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1966-03-31 第51回国会 衆議院 決算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月三十一日(木曜日)    午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 堀川 恭平君 理事 勝澤 芳雄君    理事 田原 春次君 理事 山田 長司君       神近 市子君    栗原 俊夫君       華山 親義君    吉田 賢一君  出席政府委員         農林政務次官  仮谷 忠男君         農林事務官         (大臣官房経理         課長)     三浦 善郎君         農林事務官         (農政局長)  和田 正明君         食糧庁長官   武田 誠三君  委員外出席者         会計検査院事務         官         (第四局長)  小熊 秀次君         会計検査院事務         官         (第五局長)  保川  遜君         日本国有鉄道理         事       豊原廉次郎君         農林漁業金融公         庫総裁     清井  正君         参  考  人         (国際観光会館         社長)     小川 栄一君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 三月三十日  委員森本靖辞任につき、その補欠として片島  港君が議長指名委員に選任された。 同日  委員片島港君辞任につき、その補欠として森本  靖君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十九年度政府関係機関決算書  昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (農林省所管農林省関係政府関係機関関係)  政府関係機関経理に関する件(日本国有鉄  道)      ————◇—————
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  政府関係機関経理に関する件について調査を行ないます。  本日は、参考人として、国際観光会館社長小川栄一君の御出席を願っております。  参考人には、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。つきましては、本委員会調査に、忌憚のない御意見をお述べいただきますよう、お願いいたします。  まず最初に、国際観光会館問題について、参考人及び日本国有鉄道当局より、経過概要について説明を聴取し、続いて、委員よりの質疑を行ないたいと存じますので、御了承願います。  なお、御発言をなさる場合は、委員長許可を得て行なっていただきますよう、お願いいたします。
  3. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちょっと議事進行について。  以前から、羽田空港の問題について資料要求をお願いし、きょう少し出たようなふうですが、これがみんな出そろうなんということになったら、なかなかこれは半年も一年も、いまの様子では、かかりそうだから、局長及びその他の人を呼び出していただいて、そして資料の件について質疑をしながら、資料を出してもらいつつ、やっていくというような方法にお取り計らい願わないと、これはもうただ資料要求で済んでしまうような傾向にございますから、それについて、航空局長も、もうそろそろひまになったふうですから、いつごろ呼び出してもらって、質疑をしながら資料要求をするようなことにしていただけるか、ひとつ委員長のお考えを伺いたいのです。
  4. 吉川久衛

    吉川委員長 田中理事の御発言に対しましては、先般来、お話もございましたので、運輸省当局に、資料提出についての文書をもって回答を求めております。その回答が参っておりますので、後刻お示しをいたします。  なお、ただいま参議院の予算委員会分科会へ出ておりますので、それが済んでから、あらためて、ひとつ田中理事の御期待に沿うように取り計らいたいと思っておりますから、御了承願います。
  5. 田中彰治

