○
柴田(護)
政府委員 四十
年度の
赤字につきましては、現在、各
地方公共団体におきましては、最終予算を編成中でございます。したがって、その最終予算を三月の議会に出しまして、そして整理をいたしまして、五月末に整理が終わるわけでございますけれども、それが出てまいりませんと、確たる数字はつかみ得ないのでございますが、私どもの大ざっぱな感じと申しますか、ということでお許し願えますならば、昨年は非常に
税収入が落ちて、
交付税が予算計上額よりか下回っていたり、あるいは
税収入が減ったり、そこへ加えて給与改定が行なわれたりということがございまして、いろいろ
地方財政に大きな混乱があったわけでございますが、それぞれ必要な措置を講じましたため、現在のところでは、大体三十九
年度とそう大きな差なくして推移するのじゃなかろうかというように考えております。若干
赤字の
増加はございましょうけれども、おおむねそう大きな変化なくして推移するのじゃなかろうかというように思うわけであります。
特別会計であります
国民健康保険会計につきましては、三十九
年度決算では非常に
赤字がふえておりますけれども、四十
年度におきましては、調整
交付金の不足分についての特別の措置がございました。それからまた三十九
年度の未交付分の
負担金、それから四十
年度に不足するであろうものが、三十九
年度と違いまして、百億ばかり補正予算で追加されております。それこれ考えますると、四十
年度の
国民健康保険会計の
赤字額はずっと減るであろう、おそらくは
事務費の国庫
負担金の不足分を中心にしたものだけにとどまるのじゃなかろうかというように考えられるのでございます。
公営企業会計におきましては、事情はやや異なっておりまして、これは三十九
年度決算で六百六十億の
赤字でございますけれども、この
赤字はもっとふえるであろう、三十九
年度におきまして、
水道会計あるいは病院
会計等におきましては、ある程度の合理化、再建化というものが行なわれましたけれども、
交通会計につきましては、やはりまだいろんなひずみが残っておりまして、それらのことを考えてまいりますると、おそらく
交通会計におきましては、
相当額
赤字がふえるのじゃなかろうか、こういうように考えておるわけでございます。
そこで、私どもといたしましては、先ほど申し上げました
赤字の問題につきまして、
政府として考えなければならぬことにつきましては、やはり積極的に考えていくというたてまえをとりまして、
昭和四十一
年度予算の編成にあたりましては、
一般会計につきましては、いわゆる
超過負担というものをできるだけ解消するということで努力をしたわけでございます。これにつきましては、全部じゃございませんけれども、国の国庫
負担金の
関係で、大体三百三十億自然増が含まれておりますので、それを除きますと、ネットでは二百五十億くらいの解消である。したがって、国庫
負担金で二百五十億くらいの解消がはかられますると、基本としましては五百億くらいの
超過負担が消えたということになります。まだ
相当残っておりますけれども、まあ大体半分近いものが解消をされる。
それから
人件費の問題につきましては、やはり少数精鋭主義という方向をとっていかなければいけないだろうということで、少数精鋭主義の徹底ということを、私どもは指導の基本方針にしてまいりたいと思うのでございます。しかし、それには単に一
団体だけの少数精鋭ということではございませんで、やはり事務の広域処理、たとえば数カ
町村が集まりまして清掃
関係の事務を行ないますとか、そういった形で、事務の広域処理ということを積極的に進めていくという形で、少数精鋭主義、事務の効率化というものに徹底をするように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
それから、
特別会計への
繰り出し金の問題を正常化いたしますためには、どうしても
国民健康保険会計と
公営企業会計というものは健全化を達成してまいらなければなりません。
公営企業会計につきましては、先年来、
地方公営企業制度調査会というものをつくりまして、その道の学識経験者の方々にお集まりを願いまして御審議をわずらわし、昨年の秋に御答申をいただいたわけでございますが、この御答申に基づきまして、
公営企業法の改正案を準備いたしました。
昭和四十一
年度から再建に着手をする再建
計画を立てて、そして
計画的に
赤字を解消していくかたわら、いままでの不良債務を長期の再建債に切りかえまして、これに利子補給をする、それから今後
赤字が出ないといったような措置に対しまして、地下鉄に対する援助金をふやしましたり、あるいは金融
公庫の水道
事業の
貸し付け金の利率を
引き下げたり、といったような措置を講ずることにいたしたのであります。
国民健康保険につきましては、
事務費の国庫
負担金は多少引き上がりましたし、また
負担金の率も、これは従来
補助金でありましたのが
負担金に切りかえ、その負担率が引き上がっております。これらのことで十分ではございません。しかしながら、再建への
一つの路線が敷かれた。これをさらに推し進めることによりまして、
地方公共団体におきまして、能率経営、それから経営体制の確立といったようなことを通じて努力を願うかたわら、
政府といたしましても、制度その他にまつわる基本問題といたしましては、
相当大きく再建の路線というものを敷くことができたというように考えておるわけでございます。もとより十分じゃございません。今後なお必要な措置につきましては必要な措置を講ずるように努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。