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1966-05-24 第51回国会 衆議院 運輸委員会 第34号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十一年五月二十四日(火曜日) 午前十時四十一分
開議
出席委員
委員長
古川
丈吉
君
理事
壽原
正一
君
理事
關谷 勝利君
理事
田澤 吉郎君
理事
田邉
國男
君
理事
山田 彌一君
理事
久保
三郎
君
理事
肥田 次郎君
理事
矢尾喜三郎
君 有田 喜一君 小渕 恵三君 川野
芳滿
君 木村 俊夫君
草野一郎平
君 砂田 重民君
高橋清一郎
君 南條 徳男君
長谷川
峻君
増田甲子
七君 井岡 大治君 小川 三男君
勝澤
芳雄君
野間千代
三君 内海 清君
竹谷源太郎
君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 中村
寅太
君
出席政府委員
運輸事務官
(
大臣官房長
) 深草 克巳君 運 輸 技 官 (
船舶局長
) 芥川
輝孝
君
運輸事務官
(
自動車局長
) 坪井 為次君
海上保安庁長官
栃内
一彦君
委員外
の
出席者
農林事務官
(
水産庁生産部
長)
亀長
友義君 専 門 員 小西 真一君
—————————————
五月二十四日
委員泊谷裕夫
君
辞任
につき、その
補欠
として日
野吉夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員日野吉夫
君
辞任
につき、その
補欠
として泊
谷裕夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
五月二十日
国鉄
第三次
長期計画工事
に
地元業者
の
入札参加
に関する
請願
(
松平忠久
君
紹介
)(第四七六三号)
自動車損害賠償保障法
の一部を
改正
する
法律案
に関する
請願
(
池田清志
君
紹介
)(第四八四〇号)
薩摩半島国鉄循環線建設
に関する
請願
(
上林
山
榮吉
君外十名
紹介
)(第四八九二号)
鹿児島交通南薩線
の
日本国有鉄道化
に関する請
願外
三件(
上林
山
榮吉
君外十名
紹介
)(第四八九 三号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
連合審査会開会申し入れ
に関する件
自動車損害賠償保障法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇六号)
海上保安
に関する件(
漁船
の
海難防止等
に関す る問題) ————◇—————
古川丈吉
1
○
古川委員長
これより
会議
を開きます。
自動車損害賠償保障法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
審査
を進めます。 去る五月十一日の
委員会
において、
本案
並びに
田邉國男
君外四名
提出
の
修正案
及び
久保三郎
君外一名
提出
の
修正案
についての
質疑
は終了いたしております。 これより
原案
及び両
修正案
を一括して
討論
に付します。
討論
の
通告
がありますので、これを許します。
壽原正一
君。
壽原正一
2
○
壽原
委員
私は
自由民主党
を代表いたしまして、
自動車損害賠償保障法
の一部を
改正
する
法律案
に対して
賛成
の
討論
をいたしたいと思います。 今日、
自動車事故
による
人身
の
被害
がきわめて憂慮すべき
発生状態
を示していることは、いまさら申すまでもございません。先日、ある
新聞
の報ずるところによれば、五月九日の一日のみで、わが国の
死傷者
は一千二百三十五名の多きを数えているのでございます。また、今年の一月から四月末までの
死亡者
はすでに四千名を突破し、昨年よりも五百名も多いという悲しむべき
状態
を呈しておるのでございます。まさに
交通戦争
と言わなければなりません。これはわれわれの身近で日夜起こっていると申しても決して過言ではないのでございます。したがって、去る十一日からの
全国交通安全運動
にあたって、
関係者
として、せめてこの
運動期間
中だけは
事故
を出したくないという決意をしていると伝えられておりますが、だれしもが、この
運動期間
中のみならず、今後
事故
を起こさないことを願うのは当然のことでございましょう。 さて、
本法
案は、このように激増している
交通事故
に対しまして
被害者保護
をより一そう強化するための
措置
でありまして、私はあらためて
賛成
の意を表するものでございます。 まず第一点に、最近における
原動機付自転車
の
普及発達
はまことに目ざましいものがございまして、
昭和
三十九年度末の
車両数
は六百七十二万両に達し、
自動車
の
車両数
にほぼ匹敵する
状態
を呈しているのでございます。しかしながら、このような
車両数
の増加は、この間における性能の改良とも相まって、
人身事故
の増大を招いていることは先ほど申し上げたとおりでございます。
自動車事故
による
被害者
につきましては、すでに
現行法
によってこれを
救済
する方途を講じておるのでございますが、
原動機付自転車
の
事故
による
被害者
に対しましてもこれと全く同様の
措置
をすみやかに講ずることが必要なのでございます。かつて総理府が行なった
世論調査
におきましても、大多数の
回答者
が
原動機付自転車
を
対象
に加えるべきだという
意見
を表明しておるのでございますが、今回の
改正
はこれらの要望にこたえた、まことに適切な
措置
であると
考え
るのでございます。 第二に、このたびの
改正措置
により、従来、
死亡
の場合百万円であった
保険金額
を百五十万円に引き上げる
措置
を講じ、
被害者
の
保護
を一そう充実しようとするものでございますが、このように
保険金額
を改定する場合、そのときまでに
契約
を締結していた
自動車
と、
保険金額増額
後に
契約
を締結した
自動車
とが併存し、これがため
被害者
間に
保険金額
の不均衡を来たすおそれのあることがございますので、これを防ぐための
法的措置
を講ずる必要があるのでございます。 第三には、
農耕作業用小型特殊自動車
につきましては、従来
本法
の
対象車種
といたしておりましたが、その後の
実績
を見ますと、運行の範囲が限られており、
事故率
もきわめて低いのでありまして、今後これを
強制保険
の
対象
とすることは
農業者
の意思にも相反しますので、今回これを
本法
の
対象車種
より
除外
いたした次第でございます。 第四は、従来
自賠責保険
の
取り扱い
が
損保会社
のみに独占されておりましたものを、今回本
委員会
の
審議過程
におきまして、わが
自由民主党
の
修正
により新たに
責任共済制度
を設け、
農協
にもこの
事業
を実施せしめることにいたしたのでございます。 このような
措置
をとるに至った
理由
の第一は、
現行制度
の運営の
現状
を見ますると、現在
保険
に付すべき
自動車
の一一%が無
保険
のまま放置されているという事態を重視いたしまして、
農村地域
における
車両
の
全量付保
を実現せんがためでございます。 第二は、今回
保険金額
の引き上げが行なわれるとはいえ、諸
外国
の場合と比べますとまだまだ低いと言わざるを得ないのでありまして、これは将来の課題に譲るといたしましても、特に
加入者
の払い込んだ
保険料
に比較して
保険給付額
が低いという現実的な問題があり、さらには
被害者
の正当な権利の行使を阻害するかのごとき査定上の問題もしばしば発生しているのでございまして、
本法
の
目的
である
被害者保護
の
観点
から見ますと、すみやかに解決すべき幾多の問題が包蔵されていると言ってもよく、今回の
措置
はこれらの改善に役立たしめようとするものでございます。 第三には、このような
実態
の多くは、この種の
事業
を
営利保険会社
に独占的に行なわしめていることに基因していると指摘せざるを得ないのでございまして、今回
農協
にこの種の
事業
の実施を認めましたのは、この団体の性格、
事業
の
実態
を判断するとともに、その
組織力
を十分に活用せしめて
現状
の欠陥を是正し、この
制度
全体を
国民大衆
と密着したものとすることによって、
被害者保護
をより一そう拡充させようとするからにほかなりません。
社会党
その他
本法
案に
反対
の
諸君
は、
責任共済制度
における
車種
の
制限
をやめ、
原付自転車
の再
保険
を実施すべきである等の主張をいたしておるのでありますが、
車種
の
制限
につきましては、今後その
実績
を判断しつつこれを撤廃し、全
車種
を扱わせることが最も妥当であると判断するものでございます。 また、
原付自転車
の再
保険
の問題につきましては、諸般の
情勢
を判断した上、テストケースとして今回
政府
において
措置
されたものでございます。これらにつきましては今後とも十分配慮し、
本法
の
目的
である
被害者保護
をより一そう拡充いたしてまいりたいと存じております。 最後に、
関係各位
におかれましては、
本法
の
目的達成
のため一そうの努力を払われんことを期待するものでございます。 以上をもちまして私の
賛成討論
を終わります。(
拍手
)
古川丈吉
3
○
古川委員長
久保三郎
君。
久保三郎
4
○
久保委員
私は
日本社会党
を代表して、
自動車損害賠償保障法
の一部を
改正
する
法律案原案
並びに
自民党提案
の
修正案
に
反対
をいたし、
社会党提案
の
修正案
に
賛成
の
意見
を申し上げます。
自動車損害賠償保障法
の
制度
については、すでに本
委員会
でそれぞれ申し述べたとおり、今日における
自動車
にかかわる
人身
の
死傷
に対し適切な
被害者救済
をいたそうとするのがこの
法律
のたてまえであり、その
保障
をすることは
国家
の
責任
であるというのが、
本法
のもう
一つ
のたてまえであるわけであります。 今回の
改正提案
の中で大きな問題は、
一つ
には
原動機付自転車
を
強制保険
の
対象
にするということであります。この点については、われわれも異存はございません。ただし新しく
原動機自転車
を
対象
に含めると同時に、従来の
制度
である
国家
の再
保険
という
制度
はこの新たに加えるものについては
除外
する。これは
国家
の
責任
というものを大きく後退
修正
した態度でありまして、われわれとして
賛成
しかねる第一点であります。もちろんこの
