんだん値上がりしてまいります一つ要素をなしておるものは、不当な利益をとって土地を売り買いしようとする、こういう人々があるということも問題になっております。そこで土地を異常につり上げておるところの害悪をどうして除くかということが必要だと思うのです。これは建設行政だけにとどまらないので、きょうは建設大臣にお聞きするだけでなくて、警察庁のほうからも来ていただいておりますので、まず先がた申しましたように、土地商品でないという立場公共性を持たせるという立場から私たち考えてみましたときに、国の政策上非常に大きいと思います。誇大広告をやって非常に順良な都民、市民をペテンにかけるようなやり方で、もうけ主義的にやっております。土地商品でないという大臣発想にもかかわらず、商品商品、悪らつな商品としてやっておる人がある。これについて警察庁から雨森保安課長おいでいただいておりますので、以下二点についてひとつお聞きしたいと思うのです。  四月十三日の読売新聞だったと思うのですが、「警察もすでに20数社内偵」「”ウソ八百”近く検挙」こういうことで悪質不動産屋をつぶそうとかかっておられるわけです。これは私は時宜を得たやり方だと思うわけで、まずその中で、宅地変更をする許可を受けていない土地を、さも宅地を売るというようなことで、さあすぐに家を建てなさい、こういうかっこうで売っておる。それから温泉が出ていないのに温泉権がある。そしてもよりの駅から徒歩で、五分、こういうようなかっこうで、これもうそ八百のやり方をやっておることと、それから坪単価二千二百円から一万六百八十円、こういうことになっておるのですが、実際見てみたら二万円より安いのはない、こういうようなことを許しておくということは、悪徳が土地によってばっこする温床をつくると私は思うのですね。そこで、これは警察権だけではいけないだろうと思うのですけれども、国のすべての施策はこういうことがばっこしないような方向をとらなければいかぬと思うのですが、さしずめ警察のほうで取り締まられた実態と、今後これをどうしようとされておるか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
  11. 雨森和雄

    雨森説明員 警察といたしましては、いま御指摘のありましたような件、が非常に目立ってまいりましたので、昨年十一月の終わりに東京大阪の近辺の各県を集めまして、先ほど御指摘のありましたように、そうした誇大な宣伝やなんかは主として東京大阪土地を買いたいという人に対して行なわれますのですが、土地は実際はその近県、つまり千葉とか山梨とか、あるいは奈良とか兵庫とかいうところにあるわけでございます。したがいまして、それぞれの警察相互によく連絡をいたす必要があると思いまして、会議を開きまして、取り締まりの打ち合わせをいたしたわけでございます。それによりまして、昨年の暮れから、それぞれ各県で虚偽、誇大な広告等に基づきまして、これを内偵し、検挙に着手いたした次第でございます。それによりまして、昨年の十一月以降には相当検挙数があがってまいりまして、特にこの春と秋は売り出しの期間になっておりますので、二月には相当な検挙数をあげることができたと思っております。警察といたしましては、そういう近県、特に大都会地周辺相互によく連絡をとりつつ、そうした誇大広告あるいは詐欺等に至りますものにつきまして徹底した検挙をやっていきたい、こういう方針で臨んでおります。
  12. 三木喜夫

    三木(喜)委員 方針はよくわかりました。それではそれをやった結果どういう成果があがったか、今後それについてどういう計画でこれを続行していくか。こうした不当の利得を得ることによって、土地値上がりになお拍車をかけるというやり方に対して、警察土地政策の上に立って検挙しなければ、ただ暴利だけをむさぼっておるという立場だけではいけないと思います。そういう観点をひとつ十分お考えの上でお答えをいただきたいと思います。
  13. 雨森和雄

    雨森説明員 ただいま御説明いたしましたような計画取り締まりをいたしました結果、昨年の十一月には六十二件、八十四人、十二月には三十五件、四十五人、一月は三十四件、三十九人、二月が百二十六件、五十七人、この十一月から二月までの四カ月で二百五十七件、二百二十五人の検挙をいたしております。その中で宅地建物取引業法違反が相当な数にのぼっておりまして九十四件、百二十六人にのぼっております。警察といたしましては今後の方針といたしまして、第一は、業者従業員等詐欺とか横領、恐喝というような非常に悪質な事犯を徹底して取り締まる。第二は、無免許業者取り締まりでございます。これは免許を受けた業者は言うまでもなく行政官庁監督を受けて適正な仕事をいたすのでありますから、一般の大衆に迷惑を及ぼしますところの無免許営業を徹底して取り締まっていきたい。第三点は、虚偽誇大宣伝でございます。この点につきましては、公正取引委員会等連絡を密にいたしまして、悪質なものを検挙しながら取り締まりを進めたいと考えております。第四は、業者従業員が業務上順守すべき事項に違反するような事例につきましても、悪質なものはこれを検挙する。こういう四つの方針を立てまして取り締まりを進めていきたい、このように考えております。
  14. 三木喜夫

