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1966-04-27 第51回国会 衆議院 決算委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二十七日(水曜日)    午前十時十九分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君    理事 壽原 正一君 理事 堀川 恭平君    理事 勝澤 芳雄君 理事 山田 長司君       安藤  覺君    熊谷 義雄君       湊  徹郎君    山手 滿男君       森本  靖君    吉田 賢一君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         国 務 大 臣 松野 頼三君  出席政府委員         内閣官房副長官 竹下  登君         内閣参事官兼総         理府事務官         (内閣総理大臣         官房会計課長) 高橋 弘篤君         防衛庁参事官         (経理局長)  大村 筆雄君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     瀬戸山孝一君         大蔵事務官         (主計局次長) 鳩山威一郎君         大蔵事務官         (国有財産局         長)      松永  勇君         運 輸 技 官         (港湾局長)  佐藤  肇君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局司計課         長)      松木 孝道君         会計検査院事務         官         (第一局長)  斉藤  実君         会計検査院事務         官         (第二局長)  樺山ただ夫君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 四月二十七日  委員萬田尚登君、根本龍太郎君及び福永健司  君辞任につき、その補欠として湊徹郎君、安藤  覺君及び熊谷義雄君が議長指名委員選任  された。 同日  委員安藤覺君、熊谷義雄君及び湊徹郎辞任に  つき、その補欠として根本龍太郎君、福永健司  君及び一萬田尚登君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十八年度一般会計予備費使  用総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予備費使  用総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十三条に基づく使用調書  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十四条に基づく使用調書(そ  の2)  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十五条に基づく使用調書  昭和三十九年度一般会計予備費使  用総調書  昭和三十九年度特別会計予備費使  用総調書  昭和三十九年度特別会計予算総則  第十四条に基づく使用調書  昭和三十九年度特別会計予算総則  第十五条に基づく使用調書  昭和三十九年度特別会計予算総則 (承諾を求  第十六条に基づく使用調書   めるの件)  昭和四十年度一般会計予備費使用  総調書(その1)  昭和四十年度特別会計予備費使用  総調書(その1)  昭和四十年度特別会計予算総則第  十一条に基づく使用調書(その (承諾を求  1)              めるの件)  昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十九年度政府関係機関決算書  昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  〔総理府所管防衛庁)〕      ————◇—————
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)、 昭和三十八年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書昭和三十九年度一般会計予備費使用調書昭和三十九年度特別会計予備費使用調書昭和三十九年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書昭和三十九年度特別会計予算総則第十六条に基づく使用調書昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その1)、以上十三件の承諾を求めるの件を一括議題として、審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
  3. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣お忙しいようですし、またいずれ三十八年度決算総括質問のときに質問いたすことにいたしまして、簡単に二、三の点について、きょうは質問いたします。  一つは、最近、決算委員会で、国有財産高級公務員に対する払い下げ問題で、いろいろと論議されました。その結果、国家公務員に対する国有財産の払い下げはやめるということが閣議できめられたようであります。また地方公共団体の中や、あるいはまた公社公団等においても、こういう事例が最近まで続いておりまして、特に専売公社の場合は、小林さんの選挙違反をめぐりまして、その中から実例がありました。それが実は今日も、その時点でまだ行なわれておったということで、専売公社としてもいろいろ方針をきめたようでありますが、やはり国の問題を措置する場合におきましては、特に公社公団、あるいは事業団、そういう政府関係機関についても、同様な取り扱いをすべきである。これらの経緯について、大臣からひとつ御説明を願いたいと思います。
  4. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 国有財産国家公務員に払い下げておるということが世間の話題になりまして、あるいは新聞、あるいは週刊誌等をにぎわしたのでありましたが、これはどうも国有財産処理について国民に何か疑惑を与えるということになる、こう考えましたので、実は昨年の暮れ、大蔵省においては、大蔵省職員に対して、さようなことがあってはならないという訓告をいたしたわけでありますが、各省においてどういう措置をとるかということを見ておりますと、まだそういう動きがない。そこで、私が、この三月でありますが、閣議にはかりまして、各省つまり全公務員にこの考え方を及ぼそう、また公務員のみならず、政府関係機関職員国鉄だとか電電とか、いまお話し専売公社でありますとか、関係機関、なお地方団体、そういうものも同様に、この精神を適用すべきことを閣議におはかりいたしまして、閣議決定を経ましたので、それぞれそれに従いまして通牒を出しておる、こういうことに相なっておるのであります。今後いろいろ考え方としてはありますが、とにかく疑惑国民が抱くようなことがあってはならない。そういう見地から、割り切って、中央、地方公務員、それから政府関係機関、それに対しましては一切売り払いをいたさない、かように決定いたしたわけであります。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから次に、大臣、最近脱税白書といいますか、国税庁査察の結果が新聞に報告されております。あなたのほうからこの資料をいただいて見てみますと、たとえば一つの例で、三十七年十二月一日から三十八年十一月三十日までの分で、千百十七万八千円の所得に対して、調査をした結果、九千七十二万五千円、申告調査が九倍にもなっておる例があるわけであります。あるいはまた、ある京都のパチンコ屋の例では、三十九年度、二千九百六十万円に対して一億二千三十五万円というような調査結果が出ておるようであります。地方におけるいろいろな実情を見ますと、案外こまかい問題についてはよく税務署はやるようでありますけれども大口についてはどうもゆるやかだ、という意見が多いようであります。その最たるものが森脇の例だといわれておりますけれども、そういう点で、その査察あり方といいますか、税務署によっては、どうも相当行き過ぎじゃないだろうかといわれる点があるようでありますけれども、やはりこういう大口を見てみますと、国税庁もなかなか大きなところに目をつけておられたというふうな感じも受けますけれども、ひとつこの査察あり方といいますか、あるいはこういう実情などについてどうお考えになりますか、お答え願いたいと思います。
  6. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 税は、やはり何といっても、その制度からして公平でなければならない。同時に執行が公平に行なわれなければならない。これが国税庁税務行政をやっていく基本的な精神であり、また大蔵省といたしましても、そういう基本的な精神でやっておるわけであります。ところが、何ぶんにも、とにかく法人といっても五十万もあり、全納税者は二千百万人もおる、こういうような状況でございますので、どうも行き届かない面も間々ありまして、調査を特別にしてみる。その結果、御指摘のように、申告額に対して決定額が数倍になるとか、あるいは十倍になるとか、そういうものもありまして、まことに私どもも頭の痛い問題でありますが、しかし、特に大口のものが税をのがれておるというようなことは、あっては相ならぬわけであります。森脇事件なんかの経験にもかんがみまして、大口整理班というような機構を設けまして、特にそういう方面に脱漏のないようにという配意をいたしておるのであります。今後も、そういうケースが絶滅できるように、最善の努力をいたしていきたい、かように考えておるわけであります。
  7. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私も、あまり税金のことは、いつも天引きされるほうですから、詳しくないのですが、実際には、申告の場合においても、行政指導において、ある程度の割り当てでない目標というものを置いて、いなかの税務署ではお話し合いをよくいたしておるようであります。この結果を見てみますと、特に都会地あるいはまた人口が増加になって、それにつれて税務署員配置転換というものがあまり適正に行なわれていない、あるいは必要に応じた税務署の新設というものがなされていない。こういう点で、相当重点的な配置というものがなされていないので、こういうことが起きてくるんじゃないだろうかと思うのですが、そういう点では、やはり適正な配置というようなことについては行なわれておるのでしょうか。
  8. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 まあ、一つ国税庁全体としての要員の確保ですね。これはずいぶん教育訓練施設等も整いまして、要員の養成には努力をいたしておるわけです。ところが、経済が非常に好況になるというようなことがありますと、脱落する人、退職する人なども出てきまして、これを防ぎとめるということにずいぶん骨を折るのでありますが、とにかく逐次給与それから勤務環境の整備、そういうものをいたしまして、要員を確保する、これにまず重点を置いております。  第二が、その確保された要員適正配置という問題です。これはいま御指摘の問題ですが、これも年々そういう方向努力をいたしており、現に昭和四十一年度予算でも、相当の重点配置を計画いたしておるわけであります。たとえば、山村地帯あたりではだんだんと人口が減っていく、あるいは経済力が乏しくなってくるという傾向が見受けられるわけでありまして、そういう方面配置いたしました税務署の任務が非常に薄くなるというような傾向もありますので、ことしは大体七税務署くらいを廃止いたしまして、そうしてこれを重点的に仕事のできる体制にするというようなこともいたしておるわけであります。できる限り、御趣旨方向努力をいたしておるのだというふうに御了承願います。
  9. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 税務署と警察は、ないほうがいいという、笑い話ではないのですけれども、そういうことも出るようなことで、たとえば税務署もなかなか仕事としてはやりにくい。私たちもよく話しに行きますと、皆さんがきめた法律に基づいてやっているのですから、もし文句があるなら、法律を直してくださいとよく反対にやられますけれども、たいへん御苦労なことと存じます。  最後に一つ。この月曜日に、大臣静岡おいでになって講演をされて、いろいろの御陳情を受けたと思うのですが、私も静岡地元で、一番感じておるのは、まず国道一号線の交通事情の問題です。これは大臣、それは建設大臣管轄で、おれの管轄じゃないとおっしゃるかもしれませんが、国務大臣でありますし、実力のある大臣でありますから——河野さんが建設大臣をやっておりますと、半年や一年くらい工事を繰り上げて完成させるということは行なったわけであります。大蔵大臣がこの間静岡に行ったから、東名高速道路も半年くらい繰り上がるだろうと、実は期待を持っておるわけです。御案内のように、国道一号線はまことにいまたいへんなふくそう状態です。連日のように交通事故があり、あるいはまた火災でもあれば、もう三時間から五時間くらいおくれることは当然であります。ですから、これはやはり何としても国道一号線の補てんとして、東名を早く開通をして、部分的な営業をすると同時に、バイパスを何とかしなければならぬ。それには何といいましても、やはり予算重点的に配賦しなければならぬ。いまの道路予算を見てみましても、確かに予算そのものの規模は大きいわけでありますけれども、今日の政治の実態からいいまして、やはり総花的な予算配賦がどうしても行なわれやすいわけであります。しかし、ある重点については重点的にやらないと、いまのような結果が出てしまう。汽車がとまったら、国道も麻痺してしまうというような状態になるわけであります。この間せっかく実情も見たようでありますから、やはり国道一号線の対策については、直接な関係はございませんけれども、せっかくいい機会に視察をなすったようでございますから、ひとつ早急に何らかの方向考えていただきたい、こう思うわけでありますが、いかがでしょう。
  10. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 道路全体として日本が非常に立ちおくれになってしまっておる、こういう問題、つまり社会資本の立ちおくれということですね。これは政府がこれに取り組むほかはない。そういうので、今度公債政策なんかを取り入れた条件に、一つの大きな理由があるわけなんです。特に社会資本の中でも、住宅、道路、そういう問題に取り組まなければならない、こう考えておるわけですが、いまお話し道路の中では、やはり何といっても大阪−東京間が非常にふくそうしておる。幸い名神間はできましたので、急いで東名高速道路建設しなければならぬというふうに考えておるわけであります。何とかして四十四年の春ごろまでに開通式ができるようにというので、馬力をかけております。日本じゅうで一番高度な交通隘路はやはり東海道だ、こういうふうに思っておるわけです。そういうような見地から、東名道路の促進につきましては特段の考慮を払いまして、たとえば世界銀行借款、これは全部東名道に振り向けるというふうにいたしておるわけです。私の考えとしては、これは建設大臣ともよく相談しなければならぬ問題ですが、東名道路が名古屋から全部通ずるのを待つ必要はない、もうでき上がったところからやっていく、たとえばいま進行状況のいいのは静岡と吉原の間ですが、これは土地買収もほとんど目当てはつきまして、あとは工事するだけです。これは相当急速にできると思うのです。そういうものは集中的に工事をやって、でき次第これを開通利用していく、こういうふうにしたならば、おくれておる交通対策ではありまするが、その中でもお役に立ち得る、こういうふうに考えております。と同時に、東名道だけではとても不十分であるというので、いま東海道国道一号線のバイパス、これを御殿場周辺に、ほとんど隣接のような形で考えておる。それから由比の辺が非常に込むわけですが、あの辺にバイパスをつくる。その他数カ所にバイパスをつくる工事を進めておるわけです。これも相当交通緩和になるだろうと思います。またさらに、高速道路ができるにあたりましては、いわゆるアクセス道路東海道のインターチェンジに主要都市から接続されるという道路建設、こういうものも進められておるわけで、ちょっとごしんぼう願わなければならぬが、ここ三、四年間にはあの辺の交通事情というものは一変してくるだろう。私どもとしては、あれを重点地区として、特に力を入れていきたいと考えておる次第であります。
  11. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣がお通りになるところですから、パトカーでスムーズに入ったと思うのですけれども実情はまことにたいへんなものでありまして、私もこの間地元新聞記者皆さんに申し上げたわけですけれども汽車がちょっと事故があると大々的に書かれる、しかし今日の国道は毎日のように新聞記事だらけだ、三十分のところが二時間、三時間がざらにあって、このごろは、急ぐときには、しかたがないから国鉄を利用するほかないという話が、ちらほら実業界の人から出ておるわけでありまして、そうしますと、ことしの秋くらいは近距離の電車をもっと激しく入れないと困るじゃないかという話も、実は国鉄に対してしているわけです。国鉄自体もまた、聞くところによりますと、いまの東海道線昭和五十年になるともう一ぱいになるから、複々線計画にしなければならぬというような話までちらほら出ておるようなことを聞いております。まさに、いま国鉄がようやく新幹線で少しあいた。しかし今度は逆に、道路のほうがもう一ぱいになったということで、先ごろおいでになって実情を見て、いろいろじかに陳情を受けて——いまの御説明ですと、だいぶ実感を持たれているようでありますから、いずれこの夏ごろから新長期計画も出されるでありましょうから、ぜひその中に、これらの要望が実現されるように要望いたして、私の質問を終わります。
  12. 吉川久衛