自動車損害賠償保障法
なるものは、すでにこの
法律
によることが無理になってまいりました。というのは、この
制度発足
の当初より、先ほど申し上げたように、この
種制度
は
国家
の
責任
によってすべてを処理するというたてまえであったはずでありますが、当時のいわゆる
処理体制
においては残念ながら、末端の機構まで
国家
の力によって、あるいは
組織
によってこれを運営することはなかなか困難であり、そのためには現存するというか、当時よりあるところの
保険業法
に基づく
保険企業
、そういうものを使って一応発足させたわけであります。でありますから、すでに相当の年月も経過している今日、この
制度
は当初の構想に立ち返るのが当然でありまして、それを後退
修正
するがごときは断じて許さるべきものではありません。しかも
保険財政
は今日
黒字
に転化してまいりました。
黒字
に転化いたすということに相なりますれば、
保険
の料率を下げるか、あるいは、いまだ
外国
に比べても
保障
の
限度額
が非常に低い現況にありましては、これをさらに
黒字
の部面において引き上げる、あるいは、不足がちでありますところの
救難体制
をこの
保障制度
の中で
政府
として当然のごとく拡充強化する、こういうところに
考え
を及ぼさねばならぬと私は思っております。しかるに今回の
提案
は、はっきり申し上げて、
政府部内
におけるところの
保険業
を擁護する
立場
と、そうでない
立場
との角逐の結果、いわゆる
保険業
を守る
立場
が強く打ち出されて、
原付自転車
につきましては
国家
再
保険
は取りやめる。逆に言うならば、
保険業
として十分成り立ち、またうまみのある
企業
であるように
改正
はもっていっている。
原動機付自転車
を
強制保険
の
対象
にすることは最も大切なことであるけれども、その六割の
国家
再
保険
をやめたということは理論的にも実は成り立っておりません。
一貫性
を欠いておる。
原付自転車
以外はすべて従来どおり再
保険
でありながら、
原付自転車
を再
保険
から除くという
理論的根拠
は何もない。あるとするならば、ただいま申し上げたような、
企業
としての
保険業
を擁護する
立場
にのみある。これでは本
制度
をしてゆがめた形で後退させる
一つ
のこまであろうというので、われわれは承服しかねるということであります。 第二点は、本
委員会質疑
の中で
政府側
もそれぞれ
賛成
でありました
農耕用特殊自動車
、いわゆる
ティラー
は従来
強制保険
の
対象
でありましたが、これを
除外
しようというのでありますが、
自民党修正案
は、
本法
から全くこの
ティラー
を除くという
修正案
であります。われわれはこの
制度
から全然
ティラー
を除くのではなくて、
ティラーそのもの
を
強制保険
の
対象
からだけはずそう、万が一これによる
被害
が発生したときには、
国家
の手によって、まずもって本
制度
による
救済
の道はそのまま存続しようというのであります。でありますから、
被害者
の
立場
に立ってものごとを
考え
るべきこの
法律
の
改正案
に対し、
自民党修正案
はこれを単純な、しかも
被害者
の
立場
を忘れた
修正
でありますので、われわれとしては
賛成
しかねるというのであります。 いずれにしても、われわれはわが
党提案
の
修正案
を含めて
原案
には
賛成
はしますが、
自民党提案
の
修正案
には
反対
でありますので、以上申し上げて
反対討論
を終わります。(
拍手
)
古川丈吉
5
○
古川委員長
竹谷源太郎
君。
竹谷源太郎
6
○
竹谷委員
私は
民主社会党
を代表いたしまして、ただいま
議題
となっております
自動車損害賠償保障法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、次の
理由
によりまして
政府案並び
に
自由民主党
の
提出
されました
修正案
に
反対
をいたしまして、
日本社会党提出
の
修正案
に
賛成
の
討論
を行ないたいと存じます。 言うまでもなく、
本法立法
の
趣旨
は、
自動車災害
による
被害者
の
保護救済
を
目的
とする
改正案
であるということは論をまちません。かかる大原則に立って
政府案
、
自民党修正案並び
に
社会党修正案
を
考え
てみますると、まず
原動機付自転車
につきましても、当然他の
一般自動車
と同様再
保険
の
対象
とすべきものであって、これを再
保険
から
除外
する何らの
理由
を、この
委員会
における
質疑応答
を通じて
政府
の見解をただしましても、発見し得ないのでありまして、これはやはり従来の四輪車同様再
保険
に付し、筋を通すべきものであると
考え
ます。 次に、
農業協同組合法
に基づく
共済事業
に対しましてもこの
事業
の
取り扱い
を認めることは、
本法
の
趣旨
からいいまして何ら差しつかえない。この点は
自民党
も
社会党
も同
意見
でありますが、それにつきまして私は、すべての
自動車
を
農協
に認めるべきである、
対象
にすべきである、このように
考え
るのでございまして、
自民党
の
原動機付自転車
及び政令で指定する特定の
自動車
だけに限るということは
反対
でございまして、すべての
自動車
に
適用
すべきものであると主張したいのであります。 また
農耕作業用
の
特殊自動車
につきましても、これを
強制保険
の
対象
から
除外
をするということにつきましては、その
実態
から
考え
まして当然のことと存じますが、これも全然
事故
がないというわけではございません。また従来は
強制保険
に付しておった点から見ましても、これは第二条の
改正
によって自
賠法
の
対象
から全然
除外
するということでなしに、第十条の
適用除外
に加える、そうして自
賠法
の
適用
を受けるという
社会党案
のほうがよりよいと
考え
ます。 以上の
観点
からいたしまして、民社党は
社会党
の
修正案
に
賛成
をいたしまして、
本法
の正しき
適用
を見ることを望むものでございます。 以上をもって
討論
を終わります。
古川丈吉
7
○
古川委員長
これにて
討論
は終局いたしました。 これより採決いたします。 まず、
久保三郎
君外一名
提出
の
修正案
について採決いたします。 これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
古川丈吉
8
○
古川委員長
起立少数
。よって、
久保三郎
君外一名
提出
の
修正案
は否決されました。 次に、
田邉國男外
四名
提出
の
修正案
について採決いたします。 これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
古川丈吉
9
○
古川委員長
起立
多数。よって、
田邉
君外四名
提出
の
修正案
は可決されました。 次に、ただいま可決いたしました
修正案
の
修正部分
を除いて、
原案
について採決いたします。 これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
古川丈吉
10
○
古川委員長
起立
多数。よって、
修正部分
を除いて
原案
は可決いたしました。したがって、
本案
は
修正
議決すべきものと決しました。 おはかりいたします。ただいま議決いたしました
本案
に関する
委員会報告書
の
作成等
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
古川丈吉
11
○
古川委員長
御
異議
なしと認め、よってさように決しました。 〔
報告書
は附録に掲載〕 ————◇—————
古川丈吉
12
○
古川委員長
次に、
海上保安
に関する件について
調査
を進めます。
質疑
の
通告
がありますので、順次これを許します。
長谷川峻
君。
長谷川峻
13
○
長谷川
(峻)
委員
まず、
海上保安庁
に質問します。
国会
で私
たち
はいろいろ
法案
を
審議
していますが、毎日大きく
新聞
に報道されている第十一進
洋丸
、これはしかも
国民
の利益に非常に
関係
ある問題です。こういうことは、私はこの
運輸委員会
で当然
審議
されなければならぬと思いもしますし、大事な
法案
がいま採決されたあとですから、その機会を得まして、この際に御質問申し上げたいと思います。 第十一進
洋丸
というのは、御承知のとおり、
新聞
で拝見しますと、今月の八日くらいですか、
北海道
の
刺し網タラ漁船
が
ソ連船
に
曳航
される間に、
乗組員
六名が死んだ。そしてその生き残った二名を
海上保安庁
の
巡視船
「
ちとせ
」が受け取る最中に、
遭難事故
がわかった。
遭難
してから約五日間に六名の者が死んでいる。そしてそれが、衝突した
ソ連
の
巡視船
に
曳航
される間に沈没をし、死んだということなんですね。このことが
新聞
に出ておりますが、従来でありますと、こういう問題があった場合には、
事故
について、それがどういう
事故
であり、どういうふうに
作業
をし、どういうふうに救助し、そしていまどんなふうになっておるかということは、
運輸委員会
に
報告
があった。これがほかの
法案
の
審議
の
過程
でできなかったのか、そしてその間においておたくのほうでどういうふうな
作業
をされておるのか、まずその辺について
運輸委員会
の
皆さん方
に御
報告
していただきたい、こう思う次第であります。
栃内一彦
14
○
栃内政府委員
ただいま御質問の第十一進
洋丸
の
拿捕事件
について
概要
を御説明いたします。 第十一進
洋丸
は、
タラ刺し網漁船
でありまして、総トン数十九トン、乗り組み員八名でありまして、船主は
北海道羅臼
町の
小林源太郎
という人であります。ただいま
長谷川委員
の仰せのとおり、
生存者
は二名でございまして、
機関長小林
広身、
甲板員千葉正雄
の二名、他の六名は行くえ不明で
死亡
したものと推定されております。
事件
の
概要
につきましては、私どものほうでは、帰ってまいりました
小林
広身と
千葉正雄
の
供述
によってつかんでおるわけでありますが、その
供述
によりますと、五月八日六時三十分ごろ、国後島
中ノ沢沖漁場
にこの船は到着いたしまして、距岸三・二ないし三・七海里において操業の上、九時ごろ帰航の途についたのでありますが、間もなく
ソ連監視船
が接近してまいりましたので、全速で逃げました。そのうち
監視船
は
本船
に追いつき接触いたしましたが、このときは船体には異常はありませんでした。当時は南東の風四ないし五メートル、視程五キロ、この
