○田中(彰)委員 ちょっと関連して。どうも、私は塚田
関係と、いろいろなことがございますので、こういうことは質問申し上げたくないのですけれども、山田君からもそういう話があり、
予算委員会等でも問題になっておる。その他いろいろございますから、われわれが耳に入れた、はっきりした点ですね、うわさでなく。これを申し上げますと、新潟の検察庁では、とにかく二十万円以上六、七十万円までの金を全部の県
会議員にくれてやったことは事実である、そのほかにも各団体の長には
相当の金が回っておる、こういうことも調べてある。それから一番大事な
責任者の、選挙に
幾らかかったという
計算書を出す人、これは全部検挙されて、当人たちは白状していますが、これは一に五をかけたくらいのものならば別ですけれども、これは全部うその、公文書の偽造で、てんで問題にならぬうそである。業者からも
相当の汚職めいたものも出ておるけれども、これもいままではやっていいか悪いかわからぬから、一つくらいなことで、どっちかでいこうというようなことになって、一生懸命調べているんだが、
東京の最高検へ持ってくると、おまえたちの調査はこれではよくない、こうやって調べろ、ああやって調べろと言って、その調査をあいまいにさせるように、弾圧を上から加えている。これはもう絶対に、新潟の検察庁の人が言うのでなく、
刑事局長も御存じのとおり、検察庁も、われわれが当今聞いたのですが、なかなか派閥で割れておる。しかもこれは、死にましたけれども、岸本派の者たちが、あの選挙に、全くいまの検察庁の主権を握っている人たちにいじめられて、そうしてあそこまでいったけれども、法治国だから、検察庁に公職があろうがなかろうがしかたがないじゃないかといって、あきらめて、熱いお湯の中へ入ってこたえておる者がある。そういう者たちから見ると、いまの検察庁のやり方というものは全く上のほうはわからない。裏で、下で一生懸命やっても、いろいろなことをやられるのだ、こういうことを言っているのですね。また実態を、私たちも選挙をやっていますから調べますと、選挙に十人なら十人で働くと、
委員長も御存じですが、これは公定ではできないことは知っています、わかっていますから、十人なら十人で働くと、おまえたちの人夫賃として、十人に、これを分けろ、と言ってやる。それを全部で分けて、そして二百円なら二百円ずつ分けて、その分けてしまったうちから、たとえば百円なりでも、五十円なりでも出して、疲れたから一ぱい飲もうじゃないかといって飲んだやつはひっかかっていません。言いわけが立っています。ところがまとめてもらった中から、疲れたから一ぱい飲もじゃないかといって、もらった中で一ぱい飲んで、残ったのを分けた者はみんな起訴されている。これは日本全国に六十何件あります。そういうようなものから見ると、ちょっとビラをよけい配ったとか、ちょっと戸別訪問したとか、そういうものがみんな起訴されて、三年、五年の刑に服しているのに、一方は、私が申し上げるまでもなく、おそらく新潟の検察庁では、こんな複雑怪奇な、こんないいかげんな
事件はないといって驚いておるのだけれども
東京へ持ってくると、ここで押えられる。そこで、若い検事たちは、そこらへ投書したり、あるいは手紙を出したりしているのを見ると、やはり二つに割れておるのだ。どうも現在の検察庁の首脳部というものは、昔の特高かどろ警に変わって、憎いことを言うやつは、何かないか、もし
事件がないなら脱税でもないか、何もないかといって、徹頭徹尾やる。そして、自分たちのよいものには、たいていなことはみんなもらしている。この評判だけは、
刑事局長、あんたがぱらりと、
刑事局長という姿を隠してお聞きになれば
東京地検でもどこでも、みんな言うわけです。
刑事局長、これはたいへんな問題なんです。そこで新潟県のこれも、知事がやめたら、不起訴処分にしておさめようじゃないかというので、もはやすでに首脳部できまっておるのだ。これは動かすことのできない事実だ。これはどの程度からどう行って、どこでどうなったということまで、検事局の中から漏れてきています。検事局の中から……。やはり検事局にも正義の若い検事がおります。世界に日本が誇るものは、日本の裁判
