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1966-03-17 第51回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十一年三月十七日(木曜日) 午前十時四十一分
開議
出席委員
委員長
原 茂君
理事
菅野和太郎
君
理事
纐纈 彌三君
理事
西村 英一君
理事
前田 正男君
理事
石野 久男君
理事
岡 良一君
理事
田中
武夫
君 秋田 大助君 加藤 高藏君
小宮山重四郎
君 野呂
恭一
君 藤尾 正行君
渡辺美智雄
君
三木
喜夫
君
米内山義一郎
君
内海
清君
出席国務大臣
国 務 大 臣
上原
正吉君
出席政府委員
科学技術政務次
官 田川 誠一君
総理府事務官
(
科学技術庁長
官官房長
) 小林 貞雄君
総理府技官
(
科学技術庁研
究調整局長
) 高橋 正春君
総理府技官
(
科学技術庁原
子力局長
) 村田 浩君
総理府技官
(
科学技術庁資
源局長
) 橘
恭一
君
中小企業庁次長
影山
衛司
君
委員外
の
出席者
総理府事務官
(
経済企画庁国
民生活局調査
官) 阿多 忠明君
大蔵事務官
(
主計官
) 小
田村四郎
君 厚 生 技 官 (
環境衛生局食
品衛生課長
) 石丸 隆治君
農林事務官
(
大臣官房参事
官)
尾中
悟君
農林事務官
(
畜産局参事
官) 太田 康二君
農林事務官
(
園芸局経済課
長) 中川 正義君
農林技官
(
水産庁漁政部
長) 山中 義一君
運輸事務官
(
大臣官房審議
官)
中野
大君 ————————————— 本日の
会議
に付した案件
核原料物質開発促進臨時措置法
の一部を改正す る
法律案
(
内閣提出
第八八号)
科学技術振興対策
に関する件(
低温流通機構
に 関する問題) ————◇—————
原茂
1
○
原委員長
これより
会議
を開きます。
科学技術振興対策
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
松代地震
に関し、
田中武夫
君より
発言
を求められておりますので、これを許します。
田中武夫
君。
田中武夫
2
○
田中
(武)
委員
御指名によりまして、先日当
委員会
から、
松代
町
周辺
の
地震
の
現地視察
に参りました
経過
の
報告
を申し上げたいと思います。
原委員長
をはじめ、
小宮山重四郎
君、
三木喜夫
君及び
内海清
君と私の五名が去る三月十一日と十二日に、
松代地震
を視察してまいりましたので、以下その
概要
について申し上げます。 まず、
松代
町
当局
、
中村町長
、
中島町議会議長
、
竹花松代地震観測所長
及び
長野
県
当局
、
西沢県知事
、
吉村総務部長
、
田中消防防災課長等
から
状況説明聴取
後、
松代
町
文武学校
及び
松代小学校
の
プレハブ教室
、
老朽校舎
の
補強
、
松代地震観測所
のひずみ
地震計
、十万倍
国際標準地震計
、その他の
観測施設設備等
を視察いたしてまいりました。 次に、三月十一日までの
松代
町
周辺
における
頻発地震
に関する大要について申し上げます。過去、
長野
県
地方
における
地震
を見ますと、
西暦
八四一年三月
北安曇白馬
村で
マグニチュード
六ないし七
程度
と見られる
地震
が始まりといわれ、その後、
マグニチュード
五をこしたと推定されている
地震
は、九百七十年の間に十五回ほどが記録されており、この中で最大の
地震
は、
西暦
八九〇年、
弘化
四年三月二十四日、
長野
市西部を中、心に起こった
マグニチュード
七・四の
善光寺地震
であります。これに続いて、
江戸正徳年間
、一七一四年七月の
北安曇小谷
村、
明治
三十年の上高井、大正七年の
大町
市などが
マグニチュード
六以上の
地震
、近くは、
昭和
十六年七月十五日、
上水内長沼
村、現
長野
市を中心に起こった
長沼地震
が
長野
市
周辺
十数
カ市町村
にわたって
かなり
の
被害
が出ております。 次に、
日本
の
二つ
の
地震帯
内は、
外側地震帯
の支流として
長野
県
北部千曲川流域
から新潟市に抜ける
信濃川沿岸
を
信濃川地震帯
と呼ばれ、
千曲川沿岸
が
地震多発地帯
にあたり、一つは
大町
市
周辺
の
姫川流域
の
二つ
に集中されています。
松代地震
は、
千曲川沿岸周辺
にあたっておるわけであります。 今回の
松代地震
は、昨年八月三日より、
松代
町
付近
に
頻発地震
が始まり、九月に入ってから次第に活発化し、十月には連日五百回以上となって、
震度
三も加わり、十一月に入っては二十二日に
有感地震
二百二十三回を含めて実に二千回以上の多きに達し、
震度
四が連続三回も発生して
最盛期
となり、その後十二月に入って
横ばい状態
のまま年を越しました。 しかし、一月に入ると再び活発となり、八日午後十時三十五分には
松代
町の一部で
震度
五の
地震
が起こり、
松代
町
般若寺地区
及びその
付近
では
被害
が出ています。続いて二十三日午後八時十六分には、
松代
町、
篠ノ井
市、
更埴
市で
震度
五の
強震
が起こり、
有感区域
は
長野県内
はもとより、高田、船津、前橋、
東京
、
網代付近
までの広範囲にわたっております。 このため、
松代
町、
篠ノ井
市及び
更埴
市では住宅の
被害
や墓石の
倒壊等
の
被害
が発生しております。 二月七日には再び
震度
五の
強震
が起こり
被害
が出ておりますが、
震源
が浅く、全般的な
地震活動
の傾向としては後半の
下降期
に入っているものと思われております。しかし、まだ、
震度
五
程度
の
強震
の起こる
可能性
も残っており、引き続き
警戒体制
の必要があるとされています。
地震群
の
震源地
は
皆神山
、
赤柴付近
を
震央
に
松代
を含む南北約十一キロメートル、東西約七キロメートルの
長円形
の中で、深さ約五キロメートルくらいと見られており、今後まだ
長期
間続くものと見られております。 また、この
地震
には、砲声または遠雷のような地鳴りを伴っているので、
地震
が活発化するとともに