    三木(喜)委員 それではこの悪質な部面、土地に対するところのバチルスといいますか、非常に悪い条件をつくっておるそういうものを取り除く問題については、しばらくおきまして、いま官房長官が見えましたから、官房長官にお聞きしたいと思います。  官房長官、先月の二十四日に本会議がありました。そこで住宅建設計画法案が上程され、そこで私は質問をして、総理に対する質問答弁保留になっておった。したがって、きょうおいでいただいて、総理にしました質問内閣立場からお答えいただきたいと思います。  私が特にこれを申し上げるのは、政府の発行しておるこういういろいろな冊子がありますが、冊子のどこに書いてあったかわからないのですけれども、私が拳々服膺しておくべきことだと思ってここに特に記録してあるのですが、アメリカの土地学者のヘンリー・ジョージ氏が「進歩貧困」という著書の中に、こういうことを言っておるわけです。「生産が増加するにもかかわらず賃金がやっと生きていくに足るだけの最小限度に近づいていくという根本原因は、地代が生産力以上に上昇しようとし、しかも賃金を絶えず押えようとする傾向が生じてくることに存する。」、こういうことで土地値上がりというものが、「進歩貧困」の著書にもあるように、だんだん庶民の生活を圧迫してきた。これだけではなしに、内閣なり国の政策として考えてみるときに、土地政策というものを抜きにしては貿易振興ができなくなってくる、だんだん土地が製品のコストの中に入ってくる、こういうことになると、これはゆゆしい問題になってきますが、いまのままでは土地政策というものは不在であると言っていいくらい幾らでも値上がりしていく。これは本会議でも質問申し上げたように、六大都市ではすでにこの十年間に百倍になっておる。近郊都市でも七十倍程度値上がりを示してきた。これは非常に重要な問題であるということで総理にお聞きしたわけです。幸い内閣の中では、土地の問題を抜本的にやらなければならないということで閣僚協議会を設けられた。しかし閣僚協議会というものは何ら具体的な施策もなく成果を得ていない。これでは根本的な解決ができないじゃないかということが私の質問なんです。それでは官房長官は、土地収用法税制で手心を加えるように考えております。とこうおっしゃるかもしれませんが これは本委員会で後ほど検討されるわけでありますが、これはざる法になっておる。大蔵省法務省から横やりが入りまして、私有財産云々ということでチェックが入りましたから、土地収用法は半身不随で発動できない、やっても何ら効果がない、こういう見通しを持っておるわけです。そのやり方というものに対しては私たちは問題に思っておりますが、それはここの問題ではありませんから、一体内閣としてはこの土地政策というものに対してどういうかまえで進んでいかれる考えか、これをぜひ聞かしていただかなかったら、きょう御質問を申し上げておる住宅五カ年計画、すなわち住宅建設計画法案なるものの中味が砂上楼閣になってしまう。それでおいでいただいたんです。
  15. 橋本登美三郎

    橋本政府委員 最初に、今朝といいますか、午前零時ですが、札幌が今度一九七二年の冬季オリンピック場に決定いたしました。これは建設委員会各位の非常な御協力を願ったことでありまして、心から御礼申し上げます。  いまの御質問ですが、御承知のように昔は衣食足って礼節を知る、そして衣食住というものが国民生活安定の三要素と、こういわれておりました。今日では逆に住食衣という形だろうと思うのです。その意味住宅政策、もちろんこれは土地政策も含めての住宅ですが、住宅政策は今日の政治の段階では最も緊要欠くべかざる、しかも重点的な施策であります。  一昨年佐藤内閣ができまして、昨年に社会開発懇談会というものを設けまして、いかにすれば国民生活の安定といいますか、楽しい国土を建設することができるか、その一面は要するに愛するに足る国土をつくるとはどういうことかということで、社会開発懇談会に諮問をいたしたわけであります。もちろん全体的には総合的に幾つかの項目がありますけれども、まずとりあえずやらなければならぬことは、住宅政策である、一日も早く多くの住宅をつくることである、もちろんこれには土地政策というものが関連を持つことであって、これらを解決することがまず今日の日本国民の最大多数が要望しておる点ではなかろうかという結論を得まして、そのような答申をいただいたわけであります。その答申に基づいてとりあえず昭和四十一年度の予算には、もちろんこれは十分完全とは言いませんが、予算編成にあたっては住宅に重点を置くという方針を立てまして、そして四十一年度の予算にもその点は他に比較いたしましては、われわれはかなり思い切ったことをやったつもりでおるわけであります。  と同時に、これはもちろん建設大臣からも御説明があったと思いますが、そのネックになる土地問題の解決をしなければ、住宅計画を順調に進めることはなかなか困難であるということからして、土地問題に関して先ほどもお話がありましたような閣僚協議会というものをつくりまして、そこで万般の論議を尽くしてまいったわけであります。   〔委員長退席服部委員長代理着席お話がありましたように、土地の問題については、土地に限りませんけれども私有権制度の問題が一つはあるということと、税制上の問題もあります。特に一番論議の中心になったのは、公共のためには私有権がある程度制限せられることは憲法の示すところではありますけれども、そこのかね合いというものがなかなかむずかしいということではありますが、考え方としては、いわゆる公共の利益のためにはある程度の私有権の制限と思われる——初めからするわけじゃありませんけれども、そういう一つの方向的な問題として取り扱わない限り、なかなか抜本策はできないであろうという一つの基本的な考え方に立って、近く皆さんの御審議を仰ぐ土地収用法改正というものが成案を得たわけであります。おっしゃるとおり、この土地収用法の一部改正につきましても、はたしてこれで抜本策ができるか、これで一切が解決できるかと仰せられますと、そこまでの特効薬ではないかもしれませんが、ただ、いまの情勢から考えれば、やはり進歩の過程においては、ある程度の困難があり、ある程度のブレーキがありましても、とりあえずわれわれ政治をやる上においては一歩、二歩、三歩と前進していくというたてまえをとらざるを得ませんので、建設大臣から見れば十分でないというお考えもありましょうが、一応全体的なまとまったところのものが、今回提出しようという土地収用法であります。その方針に従ってやるわけでありまして、私たちは、この法律案が皆さんの協賛を得て通過をし、これを行政能力とあわせて行なえば、相当の効果をあげることができるんじゃないだろうか。ただ、私、建設大臣をやりましたけれども、短期間でありましたから、住宅問題までは根本的に触れる機会はありませんでしたが、当時は道路問題を基本的な新しい制度に乗っけた。これは住宅問題にしましても、やはり総合対策が一面においては必要でありまして、御承知のように、たとえばアメリカあたりの例をとりますと、ロサンゼルスにしましても、サンフランシスコにしましても、ニューヨークにいたしましても、郊外に、はるかかなたまで高速道路ができている。それがために土地値上がりというものが広い範囲内において平均して漸進的な傾向で上がっている、あるいはブロードウエイという向こうのまん中でありますが、これなどは東京でいう銀座の一角ですが、一坪当たりが大体百五十万円程度である。日本はあるいはその十倍に近い金額ではないかと思う。しかも郊外に参りましても、かなり日本と比べて土地の価格が安い。これは一つは、相当期間かかったのでございましょうが、アメリカ政府のいわゆる道路政策、そういうものがあずかって力があったろうと思います。したがって、土地問題を土地収用法一本やりで解決するといっても、なかなか解決の道はむずかしい点があるかもしれませんが、少なくとも現在の問題としてはある程度の効果をあげることができると同時に、いま申したような総合対策として、やはり道路網の完成というものが土地の平均化というものを来たす大きな原因にもなろうと考えておりますので、住宅政策とあわせて道路計画というものも十分に考えていきたいというのが政府方針と御了承願いたいのであります。
  16. 三木喜夫

