○村山(喜)
委員 時間を十五分
程度しかもらっておりませんので、その範囲で
質問をいたしますので、簡潔にお答えを願いたいと思います。
国鉄が今回第三次
長期計画によります産業別生産誘発額というものを発表いたしました。これによりますと、七カ年
計画で六兆四千七百二十八億の生産誘発が行なわれる、こういうような発表がなされているわけであります。それぞれ産業別に産業連関分析によりましてそれだけの生産誘発額が見込まれているわけでありますが、それに対しまして、四十一年度通算省が出しましたいわゆる鉱工業生産の見通しについてという中において、
国鉄が
工事量として予定をしております三千六百億というものがどういう
ウエートを占めて
日本の
経済の中で動いていくのかという点については、あなた方はどういうような形でこれを見ておられるのか、という点をまずひとつお聞きいたしておきたいのであります。と申し上げますのは、問題はやはり、そういうような長期的な
経済の見通しというものを発表されると同時に、私はやはりこの際、
国鉄運賃を
引き上げたその
関連性において
物価上昇の上にどのような
影響を来たすかという点まで
国鉄当局も分析をしておくべきであるというふうに
考えるのであります。
なお、運輸
大臣に私どもそういう立場からお尋ねをいたすのでありますが、地下鉄については二六・六%
引き上げた、さらに私鉄十四社については二〇・二%の
引き上げを行なった、そうして昨年の十一月の
物価指数の統計の上から出てまいりますいわゆる対前年比におけるバス代の値上げに伴います上昇寄与率というものが二%あるのだ、そうして対前年上昇比率において総体で総合的には一〇六・三%という上昇率でありますが、その中におけるバス代の
値上がりによる上昇寄与率というものが二%あるのだ、こういうようなものが統計的に出されているわけであります。私のところに学生の諸君がやってまいりまして、もう今日五人ぐらいの集団を組んだら、地下鉄やあるいは
国鉄に
——今度
国鉄が
値上がりになった場合のことですが、そういうものに乗るもんじゃない、私鉄にも乗る必要はない。もう五人だったらタクシーを雇うてタクシーに乗ったほうが安あがりで、近くのところにはそのほうが便利で早く行けるのだということを話をしておるのであります。そういうふうになってまいりますと、今度はまたタクシーの
運賃値上がりというものがそろそろ出てくる。すでに九州
地方におきましては、業者が集まりまして、三三%
程度のタクシーの値上げ申請をやろうじゃないかという打ち合わせをいたしておる。こういうような形の中で、私は、
物価の上にあらわれてくるいわゆる
国鉄の
運賃の占める割合というものが〇・七%
程度にすぎないからそれは問題にするにあたらないという議論は、これは当たらないと思うのであります。こういうような総体的な
国鉄の
運賃値上がりに伴う直接の
物価上昇が何%になるのか。それと
関連をいたしまして、いわゆる
生活必需品の
物価上昇にどういうような
影響を及ぼしてくるのか。さらに卸売り
物価に与える
影響の度合いというものはどういうようなものに測定をされるのか、やはり産業別の生産誘発額を測定をすると同様に、
国鉄自身においてもそういうような計算をしたものがなければならないのではないか、こういう立場から私はお伺いをいたしているのでありますが、
国鉄はそういうようなものを計算されたものがありますかどうか。また
経済企画庁の
国民生活局においては、あらゆる問題について、それらの
影響度合というものを測定をし、これに対処する対策というものを立てておられるかどうか。こういう点についてお伺いをいたしたいのであります。
それから、先ほど
山本委員の
質問の中にございましたが、
サービスが向上をすれば幾らかの
値上がりもこれはやむを得ないのだという議論のように聞きました。しかし通勤ラッシュの
緩和にいたしましても、
昭和四十五年において、そのラッシュの
指数というものは二五〇だと私たちは聞いているのであります。そうなれば、これは今日より少し
緩和される
程度であって、ほとんど
緩和されないというような状態の中で
値上がりがされるということに予定をされているのではないか。さらにまた、この問題が将来においてさらに
運賃値上がりという問題を呼び起こす
要因になってくるとするならば、
経済閣僚会議において、これは
藤山長官であったかと思いますが、私鉄
運賃等については向こう四カ年間は値上げをしないのだという
決定をなされているようであります。とするならば、
国鉄の場合においては、将来向こう何年間は値上げをしないのだという約束が
国民の前に示されるかどうか、この点についてお伺いをしたいのであります。これは
中村運輸
大臣からお答えを願っておきたいのであります。
第二の
質問の要点は、御承知のように科学技術庁におきまして、「南九州の農産物の海上
輸送について」という本をつくっております。この中におきますいわゆる貨物
運賃の割合、そうして新しい冷凍船を配属をすることによりまして、南九州の農畜産物を
東京や大阪市場に運び入れる場合のコストの割合が相当詳細にわたりまして計算がされて出されているのでございます。これによりますると、いわゆる
運賃比率を計算をいたしてみますが、トン当たり
国鉄の貨物
輸送にいたしますと、これを一〇〇にすると、船舶
輸送による分は係数が三五になります。トラック
輸送は四七二になるのであります。こういうような点から
考えてまいりまするならば、しかも所要時間は
国鉄よりも船舶
輸送によるもののほうが早い。大量
輸送がきくという形になる。いま話をお伺いいたしてみますると、まあ冷凍専門の貨車を増設をする、そういうようなことにおいて
国民の生活の安定に寄与したいというような話であります。そういうような問題は、
国鉄自体としては、一部門としては
考えてしかるべきであると思うのでありますが、
日本のいわゆる
国民生活を安定させるという立場から
考えてまいりました場合には、それぞれの受け持ちの分野というものがなければならないはずであります。冷凍船を配属をし、
計画輸送をする、大量
輸送をすることによって、庶民の生活の安定ができる、
物価の安定ができるということに相なるならば、これはやはりそういうような方向において国家の財政資金というものを使うべきである、こういう
考え方を立てなければならないと思うのであります。将来の
輸送体系の問題に関する問題でありますが、そういうような点を
考えながら、いわゆる僻地の開発の問題等を取り上げていかなければならないのに、やはり新しい赤字がみすみす出るような
路線に五百億を投入をして、そして新
線建設をやらなければならない。将来にはまた赤字
要因ができる、こういう姿の中から
政治的に動いていく
国鉄の姿というものを
考えてまいりますと、非常に問題があるのではないか。これはやはり
日本の
輸送の上における全体的な配慮というものが今日欠けているところに、こういうような問題点があるんだということを
考えるのであります。そういう立場から、ここにいわゆる試案として出されました科学技術庁の
考え方というようなものを取り入れながらやってまいりまする場合において、将来における
国鉄の貨物
輸送に対する
考え方というものは、
国民生活との
関連性の上において、どういうふうに
考えておられるのかということをお尋ねをしておきたいと思うのでございます。