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1966-03-18 第51回国会 衆議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月十八日(金曜日)    午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 田村  元君    理事 井原 岸高君 理事 丹羽喬四郎君    理事 廣瀬 正雄君 理事 松澤 雄藏君    理事 川村 継義君 理事 下平 正一君       逢澤  寛君   稻村左近四郎君       大倉 三郎君    木部 佳昭君       服部 安司君    堀川 恭平君       湊  徹郎君    森山 欽司君       山本 幸雄君    井谷 正吉君       佐野 憲治君    三木 喜夫君       山中日露史君    稲富 稜人君       山下 榮二君  出席国務大臣         建 設 大 臣 瀬戸山三男君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房陸上交通安         全調査室長)  宮崎 清文君         警察庁長官   新井  裕君         警  視  監         (警察庁交通局         長)      内海  倫君         建設政務次官  谷垣 專一君         建 設 技 官         (道路局長) 尾之内由紀夫君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁交通局         交通企画課長) 片岡  誠君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      降矢 敬義君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      鎌田 要人君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 三月十七日  委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として玉  置一徳君が議長指名委員に選任された。 同日  委員玉置一徳辞任につき、その補欠として稻  富稜人君議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案  (内閣提出第五八号)      ————◇—————
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため出席がおくれますので、その指名により、理事である私が委員長の職務を行ないます。  交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。川村継義
  3. 川村継義

    川村委員 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案が提案されておりますが、それについて二、三の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に、予算計画の問題でございますが、これまでの委員会質疑で明らかになったことをまず確かめておきたいと思います。三ヵ年計画でありまして、事業費にして六百四十七億と説明をいただきました。その内訳は、建設省関係で六百三億、公安委員会警察庁関係で四十四億、こういう事業計画になっておるようであります。それをさらに初年度の四十一年度分について見ると、百九億、建設省関係で百一億、公安委員会について八億、このように説明をいただいたのでありますが、それで間違いございませんか。
  4. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 そのとおりでございます。
  5. 川村継義

    川村委員 そこで、これまた予算の内容について十分私の認識ができておりませんからお尋ねをいたしますが、建設省関係初年度百一億と、こういうことでありますが、これにはガードレールの設置あるいは交通区分帯設置等いろいろ考えられておりますけれども政務次官大臣にかわって最初に御説明いただいた予算説明によりますと、三カ年計画初年度として緊急整備予算を六十八億四千五百万円、こう説明をしておられます。この六十八億四千五百万円は、これは国費だけの分でございますか。その辺のところをひとつ明確にしていただきたいと思います。
  6. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 国の予算の分だけを申し上げた数字でございます。そういたしますと六十八億四千五百万円になります。
  7. 川村継義

    川村委員 わかりました。  建設省関係の六百三億、これは道路整備五ヵ年計画に含めて考えておるという説明を聞いております。そのような事業計画であると説明を承りました。公安委員会の四十四億は昭和四十年度を初年度とする安全施設の例の四ヵ年計画にこれもまた含めてある事業計画である、このように説明していただきましたが、そのように理解してよろしゅうございますか。
  8. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 道路関係事業につきましては五カ年計画に含まれておるものということでございます。
  9. 内海倫

    内海政府委員 御意見のとおりでございます。
  10. 川村継義

    川村委員 ただ公安委員会の昨年度から開始されております四カ年計画には、別ワクとして損保から出てくるお金の二十五億というものが事業費として見込まれておりますね。これは道路の新設の場合であるとかあるいは指定路線外信号機等等設置、そういうものの必要な事業経費として見込まれておりますね。間違いございませんか。
  11. 内海倫

    内海政府委員 そのとおりでございます。
  12. 川村継義

    川村委員 その次に、公安委員会信号機設置の問題について、昨日連合審査でいろいろと地方行政委員諸君から質疑がございました。その質疑の中で、事業予算について、私がお聞きしたところは次のとおりでございましたが、これも間違いないかどうか、お答えをいただきたいと思います。  つまり、四十年度から始まる四カ年計画事業予算は、四十年度には定周期信号機を五百基設置する、それに三億の事業費考えた、自動感応系統式信号機を三セット考えて五千百二十七万円程度事業費考えた、これらの信号機設置について国から出るところの補助額は一億八千万円程度である、こうお答えになりました。それで間違いはないか。  いま一つは、昨年度いわゆる損保起債といわれる二十五億の中から幾ら起債を充当されておるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
  13. 内海倫

    内海政府委員 四十一年度の予算につきましては、きのう説明しましたとおりであり、いま御質問のとおりでございます。  それから損保起債につきましては、昭和四十年度におきましては五億でございます。
  14. 川村継義

    川村委員 いま私がお尋ねいたしましたのは、四十年度の信号機設置についての予算でございました。四十一年度、これは私、実は昨日局長の御答弁を聞き漏らして数字が明確でございませんから、再びお尋ねをするわけでありますが、今度の緊急整備措置予算としては、いま提案されております法律案に基づいて仕事をするものは、定周期信号機が四百基、それに二億四千万円を考えておる、歩行者用信号機を三百八十三基考えておる、それに一億六千万円の事業費考えておる、自動感応系統式信号機を二セット考えておる、これに五千七百万円を用意をする。これがこの三カ年計画に基づく緊急整備措置によるものであると、このようにお聞きしたのでございますが、これは間違いはございませんか。  それといま一つ、昨年度から始められて四カ年計画で進めておられますその事業の第二年度に入るわけですが、第二年度に入る事業計画幾らでございますか。
  15. 内海倫

    内海政府委員 四十一年度予算に関します定周期信号機歩行者用信号機自動感応系統式信号機予算につきましては、御質問のとおりでございます。それから、昭和四十一年度におきます起債事業計画は、大体六億円を予定いたしております。
  16. 川村継義

    川村委員 昨年度の補助額一億八千万、これは正確には一億七千五百万幾らということであったと私は記憶しているわけでありますけれども、大体一億八千万出ておる。そこで、昨日の委員会における問題になりました点は、公安委員会としては四カ年計画信号機設置計画の個数は五千個を考えておったのではないか。しかし、とりあえず五千個ということで四カ年計画が出ておるのだけれども、全国的に見て信号機を必要とする、こういう見込みは大体一万二千基あると公安委員会皆さん方は計算をしておられる。その中の五千個をまず四カ年計画でやっていこう、こういうことである。ところが問題になった第一点は、五千個設置ということがなかなかむずかしいではないかというのが一つであります。そうして、いま一つは、こういうような予算つけ方事業の進め方では、地方負担が非常に大きくかかるのではないか、それを公安委員長自治省は一体どう始末をするのか、そういう地方負担あるいは住民負担をそのままにしてこの仕事を進めることが一体適当と思うかどうか、こういうことが論議されたのであります。  そこで、いま一点お尋ねをいたしますが、この緊急整備三カ年計画における総計画予算は四十四億でありますが、その中に信号機事業予算というものは幾ら考えになっておるのか。その点お聞かせいただきたい。
  17. 片岡誠

    片岡説明員 私どもとしましては、現在の段階で約二十七億円ばかりを試算的に計上いたしております。第一線の現在ヒヤリングをやっておりますので、いずれ具体的な計数を固めて事業計画に織り込みたいと思っております。
  18. 川村継義

    川村委員 いまの御答弁と、昨日お答えいただいた答弁数字と、ちょっと違うようでありますが、私が聞き間違いであるならば教えていただきたい。昨日は、いまの三カ年の事業計画の中に考えておる信号機予算は八億五千万程度であるとお答えになっておるようであります。そのことをいま少しく明らかにできませんか。
  19. 片岡誠

    片岡説明員 定周期信号機につきましては、現在の段階考えておりますのは九億円ばかりでございますが、そのほかに歩行者専用信号機あるいは自動感応化する信号機、そういうものを含めまして約二十七億を予定いたしております。
  20. 川村継義