地点
は、ともに操業しておった船の
報告
によりますと、
エビカラウス埼沖約
十四海里であったということであります。この
地点
は、帰ってまいりました者が測定した
位置
ではなくて、僚船がそういうふうに見ておったという
位置
であります。 それから十時ごろ、
監視船
はさらに
強行接舷せん
としてこの
漁船
に
激突
いたしまして、
接舷
と同時に
ソ連兵
六名が移乗してまいりました。また乗り組み員中二名は、その
激突
の衝撃で
海中
に転落いたしましたが、そのときは一名は自力で
泳ぎつき
、他の一名は船長が
海中
に飛び込んで救助いたしました。したがって、この
激突
の際には二名が
海中
に転落したわけでございますが救助されております。その後、
激突
により
本船
の
左舷船尾
に深さ約一メートルに達する
損傷個所
ができましたが、そこから浸水し始めまして、
左舷
に大きく傾斜いたしまして、ポンプによる排水も不能になりました。
監視船
はこの船の
曳航
を開始しましたが、途中二回
曳航索
が切断いたしました。そして
曳航準備
に手間どっている間に浸水がはなはだしく、また
海上
の
模様
も次第に悪化して、ついに転覆いたしたわけでございます。この転覆した
位置
は、
ソ連側
の
調査
によりますと、距岸約七海里ということでございます。その結果、
全員
が
船底
にはい上がりまして、そのとき
監視船
がこの船の
船首部
に近づきました。そして先ほど乗りました
ソ連兵
は
全員海中
に飛び込み救助されました。なお、
ソ連兵
は救命胴衣を着用しておったということでございます。それから、
千葉正雄
は
監視船
が接近いたしたとき、その
ハンドレール
につかまったため救助されました。それから
小林
広身、
福原博
は
船首部
にいましたが、他の乗り組み員は
船底
の
魚探突端部
にロープを結んで、波にさらわれないようにそれにつかまっていましたが、次々に波にさらわれ、
船首部
にいた両名も
海中
に投げ出されました。その後、その二名のうち
小林
広身だけは
板片
につかまって漂流しているのを
監視船
に救助されましたが、他の六名は行くえ不明になったわけでございます。
監視船
は
小林
広身を救助してから、間もなく現場を離れた
模様
でございます。 なお、後日の話でございますが、
ソ連側
は
小林
に対し、他の乗り組み員は
全員
からだをつないでいたため船とともに沈んだと説明をした
模様
でございます。
生存者
二名は色丹島の
穴澗湾
において取り調べを受けまして、五月十三日
巡視船
「
ちとせ
」で根室に帰ってまいりました。 次に、わがほうのとった
救助体制
といたしましては、第一管区は五月十三日、
情報入手
と同時に
巡視船
二隻を出動させまして、
地元漁船
四十二隻とともに
事件発生海域
を捜索しました結果、行くえ
不明者
は発見できませんでしたが、
ソ連兵
の帽子一個のほか、同
漁船
の
漁業許可番号票等
を発見いたしまして、十五日捜索を打ち切った、かような次第でございます。
長谷川峻
15
○
長谷川
(峻)
委員
その後
事件
は進展しまして、
日本
の
外務省
から
ソ連
に
抗議書
、
口上書
などを渡し、あるいは
日本
においても
ソ連
の大使を呼んで、それぞれ
抗議書
を渡しているようでありますが、そういう問題は
外務省
が来て後日質問するようなかっこうになろうと思いますが、いまのお話を聞いている間に
考え
られることは、一体
ソ連
の
言い分
と
日本
の
言い分
というのが、だいぶ食い違う。その場合に、ともかく六名も死んでいるという事実、ああいうところで五日間も
日本
に
情報
が全然来なかったということは、私は非常におかしいと思う。私も
南極
に行ったことがございますが、
南極
の場合にも、海に入って五分以内に、普通の体温からああいう氷の海に入ったらみんな死んでしまうのです。そういうところで
情報
を五日間もよこさなかったというのは、非常に悪いことです。もう
一つ
は、向こうは、悪天候で、衝突したのではないということを言ったようでありますが、こっちとすれば当時の気象の問題、気象庁との打ち合わせなども私はやったと思います。そういうようなことなども含めて、一体いまから
先——北海道
の
零細漁民
はじめ、
タラ漁業
なんというものは非常に
遭難
が多いのですね。しかも、いまおっしゃるように十九トンくらいでしょう。こういう問題がありますから
領事条約
とかいろいろの問題、最近は
イシコフ漁業相
が来るとか
グロムイコ外務大臣
が
日本
に来るとか、いろいろな問題があるし、ですからここで、
海難救助
の
関係
から、こういう
零細漁民
なんか前々から心配しておったこうした問題を、一体この際どう防いだらいいか、どういうふうな手続をこの際踏んだらいいかということを、
海上保安庁
として当然
考え
なければならぬ。また、おそらくお
考え
になっておるだろうから、それをやはりコンクリートにしまして、この際私
たち
はよくそれをのみ込むし、
政府
の側にも立ち、
漁民
の側にも立ち、
国会
の側にも立ちながらそれを推進しなければならぬと思う。だから、
責任官庁
としての
海上保安庁
は、こういう新しい
政治情勢
、
日ソ友好
というか、そういうムードがあるときにこういう
事件
が起こったことはきわめて遺憾であるが、この際どういう対策を進めるかというお
考え
をお聞かせ願いたいと思う。
栃内一彦
16
○
栃内政府委員
ただいま
長谷川委員
が仰せられましたように、この
事件
が起きてから先方の通報がなかった、そしてわがほうの
巡視船
が引き取りに行って初めてわかった、予定の員数以上に
日本
人が送還される、これはどういうことかというようなことが、
巡視船
「
ちとせ
」が行ってはじめて事情がわかったということは、きわめて遺憾なことであると思います。現在この通報
制度
の問題につきまして、
外務省
のほうからの話によりますと、
領事条約
でもってかかる場合に通報の義務を相互に負うというふうに進行しておるのだという意味に聞いておりますが、私どもの
立場
としますと、条約で義務があるないという問題は離れて、とにかくこういうことがあったら知らせてもらいたいということをやはり痛感しておる次第であります。ですから今後は、
領事条約
が進行中ということでありますが、これによって
遭難
の場合にすぐ知らせてもらいたいということ、また、それによりましてわがほうからも
巡視船
を出すというようなことによって、先方はもちろん救助に全力を傾けてもらうことは当然でございますけれども、わがほうもできるだけの手を尽くさなければならない、かように
考え
ております。 それからもう
一つ
は通信の問題でございますが、この通信につきましては現在、これも
外務省
でいろいろ御検討のようでございますけれども、現在は現地間の取りきめによりまして、真岡の通信が比較的順調に行なわれております。ただ私どもの
立場
としましては、さらに円滑な通信が相互に行なわれることが必要ではないか。この点も現在
外務省
のほうがいろいろ事務的に折衝しております。これをさらに推進してもらうということが必要ではないかというように
考え
ております。 それから、そのほかいろいろの対策といたしましては、一般の海難予防の対策というようなことが重要になってくるわけでございますが、これらはいろいろ指導をいたしますとか、あるいは設備その他については十分監視するとかいうような一般的なことが必要であろうかと思います。また北方におきましては、盛漁期には
巡視船
が遠洋に哨戒いたしまして、できるだけ早く現場に到達するような
措置
をとっております。今回の場合は遠洋というよりは、むしろ国後島と目と鼻の間でございます。あの付近の
巡視船
も今後ますます警戒を厳重にする必要がある、かように思います。
長谷川峻
17
○
長谷川
(峻)
委員
外務省
は来ないからあとにしますが、やはりはっきりあなた方は領海外だというふうに認定されておるかどうか。それから日ソの間に
海難救助
か何か協定ができたのじゃないのですか。そういうものがこういう際に一体どう発動し、あるいは向こうがやらなければこちらの
立場
からどう抗議を申し込まれるかという点について、この際一言お答え願っておきたい。
栃内一彦
18
○
栃内政府委員
あの付近の領海問題につきましては、いわゆる領土問題というものが前提になっておりますので、非常に説明はしにくいかと思いますが、少なくとも先方は領海十二海里説をとっておる。したがってわがほうとしましては、十二海里の中にできるだけ入らないようにというような指導をいたしております。これが原則でございます。これは領土権の問題を離れて実際上の
措置
をやっておるわけでございますが、一部分国後島沿岸につきましては、これも現地限りの問題でございますが、三海里以内、三海里よりも近寄ってはならぬというふうに、
ソ連側
も現地限りで若干弾力的な態度をとっておる部分もございます。今度起きました
事件
の該当場所は、先方が弾力的な態度をとっておる付近の海域でございます。私どもとしましては、領土問題を離れても、ともかく向こうが当該地について主張する三海里よりも沖合いであるというふうに私どもは判断しておるわけでございます。 なお、
海難救助
協定によりますれば、いずれの国も最も適当な方法によって
海難救助
を行なう、また相手国と十分協議をする、こういうことになっております。
長谷川峻
19
○
長谷川
(峻)
委員
きょうは
外務省
がいないから、私はもういいです。
古川丈吉
20
○
古川委員長
久保三郎
君。
久保三郎
21
○
久保委員
質問に入る前に、船員局長というのはいかがしたのか。
深草克巳
22
○深草
政府
委員
船員局長は官房長が兼務をいたしております。
久保三郎
23
○
久保委員
この船員局長というのは、聞くところによるとあとがまはまだ発令されないで、官房長が船員局長になったわけではなくて、これは代理ですね。代理というか、事務
取り扱い
というか、何かそういうものでしょう。兼務か。兼務じゃないのでしょう。だから本物ではなくて、暫定的に船員局長ができるまでの間職務を代行するということだろうと思うので、いままで船員局長であった者はすでにやめてどこかの会社に入ったそうだが、そういう人事があるのかどうか。ただいま
国会
は開会中であるし、いま
長谷川委員
の質問にしても、言うならば
漁船
船員の問題が重要なんですね。沈んだ船の問題も重要かしらないが、少なくともそこに乗っていて死んだ船員の問題等があるわけです。これはどういうわけか簡単に聞かせてほしいのですが、大臣、ぼくの質問はわかりましたろうか。何で船員局長は早いとこやめていかれたのか。あとがまがなぜきまらぬのか。官房長で、兼務じゃないが、職務代行だが、それで用が足りるほど船員局長はあまり重要ではないのかどうか。
