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1966-05-11 第51回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会動力炉開発に関する小委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十一年五月十一日(水曜日) 午後二時五十九分
開議
出席小委員
小
委員長
菅野和太郎
君
中曾根康弘
君 西村 英一君 岡 良一君 田中 武夫君 原 茂君
内海
清君
出席政府委員
科学技術政務次
官 田川 誠一君
総理府事務官
(
科学技術庁長
官官房長
) 小林 貞雄君
総理府技官
(
科学技術庁原
子力局長
) 村田 浩君
—————————————
三月二十三日 小
委員内海清
君同日
委員辞任
につき、その
補欠
として
佐々木良作
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に 選任された。 同日 小
委員佐々木良作
君同日
委員辞任
につき、その
補欠
として
内海清
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に 選任された。 四月十三日 小
委員内海清
君同日
委員辞任
につき、その
補欠
として
稻富稜人
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選 任された。 同日 小
委員稻富稜人君
同日
委員辞任
につき、その補 欠として
内海清
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選 任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
動力炉開発
に関する件 ————◇—————
菅野和太郎
1
○
菅野
小
委員長
これより
動力炉開発
に関する小
委員会
を開会いたします。
動力炉開発
に関する件について
調査
を進めます。 本小
委員会
は、設置されてより、
関係
各方面より
参考人
を招致し
意見
を聴取するなど、
わが国
の
動力炉開発
の
あり方
について
調査
してまいったのでありますが、
調査
の経過について
委員会
に
報告
する小
委員長報告要旨
がまとまりました。
岡良一
2
○岡小
委員
私は小
委員長
の構想を体しましてその
成文化
に御
協力
を申し上げましたので、私が小
委員長
にかわってその案を朗読させていただきたいと思います。
動力炉開発
に関する小
委員長報告要旨
(案) 本小
委員会
は昭和四十年五月十二日(第四十八回国会)に設置され、以来
関係
各
分野
及び
学会等
から
参考人
を招致し、その
意見
を求め、また
関係団体
(
原子力産業会議
、
産業計画会議
、
電力中央研究所等
)の公刊した資料、あるいは、
原子力委員会
の
中間報告
(
動力炉開発
の
進め方
について)、
動力炉開発調査団
の
報告
を参考として検討した結果、次のごとく
わが国
の
動力炉開発
の
あり方
に関する
意見
をとりまとめ本
委員会
に
報告
する。本
報告
に関してその具体的な
推進方策
および所要の
予算措置
については、
原子力委員会
はじめ
政府
が専門技術的な見地をも考慮し、
責任
をも
つて
措置
すべきである。 一、将来に予想される飛躍的な
エネルギー
の
需要増加
に対応するため、
総合的エネルギー政策
においては
原子力発電
の
重要性
を高く評価すべきである。 また、その
推進
にあた
つて
は、
安全確保
に特に留意すべきである。
わが国
における一九五八年から一九六三年までの
年間平均経済成長率
は一一・二%であり、これに対し
エネルギー需要
の伸びは
年間平均
一三・七%を示し、国民総生産に対する
エネルギー需要
の
弾性値
は一・二二という値を示している。これらの数値に対し、