    川村委員 そうしますと、八億五千万と私がお聞きしたのは、定周期信号設置に対する予算だ、こう理解しなければなりませんね。  そこで、昨日地方行政との連合審査細谷委員華山委員が、いまも申し上げましたように地方負担が過重であるという点を非常に心配をして、公安委員長質疑をしておられました。その細谷委員発言を再度ここで私が記憶をたどって繰り返しますと、この信号機設置にあたって補助をつける信号機がある。補助をつけた信号機については起債はつけない。補助がつかなかったところの信号機設置について損保から出てくるところの起債をつける、こういうように区分をしておる。起債つけ方というのは、従来から補助を出して、その裏打ちとなる地方負担分について負担過重にならないように幾らかの起債を認めるというのがいままでのしきたりであったけれども、何年か前かそういう方針に切り変わった。これは消防庁の消防機械の購入においてもそういう方針に変わっております。そこで、それらは結局地方負担を大きくするばかりでなく、補助額が少ないので、結局は信号機一基設置金額から見て、昨年は一億八千万程度補助が出たというんだけれども、それではずいぶん超過負担という形になって地方負担をしておるではないか、こういうのが第一の問題であります。非常に大きな問題だと私は思う。華山委員発言の要点は、そういうような国が設置をするところの、あるいは公安委員会設置をさせるところの信号機について、起債でやらせるといういわゆる借金政策をとるということは法律無視ではないか。それも困る。借金政策というのは地方がたいへん負担を大きくかぶることになる。こういう問題でありました。  私も、今日の地方財政の窮状を考える場合、信号機というものの使命あるいはその受益範囲と申しますか、そういうことを考えるならば、設置をされるその市町村に大きな負担をかける、あるいは何かの住民転稼の形でそういうものを設置するということはこれはいけない、こういう考え方を持つわけであります。信号機の恩恵を受けるのはその地域住民だけではない。これはもう広い。言うならば全国の諸君がそういう信号機の恩典を受けて交通安全の使命を果たしているわけでありますから、そういう意味から考えても、この地方負担というものがたいへん問題であるのではないか、こう思います。  そこで、おわかりになっておればお答えいただきたいと思いますけれども、この信号機設置については、交通安全協会寄付金等によって設置をされる信号機相当あります。あるいは、公安委員会市町村等の呼びかけによって地元市町村住民町内会、こういう人たち自発的寄付金によって信号機設置されるとかいう事例も少なしといたしません。一体そういう形でできた信号機の数というものはどれくらいあるのか、お調べになったことがございますか。また、その金額が一体どれくらいにのぼっておるのか試算をしてごらんになったことがありましょうか。その辺のことがおわかりでしたらちょっと聞かせていただきたいと思います。
  21. 内海倫

    内海政府委員 最後の御質問の点でございますけれども、全国的に見まして、御指摘のように国及び県の負担によります形の信号機設置のほかに、市町村あるいは安全協会、さらには場合によりますと町内会、PTA、こういうふうな寄付を合わせまして、信号機設置しておる府県があったことは事実でございます。ただ遺憾なことは、私どもそれが総数どのくらいになっておるか、あるいはそのようにして行なわれた寄付金がどのくらいであるかということの調査の結果を持っておりませんけれども、各県の実情を調べております現状におきまして、特に財政の必ずしも豊かでない小県におきましては、そういうふうな事例があるようでございます。なぜそういうことになるかということでございますけれども、結局各府県におきまして要望が非常に大きい。とりわけ市町村等におきましては、そこの地域住民からの要望が非常に大きい。それに対する国費補助あるいは県負担というものがそれを満たすだけに十分でない。そこで熾烈なそういうふうな要望にこたえる結果、県といたしましてはそういう番付を採納いたしまして、県費に組み入れた上で国の補助並びに県の半額負担、それらを統合しまして、計画的な信号機設置といったふうなこと並びにそういう寄付の行なわれたところに対する信号機設置というふうなことを行なっておるわけであります。ただ最近私どもとしましては、こういうふうな地方債による信号機設置、さらに三年計画による緊急整備というふうな措置が出現いたしましたので、各府県に対しましてはそういうことの今後行なわれないようにということを強く要望し、かつ指導をいたしておるところであり、また東京あるいは愛知県、大阪府のように、在来大府県で財政上も相当の余裕を持っておるところにおきましては、かなり早くからそういうふうな措置をとっております。しかしながらいま申しましたように、中小県におきましては相当数そういうことが行なわれておるわけでございますが、遺憾ながらこれの数字並びに金額を手元に持っておりませんし、具体的な調査を実施いたしておりませんので、これをお答えすることができないのはまことに申しわけございません。
  22. 川村継義

    川村委員 いま局長お話しになりましたように、今後は国が相当責任を持って補助しあるいは起債めんどうを見る、県がそれを負担して設置をするという方向に進みつつある、たいへんいいことであります。しかし、いまでもやはり先ほど私が申し上げましたような形において設置をされるものがある。その民間協力というものを実はたいへん私はありがたく思っておるのです。   〔松澤委員長代理退席廣瀬委員長代理着席〕 それだけ民間の交通安全に対する意欲、熱望というものがあらわれてくることについてとやかく言いたいとは思いません。しかし、民間協力をいいことにして財政的な責任を転嫁するということはいけない、こう考えておるものでございます。たとえば信号機一基をつくるのに、場所によってその価格は違いましょうけれども、七十万かかるといたしますならば、県からは十万だけ補助があるそうだ。県から出るところの負担金地元諸君はそう呼んでおる。十万出るそうだからあとどうしても五、六十万お互いに集めなければならぬ、こう言って集めて出しておるということであります。そこで県公安委員会設置する信号機について、地元市町村が大きな負担をこうむるというばかりでなく、財政的に見るならば、住民にその負担を転嫁することになる。これはやはり地方財政法のたてまえから見ても問題が残っているわけであります。したがって、こういうことは、財政の秩序を正すという意味からは、国、県において十分責任考えて、今後対処していくべきものだと考えます。  そこで、自治省おいででございますか。——きのう連合審査会柴田局長発言をいたしました。その中に——御承知のとおり、地方団体はものすごい超過負担というものをしょい込んでいる。これが地方団体財政を困らせておる大きな要因にもなっておる。きのう、柴田さんのお話を聞きますと、超過負担解消には全力をあげておるところであって、大体負担金基本額引き上げるということによって漸次解消の道を進んできておるのであるけれども補助金あるいは奨励金的なものについての超過負担はまだ十分でない、こういうお話がありました。そこで、本年度超過負担について、一体大蔵省はどういう手を打ってくれたか、自治省はどういう努力をしておられるか、これをちょっとあわせてこの際聞いておきたいと思うのです。と申し上げますのは、四十一年度の地方財政対策考えたときに、当初財源不足として三千三百億にのぼるのではないか、こう言われておった。ところがその後だんだん大蔵省自治省との間に話が詰まっていきまして、最終的に手を打たれたのは二千七百八十億であったと私記憶しております。二千七百八十億の財源不足について、一千億の一般財源を見る、一千二百億の特別事業債を充てる、残りの五百億は固定資産税の増税あるいはその他、自分の努力によって解消をやれ、二百五十億程度のものを超過負担解消によってやるのだ、そうして合計二千七百八十億の財源不足めんどうを見るのだ、こういうように話がきまったと記憶しておるが、それらの数字について誤りはないか。二百五十億程度のものが本年度超過負担解消分として努力をされた金額に当てはまるのかどうなのか。その辺のところをちょっとこの際あわせて御説明をいただきたい。
  23. 降矢敬義

    降矢説明員 ただいまの御質問、私の担当で全然ございませんので、いま政府委員室に至急連絡させまして明確にお答えさせていただきたいと思います。
  24. 川村継義

    川村委員 あとでまたお伺いすることにいたしますけれども公安委員会のほうもお聞きいただきたいと思いますが、いま私が申し上げました二百五十億の超過負担、これについて努力するという意味負担額基本額引き上げるという措置等がとられておることは認めます。ただ、道路をつくる場合でも、各種公共事業を進めていく場合に、今日人件費人夫賃等値上がり考えなければならぬ。建設資材等値上がりも予想せねばならない。そのほか各種物価上昇というものは避けられない。こうなってまいりますと、そこに何%かの基本額引き上げで二百五十億の超過負担解消されようとは思いません。私はむずかしいのではないかと考えておる。そういうような状況でございますから、先ほど申し上げますように、非常に大事な交通安全の中軸をなすのじゃないかと思う信号機設置等について、ただ地方住民協力要望に甘えてその財政の手当てを怠るということがあってはならぬと私は思います。  そこで、そういうような現在の状態に対して、公安委員長としてどう対処なさろうというお考えがあるのか、これをひとつお聞かせいただきたい。昨日の連合審査における各委員質問の総括として私はその点を責任ある大臣公安委員長あるいは自治大臣の決意を聞いておきたいと思うのであります。公安委員長おられませんから、長官のほうでお答えをいただく。自治大臣おられませんから、局長かあるいはだれかで責任あるお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  25. 新井裕