中村寅太
24
○中村(寅)国務大臣 前の船員局長はやむを得ざる事情でやめたのでございますが、
国会
中でございますので、官房長に兼務させて、事務に支障のないようにいたしておるわけでございます。
久保三郎
25
○
久保委員
大臣の御答弁もよくわからぬ。まあ、いずれにしても補充というか、後任は相当に優秀な局長ができるだろうと思うのだが、どうも
国会
中官房長が兼務というか、そういうことはあまり好ましくないということを一言申し上げておきます。 〔
委員長
退席、田澤
委員長
代理着席〕 そこで次に、最近
漁船
の
関係
で、ややもすれば
関係
の労働法なり、あるいは船舶安全法あるいは船舶職員法、そういうものの違反がたくさんあるわけなんだが、先般出された
海上保安庁
の
報告
にも出ているように、かなりの違反事項がある。これは第一に水産庁にお尋ねしたいのだが、指定漁業は来年一斉に漁業権の更新があることになっている。しかしその更新にあたってはいろいろな条件を勘案して、免許というか、許可を与えるだろうと思うのでありますが、その中でも最も比重を重く
考え
ねばならぬところの漁業法あるいは海事法、そういうものの違反、こういうものの違反をたくさん犯しているような者は、免許の基準から当然離れるとわれわれは承知しているわけなんです。ついては、いま申し上げたような違反を犯した者について、水産庁としては許可あるいは
企業
の認可というか、そういうものを与える
考え
はないと思うのだが、まず第一にその方針を伺いたい、かように思うのです。
亀長友義
26
○
亀長
説明員 お答え申し上げます。 いま御指摘のように、指定漁業の一斉更新をするという
法律
のたてまえになっておりまして、その際にはただいま御指摘のような「労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠く者」は再び許可はしないという
法律
のたてまえがございます。明年実際にどのようにやるか、目下その方針を検討中でございますが、いま御指摘のように、労働の法令を順守する精神を著しく欠く者ついては、許可または認可を行なわないという
法律
のたてまえは、私どもとしても十分そのとおり実施する
考え
でございます。ただ実際の
適用
に際しましては、労働法令を順守する精神を著しく欠くということの把握のしかたという点につきましては、実情も
調査
しなければなりませんし、また、どの程度からそういう認定をいたすかという
一つ
の判定の問題もございますので、われわれとしまして、今後なお時間の余裕もございますので、実情の把握なり、あるいは
適用
する労働法令という範囲につきましても十分検討いたしまして、明年度
措置
をいたしたい、かように
考え
ております。
久保三郎
27
○
久保委員
そうしますと生産部長、あなたのお
考え
では、これからどの程度のものが許可に適格性がない、これはだめだというのは、逐一これから調べるというか、基準をこれからつくって、何かあがってきたものをチェックしていく、こういうようなふうに答弁がとれるのだが、そのとおりですか。
亀長友義
28
○
亀長
説明員 もちろんいままで、労働法令の違反につきまして所管の官庁から
調査
をされたものもいただいております。しかしわれわれとしまして、さらにそれをどの程度の範囲からたとえば許可を与えないということにするかという点につきましては、これからの検討事項だと
考え
ております。御承知のように、漁業の現在の許可
制度
と申しますのは、いわば漁業をやらせない、
一つ
の
事業
をやらせないという非常に強い
制度
と申しますか、そういう
制度
でございますので、
法律
上、本来ならば漁業というものはだれでもできていいはずのものを、特定の者しかやらせないということでございますので、私どもとしましても、労働法令を順守する精神を著しく欠くという認定については、過去の事例なり、あるいは、ある特定の人が過去にどれほどの違反があったかというような点につきましては、十分慎重に検討した上で決定すべきものだと
考え
ております。
久保三郎
29
○
久保委員
私語はしてもけっこうですが、私のところからも答弁が聞ける程度にしてもらいたい。
田澤吉郎
30
○田澤
委員長
代理 静粛に願います。
久保三郎
31
○
久保委員
そうしますと、この程度のものはどうするかというようなことはこれから慎重に検討していくということでありますが、それじゃその認許可の問題とは別に、現実に水産庁には、行政処分の
対象
にすべきと思うものは、それぞれ協定に基づいて
海上保安庁
から通報している。水産庁は通報を受けているわけですね。通報を受けたところの違反事項についていかなる処分をしたか。通報を受けっぱなしのように見えるわけですね。そうじゃなくて、通報を受けたから、これに対してはこうやった、処分をしたというようなことはどうなんですか。
亀長友義
32
○
亀長
説明員 労働法令の違反につきましては、それぞれの
関係
法令の違反として、それぞれの所管庁において、それぞれの
報告
に基づいて処分をするというのがたてまえでございます。したがいまして、その違反の実情により、それぞれの
関係
法規の違反としてそれに対する処分は行なわれておるものと思います。漁業の面でどう扱うかと申しますと、現在、一斉更新の時期を除きましては、漁業の規則に対する違反は漁業法によってしかるべき
措置
をいたしておりますが、労働法令に関する違反につきましてはそれぞれの労働法規に基づいて処分される、こういうたてまえで現在のところまで取り扱っております。
久保三郎
33
○
久保委員
そうすると、
海上保安庁
で摘発した違反事項は、すべて水産庁——あるいは保安庁なりその他もございましょうが、そういうしかるべきところでそれぞれの処分をしている、こういう御答弁でありますか。そうですか。
亀長友義
34
○
亀長
説明員 そのとおりでございます。
久保三郎
35
○
久保委員
この白書にも書いてあるが、いつか、船舶職員法違反の行為の中で、たとえば船長が乗らないままで出航した、そして
事故
があったというような事例があったわけです。この場合は当然船主のほうが処罰の
対象
になるだろうとわれわれは
考え
ておる。そういうものは処罰をしたか。あるいは正規の機関長が乗らないままでこれまた出航したというようなこともあるわけなんだが、これはどういうふうになっておるか。
亀長友義
36
○
亀長
説明員 ただいまのような例の場合には、具体的に申せば船舶職員法ということになるのかもしれませんが、それぞれそれを規制する
法律
の処分
対象
として扱われておるものと
考え
ております。
久保三郎
37
○
久保委員
いまの生産部長の答弁に関連して、それでは船員局なり何なりでは処分をしたかどうか、いかなる処分をしたか。
深草克巳
38
○深草
政府
委員
船員法違反並びに船舶職員法違反については、それぞれ機関にかけまして処分をいたしております。
久保三郎
39
○
久保委員
それでは具体的な例がここにあるから、これはどうやったか具体的に答えてください。この
海上保安庁
から出した「
海上保安
の現況」の一二六ページの上段「
漁船
を
対象
とする船舶職員法の取締りは、三十九年末から四十年初めにかけて
遭難
した
漁船
のなかに船長又は機関長として有資格者が乗組んでいなかったものが多かったので船舶職員法違反を防止し、あわせてその
実態
を把握するため」云々、こう書いてあるのだが、これは処分をしたかどうか。いかなる処分を、だれにどうしたか。これはすぐ答弁できれば答弁してください、そうでなければ、あとにしますから、調べておいてあとで……。
深草克巳
40
○深草
政府
委員
あとで調べましてお答え申し上げます。
久保三郎
41
○
久保委員
それでは、これは生産部長にお尋ねしますが、たとえば水産庁において直接処分をしないにしても、船員法違反なりあるいは船舶安全法違反なり、船舶職員法違反、こういうようなものが出たときには、それぞれ行政処分として漁業権というか、そういうものに及ぶはずだと思うのだが、通常何も及んでいないかどうか。通常の場合は、先ほどの答弁のとおり、資格どおりやれば、それはその漁業権に及ぶような処分は全然していないのかどうか、これはどうですか。
亀長友義
42
○
亀長
説明員 漁業法そのものといたしましては、本来これは漁業の取り締まりを行なう
法律
でございまして、いわば資源の
保護
であるとか、あるいは漁業調整上の必要からいろいろな漁業の規制をきめておりますが、それに対する違反を追及するというのがたてまえでございまして、労働
関係
の違反につきましては、これはやはり労働
関係
の法規においてしかるべき追及をするというたてまえになっております。もちろん漁業法としましても、労働
関係
法規なり、あるいは労働条件を改善していくという
趣旨
は多分に織り込まれておるわけでございますけれども、どちらかといえば、やはりこれは労働法規が先行しまして、漁業法のほうがそれに協力なり追随した形をたてまえ上とっております。したがいまして、実際の処分におきましても、それぞれの
関係
法規においてしかるべき処分があった場合に、漁業法令を順守する精神を著しく欠くというふうな認定がありました場合には、これは当然、漁業の一斉更新その他の場合にはしかるべき処分をしなければならない、われわれかように
考え
ております。しかし現在までのところでは、一斉更新という機会は、現在の
法律
のもとでは来年初めてでございますので、具体的に労働法規による許可の取り消し、あるいは漁業で違反をした場合に行なわれておるような停泊命令というようなものを実際に命じたというようなところまではまだいたしておりません。
久保三郎
43
○
久保委員
初めてのケースで、一斉更新の場合に許可、認可の基準になるかどうかわからぬ、こういうお話ですね。しかしこれは違反事項であるから、たとえば漁業法五十七条には、中身というか
対象
はちょっと違うと思うのでありますが、漁業法違反は当然でありますが、そのほかに労働法規違反事項については認可、許可の欠格条項にあげているわけでございますね。だから、そういうものが今度の一斉更新には当然
適用
になるだろう、こういうふうにわれわれは思っているわけでありますが、こういう点についてもう一ぺん御答弁をいただきたい。
亀長友義
44
○
亀長