ラピー報告
によれば、一九六〇年から一九六五年における
ヨーロッパ
六カ国をも
つて
構成する
EEC
全体の
経済成長率
四・九%、
エネルギー
の
年間需要増加率
四・三%、
弾性値
〇・八八であり、
わが国
の数値がいかに大きいものであるかを知ることができる。また、将来の
経済計画
および
エネルギー計画
については、
経済審議会
および
総合エネルギー調査会
においてそれぞれ検討中であるが、一応見送りになつた
中期経済計画
では次のごとく推算している。 年 次 経
済エネルギー
成長率
需要増加率
弾性値
一九六三−六八 八・一%九・九% 一・二 一九六八−七五 七・六%八・〇% 一・〇五 一九七五−八五 六・一%六・〇%〇・九八 したが
つて
これをまかなうためには
石炭換算
で、 一九六三年 一億七、八〇〇万屯 六八年 二億八、六〇〇万屯 七五年 四億九、二〇〇万屯 八五年 八億八、〇〇〇万屯 という巨大な
エネルギー資源
を必要としている。現在の情勢では、この
経済計画
の数値は若干スローダウンすることが予想されるが、現在における国民一人当りの
エネルギー消費量
が国際的にみて低位にある
事情
を考えると、
エネルギー需要
のいちじるしい
増加
は避けがたいとみてよかろう。しかも
エネルギー需要
における
電力
の
需要
の
増加
は極めて高く、一九六三−六八年の間で、年間一〇%程度の伸びが見こまれている。 また、
わが国
における
石油
を中心とする
輸入エネルギー
の
事情
は次のようになるものと予測されている。 総
エネルギー
のな 年 次
エネルギー
の かにおいて占める
輸入依存率
石油
の
供給率
一九六三 五八・四 五二・四 六八 七一・三 六五・三 七五 八一・二 七五・〇 八五 八八・九 八一・四 しかも一九六四年においては
石油
の八七%は中東に依存している状況である。
エネルギー
の
安定供給
を確保することは、
エネルギー政策
の大前提であり、
EEC
においてすら、その
供給源
の
分散化
を図り、六一年の
中東石油依存度
八五%を、サハラ、リビア、
ナイジェリア等
からの
輸入
にきりかえ、六四年度においては
中東原油
の
輸入
を七〇%台にきりさげているのである。
ヨーロッパ諸国
が
エネルギー資源
の確保のため
集団的保障
をすることのできる
条件
にあるのに対し、
わが国
はその現在および将来にわたり
エネルギー事情
はまつたく
孤立無援
の状態にある
といつて
も過言ではあるまい。 このような
事情
から、また、今日における
電力
の
火主水従
の趨勢よりみたとき
わが国
にと
つて
は、
燃料資源
……
原子力発電
の
緊要性
はいよいよ大であるというべきであろう。 また
原子力発電
を
推進
するにあた
つて
は、
原爆被災国
である
わが国
の
国民感情
をも充分考慮し、
原子力委員会
、ならびに
政府
は、施設の
安全確保
については、引き続き万全の
措置
を講ずるとともに
安全性確保
に必要な
研究
を促進すべきである。 二、
エネルギー政策
としては
供給
の安定と
コスト
の
適正化
は必須の
条件
である。しこうして
石油
の
現状
をかんがみるとき、この
条件
を満たすためには、
動力炉
の
自主的開発
を
推進
することが当面の課題であろう。 われわれは
各国
の
メーカー
の声として、しばしば驚くほど低廉な
コスト
を聞かされ、またその文献を送られる。しかし、いずれの国にしてもこのように安い
コスト
で
原子力発電
を行ない得るまでには、国としても大きな
研究開発
の努力と資金の投入があったことを忘れてはなるまい。 たとえば、現在
各国
においても、もっとも新しい
実用炉
として建設されつつあるものについて見ると、次のとおり推定されている。 国 名 炉 型 ア メ リ カ
PWR
BWR
イ ギ リ ス
AGR
W カ ナ ダ CANDU−H二・一二 P フ ラ ン ス EL14 不 明
発電コスト
(円/KWH) 一・八〇 一・四四 一・九二
研究開発費