現地
の人々に不安と恐怖を与えております。 この間、
気象庁
をはじめ、各大学、その他各
研究機関
が
松代
町及びその
周辺
に集まり、種々
調査研究
を続け、
地震活動
の究明に全力が注がれています。 一方、
地元
の二十
カ市町村
及び
長野
県においては、
地震対策本部
をつくり、
政府
においても異例の
事前対策
をとるに至り、
地元
やその
周辺
の
学校
では
校舎
の
補強
や
プレハブ校舎
の仮設等万全を備える
防災対策
をとっております。 また、この
地震
は、国内はもとより、世界的にも報道され、地球物理学的に注目を浴びていると同時に、社会的にも大きく取り上げられるに至っております。 次に、参考のため、一月と二月の
地震回数
及び総
回数
を示しますと、一月が総
回数
二万二千九百十七回、
有感回数
二千七百七十四回、
震度
一が二千四百五十一、
震度
二が二百九十三、
震度
三が二十七、
震度
四が二、
震度
五が一であります。次いで二月では、総
回数
一万八千七百二十七回、
有感回数
千八百九十六回、
震度
一が千七百十回、
震度
二が百六十二回、
震度
三が二十二回、
震度
四が一回、
震度
五が一回、次に、昨年八月三日より始まり
昭和
四十一年三月十一日朝現在までの総
回数
を示しますと十二万八千三百七十九回
有感地震回数
一万二千四百五十七、
震度
一が一万九百三十一、
震度
二が千三百五十一、
震度
四が十五、
震度
五が二回となっております。 次に、つけ加えて、
松代地震被害見積もり額
を示しますと、
昭和
四十一年二月一日現在で、
建物被害件数
七百、
金額
二千六百三十万九千円、
土木関係被害
七件、六十四万六千円、
農林土木関係被害
五十九件、五百六十七万六千円、
合計件数
七百六十六件、
合計金額
三千二百六十三万一千円となっております。 なお、その後、漸次
被害
がふえている
現状
であります。 次に、
豊野
町
付近
における
地盤隆起
に関して若干触れておきたいと存じます。
松代地震
による
地盤変動
を調べるねらいで、
県北部
の
水準測量
を
国土地理院
が四十年十二月から松本を
基準
にした過去八年間の
地殻変動
は、
上田
で約四十ミリ
隆起
、
上水内豊野
町
付近
では約八十ミリも
隆起
していることがわかり、同
地理院
では、
明治
二十七年、
昭和
二年、三十二年の三回にわたって
測量
をしておりますが、
豊野
町の
隆起
は、これまで調べた過去三十年間の
隆起量
に匹敵する異常なものだといわれております。 いままでですと、
上田
市と
豊野
町の
隆起率
は同じ
程度
で、
善光寺平
の沈下が普通の
現象
だったのが、この
調査
では
長野
を
基準
にして
豊野
町が五十ミリも高くなっており、
中野
市では二十ミリ
隆起
しただけで、これにより、
善光寺平
の
地盤
が異常に変動しているという推定が成り立つといわれております。 このため
地殻変動
は、
地震予知
の有力なかぎといわれ、
豊野
町の
隆起
が今後の大きな
研究課題
になるだろうといわれております。 特に
長野
市では、
善光寺地震
など
マグニチュード
七以上の
地震
が起きたことがあり、
地震
による
断層崖
があるところだけに
要注意現象
との見方も出ております。 また、
東大地震研究所
の
調査
によりますと、
松代地震
の
震源
が南から北に移動しているといわれ、同
研究所
は、
松代
町
象山
、
赤柴
、
更埴市森
、若穂町
保科
の四地点に、一万倍
地震計
を
設置
しており、この
観測
による
マグニチュード
一以上の
地震
の
震央
は、四十年十二月までは、
皆神山南部
から
赤柴付近
に集中したが、四十一年一月に入ってからは、
赤柴
、
象山
を結ぶ線の北側に五十回近くも発生しているのに、南側はわずか三回と
震源域
が移動しております。 このため
保科
の
地震計
がキャッチした
地震回数
は、
気象庁地震観測所
の
地震観測回数
が減少し始めた十二月ころから逆にふえ始め、十二月十五日に八百回、一月二日には千四百回と上昇しております。この
二つ
の事実の
関係
については、まだはっきりしていないといわれております。 以上、
豊野
町
付近
の
隆起現象
のように、
地殻変動
という
地質構造的地震説
や、
松代
町
付近
では
地殻構造
の弱いところに
マグマ活動
があって、
火山地帯
の
構造的地震説
、
マグマ
、
構造二つ
の要素である
中間説等
があったりして、
気象庁観測所
の見解における
下降状態
に入ってきているという発表にもかかわらず、なお
地元民
の不安を払拭することが不可能のように思われるものであります。 これがために、
震源
及び
地震予知
の
科学技術
、
学術的研究
を
早期
に究明して、特に
地元民
の不安を一掃するとともに、
地震国日本
のためにもこれが解決のため、すみやかにその
対策
を積極的に
推進
すべきものと痛感するものであります。 以上の
状況
のもとに、一、
観測施設設備
の拡充及び人員の増員、二、
ボーリング計画
の
早期
の
実施
、三、
観測陣
の
機動性
及び
自動観測器
の
必要量
の
設置
、四、
観測情報
の収集及び
円滑化
、五、
観測記録
の
整理解析
の
促進
、六、
現地各種
の
観測陣
の
総合的研究
及び
有機的連携
、七、
現地
及び
中央
における
地震研究機関
の
一元化等
を積極的に
推進
すべきものと思慮するものであります。 なお、
長期
にわたる
地震
のため、
地元地方公共団体
は
かなり
の
財政負担
に苦しんでいる事情もあり、
地元民
の精神的不安、
睡眠不足
などのため、
生活
がきわめて脅かされている
現状
にかんがみ、一、
地方債
の
大幅起債
及び
償還期間
の
延長
及び
特別交付税
の
増額
、二、
学校施設
における
所要経費
の
国庫補助
の
増額
、三、
中小企業関係
の
貸し付けワク
の
拡大
、四、
松代地震
は、
長期
、
拡大
のおそれもあるから
防災
及び
災害復旧
に対する
起債
は
特例債
を適用する等の
地元