説明員 先ほど申し上げましたように、一斉更新に際して漁業法規の違反、漁業法を順守する精神を著しく欠く者であるとか、あるいは労働法令を順守する精神を著しく欠く者については許可の再発行はしないという条項はございます。したがいまして、たとえば「精神を著しく欠く」ということは非常にむずかしい表現でございまして、実際上それをどういうふうに当てはめていくかということは、われわれとしても今後研究をしてまいりたい。ただ、労働法令を順守する精神を著しく欠くというのは、船員法なりあるいは船舶職員法の各条項が要求しておるような一々の処分をさすものではなくて、やはり全体として、ある特定の人が数回も違反を重ねておるとか、あるいは非常に重大な違反をしても一向
関係
官庁の勧告をも顧みないとか、そういうふうなことであろうかと思います。したがいまして個々の処分につきましては、これはあくまで労働
関係
法規の分野において追及されるのが筋であろうかと
考え
ております。ただ漁業法のそういう
趣旨
もございますので、一斉更新の際には、労働法令を順守する精神を著しく欠くという法令の認定の問題がございますが、それに該当する者についてはしかるべき適当な
措置
を研究してまいりたいと
考え
ております。
久保三郎
45
○
久保委員
これは運輸省に聞くけれども、無理して官房長が答弁せぬでもいいです。しかるべき課長がいるだろうから……。直接取り締まりというか、指導に当たるところの船員局としては、いまの水産庁の答弁でいいのかどうか。一斉更新のときに
考え
るけれども、
考え
る幅というのがあるのだ、だからどういうものをやるか。もちろん
法律
の文言は抽象的であるから何とも言えないけれども、少なくともわれわれは、そんな違反は目に見えてわかっているのでありますから、わかっていることを違反するのでありますから、しかも命に
関係
するようなことをちょいちょいやっておるような者は当然、再度認可なり許可はしないというのがたてまえだと思うのだが、船員局としてはどういうたてまえで摘発したり、水産庁に
報告
しておるのか、そういうときの基準になるように
一つ
には
報告
しているのではなかろうかと私は思うのです。いまのお話を聞くと、水産庁はいままで
報告
を受けているけれども、船員局なりあるいは保安庁で処分をするだろうから、それは
報告
を受けて処分を食ったなというだけであって、わがほうに
関係
ないものはそのまま積んでおくというふうにもとれる。そうじゃないかもしれませんが、そういうふうにもとれますね。あらためてほこりを払って、来年一斉更新のときにどれからにしようか、その前に何とか全部見た上でとは言わなかったが、基準みたいなものをつくってふるいにかけてみようかという話までは、ざっくばらんに言えば、いまの生産部長のお話はいっていると思うのです。そういうものでいいのかどうか、ひとつはっきり運輸省としての見解を示してほしい。
深草克巳
46
○深草
政府
委員
労働法規は御承知のように、たとえば船舶職員法につきましては、その違反をした人に対する行政処分というものがあるわけでございまして、
事業
者につきましては、資格のない者を乗り込ませてはいかぬという規定があるわけでございまして、これはそういった場合が起こりましたときには刑事罰ということで処分をするわけでございまして、船舶所有者に対する行政処分というものは
法律
上規定されておらないわけです。 〔田澤
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 御質問のこういった違反につきましては、水産庁なりに通報いたしまして、私どもとしてこういった者につきまして免許を与えないようにしてもらうということは当然のことでございまして、私どもといたしましても、そういった特に船舶職員法あるいは船員法、これは乗り組み員の安全並びに船の安全ということを企図いたしておるわけでございますので、そういった
観点
から、こういった違反につきましては十分な考慮を払っていただいてしかるべきじゃないかというふうに
考え
ておるわけでございます。
久保三郎
47
○
久保委員
いまの運輸省官房長の見解に対して、水産庁としてはどういうふうに
考え
ておられますか。そのとおりでいいのですか。
亀長友義
48
○
亀長
説明員 ただいまの運輸省のお話のとおりで私どもけっこうだと
考え
ております。 ただ御承知のように、漁業の許可を与えないということは、いわばある特定の人しか漁業を許さないということでございまして、その際には、裏から申しますと、憲法上の営業の自由を
制限
するというたてまえのものでございますので、運用については十分慎重であるべきだろう、また漁業法におきましても「労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠く」と、いわば非常に注意深い条文になっておりますので、私どもも実際の運用につきましては十分検討して、問題が起こらないようにしたいと
考え
ております。
久保三郎
49
○
久保委員
生産部長、ただ、と言ったあとがちょっとあいまいだ。あいまいだというのは、その
法律
の文言が「著しく」となっているから慎重に
考え
なければならぬ、それは慎重に
考え
てけっこうですよ。しかし「著しく」という文字の解釈のしようでは、言うならば、これは問題が
一つ
もあがらぬということにもなるわけですよ。そうでしょう。だからもう労働法なり漁業法違反というものは、違反には違いないのだ、だからそういうものについてはびしびしやっていくのだという姿勢が、今日ただいまでは特に政治的にも必要だと私は思うのです。一斉更新は来年ですから、いまの答弁は一年前の答弁ですよ。そういうふうに、いまのただしと言われたあとのように著しいのでありますから、慎重に
考え
ていくということを繰り返し述べるということは、何かわれわれにとっても、あまり当てにはならぬではないか、こういう心配があるわけです。そうしますと行政罰というか、保安庁なりどこかでやるような罰というのは、言うならばたいしたことないんだな。決定的な罰というのは、魚をとる人が魚をとれなくなることが一番決定的なんです。たとえばこの間春闘をやって、それぞれ処分を
政府
なりほかの機関がやるのだろうが、一番決定的なのは首だ。その次には何カ月間の停職。道路交通法だって免許証何カ月間停止というのがある。そういうものを今日ただいまでも
考え
なければならぬ筋合いのものがたくさんあるわけです。だから一斉更新にあたっては厳重に、今日ただいまの違反事項もさらに今後の違反についても、水産庁としても真剣な態度で臨むという
考え
が公表されてしかるべきだと私は思うのです。
法律
の文言についていま私がやりとりする時期ではないのです。心がまえとしては、真剣にこれは処断します、真剣にこれを基準として持っていきますというのが当然じゃないですか。どうです。
亀長友義
50
○
亀長
説明員 私どもとしましては、労働法規の順守なり違反なりの問題というのは、やはり本来の労働法規の追及の形でやられるべきであり、また個々の処分というものもそれでやられるべきである、漁業法といたしましては、そういう労働法令順守に協力をすると申しますか、漁業法の
立場
としてもやはり労働条件の改善をしたほうがいいというたてまえから、一斉更新の際にはそういう労働
関係
法規の精神に沿った扱いをしたい、かように
考え
ております。 具体的な扱いになりますと、私どもまだ最終的結論が出ておるわけではございませんので、
法律
の条文をるる御説明申し上げまして、あるいは多少そのとおりやらぬのじゃないかというような御質問がございましたが、私どもとしてそういう
考え
は持っておりません。あくまで漁業法の条文どおりこれは尊重してやってまいりたい、かように
考え
ております。
久保三郎
51
○
久保委員
それじゃ、これはまたあとでその時期にやりますが、私から
一つ
あなたに要望がある。 それは先ほど申し上げたように、一斉更新は来年の八月ですね。そうしますと、今日では大体一斉更新の一年前なんです。非常に大事な一年前だと私は思っているから、たびたびそういうふうなことを繰り返し申し上げるわけなんです。少なくとも一斉更新にあたっては、この
法律
の条章に従って基準をきちっときめて処理するというのが当然である。と同時に、一斉更新にあたっては、前向きの姿勢が業者にもとられない限りは許可すべきではない。いままでのような
考え
というか、多少その脱皮的のような
考え
方ではもう許可はできないのだというふうな姿勢を実は示してもらいたいと思うのであります。しかし、これは後ほどまたお尋ねすることにしまして次に移ります。 最近私が手に入れた
新聞
の広告によりますれば、許可船の売買がたくさんあるようです。これについて水産庁は御承知であるかどうか、まず第一にお答えいただきたい。
亀長友義
52
○
亀長
説明員
新聞
でそういう記事が出ておることは承知いたしております。
久保三郎
53
○
久保委員
その
新聞
の広告をずっと追尾しておりますか。この
新聞
の広告はどこへいったか、こういうのを調べておりますかどうか。
亀長友義
54
○
亀長
説明員 それは
調査
をいたしておりません。
久保三郎
55
○
久保委員
調査
をいたしておらぬというと、実際に売買されたものもあるのだが、それはわからぬという結果になりますか。
亀長友義
56
○
亀長
説明員 いまの漁業法で売買ということばは、これは
法律
的な移転の結果の経済的反映として出てくるので、売買ということばはもちろん使っておりませんが、ある特定の場合に許可の承継ということを認めております。いまの漁業法で、たとえば買うほうの人が適正規模な経営にしたいとか、あるいは船主の持っておったものを船長が引き受けてやりたいとか、そういう若干の場合には許可の移転ということを認めております。したがいまして、受け入れ側でそういう条件があれば許可の承継を認めるたてまえになっております。したがいまして、そういう人を相手に売ると申しますか、承継なり譲渡を計画するということは
法律
上もあり得るわけでございまして、もしそういうものに該当しない場合には、いまの漁業法ではいわゆる承継移転は一切認められておらないということになっております。したがいまして、
新聞
に許可を売りたいとかいうことが出るようでありますが、そのうちの相当部分は結局
法律
上承継を認められる、譲り受けを認められる。有資格者に譲渡される。しかも、それで正当な手続が行なわれるものと
考え
ております。しかし、それ以外にももちろん、役所が正当な手続を認めないために、許可の売買ということが事実上行なわれておるということは、私どもも若干そういろ事実があるということは聞いております。しかしこれは
法律
上もちろん認められておらないことであります。