(巨額と推定されるが
軍事費
から分離しがたい) 五〇〇億円 八〇〇億円 二一〇億円
原型炉建設費
八五〇億円 六〇〇億円 九〇億円 二九〇億円 一五〇億円 右のうち、
アメリカ
の
PWR
はコネチカットヤンキー、
BWR
は
オイスタークリーク
、
イギリス
の
AGR
は
ダンヂネスB
、
カナダ
はダグラス・
ポイント
の
発電コスト
を取った。また、
研究開発費
については、
アメリカ
は不明確であるが、一説には約五四〇〇億円(十五億ドル)といわれており、
原型炉建設費
については
インディアンポイント
、
ドレスデン等
の数基の
原型炉
の
建設費
の合計を計上した。
イギリス
、
フランス
は
黒鉛減速ガス冷却炉
の
基礎技術
の上にたつもので、実質的な
研究開発費
はさらに巨額なものと推定され、しかも
研究開発
の資金は、ほとんど国が支出しているのである。
原子力発電
を行なうにあたって、
各国
で低廉な
コスト
で
原子力発電
ができたとして、これを無
計画
に
自主性
を捨てて安易に導入するようなことがあれば、
石油産業
の
現状
をそのまま
原子力
にもちこむこととなり、
日本
を
各国
の
動力炉メーカー
の市場として提供することとなる
可能性
をはらんでいる。これは
長期
にわたる
エネルギー
の
供給
の
安定性
を確保する観点からみるとき、けっして望ましいこととはいえないであろう。
発電コスト
についても同様のことがい、えるはずである。すなわち、
経済性
の
確立
は、国情に適した
動力炉
が
国産化
されたときにはじめて可能となるものである。か
つて
、〇・六ペンス(二円五〇銭弱)で
発電
ができるという
ヒントン卿
の示唆にもとづいて東海村に
コールダーホール改良型炉
を建設した。これについては当
委員会
においても多くの批判が行なわれたのであるが、この
動力炉
は工期が一年余も遅れ、
建設費
も一〇〇億円近く上回り、その
発電コスト
も伝えられるところではキロワット時当り六円余になったという。いまさらその
責任
を問わんとするものではないが、このことは、
わが国
の今後の
原子力発電政策等
にとってはこよなき教訓である。
わが国
と同じく
占領軍
の制約のもと、十年の遅れをもって
原子力開発利用
に着手した
西ドイツ
においては、
在来型導入炉
の
国産化
を急ぐ一方、
ドイツ
独自の
動力炉
の
開発
にも努力を傾けている。
ドイツ原子力委員会
はその
原子力開発
五カ年
計画
のなかで、
新型転換炉
の
開発
を
中期開発計画
として、
増殖炉
の
開発
を
長期開発計画
としてとりあげ、これらにおいては国家がきわめて大きな役割を果すこととしている。特に
ドイツ
の
原子力技術
の
水準
を向上させる見地から、各種の炉型(
新型転換炉
六種、
高速増殖炉
二種)を並行的に
開発
し、それぞれに対し連邦および州は積極的に助成しており、また
原子力産業界
もたんに当面の利益のみを追求することなく、
長期
的な立場から
動力炉開発
に意欲的に取り組んでいる。このように
動力炉開発
において官民が有機的に
協力
し、その実をあげていることは注目に値する。このように
動力炉
の
開発
を進めている
各国
はおおむね
長期
の展望に立つ
計画
を樹立し、すべての
関連分野
の
研究開発
を正しく評価しつつ、その
計画
を
推進
していることは、
動力炉開発調査団
の
報告
に徴してもあきらかである。
原子力発電
の本命は
高速増殖炉
であり、
高速増殖炉
の
開発
の前には、ぜひとも
実証炉
から一歩前進した
新型転換炉
の
開発
がとりあげられ
国内技術
の造成と、
国内
における
核燃料サイクル
の
確立
をはかる、
一貫性
のある
自主的開発計画
を策定する必要がある。要するに
動力炉開発
は常に
連続性
をも
つて
発展すべきであり、かりそめにも無
計画
であったり、いたずらに
外国炉
の導入に依存しては、
長期計画
の策定などできるものではない。 このような諸外国における
開発計画