における要望も積極的にこれが実現に努力すべきものと思われる次第であります。 以上をもちまして、
松代地震視察経過概要
を終わります。
原茂
3
○
原委員長
本件に関しましては、その
取り扱い
について、次回
理事会
に譲りたいと思いますので、御了承を願います。 ————◇—————
原茂
4
○
原委員長
次に、
核原料物質開発促進臨時措置法
の一部を改正する
法律案
を議題とし、審査を進めます。 前会の
田中委員
の
質疑
に関しまして、
上原国務大臣
より
発言
を求められておりますので、これを許します。
上原国務大臣
。
上原正吉
5
○
上原国務大臣
先般、
田中委員
から御質問のありました事項で保留となっていたものにつきまして補足
説明
いたしたいと思います。 第一は、
核原料物質開発促進臨時措置法
第二条の
核原料物質
の
定義
についてであります。 同法は、
原子力基本法
第八条の
規定
により
鉱業法
の
特例
を定めるものとされておりますため、当時としては、すでに
鉱業法
の改正が行なわれて、同法第三条の
法定鉱物
として追加されておりました
ウラン鉱
及び
トリウム鉱
を
核原料物質
の
定義
として引用したものと考えられます。しかしながら、
核原料物質開発促進臨時措置法
は、
基本法
第八条に基づく、
原子力基本法
の体系に入る
法律
でありますから、
核原料物質
の
定義
の書き方としては、
基本法
第二条を引用し、たとえば、「この
法律
で
核原料物質
とは、
原子力基本法
第二条に定める
核原料物質
のうち
ウラン鉱
及び
トリウム鉱
をいう。」、等と表現しておいたほうがむしろベターであったかと思われます。 第二は、同じく第四条の
処分
、手続その他の
行為
の
効力
に関する
規定
についてであります。
行政処分等
の
行為
は、元来その
対象
となった
土地
の
所有者等本人
に対してのみ
効力
を有し、
相続等包括承継
の場合を除き、その
承継人
に対しては
効力
が及ばないのが原則であります。本条は、
開発促進
の
見地
から、
行政処分等
の
行為
の
効力
が
売買等
による
承継人
に対しても及ぶことを特に定めたのがその
趣旨
であります。しかしながら、他方において、第三者である
承継人
の
権利保護
の
見地
から、これらの
行政処分等
の
行為
について
承継人
になろうとする者があらかじめ知ることができるように公示しておく必要があります。このため公社が
土地所有者
と協議がととのった場合に、第十七条の
規定
に基づき
土地調整委員会
に届け出たときは
土地調整委員会
の裁決があったものとみなされ、第十五条の
規定
の解釈からその
内容
は公示されるものとなっております。
原茂
6
○
原委員長
本案
に対する
質疑
はございませんか。
——別
にないようでございますので、これにて
本案
に対する
質疑
は終了いたしました。 —————————————
原茂
7
○
原委員長
別に討論の通告がございませんので、これより直ちに
本案
を採決いたします。
核原料物質開発促進臨時措置法
の一部を改正する
法律案
に
賛成
の諸君の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
原茂
8
○
原委員長
起立総員
。よって、
本案
は原案のとおり可決いたしました。 なお、ただいま議決いたしました
本案
に関する
委員会報告書
の
作成等
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
原茂
9
○
原委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 〔
報告書
は附録に掲載〕 ————◇—————
原茂
10
○
原委員長
科学技術振興対策
に関する件について
調査
を進めます。
低温流通機構
に関する問題について、
関係各省
より
最初
に
説明
を聴取いたします。 それでは
科学技術庁橘資源局長
からお願いいたします。
橘資源局長
。
橘恭一
11
○
橘政府委員
低温食料流通機構
に関連する
予算
といたしましては、
科学技術庁
のほかに
経済企画庁
、
農林
、厚生、通産、
運輸等
の
各省
の
関連予算
がございます。お手元に差し上げました
資料
に四十一年度の
予算案
の
概要
がございます。それにつきまして、
関係
の
省庁
から御
説明
があることになっておりますが、全般的に申しまして、
一般会計
と
財政投融資
と
両方関連予算
がございます。特に
財政投融資
のほうは
金額
が確定しがたい点がございますので、集計をしない表になっておりますので、御了承願いたいと思います。
科学技術庁
の
関係
を申し上げますと、第一ページにございます
低温流通機構
の
調査
に必要な
経費
、これは
金額
が二億円でございます。
概要
は
低温流通機構
の
調査
、それからその
推進
をはかるために各方面の知識を糾合しての
総合調査
と
事例的実験調査
と、この
二つ
でございます。
総合調査
につきましては
予算額
約六百万、
事例的実験調査
につきましては
予算額
約一億九千四百万でございます。
総合調査
は
資源調査会
におきます基礎的な
調査
と、そこに書いてございます
生鮮食料流通安定調査
、
生鮮食料生産地条件検討調査
、この三つでございます。
生鮮食料流通安定調査
と申しますのは、
電子計算機等
を使いまして、安定して
供給
されるための
生産
の
条件
、
供給
の
条件
、
貯蔵
の
条件
、
輸送
の
条件
、そういうものをマクロに試算いたしまして、おおよその物の流れの全国的な見当をつける
調査
でございます。それからその次の
生鮮食料生産地条件検討調査
は、いろいろ
産地
の
振興計画
がございますので、そういうものを前提にしまして
低温食料流通
というものが展開していく場合には、
産地
にどういうような
条件
が必要であろうかというようなことを二年
計画
で
調査
するものであります。 次に、
事例的実験調査
でございますが、その
内容
は、そこに書いてございます
野菜
の
低温輸送実験
、果実の
低温貯蔵
、
輸送実験
、
野菜