  13. 山田長司

    山田(長)委員 めったに大臣出てきませんので、一応要望を申し上げておきます。  実は、過日来、当委員会で、貴金属及び接収ダイヤの問題につきまして、寄り寄り委員の間で意見が出ておることなんです。一般会計に繰り入れられて、これが販売されたものを使用されてしまうということになりますと、せっかく供出をした国民意思に反するのではないか。そこで、このダイヤ処理につきましては、特別会計に繰り入れられて、これが社会福祉のために使ってもらうことができないか、こういう要望委員間で出ておるのです。実はまだ委員意思がまとまっておりません。しかし、委員長はじめ委員間におきましては、大体その意見に到達しているわけです。だからいずれこれはまとまりましたら、大臣に御出席を願いまして、そのことの趣旨を明らかに、こちらで強い意思として申し上げたいのですけれども、現段階におきまして、まだまとまっておりません。しかしこれはまとまるだろうと私は思っております。どうかその意思十分了とされて、この使用方法につきましては、そういう意図委員会で持っているということをお含み願いたいと思います。きょうは、吉田さんの発言する前に、一応要望事項として申し上げておきます。ちょっと御答弁願います。
  14. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 接収貴金属処理につきまして、ただいま山田さんからお話しのような御意向が国会ではあること、よく承知しております。たぶんそういう決議なんかもあったんじゃないかというふうに記憶しております。そういう御意図につきまして、私はその御意図の線でやっていきたいというふうに思っております。ただ、その方法が、特別会計をまた設けるということは、ちょっとこれは繁文縟礼というか、そういうきらいなしとしないという感じをいま持っております。しかし、御精神は私も何とかして実施面に生かしていきたい、こういう気持ちであることを、きょうお答え申し上げます。
  15. 吉川久衛

