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帆足委員 私はこの問題について注意を促しておきますが、
朝鮮戦争前に発表されました対華白書に、当時のトルーマン大統領、アチソン国務長官ですか、詳しく当時の
状況を述べております。そして台湾は
日本の手
から放棄された、放棄されたあとの台湾は当時の中華民国に返還された、第何省かの省長さんが任命され、復帰の祝賀会も行なわれた、同時に金門、馬祖も台湾省につけ加えられた、それが既成の事実でありまして、もう事は済んでおるので、いわば婚約
状況ではなくして、結婚式はすでに済んでおるのでございます。済んだあとに
朝鮮戦争が起こりまして、急に
アメリカが態度を変えまして、そして二つの中国——蒋介石の威信が地に落ちたときには二つの中国でいこうということを
アメリカの利害
から考えておるのでありまして、国際法上
から、これは何ら根拠なきことであって、これは利害の問題
からそういうことをしておるのでございます。現在すでに七億の人口、二十年にわたって安定した形で支配している中華人民共和国が国際連合にも加入を認められず、しかも台湾のわずか一千万人にも満たない焼きイモ一つほどの国が五大常任
理事国の一つになっておるということは、子供に話をするのでも話にもならぬ、こういう
状況でございます。いわば、源為朝ですか、「弓張月」の為朝が伊豆の大島かどこかにござって、そうしてござるけれ
ども、やはり日の本の国であることは間違いありません。しかし、為朝が敷島のやまとの国を名のるならば、京の都は一体何と答えればよいか、これはだれにもわかり切ったことでありまして、どうしてこうまで
日本政府はおつむが弱いのか、これは一体ビタミンの不足
から来たのか、どこ
から来たのか、ほんとうにあまりにも
政府と私
どもの意見の隔たりが大きいことを嘆くものでございます。したがいまして、二つの中国という窮余の策に
日本が引きずり込まれないように、この窮余の策に対しては当の蒋介石殿ですら反対であろうと思います。変な論理に巻き込まれて、
日本民族の論理学に対するおつむの健全さを疑われることのないように御注意を促しておきたいと思う次第です。
最後に一つ、二つ。一つは、沖縄におきまして、参議院で論議されましたが、もう統治二十年にもなりますのに、まだ国籍問題が明確でない。
日本を通ってパリに参りますときには
日本国民、沖縄
から直接出航いたしますと琉球人、琉球人とはこれいかに。こういうわかり切ったことがいまだに放置されておるということは、私は歴代
政府の怠慢であることは間違いないと思うのです。一日も早く外務省
から督励してこの問題を
交渉して、そして沖縄の同胞に対して祖国の誇りを持たせていただきたい。
第二に、沖縄においては、学校におきましても、公共建築物でも、祭日には国旗の掲揚が認められました。これについての総理府の御努力に対して私
どもは敬意を表しますけれ
ども、それならば沖縄の漁船に対して国旗を掲げることぐらいは公式に認めてもらいたい。どこに参りましても、一体あれはどこの国であろう、しかたがない
からと骸骨の旗でも出しておきますれば海賊船と間違えられますし、沖縄の象徴であるハブの旗を出しておけばこれまた人の好奇心と恐怖をそそる。したがって日の丸の旗を掲げる権利ぐらいのことは早く解決していただきたい。これを切にお願いします。これは党派を越えた問題であります
から、別に御異存もないし、私も与党、野党の別ない共通の問題として要請いたす次第です。
それ
から第三に、
朝鮮人帰国のことは、これは藤山
外務大臣、当時椎名さんは書記官長でございまして、やはり一緒にお骨折りくださいまして、その成績は八万五千人、雨の月も風の月も、毎月新潟
から数百人の帰国を希望する
朝鮮の友を乗せて赤十字船は波静かに走っております。冬は寒くて人が減りますけれ
ども、春はふえる。夏は暑くて減り、秋はまたふえる。谷川の水が流れるように自然に流れております
から、これは自然の理にまかしておくことが必要でありまして、将来国交が回復し、定期船が通うようになればその必要はありませんけれ
ども、それまでの間は私は自然の理にかなうことが必要であろうと思っております。また国際赤十字の御協力も
日本政府から頼んだことでもありますし、赤十字がこの帰国の仕事がほとんど百点に近い静けさをもって行なわれておることに対して満足の意を表しておる
状況でございます。したがいまして、これは引き続いて波風なく続きますようにお願いいたします。これと関連いたしましていろいろな問題がありますけれ
ども、その問題はこの次の機会に
外務大臣のお耳に入れることといたしまして、帰国のことは円滑にいっております
から、
外務大臣に——前の帰国事業の
責任者は自民党元副
議長の気骨りょうりょうたる岩本議員さんでありました、私はその補助者として幹事長をいたして今日に至ったのでございますけれ
ども、せっかく超党派に円滑にいっておる人道と友情の仕事でございます
から、これはイデオロギーや政党政派を離れまして、赤十字精神で引き続いて善処していただくことをお願いいたします。これは先日外務次官にも経過を御報告しておきましたし、藤山さんにも経過を御報告しておきましたが、
アジア局長も大局のことは御承知のことと思います
から、引き続いて御善処のほどお願いいたします。
以上三点につきまして、
政府の御
答弁をいただきたい。