制度がいいということ。その次は検事局だけでも公平無私なりっぱなものだということで、人が信用しているわけです。われわれがきょうここで発言すると、あなたがまた上に行って言われる。今度何か田中にないかといって、またあしたから事務官的なものを出して調べられる。そういうことがないとあなたは言うなら、私はこの前証人を連れてきた。検事局に呼ばれて、田中の野郎うるさくてしょうがないから、何かないか調べてくれといって頼まれた上席の検事が二、三人おることは、証明していいです。ここにたくさんおいでになりますから。まあ昔のどろ警か特高みたい、憲兵隊……。新潟の
事件では、ほとんど下の、まあ検事正は別ですが、調べている検事は泣いていると思う。一生懸命になって調べて、ここへ来ると、ああでもない、こうでもない。
公判でもし無罪になったらどうする。
公判で無罪になって、ほんとうに
責任を負うなら、
昭和電工
事件だって、その他でも無罪になったものは、十調べたら四九%無罪になっていますよ。この
責任はだれが負うのですか。それをこの新潟の
事件に対してだけ、もし
公判で無罪になったらどうするのだ。ウィスキー密輸入一つにおいたって、それからバーの許可の不正においたって、農地転用の違反においたって、公文書の偽造においたって、業者との汚職においたって、二十万から六十万までです。われわれも二十四、五万もらっておりますが、これを二十五人にくれると、たいへんな金になる。知事は十六万ちょっとの給料ですから、自分の四年ぶりの給料を中元にくれましたなんかで済むものではございません。党でも、何かこれを党から贈ったことにしてごまかそうといって、あなた方に相談したが、これはちょっとぐあいが悪かった。みんなこういう相談に検察庁の首脳部が乗っている。党から金をやったということにすれば済むのではないか。これはだめだ。しかし今度はこれがいいということになりますと、選挙になると、中元で、もけっこう、葬式の香典でもけっこう、歳暮でもけっこう、自分のとった給料の四年ぶりまではやっても違反にならぬということになる。四年ぶりまでは、配っても違反にならぬ。任期中に世話になったというなら、
国会議員にも任期がございます。解散から解散まで任期中です。だから、いやあ、任期中に世話になったといってはがきを出してもいけない。あとで取るからといってはがき出しても違反になる。今度任期中に世話になったからといって、わが党の、自分の党の幹部が、おまえにも二十万やる、それでもいいなら選挙は金さえあればできるはずです。これも私は重大な問題だと思う。それも、いままでたとえ五万円でも十万円でも現金くれたのならいいけれども、いままで四年間に、品物の三千円か四千円の物しかくれていない。今度のときに初めて二十万以上くれた。それも吉浦候補が立候補になってからくれたのか、その前にくれたのか、私はそんなことは——おっしゃるまでもなく、私も選挙違反にひっかかっています。半年前にやったことは、塩引き一本配ったことまで全部ひっかかっています。半年前に親類や友だちのところに行って、帰ってきたからよろしく頼むよと言って、塩引きのこんなもの一本くれたのが全部ひっかかっています。それが二十万から六十万まで。まだ、上のほうでもって干渉なさらなければ、各婦人団体、各団体に出した金は大きなものです。けれども上のほうで干渉をして調べさせたい。これは常識ある
刑事局長、
法律に通じられるあなたがお考えになったって、私はおかしいと思う。不起訴なんかもそのとおりです。この前、鹿島建設のごとき、起訴猶予になっておるのですから……。それからあと二、三月たたぬうちにこの
事件が起きておる。何も吉浦が立候補する前にくれたとか、後にくれたとか、そんなこと問題でない。もう私は知事に立候補しますと言明して、党でもちゃんとそれを確認して、党へ来てあいさつして、それでもやっておることは間違いないのです。そこは全部わかっておる。だから半年くらい前にやったことが