久保三郎
57
○
久保委員
この継承の許可については、いま生産部長お答えのとおりだと私は思うのであります。そうしますと、
新聞
広告に出たのは継承の許可を与えられるようなものばかりかと思うのです。そういうものだったら、私は
新聞
広告は要らぬと思うのです。どうなんです。
亀長友義
58
○
亀長
説明員
新聞
広告のことでいろいろございますが、大体いまの漁業法は、買うほう、と言うとあまり適当なことばでないのでありますが、移転を受けるほうについてある条件があれば認めることになっております。したがいまして、売るといいますか譲るほうについては、あまり条件は課しておりません。
新聞
の広告は、いろいろございますけれども、大体売るほうについては何も問題はないわけであります。それから買うほうにつきましては、これはかりに
新聞
広告をしてそういう譲り受けをしましても、私どもとしては、
法律
上の条件に該当しなければそういうものは認めないという
考え
でございます。
久保三郎
59
○
久保委員
それでは、あなたのほうでは、持ってきたんだが、これは許可できないと言って却下した例がございますか。
亀長友義
60
○
亀長
説明員 これは相当数ございます。
久保三郎
61
○
久保委員
それでは、相当数だから、一々書いてもらうわけにはまいらぬと思うから、何年の何月には何件あって、主たる
理由
は何であるか、書いて出してください。それから許可したものは何であるか、書いて出してください。 それで、あなたの答弁はちょっと間違っておるのじゃなかろうかと私は思うのです。さっき、売るほうはかまわぬと言ったね。買うほうに問題があるのだ、こういうことですか、そういう意味ですか。
亀長友義
62
○
亀長
説明員 まず最初の御質問でございますが、われわれのほうで相当数、移転の申請を持ってきておりましても認めていないのがございます。ただ、これは大体役所の窓口で、そういうものは
法律
上認めないから持って帰れという形になっておるものがございますので、正規に文書で受け付けて却下をしたという手続にあらわれてこないものが多いのであります。
法律
上だめなものはわかっておるから、もう玄関で持って帰れということになっておりますので、相当数あるのでございますけれども、文書上の数字としては確認はむずかしかろうかと思います。 それから第二の点でございますが、売るほう——売るということば自体が妥当でないのですけれども、便宜上使うといたしますと、売るほうについては、これは特別にこういう人しか売れないんだというふうな条文は現在漁業法ではございません。
久保三郎
63
○
久保委員
いまのお話だと、言うならば継承許可を認めるというのは、ここにもだれかが書いた本に書いてあるのです。それを読んでいるのですがね。経営の安定、合理化をはかるため、共同経営化または法人化する場合、この場合は継承許可ということで買うことができるわけです。それからもう
一つ
は「一定の規模に達するために承継の場合」、「一定の規模」というと、これはいろいろ千差万別、解釈のしようでもございますね。水産庁のお
考え
一つ
できまるのではなかろうかと私は思うのですが、いかがでしょう。
亀長友義
64
○
亀長
説明員 適正規模の限度につきましては、非常にむずかしいことばでございますけれども、いまの漁業法を施行いたしましたときに一応限度であるということを、省令あるいは通牒のものもございますけれども、はっきりいたしております。したがいまして、いまのこの漁業法ができましてからずっと同じ基準で実施をいたしておりますので、そのときどきの認定で変わるということはございません。
久保三郎
65
○
久保委員
それからもう
一つ
は、緊急に転換をはかる必要がある場合、そういう例はありますね。そのときはよろしいのでしょう。よろしいとこの本には書いてある。だけれども、これなども非常にあいまいだと思うのです。
亀長友義
66
○
亀長
説明員 緊急に転換を要するというのは、ここにございますように「漁業調整のため又は沿岸漁業の経営の改善に資するため緊急に転換を図る必要があると認められる漁業であって省令で定めるもの」ということになります。したがいまして、これは具体的に省令で規定をすることになるわけであります。その場合に、たとえばある特定の漁業が国際
関係
あるいはその他で緊急にそれをやめなければならぬという場合に、他の漁業の許可を買い求めてやるというような場合にだけ特例的に認めるということでございます。したがいまして、緊急の認定なりそれらについては、もちろん認定の問題でございます。しかしながら、この規定は非常に厳格に運用いたしておりまして、私の記憶では、この規定によって承継を認めた例はない、かように
考え
ております。
久保三郎
67
○
久保委員
このいまのような場合は継承を許可する、それから単純に船を買っても実際は漁業は行ない得ないのだ、こういうふうに答弁されたわけですか。
亀長友義
68
○
亀長
説明員 ちょっと御質問の
趣旨
がわかりかねるのでございますが、要するに船だけ買ってももちろん漁業はやれないわけでございまして、漁業の許可が、正当に承継が受けられるということで、承継の手続をしなければ漁業はできない、こういうことでございます。
久保三郎
69
○
久保委員
手続は当然だと思うのです。これはあなたのほうでもやっているのですね。たとえば私なら私が、緊急かどうかは別にして、いままでやっている漁業とは別のものをやる、その場合には、いま持っている船ではトン数が足りないというので、これじゃ
久保
さん、トン数が足りないからあなたはだめですよ、水産庁でこう言われる場合、それでついでのことに、あそこに行ったら船を売っているかもしれぬ、あれを買ってきてつけ足したらどうですかと、あなたのほうで親切にやっている面もあるのでしょう。補充トン数、くっつけるトン数、買ってこいといって……。
亀長友義
70
○
亀長
説明員 少し別の問題が入った御質問になったわけでございますが、たとえばいま
一つ
の漁業をおやりになっていらっしゃるとしますと、それが百トンという船を使うという条件での許可で——普通、漁業の許可はそういうふうになっておりますけれども、その際に、トン数
制限
を行なっていないものでありますともちろん別でありますが、いろいろ資源なり漁獲量というような
関係
もありまして、トン数の
制限
をいたしております。その場合に、船を百二十トンにしたいという場合には、二十トン無条件ではできないわけでございまして、結局トン数
制限
というのは全体的に
漁船
の増大化を避けるという
趣旨
でございます。したがって、現在おやりになっておる方で、もし別に廃業する人があれば、その廃業を見返りに増トンをしても、全体的な、国全体としての漁獲量を規制する、
漁船
の増大化を防ぐという
趣旨
には変わりがないわけでありまして、片一方にやめる人があればその分を持ってこられる、こういうことでございます。それ以上またこまかくなりますと話がややこしくなりますので……。
久保三郎
71
○
久保委員
私は別な意味の質問にするわけでいまこういうことを言っておるのですが、その質問はちょっとおきまして、本来漁業権というのは、国がある特定の
国民
に与えるわけですね。だから、廃業するとか売りたいという場合は当然のごとく国に返してもらう、国に返してもらって、
亀長
水産なら
亀長
水産から、新たに経営の規模をもう少し大きくしなければいかぬという申請が水産庁にあったらば、手持ちの適当なものがあればこれに許可を与えるというような方向にするのがたてまえでなかろうかと思う。私はこの漁業法というのはあまり詳しくないのだけれども、そういう方向で処理されるのが一番いいのじゃなかろうかと思うのです。これが
一つ
。 それからもう
一つ
は、船の売買については許可権、漁業権というものが売買の値段の中に相当入る。この漁業権という権利は抵当とか金目の
対象
になり得るようなものであるのかどうか。これはほんとうにわからぬから、あなたが専門家だから聞くが、どっちなんです。
亀長友義
72
○
亀長
説明員 最初の点につきましては、御指摘のように許可というものは特定の人に許したものでございますので、その人がやめれば当然これは国に返していただく、そして必要性のあるところにまた出していくというのが本来の
趣旨
でございますし、漁業法もその
趣旨
においては何ら変わっておらないわけでございます。したがいまして、漁業法で許可の承継ということばを使っておりますけれども、これはあくまで前の許可を取り消して新しい許可を出すという
法律
上の構成になっておるわけでございます。ただ、国が完全に召し上げて、また国が思うところにやるというふうな
制度
になっておるのじゃなくて、前の人がやめれば、そのやめることを条件に、そういう相手方をさがしてきた人がある一定の条件を充足しておれば権利の引き受けが認められる、こういうつながりがありますので、やや本来の
趣旨
と運用としては離れた感じはございますけれども、
制度
の本旨としてはあくまでそういう
考え
方でございます。 それから第二の点はちょっと……
久保三郎
73
○
久保委員
漁業権はいわゆる財産権の一種か。
亀長友義
74
○
亀長
説明員 その点につきましては、許可というものはわれわれは財産権だとは思っておりません。これは
法律
的な性格ではあくまで警察的な許可であって、本来財産権の発生すべきものではないのであります。したがって、いわゆる権利という扱い方はわれわれは毛頭しておりません。ただ特定の人に限って禁止を解除するということになりますれば、実際問題として経済的な価値が発生する、あるいは当然特定の人に
制限
せられる結果生ずる経済的な価値というもので、これが
一つ
の価格を持つものとして経済的には評価されて動いておるということもいなめない事実であります。その点、やはり
法律
上のたてまえと経済の実勢というものとは必ずしもそぐわないという面が出ております。しかし
法律
上のたてまえとしては、われわれとして財産権、あるいはそういうことで少なくともそのことばからくる固定的観念あるいは財産的観念というものはできるだけ払拭をしてまいりたいと思っております。
久保三郎
75
○
久保委員
いまのあなたの答弁だと、売買というのは漁業権そのものに対しては成り立たないはずですね。船はもちろん財産でありますから、なんですが、それをこういうふうに——あなたも
新聞
を読んでいらっしゃるとわかるのだが、広告で何十隻か毎日売りに出ている。買う者はこの商社に行って、あれを買いたい、こうやればうまいぐあいにいく。大体売ったり買ったりということが商売として成り立っているのだから、売ったり買ったりの