ならびにその
推進
の方策にかんがみても、
わが国
においても、高次の
国家的利益
から
動力炉
を自主的に
開発
する方針をも
つて
対処すべきことを強調するものである。 三、
動力炉
の本命たる
高速増殖炉
は、一九八〇年代には
実用化
を見んとしている。したがって、
わが国
の
自主的開発計画
もこれを
最終目標
とし、
核燃料政策
上一貫した
長期計画
を策定すべきである。その
前進拠点
としての
新型転換炉
は一九七五年に
実用化
し得る目途のもとにその
開発
にとりくむべきであり、自主的な
燃料サイクル
の
確立
に意をもちうべきである。 ことに資源の乏しい
わが国
にとっては、
原子力発電
の
有利性
を
最高限
に発揮させるためには、
核燃料
の
安定供給
と
効率的利用
をはかることが必要であり、
燃料サイクル
を自から
確立
することにつとめねばならぬ。したが
つて核燃料入手
の
多様化
をはかるとともに、その
有効利用
に意を用い、かつ、再
処理事業
を
確立
し、再処理の結果抽出されるプルトニウム、
減損ウラン
などの
利用
を含め総合的、かつ効果的に
核燃料
を活用し得る
燃料体系
を
国内
にもたなくてはならない。
アメリカ
は一九六九年には委託濃縮友開始し、一九七三年には
特殊核物質
が完全に
民有化
され、いわゆるシングル・パッケージ・フューエルサービスの名のもとに、
民間業者
が一切
燃料
の
供給
から再処理までを含めて、
軽水炉
の
導入者
にサービスすることが可能となるといわれている。この方式を前提とし、またこれに依存しては
わが国
における
燃料サイクル
の
確立
および、
動力炉開発計画
の
自主的確立
が失われてしまうことは明らかである。したが
つて
、
わが国
における
特殊核物質
の
民有化
の実施にあた
つて
は慎重な配慮のもとにこれを行なうべきであり、また、
ウラン
の
有効利用
の面で不利な
濃縮ウラン一辺倒
の現在の
軽水炉導入
の傾向は、将来
計画
の枠内で調整される必要があろう。
ウラン資源
はもとより
エネルギー資源
に乏しい
わが国
としては、
高速増殖炉
が完成し、真に
核燃料
問題が解決しうる時点までの期間において前述のごとく
国内
で
核燃料サイクル
を
確立
するために必要なしかも、将来の
ウラン
・
コスト
の
上昇等
に対処しうる
新型転換炉
を早期に
開発
することが緊要と考える。したがってこの機会に、
日本
として
天然ウラン重水炉
に対して積極的な関心を示すべきである。同時に
ウラン
もようやく
売手市場
の傾向を示しつつあることにかんがみ、
日本
としても
国内
はもとより海外における探鉱、製錬に関する
技術協力
、あるいは海外の
ウラン資源
の
長期確保
についても、その対策を早期に検討する必要があろう。 いずれにしても
動力炉
の
開発方針
は
核燃料政策
からみても連続的なものとすべきであり、
一貫性
をもたねばならぬ。したがって真剣に
新型転換炉
ととりくみこれを踏まえて
高速増殖炉
の
実用化
に進むべきである。 四、
動力炉
の
開発
はひとり将来の
エネルギー政策
にとって緊要であるのみならず、
わが国
の
科学政策
の重要な一環である。このため理論的、
基礎的研究体制
の充実と整備を期すべきである。
開発プロジェクト
を支え、これを発展させるための支柱として
基礎的研究体制
が整備され、ここに若い意欲に充ちた
研究者
が集結して新らしい
科学
の
分野
、
原子力
にいどむことは、国の
科学政策
の
推進
においてもっとも重要視されねばならぬ。むしろ
湯川博士
、
朝永博士
を継ぐ若き世代をそだてることは、国の
責任
であり、またわれわれはこれらの世代の有する潜在的な
可能性
に対し、信頼と期待をも
つて
いる。 現在の
日本原子力研究所
は世界でもつとも多くの炉をもつ
研究所
のひとつであるが、その人員は炉の数の割には少ないと思える。国が
基礎的研究体制
をととのえるとすれば、
原研
のもつ若干の施設はこれを大学を中心とする