    新井(裕)政府委員 大臣にかわりましてお答え申し上げますが、川村委員指摘のように、地方超過負担をかけるということはわれわれとしても好ましくないことでございますので、今年度の予算につきましてもできるだけ努力をいたしたつもりでございます。また、御指摘のように交通安全の仕事そのもの住民協力をし、熱意を示していただくということはありがたいことでございますけれども、元来公費で負担すべきものまでも地元人たち負担にまかせるということは決して好ましいことではございません。御指摘のありました交通信号機につきましては、今後そのようなことのないように、できるだけわれわれとしても予算の獲得、あるいは負担区分の是正につきまして努力をいたしてまいりたいと思います。今年度は、残念ながら補助金につきましても三億円程度の増加にとどまったわけでございますけれども、今後われわれとしても、この法律をおきめ願えれば、その線に沿ってさらに一そう地元超過負担解消するように努力をいたしてまいりたいと存じております。
  26. 鎌田要人

    鎌田説明員 途中で入りましたので、あるいはお尋ねの趣旨にそれるお答えになるかもしれないと思いますけれども、私がただいま同僚から伺いましたところでは、一つは、四十一年度の財政収支見通しにおいて、最初自治省は三千三百六十億足らずと言っておったではないか、それが最終的にはどういう詰まりになってきたのかということと、それから国庫補助負担金にかかりますところの超過負担解消状況、この二点と理解をしてお答えを申し上げる次第でございます。  まず第一の四十一年度の財源不足額地方財政計画を立てます際の財源不足額は三千三百六十億——ども見込みましたのは旧臘でございます。去年の暮れの時点でございます。したがいまして、四十一年度におきまする国税三税の見通し地方税見通し、あるいは国債発行の規模、方法、あるいはそれを引き当て財源といたしまするところの公共事業の拡大の見通し、こういう要素が不確定でございまして、そういう不確定段階で一応私ども当時の得られまする資料で、たとえば地方税収入は七百億であろう、あるいは交付税自然増収は二百五十億であろう、ところが国税減税に伴う減が六百億ほどであろう、たとえて申しますと、こういったような前提を幾つも立てまして、それでいまの三千三百六十億という数字に相なったわけでございますが、その後、国税収入見通し、あるいは地方税収入見通し、あるいは国庫補助負担を伴う事業確定、こういった面がございまして、最終的には三千三百六十億は二千四百六十九億という収支不足に落ちついたわけでございます。その一番大きな原因を申し上げますと、地方税におきまして三百五十億ほどの増収が出てまいっております。それから国税減税によりまする減収見込み交付税減収見込みにおきまして約百億ほどの差が出てきております。あるいは他面、最終におきまして国庫補助負担を伴うものの地方負担というものが二百億ほどの減を示しております。そういったようなもろもろの要素の積み上げによりまして、二千四百六十九億という財源不足額に最終的には詰まってまいりまして、それに対しまして御案内のような交付税率引き上げ、あるいは臨時特例交付金、あるいは特別事業債、そのほか地方団体自体におきまする節減、こういったものを見込みまして地方財政計画を立てた次第でございます。  それから第二点の超過負担解消の問題でございますが、これは私ども地方団体のみならず、自治省の年来の悲願でございます。昭和三十九年度のベースで、私ども国庫補助負担事業にかかる超過負担額をはじきました。概算は千百四十三億という数字でございます。これをほうっておきますとおそらく非常に大きな額になる、こういったところから、四十一年度の当初予算の編成におきましては、関係各省大蔵省が非常な熱意を示していただきまして、結果的には三百三十億、この中にベースアップ部分が入っておりますので、実質は二百五十億程度でございますけれども解消ができた。これは千百四十三億に対しまして三百三十億である——二百五十億でございますから、まだまだ前途はほど遠いではないか、こういうおしかりをいただくと思うわけでございますが、反面から申しますと、国庫財政の非常に芳しい中におきましてこれだけの解消措置が行なわれたということは、やはりこれは単年度だけで終わらない、来年度以降にも続くであろうということを期待いたしまして、大きな前進じゃないかというふうに考えておる次第でございます。  なお三百三十億、人件費のベースアップぐるみの三百三十億の大ざっぱな内訳を申し上げますと、人件費系統でそのうち百十四億解消されております。この中身は統計職員、保健所職員、農業改良普及員、職業訓練所職員、こういったものを中心にいたしまする給与単価の是正が全体で百十四億でございます。それから施設費等の単価基準の改定によりますものが二百十六億、このおもなものは公立文教施設関係と公営住宅そのほか、合計いたしまして三百三十億、こういう数字に相なっておる次第でございます。
  27. 川村継義

    川村委員 詳しい説明を聞きましたが、私がお聞きしたいのは、昨日連合審査で問題になりました一つの問題として、いま私は信号機の問題を中心にお尋ねをしてきたわけでありますけれども公安委員会信号機設置について昨年から四カ年計画ということで進めておられます。その中で二十五億という起債損保の金から出てくるわけでありますが、その起債等によって信号機設置をするということは、いろいろな面において、財政の秩序の考え方からしても地方負担という面からいたしましても、それが往々にして住民に大きく転嫁をされておる。そういう意味からしても問題がある。しかも、いまあなたからお話のありましたように、地方団体には相当大きな超過負担というものがあるじゃないか。かてて加えて、超過負担解消等々と言っておるけれども、それはあまり期待はできないとわれわれ見ておる。その中にこういう大事な信号機等を設置するについて、ただ借金政策でやらせるということはよくないと思う。  そこで私は、起債によって信号機設置する、その起債についてやはり自治省としても努力をしてもらわなければならぬ——公安委員会としても努力をしてもらわなければなりませんが、たとえば、それらをそのまま借金政策でやるのじゃなしに、利子を見てやるとか、もっと望ましい形でやるならば元利補給をしてやるとか、そういう手だてがあっていいのではないか、やるべきであろう、こう考えておる。その辺の考え方はどうでしょうか。それをひとつお聞かせいただきたい。実は大臣から開きたいところですけれども、あなたのほうからひとつその辺お聞かせいただきたい。
  28. 鎌田要人

    鎌田説明員 交通信号機補助くらいに起債をつけることのよしあしという、どちらかと申しますと理論的といいますかそういう問題と、それからそれに伴う元利償還の負担というものをどういうふうに勘案してやっているかという二つの問題であろうと思うわけでございます。  交通信号機をつくります場合の裏負担は、一般財源をもって充てるかあるいは起債をもって充てるか、これは率直に申しまして財政上の手段選択の問題であろうという感じがするわけでございまして、一般財源をもって充ててしかるべきであって起債を充ててはいけない、こういうことは理屈としては成り立たないと思うわけでございます。特に交通信号機の場合でございますれば、やはりある程度耐用年数があるわけでございますから、負担を年度間の分配をはかる、こういうことから見ましても、起債財源に充てるということはおかしいことでもないだろう。こういうように考える次第でございます。  次に、そこで起債財源措置として行なった場合に、それに対する利子補給なりあるいは何らかの財源措置をしてやるべきではないかという点につきましては、これは率直に申しまして私は議論のあるところだと思いますが、むずかしいのじゃないかという感じがいたします。たとえば、例を飛躍して恐縮でございますが、現在学校をつくっております場合に、小学校、中学校について補助金がついております。その裏負担起債をつけておく。これについても、それでは利子補給を見ろ、あるいはそのほかの財源手当てをしろ、こういうことに相なるわけでございまして、やはり地方団体一つの性格といたしまして、どうしても施設というものに行政施策の重点がいく。そういう場合に、起債財源を求めていくということはある程度やむを得ないということであるとするならば、やはり公債費というものを交付税の計算でどういうふうに見ていくかというやはり全般的な、その個別の交通信号機なら交通信号機にかかる起債財源措置ということではなくて、全体的な地方団体の公債費に対する手当ての問題、こういうことで考えるべきではなかろうかと思うわけであります。
  29. 川村継義

