○廣田
政府委員 御
指摘のとおり、大部分がパラグアイでございますが、一部ボリビアからも流れているようでございます。アルゼンチンのほうに流れていくその数は、実はある
意味では不法入国なものですから、はっきりはっかめませんけれ
ども、約八百名くらいではないかという報告を受けております。不法入国と申しましたのは、入国するときは実は不法じゃないので、例の観光ビザで行きまして、三カ月ならビザが要りませんものですから、それである
意味では正当に入国しておる
わけですが、三カ月たちまして、帰らない。むしろ不法滞在と言うほうが正確だと思います。そういうことで、アルゼンチンのほうにだいぶ流れているようであります。これにつきましては、この流れをとめることが一番大切でございます。そこで特に来年度の
予算に計上してございますけれ
ども、パラグアイの南のほうのアスンシオンを中心とする
移住地では、永年作物としてアブラギリを栽培している
わけでございますが、これがもう二、三年たちますと、いわゆる生産量が相当多くなるに従いまして、からつきのままですと値段が非常に上下いたしますので、
移住者の生活が安定しないということで、これをむしろ油にして、やれば、値の悪いときは保存もできますし、それから遠く海外にも輸出できますし、値段も安定しているということもございますので、来年度の
予算では事業団の交付金から一億円を出資しまして、かつ、これまたいろいろ販売等の面もありますので、民間の企業にも参加していただきまして、大体二億円ぐらいの資本金で現地にアブラギリの搾油工場をつくるという施策を
考えております。したがいまして、あの方面で最も主要作物であるキリ油のそういう販売方面が確立すれば、長い目で見ればあの地の
移住者も定着するのではなかろうかと
考えております。
さらに北のほうにイグアスという
移住地がございます。初めはこれにもアブラギリを永年作物として採用させようという計画でございましたが、
先ほども申しましたような事情もございますので、むしろイグアスにおきましては畜産を導入したい。来年度はそういうものをだんだんに指導するという
意味におきまして、畜産センターをあの地につくるように計画しております。それから同時に植林も非常に有望である。ただこれも、さっそく始めましてはどういうことになるかわかりませんので、まず事業団が試験的に、イグアスの
移住地のまん中を国際道路が通っておりますが、その両側何メートルかは向こうの
政府の方針でいろいろな作物をつくれないということもございますので、国道沿いに植林を計画して、来年度ぐらいから始めたい、こういうふうに
考えております。いずれにいたしましても、パラグアイにおける
移住者の定着施策ということを前向きでやってまいりたい、こういうふうに
考えております。