    田中(彰)委員 なるべく早く、ひとつ願います。
  6. 吉川久衛

  7. 小川栄一

    小川参考人 お呼び出しを受けました小川栄一でございます。ちょっと経過を申し上げます。  国際観光会館設立は、昭和二十六年三月でございます。資本金は一億円。当時の観光立国という日本要請に応じまして、かつて次官でありし平山孝氏が中心となりまして、国鉄委員を兼ねていた佐藤喜一郎さんなどの協力を得て、開銀融資を受け得るということで、立案されたものであります。開銀融資はわずか一億五千万円でございます。ところが、当時の八重洲口方面に対する世間の認識は、きわめて悲観的でございまして、終戦後十年間と十年後とは非常に大きな違いで、昭和二十六年ごろにおきましては、御承知の、切符売り場もバラックでございましたし、東京都が外堀を埋め立てまして、そしてその土地の一部を、観光立国のために使うならば無償国鉄に寄付するというような経過があって、この観光会館設立になったものと思いますが、きわめて悲観的で、株式払い込みに応じたものは、全国交通業者観光業者の義理上の参加にすぎません。過半の株式引き受け手がなかったために、やむなく高野建設株式会社という建設会社残りの株を引き受けまして、工事も同年六月着手をいたしましたが、当社の資金不足高野建設経営逼迫によりまして、昭和二十七年六月地下掘進のみで工事を中止せざるを得ないやむなきに至ったのでございます。その後わかったことでありますが、当時の調達資金払い込み金合わせて一億四千五百万円ほどであったと思います。借り入れ金資本金も全部加えまして、そういうことになっておりましたが、それに対して、でき上がった工事量はわずか四千万円でございまして、残りの一億円は、創立費用として消費されておったのでございます。さようなわけで、ほとんどこの建設協力する人が皆無であった。やむなく、あの場所をそのままにしておくことはできないというので、当時の日銀総裁萬田尚登氏及び一億五千万円を出すという小林開銀総裁等が、各方面資本家参加を求めましたが、これもまた実現不可能でございました。よって、ついに、当時は藤田興業社長でありました私に、これを何とか実現するようにという要請が強くありましたが、私は五島慶太さんにこれを相談したところが、とても国鉄の中に入ってそういうことをやるのは、たとえ頼まれても、将来むずかしくなるから、やめたまえ。ところが、小林一三さんに話をしたところが、これはどうしてもやらなければいかぬよ、おれたち応援するから、ひとつ君、立案したまえというので、私は日興証券社長遠山元一氏のところに参りまして、増資をしても二割も払い込みがないということであるが、あなたと私が主になって払い込みを完了しようではないかと願いましたところが、よろしい、できるだけ応援をしましようということで、東京財界の大方の方々を歴訪いたしまして、資本金を三億円にすることができたのでございます。  そういたしまして高野建設と縁を切り、清水建設に、あらためてこの工事を委託したのでございます。幸いに、二十億円をもちまして、私は、こういうきずはあるけれども、ホテルでないところは冷暖房装置とも坪二十万円、それからホテル部分については三十万円もいたしかたない。総額二十億円、実際で言えば、十九億円で二十億円の建物を建ててもらいたいということで、清水組に私の実弟がおりまして、重役をしておりますが、奔走いたしまして、これを清水組完成することを約束いたしましたが、何ぶんにも、三分の一は初めからそろばんが合わないホテルでございますので、これは権利金をもらうことはできない。残りの三分の二の部分につきましては、これを観光立国に適した借家人をさがさなければならないということで、当時の社長平山孝氏とともに、知事会館知事さん全部のお集まり願ったところへ参りまして、何とか、銀座にある物産館をごっそりとこの国際観光会館の中に入れてくれないかということをお願いしたのでありますが、当時はきわめて悲観的であって、銀座のほうがいいのだ、われわれはそんなむずかしいところへ行って協力金を出すのはかなわぬというので、四十県の中の十三県のみがこれにお入りになることを得ました。その他、金融業者側から十億円以上、つまり権利金がなかなか入らないのだから、十億円以上貸し付け金をしなければならない。ついては小川個人も保証しなければならない。同時に藤田興業も保証しなければいけない。同時に借家人名簿というものを早くつくってもらわないと、今日のような時世と違いまして、はたして、戦後初めてできるような八千坪に対して、借家人があるかどうかわからない。ぜひともこの借家人名簿をつくってもらいたい。私は開銀総裁に会いまして、将来よくなるという見込みのもとにここにつくるのであって、借家人が入ってしまえばむずかしくなるのだ、むしろ時世を待つほうが、無理な借家人を入れないほうがいいのだということを主張いたしましたが、貸し付け係のほうはそうは参りません。やむなく払い込みをしてくれました。日興証券はじめ、東急とかあるいは近鉄とかあるいは藤田観光とかいうものを網羅いたしまして、ようやく貸し付け金に相当するような借家人をさがすことができましたが、何と申しましても、三分の一ホテル権利金を得られずに、十億以上の金を借りるということのむずかしさの中で、やむなくこの関係者には当時のペナント協会の予想しなかったような高い協力金権利金をもって入れていただかざるを得なかったのであります。当時、地下室などは、坪二十五万円というような権利金相場はございません。また一階が五十万円というような相場もございません。そういうようなときに、関係者であり、応援をしていただくというたてまえで、これをお願いして、ようやくここに完成を見ましたのが、二十九年でございます。私は二十八年から引き受けまして、二十九年に完成を見ました。  その当時の状態を一例で申し上げますと、羽田の有名なる空港ビルといえども、政府一つも金を出さぬ、民間で建てろ。ところが、社長になられました秋山君が私のところに参って、みごとに八重洲口国際観光会館を建てたのであるから、あなたはサクラになってでも、この空港ビルの大株主になってもらいたいということを頼まれたのですが、配当ができるか。御承知のように、空港ビルは全部待合室でございます。当時九つの海外の飛行機会社だけが家賃を払うので、十億円の空港ビルを建てることは不可能でございます。そこで、私は、あまりにも熱心に頼まれたので、飛行機を見る建物をお建てになったらどうですか。つまり、大衆飛行機を見てもらって、その入場料で利息を払うということで、運輸省及び日本航空からも、前例のないこととして非難を受けましたが、それ以外に方法はないということで、建てたような時世でございました。幸いに、そのような大衆の力によって、空港ビルは、今日百億円の増資をいたしまして、百億円のりっぱな建物を建てることができました。しかるに、それは幸いに初めから配当できましたが、この会社は初めにやったにかかわらず、配当ができない。二十六年に契約を結んだ賃料は、私はっきりしておりませんが、年間たしか坪当たり三千円であったと思いますが、それを、三十六年までの十年間に十一倍半に、毎年毎年上げてまいったのであります。その上げてまいった根拠というのは、われわれが建物を建てると同時に、構内営業規則というものをつくったのであります。それは、私は国鉄としても無理からぬことだと思います。当時この国際観光会館ができ、鉄道会館が着手されるに及びまして、ようやく大衆の目は八重洲口に向いてまいったのであります。そこで、権利をあさる者も出てまいります。国鉄としては、国有財産を預かっておられるたてまえ上、これを保護し、そうして大衆の便利のために守らなければならぬというたてまえで、私はこの構内営業規則というものは生まれたものであると思い、同時に、その相手がお役所であるから、あまり無理なことはなさらぬだろうという考えもあり、また、社長国鉄次官をしておった平山孝氏であるから、おそらく十分に話し合いができるものと思って、社長平山氏の調印を、私はやむを得なかったものであると存じました。当時の国鉄の空気は、今日と違いまして、あの困難な中でよく建ててくれたという感謝の念を持って、われわれに対して非常に同情的でありました。そこで、私は再三この値上げの問題に対して、何とかならぬかということをお願いしましたが、社外理事である久留島秀三郎氏を通しまして、私に、一たび有識者を集めてつくった国鉄構内営業規則というものを、なあなあで変えることはできない。これは必ず疑問を生ずる。よって、法廷において適当なるところの妥協ができるのじゃないだろうか。私のお願いしていることは、構内営業規則をやめてくれと言っておるのじゃないのです。調印した以上はこれを認めるけれども、目的最初から、その規則のない時分から、土地を対象に貸していただいた、そしていわゆる法律で認められたところの六十年の借地権の上に建物を建てたという記憶はあるのであります。これは厳然たる事実でありますが、しかし構内営業規則に判を押してしまった以上は、この構内営業規則に基づく地代の査定に対して、この運営に対して、これから先どうぞ世間一般並みに五年に一度、一割、そういういわゆる商慣習に従うような緩和方法をとっていただきたいということに対する、向こうさんの吾孫子総裁回答であったのであります。両者は会いまして、和気あいあいのうちに話をいたしまして、訴訟提起した結果、これは一たび法廷に立ちますと、組織というものがございます。われわれのような商人にはわからない。つまり戦うために戦うようなかっこうになってくる。しかし私は従来きまったものを払わないというのじゃありませんから、これは全部供託をいたしまして、今日までその妥当的な解決を願ってきたわけであります。しかるに新聞紙上においては、小川栄一は、家賃を払うべきものを払わずして、不法に占拠しておるということを流布されたのであります。私は経済人として、これほど恥ずかしいことはないのであります。経済人というものは、手形の期日が来た場合には、必ずそれは死をもってでも払わなければいけないのであります。不渡りを出してはいけない。私は今日まで大ぜいの応援を得て、柄にもない事業に多少でも芽が出ましたのは、お金を借りた場合には、三日前には必ず持って行くよということだからであります。したがって、私はこの争いの中で、賃料を払わずに争った覚えは一つもありません。ただ最終的に、私の目的に反しまして、希望に反しまして、これは構内営業規則にのっとっておまえらは判を押したのであるから、構内営業規則を守らなければいけない、もちろん私は守らなければならぬと思っておりますが、しかし私の弁護士団に抗議を申された。あなたは借地権を根本的に争うことはやめろ、あくまでも営業規則を緩和していただくということだけを陳情しろといっても、私たちにはできないのです。これは土地使用目的を主にしたものであって、このきめ方に対しては、もし構内営業規則であったならば、収入に応じて上げなければいけない。創立以来無理をして、収入が、ホテルを入れて四億円、家賃値上げを一回お願いしまして、五億円になっただけなんです。その間において、三千円が三万何千円になってしまったのでは、これはアンバランスです。そこで、私はいまでも過去のものを一切払おうという意思は持っております。しかし、今後行なう場合においては、あくまでも、基本は土地使用目的である。この使用目的には構内営業規則により制限を受けておる。看板を立てる場合には、収入の半ばは国鉄に持っていけ、許可がなければ看板は立ててはいけない、という制限がある。ほんとうの借地権の場合と違って、制限があるのだから、地代よりも安くなければならぬ。もしも地代のほうよりも高かった場合には、構内営業をしておった場合に、先ほどの空港ビルと同じように、大衆に転嫁されるのであります。
  8. 吉川久衛