の
長距離低温輸送実験
、
食肉
、
食鶏
の
低温輸送
、
貯蔵
、
処理実験
、それから
給食材料
の
低温集配実験等
を目下鋭意
計画
中でございます。 この
事例的実験調査
のねらいといたしましては、
低温食料流通機構
が現実に導入されるための指針を得ようということでございます。
対象品目
といたしましてはそこに書いてございます
野菜
、くだもの、
食肉
、
食鶏等
でございます。
調査項目
としましては、
品質
の保持の
状況
、
生鮮食料品
のロスがどのように
低温流通
で軽減されるか、あるいは出回り期の
拡大
がどのようになるか、
輸送圏
の
延長拡大
がどうなるかというようなこと、それから
経済性
がどうかということをいろいろ試算するための
因子等
を調べることでございまして、やり方としましては、大体、
県等
に委託をしてやることに決定しております。
概要
は以上のとおりでございます。 次に、次のページにまいりまして、
特別研究促進調整費
による
総合研究
が四十年度から開始されまして、来年度も予定されておりますが、ただいまのところ、
金額
は未確定でございます。ねらいとしましては、
生鮮食料品
の適正な
保存取り扱い
の
方法
の
確立
並びに将来に備えて
等級規格基準
あるいは
検査方法
、そういうものの
確立
に資するために、代表的な
生鮮食料品
を
対象
にして
低温流通下
における
品質
及びその
保護
、
輸送
に関する
試験研究
を
関係各省
庁との密接な
連携
のもとに
総合研究
として
実施
する。以上でございます。
原茂
12
○
原委員長
次に、
経済企画庁
阿多
調査
官。
阿多忠明
13
○阿多
説明員
経済企画庁
の
低温食料流通機構関係
の
予算
について御
説明
申し上げます。 初めに、
資料
にありますように、
関連予算
といたしまして二項目あげてございます。
最初
の「
流通機構
の
改善
に関する
調査
」でございますが、これは「
概要
」にありますように「
生産
と
消費
を結ぶ
流通機構
の実態を
調査
し、その
近代化
の方策を
検討
し、
国民生活
の安定に資する。」ことを
目的
といたしておりまして、
内容
といたしましては、
コールドチェーンそのもの
ではございませんで、
流通機構
の問題につきまして、
国民生活
にとりまして望ましい
近代化
の方向というものを
検討
していきたいと考えておるわけでございます。その際、
流通機構
の重要な柱といたしまして、当然
コールドチェーン
の問題について
検討
することになりますので、ここに掲げてございます。具体的な
実施方法
につきましては、なお未定でございますが、
学識経験者
また
関係
の官庁の
方々等
をお招きいたしまして
研究会
を開いていく予定でございます。
二つ目
の「
消費者行政推進
に関する
調査
」につきましては、これも「
流通機構
の
改善
に関する
調査
」と同じように
コールドチェーンそのもの
の
調査
ではございませんが、「
概要
」にございますように、
消費者行政
に関します
各種
の
情報
を収集いたしまして、これを当面年三回、こう予定しておりますが、編集いたしまして、
資料
として
消費者行政
に
関係
のございます都道府県の
担当部局
並びに
民間
の
消費者団体
に配付して、
政府
の
消費者行政
の
施策
につきまして十分その
趣旨
が徹底するようにしたいと考えておる次第であります。 さらに、
展示会
を開催いたしまして、
消費者
の
コールドチェーン関係
を含めました商品に関するいろいろの
認識
を深め、合理的な
消費生活
を
推進
することを
目的
といたしまして、
展示会
を予定しておるわけでございます。具体的な
展示会
の
内容
につきましてはなお
検討
中でございますが、四十一年度におきましては、
東京
と名古屋において開催することを
計画
しております。 簡単でございますが、以上であります。
原茂
14
○
原委員長
次に、
農林省尾中参事官
。
尾中悟
15
○
尾中説明員
生鮮食料品
の
低温流通
の
現状
と今後の考え方につきまして、御
説明
申し上げます。
生鮮食料品
の
安定的供給
と
流通
の
合理化
をはかってまいりますために、
農林省
といたしましては、従来から各般の
施策
を講じてまいっておりますが、その重要なる一環といたしまして、
生鮮食料品
の
低温流通
の
推進
をはかることが非常に有効適切であろうかと考えております。したがいまして、
農林省
においては、かねてから
食料品
の
低温貯蔵等
に関します
試験研究
を進めますとともに、
水産物
のように
冷凍
の歴史が古く、また技術的にも
かなり
な
水準
に達しておりますものにきましては、
流通
の各段階における
施設
の整備を逐次進めつつある
現状
でございます。 以下、
品目ごと
に
現状
と今後の
問題点
を申し上げてみたいと思います。 まず
水産物
でございますが、
水産物
は
冷凍
の
経験
も長く、特に最近は
遠洋漁業等
遠くで操業いたしまして、船内において
漁獲
後直ちに
冷凍
するというようなこと、また、
産地
におきましても
冷凍設備
の
発達等
がございまして、
冷凍形態
による
流通
が非常に進んでおります。三十九年における
冷凍魚
の全
生産
は、総
漁獲量
に対しまして約二割の
状態
に達しております。また、
冷蔵貨車等
の増加もございまして、最近の六大
消費都市
における
中央卸売り市場
に入荷いたします
水産物総量
のうち約三割が
冷凍魚
の
形態
であるわけであります。従来講じてまいりました
施策
といたしましては、
産地
並びに
東京
、
大阪等
の
主要都市
における冷蔵庫の
設置
、またこれらを結ぶ
冷蔵自動車
の
設置
また農村における
冷凍魚
の
普及
をはかってまいる必要があるということで、農協の
冷凍ショーケース
の
設置等
に対しまして
国庫助成
をやっております。また
冷凍魚
に対する
消費者
の
認識
をさらに深める必要があるということで、
冷凍魚
の
民間
の協会のやっております
普及事業
に対しての
国庫助成
を現在
実施