  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三十九年度予備費について、ちょっと一点伺っておきたいと思います。  運輸省所管港湾事業調整に必要な経費といたしまして、新産都市の建設事業に伴って出されておる経費があります。三億五千五百余万円ということになっております。これは、もちろん財政法予備費の規定に従って使用せられていると思いますが、予備費乱用になりましても、これは財政秩序を乱すもとになりますので、この点、経費の性格について、若干御説明を伺ってみたいと思いますが、資料がありましたら……。
  17. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 いま政府委員にお答えさせようと思ったのですけれども政府委員がおりませんので……。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 では、次に移ります。  きょうでありますか、大蔵大臣は、財政審議会に、予算制度について何か調査を依頼なさるらしいのでありますが、その概要だけをひとつ伺っておきたいと思います。
  19. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 これから財政制度審議会にいろいろ御検討願う、こういう問題でありまして、私としてまだ固まった考え方を持っておるわけじゃないのです。ないのでありますが、御検討願いたいという要目を申し上げますと、一つは国債の元利償還制度をどうするか、こういう問題であります。それから第二は、予算がとにかく十二カ月で区切られておるわけでありますが、もう少し機動性流動性を持たせたほうが効率的ではないか。そこで、単年度主義というこの固まった考え方、これに対しまして、かつて十五カ月予算構想だとか、十八カ月予算構想、そういうような問題がありましたが、その前の年に対して、また後年度に対し、単年度主義にもっとゆとりを持たせるという方法について御検討願いたい、こういうのが第二点であります。それから第三点は、いまの予算機関別中心主義になっているわけであります。これを事業別に区分することは、公債政策を採用していく場合において、これは必要なことではあるまいか、そういうふうに考えるわけであります。つまり、これは会社経理あたりで、経費勘定資本勘定というのがありますが、そういう場合の考え方を、政府のほうでも、会計上取り入れることが可能であるかどうかという問題ですね。私のほうからそういう問題を提起する、また財政制度審議会においても、こうしたらよかろうああしたらよかろうという考え方もあろうかと思いますが、きょうの午後、実は財政制度審議会が開かれるわけですが、そういう問題をまず提起してみたい、こういう考えであります。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 かねてこの委員会におきましても、事業別予算制度につきましては、だんだんと論議もありまして、最近も鳩山次長が見えまして、そのときも少し議論をし合ったのでありますが、受け取り方によりますと、政府は、事業別予算はすでに積極的な態勢で、もうその方向に進んでおられるようにも聞こえるのですが、しかし全体といたしましては、まだ基本的にそういう方向に積極的な取り組み方がないということは、これは議論の余地がないと思います。いまおっしゃった問題点についてでありますが、たとえばこういう点はいかがなものですか。年度の問題でありますが、一般財政投資を消化する民間におきましては、暦年制のものもずいぶんございます。あるいはまた、会計年度の四月に始まるのとの食い違いが実際にあるようにも聞くのであります。この辺の食い違いは、官庁会計とそれから民間会計の違いで、容易に統一できないもので、またすることがいいか悪いか、議論もあると思うのですが、もう少しそこらが混雑をしないような、お互いの調整総合をすることが、究極は、何も、政府財政を一切処理するのでも何でもないんですから、受ける民間がこれと見合って、マッチするような体制が望ましいんではないかというふうな意見も相当ございますが、その辺についてのお考えを伺いたい。
  21. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 民間政府会計年度が食い違う、そういう点から、そう重大な支障があるようにも思いませんが、しかし政府会計年度を四月から三月までとしておる、そういうことに見ならいまして、会社会計年度は、いわゆる九月期決算、三月期決算、こういう傾向が強いわけであります。ただもちろん、これは統制しているわけじゃございませんものですから、これと違った年度区分をとるところもあるわけでございますが、一方、政府会計年度は、一体、四月−三月が適切であるかと、こういう問題もあるわけであります。ことに、北海道あたりの人からずいぶん言われる問題なんであります。これは多年そういう議論がありまして、検討に検討は重ねられておるのでありますけれども、今日の四月−三月がいいのではないか、という結論になっておるわけであります。しかし、せっかくの御意見でありますので、民間政府が食い違うという点について、なおそれで欠陥があるのかどうかというような問題につきましては、さらに検討をいたしてみることにいたします。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 事業別予算の採用の問題につきまして、やはり複式簿記の知識なり慣習というものが、官庁会計全体に相当浸透していくということが前提になるのではないだろうか。もう一つは、やはりこの予算の効率的使用というものは、予算使用過程において、もしくは業績において、もっと正確に把握するということの慣習が行なわれる必要があるんじゃないだろうか。年度末に使い切りにしなければならぬという風習がなおあとを断ちません。また、予算を取って使うということが当然のことのようになっておりますし、どうすれば、もっと効率的に、安上がりに、同じ効果、成績をあげ得るかということについてのくふう創意が足りない、こういう面は、全体に強く要望されておるし、いまの弊害として指摘されておる点でございますが、その辺について、もっと突っ込んだ大胆な突っ込み方をして、一つの体系的な結論を得て、財政審議会等におきまして、積極的な内容を持ったものを打ち出していくというふうにしなければならぬのではないだろうか、もうその段階に来ているのではないだろうか、そうしなければ、どんなに膨大な予算を組んでも、釈迦に説法でありまして、これは親方日の丸ですから、破産することはないのですから、これは幾らでも大蔵省財政需要は増加する一方であると私は思います。ことに公債政策が大きな柱になったいまの大蔵省財政方針でございますので、何ぼでも使えるような印象というか、そういう考え方が潜在しましたら、これはたいへんでございますので、その辺は相当この際急速に−もうすでに各方面から意見も出ておりますし、諸外国の例もあるし、諸外国の実績が十分にまだ紹介されておらぬようですけれども意見も相当出尽くしておりますから、この段階で踏み切って、事業別予算を大きにクローズアップする段階ではないだろうか、こう思うのですが……。
  23. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 ただいまのお話につきましては、前に予算委員会のほうでも、あなたから話を承りまして、一つの重要な考え方であるというふうに存じてきたわけなんです。そういうようなこともありまして、今度、事業別予算ということを正式に財政制度審議会でも取り上げて、あらゆる角度から検討してみたい、こういう段階になってきているわけであります。何とぞひとつ今後とも、御教示のほどをお願い申し上げます。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり中央と地方との関連の問題でございますが、この委員会におきましてもしばしば問題になりましたが、この予算単価の問題も、やはり相当何か筋道を立てて解決する段階に来ているのではないだろうか、こういうふうに思われます。地方財政なんかを見ましても、二百五十億円本年度解消すると言っておりますが、千四、五百億円にのぼるであろう超過負担と言われております。どっちがどの程度の不合理を内蔵しているのか、それは問題があります。行政の規制をはみ出たようなそういう実情もあるいは見られます。いろいろとよけいなことをしているという実例もよくございますが、いずれにしましても、地域別の格差もありますし、物価、人件費等いろいろありますので、この際にやはり抜本的に、予算単価の問題で相当明確なものを打ち出して、こまかいところにまで行き渡る一つの数字の規格といいますか、何か間違いのないものを打ち出す手はないもんだろうか。あとで問題になって、ごたごたしながらなしくずしに解決しつつあるというような現状のように思われます。中央、地方関係がこれではどうだろうか。突き詰めていくと、私どもは行政の再配分、財政の再配分という辺まで問題を展開していって、議論をしなければならぬと思っておりますけれども、これは問題が少し大げさ過ぎますので、いま限局いたしまして、単価問題等は、大蔵省は、いまの福田大臣の時代に何か積極的な柱を立てて解決するというほうへいかれることが必要ではないであろうか。特に教育等の公共施設については痛感いたしますので、もっとその辺の問題をなくするという方向へ行かないものだろうか。これは予算執行の上から見まして非常に重要な課題であろうと思います。
  25. 福田赳夫