    吉川委員長 小川参考人に申し上げますが、時間が限られておりますので、ごく筋だけをひとつお願いします。
  9. 小川栄一

    小川参考人 さようなわけで、私は第一審の判決に破れましたが、この判決に対してはまだ尽くしていないものがある。要するに構内営業料金としての地代値上げは、われわれはその基準としては、やはり不動産の、いわゆる商慣習に従うべきものである。また収益に帰存をすべきものである。一方的にやってきた場合に、もしも物価が下がったら下げてくれるか。このごろのように高い土地が下がったら下げてくれるか。そういうようなことをもう一度御審理願えませんか。いまでも、私の考えておりますことは、このような大切な場所に幸いにできて、ここに年間数百万人の人が、食堂に入ったりいろいろしておるのでございます。地代値上げは、その人たちが払うことになるのであります。私は地下室のあれにつきましても、平均一人当たり二百円以上にならないように注意をするために、一つももうけておりません。そのようなわけで、応援していただいた国鉄方々、常勤しておられる方々以外には、すべて一円も払っておりません。もちろん株主重役を初め、私も、何も受け取っておりません。また配当もしておりません。ただ私のお願いすることは、過去のことはとにかくとして、今後営業規則を行なう場合に、いわゆる官庁が発行したところの規則が、立法府の発行した憲法、商法、民法に優先するのか。三権分立しておる今日、いま私どもがとっておることは、世間経済市場を維持し、同時に国鉄との間に和気あいあいたるところの親愛感を持って、税金を払えば払うほど疑われるような不信感を捨てて、お互いに信ずる中にあって、この問題を解決するならば、この人出入りの多い東京駅の建物が、かりに私のものでなくなってもよいと思うのです。非常に必要なものであれば、国鉄が公平な適当な値段で買ってくれるならば、私は従来のものは全部払うつもりです。ただ、今後もこれを続けていく上においては、株主をはじめ、いかなる者も、これを明るく考えることはできません。従業員に対しても、われわれは報いることができません。これが私の今日までの経過と私の参考人として申し上げる意見でございます。失礼いたしました。
  10. 吉川久衛

  11. 豊原廉次郎

    豊原説明員 私は、ただいま問題になっております。株式会社国際観光会館国鉄との間の訴訟について、経過を御説明いたしたいと存じます。  株式会社国際観光会館が、東京八重洲口構内用地、三千四百九十九平方メートルございますが、その上にビルディングを建てまして、構内営業を経営するということをもくろみまして、その旨を国鉄に申し出てまいりましたのは昭和二十六年でございますが、国鉄といたしましては、昭和二十六年の十月一日に、ビル建設するために、その用地を使用することを承認いたしました。そういたしまして、その後ビル完成いたしましたので、昭和三十年の四月一日に、あらためて構内営業規則によって、構内公衆営業を行なうことを承認いたしました。昭和三十五年四月に構内営業承認を更新いたしまして、その期間を昭和三十八年三月末日までといたしました。その間、土地の価格の高騰その他の事情をしんしゃくいたしまして、昭和三十六年四月一日以降は、前年度すなわち三十五年度の半期分、千百五十二万四千五百五十七円という金額を三割値上げいたしました金額、千四百九十八万一千九百二十四円とすることを、会館側に通知したわけでございます。ところが、国際観光会館は、支払いの期限でございます三十六年の八月三十一日までに、構内営業料金国鉄に納入をいたしませんで、お話しもございましたように、値上げ前の金である約千百万の金を、賃料として、東京法務局供託をいたしました。国鉄請求する構内営業料金値上げ額を支払、という意思がございませんので、国鉄はその債権を確保するために、やむを得ず東京地裁に所定の構内営業料金支払い請求訴訟提起いたしました。昭和三十六年の十月二十一日でございます。この訴訟は、昭和四十年の九月二十九日に、国鉄勝訴判決がありまして、国鉄の主張が認められたわけでございます。ところが、国際観光会館は、この第一審に不服であるということで、四十年の十月十二日に、東京高裁に控訴をいたしまして、現在継続中でございます。国鉄といたしましては、三十六年度の下期分及び三十七年度の上下期分についても、同様に構内営業承認がございますから、構内営業料金請求訴訟を、東京地裁に、四十年の十一月二十六日に提起をいたしました。  なお、昭和三十八年度以降につきましては、国鉄といたしまして、構内営業規則による承認請書を、国際観光会館側提出してもらいたいということを再三申し上げましたが、構内営業規則による承認請書提出がございません。したがいまして、現在の状態は、国鉄国際観光会館との間には契約がない、無契約状態である、こういうことになっておるわけでございます。そこで国鉄は、無契約でありますので、構内営業料金に相当する額、昭和三十八年度以降につきまして、相当額を払えという請求訴訟を、四十一年の一月三十一日に東京地裁提起をしておるわけでございます。その間、無契約でございますので、本年の三月八日に国際観光会館に対しまして、同所在地の明け渡し請求を出したわけでございます。  以上がいままでの経過概要でございます。
  12. 吉川久衛

  13. 吉川久衛

    吉川委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
  14. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 日本中心であります東京、しかもその東京の玄関ともいうべき八重洲口国際観光会館と、国鉄とにおいて、料金をめぐっての紛争が起こり、訴訟が行なわれておる。しかもなおかつその上に、不法占拠明け渡し訴訟まで行なわれておる。財界有力者である小川さんが社長をされておるというところから聞いて、たいへん残念に思うわけであります。しかし、この訴訟経過あるいはこの取り扱いによっては、いま国鉄が行なっておる民衆制度のあり方というものは、根本的にやり直さなければならぬというところに来ていると思うのであります。私も、いま国鉄のやっておる構内営業規則による承認によって民衆制度をやっておることについては、実は疑問を持っておるわけであります。しかし、一応今日まで大過なくそういう方式が継続されてきておるわけでありまして、もしここでそういう方式がいけないということになるならば、いま計画されようとしておる上野の民衆駅の問題や、あるいは大阪とか全国各地で要望されておる民衆制度というものについては、この際根本的に、われわれ国民の立場から、そういう方式についてはやめさせて、基本的な改定をしなければならぬような時期に来ておると思うわけであります。そういう立場から、この問題を、いま訴訟中でありますけれども、その訴訟関係ない部分については明確にして、そしてこれらの方策についての問題点を究明していきたい、こういう立場で、いまから質問をいたしたいと存じます。  そこで、最初国鉄当局にお尋ねいたしますが、昭和三十六年料金滞納が起こってから今日まで、幾らの金額が滞納されておりますか。
  15. 豊原廉次郎