しておる次第でございます。四十一年度におきましては、おおむねいま申し上げましたような
施策
を引き続いて継続
実施
するほか、新たに
冷凍魚形態
によるサンマ、アジ、サバ、イワシ、
イカ等
の多獲
性魚
の
安定的供給
をはかると同時に、
消費地価格
の安定にも資するために、これらの多獲
性魚
を
対象
といたしまして、
産地
の出回り時期においてこれを
冷凍
いたしまして、
消費地
の
冷蔵車
に搬入し、これをある一定期間保管いたしまして、適当な時期に放出し、
消費地
の
入荷量
あるいは
価格等
を勘案しつつ、試験的に
事業
を
実施
してまいりたいということで約一億三千万円の
国庫助成
を考えておる次第でございます。以上、
水産物関係
といたしましては四十一年度
予算
で約二億九千万円の
予算
を考えておる次第でございます。 次に
畜産物
につきまして申し上げます。
畜産物
のうち
飲用乳
につきましては、御承知のとおり
生産
から
消費
まで
低温流通
が比較的行なわれておりますし、また肉類につきましても
低温流通
が次第に伸展を見ておる次第でございます。従来講じてまいりました
施策
といたしましては、
産地
における
冷蔵施設
あるいは
冷蔵車
を
設置
いたしましたいわゆる
食肉センター
というものを
設置
するとか、あるいは
食鶏出荷合理化促進施設
の
設置
をやるとか、また
消費地
における
冷蔵施設
あるいは
保冷車等
を
設置
いたしました
共同処理施設
、またそういう
共同利用施設
を
食肉
なりあるいは
食鶏
なりについて
国庫助成
をしてまいった次第でございます。四十一年度におきましても、これらの
施設
を引き続いて
実施
してまいりたいというように考えております。以上四十一年度の
予算
といたしましては、
畜産物
で一億一千五百万円、
水産物
と
畜産物
を合わせまして約四億五百万円を考えております。 その次に青果物
関係
でございますが、青果物につきましては、特にリンゴを
対象
といたしまして、三十八年度から四十年度までCA
貯蔵
庫並びに
冷蔵自動車
の
設置
について、リンゴの主
産地
に対しまして
国庫助成
を行ないまして、冷蔵リンゴの
品質
向上と
消費
の
拡大
に努力をしてまいりました次第でございます。ただ青果物につきましては一般の
低温流通
に関する技術、たとえばどういう品目を選定したらいいか、あるいは品種についてその
対策
をどう考えたらいいかというようなこと、あるいは
流通
の各段階における保存の
条件
でございますとか、あるいは期間、冷却、解凍、包装等まだ解明すべき技術的な問題が相当あるわけでございます。これらの技術の解明をはかりながら根本
対策
を進めてまいりたいというように考えております。 次に
試験研究
でございますが、
農林省
といたしましては、従来から
食料品
の低温処理
流通
に関連いたします研究につきまして、その努力を進めてまいった次第でございますが、四十年度からはさらに
科学技術庁
とも連絡いたしまして
特別研究促進調整費
等の配分も受けまして、今後年次
計画
によりまして
生鮮食料品
の処理、加工、包装、
貯蔵
、
輸送
、あるいは
品質
保持等につきまして
試験研究
を
実施
してまいりたいというふうに考えております。 以上簡単でございますが、
現状
と来年度の
施策
の
概要
について申し上げた次第でございます。
原茂
16
○
原委員長
次に、通産省影山
中小企業庁次長
。
影山衛司
17
○影山
政府
委員
中小企業庁といたしましては、
生鮮食料品
の
低温流通
対策
の一環といたしまして、比較的そういう
施設
の整備の進んでおりません
生鮮食料品
の小売り業を
対象
といたしまして、
昭和
四十一年度から
冷凍
ケース、あるいは
冷凍
機等の
冷凍
施設
を中小企業設備
近代化
資金の
対象
につげ加えるということにいたす予定にしておるわけでございます。
金額
につきましては、
昭和
四十一年度におきまして、設備
近代化
資金として国から補助いたすものが六億円でございます。県の段階におきまして、同額の追加をいたしますので、県段階の貸し付け段階におきましては十二億円ということになりまして、必要資金の半額を無利子で貸し付けるということになる予定でございます。 なお、お手元に配付してございます
資料
に書いてございますのは、
生鮮食料品
の
コールドチェーン
を直接の
対象
とする
予算
でございますけれども、これに関連いたします
予算
といたしましては、たとえば小売り商が協同組合を結成いたしまして、その共同
施設
といたしまして
冷凍
施設
を持とうとする場合、あるいは
昭和
四十一年度から新たに発足させますところのボランタリーチェーン、すなわち小売り商業の連鎖化の場合におきまして、そのボランタリーチェーンの本部におきまして、
冷凍
施設
を持ちたいというような場合、あるいは従来から行なっております協業化によりまして小売り商が協同組合あるいは共同出資というような形によりまして、スーパ一マーケットを開店いたすというような場合に、その中で
生鮮食料品
のスーパーマーケットを行なう場合、そういう場合には、
冷凍
施設
も必要なわけでございます。そういうものに対しましては、中小企業高度化資金から県を通じまして同じく無利子の金を流しておるわけでございます。
昭和
四十一年度におきましては、協同組合
関係
の高度化資金これは
冷凍
施設
だけではございませんが、全体で十五億でございまして、県段階では回収金を含めまして三十五億ということになっております。それから小売り商業の連鎖化につきましては、一億二千二百万円を計上いたしておりまして、県段階ではその二倍、二億五千万円というものが貸し付けられるということになっております。それから協業化によるスーパーマーケットにつきましては、四十一年度八億円の
予算
を計上いたしておりますので、県段階におきましては十六億というものが準備をしてあるというようなことになっておるわけでございます。 以上でございます。
原茂
18
○
原委員長
次に、運輸省
中野
審議官。
中野大
19
○
中野
説明員
運輸省の所管いたしております中で、
低温輸送
関係