基礎研究
の用に移し、また共用に供することも可能なはずである。現在も
原研
は大学の
利用
の道をひらいているが、しかし
現状
ではけっして十分ではない。したがって、理論的、
基礎的研究
の充実をはかるための
体制
を
確立
し、その
推進
をはかり、
原研
はその
成果
にも常に関心を払いながら
研究開発
の
プロジェクト
をととのえ、
動力炉開発
にあたるべきである。もちろん
理論的研究
の
分野
においては
自由領域
もあるのであるから、この点に関しても予算的に考慮されねばならぬ。躍進する
近代科学
においては、その
専門分野
がますます細分化され、しかもそれぞれの
分野
における
研究
はさらに深められている。一方こうした
研究
の
成果
は正しく評価され、これが
研究開発
の
基礎的データー
として生かされねばならぬ。こうして
近代科学
の
有機的結合
を阻む要因は、つとめて排除さるべきであり、同時に
原研
の
運営
においても
プロジェクト
を細分化し、それぞれの
分野
における
成果
を正しく評価し、これを総合しつつ、
推進
する
体制
をととのえなければならぬ。 五
動力炉
の
研究開発
は
原子力研究所
の重要なる任務の一つである。しかしながら
動力炉開発
の
重要性
に鑑み、場合によっては所要の
体制
を整備し、同時に
国内
の
関係企業
もまたそれぞれ任務を分担し緊密な
有機的協力体制
を固めることを考慮すべきである。 もちろん、国はそのための
長期的計画
を策定し、これに対し
責任
ある
予算措置
を講ずることを要望する。
動力炉
の
開発
は四項に述べたごとく、
わが国
の
科学政策
の一環として取りあげられ、
理論的基礎的研究
の
水準
を高めるとともに、
民間企業
における
科学技術水準
の向上のためにも大きな効果を期待すべきである。 今日まで
日本
の
原子力産業界
は
かなり
の費用を投じて
研究
、
開発
の努力をつづけてきた。その
研究投資総額
は約二四五億円、これに対し
受注総額
は四二〇億円程度と推定される。しかし、
動力炉
のごとき
長期
にわたる
研究開発
を必要とし、また、
かなり
のリスクをおかさねばならない高度の新
分野
において、その
工業的開発
を
産業界
のみに委ねることは、それ自体無理である。もともと
わが国
の
研究投資
は他の
先進国
とは逆に民間の
研究投資
が
政府
のそれの倍額に達している状態である。しかも、
原子力
のような大きな技術的危険をともなう
分野
における
開発
を自主的に行ないうる状態に
日本
の
産業界
が達していないことは当然のことであり、強力な
政府
の補助、育成によって、はじめて
先進国
に追いつくことができるのである。
主要国
における
研究投資額
に占める
政府予算
の割合 国名
研究費
政府支出分
割合
調査
(億円) (億円) % 年度 米国 六二・二〇〇 四〇・八〇〇 六五 一九一六三 英国 六・三四〇 三・八五〇 六一 一九六一
フランス
三・一〇〇 二・三〇〇 七四 一九六二
西ドイツ
四・九〇〇 二・八〇〇 五七 一九六二
日本
三・二一一 九六〇 三〇 一九六三 (注)
西ドイツ
は
連邦政府
と
州政府予算
の
合計額
同様のことは
電力企業
の立場からもいえるはずである。
原子力発電
を
電力業者
に委ねている
わが国
の場合、企業の
経済的観点
から非常な制約を受けて
長期
的な観点に立つ
一貫性
のある
自主的開発
にとって好ましくないような方向を取る危険もある。したがって、
動力炉開発
を国策として取り上げ、国の
責任
においてこれを
推進
し、かつ
関連産業
をも振興しその
技術水準
を高め健全な
原子力発電
の
推進
をはかるためにも、国の
積極的援助
は当然必要となろう。 この点から
日本原子力発電(株)
の
現状
は必ずしも適切な
運営
が図られているといえないので、
日本原子力発電株
、
電源開発(株)
の
あり方
について検討を加え、
動力炉
の
開発
を積極的に
推進