契約
ができさえすれば水産庁は継承許可ということで判こを押してくれるということが前提にいつでもなっているだろうと思うのです。そうでなければ、あなたが言ったように、漁業権というものは財産権じゃないということになりますからね。これは、漁業権は財産として処分をしようとしているわけなんです。財産権として取り上げるからには、水産庁でいま右から左とはいかなくても、大体右から左に無条件でそのまま認めてくれるということがあるから、財産として移動しているとは思うのです。だから、こういう
制度
については、私はしろうとでありますが、一ぺん一斉更新を機会にやはりきちっと検討をもう一ぺんしてみたらどうかと私は思うのです。私も検討はしますが、そういうところに問題が
一つ
ございます。ついてはこの一斉更新の場合には、いかなる
理由
かわからぬが、一ぺんとにかく——漁種の
制限
上二つの漁種について私が漁業権を持っているとします。その場合に
一つ
は売った——売ったというか、どなたかに名義を貸した、そういうのが現実にあるのですね。どなたかに名義を貸してやっている、そういうのでも、一斉更新の場合にはやはり私に許可がもらえる。いわゆる既得権というか、そういうものが出てくる。だけれども私らの主張としては、そういう名義貸しというようなものを許すべきではないと思うのです。それから売買についても、あなたがおっしゃるとおり継承許可の範囲のあることでありますから、拒否されたものはあまりないと思うのですが、私は、中身をもう少しきちっと割ってみれば、漁業権の存在からいっても非常におかしいものがあると思うのです。そういうものには一斉更新の際には御遠慮願うというのがたえまえではなかろうかと思うのだが、これはどうですか。
亀長友義
76
○
亀長
説明員 現在許可の承継をし得る場合は
法律
上限定されておりますので、それに該当しないものはいわば正規の名義書きかえができない。そこで前の人の名前で新しい人が事実上やっておるという例は、漁業の種類によってかなり程度は違いますけれども、大なり小なり各業にわたってあるものと私は
考え
ております。したがいまして、これは少なくともいまの漁業法というたてまえに立てば、当然これは
制度
上認められないことでございますので、一斉更新等の場合には、これについてはしかるべき処置を私どもとしても
考え
ていきたいと思っております。ただこれも行政上のテクニックとして非常にむずかしい問題でございますが、名義貸しなりや前の人がやっておるのかどうかという点の把握というものは、これはなかなかむずかしいという技術上の問題がございますが、水産庁の
考え
方といたしましては、一斉更新の際にはこういうものはできるだけなくするという努力をやりたいと思っております。
久保三郎
77
○
久保委員
時間もありませんから先にいきまししょう。 そこで一斉更新なり、あるいは指定漁業というか、そういうものを認可する場合は、やはり一歩進んだ形で今後——今後というか、もうやるべき時期じゃないかとわれわれは思っているのです。それはどういうことかというと、すでに三十七年か三十八年に運輸省、水産庁——
海上保安庁
も入ったかもしれないが、そういうものが連名でいわゆる
漁船
船員の給与体系の改善、こういうことを出しているわけです。その中身の
一つ
は、御案内だろうと思うのでありますが、大仲
制度
による全歩合
制度
はもはや前時代的な給与体系であるから、これを改めて、固定給プラス能率給というか、奨励給というか、そういうものに直すべきだというのを毎年たしかそれぞれの向きに勧告をしていると思うのです。それによって運輸省は特に当面の職務として、この推進というかそういうものをはかっていると思うのでありますが、こういうものについて、
一つ
にはやはり一斉更新の場合の条件といっては語弊があるのでありますが、そういう
制度
を取り入れているものに限って優先的に許可をしていくというようなことも
考え
ていいではないか、こう思うのだが、そういう点は水産庁どうですか。
亀長友義
78
○
亀長
説明員 今度一斉更新がございますけれども、一斉更新の際にももちろん現在の要望に盛られておるような
趣旨
でわれわれ十分運用してまいりたいと思いますが、全部を白紙に返しまして、たとえば労働問題で非常に施策のいいところから許可をしていくというほどの積極性のある漁業法ではございませんので、やはりこれはそれぞれの労働法規でやっていただく、いまの漁業法では特段の
事故
と申しますか、そういうことのない限りは継続的に許可を与えられるんだという
一つ
の保証条項も漁業法にはございます。したがいまして、一斉更新もまるっきり白紙でやるというわけにはまいりませんので、先ほど御質問ございまして私がお答えしましたように、労働
関係
の法規についてあくまで漁業法というものは協力的な
立場
でいく、こういうことでやってまいりたいと思います。
久保三郎
79
○
久保委員
これは運輸省にお尋ねしますが、いま水産庁に申し上げたとおり、この給与体系はもう前々から問題になっております。しかし直ちに大仲
制度
廃止という法的な強制というか規制を加えるということはなかなかむずかしいということで、運輸省、水産庁の連名で指導要項として末端の指導をしてきた。その結果については、これは水産庁であとから資料を出してほしいのだが、そういう大仲
制度
を廃止して指導要項どおり移行している件数というものは漁種別にどの程度あるか、地域的に変化があるのかないのか、そういう資料はあとで出してもらいたいと思うのだが、少なくとももはやこれは
法律
的に規制というか規定をしてもいい段階ではないかと私は思うのです。これは水産庁の直接の所管ではございませんで、むしろこれは船員法によってきめていいはずだと私は思うのであります。そういう
考え
は運輸省としてはまだ持っていないのか、持っていないとすれば少し反省をしたらどうか、こういうふうにいま思っているわけであります。
深草克巳
80
○深草
政府
委員
お尋ねの大仲
制度
の廃止ないし是正でございますが、御承知のように、三十九年から行政指導をいたしております。その結果、三十九年の四月から十二月までの件数でございますが、廃止をいたしましたものが二百二十一件でございます。そのほか、これと
考え
方は同じようなものでございますが、全部の歩合給を一部固定給に切りかえたものが同じ年で四百三十八件ございます。それから固定給の割合を引き上げたものが六百四十八件、こういうことで逐次向上はいたしておるわけでございます。 ただ、これを法制化したらどうかという問題でございますが、御承知のように船員法の体系は一般の船につきましての基準が主でございまして、労働時間とかあるいは給与その他につきまして、
漁船
の特殊性を
考え
まして
適用除外
になっている点が非常に多いわけでございまして、これをどの程度一般の船に近づけるかという問題もございますので、御質問の件につきましては、今後水産庁とも十分連絡をとりながら検討してまいりたいと
考え
ております。
久保三郎
81
○
久保委員
どうも前向きで進むという話じゃないので、非常に落胆というかがっかりしているのでありますが、大体四年もやれば様子はわかるのであって、しかもこれからまたお話し申し上げる、たとえば船員法七十三条は、毎回御指摘申し上げるように、中身については何もきまっておらぬ。労働時間等についてきまっておらぬ。指導要項では、たとえば原則として八時間労働に近いようなもの、あるいは休日は少なくとも月二回はどうだろうというような指導要項をお出しになっているわけなんでありますが、その程度の規定を
法律
の中へ入れることは、漁業界の労働力、しかも優秀な労働力をこれからも持たねばならぬということであるならば、水産庁も運輸省も思い切ってやる時期だろうと私は思っているわけであります。いままでのように賃金は大仲制もしかたがないのだ、歩合給もしかたがないのだ。そうすると不漁の場合には一銭ももらえないで、前借ということで少しばかりの金を船主から借りて、その次たくさんとったと思ったら、今度は魚価が暴落して、魚の量はとったが値段はさっぱりで、それで前借も返せないというようなこと、そして働きづめに働いて、休みなどは全然ない。そうなれば当然、外洋へ出た場合に
事故
の原因にもなってくる。あるいは魚族資源の確保の問題からいっても、出たとこ勝負で、出てきた魚は根こそぎとってしまえというようなことが今日あるわけであります。これは漁業の将来を
考え
れば、もはやそういう態度ではいけない。われわれが主張するように、いわゆる賃金にしても労働時間にしても、きちっと近代的なものに置きかえていくということが私は必要だと思います。それをいまの答弁のように、どうもなかなかできないということでは、一斉更新しても、
日本
の漁業界というのは、なるほど一斉更新で漁業権は更新したが、中身はちっとも更新しないで、明治か大正の時代と同じである。海難は続くし、りっぱな労働力は海にはこない。特に魚とりのほうにはこないということになってしまった場合は、はたして
日本
の漁業はどうなるか。さっき申し上げたとおりであります。そういう点から言っても、もう少し精を出してやるべきだと思うのです。くどいようだが、水産庁と運輸省の
考え
をもう一ぺん聞きたい。大体運輸省は
作業
はどうなっておるのか。小型船舶はもう終わったころだ。その次に
漁船
という約束だが、もう終わったでしょう。今度は
漁船
に手をつけるのはあたりまえです。それはどうなっているか。
深草克巳
82
○深草
政府
委員
お説の点につきましては、当初大型船につきましてやりまして、次に小型船、その次に
漁船
でございますが、
漁船
についてはまだ終わっておらないのが実情でございます。
久保三郎
83
○
久保委員
大臣、突然お尋ねしてはちょっと悪いのだけれども、いまのように、いわゆる船員法にも白紙の条文があるのです。そういうものが実はいまだ手がつかぬでいるわけであります。従来からわれわれはこの条文を埋めるようにそれぞれの手続を踏んでほしいと言うのでありますが、いまの官房長の答弁では、まだ
漁船
にまでは及ばない、こういうことなんであります。この及ばないというのは、運輸省の仕事の量からいってできないということではなくて、水産庁と歩調がまだそこまでそろわぬというふうにわれわれは聞いているわけです。だからむしろ水産庁と歩調を早く合わせてそれぞれの手続をとったらどうか、こう思うのです。突然のお尋ねで恐縮なんでありますが、あとで官房長からよくお聞きいただいて、最も前向きで
考え
ていただくようにくふうをしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
深草克巳