に関連のある事項を申し上げますれば、
輸送
と保管になるわけでございます。従来からも、こういった
施設
におきまして
近代化
、
合理化
して、物価の安定に資するということで、融資のあっせん等を奨励してまいったわけでございますが、
予算
としてはございませんが、お手元の
資料
にございますように、まず冷蔵保管
施設
の増設資金融資といたしまして、冷蔵倉庫の整備に、開発銀行から四十年度といたしまして四億八千万円の融資を受けてございます。四十一年度も、さらに五億二千万円ばかりをお願いしまして、これの整備をはかってまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。 こういうふうに、冷蔵倉庫の整備には多額の資金を要するわけでございますので、税制方面にいろいろお願いをいたしまして、電気ガス税の免税とか、あるいは固定資産税、また特別償却によります法人税、こういったものの軽減を税制大綱でも考えていただきまして、四十一年度からお取り計らい願えるよう目下税法の改正をお願いしておる次第でございます。まだ融資
条件
で相当問題がございますので、これについてさらに軽減をお願いするというふうに運輸省としては考えておる次第でございます。 次に、運輸
関係
としましては、国鉄で冷蔵貨車及び冷蔵コンテナを増設いたしまして、
低温輸送
の
施設
の整備をはかっておるわけでございますが、これは製造費の総額の実績を四十年度に掲げてございますが、十二億八千二百万円でございます。四十一年度は十億二千五百万円を予定してございまして、備考にございますように
冷蔵車
百三十五両、冷蔵コンテナ二百個整備する予定でございます。この結果大体四十一年度末には、新造配車を見込みまして
冷蔵車
は約五千両、冷蔵コンテナは約二百五十個整備できる予定になっております。 以上でございます。
原茂
20
○
原委員長
次に、厚生省石丸食
品衛生課長
。
石丸隆治
21
○石丸
説明員
厚生省といたしまして
低温流通機構
に関しましてやっておりますのは、
二つ
の方面からこれに関与いたしております。一つは食
生活
改善
のほうの問題と、もう一つは食品の保存の面からこの問題と取り組んでおりますが、特に食品衛生の面といたしまして食品保存の面からこの
コールドチェーン
の問題に配慮いたしております。 すでに御承知のとおり、最近食品の
流通機構
が非常に
拡大
いたしまして、それに伴いまして食品の保存に化学的合成品であります添加物を使用いたしておりますが、食品衛生の立場から申し上げますと、化学的合成品を使いますより、物理的な
方法
でこの食品保存をはかっていくほうが安全と考えておりますので、こういった保存の面から
コールドチェーン
の問題に取り組んでおります。しかしながら、一方
コールドチェーン
によります食品の保存を行ないますと、食品中の細菌叢の変移が考えられます。特に菌叢が変わってまいるわけでございまして、従来のような一般の食品の
検査方法
では必ずしも十分でございませんので、新しい菌に適応いたしました検査法の開発を現在考えております。さらに
低温流通機構
に伴いまして、一部
野菜
、くだもの等の保存に二酸化炭素等のガスを使用いたしておりますが、そういったガス使用に伴います食品の
品質
の変化、こういった面あるいは低温保存によります食品の栄養要素の変化、こういったものにつきまして現在
検討
中でございます。
原茂
22
○
原委員長
以上で
説明
聴取は終わりました。 —————————————
原茂
23
○
原委員長
質疑
の通告がありますのでこれを許します。岡良一君。
岡良一
24
○岡
委員
コールドチェーン
の問題は、前々から資源局のほうで非常に御熱心に研究をしておられて、そのつど御
報告
を承っておったのですが、最近の新聞を見ると、岩手県で大体この方式に準じてリンゴを
取り扱い
、
消費者
に流しているということがありましたが、このことについて、たとえば
生産
者から、あるいは
生産
者団体からいかなる
流通機構
を経て、そうして
消費者
の手に渡ることになっているか、また、
価格等
の面についてもどういう実情であるかこれをひとつ、生きたお手本のようにも思われますので、御
報告
願います。
中川正義
25
○中川
説明員
ただいまのお話は、岩手県のCA
貯蔵
のリンゴの問題であろうかというふうに了解いたしておりますが、現在、岩手県のCA
貯蔵
リンゴ、昨年初めて
貯蔵
いたしまして、つい最近出荷を始めておるわけでございますが、出荷の仕事としまして、
国庫助成
をしましてつくりました冷蔵
輸送
車でございますが、それを使いまして、直接、
消費地
である主として
東京
に持ってくる。その際に、現在岩手県の経済連が考えておりますのは、
東京
にあります果物商業協同組合、そこと話をいたしまして、直接その組合と契約をして組合の
貯蔵
庫に入れる。そしてその
貯蔵
庫から組合傘下の小売り店が荷を引いていくという形を現在とるというふうに聞いておるところであります。具体的に現在数量がどれくらい取引されておるかということにつきましては、まだ詳細に聞いておりませんので、現在のところは、以上申し上げた点しか承知しておらないわけでございます。(岡
委員
「価格は」と呼ぶ)価格は、現在、一箱十八キロでございますけれども、大体千二百円から千八百円くらいでございまして、普通
貯蔵
ものより大体二、三百円高価に取引されておるという
状況
でございます。
岡良一
26
○岡
委員
そして、
消費者
の手へもそれだけお安く入っているのですか。
中川正義
27
○中川
説明員
安くというか、CA
貯蔵
リンゴはむしろ普通の
貯蔵
リンゴよりは高く取引されておるという
状態
でございます。
岡良一
28
○岡
委員
いま、私どもの関心は、やはりこの
コールドチェーン
というシステムが価格の引き下げに貢献するかどうか、そういう点に大きな重点がかかっておるわけでありますが、たとえば
水産物
について申しますと、クジラはもとよりですが、鮭鱒でも、あるいはマグロでも、最近は、大西洋や地中海までどんどんタイやエビをとりに行く
状態
ですから、こういう仕事をやれるのは、やはり大きな水産会社であります。事実、私どもの