    三木(喜)委員 突然に来ていただいておりますので、いろいろな問題について総理がおりましたらお聞きしたいと思いますけれども、そういうこともできかねるだろうと思うので、私は内閣の大番頭としてやっていただいております官房長官が、今後閣僚協議会の中で土地政策を総合的にやるというその話はわかります。これは行政が全部寄ればいろいろなものがみな総合的に進んでいくのですから、この考え方はわかります。土地収用法の問題も後ほどまた協議しますからこれはいいとしまして、どういうプログラムで何に取り組んでいかれるか、こういうことをひとつ聞かせていただきたいと思います。次官会議においてすでに具体的な施策は進められております。そういう取り組み方をお聞きしているわけです。
  17. 橋本登美三郎

    橋本政府委員 おっしゃるとおり、計画的なものを進めていくためには、利用の対象に従って区分制度といいますか、これをやっていかないと、実際上経費の上からいってもむだがあります。むだなところに工場ができたりいたしますと、そこにやはり工場関係の特別の施設をしなければならぬ。日本の都市の発生というものが御承知のように自然発生的に大きくなってまいり、これは内閣でも非常に問題になっております。最近でいえば四日市の公害問題、これは四日市ばかりではありません。あるいは京葉工業都市において同様であります。これらは日本の高度成長といいますか、急激な経済発展に伴って自然的に膨張してきた。それとともにいまおっしゃるような利用の区分制というものが明確でなかったために結果的には非常に障害を生じております。この整理のためにも相当な費用がかかる。したがってこれからの新しい都市計画といいますか、一種のニュータウンというような考え方になりますと、その点を明確にして、そこで費用のむだな分散は極力やめていく。同時に既成都市におきましても、金はかかるかもしれぬが、いまからでもおそくはないのでありますから、いわゆる過密都市に対しては積極的にそうした整理計画といいますか、そういう形のもとに思い切った都市の利用対象における区分制度というものも十分に閣僚協議会におきましても、また当該の建設省あるいは通産省において積極的に検討をするように、またこれが具体化をするように総理大臣からも指示を与えておるような状態であります。
  18. 三木喜夫

    三木(喜)委員 取り組む問題は都市再開発の問題と新市街地の開発問題と、大体将来はこの二つに取り組んでいきたい、こういうような姿勢のようでございます。  そこで、そういう問題に触れられましたからお聞きしたいのですが、本会議で私質問したのは、「前国会に新市街地法案が準備され、これによると、公共施設に必要な用地確保ができ、地主の利益も、還元譲渡方式がとられて、あまり脅かされない、」こういうぐあいになっておるわけであります。この法案がよいか悪いかは、私たちはまた検討してそれに批判を加えなければならぬですけれども宅地審議会の委員は、新市街地法案というものが準備されて、しかも宅地審議会がこれをやりなさいと要請をしたにもかかわらず、二度までもこれくらいのものはさっさと実行するようにという勧告をしておるのに、佐藤内閣はそのふん切りをつけなかった、こういうように宅地審議会の委員が言っておるわけなのです。それに官房長官はまた同じく、新市街地法案の内容はどういうものかわかりませんけれども、それと取り組む、あるいは都市再開発をやる。この都市再開発も必要なので、たまたま出されましたから私は官房長官にお聞きしたいことができてきましたが、前国会でこれを用意されて、二度までもやれ、こういうように言った。土地収用法どころじゃないいい効果があるように宅地審議会の委員は言っておるわけであります。それならなぜそれを出されなかったのですか。また、取り組むと言って、同じことを堂々めぐりしているような気がするのです。
  19. 橋本登美三郎

    橋本政府委員 これは御承知のように開発関係として新産業都市建設促進法あるいは低開発地域工業開発促進法という法律、そこで過密都市の問題がこの二、三年来といいますか、数年来非常に問題になってまいりまして、当然過密都市の整理といいますか、開発も必要であるけれども、同時に今後十年間における日本の産業の発展等とにらみ合わせて、当然これはある地域においての開発拠点というものはつくらざるを得ない、また生まれつつあるわけです。そういうことから審議会においても当然これは問題になり、政府においてももちろんこれは前向きで真剣に討議を重ねてまいっておるわけでありますが、なお問題点がありますので、いま直ちにこれを具体的に出す予定と言われましても、まだ検討中という以外に答えはありませんが、ただ今回の土地収用法等が皆さんの御協賛を得て通りますれば、一つの段階的な立場においてある程度これらの問題の基礎的なものは進められていくのではないだろうか。  なお、この新市街地開発法につきましては、問題点等を十分に整理した上、前向きでなお今後も検討してまいりたいと考えておる次第であります。
  20. 三木喜夫