    豊原説明員 総計で一億七千百八十万四千七百八十円でございます。
  16. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは、三十六年の上期以降今日まで続けられておるようでありますが、その一番の紛争の焦点、国鉄国際観光会館意見相違点はどこにあるのですか。小川社長から、会館側として、国鉄との意見相違点を述べていただきたいと思います。
  17. 小川栄一

    小川参考人 私は、この値上げの一方的通告に対する契約には判を押してあります。が、一方的通告にあたっての規則の利用方法、算定方法に対しては、やはり借地法に基づいて、借地法を基準にした商慣習方式にしていただきたい。不当に下げていただく必要もなければ、世間にいまだかつて例のない上げ方に、私は今後不安に思って、これでは大衆にサービスするビルディングになりませんぞというわけであります。ですから、過去の問題はともかくとして、将来に対する運営方法について十分な御援助を願えるならばということが、私の唯一の希望でありまして、払わないというのではなくて、つまり三十六年の割合では、全部供託しておりますから、その辺も御了承願います。
  18. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ここの用地の借り方について、構内営業規則による承認、このことについては御異議がないのですね。
  19. 小川栄一

    小川参考人 この構内営業規則をつくられたことに対して、私は不平を申し上げておるのではありません。この運営方法に対して、商慣習を加味していただきたい、こういうことでございます。
  20. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 構内営業規則を適用することについては、御異議がないのですか。
  21. 小川栄一

    小川参考人 いま争っておる構内営業規則に対して、私は、一方的通告で上げることについては、お役所が十分に研究されて、もう一つ商慣習を加味していただきたいということをお願しておるのでありまして、これを否定しておるわけではありません。運用方法について、お願いをしておるのであります。しかし、ここで明け渡しまでせよということになりますと、構内営業規則そのものは、そのような力を持っておるものではありません、という段階に入らざるを得ないと思っておるのであります。
  22. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、いま国鉄用地を使用させる方法に二つあると思うのです。一つは、土地を賃貸借する、もう一つの場合は構内営業、大まかに分けてこういう二つあるように思います。土地賃貸の場合においては、国鉄が行政的に使うのだというならば——大蔵省の行政財産と同じですね。ですから、その場合においては使用を承認する。ただし国鉄が行政目的に使うときには、それは取り上げますぞと、こういうのが、土地を貸す場合の使用承認という形になっているわけですね。もう一つ方式は、構内営業です。ですから、 この国際観光会館国鉄土地を貸して、ビルを建てることを認めた、ビルが建った上において、構内営業をすることを承認した、こう言っているわけですね。ビルが建った、だからそこで構内営業することについて、構内営業承認をしたのだ、 こう言っているわけです。ですから、構内営業規則によってこれは取り扱うのだ、こう言っているわけです。いまのあなたの御答弁を聞いていますと、それについては異議がない、こうおっしゃられているようですが、そのとおりでよろしゅうございますか。
  23. 小川栄一

    小川参考人 ちょっとややこしいから、もう一度申し上げます。  私がこの土地建物を建てることを引き受けたその瞬間におきましては、土地の賃貸借であるということであったのであります。そして、その後建物が建ってから、構内営業規則に準じて、この支払いを求めるということになったのであります。そこで私は、この構内営業規則といえども、借地権の上に立っておるという前提を忘れることはできない、ということを深く信じております。信じている、その上の料金の争いだけを、一応訴訟目的にいたしました。しかし、料金の問題から始まって、明け渡しまで参りますと、私は根本問題にまで返らざるを得ない、こういう心境でございます。
  24. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ですから、私も、料金の問題というよりは、根本的な問題を明確にしておかなければ、この問題は問題がある。それはなぜかというと、いつも根本的な問題が問題になるとするならば、いま民衆駅を建てようとする上野でも大阪でも、これは中止させなければたいへんなことになる。あるいはやるとする場合においても、その法律的なものをしっかりしておかなければ、私は国民の利益が守られないと思うのです。そういう立場で申し上げているわけですから。  そこで、あなたの御主張も、国鉄のほうからいろいろ説明を聞いてみますと、いまのとおりのように私も伺いますが、二十五年の五月、土地を貸し与えるときに、土地ビルを建ててよろしい、ビルが建った上には、構内営業規則によって取り扱いをしますよ、こういう書面が取りかわしてあることは、あなたもお認めになりますね。
  25. 小川栄一

    小川参考人 私は、この建物を建てるときには、構内営業規則をかいもく存じておりません。全然存じておりません。土地賃借権の上に建物が建って、その賃借権の上に建った建物につき、料金の算定について、構内営業規則というものは順守されるものである、こういうふうに信じております。
  26. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いまの意見について、その相違点を、ひとつ国鉄側の見解を説明願いたいと存じます。
  27. 豊原廉次郎

    豊原説明員 私どものほうでは、先ほど申し上げましたように、ビルを建てる際には、土地の使用を承認いたしたわけでございますが、ビルができ上がりまして、営業を開始するにあたりましては、国鉄の定めております構内営業規則によって承認を与え、国際観光会館側もそれに同意をして、承認をされておるわけでございます。
  28. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、小川社長にお尋ねいたしますが、構内営業ということで承認をされている。お互いに、書面がそういうふうに取りかわされているというのは、これは書類でそうなっているのですから、それについて異議があるかないかは別として、形式は整っているわけです。そうして構内営業承認をされた。構内営業承認されたということは、構内営業規則を守っていかなければならない。したがって、それに基づいて、このビルが建つまでは土地使用料という形で料金が払われておりますが、そのあとの三十年からは、構内営業料金という形で払われている。構内常業料金ということで三十年からずっと支払いが行なわれているということは、構内営業規則というものを守った立場で、この契約というものは施行されてきた、こう私は見るのですが、その点ついていかがでしょう。
  29. 小川栄一

    小川参考人 私どもは、この構内営業規則を守るべく、一生懸命努力をしてまいりましたが、経済情勢、つまり先ほども何回も申し上げましたように、構内営業規則の算定ならば、構内営業収入に準じてやるべきではないだろうか、その点と、それから、構内営業なるがゆえに、非常に使用権を制限されております。その使用権を制限されているという二つの問題がネグレクトされて、ここに一方的に通告できるという問題だけを裁判官が取り上げる、ということに対する不満を持っているわけであります。
  30. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、構内営業規則を守るように努力をされているということでありますが、構内営業規則の上からいいますと、その構内営業規則が法律で違法であるかどうかというのは別問題として、この料金をきめるのは国鉄側の一方的通告になっている、というふうに規則がきめていることについては承知をされているわけです。規則にそうきめてあるわけです。そのことを御存じかどうかということであります。
  31. 小川栄一

