○
瀬戸山国務大臣 縦貫
自動車道を青森から鹿児島まで少なくとも今後十年以内に完成をいたしたい、こういうことを申し上げておるのでありますが、これはこういう
考え方に基づいておるわけであります。さっき私は、
日本の将来ということを簡単に申し上げたのでありますが、さっき申し上げたように
明治以来、新たな一億をこす
人口に対する
活動の
舞台としての動脈の
建設をしておらない。従来の
道路は、前にあった
道路路線を、交通
事情あるいは
自動車時代になって、
経済の
発展に伴ってこれを整備する、あるいは拡張し、あるいはカーブを直し、あるいは舗装する、これにいままで全力を尽くしてきたわけでありますが、御
承知のとおり、一般国道二万七千キロくらいあるわけでございますが、その中の元一国一万キロ余は整備が四十一年度でほとんど完成いたします。全部完了と言ってよろしいでしょう。それから一万七千キロぐらいの元二国、これは大体
昭和四十七、八年ごろでほぼ完成させる、いまの進捗度でいけると思っております。そのほかに十二万キロ余のいわゆる県道、一般県道、府県道までということはなかなかでありますが、少なくとも
昭和五十五年ごろまでにはいまの速度で概成
程度の整備はできる、少なくとも
昭和五十年には大体いまあります幹線の
道路というものの整備がほぼ完了に近い
程度に装備される。もちろんそのほか交通
事情の
変化によりまして、いままで整備されましたところにもバイパス等の整備は必要でありますけれ
ども、おおむねそういう
状態になる。ところがこれを集約して全国的に
活動させる大動脈がない。ちょうどその時点をはかって、基幹的な大動脈をこれにつなげる必要がある。全国的にこれを集約する必要がある。そういう
意味でタイミングがちょうど
昭和五十年ぐらいになる。あと十年をめどにそういう大動脈をつくらなければ、いままで整備しております
道路というものが全国的な働きをしない。こういう想定からこの
計画を進めようということにいたしておりますが、これは全く、口ではそう言いましても非常な大事業であります。
そこで、用地等の問題がありましたが、これは私は常日ごろ申し上げておりますように、全
国民の将来に対する大事業として御協力を願わなければならない。各関係府県、いまそういう体制をみずからつくる、あるいはこちらから要請してそういう体制が進みつつありますから、御協力願えると思います。用地の問題が解決いたしますと、こういう仕事も
相当に進みやすいと思いますから、これは全力をあげていかなければならないと思っております。これは四十一年度は御
承知のとおり百億のいわゆる債務負担行為まで入れて約二百億の予定をいたしておりますから、この問題は二百億を四十一年度で消化できるかどうかということが大きな問題であろうと思いますけれ
ども、これを消化することのできないような
国民のこれに対する認識であっては、とうてい私は十年間じゃできない、それではいわれておりますような
日本の将来、住みよい
国づくりをしようという、それはただ口で言うだけであって、本気じゃないのじゃないかという感じを持つ結果になると思いますが、しかしこれは何としても全力をあげていかなければならない、こういうふうに
考えておるわけであります。
そこで、そういうことを
基本に
考えますると、いまお話しのように、現行の四兆一千億の五カ年
計画では、これはとうていそういうことはまかなえませんから、これはそれを入れて、あるいは現在進めております一般国道あるいは地方道等の進み方、しかも現在の
道路、交通
事情等を
考えますと、いまの四兆一千億
程度の規模では
日本の
経済あるいは
国民の期待に応ずるだけの
道路整備はできません。したがって、率直に申し上げて、これはできるだけすみやかにいわゆる拡大
計画をつくるべきである、いわゆる五カ年
計画を改定すべきであるということを
考えておるわけであります。どのくらいの規模になるかということは積算をして、また国の
経済力も
考えなければいけませんけれ
ども、
相当思い切った
道路政策をやることが、当初に私が申し上げましたことに通ずるのではないかと思っておるわけであります。
いま国道あるいは地方道等のお話がありましたが、その際にはやはり国道に編入すべき
地帯、したがってそれに応じて一般府県道を
主要府県道にすべきところ等の再編成を当然に
——やはり現在の国道、地方道、これは
社会が変革していきますから、現在そういうところは各地にあるわけであります。その際全部入れるかどうかは、これは一ぺんにはできませんけれ
ども、
相当程度はやはりこの五カ年
計画の改定に応じて再編成をすべきものである、かように
考えておるわけであります。
それからいまの改定は、私
どもはいまの情勢を見ますと四十二年度には第五次の
道路五カ年
計画に入るべきである、かようなことで作業を進めつつあるところであります。これは財政との関係がありますから今後大きな問題になると思いますが、ぜひひとつ御協力を願いたいと思っております。
それから交通安全の問題は、これは私から申し上げるまでもなく、
自動車その他の文明の発達によって
人間が文明に追いまくられておるというような
現状というものは本来転倒であると私は思っておる。機械文明その他は
人間のしあわせのためにあるべきものであって、
人間が機械文明のために追い回されて苦労しておるという
状態は全く本末転倒であると、極論だけ申し上げて恐縮でありますけれ
ども、
考えております。新しく整備いたしております
道路については、そういうことを勘案して
道路の整備をいたしておりますけれ
ども、すでに整備された
道路あるいはまだ整備が間に合わない
道路、そういうところで、
自動車の発達に応じて、歩道その他の不整備のために人命に損害を加えたり、非常な危険があったり、交通
事情が悪化したりいたしております。しかもこれは緊急を要する。
道路全部が緊急を要しますけれ
ども、この点はもっと緊急を要する。世論もそうでありますけれ
ども、世論のいかんにかかわらずわれわれのほうでは率先してこれは整備すべきである、かようなことで、四十一年度を起点として交通安全の緊急三カ年
計画を立ててこれを整備しよう、こういう準備に取りかかって、今度の国会にその整備の法律案をすでに御提案申し上げておりますから、御審議を願ってできるだけ早くこれが成立することをお願い申し上げておきますが、四十一年度は、こまかい数字は
道路局長から御説明申し上げますけれ
ども、三カ年
計画の全部を三等分して織り込むということには成功しておりません。これは交通問題でありますから警察庁とも協調して進めておりますが、
建設省だけでも大体六百億余の施設が要る、こういうことを
調査をしておりますから、これを進めてまいりたい、かように
考えておるわけであります。