    三木(喜)委員 官房長官に突如としてお聞きするので詳しい御答弁をいただこうというのは無理だと思いますが、私の総理質問したい要点はそういうことなのです。それが二度までもストップになったのです。そこでそれをもう一回検討していただいて、建設大臣からでもいいですから、内閣の姿勢として、このストップした理由と、それからそれをどういうようにやっていこうかということばひとつお知らせいただきたいと思います。宅地審議会の委員が文句を言っておるわけです。それもやはり政府の諮問機関ですから、非常に不満に思っております。だからその辺をひとつ御検討いただいてお聞かせいただきたいと思います。  そこで、おいでいただきましたから、ついでに要点だけをひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。  この住宅政策の五カ年計画ができて、そうしてあと先は別にいたしまして、住宅建設計画法案が上程された。この考え方が、いろいろ計画を立てられまして、それが実践可能かということになると、土地問題にぶち当たってくる。そうすると幾ら予算を計上しても、土地予算が食われてしまって、それだけの戸数が建たないというようなことになる。さらには都市開発をどうするか、土地利用区分をどうするかというような考え方からすればいろいろな問題に、ぶつかってくるわけです。そうして、ことばが悪いかもしれませんけれども、これは一つのアドバルーンだ、そういう一つのアドバルーンは、国民の前に、住宅に対するところ国民の期待を満足させなければならぬというところから出ておるようにしか思われないわけでありまして、実践ということになると非常にむずかしい問題ががたくさん出てくる。そこで、私たちは悪く勘ぐるわけじゃないけれども、はしなくも内閣の方々の中からもその話が出ておるわけですが、こういう建設行政を進めること、住宅建設を進めることによって有効需要が喚起される、いわゆる三倍の有効需要が喚起される、これは住民対策というよりも一つの景気対策、需要がどんどんふくらんでいくところ一つの手だてである、こういうような考え方が持たれておるように思いまして、私たちは非常に遺憾に思うのです。どうしてもこれを建てろというのなれば、足元の問題を解決つけていかなければならないのですが、こういう住宅を建設することによって有効需要を三倍——これは学者の説ですが、三倍の有効需要が出るということなので、そういうことが主体じゃないかというような考え方を持たざるを得ないのです。この点ひとつはっきりと、それは違うのだ、住民に対するところの対策だということを明確にしていただきたいと思うのです。  それからもう一つ申し上げたいことは、これはせんじ詰めれば、わが社会党としては住宅政策というものは借家に主体を置くわけです。しかし自民党の住宅政策を見ますと、持ち家制度というものを出しておられるのですが、この持ち家制度というような考え方は、あとでまた申し上げますけれども、非常に木に竹を継いだような論理が合わないところがあるのです。そのもとをたどりますと、今度の五年計画というものは、一体どこに建てるのかということが大きな問題になると思う。都市再開発をして都市の中に市街地住宅を建ててやっていく方針なのか、それとも郊外に建ててやっていくという方針なのかというところへ落ちついてくると思う。持ち家制度ということになると、当然郊外に建てなければ、こんな大都市のまん中で持ち家制度はできないと思うのです。具体的に東京都があんなにしてつくっておるところ市街地住宅、四階か八階かのものをつくっておりますけれども、分譲する場合にはずいぶん高いものについています、土地が問題になって……。これは庶民のてこに合いませんから、そういう持ち家のイメージを庶民に持たすとすれば、政府施策というものは、この五カ年計画なり住宅建設計画法案なるものの根拠は、もう郊外に出ていくのだという思想的な背景がこの中にあるのじゃないか。その点は建設大臣にお聞きしてもいいのですけれども内閣としてはどう考えておられるか。
  21. 橋本登美三郎

    橋本政府委員 最初の御質問ですが、景気刺激策といいますか、内閣の景気回復策の道具として利用しているのではないかというような御質問だったと思いますが、これは御承知のように、ほんとうの景気の回復というものは、ただアドバルーンを上げて、いいことを言って、やるぞというだけでは、ちょっとした影響はありましょうが恒久的には働くはずはないのでありまして、したがって、いわゆる五カ年計画という一つのアドバルーンで景気が本格的に直るとは思いませんし、それだけの刺激でもって景気回復の道をたどるということはあり得ないのでありますから、いわゆる五カ年計画を立ててやるということは、実質的にこれが具体的な完成を目ざしていくということであって、みせかけの政策ではない、こういうことは十分に御理解願えると思います。  そこで第二段の問題ですが、これは住宅の多様性といいますか、私は一つの多様性と言っておりますが、今回の四十一年度の予算を見ましても、いまおっしゃるように必ずしも持ち家住宅を中心に予算を編成しているわけでもありません。戸数の上からいえば貸し家のほうがうんと多いわけであります。したがって持ち家政策というものは、一つの大きな観点から見て、国民自身が、先ほど申しました衣食住が足ることによって礼節を知るということ、その場合における住宅というものはかなり安定した状態をいうのだろうと思います。できれば国民は、だれ一人といえどもみずからの家を、たとえアパートの一室であろうと何であろうと、みずからのものとして持つことができれば、これはもう国民一つの理想であろう。そういう意味で持ち家住宅考え方は長期的な観点から見て、国民生活の安定といいますか、あるいは豊かなる精神の涵養、こういう点からやはり持ち家制度というものを十分考えていく必要がある。しかし、現在は御承知のように住宅が不足である。したがって、予算の面から見ますと貸し家、貸し室というものが中心になっております。そこでいろいろ、これは皆さんの間でも議論があろうと思います。たとえば一DKもしくは二DKのアパートというものの普及は意味がないのではないか、実は閣内でもそういう議論もあります。これは私の個人の意見ですが、私は、一度建てた家に五十年も百年も住まなければならないという考え方はあるべきはずがない。その時代、時代に応じて、ものによっては緊急的なものが必要であり、ものによっては半永久的なものもありましょうが、そういう意味で、まず現在需要を満たすための緊急措置も一面においては講じなければならない。と同時に、住宅というものが持つ国民生活の中における度合い、ことに精神生活を中心にした豊かなる国土、豊かなる民族、こういう一つの目標を考えながら住宅政策というものは多様性を持つべきものである、かように考えておる次第でございまして、その点は委員の各位にも御理解ができるのではないか、かように思っておる次第であります。
  22. 三木喜夫

