○橋本
政府委員 ただいまの
穗積さんの御
質問でありますが、
閣議というところはどういうところかということをひとつ申し上げたいと思います。
閣議というのは、大体短いときで一時間かかりますし、その間あらかじめ議題をきめることが原則であります。それからあらかじめ議題をきめませんが、必要に応じて各
大臣から、こういうことについて
報告をいたしたい、これが大体原則です。したがって、
閣議の主宰者としての私の考え方は、いわゆる前もって予定された正式の議題並びに予定することはなかったためにこういう発言をいたします、こういうことを事前に官房長官に通知したものをもって議題といたす、これが原則であります。当然そうでなければならぬと思います。したがって
閣議で自分が言うこと、これは一億の
日本国民の生活、安全その他を保障するといいましょうか、それらに対して重大な
関係のある
閣議でありますから、重要な
意見の交換が行なわれる場合もありますが、必要によっては必ずしも重大な案件だけがかかる場合もない、比較的に議題の少ないときもあります。そのときには、いわゆるわれわれの言うところ雑談のかわされる例もある。この点は皆さんもおわかりだろうと思います。
そこで、いまの
お話ですが、実はこれはいま申したように、当初から予定された議題でもなく、また事前に官房長官までにかようなことについて
報告をするという議題でもなかった、そういうために先ほど何か
穗積さんは私がこの件を
発表したように言われておりましたが、私は
記者会見の席上ではこの点については触れなかったということは、正規の議題でもなし、かつまた準正規の議題でもなかったということで、私は実は
記者会見の際も触れなかった。これは実情を申し上げるのですが、そうすると
記者の中から、こういうことが自治省で話が出た、こういう話があったわけです。それはあったようだけれ
ども、これは目下実情を調べておるという性質のものであるから、あらためて自分はここでは言わなかったのだ、こういうことを
記者会見で言うたわけであります。したがって、これは正式の
閣議の議題もしくはそれに準ずべき議題として
報告されたものではないという見解を私は当時とっておったから、この問題は私からは正式に
記者会見では言わなかった、こういう性質であります。私、その後におきましても、正式に、あるいは非公式にといいましょうか、具体的な
報告を自治当局から受けておりません。その程度に、いわゆる実態というものは私はまだ知っておりませんが、ただ、先ほど来自治
大臣等がその事実を皆さんに
お話をなさっておるようでありますから、その事実については、所管
大臣、いやしくも国務
大臣であり国家公安
委員長の職にある者が皆さんに申し上げておるのですから、その中におったとか、そういうような事実はそのとおりであろうと思いますが、そのことをどうしようという考え方は、実は官房長官としても、あるいは
内閣としても特にこの問題について考えておらない。ただその際総理が言われたことは、さような疑いがあるならば調べておく必要はあろう、こういう
閣議での発言のようであったようであります。ただそのことは私は
記者会見で申しておりません。かようなことでありますから。またこれを広く考えれば、人間というものは、ちょっとしたことからいろいろな誤解を生みやすいものであります。いわゆる
警察官がそう見たとか、あるいは第三者がどう見たとかいうことはありましょうけれ
ども、いろいろな形の上から見ればいろいろな誤解があったり何かすることはあり得ると思います。ただ総理としても私といたしましても、
佐藤内閣全体がとにかく未承認国の間といえ
どもできるだけいわゆる仲よくやっていくことが
日本の国是である、こういう見解を明らかにしておるわけでありますから、したがって、この問題を何か考えて特別に問題をこんがらがすとか、あるいは特殊な
状態にまで考えるという考えは、もちろん先ほどの
永山国家公安
委員長の
意見でもこれはないと思います。ことにこの
日本は、御承知のように、言論界等においては原則として自由の国である。おそらく世界最大に自由であろう。しかし、ただ
外国人の
記者に対しましては、旅券法もしくは話し合いの上で、こういう範囲までは自由にできる、こういう範囲までは一応届け出をするなり了承を求めてもらいたい、こういう考え方はあるようであります。これは当然で、
外国に行っても
日本人の
記者は制限といいますか、そういうことに従っておるわけでありますが、それ以外はやはり自由な
立場で
取材する。御承知のように、中共の
記者諸君もこの国会にも入ることができる。これはおそらく各国に例がないことだろう。ここまで皆さんも、いわゆる国会
自身も、たとえそれが未承認国であれ、中共であれソ連であれ、そういう希望があればこれを入れるということから、国会にいわゆるそういう
記者団の人が入って書くことができる。これはおそらく世界的に見て最大の自由が許されておると私は考えます。また官邸
記者クラブにも中共
記者団は入会、これはオブザーバーでありますが、したがって首相会見にも
出席ができる、こういうことになっております。さような意味で、大局的に見れば、お互いに人類愛といいますか、人類の平和のためにできるだけ誤解を少なくし、そうしてよりよき社会建設のために努力をしておるという善意は御了承を願いたいと思います。
したがって、この問題に関しましても善意の
措置をもっておそらく
関係当局はやっておるだろう、ただ
穗積さんは私に御
質問で
内閣はどう考えるかといえば、いま申したような基本方針で対処しておる。もちろん私
どもには具体的にこの問題についての
報告がまだ来ておらないということは、いかに
関係当局がこれを善処しようという考え方でやっておられるかということを御了解願って、いわゆるこの誤解がまた誤解を生むということのないように処理していきたい、かように考えておるわけであります。