    川村委員 どうもちょっと実際の理解を間違っておるのじゃないかと思うのです。信号を立てる。これに三分の一とか二分の一とか、認定された坪数に対して補助が出る。その補助残について起債である程度充当をしてやる。これは大体そう行なわれる。ところが信号機と消防施設、ポンプカーというような場合には——いわゆる信号機をひとつつくる、この信号機をつくるのに国の補助がある。県がこれを負担してつくる。その場合にはこれはおそらく予算は二分の一だ。これは法的にそうなっているから二分の一は出る。ところが実際は二分の一はつかぬのですよ。七十万かかったときに三十五万は出ないのです。県が負担をする場合にはそれは十万か十五万しか出ない。そういう場合が多い。あとはみな下のほうが負担をしておる。これに問題がありますね。補助がついた信号機にはその地方負担をするについての財源措置起債はないのだ。補助がつかないような信号機をつくらなければならぬ、非常に必要があれば。そういう場合に起債がついている。こういう区分けをしておるのですね。だからきのうもそれが問題になった。だからこういうような起債つけ方でやっていく——それはたくさんつくることは悪いとは言いませんけれども、国庫の補助が足らないのだからこういう形をとっている。学校をつくる場合の裏打ち財源起債とは違うのだ。この起債について、まるまる借金政策でつくらせるということはよくないのではないか。これは考えてもいいのではないか、こう言っているのですよ。
  30. 鎌田要人

    鎌田説明員 たいへん失礼いたしました。私、この補助裏ということで申し上げたわけでございますが、単独事業の場合でも事は同じであろうと思うわけでございます。ある事業を行ないますのに国庫補助がつくものもあれば、国庫補助がつかないために単独でやる、両方あるわけでございます。単独事業でやる場合にそれを一般財源をもって充てられるところと、そういう財源の余裕がないところにつきまして起債をつけるということとは、これはやはり私は両方あってやむを得ないのじゃないだろうか。もちろん先生のおっしゃいますように、基本的には地方財源を充実してやることで、できるだけ借金でつくるよりもそれは現在の金でつくるもののほうがものによりましては金利負担その他を考えてもいいものがあるわけでございますから、適当だと思うわけでありますけれども、現在の段階ではそういうものがあってもいたし方がないのじゃないだろうか。それは単独事業に対する起債一般の考え方を通ずるのではないだろうか、こういうふうに理解する次第でございます。
  31. 川村継義

    川村委員 信号機をつくるときには警察法で半分負担するということになっておる。どうですか。
  32. 鎌田要人

    鎌田説明員 私どもも県によって予算をつけたことはございますが、非常に地元住民要望が強くて、県単事業として信号機をつけるという例は多々ございます。
  33. 川村継義

    川村委員 この問題は、いまあなたが言ったような弁解で考えて始末ができる問題ではないと思うのです。そういう御答弁であればまた考えねばならぬと思います。  そこで建設大臣、いまこういう非常に大事な交通安全施設の推進について、こういう財源的な問題が一番われわれは気になっているわけです。お聞きのとおりでありまして、公安委員長に対する私の質問には長官のほうから、できるだけひとつ国家の補助等の増額を努力をして地方諸君に迷惑がかからないようにいたしたい、こういう御答弁もありました。私は、それは一挙に全部がいくとは思いませんけれども、やはりそういうような努力をしていただくことが大事だと思います。いま自治省のほうからお話がありましたのは、これは一つの弁解にしかすぎない。大臣も御承知のとおりに、今度たくさん国が公共事業をやります。ところが公共事業を進めていく場合には地方財源というものがやはり必要になってくる。ところが政府は今度一千二百億の特別事業債をつけた。この事業債を出してやるからいいではないかという考え方か知りませんけれども、今度の交付税の算定にあたっては御存じのとおり道路関係あるいは河川関係で、全部覚えておりませんけれども交付税の単位費用を落としておる。こういうような形で交付税の単位を落として地方一般財源の力を弱める仕組みをとっておる。そしてこれを起債で裏打ちさせようとしている。これは起債は返されねばならぬ。そうしますと建設大臣が特に中心でありましょうけれども、この公共事業がうまくいくかどうか、こういう問題も実は心配しておるわけです。いま自治省のほうからお話があったような考え方でいきますならば、これは地方財政の確立なんということは考えられません。  そこで、これは特に大臣にお願いをしお考えも聞きたいと思いますけれども信号機設置、これは非常に大事であります。たくさんつくっていただかなければならぬ。しかしいまのような形でやっていきますと、先ほど触れましたように、相当負担地方にかかるであろう。しかもそれはその設置される関係の市町村住民相当野付行為等によって進めなければならぬ状態なんだ。これでは十分な仕事ができない。その仕事を阻害することもやはり起こり得るのではないか、こういうことなども考えられる。そこで、これまで進めてきたような民間協力体制を非常にわれわれありがたいと思うけれども、それに籍目して、それに甘えて、国が財政的な裏打ちというものをないがしろにすることがあってはならぬ、こう私たちは考えているわけです。その辺の問題について、特に建設大臣は臨時交通関係閣僚懇談会の重要なメンバーでもございますから、そういう意味であわせて自治大臣、国家公安委員長におなりになったつもりでひとつお答えをいただきたいと思います。
  34. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 第一点の四十一年度に関する地方財政計画、これは先ほど自治省から御説明がありましたが、実は非常に苦慮いたした点でありまして、国家財政もそうでありますけれどもおしなべて地方財政地方自治団体の税収等が非常な落ち込みもしておる、あるいは超過負担の問題もある。こういうことを基本的にまず考えるということが、四十一年度の予算編成、国家予算の編成、なおまた地方財政計画の樹立、この前提になるべきものである。こういうたてまえで、自治大臣からも御説明があったと思いますし、なお大蔵大臣もしばしば本会議あるいは予算委員会等でその趣旨を御説明いたしておるわけであります。もちろん四十一年度のそういう財政措置が十全であるとは私ども考えておりません。超過負担の問題も、少なくとも大蔵大臣の意向では二年くらいで解消いたしたい、こういうことで国会においても地方自治団体との協議会においてもその努力を誓っておるわけでありまして、四十一年度に全部解消というわけには残念ながらまいりません。努力をいたしておる数字等については先ほど御説明があったとおりであります。  それともう一つ特別事業債公共事業等についてこういう異例の措置を講じました。これは御承知のとおりに地方交付税率のアップをいたしましたけれども、国家の所得税その他の税収がそれによってもなかなか地方交付税によって公共事業等の増大に見合うだけのものがない。したがって、特別に起債でまかなう。特別に起債でまかないます量について、国家の税収が多ければ交付税率を上げればそれでカバーができるわけでありますけれども、それだけの余裕がない。したがって、四十一年度は特例としてこういう異例な措置を講じて事業の円滑な推進をはかろう、これがねらいであります。したがって、こういうことが長期に行なわれるということは、私ども考えておりません。ただ、しばしば議論になっておりますように、いわゆる経済の立て直しができて、国も地方もあわせて税収等の増額が見込まれる、そうなることを期待しておるわけであります。その間において、地方財政と国家財政とのかね合いを見てそういう特例措置が適当であるかどうか、そういうことが行なわれても差しつかえないという事態になることが一番望ましいわけでありますけれども、しばしば大蔵大臣も申し上げておりますように、そう簡単に四十一年度だけでそういう事態が解消されるとは思いません。でありますから、これはほんとうの意味で特別措置という考え方でやっておるわけでありますから、恒久的にそういう制度を続けるという考えは現在のところないということをぜひ御理解願いたいと思います。  それから、先ほど来いろいろ御議論があります、御意見等ありますのは、私も川村さんと同じような心境でおります。従来、交通事故が非常に顕著になってきて、地方住民の方々は、学童等が毎日危険にさらされておる、背に腹はかえられないから寄付をしてでも信号機等をやりたい。またそういう努力をするということ自体は、川村さんもおっしゃったように、私は好ましい現象である。かといって、そういうことに期待をかけて国が努力しないということは、これは政治としては適当でない。そういう意味で今度の緊急措置法を制定してもらいまして、それに財政的裏づけをして、計画的にできるだけ急速にそういうことを進めて、そして地方の国民の皆さんの交通に対する安全度を早く進めたい。そういう御心配をなさるから審付金まで出すという事態があるわけでありますから、そういう事態をできるだけ早く解消したい、これが今度お願いしておる法律案でありますし、四十一年度の予算額、これは私どもが六百二、三十億の予定をいたしておりますこの計画は、やや小さいですけれども、まあ初年度でありますからこういう事態になっておりますが、これは法律を制定し、その計画を閣議で決定して強力に進めたいという姿勢でありますから、この計画を、従来の計画のようにただ希望としてでなくて、着実に実行したい、これが私ども考え方でありますから、ぜひ御理解を願いたいと思います。
  35. 川村継義