    三木(喜)委員 官房長官は記者会見があるそうですから、残りの問題は建設大臣にお聞きすることにいたします。ただ言っておきたいことは、精神主義的な立場だけでは、持ち家政策やそれから都市におけるところ住宅をつくるのか郊外における住宅をつくるのかという問題は解決がつかぬと思います。有効需要を喚起するという考え方は、幾ら土地が高くても建設業者をもうけさせる方法は何ぼでもあるわけなんですから、それから有効需要は何ぼでもいくのですから、それでは国の財政は持たぬと思います。足元が大事だと思いますので、再度申し上げますけれども、その点は十分閣議で御論議いただいて、砂上楼閣にならぬようにひとつお願いをいたしたいと思います。
  23. 橋本登美三郎

    橋本政府委員 御承知のように瀬戸山国務大臣はその道のベテランでありますから、どうぞ十分に御審議あらんことをお願いいたします。
  24. 三木喜夫

    三木(喜)委員 雨森保安課長に続いてお伺いしたいのですが、先がたの問題の続きですけれども東京都のケースとして悪徳の不動産業者二百三十八社、そのうちで二十一社が不良で捜査された、こういうことが新聞に出ておるのですが、全国的な悪徳不動産屋ですね、それは一体どういう状況になっておるか。全国的にどういうぐあいに取り締まっておられるか。それから、これは行政措置だけではだめなので、宅地造成等規制法をどういうふうに適用するかということ。それによって処断するというふうなお話がありましたけれども、どういうように取り扱っていくかということも問題になると思いますので、この点ひとつお願いしたいと思います。
  25. 雨森和雄

    雨森説明員 ただいま御指摘になりましたのは東京都内の数の新聞報道に出ておるところでございますが、全国的にこれがどれくらいあるかということにつきましては、実は私のほうに数字がございませんので、いまちょっと御説明することができないと思います。  取り締まりにつきましては、先ほど御説明いたしましたような方針にのっとりまして、過去の昭和三一八年、三十九年の取り締まり件数から申し上げますと、三十八年は総計千百八十件の千九十九人、それから三十九年が千百六件の八百六十六人を検挙いたしておりますが、その中の大半は詐欺、横領、恐喝等の刑法違反で検挙をいたしております。その次に多いのが宅地建物取引業法の違反でございまして、その中ではやはり無免許の営業が非常に多いわけでございます。そのほか虚偽誇大広告等につきましては、軽犯罪法等を適用いたしまして取り締まりをいたしております。
  26. 三木喜夫

    三木(喜)委員 警察庁にお聞きいたしまして大体わかったわけなんですが、これはどんどんと全国的な一つのリストをつくってもらって、そしてこれはもう許可を、取り消すとかなんとか、やはり強い規制をしていただかなかったら、これをもって悪徳の発生する大きな温床にしてしまっては私は問題だと思います。  それから、これは建設大臣もお聞きいただきたいと思うのですが、先がたから総合的に地価対策をやる、こういうお話がありましたけれども、運輸省のほうでもいろいろお考えいただいておる問題ですが、住宅ができる、工場ができる、そしてそれに通う人がだんだん多くなってくるということになりますと、これは運輸省あたりでも通勤革命というような論文を出しておられる方もありますしいたしまして、通勤ということを、都内に住宅を持たぬのならば通勤ということを考えなければならない。通勤ということを考えますと、そこに勢い駅舎をどうするか、国鉄の駅舎をどうするかという問題が起こってまいるわけなんであります。これは私の郷里に起こっておる問題でありまして、姫路の網干という駅がありまして、その北側には工場がないわけなんです。南側に工場がありまして、富士鉄、東芝、西芝、それから神戸鋳鉄、大セルというように全国的にも非常に大きな工場が櫛比しておるわけですね。したがって南駅をつくらなければならぬということになりまして、土地の人は請願工事としてこれをやってもらいたい、国鉄当局もそれに対しては了解をしている、そういう方法を進めておるのですが、ここに西芝に入っておりましたところの鉄道の配線があるわけなんです。これを一業者が買い取りまして、そして私鉄法の適用を受けて貨物の輸送をやろうという計画があるわけなんです。そういう計画とかち合いまして、南駅がどうしてもできないということなんです。南駅ができないということは、これは行政的なあるいは個人的な交渉によって解決がつくと思うのですけれども、代替地を要求しているわけなんです。代替地を要求しますと、その代替地の地価がうんと上がってきて、そういう悪質な考え方——土地の住民はそういうことを思っているのです。悪質な業者に対しては安い値で分けられないということで、そういう公共用地であるべきところの取得をめぐって、一業者土地を持って、しかも私鉄法という法律の中に入り込んでしまっておってはどうにもならぬというところから土地値上がりを来たしておる。それを分けないからというのじゃなくて、代替地をくれ、こういうことを言うておるわけです。こういう問題は、これは運輸行政上も、土地地価対策としても、運輸省も国鉄も協力していただかなかったらいけないので、どういう方法で、この代替地を出さなくてもいいか、あるいはまた、この土地を一緒に駅舎の中に入れて、建物の中に入れて、そして両方とも仲よく経営していく方法はないものか、そういう調停はできないだろうか、こう思うのです。かえ地を出しておったらこれはたいへんなことになります。土地上昇の一つの要因をなしておりますので、あえてきょうは運輸省からも来ていただいたわけなんです。お伺いしたいと思います。
  27. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 ただいまのお話は、網干駅の南口の問題と思いますが、これにつきましてはただいま先生のお話にございましたように、国有鉄道のほうでは請願工事として考えておりまして、四十一年度に姫路市の予算がついておりませんので、現在保留中になっております。  それからなお、南口のほうにありますところの鉄道でございますが、これは株式会社北沢商店というのがございまして、昭和二十六年に東芝より譲渡を受けまして、専用鉄道として営業しておったわけでございます。その後三十八年の十二月に、地方鉄道への変更の許可を受けまして、現在地方鉄道の準備中でございます。これにつきましては、専用鉄道は貨物でございますので、現在のところ本年の六月を目途としまして、貨物輸送の地方鉄道として開業するという考えで進んでおります。  なお、将来といたしましては、南口も非常に発展してまいっておりますので、南口の開設をやりたいということを考えておりまして、業者は旅客輸送の計画を持っているわけでございます。そして、姫路市としての都市計画といたしまして、南口の設置という問題とからめまして、ちょうど南口の予定地のところに八百坪の土地を持っておりまして、現在八百坪の土地の中で事務所及び材料置き場として二十五坪使用しておりますが、この土地が問題の土地でございます。そして会社としましては、さらに旅客駅を考えた場合に、別の土地考えておりまして、市のほうからこの土地の金銭買収という問題がございまして、それに対しまして会社のほうは土地の交換、代替地を希望しておりまして、このためのいま話し合いをしておるわけでございます。ただいまは、市のほうが四十一年度の予算にも計上されておりませんので、したがいまして、話は四十年に始まりまして、現在は交渉があまり進んでいないように聞いております。  なお、運輸省としましては、こういう問題につきましては国鉄、私鉄、さらに地元の関係市町村等、あるいは都市計画というようなものと関連いたしましてできるだけ通勤輸送の便になるように、しかも地方の都市計画と合うようにいたしたいと思っておりますので、そういう点につきまして今後とも関係の官庁と連絡をとりまして行政指導をしていく考えでございます。
  28. 三木喜夫