    福田(赴)国務大臣 超過負担問題というのは、なかなかむずかしい問題でありまして、その責任が国ばかりとも言えないのです。これは地方のほうで一定の水準を越えた施設をして、そしてその結果足を出すというようなケースも間々ありまして、一がいに国の責任でこれを解決すべしという議論は、私は当たらないと思いますが、国の予算の組み方にも相当大きな原因があることは、これはもう否定できない。そこで、そういう問題は消していこうというので、どういう点が一体問題になるかというのを、昭和四十一年度予算の編成につきまして、知事会の意見なんかも伺ったわけであります。そういう出てきた意見に基づきまして、教育施設の単価をはじめ、八項目につきまして修正をいたしたわけであります。大体これで三百三十億円の改善を見るわけでありますが、なおこの考え方は今後も進めていきまして、地方団体との間にいざこざがない、こういう状態にいたしたい、かように考えます。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、そのような中央、地方を通じて財政制度の根本に触れる一つの懸案は、やはり審議会等各方面から意見を出させて解決すべきじゃないか、こう思いますので、実は伺ったわけなんでございます。  それから、私は大蔵省財政経済政策をお立てになる上におきまして、やはり経済企画庁の調査もしくは数字の立て方というものを、もっと専門的に権威のあるものをずっとまとめて、そして経済企画庁は実施官庁的な性格を脱皮いたしまして、もっぱら調査いたしまして、そこでタイアップして大蔵省の長期経済財政計画を、実際に実施計画を立てていく、こういうことを、もっと企画庁との間に相総合いたしまして、そこにお互いの分野から、日本経済財政政策が基本的な方針を立てることが必要ではないであろうか。どうもいまの状況を見てみますると、企画庁の能力というものがほかの実施的な面に相当食われておりますので、いろいろと出ておりますけれども、ほんとうに権威のあるものはどこまで企画庁から出るのであろうかというふうな点が、かなり専門家の間におきましても批判もされますので、やはり企画庁は厳としてあそこで基本的な調査したものがあらわれてくる、そういうふうな方向をひとつ閣議で立てていくということが、大蔵省といたしまして、予算作成の上におきましても非常に重要なことになるのではないであろうかということを、この間、藤山さんともだんだんと論議をいたしましたのですが、福田さんとしましても、そういう点につきまして、どういうふうにお考えになりましょうか。この段階におきまして、いろいろと混雑した状態から脱却いたしまして、そして行政制度あり方を、それぞれの権威ある分担のしかた、総合のしかたというものに踏み切っていかなければいかぬのではないだろうか。ことに重要な点は、いま申し上げた点にある、こう思っております。ことに今度審議会におきましても、長期財政計画等についても論議になるのではないかと思いますが、その辺は官庁のあり方、行政機構のあり方といたしまして、どういうふうにお考えになりましょうか。
  27. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 お話はまことにごもっともであり、私も実はそういう感じを持ちながら、いま藤山さんともよく話し合っておるのです。つまり企画庁はいろいろの仕事をやっておりまするが、国の総合経済企画、これが一番大事な仕事であります。その中心は長期計画の問題であります。その大事な企画庁の仕事が、国の実際の政治また実際の行政と結びつかなければ、これは意味がない。経済企画庁が経済研究所であってはならない。またその作成する経済計画が研究所の論文であってはならない。これはどうしても、政治それから行政の軌道に一体として結びつくものでなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。私も、ただいま吉田さんのお話のような感覚を非常に強く持っているのでありまして、今度、お話のように、経済審議会の人事交代が行なわれるという一つの機会でもあります。また同時に、新長期計画が練られる、そういう際でもありますので、私のそういう考え方を、藤山さんともよく話し合って、進めてみたい、こういう考えであります。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから、福田さんは、何かと一種の方向を創造していきなさるきざしも見えまするので、やはりこの段階で、私は日本の行政のあり方としまして、中央が地方に対する不信、地方が中央に対する過度な依存、これをもう少し分担を厳正に行ない得るという体制を推し進めるべきではないだろうか。これはなかなかむずかしい過去の因縁もございますし、容易なことではないと思いますけれども、しかしこれも財政制度あり方としましても、行政の構造とうらはらの関係におきまして、前進させなければいくまいではないか。それがどれだけむだを少なくするかわかりませんし、また私どもにしましても、やはりお互いが信頼し合うという関係をもっと高めていただく。不信があるならば、どこに原因があるだろうか。どうもやはり相当の不信の念があります。それは財的な質の問題もあるのか知りませんが、そういうことにかかわりませず、均斉のとれた信頼がお互いにされていく関係がほしいと思うのですが、この際やはり基本的姿勢としまして、財政あり方を、やはり審議会等におきましても、中央が地方を信頼する、過度の依頼を地方は中央にしない、お互いに分を守って、しかし厳正に国の予算を執行していく、こういう体制を、信頼を回復することが非常に大事なことで、ロスを少なくするのに大きな一つの盲点がそこにあるのではないか、こう思っておるのですが、これもいろいろな具体的な施策をなさる上にあらわれてくると思いますので、やはり審議会等で十分論議をしていただくという点じゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  29. 福田赳夫

    福田(赳)国務大臣 ごもっともな話なんです。私は中央地方は一体だ、こういう考え方で、とにかくそういう方向に相当前進を見つつある、こういうふうに思いますが、さて技術的にこれをどういうふうにやっていくかということになりますと、なかなかむずかしい問題で、これは吉田さんも御実感を持っておられると思うのですが、たとえば地方の自主性を尊重するというためには、あまり零細な補助金というのは、これはどうかと思うのです。交付税で自主的に地方でやっていく、こういう体制に置きかえられることができるならば、これは相当の前進だろうというふうに思います。ところがいまお話しのように、地方は中央への依存の精神がある。また中央では地方に対して何とかひもをつけておきたいという気持ちもありまして、なかなかこれは解決ができないというようなこともあるわけです。しかしお話の精神はまことにごもっともなんで、いろいろ、どういうふうにしていったらこの道が開かれていくか、研究してみます。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 終わります。
  31. 吉川久衛

  32. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 予備費の中で、二点ばかり質問いたします。  四十年度予備費使用の中で、佐藤総理の沖繩訪問の経費が千百十四万二千円予備費として使用されておるわけでありますが、その中の、総理以下の随行といいますか、その旅行者の内容を見てみますと、田中幹事長、それから麓幹事長秘書、それから原田議員、高瀬議員、こういう形で旅行者の名簿が出されているわけであります。田中幹事長という形で、自民党の幹事長という形で、この随行がされたようになっているわけでありますけれども、これはどういう取り扱いをされておるのですか、その点御答弁願いたいと思います。
  33. 竹下登

    ○竹下(登)政府委員 ただいまの御指摘でございますが、四十年八月十六日に決裁いたしました文書をきょう持ってまいったのでありますが、内閣総理大臣佐藤榮作外三十八名の沖繩出張について、その中で、内閣総理大臣佐藤榮作、沖繩へ出張、用務、沖繩現地事情視察のため、期間八月十九日より同月二十一日までの三日間、次いで内閣官房長官、これは事情を視察する佐藤榮作に同行のため、期間、同じく。次に、文部大臣、厚生大臣、総理府総務長官、それから衆議院議員田中角榮、倉石忠雄、上林山榮吉、高瀬傳、山中貞則、原田憲、伊東隆治、参議院議員古池信三、南方同胞援護会会長大浜信泉、南方同胞援護会事務局長吉田嗣延、田中衆議院議員秘書、麓邦明、沖繩へ出張を依頼する、用務、沖繩の現地事情を視察するため、佐藤内閣総理大臣に、イ、最高顧問として同行のため、ロ、顧問として同行のため、これは倉石以下の国会議員、ハ、特別顧問として同行のため、これは大浜南連の会長、ニ、最高顧員として同行する衆議院議員田中角榮に随行のため、これが麓、ホ、特別顧問として同行する大浜信泉に随行のため、これが吉田、それから以下総理府特別地域連絡局長山野幸吉、ずっと外務省、大蔵省、文部省、厚生省等があります。これはやはり沖繩出張を依頼するという形になっております。  以上が、これは人事課の文書の整理番号の記号でありますが、人閣第八五二号という決裁文書でありますので、私も判こを押しておりますが、内閣が特に依頼をして出張した、こういう発令の手続であろうと思います。
  34. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、この旅行では、田中幹事長という肩書きでなくて、衆議院議員田中角榮ということで、依頼をして出張をした、こういうことになるのですか。
  35. 竹下登