    川村委員 先ほど警察庁からいただきました交通関係の資料を見せていただきましたが、四十年度の事故件数五十六万七千二百八十六件、死者が一万二千四百八十四件、負傷者が四十二万五千六百六十六件、年々減るどころかやはり増加の傾向をたどっておりまして、まことに残念なことであります。   〔廣瀬委員長代理退席、委員長着席〕 民間もあるいは政府当局も関係者の皆さん方みんな努力していただいているのだけれども、このような数字になってあらわれている。これは三十九年のことであります。「昨年中の交通事故による死者の数は、戦後最高を示しました。交通事故は、いまや個人の不幸を越えて大きな社会問題となっております。寸時も放置できません。私は、交通安全教育の徹底、道路環境の急速な整備等具体的施策の推進に格段の努力をいたすとともに、広く国民諸君協力を求めるため、交通安全国民会議を開催して本問題の解決に真正面から取り組む決意であります。」これは御承知のとおり、総理が四十八国会で述べた施政方針一つであります。これは一体今日どういう形であらわれてきておるか。なるほど今度の建設省からお出しなさいましたこの法案もその一つだと思います。しかし先ほど申し上げますような、財政的手当てというものが陥没しておっては、これまたうまく進まないということを私は考えるものであります。  そこで次に、少し時間をいただき過ぎて恐縮ですけれども、大急ぎでお尋ねをいたしますが、死亡事故の分析という資料をいただきました。こういうような分析のしかたあるいはこのような事故件数の分析のしかた、これは交通事故について事故を起こしやすい状況あるいは事故の被害を受けやすい状況を示しておるものだと思いまして、事故防止対策上有力な資料であると考えております。  そこで、この法案に関係する問題について一、二お尋ねいたしますけれども、この交通事故の原因別というところにいろいろの調査が出ております。ただ、ここで私がよくのみ込めないのは、道路の施設、道路の環境等によるところの交通事故の原因というものを一体どういうように見ておられるのか。それがおわかりでしたら、ちょっと概要の説明をいただきたいと思います。
  36. 内海倫

    内海政府委員 御説明申し上げます。  この原因別の中に、たとえば道路の不備あるいは照明器具がなかったあるいはカーブの場所であった、こういうふうないわば道路条件あるいは道路環境というふうなものを交通事故の原因として本来あげるのが最も厳密で正確な交通事故の分析になると思うのでありますけれども、実はこれは非常にきびしい言い方になるかもしれませんが、現在の日本の交通の行なわれておる道路の諸条件から申しますと、多くの場合何らかの形でそういうふうなことがあるいは遠因になっておるという場合が少なくないのであります。それらを全部一つ一つの事故の原因としてあげてまいりますと、その事故自体の分析の上で非常にむずかしくなってまいりますので、私どもはやはりその事故が起こった最も直接的な原因というものを、一応原因としてあげてかような類別をいたしておるわけであります。ただ、一つ一つの事故を詳細に分析しておりますその分析の過程の中には、たとえばここに原因として書いております追い越しの違反にしましても、あるいは通行区分の違反にしましても、あるいは歩行者の保護の違反というようなこと、わき見運転あるいは車間距離不保持、後退不適当、いろいろな原因のもう一つ奥のほうには、あるいはもし照明具があったなら、あるいはもしここのところのカーブの角度がもう少しゆるやかであったなら、あるいはここの道路がもし舗装されておったなら、あるいはこの道路に歩道が設置されてあったならばというふうなことが、しばしば事故分析の中に出てくるのでありますけれども、それらを一々ここに掲記いたしておりません。したがいましてまたそれらを統計化して数字の上であらわすということはいたしておりませんが、私ども一つ一つの事故分析の中からそういうふうなものをいろいろ分析いたしまして、今回のこの緊急措置法案が提案されるにつきましてもそういうものも多く材料として使っていただいておるわけでありまするが、ただ、そういうものを原因とした事故が何件どうなっておるというふうな説明をと言われますと、はなはだ遺憾でありますけれども、お示しするような資料には至っておらないのであります。
  37. 川村継義

    川村委員 道路局長お尋ねいたしますが、道路局長のほうで、統計的なことはどうかと思いますけれども、いま私がお尋ねいたしましたように道路交通事故の原因として道路の施設、道路の環境ということから見ていけば、どういう状態のときにはどういう原因が一番交通事故の多発ということにあげられるか、お考えがございましたら聞かしていただきたい。
  38. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 この問題は、いま交通局長からのお話もございましたが、一般論として申し上げることはたいへんむずかしい問題であろうかと思います。そこで私ども、警察庁のほうと協力いたしまして、先般来全国で十路線を選びまして、その十路線の中に二十の区間をつくりまして、全延長いたしますと五百五十キロになりますが、非常に交通事故の多かった区間をとりましてそれをモデル路線といたしまして、それに対するいろいろ安全策を研究いたしておるわけであります。それらの内容は、それぞれ個々の路線ごと、区間ごとに特徴がございまして、一般的にこうであるということを申し上げることが、まだ整理されておりませんが、多くございますのは、先ほどお話ございましたが、カーブのあるところでその付近の前後が暗くて車道外に飛び出すところ、あるいは、やはりカーブ地点でございまして道路の肩勾配と申しますか、そういうものが不備であったため転倒するというような場合、あるいは車線区分がはっきり出ておらぬために中央線を踏み越えまして衝突するというような場合、あるいは横断者が通常あるところにおいて前後の見通しが悪い、あるいは暗いというようなために起こる場合、いろいろやはりケース・バイ・ケースと申しますか、それぞれ事故の態様も違っておるようでございます。そういうようなことでまだ全国的なそういうものが整理されておりませんが、そういうようにむしろケース・バイ・ケースでこれは対策を立てるべきであろうということで、これらのところでは類型化をはかりたいと思っております。統計的な資料を申し上げるものをいま持ち合わせておりません。
  39. 川村継義

    川村委員 昭和三十八年警察庁からいただいた一つの資料がございます。これは、道路の幅員別、路面軌道別、歩車道の有無別、事故類型別、死亡重傷事故発生件数、こういう資料であります。非常に詳しく書いてある。  そこで、これを一々お尋ねしておるわけにもいきませんから、人が関係した事故、つまり人が死んだり重傷を受けたりしたところの事故を統計的に、総計的に見てまいりますと、路面軌道がなくても歩車道の別がないというのが非常に大きいのであります。九千三百八十二件、総計二万六千百三十三の中で九千三百八十二件、これは人が関係した事故でありますが、これは歩車道別なし、こういうのであります。歩車道の別があっても二千四百七十七というのが出ております。そのほか路面軌道がある場合の事故もあります。この統計から見ると、人が死んだり重傷を受けた場合には歩車道の別がないというのが非常に大きくあがっておる。私はこの統計を見てなるほどと、こう考えた。  そこで道路局長お尋ねいたしますけれども、今日非常に急テンポで皆さん方努力で国道を中心として道路整備が、道路の拡張舗装が行なわれておる。ところが国道何号線、いなかのほうを走っております三号線、四号線、こういうような道路には歩車道の別がない、そういう国道が相当あるようであります。つまりようやく二車線である、こういうのがあるようでありますが、この辺についてどういうように、事故とその道路の幅員あるいは歩車道別の有無ということを道路建設にあたって考えておられるのか、御意見を聞かせておいていただきたいと思います。
  40. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 道路を建設、改良、改築いたしまする場合に、私どもが通常考えております方法といたしましては、市街地、あるいは市街化されると思われる地域、おおむね都市計画で決定されておるような地域、そういうところには、建設する場合に歩道をつける、こういうたてまえで用地の確保をいたします。ただ、当座まだ、両側にそういう市街地が形成されておらない場合には、歩道の設置をあとに回しまして、とりあえず車道のみを設置していくという方針をとっております。まあそういうようなことで、主として市街化されるというようなところには歩道をつけるというたてまえをとっておることが一つでございます。それからすでに改築を終わりまして、またすでにそういうように両側に家が建っておるところで、実際には当時予想しませんので歩道が設けられなかったところがございます。そういうようなところにつきましては、今後建設大臣道路管理者といたしまして、車道と歩道を区分して設けていく必要がある、かように考えまして、あらためて用地の追加買収ができるところはよろしゅうございますが、そういうことのできない場合には、若干車道を犠牲にすることもあり得ますが、何とかして最小限、人が安全に歩けるような構造にする必要があるということで、そういう指導をいたしております。今回のこの法案も実はそういうことをかなり積極的にやろうということで、歩道設置を大きな一つ事業の内容と考えております。
  41. 川村継義