    三木(喜)委員 一地方の問題ですから、もう一点だけ念のためただしておきたいと思います。  その八百坪の土地の中に建てておる事務所、それから材料置き場、これは土地収用法の対象にはならないと思うのですが、その他は土地収用法の対象になるのかどうか。  それからもう一つは、なるほど、地方鉄道法というものをたてまえにして、そして土地値上がりを待つというようなそういう悪質な考え方はない、貨物輸送をやり、将来は旅客輸送もやっていきたい、地方鉄道の本来の使命を果たしたい、こういう考えを持っておるとするならば、これは駅舎と南駅を一つにして総合的にできないものだろうか、そういう行政指導は可能かどうか、こういうことをひとつお聞きしておきたい。
  29. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 これにつきましてはまだ正式に書面ができておりませんので、いずれ将来になりますと設備の変更というような問題が起こってくるわけでございますけれども、現在の段階では起きておりませんが、事実上これについて行政指導したいと思っております。  土地収用につきましては、現在の段階では鉄道の使っておる土地は三十五坪でございまして、その他の土地土地収用法にかかるわけでございます。
  30. 三木喜夫

    三木(喜)委員 よくわかりました。  建設大臣にひとつお聞きしたいのですが、例をあげますと、地価を値上げするところの悪い要因が、障害が次々とできてくるわけです。解決しようとすればそういう障害にぶつかるわけなんですが、もう一つこういう例があるのです。これはいやというほど建設大臣は聞かされて頭を痛めておられるだろうと思いますが、大阪の千里ニュータウンの住宅地、ここに私は問題があると思います。一つは、この地に前には中国縦貫道路、今度は国土開発幹線自動車道路、こういうことで、大体中国の自動車道はここから出るわけです。千里ニュータウンのところを通るわけです。そうしたところが、その中には将来住宅も建てなければならない。それから一番力を入れておられる道路の問題もその土地にかかっていくわけです。そこは聞くところによりますと京阪神急行電鉄が土地を持っておる。それから殖産住宅相互土地を持っておる。阪急が七十三万平方メートル、殖産は二十九万平方メートル、持っておられるのはいいのですけれども、阪急の買い値というものが、一説には最高二万七、八千円。そうすると、建設省が将来こういう計画を持とうとせられても、すでにそこの土地の相場というものができてしまっておるわけですね。そういう問題をどう解決をつけていくか。そばは安く買って阪急のところだけは高く買う、そういうこともできないと思いますので、土地問題がすでに——悪徳とは言いません。そういう先行きを見越して土地を取得しておる、こういう業者にはどう当たっていくのか。これも建設省としては十分お考えになっておる問題だろうと思いますので、地価対策一つとしてお聞きしておきたい。
  31. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 土地の取得をいたします場合に、その評価等については、評価等について基準がありますから、その細部については、必要なら計画局長から申し上げますが、しかし同じところで非常に高低があるということは許されないことであります。ただ私ども今後気をつけなければならないことは、基本的に今度地価対策と申しますか、土地収用法改正して事業認定ということをしておりますのは、いままでは不便であったが非常に地価が安かった、公共事業等が行なわれることによって便利になるから地価が従来より高くなった、そういう意味地価高騰というものは対象にいたしません。こういう基本的な考え方て、今度の土地収用法あるいは税制——かりに収用地以外で高い売買がありましても、やはり基準に従って相当大幅な税で返してもらいます、従来のように不当と思われる利益はなかなか手に入りません、こういう制度を進めたいというのが基本でありますから、いまおっしゃったように、隣合わして非常に高かったり安かったりということは実際上は起こらないと思います。  こまかい評価の問題については局長からお答えいたします。
  32. 志村清一