    ○竹下(登)政府委員 そのとおりでございます。
  36. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、沖繩の行ったときの行動というのは、どういうことの行動になるのですか。
  37. 竹下登

    ○竹下(登)政府委員 これは、ここに書いてありますとおり、佐藤内閣総理大臣が、沖繩現地事情視察のために、こちらからの日程に基づいて参ります。その間において、あるいは、琉球政府、またこれは政府ではございませんが、沖繩民主党でございますか、等の諸行事が間へ入っておったことは事実であります。その諸行事に出席いたします際は、当然田中自由民主党幹事長であり、また、大体これは私も人選を記憶いたしておりますが、それぞれ自由民主党における沖繩対策特別委員会の先生方でございますので、また、たまたまそれが原田憲さんの場合は副幹事長であり、また上林山さんの場合は総務会副会長というような資格であるわけであります。
  38. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから昭和三十九年のときも、総理がアメリカに行かれたわけでありますが、そのときの旅行者の名簿を見てみますと、やはり三木幹事長、それから小林幹事長秘書、こういう形で旅行者の名簿が出され、この旅費その他が内閣の負担になって、これもまた予備費から出されておるわけであります。このときも、三木幹事長ということでなくて、衆議院議員三木武夫という形なのですか。
  39. 竹下登

    ○竹下(登)政府委員 そのとおりであります。
  40. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 形式はいまの説明でよくわかりました。しかし出されている資料を見てみますと、幹事長という肩書きで資料が出されておるので、少し疑義があるわけであります。いずれこの問題は、かつてほかの場合にもこういう取り扱いがされているようでありますから、別途検討をすることにいたしまして、質問はこの程度で終っておきます。  それから、次の問題でありますけれども予備費のもう一つの、四十年度の中で、大蔵省所管の中で、国立国際会館設備整備に必要な経費ということで二億七千九百十七万八千円というものが出されておるわけでありますが、この中身を見てみますと、どうも予備費で支出すべきものかどうかという点についていささか疑問があるわけでありまして、これは当然経常費の中で行なわれるべきではないだろうか、こう思うわけでありますが、予備費で出さなければならない理由について、少し御説明願いたいと存じます。
  41. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 この京都の国際会議場におきますいろいろな設備等につきまして、予備費支出をいたしたわけでございますが、これにつきましては、国立国際会館の管理がどういうふうなかっこうになるかということが、予算編成のときには明らかになっておらなかったのでございますが、その後、この予算編成後の四十年の三月末に至りまして、ようやく地元の京都市との間に、管理の運営につきまして合意が成り立ちまして、京都市に委託をして運営をしてもらうという方針が、そのときにきまったのでございます。そういうことになりましたので、四十年の六月十二日に、国有の会議場施設の管理の委託等に関する特別措置法というものが成立いたしたわけでございまして、その法律に基づきまして、京都市に管理を委託するということになったのでございます。また、その会館の施設工事自体は当初は四十年度の末ごろにはほぼ完成に近くなるということでありましたが、備品の整備につきましては、四十一年度予算で措置をすれば十分であるという見込みでありましたところ、工事の進捗がはかられまして、当初の予定よりも早目に完成の見込みとなったのでございます。これらの事情によりまして、四十一年度の早々に開館すべきだというような方針が立てられまして、四十年度中に早急に必要な備品類の整備をはからなければならぬ、こういう事情に立ち至りまして、予備費を支出するということになった次第でございます。
  42. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そういう説明がなされておるわけでありますけれども、どうも大蔵省は、自分のところですから、簡単に予備費が出るので、これは予備費でやってしまったという気がしてしようがないわけです。これ以上質問しても、結局いまの説明の程度で、見解の相違だといえばそうなるかもしれませんが、どうもやはり予備費で支出すべきものかどうかということについて疑義が残るわけであります。言うまでもなく、予備費の取り扱いについては十分お考えになっていると思いますので、一応この程度にしておきますけれども、やはりこれは経常費で支出すべきものでないだろうか。四十一年の四月に開設されるという見通しがはっきりしておるならば、事前にやはり予算に盛っておくべきものじゃないだろうかというように思います。  一応この程度にいたしておきます。
  43. 吉川久衛

  44. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 さっきの予備費について、予備費使用調書の百九十四ページ、港湾事業調整に必要な経費について、御説明を伺いたいと思います。
  45. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 ただいまの、百九十四ページの、運輸省所管港湾整備特別会計予備費使用調書でございますが、これは、新産業都市建設促進法に基づきまして、指定地域の他の事業が非常に進んだということから、たとえば、この場合には海岸等の事業が非常に進捗いたしまして、それと調整をはかるために、港湾の工事が必要になったということで、予備費を支出いたしておるのでございます。これは一般会計予備費ではございませんで、特別会計調整のための予備費支出になっておりますが、その事業の内容につきましては、港湾局長が見えましたので……。
  46. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いつの閣議でありましたか、私はちょっといま記憶しておらぬのですが、いつかの閣議で、予備費は翌年度にわたって使用できないという閣議決定があったと思うのです。財政法の二十四条には、そういう規定がないようでありますが、この点はどのような扱いにしておるか、検査院が見えておりましたら、ちょっと御説明願っておきたいと思います。
  47. 斉藤実

    ○斉藤会計検査院説明員 特別にそのような規定はございませんので、二十四条の規定の趣旨に従ってやってよろしいのではないかと考えております。
  48. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の伺うのは、いつかの閣議決定で、予備費は翌年度までまたがって使用できないという趣旨に、閣議決定をしたと思いますが、自来、その方針がずっと予備費使用については踏襲をされてきたと思います。その点いかがかと聞いたのですけれども、ずばっとお答えできませんかな。そういう閣議決定があったのかどうか、そのように扱っておるかどうか、この点いかがでしょう、大蔵省
  49. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 予備費が翌年度にわたって支出されることはいけないというような閣議決定は、私ども存じておらないのでありますが、ただ制度が、やはり当該年度に緊急に支出するということでございますから、主として後年度に支出されるものを予備費から支出することは、一般的にはあまり適当でないかと思います。しかし債務負担ということを考えますと、どうしても予備費でこの債務負担行為権限をとりまして、支払いが翌年度にわたるということは、当然随伴してまいるので、そういうことができないということになりますと、予算の執行が非常にむずかしくなるかと思うのでございます。でございますから、私どもそういった閣議決定はないものと思っておりますが、なおよく調べて……。
  50. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 斉藤第一局長に伺いたいのですが、いまちょっと資料を持っておりませんが、小峰院長の出した「財政法会計法講義」ですね、あの講義に、その閣議決定は引用されておったと私は記憶しておるのですが、御記憶ありませんか。
  51. 斉藤実

    ○斉藤会計検査院説明員 いまちょっと覚えておりませんが……。
  52. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 覚えていなければいいですが、この予備費趣旨は、「予見し難い予算の不足に充てるため、」ということになっておりますので、翌年度にまたがって使用するということは、予算の執行上支障を来たすというのとは、予備費趣旨精神、目的から見まして、やはりそこは調整をして、財政法趣旨に従っていく場合、翌年度にまたがらないことが、その趣旨どおりになるのじゃないか、こう思うですが、これは実情は、そうすると、翌年度にまたがろうとどうしようと、使っていくということになる。そうしますと、それでもなお、予見しがたい経費を必要によって出す、そういうふうに規定していいのでしょうか。ここに予備費の秩序が乱れていくことになりはしないでしょうか、これはいかがなものでございましょう。予備費というものは、もっと不可欠のもの、これはやはり国会の予算審議権の尊重ということが基本的になっておりますので、予算の審議を経ないで、国会の承認を経ないで、たとえば今年度も六百何十億円でしたか、取っておきの予備費をどんどん閣議で使っていくということは、やはり国会審議権の例外規定でありますから、そこで、予備費というものは厳に戒めてあると思いますので、翌年度にわたってまでだらだらと予備費を使っていくのであると、この趣旨に反すると思うのですが、この点はいかがでしょう。
  53. 斉藤実