    川村委員 いま申し上げました三十八年にいただいた資料でありますけれども、その資料によって歩車道の有無ということが、非常に大きな事故の、特に人が関係した事故の大きなウエートを占めておりますから、いまお話しのように道路の建設等にあたってはそういう意味でひとつ、統計が示しておることはおそらく間違いないと思いますから、進めていただきたいと思います。  それからいま一つの、同じ三十八年にいただいた資料で、道路の形状別等によって考えますと、先ほどお話しのように曲がりかどの問題等もございますけれども、やはり一番大きな事故件数が出ておるのは、人の関係したものも車同士の関係したところの事故も、信号のない交差点というところが実に大きなウエートを占めておる。だから私は先ほどから実は信号機の問題についてお尋ねをしたようなことでもございました。ここで統計もおそらくそのことを示しておると思いますから、この信号機についてはひとつ格段の御配慮を願っておかねばなりません。  そこで、実はいろいろお尋ねをしたいのでありますけれども、最後に総まとめのことをひとつ要望しておきたいと思いますが、昭和三十九年に御承知の交通基本問題調査会の答申が出ております。私をして言わしめるならば、この答申の内容を実現する、具体化するということによって、相当画期的に交通安全の対策が進むことだろうと存じます。ところが、これをずっと見てみると、現在進めておられる仕事というものはまだどうもはるかに遠いように思う。そこで建設大臣は、先ほど申し上げましたように、臨時交通関係閣僚懇談会の重要なメンバーでもございますし、これらの実現に向かって努力をお願いする。総理府には、政府は交通対策本部というものをつくっておられます。これは昭和三十五年にできたものでありますが、昭和三十五年というともう相当の時日がたっておる。昭和四十年には交通事故防止の徹底をはかるための緊急対策というものを政府は発表された。その中に、交通安全国民会議というようなものも設置をして、政府、民間すべてのものが総力をあげて交通の安全を進めたい、こういう意欲を燃やしておられるわけであります。そこできょうは、総務長官来ておられないのじゃないかと思いますから、あなたにお尋ねをいたしますけれども、交通安全国民会議というのは何回これまで開かれましたか。
  42. 宮崎清文

    ○宮崎政府委員 昨年春秋二回開催いたしております。
  43. 川村継義

    川村委員 春秋二回、年に二回開会するというのが大体当時の申し合わせ、そういう方針だったと思います。二回で一体適当かどうか、これはちょっと私疑問がありますけれども、一回開いたままほうっておかれたのじゃないかという懸念が実はありましたからお尋ねしたわけです。二回開いたということになると申し合わせどおりには開かれたわけでありますが、こういうようなものをやはり効率的に運用をしてその成果をあげるように考えていただかなければなりません。交通事故防止というのは、これは私が申し上げるまでもなく、各種各様の施策がそこに総合的に運用されなければ決してうまくいくものではない。たとえば道路の整備拡充だといってりっぱな舗装道路ができても、これは事故が減るわけじゃない。私の地方なんか、かえって事故が起こっておる。死者が次から次に出る。これはスピードの違反とかいうような問題がからんでくる。これは運転者等に問題があるわけですけれども、決して道路がよくなったから、悪い道がりっぱになったから、幅が広くなったからといって交通事故がなくなるわけではない、こう私は見ておるわけです。そういう意味ではいろいろの安全施設が大事になってくるということであるし、運転者の教育というものが中心になっていかなければならぬということは申し上げるまでもありません。いろいろそういうようなたくさんの問題点を交通基本問題調査会が指摘をしておりますから、それらについて交通安全対策本部は全力をあげて推進の頭脳として活躍いただくように、この際特にお願いをしておきたいと思います。  そこで、この際ひとつあわせて自治省当局、行政担当の方にお尋ねをいたしますけれども、実は建設省や公安委員会の力だけで交通安全政策がうまく進むとは思われません。各種各様の問題があるし、また担当しておる各省が違っておる。  そこで、私がごく気になる問題は、臨時行政調査会が陸運行政について、つまり陸運事務所等の事務移管というようなことを実は答申しておる。昨年地方制度調査会も行政事務の再配分の答申をいたしまして、その行政事務の配分の具体例として、陸運事務所等が持っておるところの事務、車検、登録、そういうものは地方団体に委譲する、こういう答申をされた。これらの問題について自治省は一体どういう対策をもって行政上の推進をしておられるのか。そのままになっておるのか。これが一つ。  いま一つは、今日全国各地の自動車関係の業者の皆さん方から、それは困る、もとのようにちゃんとやっておいてもらいたいというような、反対的な陳情等が強力に進められておる。これについてどういう見解をもって対処しようとされるのか、まず自治省からお聞きをする。そして総理府の宮崎さんから、交通対策本部としてこれらの問題についてどうお考えになっておるか、お聞かせいただきたい。と申しますのは、いまの陸運事務所の登録あるいは車検等の問題についていろいろと問題が実は指摘できるものがございます。私もあのままでは決して十全であるとは思いません。そういう意味でこの行政事務を交通安全、交通の立場から地方に委譲すべきである、そのままにすべきである、その見解をこの際お聞かせいただきたい。
  44. 降矢敬義

    降矢説明員 ただいま御指摘になりましたように、陸運事務所の事務の委譲の問題につきましては、臨時行政調査会並びに地方制度調査会におきまして同趣旨の車検、登録を中心とした委譲の答申が出ております。これにつきましては、臨調並びに制度調査会のほうにおきましてもお含みのように、財源措置につきましてはさらに検討した上で措置をする、つまりこの問題につきましては事務の委譲とともに、当該事務に要する人件費、事務費その他の経費の問題が相当大きいものでございます。したがいまして、今後自治省といたしましては、さらに財源問題についてほかの事務費増とあわせて近く同じ調査会において御審議を願う考えでおります。また、事務的におきましては、臨時行政調査会の答申を実施するために総理府に行政監理委員会が設けられておることは御案内のとおりでございますが、そのほうにおきましては、われわれの聴取しておりますところによりますと、行政管理庁に陸運を含めました各種地方事務官制度についてその実態の調査を命じて曲るようでございまして、行政監理委員会のほうにおきましては、この臨調の答申を実現する方向で行政管理庁でその実態調査を進めるということになっておるのでございます。それらと歩調を合わせて、財源掛鏡もあわせ別途御検討を願うという考え方であります。  それから第二の、各種団体の関係の陳情があることは承知しておりますが、われわれといたしましては、この両調査会の答申に沿うて検討を重ねていくという考え方を持って曲る次第でございます。
  45. 宮崎清文

    ○宮崎政府委員 御指摘の点につきましては、問題の所在は私のほうでも現在わかっておりますし、事務的には議論いたしておりますが、どちらのほうに持っていくかということにつきましては、何ぶんそれぞれ一長一短がございまして、現在の時点におきましてはまだ結論を出しておりません。なお今後なるべく早い機会に結論を出すべく努力いたしたいと思っております。
  46. 川村継義