    小川参考人 そのことは存じておりますが、たとえ一方的にする場合でも、つまり借地人、私たち建物を建てた者との関係においては、十分な常識的な話し合いの場というものがあって、その規則というものは実行されるものじゃないだろうかという、私は世間通俗の取引というふうに初めから解釈しております。もし、このようなことを最初から押しつけられたら、建物を建てることを引き受けるわけはありません。一億円も穴のあいているものを頼まれて、やるはずはありません。できてから後、こういうことであっても——これは判こを押したのは、国鉄から来た平山孝氏であります。国鉄から推薦されて、承認されて来ているその人が、国鉄から言われて、すでに建った建物、金利の支払いにも相当重大な問題があるものに対して、これを拒否できるかどうか、これは常識的な問題であろうと思います。同時に、銀行にしても、これを登記をして、担保にして金を貸す。十億円以上のお金を貸すについては、貸すものとしては、当然その建物にそのような厳然たる借地権があるものという常識、料金についての算定に対しても、常識をはずれないものであるという考えのもとに、みな行なっていることだと思うのであります。そこで、法律的にはとにかくとして、そこに常識的なわれわれの希望を持ってきたわけであります。
  32. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 よく御見解はおかります。  そこで、持っている立場といいますか、構内営業規則というものは守らねばならぬ。ただその中で、基本的には、料金の問題については十分話し合って合意をすべきだ、こういう点がいま一番の争点になっているというお話ですから……。しかし、その根底に持っているものは、やはり借地権があるのだという点が、まだ払拭されていないわけであります。それはまだ現実訴訟になっていないことでありますから、結論の出る場所がないことだ。  それでは、今度は逆に聞いていきます。私は、一番心配しているのは、このことで借地権が生じるのか生じないのかという点が問題だと思う。いま構内営業承認によって、全国民衆駅ができまして、むろん大丸もそうでしょう。みなああいう形式がとられているわけですね。それが、構内営業料金という形で、一応支払われておるわけであります。その中に、基本的に借地権があるのだということになったら、これはやはり国鉄として、われわれ国民の立場からいって、いまのやり方を考えざるを得ないわけであります。ですから、それはいま副次的に起きてきた問題だ。そこで、今度は料金の問題ですが、料金の問題について、国鉄のほうは、通告になっているのだ、こう言っているわけであります。構内営業規則というものは、私はよくわかりませんけれども、これは、ビルを建てた、あるいは三十年で契約を結んだ相当以前から、この構内営業規則というのは、こういう適用をされておったわけですね。それは国鉄、どうなんでしょうか、構内営業規則というのは、これはもうビルあるいはこれを許可する時点においては、どういうふうになっておったのですか。
  33. 豊原廉次郎

    豊原説明員 構内営業規則というものは、そのビル建設以前からあったわけでございますけれども、その内容につきましては、いま私、正確に記憶いたしておりませんが、内容につきましては、ちょうどこのビルができた当時に、改正になっておるというふうに記憶しております。
  34. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、もうちょっとしぼって、今度は、値上げが高過ぎるという話が出ているわけですね。高いか安いかということですが、私はいま東京にいないので、東京の町の値段をよく知りませんけれども、いま国鉄から出されている資料を見てみますと、昭和二十六年、ここを使用させてから、二十六年、二十七年、二十八年、二十九年、この建設途中においても、ずっと土地の使用料というものは上げられているわけですね。それから、三十年は二十九年と同じ。三十一年にまた値上げをされて、三十二年、三十三年、三十四年、三十五年と、ずっと値上げが続けられておるわけですね。そうして、その値上げは認められて、一応納入されて、三十六年に値上げをしたときから紛争が起きているわけですね。それで、この値上げの率を見てみますと、三十四年、三十五年というのは坪当たり使用料が月に千八百十五円だ、こういう計算が出されております。それから三十六年、これから紛争になっておるわけですね。三十六年、三十七年、三十八年の三カ年が坪当たり月二千三百五十四円だ。それから三十九年からは二千八百三十二円、こういう計算になっているわけです。それで、国鉄のほうから出されている例によりますと、都有地の例は、千代田区大手町二百八番地で、三十六年のときに七千百四十二円という例がある、こういって、別に高くはないのだ、あるいは裁判の判決書を見てみましても、高くはないという判決が出されておるわけですね。ですから、そういう点からいきますと、この料金を算定したとき、あなたのほうとどういう話し合いを行なわれたのか、私は知りません。知りませんけれども、国鉄から言われていること、それから一審判決——これは必ずしも確定ではございませんから、これを私が引用するのは、いいか悪いかちょっとわかりませんけれども、そういう立場からいいますと、やはりその料金が高過ぎるというものの考え方には、私は感じられないように思うのですが、そういう点についての御見解を御説明願いたいと思います。
  35. 小川栄一

    小川参考人 特殊な場所については、それぞれ事情が違いますけれども、私は、三井不動産あるいは三菱地所の例を申しますと、終戦後において、大体平均二倍半ないし三倍になっておると聞いております。それから、国鉄自身とのそういう一方的な問題についても、平均すれば二倍半から三倍というふうに聞いております。そこで私どもは、いわゆる地代の借地としてのものを準則した場合、収益を準則した場合、やはり商慣習というものを一度鑑定していただきたいと思うのであります。裁判所に向かっても、そのことを今後もお願いするつもりであります。
  36. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、国際観光会館の現在の収支の状況を——ここにまた国鉄から資料として出ております。国鉄から資料として出ておるというのは、あなたのほうから出か資料を、国鉄が私のところへよこした、こういうふうに私は解釈するのですが、そうしてみますと、三十三年、三十四年、三十五年、こういうように見てまいりますと、三十三年のときには百二十一万円の黒字、三十四年には二千二百四十八万の黒字、三十五年には四千二百一万円の黒字になっているわけであります。三十六年のときに千二百八十四万円の赤字になって、三十七年、千九百五十三万赤字になっている。その赤字の原因を調べてみますと、三十六年の八月に京都の国際ホテルができたのだ、こういうふうに言われておるわけであります。ですから、収支の状態を、国際観光会館だけで見てみましても、収支状態が悪いということは言えないように思うのでありますが、その点はどうなんでしょうか。
  37. 小川栄一