地元
の漁業組合では、鮭鱒の流し網はもとより、底引きも組合がやっておられる。みんな網元がやっておる。そういうような
状態
の中で、
コールドチェーン
・システムというものがとられたときに、
生産
地において、こうした諸君のために市場の価格が操作される危険があるのではないかというようなことをばく然と私は感ずるわけなんですが、こういうような
状態
を規制するというふうな、
農林省
あたりにおいて何か考え方なり、あるいはまた行政指導なり、具体的な方針を持っておられるのか、それをひとつお聞かせを願いたい。
山中義一
29
○山中
説明員
水産庁におきましては、いまの先生の御質問のとおり、大きな漁業——捕鯨業でありますとか、カツオ・マグロ漁業、あるいは北洋の、四十八度より北のほうへ行っておるようなサケ、マスをとる船は、それぞれが自分の船の中へ
冷蔵施設
を持っておるというのが普通でございます。しかし、沿岸でやっておりますいまの御質問にありました岩手県の比較的近い——近いと申しましても、サケ、マスをとる場合は
かなり
沖のほうへ参りますのですが、そのくらいの船でございますと、
冷蔵施設
は持っておりますけれども、急速
冷凍
施設
を持っておる船はございません。これらの船につきましては、船の大きさあるいはその経営者の経営規模、財力等から考えまして、みずからつけるということについてはまだ
かなり
困難性があるかもしれない。ただ、水産庁といたしましては、そういうような場合には、現在のところ、
農林
漁業金融公庫の融資でもって漁船の改造資金を考えております。それで市中銀行その他よりは比較的安い金融措置によって改造をする。補助のような措置はまだ講じておりません。 それから、先ほど参事官が
説明
しました
産地
冷蔵庫、これがいまのお話の岩手県でございますと宮古に一つございます。こういう
産地
冷蔵庫は、魚をとってきて、新しいのを揚げれば、その冷蔵庫へ入れれば
冷凍
することができます。
かなり
高度の設備を持っております。マイナス二十五度以上三十度ぐらいの能力を持っております。その冷蔵庫に対して国として建設費の助成をした、こういうふうな
状態
になっております。 以上でございます。
岡良一
30
○岡
委員
私がお尋ねしたかったのは、大きな大洋漁業その他の会社が、北の鮭鱒から、太平洋のマグロから、大西洋、地中海までタイをとりにあるいはエビをとりに出かけておる。そういうところのものはすでに
冷凍
施設
を彼らは持っておる。ところが、
コールドチェーン
が一個の具体的なネットワークを持って国に
確立
をされてくると、こうした大資本によって価格が操作される危険がないかどうか、この点について具体的な配慮があるかどうかということを私はお聞きしているわけです。
山中義一
31
○山中
説明員
いまの御質問の点につきましては、四十一年度で、水産庁におきましては、
冷凍
水産物
の
流通
の
実施
のための試験
実施
ということで、先ほども参事官の
説明
にもございましたように、一億二千九百万、これは
産地
で比較的たくさんとれますもの、たとえばサンマでございますとかアジ、サバ、スルメイカというように非常にたくさんとれます
水産物
を、たくさんとれて値段が安いときに買い上げて急速
冷凍
する、そしてそれを逐次大都市の冷蔵庫の中へ送ってくる、そのための凍結費の助成、それから大都市の冷蔵庫へ保管する場合の保管料の補助、それから
冷凍魚
を運ぶ
冷蔵自動車
、これは特別の自動車でありますが、そのようなものの建造に対する補助というようなことで、必ずしも資本漁業の魚だけが
冷凍魚
にされて都会地、大
消費地
へ来るというようなことがないように措置を講じております。
岡良一
32
○岡
委員
しかし先ほど通産省の御
説明
にあったように、これは当初のことであるから無理はないと申せましょうが、設備
近代化
資金で六億、
政府
負担で六億、十二億で、おそらく一番多いと思われる
生鮮食料品
の小売り店に対してこの
程度
の、いわばスズメの涙ほどの貸し付けやそういうもので、はたして
コールドチェーン
というアイデアが
消費者
にも、また
取り扱い
業者にもそれぞれ納得のいくような形で
流通
し得るかどうかということは、私はそういう
予算
ではとてもできるものじゃないと思うので、一体
生鮮食料品
を取り扱う小売り店というものは
日本
にどれだけあるのか、先ほどおっしゃったいわゆる連鎖店的なものがどれだけつくられているか、あるいは商業協同組合が幾らあるのか、現にまたそういうものに対してのその他の意味での
政府
の補助金というものがどういうふうに活用されておるのか、こういう点をひとつ
資料
として出してもらいたいと思います。 それからなお、このことは魚だけではなく酪農製品についても問題がある。私ども町へ出かけるとよく
明治
乳業とかあるいは名古屋精糖、こういうところのいわば小さな冷蔵庫がそれぞれの店頭に飾ってある。そこでわれわれは牛乳に関する冷たい飲みものや製品をもらえる仕組みになっておる。しかし店頭にああいうものを陳列して販売し得るような仕組みを持っておるものは一体幾つあるものか。それからああいう形に
コールドチェーン
・システムがなるということになれば、単に巨大資本のマーケット・シェアを確保してやるにすぎない。そういう結果になったのでは、せっかくの
コールドチェーン
もほんとうの意味での国民福祉に役に立たない。そういう点についてどの
程度
の具体的な考慮が払われておるか。これは特に酪農品の問題、いまの店頭に飾ってある冷蔵庫の問題と関連して、ああいうあり方に
コールドチェーン
がなろうとする、あるいはまたそういうふうになる
可能性
が他の食品部門においてもますます
拡大
していくというようなことになったのでは、せっかくの
コールドチェーン
・システムというものも
消費者
にとってほんとうにありがたいものにならなくなってくる懸念もあり得るわけです。そういう点は一体
農林省
あたりでどう考えておるか。
太田康二
33
○太田
説明員
ただいま岡先生お尋ねのいわゆる店頭売りの問題でございますが、実は牛乳の
流通
改善
