○栗原
委員 河川について河川
行政監察をやってくれるということは、非常に機宜を得た、いいことだと思うわけです。実は、河川に関連しまして、河川の
実態は、河川敷というものを
中心にして河川があり、これに水利というような問題でいろいろ
意見がある、こういう点なんですが、私、河川に関連する土地の所有権の問題に関連して、いろいろと問題があることを扱ってきたわけです。そして、主管省である建設省、それからいまひとつは、河川付近に、
経済企画庁が国土
調査法による国土
調査をやっておって、しかも、登記法上の登記面には存在するけれ
ども、具体的に区画が明らかでない、こういうところを、公図における白地図地帯というものを設定して、登記簿を閉鎖しているわけです。ですから、所有権はあるけれ
ども、所有権が完全に所有権として登記されないというような状況になっておる、こういうような問題を、
行政の一環としてこのままでいいのだろうかということを
考えるわけです。特に河川の敷地については、四月一日から、河川法によって私有権を排除した土地は国有になる、こういうことになっておるわけなんですが、その地域がきわめて不明確なところがたくさんあるわけなんです。建設省といろいろ詰めていきますと、わからぬけれ
どもこれでいいのだと、なかなか我を折らぬわけですね。じゃあどこだと言っても、どこだかはわからぬけれ
ども、これでがんばるのだ、こういうことを言っておるわけです。
経済企画庁のほうは
経済企画庁のほうで、登記面によって存在するものを対象に国土
調査をやった。しかし現地に当たってみると、区画が明らかでない。区画が明らかでないものは、公図には区画が入れられない。したがって、公図は白地図になる、こういう形になって、登記簿を閉鎖しておる。一体、この所有権というものは、登記簿が閉鎖になっておりますから、完全な売買の対象にはならない。こういうような形にほうり出されておるわけです。私の建設的な
意見と、みずから言うと、少し口幅ったいかもしれませんが、こういうところは、実際は国が買い上げるなりして——区画がわからない、公図の上では白地図になっておるところは、国が買い上げて、河川敷に編入すべきだと思っておるのですが、なかなかそういうこともしない。特に今度の新河川法は、河川区域を指定しても、旧河川法のように私権を排除することなしに、私権はそのまま残るという
法律になったのですから、白地図であって、
相当河川地域に編入しても、買収しない限りは、白地図であっても、
民間の所有権というものは残っている、こういうような姿がある。こういうものは、やはりもっと国が総合的に国土
調査をすることはけっこうだが、買い上げもしない、個人の所有権があるにはあるが、どこかわからないというような、そういう中間的な投げ出し方をせずに、国が買い上げるか、あるいは区画をあらためてはかり直してやるか、あるいはもっと大きな区画できめて、その地域を旧持ち分による共有地に振りかえていくか、何らかの方法で、やはり所有権というものを完全なものにしてやらないと、国土
調査の結果、所有権が宙ぶらりんのかっこうでここに浮かび上がってしまったというような
関係があるわけです。こういうような
関係と河川区域との
関係がまた重なって、
民間所有権の区画が明らかでないようだから、また河川区域も明らかでない。こういうような形が二重になってくる、こういうことであります。特に河川区域の認定等については、これから
行政監察をやっていかれるといろいろとわかると思いますけれ
ども、
行政処分の万全が期せられていない。言うなれば瑕疵のある
行政処分の、河川区域の認定である。こういう中で、どうしても、河川区域の認定はしたけれ
ども、ここだということが明らかにできない河川区域認定という
行政処分をしたところが、かなり数多くあるわけです。したがって、こういうことですから、当時の河川法で要求した、河川区域になったところは直ちに、不動産登記法によって、嘱託抹消登記をしろということが要請されておるにもかかわらず、嘱託抹消登記もできないまま今日にきておる。こういう
行政がそのままでいいのか。具体的には、建設省と詰めていくと、裁判でやってもらうよりしかたがない、こういうことになってくるわけですけれ
ども、それでは、
行政としてはあまり味がなさ過ぎるのではないか。もちろんお役所に間違いがあってはならないけれ
ども、人間がやることだから間違いもあり得る。あってはならないけれ
ども、あり得る。したがって、間違いがあったということが確認されたら、率直に間違いだったと改むべきではないか、こういうことを強くすすめ、要請するのですけれ
ども、やった仕事でありますから、なかなか間違ったとは言いにくい。それじゃやれるかというと、やれない、こういう姿で、明文で国有になったといいながら、国有になれない。国有になるところが明らかでないから、国有になったところに対する救済規定があるのだけれ
ども、どこが国有になったかわからないから、今度は救済規定を旧所有者が主張しようとしても、主張する根拠が出てこない。こういうような、全くばかばかしい
実態があるわけです。したがいまして、せっかく河川管理
行政というものを
監察を始めたのですから、こういう点等について、ひとつ十分行き届いた
監察を行なって、間違いは間違い、こういうことを、
行政上の誤りが明らかに出ておるならば、わざわざ裁判にいって所有権確認の訴えなんかをやらせる必要はないと思うのです。やはり
行政の誤りは誤りとして取り消して、そして河川管理を完全にできる方法があるわけです。私は常に言うのですが、所有権を奪った、これも
相当問題があるのですが、所有権が目的ではなくて、河川管理が目的なんですから、河川管理の万全の策がとられるならば、所有権についてはあまりこだわる必要はない。したがって、誤った
行政処分については、多く固執すればこういうことを言うのですが、ここらあたりについても、もちろんどこがそういう
事態になっておるかということについて、資料もございます。六百六十河川区域を認定した中に、民地があるのが二百十ある。そして二百十の中で、民地を
行政処分によって所有権を奪っているわけです。その所有権を奪った
行政行為が完全でないために、今日までどこだということがわからずにおる。こういうことでは非常に困るので、ひとつこれらについても十分
調査して、しかるべく
方向を出していただきたいということを特にお願いいたしまして、一応所見だけ伺って、私の
質問を終わりたいと思います。