することを考慮すべきであると考える。 要するに、今日の段階においては、国が
最終的責任
をとる決意のもとに、
民間業界
も、
研究開発
を担当する
原子力研究所
も、
開発
を支える
基礎的研究分野
も一体となった
協力体制
を作るべきであり、これが
原子力委員会
に与えられた課題ともいうべきであろう。
原子力委員会
は
原子力政策
を企画し決定する権限をも
つて
いる。したがって、この権限のもとに衆知を集めて
高速増殖炉
および
新型転換炉
の
開発プロジェクト
を設定し必要な
予算措置
を講じ、その実施に当って、場合によ
つて
は新
特殊法人
の設立を考慮すべきである。 しかしてその
運営
においても
研究成果
の正しい評価と、それに基づく
進め方
についても民主的に総合的に行なわなくてはなるまい。 六、
動力炉
の
自主的開発
を進めるためには、
国際協力
の
緊密化
とともに、
原子力委員会
の
運営
を刷新しなくてはならない。 第一項の説明においてもふれたように、
各国
とも
動力炉
の
開発
の発足にあたって、
アメリカ
は
軽水炉
を、
イギリス
は
天然ウラン
、
黒鉛減速ガス冷却
型を、また
カナダ
は
天然ウラン
、
重水減速
型とそれぞれ一定の炉型を定めて、今日までその
研究開発
につとめ、その結果、今日ではさらに多様な構造の
動力炉
が
実用化
の道を求めて
開発
されている。このような
現状
を見るとき、十年以上の遅れをもって発足した
わが国
としては、
各国
との
協力関係
を緊密にすることは当然である。しかし、
協力
は無批判な従属であり、追随であってはなるまい。
国際協力
のためには、みずからもある程度達成した
成果
を与えるなり、またその他の
条件
をみたして、つとめて対等に近い
関係
において
協力
を求めるべきである。
日本
に潜在する
科学的能力
は、それにふさわしい
科学政策
をも
つて
すれば、必らずこれを育てることができるものと、われわれは信じている。
物乞い協力
や、
物真似国産
ではなく、すでに
西ドイツ
や
インド
が示しているように
わが国
の
科学者
の創意、工夫を育成し、活用しつつ
自主的協力
につとめるべきである。 また、
核燃料物質
の
入手等
につき
国際原子力機関
を活用することも考慮さるべきことである。
ウラン資源
に乏しい
わが国
としては、機関のこの面に関する積極的な活動を期待することは、きわめて有意義であると考える。
原子力委員会
の
運営
においてしばしば
原子力委員会
が十分その機能を発揮できぬうらみがあるといわれている。そして、
原子力委員会
への批難は、国の
科学技術政策そのもの
に対する批判であると考えられる。われわれは
平和目的
のためにのみ
原子力開発
を行なっている国々、たとえば
カナダ
、
インド
、
西ドイツ等
において
各国
の
原子力委員会
の
意見
が
政府
をうごかし、その国の
原子力政策
を大きく前進させてきた事例を、しばしば現地において見る機会をもつた。この機会に
原子力委員会
に要望したいことはその
運営
を刷新し、さきに述べたごとく
動力炉
の
開発
について
新型転換炉
から
高速増殖炉
にむか
つて
、一貫した
長期計画
をすみやかに策定すべきであり、
政府
は閣議決定等必要な
措置
を講じ
政府
の
開発方針
を
確立
せしめるべきである。国会はそれにともなう
予算的措置等
についても党派をこえて
協力
することにやぶさかではないであろう。以上、小
委員長
にかわって朗読いたしました。
菅野和太郎
3
○
菅野
小
委員長
ただいま岡小
委員
より御説明いたしました
要旨
で
委員会
に対して小
委員長報告
をいたしたいと存じますが、これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
菅野和太郎
4
○
菅野
小
委員長
御
異議
なしと認めます。よってさよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会