    ○斉藤会計検査院説明員 ただいま先生のおっしゃったとおりだと思います。しかし、財政法三十五条で使用決定いたしますと、三十一条の予算の配賦があったということになりますので、やはり予算の配賦があっても、またいろいろの事故も発生いたすわけでございますから、そういった特別の事故があった場合には、やむを得ないこととして、原則としては繰り越しはもちろんできませんが、先ほど鳩山次長のおっしゃったように、繰り越さなければならない事態も発生するかと思います。
  54. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 前提の閣議決定が明らかにならず、また、いまの二十四条の趣旨精神が明確に回答が出てこないということになると、この次の調書港湾事業整備の必要経費質疑の焦点がぼけちまうのですが、港湾事業というものは予備費として適当かどうかということに若干疑問を持ちますので、実は伺ってみることにしたのでございます。やはりこれは予見しがたい事業経費に該当するのだろうかというふうに、これは私自身としまして、具体的な内容の研究が不十分でありまして、ただあらわれました数行の説明によって申し上げておるので、十分調査いたしておりませんが、新産業都市建設促進法に基づいて港湾整備事業をやる、その諸経費三億余万円を予備費で出すという、予備費というのはどういうふうに使っているのであろうか、公共事業でどんどんと予備費が出てしまうのじゃないだろうか、これから、こういうふうな感じさえ実は受けるのです。それで疑問にした次第でありますが、これは解明されましたならば、あるいは何でもないことかわかりません。突然にこんな問題を持ち出して、これはたいへん御迷惑と思いますのですけれども、もしなにでしたら、後日明らかにしていただいたらけっこうでございます。
  55. 佐藤肇

    ○佐藤(肇)政府委員 ただいま御指摘がございました三十九年度予備費使用でございますが、これは新産都市以前から、たとえば四国でございますとか、東北でございますとか、そういう特別な地域開発の事業がございます。こういうものにつきましては、各省がやる事業の中に、進みおくれというものがございますために、それを調整する調整費といたしまして、一定の予算を、あらかじめ予備的経費として、経済企画庁の予算に盛ってあるわけでございます。  ご指摘がございました港湾について申し上げますと、一つは小名浜港の防波堤を、この予備費で延ばしたわけでございますが、これは新産都市の常磐・郡山地区に該当しておりまして、工場の進出が早められて、臨海工業地帯のほうが先に進み過ぎた、そしてそれを保護するために必要な防波堤を延ばすということで、この予備費をいただいた、こういうことでございます。もう一つ例をあげますと、小松島港というのが徳島県にございます。これは新産都市の徳島地区でございます。この場合は、都市計画に基づく事業との調整のために促進した、こういうことになっておるわけでございまして、従来から、この種の予備費というのは、調整費として、一定の目的のためにあらかじめ経済企画庁の予算に盛られておるものでございます。
  56. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、これは経済企画庁の調整費として、一般会計にもうすでに繰り入れてある経費ですか、そうなんですか。
  57. 佐藤肇

    ○佐藤(肇)政府委員 経済企画庁の予算の内容は、いま申し上げましたように明らかでございませんが、そういう地域開発の事業の促進のアンバランスを調整する費用として、盛っておるものでございまして、それを、具体的事例が起きたときに、港湾であれば、運輸省に移しがえをして使用する、こういうことになっておるわけでございます。
  58. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、運輸省に移しがえいたしましたものは、これは予備費なんですか、予備費というのは、そういうものじゃないのじゃないですか。
  59. 佐藤肇

    ○佐藤(肇)政府委員 私ども事業特別会計でやっておりまして、特別会計の場合には、予備費として使用させていただくわけでございます。
  60. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 企画庁の調整費は、企画庁予算といたしまして、すでに一般会計で、国会で議決した経費でございますね。そこで、たとえば四十一年の予備費は六百五十億円、四十年が四百五十億円ということになっておりますが、これは何ら使用目的を明らかにしてないので、もっぱら財政法によって、「予見し難い予算の不足に充てる」ものとして計上されておるものであります。調整費というのはそうじゃなしに、もうすでに具体的な目的に使うということが残されて、予備費とは区別する。国会の審議を経た、可決した経費、それとこれとは違うのじゃないですか。その点どうなんですか。
  61. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 港湾の場合には、港湾整備特別会計予備費使用調書でございまして、一般会計予備費を使った調書ではないのでございます。ただ一般会計予備費使用調書とともに、各特別会計予備費を持っておりまして、その予備費を使いました場合には、この使用調書につきましては、一般会計に準じて、全部御承認をいただくことにしておるものでございますから、この一冊にとじて出ておるわけでございます。しかし、内容は、この一般会計予備費特別会計予備費とは、相当性格の違うものでございます。この場合は、一般会計ですでに調整費として御承認をいただいた項目でございますが、それがこの特別会計のほうに財源が移しかえになりますが、特別会計のほうとしては、それを受け入れて支出する項目につきましては、この予備費を使った形になっておるということになっております。この実際的な意味は、一般会計の支出内容と特別会計の支出内容と、相当各特別会計によって違っておりますので、同じ予備費使用調書を一本で出しましても、特別会計一般会計とは、中身は性質的には相当な違いがございます。
  62. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 わからぬ。私の不勉強でわからぬのかもしれません。企画庁の調整費として予算の議決をした経費は、他の省に移しがえをして使用すれば、それはそれなりでいいのじゃないか。たとえば総理府に予算を組んで、それを北海道開発庁に使わしている、あるいは企画庁で予算を組んで、離島振興対策については農林省に移しがえしていくというように、それぞれ、運輸省に移しがえをすれば移しがえしていいのではないか、こういうふうに思いますが、その点はどうもいまの御説明では明らかにならぬ。つまり一般会計調整費として予算を可決せられ、それを特別会計に移しがえをして、それで予備費になった。予備費でまた国会の承認を経なければいかぬ。何をしているのだろうという感じです。どうなんですか。
  63. 佐藤肇

    ○佐藤(肇)政府委員 港湾の整備事業は、港湾整備特別措置法というのがございまして、特別会計によって行なっておるわけでございます。したがいまして、特別会計の中の費目には、予備費というのをあらかじめ設けておきまして、これは予算が確定後に、ただいま申し上げましたように、調整費から入ってくるようなものをその費目に入れて使う、こういう特別会計制度になっておるものでございますから、予備費という名前になっておるわけでございます。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、その特別会計においては、その限りにおいては予見しがたい経費であったので、それで予備費扱いにしておる。しかし、もともと調整費としてこれは国会の審議は済んだものである、そういうことなんですか。
  65. 佐藤肇

    ○佐藤(肇)政府委員 ただいまおっしゃられたとおりでございます。
  66. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、その経費は、やはり特別会計の限りでは、予見しがたい経費に限定をするわけですか、これはどうなんですか。
  67. 佐藤肇

    ○佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。
  68. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 港湾事業調整に必要な経費が、何か予見しがたい経費と、これも平仄が合わぬような感じがどうもいたしますが、これはどうなんでしょうか当然、いまの防波堤建設ですかあるいは増築ですか、そういったものは予見しがたいという概念に入らぬのではないか。予見しがたい概念に入らぬものならば、予備費として最終処理をなさることは適当にあらず、こういうふうに考えるのです。ここは、予算会計の結末といたしまして、何か筋がゆがめられているように感じるのですが、いかがですか。この点、検査院はどういうお考えですか。
  69. 斉藤実