    ○志村政府委員 評価の方法でございますが、公共用地を取得する場合の評価の基準につきましては、補償基準が定められておりまして、建設省におきましては建設省の補償基準によってやっております。それから各省も建設省の補償基準に大体準拠いたしてつくっております。これらの補償基準の基本になるものは、ちょっと忘れましたが、数年前閣議で了解を得ました線に沿ってできておるわけでございます。したがいまして、各官庁ともほぼ同一の評価基準によっておりますので、評価基準の時点が近接しておりますれば価格はほとんど変わらないというふうに存ぜられるわけでございます。ただ評価の時点が変わりますと問題が起きるわけでございまして、今回の収用法改正案によりまして、一応事業認定時というふうなことが基礎になりますと、その点でさらに評価の統一性が保てるのじゃないかと考えております。  なお、収用委員会が裁決をする場合の問題でございますが、収用委員会が独自の立場で評価をするわけでございまして、収用委員会自身といたしましても連絡協議会等をつくりましていろいろ検討いたしておりますが、政府考えておりますこの評価基準に即応して考えるのがよかろうというようなことで、その線に沿って考えておられるようでございます。  なお、収用委員会が鑑定人を依頼いたしまして鑑定人に評価をしてもらう場合があるわけでございますが、その鑑定人の評価の方法につきましても、鑑定士の方々が集まりましていろいろな評価基準の検討をいたしておりますが、それらもおおむねの線といたしましては、先ほど申し上げました公共補償の線に近似したものでございます。
  33. 三木喜夫

    三木(喜)委員 一般的な方法はそういうことになろうと思うのですが、いま具体的に地価を抑制するところの障害をお聞きしておるわけです。二万七、八千ということになれば、評価基準はそういう方法でやって、それより低い価格で押えられた場合に、阪急なら阪急の損になるのか。そういうことは具体的に起こってくるでしょう。損になっても土地収用法という法律をかざしてやるのだ、こういうことになるのか。評価基準というものを立てて、その基準に合わしてやっていくということになると、そういう問題が起こってくるでしょう。そういう点はどうでしょう。
  34. 志村清一

    ○志村政府委員 ただいま御質問土地は、千里ニュータウンではございませんで、万国博の予定地だと考えられますが、一般的に申し上げまして、土地収用対象になった場合に、とかく付近の人がこれは幾らくらいだというような評価をいたしますが、正当な価値と申しますか価格を出しまして、それによって評価額をきめるわけでございますので、世間で言われている、この辺は幾らくらいだといった値段と相違がありましても、やむを得ないものと考えております。
  35. 三木喜夫

    三木(喜)委員 その点はわかりました。  そこで大臣、いま申しましたように、地価を抑制する場合に、最初に申し上げた悪質な業者、それから悪質ではないけれども意図を持って私鉄法なんかによって合理的、合法的にやっておる。それから営業的に二万七、八千円で買ったのだ、こういうものは将来の値上がりを待つのだというような大きな業者ですね。これらは一つ一つケースが違いますから、それに対処する方法を持っておらなければ、土地政策というものはそういうところからくずれていくのではないかと思う。そういう問題について、今後抜本的にやろうとする場合には、土地収用法だけで解決つきますか。その点ひとつお伺いしておきたい。
  36. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 土地収用法だけで何事も全部片づくとは思いません。申し上げるまでもなく、土地に対しての考え方が、世間の考え方といいますか、いままでの習慣というものは、御承知のように、私ども政府が今日皆さまに御相談しておるような、必ずしも一定した思想に基づいておりませんから、いろいろな場合、いろいろな変化があるわけであります。でありますから、たとえば昭和二十一年ですか、農地改革をしましたときのように、一定の評価に四十倍とか、四十八倍かける、こういう措置がとれればあるいは非常にうまい方法があるかもしれませんけれども、いまは実際問題としてそういうことは簡単にできないであろう、こういうぐあいに私ども考えを持っております。したがって、これは何もかも一律に評価ができるという事態をつくるということは現在の社会情勢ではきわめて困難である、そういう意味土地政策は総合的にやらなければならぬと思っておりますが、何もかも土地収用法で同じようにできるとは思いません。しかしその中でも、少なくとも公共事業をやります場合には、そこにアンバランスが——非常な不当な値段で高く売りつけるとか、不当に安く取られる、こういうことのないようにしようというのが一つのねらいであります。  なお、一般土地については、さっきも、重ねて申し上げて恐縮でありますが、土地によって不当と思われる利益は国家においてチェックする、これはもう税制以外にないのです。売買を禁止するというところまでいきません。土地利用区分が明確になりまして、そういたしますと、売買は場合によっては中止する、あるいは許可制にするということを私どもは頭に考えておりますけれども、これは今後の検討にいたしたい、こういうように考えておるわけであります。
  37. 三木喜夫

    三木(喜)委員 今後御検討いただきたいと思います。とにかく自由経済で、土地商品であるという考え方でいままでいろいろな業者がいろいろな方法土地についてはその自分の考えなりやり方を展開しております。その中で土地政策をここに打ち立てて、土地商品でない、公共性を持たせようという思想でやろうとするならば、そこに非常に障害が大きいと思うのです。各種各様の障害があろうと思うのです。それをどう克服していくかということは、これは国の建設行政だけでなくて、道路行政の大きな問題になると私は思いますので、ただ閣議で何らかの方法を立ててもらうように議題に載せてもらいたい。  そこで、先がた官房長官にお聞きしました問題に返りたいと思います。  住宅建設の五カ年計画というものの持つ思想性をここにはっきりしておきたいと思うのですが、これは近郊開発を主体にして考えておられるのか、都市開発を主体にして考えておられるのか。皆さんの答えを想像しますと、両方の混合だ、こうおっしゃるのだろうと思うのですけれども、両方の混合なら混合で、都市開発の問題については問題がたくさんあるわけなんです。近郊開発という思想ならば、その近郊開発に対するところ考え方があるわけなんです。それが混線しておるように私は思うのです。それを明確にしていただかなかったら、都市再開発にいたしましても、先がたニュータウンというようなことを官房長官は言うておられましたが、そういう問題も、これまた障害にぶつかってしまうわけなんです。それをひとつ、住宅五カ年計画の持つ思想性を明らかにしてもらいたいと思います。
  38. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 まあ結論から申し上げると、いまお話しのように混合性と申しますか、混合方式と言ったほうがいいと思います。ただ、現実の問題といたしまして、この都市の中で再開発をするといっても、これは住宅五カ年計画を遂行するについて、都市の中でこういうものを解決するということはきわめて困難であります。また、ニュータウンをつくるといっても、これはなかなか土地がなければできないのですから、どうしてもこれだけのものを目標年次までに達成しようといいますと、相当大規模なところで、大規模な、住宅のみならず、できればほかの社会生活のできるようなものまで含めたいわゆる町づくりをする。これに現在のところウエートを置かなければ、とうてい現実の問題として解決しない。同じ混合方式と申しますか、考え方でも、やはりどうしても郊外に重点を置かざるを得ないというのが実情であろうと思います。私どもは、いまこの都市の再開発ということがいろいろ議論されておりますが、いまの都市計画法あるいはその他の防災建築法あるいは市街地改造法、いろいろな手法を今日までやってまいりましたが、そういう何と申しますか、ばらばらな施策ではとても都市の再開発というのは、現状を見まして、法律で期待しておるような成果を実際問題としてあげることはできない。そういうものも含めて大都市の再開発というものについては、もっと総合的な、法制も総合化して検討して、しかも強力な施策の講ぜられる裏づけもつけなければ、ただ二つ、三つ法律を並べてみても、ちょっと問題は解決しないと率直に考えております。そういう面についても、現に検討を始めておりますが、これも簡単なことじゃありませんから、逃げ口上じゃありませんけれども、もうその段階にきておる。そのとき初めて混合性と申しますか、両建てというものがうまくいくであろう。現時点においては、どうしても実際問題として家をできるだけ早く建てなくちゃなりませんから、やはり都市周辺に重点を置かざるを得ない、これが現状であろうと思っております。
  39. 三木喜夫