事件になるかならぬのに、そのきわへ来て、七月の末にくれた、八月の一日か二日ころくれた、それが吉浦が党で立候補することがわかってからくれたのか、じゃわからぬということになれば、それは中元で済むのですか。あるいは任期中にお世話になって、四年生の、議員の任期は四年ですが、一年生議員もおれば二年生議員もおるから、お世話になった一年生は
幾ら、二年生は
幾らと、
差額をつけていくのですか。一番下が二十万、それから六十万、七十万、八十万までくらいいっております。そのほかにも、県
会議員の上の議員、そこへも何百万といっています。それを全部こっちへ相談に来る。みんなこれを押えてしまう。もしこういうことが実際に行なわれているといたしますれば、私は日本にも重大な問題が起きてくると思います。インドネシアのスカルノ大統領が日本に来て、とにかく非常に人気があった。当時の総理の岸さんからみんな、たいへんなことで大騒ぎしたときに、あの国の国民が困まっておる、大統領がああいうことをやるなら長く続かないよと言って、私が笑って、みんなから攻撃されましたが、現在そこへ行っています。新潟をもしこのままで不起訴なんかにされれば、
東京都の都知事選には、あれがいい材料の一つとなって、
東京都の都知事選で負けます。これがもし負けたとしたらどうなるでしょう。その他あらゆる選挙にこれが私は材料になると思う。私は疑っておるのではありません。いま、山田君が、帰ろうとしたら待てなんというから、私は申し上げるのです。確かにそういう評判です。そういう検察庁の内部からもいろいろな手紙が出て、いろいろな者がそれをつかんで、いざとなれば立ち上がるという者が
相当、
国会の自由民主党の中にも——社会党諸君の中にはもちろんでしょう。公明党の中にも、あるいはその他の評論家とか、そういう者の中にも、現職検事から、そういうものを訴える現状の、内容をもらって持っておる者があるということを御推察なさって、この処分だけは、無罪になろうが、不起訴になろうが、われわれの
関係したことじゃありませんが、変な
事件が勃発しないように、ひとつ公正に考えてやっていただきたいと私は思います。ある人など——これは言っていいか悪いかわかりません。大阪の柳川という検事長にですが、言ったか言わぬかわかりません、君、大阪へ行くのかというと、おれは大阪に用事があって行くのだ、おれ柳川に言ってやるぞ、君、一体、新潟、あれなんだ、君ら精出してやれと言ってやるよ。そんなことまでわれわれの耳に入るのですが、これは
刑事局長は
国会にも出られたり、あるいは法務
委員会にも出られたり、いろいろなさっておられるのですから、おわかりになっておるだろうと思うのです。これがもし変な取り扱いになれば、私が社会党の諸君からほんとに聞いているところによると、これは法務
委員会なんかで問題にいたしません、各
委員会を停止して、
国会の運営を停止して、これを社会に訴えるという社会党の方針がきまっています。こんなことになったら、私は、たいへんな、山谷や大阪の労働者街で起きたような、ああいう問題だって、もっと大きなものが起きるのではないか、こう考えておりますので参考に申し上げるのです。実はこれは申し上げたくない。私は帰ろうとしたけれども、そこまで言われますから、われわれのほんとうの知った声、これを申し上げるのです。
森脇事件でもそうなんです。あそこまでいかないであの
事件が済まされなければならない内部との
関係があった。若い検事さんをそこらじゅうから頼んであれをやったために、下から突き上げられて、隠すことができなくなった。できないならあくまでも下が突き上げて徹底的にやることによってあすこまでできた、というのが
森脇事件の
評価だというので、これも評判にしています。
どうか、国民の一番信頼しているものは
裁判所と検事局ですから、ひとつ、かたきの子でも、たとえわが子でも、
事件に対しての取調べは公正にやりてもらいたい。これを私はお願いいたしまして、私の知っている範囲をいま申し上げたわけです。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
刑事局長はどういうお考えでありますか。