    ○斉藤会計検査院説明員 従来は、いま港湾局長から御説明があったような考え方で、私たちもやってまいりました。
  70. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 従来はそうだということでは、何か検査院の独自のお考えを伺うについて、適当な御答弁でないと思います。従来がどうであるにかかわらず、もしそれが適当にあらずとするならば、適当にあらずということの御判断があってしかるべきだと私は思うのです。すでに調整費として国会で可決した経費であるから、調整費として使ったのであるならば、それはそれでいいじゃないか。あらためてここで、予備費としての一切の手続を踏んでいく必要はないのじゃないか、こう思うので、検査院に伺ったのです。  これは、これ以上問答してもしかたがないと思いますが、やはり一つの疑問があると思うのです。やはり予備費予備費といたしまして、予備費趣旨を厳に守ってこれを使っていくようにしなければ、また予備費にあらざる一般会計経費を最終的に使って、それを予備費として処理するということは、これはまたそれこれ混淆するのじゃないかと思いますので、疑問を持ちますから、この辺は将来疑問のないようにぜひしてもらわなければならぬと思います。これは大臣にかわって、ひとつ次官から説明してください。大蔵省として説明してもらいたい。
  71. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 予備費使用につきまして、財政法には、予見しがたい支出に充てるということになっておりますから、港湾整備特別会計法におきまして、予備費使用につきまして若干の規定はございますが、それ以外の規定は、財政法の規定が適用になるわけでございます。したがいまして、その予備費使用につきまして、十五条の特別規定がございますが、いずれにしても、予備費の支出というものは当初の計画外のものだということにつきましては、御説のとおりだと思います。この支出自体が予見しがたいという場合の問題につきましては、これは一般的にある特定の工事をするということは、一つの計画に基づいてやる問題でございますが、しかし各省各省で現実に工事をやっていきまして、その間に相当な出入りが起き、しかもこれを調整する必要があるという場合に、経済企画庁に調整費を設けたのでございますが、実際の支出につきましては、一般会計ではそのワク内で移しかえをして使っておるということで、御承認をいただいておるのでございます。特別会計におきましては、ただいま港湾局長から御説明申しましたとおり、港湾整備の特別会計法に基づいて事業をやっておりますので、これを一般会計調整工事を行なえれば、予備費支出というここの問題に乗らなくて、また御審議をわずらわすことはなかったのでございますが、特別会計にその財源を入れまして、特別会計で支出の整理をして、本来の港湾工事と合体して整理をしておりますもので、その事業予備費支出という形をとったのでございますが、この工事自体としては、予備費支出でございますから、予見しがたいものであったといわざるを得ないわけでございます。で、予見し得たか予見し得ないかという問題は、これは非常に厳格に解する場合と、政策的な実際の必要性、社会生活上あるいはいろいろな政府としての施策をやっていく場合の心要性、というものも考えまして、それが必要になった、予見し得たかどうかということは、われわれ解釈としては、予算編成後に生じた事由に基づいて必要になった、これは補正予算のときの条項がそう書いてあるわけでありますが、予備費の場合は、御承知のように、予見し得たかどうかという主観的なことから書いてございます。支出の面から見れば、この調整が必要になったということは、年度当初の計画には、予算編成時の計画には、当該工事は必要がなかった、ところが予算編成後にその当該工事が必要になったということで、それは予見しがたい必要に基づいて、その当該工事は必要性が生じたということで、財政法の規定に違反はしていないというふうに、私ども考えます。
  72. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一つは、国会の予算審議権の尊重、それから、言うならばとっておきの金ですから、これを内閣が、事後起こった事由で自由に使い得るということは、これは予算制度の秩序を保つ上においては適当にあらず、それからいまおっしゃったような趣旨をもしそのままずっと拡張解釈していきましたならば、これは財政法の乱用になります。あれこれと考えてみましたときに、予備費につきましては、もっと根本的に検討をせられる必要があるのじゃないか。いまの御説明によりましても、決して釈然といたしません。十分御検討せられんことを希望しておきます。私はこれで終わります。
  73. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 先ほど、当該年度内に支出の見込みのないものについて予備費を出すのはおかしい、というお話がございました。それにつきまして、河野一之さんの書いた本には、年度内に実際全然支出がないものにつきまして予備費を出すというのはおかしいのじゃないだろうか、これは年度の独立の原則というようなものから見て、年度区分として適当でないというような説が書いてございます。しかし、実際一つ仕事をやりまして、その支払いの時期というものは、三月三十一日に一切終わるかといいますと、これはどうしても整理期間に及ぶものが相当ございますし、また整理期間過ぎても、支払いが、事実上相手方の業者の——政府以外の事情によりまして、支払いが延びるということが当然ございますので、これは、繰り越しは実際認めるべきでないというのは極端かと思うのでありますが、全部が翌年度の支払いになるというものは、予備費をその前の年に出すのはおかしいのじゃないかというようなことは、河野さんの本には書いてございますので、御参考のために……。
  74. 吉川久衛

    吉川委員長 これにて昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外十二件に対する質疑は終局いたしました。
  75. 吉川久衛

    吉川委員長 次に、討論に入るのが順序でありますが、通告がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書昭和三十九年度特別会計予備費使用調書昭和三十九年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書昭和三十九年度特別会計予算総則第十六条に基づく使用調書、以上九件について採決いたします。  各件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  76. 吉川久衛

    吉川委員長 起立総員。よって、各件は承諾を与うべきものと決しました。  次に、昭和三十九年度一般会計予備費使用調書について採決いたします。  本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  77. 吉川久衛

    吉川委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与うべきものと決しました。  昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その一)、昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その一)、昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その一)、以上三件について採決いたします。  各件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  78. 吉川久衛

    吉川委員長 起立総員。よって、各件は承諾を与うべきものと決しました。  なお、ただいま承諾を与えるべきものと決しました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。      ————◇—————
  80. 吉川久衛

    吉川委員長 昭和三十九年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、総理府所管中、防衛庁決算について審査を行ないます。  まず、防衛庁長官より、概要説明を求めます。松町防衛庁長官。
  81. 松野頼三