    小川参考人 これは私が、要するに、使用目的制限されておる、そうして一方的値上げをされるということであったら、この会社は将来何も希望はないぞ、そこで国際観光会館であるから、国際観光のたてまえから、日本で一番大切なものはどこかと申しますと、シーズンオフが非常に多いので、だれも建物を建てないのでありますが、京都に国際ホテルを建てる、そのかわりに東京使用目的を収益の上がることにして——ホテルというものは五年間はなかなかうまくいきません。最初の年の例でいいますと、三億五千万円ぐらいのものが現在は十二億五千万円になっております。観光会館のほうは、ホテルのほうはいまだ赤字でございまして、四億円が五億円台になった程度でございます。そういうようなわけで、私は、いまは苦しいけれども、この京都に日本の必要とする国策的国際観光ホテルを十分に建てて、しかも、その土地は藤田が持っておりますから、無償に近いもので貸してあげて建てて、そうして、東京の数千万人の来る人たちは、泊まることだけが能じゃないので、これをレストランとして、この収益を上げて、かりに一方的に上げられても、株主に御迷惑をかけないようにというて、努力に努力を重ねましたが、使用変更ということは非常にむずかしいのです。そのために、要するに京都の五年間の成長していく間のカバーが、東京で、私が予想したことができなかった、ここに私の非常に苦しんだ点があるのでございます。  そういうわけでございまして、いまようやく京都も収支とんとんに近くなり、東京ホテルは、今期は、この新しい地代をかけますと四百万円ぐらいの赤字、京都は一千万円ぐらいの赤字で、そうしてこれから漸次株主に報いることのできる状態にあるわけです。しかし、これが従来と同じように値上げをされておったならば、年数が非常にかかる、この算定に対して十分なる御同情をもって検討していただけませんか。もし検討していただけないとするならば、これは根本問題、弁護士もよく言うように、あなたは料金算定に対してだけ熱心ではだめなんだ、このもとの、借地権の根本問題をえぐらなければだめなんだという議論に戻ってくるわけであります。
  38. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私も実はそう思うのです。借地権の根本的問題をほじらねばだめだと思うのです。しかし、根本問題をもしほじるとするならば、私は、国民の立場から、国鉄に、今後一切こういう形式は中止せよということを強く、要求いたします。いま起きておるのは料金の問題です。しかし、その料金の問題が三十六年から、一審判決が終わって最高裁までいくとするならば、十年もかからなければ料金問題が解決しない。それが次々にそういう状態が起きるとするならば、やはり国鉄としても、構内営業のあり方、構内営業承認のしかたというものについても、どうしても再検討しなければ、国鉄は、訴訟を起こさせるために国民から預かっておる土地建物を貸す、こういうことになるのかということになると私は思うのです。ですから、根本的な問題はいま訴訟になっていないようですし、あなたの根本的な考え方もよくわかります。  そこで、ちょっと話は変わりますけれども、三十六年から、国鉄については、賃料値上げを、あなたのほうは拒否をしているようでありますが、いま入っている人たちに対しては値上げをしている、という話を聞いておりますが、どうでしょう。
  39. 小川栄一

    小川参考人 それはつまり、賃料値上げを一回か二回しかしないのでありまして、その問に十数回の地代値上げを受けておりますから、その事情を話して、借家人方々には、それに応じていただいたわけであります。ですから、私たちは、つまり百貨店のようなものであるならば、毎年一〇%、二〇%ずつ収益が上がってまいります。しかし建物を貸した場合の大家としては、借家人に対して、地代が毎年上がったから、三年目に上がったからといって、これを転嫁するわけにはまいりません。これは私たちから見ますれば、家賃はすでに限度にきておるわけです。あの建物で一番高い家賃を払っいてるのは、そういう理由で、藤田観光が月に坪一万二千五百円です。それから地下室が六千円です。坪六千円の家賃を払って、二百円のどんぶりをつくるということはなかなかむずかしいことです。構内営業であるならば、私は、できるならば駅弁と同じような値段でやりたい、だから諸君も努力してもらいたいというので、最初は月五十万円損もしたくらいでございます。  私は、経済人として常に申し上げたいことは、お互いに不信感を捨てて、この重要なる駅舎のそばの建物が、どうすれば一番合理的になるか、このことを、あなたがおっしゃったように、私はここで根本的に掘り下げてみたい。それで、総裁にもお目にかかって、私は争いたくないのだ、今後こういうような方式でいけば争いがなくなるというほど常識的な、たとえば三井不動産や三菱地所については、地代について争いはほとんど起きておりません。そのような状態になるためには、国鉄が、もし、おまえがいてはじゃまになるというならば、私は立ちのきましょう、しかしどこまでも公平に、経済秩序を守りながらやっていただきたい、こういうことを、私は総裁にきのうお願いしたわけです。
  40. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国鉄にお尋ねいたしますが、いままで、こういうような紛争が起きた例があるのですか。
  41. 豊原廉次郎

    豊原説明員 大きな金額のものについては、こういう紛争が起きたことはございません。
  42. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 訴訟になったことはあるのですか。
  43. 豊原廉次郎

    豊原説明員 高架下の使用等につきましてはございますが、こういう大きな駅の中のものにつきましては、ございません。
  44. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 小川さん、いまお聞きになったように、やはり訴訟になったというのは、これが一番新しいというか、最初といいますか、また一番大きな事件であります。天下の小川社長ですから、始まったのでしょうけれども……。私は、それだからこそ、基本的な問題をはっきりしないでおくと、これはやはり取り扱いを誤ると思うのであります。  そこで、うわさによりますと、株式会社国際観光会館の合併問題が起きているというような話を、ちらほらマスコミの中でもいろいろ聞くわけでありますが、こういう点はいかがですか。
  45. 小川栄一