    三木(喜)委員 私も、いろいろ政府から出しておられるこういう本を読んでみますと、これには計画局の総合計画課長、それから、住宅局の建築指導課長の論文なんか出ておるわけなんですが、結局、私たちが考えてみるときに、住宅政策を出していこうとすれば、庶民が一体都市の中心に住宅を持つのを望んでおるのか、それとも、郊外に住宅を持つことを望んでおるのか、その幸福な居住形態というものをどこに見出すか、ということが私はやはり一つのネックじゃないか。先般ソビエトへ参りまして、都市の中心の目抜きのところに労働者の住宅がそれこそ櫛比しておるわけです。いいところはみんな労働者の住宅になっているわけです。こういうように都市のどまん中に持つことが可能なんです。そういうことを望んでおるのか、あるいは、国の政策として、特に東京都のようなところは工場、住宅、いろいろなものがごっちゃにありますが、地震地帯でありますから、そういうところ住宅を置くことがはたして国の政策上いいか、このことが最高施策として考えられねばならないと思うのです。五カ年計画はただ漫然と両者の折衷でございますというだけでは、私は済まされない要素があろうと思うのです。さしずめ計画局長お話では、これは最初は別の問題から出てきた話なんですけれども、両者の——これは外国の話ですけれども、郊外に住宅を求めるか、あるいは都市の中に住宅を求めるかということについては、幸福な居住形態というものがどちらにあるかわからない、こういうことを、これは外国の様子ですが、そういうふうに疑問を持っておられるのですが、日本としては、さてそのどちらに拠点を置くか。これは五カ年計画を立てられるときには検討されただろうと思うのです。その点ひとつ建設省の局長さんからでけっこうですから……。
  40. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 その点は非常に重要な問題だと思っております。これは程度の問題も入ると思いますが、これは綿密に私どものほうで統計調査したわけじゃございませんから、いまなにであったということを記憶いたしておりませんが、そういう意味においていろいろ住宅についてのアンケートと申しますか、調査等の結果を見ますと、東京あたりのこの状況では、やはり郊外に住みたいという人が私は事実的に多数であろうと思います。この交通状況、あるいは公害と申しますか、あるいは空気、いわゆるスモッグ状態、この状態の中で安住の地という思想は非常に少ないと私は判断をいたしております。何といってもやはり青葉若葉と申しますか、そういう状態を人間は好みますから、そういうところにどうしてもできれば住みたい。問題はただ、通勤あるいはその他の社会生活上の便不便、こういう点が変わってまいりますが、現状においてどちらかというと、郊外に住みたいという人が多いと思うのです。ただ問題は、土地の開発をいたします場合に、そういう交通地獄の状態をどう解決するか、あるいは青葉若葉をどう配置するか、そういう町づくりをするということによってそこにやや住みよい環境をつくる。それを考え合わせませんと、ただどこでもいいからこの中に住宅をつくるというだけでは住宅問題のほんとうの解決にならぬ。土地の開発というものはそこまで考えてやるべきものだ、かように私は考えているわけです。
  41. 三木喜夫

    三木(喜)委員 大体約束の時間がきましたので、以下、質問はまだありますけれども保留をしておきたいと思うのですが、きょう社会党では宅地政策住宅問題についていろいろ検討をしてみたいと思います。建設省大蔵省から来てもらって意見を聞きたいと思っておりますから、その機会に細部の点は聞いてみたいと思います。自民党では、同じくきょう大都市再開発、住宅宅地政策を論議されておるのですが、そこでも十分論議していただいた上で、両方混合した考え方であるなら、いまおっしゃいましたように、住宅と緑との関係をどうするか、こういうことが大きな政策要素になるわけでありますし、それから郊外に求めるならば、土地区分の問題、農業との関係、交通の問題、これらを総合的に考えなければ、五カ年計画というものは一つ砂上楼閣だという考え方が出てきて、権威が失われる要素が次々に出てくると思います。それらを一々解決していくことが大事だと思いますが、こういう細部にわたりましては、後日また御質問申し上げ、こちらも御意見を申し上げ、よりよき五カ年計画を立てたい、こういうふうに思いますので、一応きょうはこれでやめたいと思います。
  42. 服部安司

    服部委員長代理 次会は来たる五月六日金曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会