    ○松野国務大臣 昭和三十九年度における防衛庁関係歳出の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十九年度防衛木庁の経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は、二千六百十二億五千九百十三万二千円でありまして、これに昭和三十九年九月以降政府職員の給与を改善するための予算補正追加額七十八億一千二百四十一万二千円及び高空における放射能塵の研究等のため科学技術庁から移しがえを受けた額六百六十八万二千円、代替庁舎の取得のため大蔵省から移しがえを受けた額三億五千七百九十七万二千円、オリンピック東京大会実施準備並びに南極地域観測再開準備のため文部省から移しがえを受けた額八億五千六百五十八万円、前年度からの繰り越し額五十四億一千四百六十四万一千百三十六円を加え、既定予算の節約による予算補正減少額二十一億七百四十万七千円を差し引きますと、歳出予算現額は二千七百三十六億一万二千百三十六円となります。  この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は二千六百七十一億七千六百八十二万六百三十六円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと六十四億二千三百十九万一千五百円の差額を生じます。この差額は、繰り越し額と不用額でありまして、繰り越し額は四十九億六千六百九万三千八百四十五円、不用額は十四億五千七百九万七千六百五十五円であります。  昭和三十九年度予算の執行につきましては、昭和三十六年七月に国防会議決定された第二次防衛力整備計画の第三年度として、昭和三十八年度に引き続き、この計画に準拠して、実質的な防衛力の整備向上をはかることを主眼といたしました。  そのおもなものは次のとおりであります。陸上自衛隊につきましては、ホーク一個大隊の編成を完結し、また駐とん地業務隊等の改編により、中部方面通信隊を改編し、野外における通信能力の充実をはかる等、支援能力の強化及び合理化をはかりましたほか、前年度に引き続き、装備品の計画的更新により、装備の近代化と充実改善をはかりました。  また、昭和三十八年度に臨時に編成されました東京オリンピック支援集団の廃止作業は、オリンピック終了後の昭和三十九年十月十九日から逐次実施し、同年十一月二十日集団司令部の廃止をもって完結いたしました。  航空機につきましては、連絡用ヘリコプター五機、偵察、連絡、輸送用ヘリコプター八機を購入いたしました。  海上自衛隊につきましては、昭和三十五年度に着工しました護衛艦「あまつかぜ」の就航により、これを第一護衛隊群へ編入し、また、昭和三十六年度に着工しました潜水艦「おおしお」の就航により第二潜水隊を新編し、第一、第二潜水隊及び潜水艦関係陸上部隊を改編いたしまして第一潜水隊群を新たに編成し、自衛艦隊の編成に加えましたほか、甲型警備艦一隻、甲II型警備艦一隻、潜水艦一隻、甲型駆潜艇一隻、中型掃海艇二隻、支援船六隻、計十二隻、八千七百三十一トンの建造に着手しました。航空機につきましては、練習機三機、及び対潜攻撃用ヘリコプター四機を購入いたしました。  航空自衛隊につきましては、昭和三十八年度に防衛二法案が不成立となりましたため、昭和三十九年度に持ち越されましたF104飛行隊二個隊及び第八十一航空隊の編成をいたしましたほか、昭和三十九年度F104戦闘機が配備されましたことにより、新たに二個飛行隊を編成し、第五航空団、第六航空団にそれぞれ配置するとともに、F104飛行部隊の編成に関連いたしまして、F86飛行隊二個隊をもって第八航空団を、F86飛行隊一個隊をもって第八十二航空隊を、それぞれ新編いたしました。  また、既存部隊の改編によりまして、第一次ナイキ大隊及び同支援隊を編成するとともに、第二次ナイキ部隊建設のための諸準備を推進するほか、自動警戒管制組織に関連する諸施策の推進をはかりました。航空機につきましては、昭和三十五年度に契約いたしましたF104J百八十機、F104DJ二十機、計二百機の生産を完結いたしました。このほか、新たに輸送機二機及び救難用ヘリコプター二機を購入いたしました。  また、定員につきましては、昭和三十八年度に防衛二法案が不成立となりましたため、昭和三十九年度に持ち越されました自衛官千二百五十八人、自衛官以外の職員五百五十七人、計千八百十五人及び昭和三十九年度に新たに増員されました自衛官九百十三人、自衛官以外の職員二百四人、計千百十七人、合計、自衛官二千七十一人、自衛官以外の職員七百六十一人を増員いたしました結果、昭和三十九年度末防衛本庁の定員は二十七万三千百二十三人となります。  繰り越し額四十九億六千六百九万三千八百四十五円のうちおもなものは、器材費等九億九千二百三十九万三千円、研究開発費一億四千五百二十八万円、航空機購入費一億五千九百六十五万九千円、航空機騒音対策費四億七千三百四十四万九千円、施設整備費十四億九千二十万七千円、艦船建造費十三億三百五十五万四千円、庁舎等特別取得費三億五千七百九十七万二千円などでありますが、この繰り越しを生じました理由の概要を申し上げますと、器材費等及び航空機購入費につきましては、有償供与、一般輸入にかかる調達品について引き渡しがおくれたこと、または輸送、輸入手続等にやむを得ない日数を要したこと等のために、納入が遅延したこと等に基づくものであり、研究開発費につきましては、試作品の製造途中製造会社が台風による災害を受けたため工程が遅延したこと等、試作品の製造に不測の日数を要したことに基づくものであります。  航空機騒音対策費につきましては、用地の選定及び設計の作成等に不測の日数を要したこと等に基づくものであり、施設整備費、庁舎等特別取得費につきましては、用地の取得に際し所有者の納得を得ることが困難であり、補償の折衝に意外の日数を要したこと等により工事が遅延したことに基づくものであり、また、艦船建造費につきましては、要求性能の決定及び設計に長期の日数を要したこと等に基づくものであります。  また、不用額十四億五千七百九万七千六百五十五円のおもなものは、航空機修理用部品の購入価格が予定価格より低かったこと、油の値下がりにより油購入費を要することが少なかったこと、昭和三十五年度に契約をしたF104J、DJ二百機の生産が完結し、精算の結果、予定価格を下回ったこと、航空機騒音対策費を要することが少なかったこと、及び土地の購入費等が当初の予定額を下回ったこと等によるものであります。  次に昭和三十九年度防衛施設庁の経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は百三十三億九千九十六万円でありまして、これに昭和三十九年九月以降政府職員の給与を改善するための予算補正追加額二億四百三十六万九千円、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正により、大蔵省が所掌しておりました合衆国軍事援助顧問団交付金に関する業務を、昭和三十九年十二月二十八日より防衛施設庁が所掌することになったため、大蔵省から移しかえを受けた額四億一千五百四十万円、駐留米軍の航空機墜落事故が相次いで発生し、人身及び家屋等に損害を与え、その損害賠償を行なうため既定予算に不足を生じ、予備費使用した額三千五百六万四千円、また、昭和三十九年一月以降、駐留軍労務者の離職者に支払う特別給付金の増額、及び駐留軍の縮小等により駐留軍労務者の大量解雇が行なわれたことのため、既定の予算に不足を生じ予備費使用した額九千三百万円、前年度からの繰り越し額六億三千七十七万五千三百七十八円を加え、既定予算の節約による予算補正減少額二億二千四百四十八万円、提供施設周辺土地等改修事業等に要する経費として移しかえをした額、農林省所管農林本省へ七億六千五百四十八万円、建設省所管建設本省へ二億二千二百七十八万六千円を差し引きますと、歳出予算現額は百三十五億五千六百八十二万二千三百七十八円となります。  この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は、百二十六億四千五百五十万七千八百七十円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと、九億一千百三十一万四千五百八円の差額を生じます。この差額は繰り越し額と不用額でありまして、繰り越し額は七億九千九十一万五千百六円、不用額は一億二千三十九万九千四百二円であります。  翌年度繰り越し額七億九千九十一万五千百六円のおもなものは、施設提供等諸費でありますが、これは補助金工事等において、アメリカ合衆国軍の事情または気象、用地の関係、資材の入手難等により工事等が遅延したことによるものであります。  不用額一億二千三十九万九千四百二円のおもなものは、施設提供等諸費でありますが、これは補助金の精算の結果によるもの、また、建物移転の補償において相手方と協議がととのわなかったもの等によるものであります。  予算の執行につきましては、国民一般から多大の関心を寄せられておりますので、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また、綱紀の粛正にも留意し、国民の信頼にこたえるよう努力してまいったところでありますが、会計検査院の昭和三十九年度決算検査報告におきまして、不当事項として指摘を受けたものが、防衛本庁二件防衛施設庁三件、計五件ありましたことは、まことに遺憾に存ずる次第であります。  指摘事項の内訳は、物件二件、補助金三件についてでありますが、これにつきましては、よく部内に徹底させ、将来再びこのような過誤を繰り返すことのないよう、万全の措置を講ずるとともに、改善または検討を要するものにつきましては、すみやかに改善検討のための諸施策を推進する考えであります。  また、繰り越し額が五十七億円になったことにつきましては、前に述べましたような特殊事情があったとはいえ、まことに遺憾に存ずる次第でありますが、今後は予算年度内消化につきまして、格段の努力をいたす所存でございます。  以上をもちまして説明を終わります。何とぞ、よろしく御審議のほど、お願いいたします。
  82. 吉川久衛

    吉川委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。樺山会計検査院第二局長
  83. 樺山ただ夫

    ○樺山会計検査院説明員 検査報告に不当事項として掲げましたのは、物件二件、補助金三件、計五件でありますが、まず一号は、陸上自衛隊の武器補給処で戦車の部品を購入するにあたりまして、米国の輸出業者の見積もり価格とか他の購入事例をよく調査しないで購入したため、著しく同価となっていたという事案でございます。次、二号は、航空自衛隊で使用するブルドーザーの部品は、輸入品を指定して購入いたしておりますが、陸上自衛隊では、性能は同じで価格の安い国産品を使用しているのでありますから、航空自衛隊でも国産品を購入して、経費の節約をはかるべきであるという事案でございます。  次に補助金の三件は、防音工事として補助した学校の鉄筋改築工事でございますが、工事の施行が著しく不良で補助の目的を達していなかったり、施行が設計と違っていたものでございますが、これにつきましては、本院の注意により、いずれも直し済みとなっております。  以上の不当事項のほかに、自衛隊レーダーサイトなどで使用する電気需給契約につきまして、契約の種別を改めて、経費の節減を行なうよう改善の意見を表示したものが一件ございますが、その内容は検査報告の一一二ページ以下に記述してございます。  以上、簡単でございますが、御説明を終わります。
  84. 吉川久衛

    吉川委員長 これにて説明聴取を終わります。  質疑は後日に行なうこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時九分散会