    小川参考人 この、問題となっておる国際観光会館の問題は、経営者としての小川栄一が個人保証もし、銀行の保証もしておるわけですから、絶対に私は株主に対して責任をのがれることはできない。したがって、この国際観光会館を独立させて、藤田観光の子会社にしておいて、自余の京都その他は藤田観光に合併してしまう、そうして東京の、この問題になっておるところだけは独立会社にして残しておいて、この根本問題を、でき得るならば訴訟によらずして、つまりは将来に禍根を残すような問題にならないように、解決をしたいなあと考えておるのです。ということは、十五年も前に株式を払い込んでいただいたわれわれの同調者に対して、いつまでもこれをほうっておくわけにいかない。しかし、観光会館はそう簡単に片づかないかもしれない。いま幸いに、双方の言い分を聞いて、これが将来の禍根にならないような解決策があると思うから、われわれにまかせろというような、大きな、常識を持った方々もいまあらわれつつあるわけです。そこで、私は、いろいろ新聞紙上に出ましたが、すべてノーコメントで、自分たちは、時の氏神の出現に対して、できる限り静かにお待ちしようじゃないかという態度で今日おりますが、それらの問題も全部片づかないとするならば、私の立場は、供託している地代にさらに新しい地代を払わなければならないという責任と、それから同時に、先ほど申し上げました根本問題を明らかにして、その間の関係をどうしなければならないかという、最後の法律手続にいかなければならない。その間権利を保全して、しばらくこの状態で研究しようじゃないかというのが、現在の経過の時点でございます。
  46. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国鉄にお尋ねいたしますが、これは仮定の問題になるかもしれません。しかし、仮定の問題であるかもしれませんけれども、いままでの私と小川社長との論争でおわかりになろうと思うのでありますが、これが土地の賃貸借である、借地法の適用を受けるのであるということになった場合においては、これは私は重大な問題に発展すると思うのです。したがって、国鉄は、その場合、上野とか大阪とかあるいはそのほかにも民衆駅の建設計画があると聞いておりますが、当然、構内営業承認という取り扱いは中止すべきだ、あるいは国民の利益が守られないから中止しなければならない、私はこう思うのであります。仮定の問題ですから、答えにくいとは思いますけれども、しかし仮定の問題といえども、いま訴訟されておるその訴訟の発展のいかんによっては、そういうことが起こり得ると思いますが、どうお考えになりますか。
  47. 豊原廉次郎

    豊原説明員 先生おっしゃいますごとく、仮定でございますので、微妙でございますが、国鉄といたしましては、こういう契約が、一種の公物利用関係、ないしは構内営業承認という無名契約であるというふうに法律的には考えておりまして、賃貸借契約ではないということは、従来ともとってまいりましたし、現在においても、そういう性質のものであるという確信を持っておるわけでございますが、もし御質問の趣旨のような事態が発生するということになりましたならば、今後民衆駅をはじめ、いま争いになっておりますような構内営業承認はできないということになろうかと考えております。そういうことにもしなりますと、従来この種のものが、旅客公衆の利便の増進に寄与してきたということを考えますと、そういう点の何らかまた別の方法考え出さなければならない、いまの形では、そういう承認というものを中止しなければならないのではないか、こういうふうに考えております。
  48. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 訴訟中でありますから、いろいろまだ御質問をいたしたい点が残っておりますけれども、一応、これで私質問を終わっておきますが、私が特に国鉄に検討して資料を出していただきたいと思うのは、あなたのほうの立場から、これが法律的に立証できる根拠、あるいはあらゆる場合を想定して、構内営業承認というものを構内営業規則承認するという制度が賃貸借でないのだ、ということのきっちりしたあなたのほうの見解を、ひとつ書面としてまた出していただきたいと思うのです。それは、いままであなたがここで答弁された内容でなく、もっと掘り下げて、法律的にこれがあなたのほうの見解だ、それが出てまいりましたら、私はまたその法律の専門の人たちに来ていただいて、見解というものを明確にしていきたいと思いますので、一応これで質問を終わります。
  49. 神近市子

    ○神近委員 関連して一問。  いま、構内営業権の問題が出ていますけれども、国鉄収入全体として、構内営業によってどのくらいもうけがあがっていますか。おおよそのところで、細目は要りません。
  50. 豊原廉次郎

    豊原説明員 構内営業というもので入ってまいりますものは、約四十億くらいであります。
  51. 神近市子

    ○神近委員 全収入の何%ぐらいに当たるのですか。
  52. 豊原廉次郎

    豊原説明員 国鉄の全収入は、四十一年度の予定では八千五百億ばかりでございますから、四十億ということは、それの二百分の一くらいに当たります。
  53. 神近市子

    ○神近委員 これは西武の駅が民衆化されるときに問題になったのですけれども、国民に対するサービスでは、この四十億の利潤をあげるために、あんなに駅を雑踏したものにすることがいいか。たまに駅に行っても、どこから乗っていいか、どこがどうか、わけがわからない。昔は、駅というものはたいへん楽しいところだった。自分が行くところはちゃんとわかっていた。その点、いま民衆駅だ民衆駅だといっていらっしゃるけれども、ちょっとこれはお考えになったほうがいいのじゃないか。ともかく、デパートに行っているのだか、駅に行っているのだか、わけがわからないというのが、いまの混雑です。これが民衆駅の欠陥なんです。その点、いま勝澤委員の質問にもあったように、この程度の利潤をあげるために、あれだけ不便をかけるということは、私はちょっと国鉄として考えておおきになるべきだと思います。それだけ、私の希望として申し上げておきます。そして、実際に国民の一人として、どんなに不便か、ということを、少し考えていただきたいと思います。
  54. 吉川久衛

    吉川委員長 これにて、本日の参考人に対する議事は終了いたしました。  参考人には、お忙しいところ、調査に御協力いただき、ありがとうございました。      ————◇—————
  55. 吉川久衛

    吉川委員長 次に、三十九年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、農林省所管及び農林漁業金融公関係決算について、審査を行ないます。  まず、農林政務次官より、概要説明を求めます。仮谷農林政務次官
  56. 仮谷忠男

    ○仮谷政府委員 昭和三十九年度の農林省関係の決算概要につきましては、お手元に印刷物をお配りいたしてございます。それによって御承知をいただきたいと存じます。何とぞ御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
  57. 吉川久衛

    吉川委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十九年度決算の説明書は、便宜、委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。小熊会計検査院第四局長
  58. 小熊秀次