の問題で、いかにしたら小売りのコストが安くなるかということについては、われわれかねがね研究いたしておるところでございまして、現在の家庭用持ち込みの配達方式がいいのか、あるいはいま先生が御指摘なさったような店頭売りがいいのかというような点の
検討
を進めておるわけでございまして、実は店頭売りの場合は、確かに
消費者
がその場所に行きまして飲むわけでございますので、いわゆる配達等の
経費
がかからないわけでございますが、店頭で月ぎめで
消費
するという
消費
の
形態
が実はございませんので、現在のところは小売り屋さんから配達するよりも高くなっているというような実情でございまして、こういった形で
消費
の
拡大
をする、あるいは
流通
の
合理化
をするというような点につきましては、なお今後
検討
をしていかなければならないというふうに考えております。
原茂
34
○
原委員長
岡
委員
が先ほど前段に要求された
資料
要求に対して、山中漁政部長からひとつ答えてください。
山中義一
35
○山中
説明員
資料
につきましては、後ほどあらためて提出したいと思います。 それからいま御指摘の点でございますが、
農林省
といたしましては、やはり今後
農林
水産物
の店売り
流通
を
推進
してまいりますためには、
生産
者団体あるいは
生産
者の共同体等もできるだけ
促進
いたしまして、そういうところに
国庫助成
をやってまいるという方針をとっておるわけでございます。従来もたとえば
水産物
等につきましては、全漁連等、水産業の協同組合組織に対しまして
国庫助成
をし、それに対して冷蔵庫の
設置
をしていくというような方針をとっておる次第でございます。また販売方面につきましては、やはり小売り店の共同化あるいはチェーン化というようなものを
推進
いたしまして、それらのものが必要とする
共同利用施設
的なものに
近代化
資金等を積極的に融資しながら、全体の体制をこの店売り
流通
の線に沿って
検討
してまいる必要があるというふうに考えておりますし、特に
生産
、出荷の点につきましては、先ほど申しましたように
生産
者団体を中心にいたしまして、その共同化をさらに
促進
してまいりたいというふうに考えております。
岡良一
36
○岡
委員
経済企画庁
の方が来ておられますが、企画庁としての
コールドチェーン
に対する取り組み方は、やはり
消費者
の手元にはできるだけ安く渡るという、いわば物価抑制という働きがこれの中にあるように希望されると思っておるが、いかがでしょう。
阿多忠明
37
○阿多
説明員
おっしゃるとおりでございます。
岡良一
38
○岡
委員
ところが、私どもたびたび海外へ出かけますと、この点非常にうまくやっている国が幾つかあります。たとえばスイスのごときは、
生産
者の協同組合がジュネーブ、チューリッヒの町にレストランまで経営しておる。ですから、ここでは全く
消費者
と
生産
者というものが直結される姿である。そこでは中間的な
流通機構
というものができるだけ簡素化されておる。おそらく物価問題は中間的な
流通機構
の問題と私は不可分の問題だろうと思う。そこで
コールドチェーン
というものが一個の
消費
流通
、
生産
から
消費
まで一貫したシステムとなった場合に、現在の
日本
におけるいわば
流通機構
面の団体等の抵抗というものは私は相当強くあるだろうと思う。一方、いま御
説明
の
程度
では、いわゆる
流通機構
の中でも、直接
消費者
と結ばれておる販売店に対する国の援助というものがまだまだそれではもの足らないのではないか。そういうような非常に片ちんばの形で
コールドチェーン
ができてくるということでは、私どもどうも納得いたしかねる面があるわけです。こういういま申し上げましたような点について、先ほどの
資料
、その他私の疑義を解明し得るような
資料
を出していただいて、これはひとつ
科学技術庁
のほうでも出していただいて、できたら資源局で一元的に出していただいて、またわれわれの今後の
検討
に資したいと思います。 それから厚生省の食
品衛生課長
がお見えでありますが、この
コールドチェーン
によって、
冷凍
そのもののためからくる、あまりからだのためにならないガス等の問題があると同時に、食品そのものに含まれておる栄養素あるいはビタミン、おそらく熱よりはビタミン等の破壊というものは非常に少ないものだろうと思うが、そういうようなことについて研究中なのですか、結論はまだ出ておらないのですか。
石丸隆治
39
○石丸
説明員
栄養素のほうにつきましては、現在研究中でございます。それから菌の変化、あるいはその検査等につきましては、四十年度からやっております。
岡良一
40
○岡
委員
いろいろ私も調べた上で、もう一度これらの担当の皆さんに御質問したいと思います。
石野久男
41
○石野
委員
関連して。
資料
を出していただきますときに、いま岡
委員
からお話のありましたようなものを含めて——私たち一番関心を持つのは、この
コールドチェーン
が具体的に
実施
されたときに、零細な中小企業だとかあるいは商業、そういう側面へ及ぼす影響がどんな
程度
に出てくるかということを非常に心配しております。おそらくそれは
調査
ができることだろうと思いますので、そういうようなことについて、
当局
側で、こういうものをやったらこういう結果が出るだろうと予測される
状況
というものを、一応出していただいて、それに対して、もちろん企画庁とか資源局は
対策
を立てるでございましょうが、そういう側面の
調査
も一応できたら入れていただければ、非常にありがたい。できなければけっこうです。
原茂
42
○
原委員長
資料
に関しては、
科学技術庁
で取りまとめていただくように、お願いしておきます。
橘恭一
43
○
橘政府委員
岡先生のおっしゃいましたことは、できるだけ
科学技術庁
で取りまとめるようにいたす所存でございますが、ものによりましてはなかなか困難なものがあるかと思います。できるだけ御
趣旨
に沿います。
原茂
44
○
原委員長
本日はこの
程度
にとどめ、次会は、来たる三月二十三日水曜日午後一時
理事会
、一時三十分より
委員会
を開くこととし、これにて散会いたします。 午前十一時五十二分散会