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瀬戸山国務大臣 この前の分科会で茜ヶ久保さんから沼田ダム、いわゆる岩本ダムのことについて、あれをどう
考えるか、こういう
お話がありましたから、私は、大利根川の治水あるいは利水、将来の地域
開発の問題からこれをやりたい、やるべきであると思う地点である、かように申し上げたいのであります。誤解のないようにしてもらわなければいかぬのは、これはしばしば公的な文書でもお答えいたしておりますように、また
委員会でも申し上げておりますように、これからしからばどういう——見たところはあの地点が大体よろしい、ダムサイトとして適当と、これはだれしも思うところであります。この点については率直に、茜ヶ久保さんもあそこはなるほどダムサイトとしていいところだと
考えておられると思うのです。そういう
状況のところでありますから、利根川の本流にダムを築いて治水効果をあげ、あるいはあの利根川の水を太平洋に放流しているのをもっと各種のエネルギーとして使うということは、本来、
政治家としては当然
考えなければならないことであります。しかも従来あの地点は専門家といえ
どもいま
お話しのように十数年来の
検討事項になっている、こういうことで、やりたい、やるべき地点である、しかも将来の
日本の社会、経済、産業の発展、また地域
開発の面からいうと、それが
政治であろう、こういうことを申し上げたのであります。
そこで、ぜひ誤解のないようにしてもらいたいのは、率直に申し上げますが、いまも
お話がありましたけれ
ども、群馬県あたりでは、無断であそこにダムを築くというて騒いでおられる、あるいは神経をとがらせているということを私は間接に聞いております。また、反対運動というものも、起こっているのかどうか知りませんけれ
ども、そういう体制をつくっておられる方々があるということを承っております。率直に申して、少しあわてておられるのではないか。これはこの前申し上げたように、まだそういう外形を示しておりますが、一体地質を調査し、地形を調査し、また影響する範囲を調査し、その影響のある場合に、かりにやる場合にそれをどう処理するか、こういう点をつぶさに研究するのに数年かかる。これはまた調べてみなければ、どういうふうになるか率直に言ってわからないことでありますから、それもしないうちから、最初から、いや
政府はやると言うた、とんでもない話だとか、あるいはどうなるのだとか、その対策を講じなければならぬ。これは私は率直に言って、おこられるかもしれないけれ
ども、少し軽率ではないかと思っております。私はこの前も申し上げましたように、いよいよ調査を始めたいというときには、事前に県の責任者である知事さんやあるいは地元の代表である市町村長ともよく話し合いをして、こういう点もよく調査して、そうして治水、利水のみならず、関東一円の
開発、群馬県のあの地帯の
開発というものをどうやったら治水、利水をしながら
開発ができるか、地元ではどうお
考えなさいますか、こういうことを相談してからやりたいのだということを申し上げている。それが私は事の
順序だと思うのです。でありますから、この間申し上げたように、今後のああいう
開発計画というものは、ただ水をどっかへ持っていって、引っぱっていって、それを利用すればよろしいというような
考え方でやるべきでないというのは、これは今後の
政治のあり方であろうし、また私は基本的にさような
考えを持っております。この間申し上げたように、ヘリコプターの上から見ますと、失礼でありますけれ
ども、非常に山合いで、あれで一体群馬県というのは永久によろしいのかどうか。あの地点を高速
道路が通るとは申し上げませんけれ
ども、先ほ
ども他の問題で申し上げましたように、将来
日本国じゅう高速
道路網の
時代になる、そういう際にやはりああいうかっこうで、これが天国であるとお
考えなさっておられるかどうか、そういうこともいろいろ御相談をしたい、こういうことでございます。そういう時勢に対応して、一体あそこにダムをつくればどうなる、ダムをつくって農業その他の問題あるいは前橋から高崎の地域を将来どうするか、赤城山系のあの山ろくをどう
開発するか、こういうことは地元の人と相はかって、将来よくする
方向はどうであろうか、こういうことを
検討して初めてそういう
事業をやったほうがいいかやらないほうがいいかということに、これは
資金の点もありますが、
考えていかなければならないのであって、私は、勢ぞろいをして反対運動をするとか、あるいはけんげんがくがく議論をするというのは、率直に申し上げてちょっと早手回しじゃないかと思います。