    ○小熊会計検査院説明員 昭和三十九年度の、農林省所管決算検査報告の概要につきまして、御説明申し上げます。  三十九年度決算につきまして指摘いたしましたものは、工事関係十三件、三千万余円、物件関係一件、一千九百万余円、保険関係三十二件、三億九百万余円、補助金関係三百十四件、二億五百万余円、計三百六十件、五億六千万余円となっており、また、災害復旧事業に対する早期検査の結果、補助金の減額を要するものは十一億二千六百万余円であります。  ただいまから、個別案件につきまして、検査報告に記載してございます順序に従いまして、簡単に御説明申し上げます。  まず、工事について申し上げます。二〇九号から二一一号までの案件は、工事の施行にあたり、運搬費、コンクリート打設費等を過大に積算したため、工事費が高価となっていると認められるものであります。二一二号から二二一号までの案件は、工事の施行にあたり、監督、検査が適切でなかったため、施行が設計と相違していて、出来高が不足しているもの、もしくは設計に比べて工事の効果が低下していると認められるもの、または工事の設計が当を得ないため、不経済となっていると認められるものであります。  次に物件について申し上げます。二二二号は、自作農創設特別措置特別会計に所属する財産の管理が十分でないという指摘でございまして、このような事態につきましては、すでに三十七年六月、管理の適正化につきまして、改善処置の要求をしたところでございまして、逐次改善されておりますが、なお一段と管理体制の強化をはかり、これらを是正する要があるものと考えられます。  次は保険でございますが、二二三号から二四七号までは、農業共済保険事業の運営が適切でないという事態でございまして、指摘金額が昨年に比べ増加しておりますが、これはおもに、三十八年産麦の被害が非常に多かったことによるものと認められます。  本事業の適正な運営につきましては、関係当局者におかれましても少なからず努力されているところでありますが、さらに特段の努力が望まれるところでございます。  二四八号から二五四号までは、漁船再保険金の支払いにあたりまして、組合の損害調査が十分でなく、てん補額が過大に認定されているのをそのまま認めて、過大な支払いをいたしましたり、あるいは保険事故でないものに対してまで再保険金を支払ったりしている事態であります。  次は補助金でございます。二五五号から五三三号までは、いずれも公共事業関係のものでありまして、工事の施行が粗漏となっているもの、出来高が設計に比べて不足しているもの、あるいは事業主体が正当な自己負担をしていないものなど、国庫補助金の経理が不当と認められた事例が多数にのぼっております。  また五三四号は、昭和三十九年発生災害復旧工事の査定を了したものに対し、早期検査を行ないました結果のものでありまして、検査の結果、本院の注意に基づきまして、当局が査定額を減額是正いたしたものでございます。  このように、公共事業関係の補助工事の施行及び災害復旧事業費の査定につきましては、従来毎年度検査報告に掲記して、その是正につき注意を喚起してきたところでございますが、依然としてあとを絶たない状況にかんがみまして、別項記載のとおり、改善の意見を表示いたしました。  五三五号から五六八号までは、一般補助関係のものでございまして、うち五三五号及び五三六号は、農業構造改善事業におきまして、事業の計画が当を得ないため、補助の目的を達していないものであり、また五三七号から五六八号までは、農業構造改善対策事業、病害虫防除事業、麦作対策事業などにおきまして、過大な精算を行なっているもの、補助の対象とは認められない事業に対して補助金を交付しているもの、などの事態でございまして、これも例年検査報告に掲記しておりますものと同様の事態でございます。  五六九号は、食糧庁で、全国販売農業協同組合連合会及び全国主食集荷協同組合連合会に対して交付いたしましたなたね交付金について、調査が十分でなかったため、交付の対象としてはならないものに交付していましたり、あるいは、なたね生産者に交付されていなかったという事態でございます。  以上申し上げましたように、公共事業を含めまして、補助金全般の経理につきましては、例年同様、適切を欠く事例が多いことにかんがみまして、関係当局におかれましては、その指導監督を一そう強化して、同一事態の再発防止につきまして、特段の努力が望まれるところであります。  次に改善の意見表示を行なったものについて申し上げます。  四十年十月及び十一月、改善の意見を表示したものは四件でございまして、三十九年度検査報告の一二四ページ以下に掲記してあります。一二四ページの(3)号は、地方拓植基金造成費補助金につきまして、補助の効果が十分あがるよう改善の意見を表示いたしたものであり、また一二六ページの(4)号は、農業改良資金助成補助金を財源とする技術導入資金の運営につきまして、改善の意見を表示いたしたものであります。次の一二七ページの(5)号は、先ほどもちょっと触れました、公共事業関係の補助工事の施行及び災害復旧事業費の適正な査定につきまして、改善の意見を表示いたしたものでございます。次の一三〇ページ(6)号は、食糧庁が行なっている輸入飼料の売り渡しについて、国の財政負担の効果を十分発揮するよう、改善の意見を表示いたしたものでございます。  最後に、昭和三十八年度決算検査報告に掲記いたしました、改善処置を要求しました、農業委員会の特別事業に対する補助金等の経理の適正化に関するもの、及び改善の意見を表示いたしました、二年以上にわたり継続施行する国営土地改良工事に対する予算等の措置に関するもの、並びに林産物検査の取り扱いに関する事項につきましては、当局におかれても慎重に検討されました結果、それぞれ是正改善の処置がとられておりまして、その処置の状況は一四五ページ以下に記載してございます。  以上、簡単でございますが、三十九年度決算検査報告の概要説明を終わらせていただきます。
  59. 吉川久衛

    吉川委員長 次に、農林漁業金融公庫当局の資金計画、事業計画等についての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと思いますので、さよう御了承を願います。  これにて、説明聴取を終わります。     —————————————
  60. 吉川久衛

    吉川委員長 資料要求について、勝澤芳雄君から発言を求められておりますので、これを許します。
  61. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まず、農林省関係で、国営かんがい排水事業の経過について、いろいろ詳細な資料をお願いいたしますので、あとで、委員長のほうにこまかいことは説明いたしますので、ひとつその資料を御提出さしていただきたいと存じます。それから次に、国営干拓事業、この経過関係についての資料、それから食糧庁の関係で、輸入食糧、飼料等の運送について、日本通運株式会社との契約に関する関係資料、それから輸入米麦の問題で、商社に対する買い入れを行なわしておりますその配船計画の問題、それから農林漁業金融公庫の融資に関する資料、それから会計検査院から指摘をされております。輸入飼料の売り渡しについての関係資料、相当詳細にわたりますので、別途委員長の手元に出しておきますので、ひとつ御手配を願いたいと思います。
  62. 吉川久衛

    吉川委員長 吉田君。
  63. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私も資料要求をしておきます。  開拓営農の振興対策につきまして、第一次、第二次の対策の具体的内容、なお、開拓営農の審議会の記録を、重複しない範囲におきまして、参考資料があるならば、添付せられるように。それから、開拓農業の具体的な実態を知り得る統計、それから政府資金並びに農林漁業金融公庫、その他の融資の内容につきまして、三十八年度以降の数字の統計、それから米以外の食糧輸入の状況、これは三十九年度並びに四十年度——四十年度はまだ決算はできていないかもわかりませんので、可能な範囲でいいと思います。これは輸出国並びに品種別、そしてなるべく価格等につきまして……。それから——その他はちょっとあれなので、文書をもちまして、委員長あてに出しますから、きょうは以上のとおりであります。
  64. 吉川久衛

    吉川委員長 勝澤、吉田両委員要求資料につきましては、委員長において、農林省に要求いたします。農林省所管の審査は来月七日十時から行ないたいと思いますので、それに間に合うように、資料要求をいたしておきます。      ————◇—————
  65. 吉川久衛

    吉川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件について、おはかりいたします。  国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件中、日本銀行関係調査のため、本委員会に、参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時五分散会      ————◇—————