○吉田(賢)
委員 本会が始まりますので、
総裁に、できるだけ簡明に問答させていただきたいと思うのであります。
国鉄のこの第三次
長期計画をめぐりまして、相当重要な問題が山積しております。実を申しますと、たとえば経済の中期
計画も廃棄され、そうして新たに
長期計画の策定に入っております。八月に策定を大体終え、十一月にこれを
報告されるという段階に来ております。そういう影響もございますし、それからまた新たに新
計画を進める上において、土地の収用問題が非常に重要であろうと私は
考えております。それでまた、内部的には、
国鉄の経営というものはこれでいいのだろうか、私もあなたが長く監査
委員会でしたか、それを主宰されておって、若干その治績も存じておりますが、さらに一そう経済性、合理性を取り入れるという面が多分にあるのではないか、あるいはまたこの資産の管理の面におきましても、特に固定資産の管理につきまして、一そう適切な改善方策を講ずる面があるのではないか。あるいは他の公団に対する投資の問題につきまして、これは
勝澤委員もお触れになっておりましたが、これも非常に重大なことでございます。
そこで、こういうように各般の問題もあるのでありますけれども、きょうは一応保留いたしまして、
用地の
買収だけについて、ひとつ簡明にお伺いしておきたいと思うのでございます。この第三次
計画によりますと、二次
計画に比較しまして、
用地買収費がずっと率が高くなっております。三次
計画によりますと、
用地買収は大体線路の増設というのが該当するのではないかと思うのですが、七千七百億円、二五・九%であります。二次のときには四千七百二十二億、三五%でございます。しかし、ほかの費目と比べますと、一番数が大きい。私がいつも疑問にしておりますのは、建設省の大きな全
日本道路計画にしても、あなたのほうの
長期計画にいたしましても、
用地問題につきまして一体どのような数字的な
予定をされているのか。これはばく然と
予算が組まれているのか、かなり精密な検討をせられて数字がはじき出されたのかどうか。一体土地価格というものは、御
承知のとおり、いまはないのであります。相手次第で上がっていくのであります。事実、鑑定士などございますけれども、実際問題としましては、ごね屋がごね得しておるのは御
承知のとおりであります。したがいまして、膨大な
予算が策定、執行される前に、土地の価格がおどり上がっているということが現状でございますので、この土地価格につきまして、一体どのような根本的な手を打とうとしておられるのか。これは瀬戸山建設相ではありませんけれども、土地は商品にあらず、こういうような
考え方で、
国鉄の
長期計画策定に協力するという体制が少なくとも公共団体にあるということになりましたならば、よほど変わってくる。その辺が、
経費の面、建設費の面もしくは合理的な建設
計画を実現し得る面について、非常に明るくなってくると思うのです。しかし、その辺はいまのところは、端的に申しましたならば、あまりはっきりしたものなしに
予算が組まれておるのではないか、こう思いますので、私は、予鈴が鳴りましたから一点だけにとどめますけれども、新たに
延長計画の山陽線もございます。四次
計画もやがてあるのでしょう。あるのでしょうけれども、中身を割って言うならば、路線獲得の
用地買収費というものにつきましては、かなりむずかしい問題を持ったままにいかれておるのではないか、こう思います。ですから、ここはやはり徹底的に、あなたのほうで
国鉄の公共性を明らかにせられて、公共性に協力さすということで、極的な手を打っていくということをせられない限りは、極端に言うならばもみくちゃにされて、
予算は膨張していくことは必至だ、こういうように
考えております。
そこで私は、これはほんの一つの提案にすぎませんけれども、またおりがあったら申しますけれども、でき得ることならば、公共性に重点を置きまして、たとえば知事なら知事、その他の市長なら市長、あるいはその他の公共を代表する者との間に、できるだけ安く入手できるような方法、手を
考えて、そのかわり、そのサービスの提供に対しましては、たとえばすばらしい
国鉄はできましたけれども、しかし市町村なんかへ参りますと、インド並みの舗装しかできていないことは御
承知のとおりなんです。それほど貧弱な路面を持ったままに、地方はあえいでおりますので、これは
国鉄法の規制もありますけれども、
運輸大臣と適当に御
相談になって、その方面につきまして、ある種の寄与ができるようなことをおやりになってはどうだろうか。そういうふうにして、要するに新しい
計画を進める上において、
用地買収の問題については、これは独立して、あなたとして最も経済人にふさわしいような新しい手を打つような案をお立てになってはどうだろうか。これが十分に策定されない限りは、全体の
予算は次第に膨張することは必至だと見ております。したがいまして、これは財投
資金あり
自己資金あり
政府出資ありということは、三次
計画の財政
計画の内容に出ておりますけれども、しかしいたずらに財投に依頼することはできませんし、国の
予算に依頼することもできません。赤字公債が累積してきたらえらいことになりますので、したがって
長期計画の観点に立ちましても、よほどこの点は引き締めました見地に立って、
用地買収の
計画を進めなさるということが、三次
計画を遂行せられる上において一番重要なかなめだと
考えております。これだけ一つ申し上げまして、しかるべき御答弁を願い、自余一切はまたの機会にさしていただきたいと思います。