    川村委員 これで終わらせていただきますが、いまのような行政事務、特に陸運行政の事務委譲等の問題は、地方行政という面から考える場合と、陸上交通行政という面から考える非常に重大な問題がからんでおる。こういう問題はやはり対策本部が中心となってその結論を出してもらわねばならぬと思いますけれども、この後ひとつ検討をしていただいて、つまらない混乱の起こらないように進めてもらいたい。特に閣僚懇談会等においてやはり意思決定がスムーズに行なわれるような案というものが作成されることが望ましいと思います。この点を強く要望をしておきたいと思います。  いろいろお尋ねをしたいことがございますけれども、時間をいただき過ぎてまことに申しわけありませんでした。一応私のお尋ねはこれで終わらせていただきます。
  47. 田村元

    ○田村委員長 山下榮二君。
  48. 山下榮二

    ○山下委員 ただいま川村委員からそれぞれ詳細にわたって質問がございましたから、私はできるだけ川村委員とダブらないように、その他の点について二、三お伺いをいたしたいと思うのであります。  まず最初に伺いたいと思いますのは公安委員会に対してでございます。先ほどもお話しになっておりましたが、ここにデータをもらってはおりますけれども、交通事故に対しまして、営業用の、いわゆる職業運転手の交通事故件数あるいは自家用の事故件数、いろいろ書かれておるようではありますけれども、これが比率の上からいけば、このとおり、やはり営業用のほうが事故件数が少ないようであります。これは死亡別だけの問題でありますから、事故件数全体をひっくるめました場合には、自家用の場合と職業用の場合と、一体どういう比率をたどっておりますか。その比率を伺いたいと思うのであります。
  49. 内海倫

    内海政府委員 いま数字につきましては資料を調べておりますが、一般的に考えまして、営業用の車と自家用の車を比較いたしますと、営業用のほうは絶対量が非常に少ないわけでございまして、それに対して自家用のほうは絶対量が非常に多うございますので、こういうふうに数字にあらわれてまいります死亡事故だけをとってみましても、営業用の、たとえば大型は三百四十九件に対しまして、自家用のたとえば乗用あるいは貨物というのは四千二百幾らになるというふうに、絶対数が非常に多いわけで、またその件数も多くなっております。比率につきましてはいま調べさしております。  それから自家用と申しましても、貨物の場合は、自分で自分の車を運転するのではなくて、やはり専門の運転者が運転業務専門に従事して運転しておる車も自家用ということの中に入っておりますので、そういう点では形態からは営業用の貨物とほとんど変わらないものでありながら、私どものこういう統計区分では自家用という区分の中に入っております。そういう点から、自家用のほうが非常に数も多く、したがって、死亡事故も、あるいはその他の交通事故も多くなっております。  統計がわかりましたので、片岡企画課長から答弁いたします。
  50. 片岡誠

    片岡説明員 昭和三十九年の統計でございますが、件数におきまして自家用自動車によります事故が三十四万二千八百十六件、それから事業用車によりますものが九万五千二百四十一、したがいまして、自家用車は全体の中の約二割とちょっとばかりになるわけでございます。
  51. 山下榮二

    ○山下委員 自家用のほうが事故件数が多いということの理由、原因は、一体どこにあるのでしょうか。
  52. 内海倫

    内海政府委員 お答えいたします。  やはり常業用につきましては、その運転者の管理、あるいはやはり事業としてやっておりますから、そういう点からするいろいろな訓練、そういうものも営業用につきましてはある程度行なわれておる。さらに営業用の場合につきましては、御存じのように、道路運送法なる法律のもとに、営業面からする相当きびしい省令等の拘束もございます。そういう点で、自家用に比べますと、やはり常業用のほうが運転者としては相当よく行なわれているのではなかろうか、こういうことを感ずるわけであります。
  53. 山下榮二

    ○山下委員 時間がありませんから、重ねて、まとめて質問いたしたいと思います。  先ほども川村委員からいろいろお尋ねもございましたが、信号機設置についてであります。信号機設置について、学校近くの場合は、学校父兄等に対して相当多額の寄付金を抑せつけておるのであります。非常に多くの者が迷惑を受けておるのですが、今度の三カ年計画のこの交通安全法によりますると、さような懸念のないように御配慮を賜わっておるものであるかどうか。  もう一つ、学校の学童生徒等の登校あるいは帰りに、父兄がそれぞれ学校の近くに出て交通整理を行なっております。これはしろうとのことでございますから、一つ間違いますとなかなかたいへんなことになるのではないかということをおそれるのであります。これらの指導は一体どこがおやりになっているのか、公安委員会のほうで御指導をなさっているものであるか、自発的にやっているからまあいいわということで、それを黙認しておられるものであるか、そうじゃない、もし事故が起きちゃならぬから、公安委員会ではこれらに万全を期するためにさらに指導を行なわなければならぬ、こういう方策をとっておやりになっているのであるかどうか、その辺のことを伺いたいと思うのであります。
  54. 内海倫

    内海政府委員 学校近辺におきます信号機設置に関しましては、お話のようにやはり相当寄付というような形で、私はこれは本来やむを得ざる事情もあろうかと思うのでございますが、設置されておる実例もございます。しかしながら先ほど川村委員にも御答弁申し上げましたように、今後におきましては、こういうふうな緊急措置法も適用されるわけでございますし、また起債その他の措置によりまして、信号機をできるだけ国、県という公費で設置するようにつとめたいと思っておりますので、自今におきましてはよほどやむを得ざる例外等がある場合はともかくといたしまして、基本的な原則としては、私どもはそういうふうな寄付にたよるような形のものはなくしていくように全幅の努力をいたすつもりでございます。また各県につきましても、十分そういう点については御趣旨のほどを伝えていきたいと考えております。  それから学校近辺におきます父兄、これは父兄と申しましても、ほとんどの場合は母または成年の女子という例が多いのでございますが、登校あるいは下校の際に整理に当たっておることは事実でございます。しかしながらこれにつきましては、在来から私どもはそういう方による整理は場合によると危険を伴うものであるから、まず警察官によってこれを行なうのが至当である。ところが警察官をそういうふうな要望に沿って全部出すということになりますと、数が非常に不足いたしておりますので全部に応じ切れない。そこで東京都あるいは大阪、名古屋のように大きな府県におきましては、名称はそれぞれ異なりますけれども、たとえば緑のおばさんあるいは婦人補導員あるいは婦人交通指導員とかいうふうなものをいろいろな形で、これは雇い方と申しますか、身分関係もそれぞれ県によって異なっておりますが、ともあれ警察の監督下において登下校の学童の指導に当たるものを設置いたしまして、これで相当数実施いたしております。これらにつきましては、その身分の所属の別はありますけれども、実質的には警察が掌握いたしまして、相当きびしい訓練、指導を行なって、登下校時における学童の補導に当たらせております。さらにそういうふうな措置もとり得ない県、またはそういうふうな措置をとっておりましても十分でない場合におきまして、登下校の際に父兄の方が出ておるのでありますが、これは私どもとしましては、指導をすると申しましても、その点非常に困難な事情が、まあ困難な事情とは、指導をすればやや警察が強制しておるというふうな形にもなりますし、したがいましてできるだけそういうふうな場合には、学校の先生方に依頼いたしまして、父兄の方自身がけがをしたりあるいは父兄の方自身の指導によって子供の横断が逆にあやまったような形になるというふうなことのないような配慮はかなりいたしており、また場合によれば警察官もその付近を巡回させまして御注意申し上げて、なるたけ間違いの起こらないような形で立っていただくというふうなことも行なわれておるようでございますが、私どもとしては、願わくは警察官または先ほど申しましたような専門的な婦人補導員というふうなものの手によって、学童の保護が行なわれるような制度が実現していくということを強く願っておるところでございます。
  55. 山下榮二

    ○山下委員 信号機設置の場合に、特別に事情のない限り、こういうことで、その特別の事情のない限りというそのことばが、全部特別の事情が出てくるということになる。この際やはり特別の事情というようなことを言わずに、今後国が責任を持って信号機設置をします、こういうふうにやっぱり言っていただきたい。そのことが私は住民を安心させ、また過重な負担をさせない、こういうことになってまいると思うのであります。そういうことばで逃げられますと、つくるところは全部特別な事情になってしまう、こういうことになると思うのですが、今後国が責任を持って行ないます、こういうふうにいかないですか。
  56. 内海倫

    内海政府委員 私どもとしましては、もうまことにそういうふうな気持ちを申し上げたいと思いますし、そういう趣旨におきまして今後都道府県に対しましてよく連絡をいたしたい、かように思います。
  57. 山下榮二

    ○山下委員 まあ不満でございますけれども、そういうことにいたしておきます。  次に伺いたいと思うのは、これは責任がどこにあるかわからぬと思うのですが、道路管理者に責任があるかとも思うのですけれども、去る三月十二日、伊丹の国際空港の飛行機着陸の道路のところで、自動車が、ジェット機の爆風というのですか、それでガラスがめちゃめちゃになってこわれて非常な被害を出しております。これは大国もあるいはその他の方々も御承知であろうと私は思うのですが、伊丹の空港の東側の道路というのは、伊丹から豊中に通じておる道路でありまして、滑走路とさく一つ隔てているだけであります。自動車に乗っておりましても飛行機が着陸するときにもう自動車にぶち当たりやせぬかと心配をするような危険な状態であります。しかもその道路は、伊丹の市営バスあるいは豊中の市営バスその他の自動車でもう非常に交通量の繁雑な場所であります。かねがね私は危険だとこう思いながらここを通っておったのですが、はしなくも三月十二日こういう事件が起きておるのです。これはいまここへ法案を出しておられる交通安全ときわめて深い関係があると思うのですが、これらに対しては一体今後どうされる考えをお持ちでありますか。これについて何か対策をお考えになっているか。この機会にどなたか関係者の方から御意見を伺いたいと思うのであります。
  58. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 飛行場の周辺における道路の問題は、伊丹のみならず各所に実際はあるのであります。私どもは、飛行場を設置する場合あるいは滑走路を延ばす場合には、できるだけ道路を遠くに回すように路線をつけかえるようにという指導をしておるわけであります。ところが実際にその周辺におられます方々の立場からいたしますと、実は飛行場を通ってでも道路を残しておきたいというような気持ちもございまして、実際にはいまお話しのような地点が九州の板付でもあるわけであります。何とかして道路管理者側といたしましては道路を地下に下げる、あるいは上に網を張るとか、あるいはできれば道路をもう少し遠くを回すということが必要だとは思いますけれども、そういった環境の点におきまして、道路管理者と地元住民との間で必ずしも話がついておらぬというところがあるようでございます。今回の事故の原因は直接的には飛行機の爆風によるものと思いますけれども、やはり根本的にはそういった道路の網の形をかえていくべきだと思います。非常にいい機会でございましたから、また直接道路管理者と私ども話し合いまして、そういうことを指導していきたいと思います。
  59. 山下榮二

    ○山下委員 滑走路の間だけでありますから、いま局長の言われるとおり、あるいは金網というのですかワクをつくるとか、何らかの方法で交通事故を防止する方法を、ひとつ今後御検討が願いたい。希望を申し上げておきます。  時間がないようでありますから、最後にもう一つお伺いをいたしておきたいと思うのであります。  今度のこの特例法に基づきますると、法案をいろいろ読んでみますと、共同溝のことも書いてあるようでございますが、今後のいわゆる近代的な道路というのは、御承知のごとく共同溝等を全部完備しなければこれはやはり道路の体をなしていかない。従来の日本の道路というものは、舗装をしたかと思うとあとからすぐつるはしを入れて、水道の工事なりガスの工事なりあるいは上下水道の工事等が行なわれているという例は少なくないのであります。そういうことを避けるために共同溝というのができて、交通に何ら支障なく電話あるいは水道、ガスいろいろな事業が行なわれる、こういうのが共同溝である、私はこう思っておるのであります。はたしてこの三カ年計画の中にそれが入っているかどうかということが一つ。  もう一つは、町の中でも相当暗い個所等があって、相当困難をきわめているところがありますが、街灯等の設備についても、交通安全の上からきわめて必要であると思うのですが、それらの点についても、この法律に基づいて完備されることに相なるのでありますか。  さらに、大阪、東京、神戸等のような特に都市周辺の軌道、つまり国鉄、私鉄等の横断というのは、自動車の繁雑をきわめておる個所が多いのであります。この法律の中にも書かれてありますように、あるいは地下道にするとかあるいは跨線橋にするとか、いろいろな方法が考えられておると思うのですが、三カ年の間に大体都市の繁雑なところはこれをほとんど全部とは言わなくとも、重要な個所だけはそれが完成する目安になっておるのか、その辺のところを伺いたいと思うのであります。
  60. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 最初の点でございますが、共同溝は交通、安全施設等整備事業の中には含まれておりません。ただ、共同溝法に基づきまして、別途道路事業、あるいは街路事業としてやっております。実は私ども、もう少しこれを促進したいと思っておりますが、先般この委員会で申し上げたかと思いますけれども、なかなか公益事業者間の話がつきませんので、せっかく道路事業あるいは地下鉄事業をやります際に、ぜひ入れるべきであると思いながら話がまとまらないということで、思うとおり進まないというのが実情でございます。今後もう少しこれを促進することにつきまして、別途私どもも検討したいと思っております。  それから街路灯でございますが、これはもちろん交通安全施設として重要な一つでございまして、この計画でも三カ年計画に全体で四万七千基ぐらいを計上しようと考えておりまして、主要な道路の交通量の多いところはこれによってできるだけ街路灯をつけるという考え方でございます。  それから軌道がありますところにおける横断施設等、これらにつきましても、もちろんこの交通安全施設事業でございまして、これもきわめて重要な重点事項と考えまして、かなりの個所をこれによって解決したいと思っております。具体的にはどこをどうするということはこれからでございますが、十分そういう御期待に沿えるように努力したいと思っております。
  61. 山下榮二

    ○山下委員 まだいろいろ伺いたいこともありますけれども、時間もないようですから、大体先ほど川村委員から詳細にわたっていろいろ疑点の存する点についての質問が行なわれておるようでありますから、これ以上は申し上げません。  ただ最後にお願いを申し上げたいと思うのは、共同溝等の場合に、いま言われましたように、受益者負担等云々ということばがございます。法律にもそれが書いてあるようでございます。受益者負担だけを考えられると、なかなかこういうものはできない。やはり国が思い切った予算措置をとるのでなければ、近代的道路の完備ということはとうていおぼつかない、こういう結果になってしまうのであると私は思うのであります。さような点から考えまして、もう少し道路というものについては、国が責任を持って、一切の事態に適応する近代的道路をつくっていく、こういうことにお考えを願って、今後の努力を当局に要望いたしまして質問を終わります。
  62. 田村元

    ○田村委員長 これにて質疑を終了するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 田村元

    ○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  64. 田村元

    ○田村委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  65. 田村元

    ○田村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  66. 田村元

    ○田村委員長 ただいま議決いたしました交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案に対して、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、井原山岸高君外二名から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。井原岸高君。
  67. 井原岸高

    ○井原委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、次の附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案に対する附帯決議案   政府は、本法の施行に当たり、左記について特に配慮すべきである。  一、今後における道路整備事業の推進に当っては、道路法等の基本法に基づき、交通安全施設等の整備に遺憾なきを期すること。  二、交通安全施設等整備事業三箇年計画の実施に当っては、その一元的運営を図るとともに、地方財政窮乏の現状にかんがみ、これを圧迫せざるよう財政措置等について十分の考慮を払い、交通安全対策の万全を期すること。   右決議する。 上であります。  本趣旨は委員諸君も十分御承知のことでありますので、何とぞ御賛同のほどをお願いいたします。
  68. 田村元

    ○田村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  69. 田村元

    ○田村委員長 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。よって井原岸高君外二名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決定いたしました。  この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣瀬戸山三男君。
  70. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 本案につきまして、委員の全員の御賛成で御決議をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。  なお、ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨については、十分御意見を尊重いたしまして努力をいたしたいと思います。     —————————————
  71. 田村元

    ○田村委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 田村元

    ○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕
  73. 田村元

    ○田村委員長 次会は来たる二十三日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十分散会