84
○深草
政府
委員
その前に
審議
の実情を御説明いたしますと、船員中労委に
昭和
三十八年十二月に小型船等の小
委員会
が設けられまして、これは労働時間に限って申しますが、昨年の七月に小型船については一応の結論が出ております。引き続いて
漁船
関係
について
審議
を行なっておるわけでございますが、
漁船
関係
につきましては一応の実情
調査
は終わっておりまして、航海あるいは操業、停泊、それぞれ労働時間の区分がございますので、これが規制の核心をなすものでございますので、その点について現在議論をしておる段階でございます。小
委員会
が設置されまして、
漁船
関係
につきましては十二回
審議
が行なわれておる実情であります。
久保三郎
85
○
久保委員
そうしますと、官房長、あなたのいまの答弁だと、やってはいるわけですね。それではおよその見通しで、結論はいつまでにつきますか。
深草克巳
86
○深草
政府
委員
今年内には結論が出る見込みであります。
久保三郎
87
○
久保委員
わかりました。 次にお尋ねしたいのは、これは前にも何回かお尋ねしておる古くさい話でありますが、いわゆる漁業の許可条件は、従業
制限
というか、そういうものでやっておられるわけですね。ところが指定漁業の許可条件は、総トン数というようなものでこれを許可しておるわけです。この総トン数による許可ということになりますと、船員労働の問題と、もう
一つ
は船舶の安全の問題とで大きな支障があるということを何回かここで指摘しておるわけです。だからこれは少なくとも漁種別にその基準をきめるべきではないかという主張も前回からやっておるわけでありますが、この総トン数を許可基準とするやり方については、まずいと思うのだが、これは水産庁ではどう思っておりますか。
亀長友義
88
○
亀長
説明員 御指摘のとおり、現在
漁船
に対して、大部分が漁業の種類別に総トン数の規制を行なっております。ただしこの総トン数、これは各
漁船
の総トン数でございます。したがいましてこれに対する例外的にトン数をふやせる場合の扱い方につきましても、各漁業の実情によって多少相違をいたしております。また若干ではございますけれども、船員設備を拡充する場合には現在二割ないし一割の範囲内によってそれぞれ総トン数の増加が無条件でできるたてまえになっております。この総トン数制が妥当であるかどうかということでございますけれども、現在の漁業の許可
制度
、ある特定の人にしか漁業をやらせないという
制度
にいたしますと、その
制度
というのは、やはりこれは魚の資源の全体から見てその程度の船の数、許可の数しか適当でない、こういう
考え
方になるわけであります。しかし一たん許可をもらった以上、その人だけは幾らでもトン数をふやす、船を大きくしてもいいのかという議論が出てまいりますと、これは特定の人にだけしぼるというより、逆に小さい船でもっと数多くの人にやらすべきではないかという議論も出てまいるわけであります。したがいまして私どもとして、現在漁業の規制の方法として許可
制度
というものをとる以上、船のトン数だけは無条件に上げてよろしいのだという
制度
はやや公平を欠いた
制度
になるのではないか、かような
考え
を持っておりまして、現在までのところ、この総トン数
制限
が過去ずっと踏襲されてきておるわけでございます。ただその結果いろいろ人命の問題であるとか、船舶安全だとかいうふうな問題も出てまいりましたので、われわれとしましては、このトン数
制限
に併用しまして、
漁船
の性能基準をきめるとか、あるいは操業区域の
制限
を行なうとか、そのほかの規制を併用しまして人命の尊重、
漁船
の安全という
趣旨
に沿っていろいろ努力しておるつもりでございます。ただ、最近特に
漁船
の
事故
が非常に多いということにもかんがみまして、私が最初申し上げましたような論理から申しますとかなり問題はあるのでございますけれども、現在のままの
漁船
の各種の規制は別として、
漁船
のあり方がいいかどうかという点については、私どもとしても十分注意をしなければならぬ、かように
考え
ております。したがいまして先般来、
漁船
に荷物をどのくらい積むのが妥当か——
事故
の大部分がとかく積み過ぎというふうなこともございますので、そういう問題についても過去数ヵ月来運輸省に御協力を願いまして、載貨基準と申しますか、このくらい荷物を積むのが適当であるという基準を設けて、今後漁業者にもその基準に従って
漁船
を運航するようなことを奨励してまいりたい、かように
考え
ておるわけでございます。
久保三郎
89
○
久保委員
いまあなたのお話では載貨基準まで話を言及されましたが、載貨基準は船舶の安全性の問題だけでございます。もう
一つ
この許可の
制度
に対して申し上げたのは、乗り組んでいるところの
漁船
船員のいわゆる労働環境あるいは健康というか、そういう問題からいっても、やはり載貨基準を一応のあれとしてやるけれども、それだけでは十分じゃないとわれわれは思っているわけです。だからそういうことからいって、これは運輸省にお尋ねしたほうがいいと思うのでありますが、この許可の方法は、いわゆる総トン数というのはこの際少し
考え
直して、載貨基準では総トン数と結び合うことができますが、繰り返し申し上げておるように、船員の健康の問題、あるいは航海日数の問題、あるいは居住区の問題、こういうものをあわせ
考え
れば、載貨基準ではこれは解答は出ない。だからやはり総トン数許可というものはこの際もう一ぺん
考え
直したらどうか、こういうふうに
考え
る。ついては、
一つ
の案として積みトンというものもあわせ
考え
て、適正な比率によってこの基準をきめてやっていったらどうかというような
考え
も
一つ
にはあるわけであります。この点についてどういうふうに
考え
ているか。 もう
一つ
は、載貨基準、安全性の問題とは別に、さっき繰り返し申し上げたような点から見て、この許可にあたっての総トン数制というのは改むべきだと思うのだが、この点はどう思うか、もう一ぺん聞きたい。
亀長友義
90
○
亀長
説明員 ある漁業によりましては、たとえば新しく漁業の許可が行なわれる、新しい資源が開発される、そういうような場合には、いわば新しい事態をつくるわけでありますので、そういう場合にはわれわれとしましても、いま先生から御指摘のように、
漁船
の船員設備基準をきめまして、それの
適用
が該当するような
漁船
を持ってきたものだけ許可をするというふうな
制度
を逐次取り入れております。しかしながら従来からある漁場で、相当人も多い、
漁船
の数も多いというふうな場合に、一挙にそれをすぐ実行に移すということは困難な面もございます。したがいましてわれわれとしましては、できるだけ新しい漁業については御
趣旨
のような点も許可に際して取り入れる、あるいは従来からの古い漁場については漁獲力がふえない、資源の枯渇も来たさない、あるいは、許可をもらっていない人の目から見ても、これはもらった人がその程度ふやすのは合理的であると思われるような妥当な範囲で実施をしていくほかはないのではないか、かように
考え
ております。しかしながら、そのように新しく開発された漁場に出ていくというような場合には、船員設備基準というものを許可の基準として設けております。逐次そういうものを取り入れていくという
考え
方でやっております。
久保三郎
91
○
久保委員
船舶局長
にお尋ねしたいのだが、船舶載貨基準というのを水産庁と共同歩調でおつくりになったというお話がいまありましたが、これは運輸省としても、載貨基準というのは安全性からいって認めているというのでありますかどうか。
芥川輝孝
92
○芥川
政府
委員
ただいま農林省のほうからお話のございました載貨基準の作成につきましては、私のほうも協力をしてこれを作成したものでございます。それでこれを安全法の中へ取り入れてまいります点につきましても、ただいま水産庁のほうと協議しておるわけでありますが、具体的なやり方としましては、たとえば造船技術
審議
会に一度かけまして、そして安全の見地から妥当であるということが出ましたら、それを
一つ
の安全の基準としてまいりたいというふうに
考え
ておるわけでございます。詳細については今後水産庁のほうと打ち合わせながらやってまいりたいと
考え
ております。
久保三郎
93
○
久保委員
そこで、載貨基準は法制化の段取りに進むだろうと思うのですが、そういうことで話を進めておられるのかどうか。もし法定されるとするならば、おおよそこれからどれくらいの期間内においてできるのか。これはどうでしょうか。
芥川輝孝
94
○芥川
政府
委員
安全のほうの見地から申しまする載貨基準、これをどう実施するかは、ただいま御説明申し上げたように、詳細は水産庁と打ち合わせておりませんけれども、安全法できめておりますいわゆる満載喫水線、つまりそれをオーバーして積めば直ちに罰則を
適用
するというふうな
考え
方をとるか、あるいは
一つ
の指導の基準といいますか、たとえば
漁船
のような特殊の航行形態をとるものにつきましては、晴天の日はそれを若干オーバーしてもかまわない、けれども荒天のときはそれをオーバーしないというふうな弾力性のある運用をするか、これは今後の問題でございまして、詳細は種々打ち合わせてきめてまいりたいと思います。なお実施の時期につきましては、せっかくこの指定漁業の一斉更新が行なわれるにつきまして、これに対しましてこの行政
措置
が役立つように実施すべきではないかというふうに
考え
ておるわけでございます。
久保三郎
95
○
久保委員
私どもの
考え
では、もう乾舷マークというか満載喫水線というか、こういうものは法制化してもいい時期だろうと思っているのです。問題は、いつでも水産庁のほうにこういう問題が問題として残るわけでありますが、生産部長としてはどういうふうに
考え
ておりますか。乾舷マークをつけることについて。法定化するということについて。
亀長友義
96
○
亀長
説明員 この載貨基準なり乾舷マークをつけることについては、私どもとしましても、当面はやはり
関係
業者を指導して、できるだけこの基準に近づけるというふうな方向でやってまいりたいと思います。それから漁業によりましては、当然、先ほど御質問のございました
漁船
の総トン数に対する例外と申しますか、緩和等もはからなければなるまいと思っておりますので……。
久保三郎
97
○
久保委員
時間がないようで何かたいへんそわそわしているようですし、いつも大体採決のときだけたくさん集まってくるが、あとは散っていくのが定石なんです。そのあとはきょうは言わぬ。言うとまた議事録を訂正しなければならぬから。この次からはかんべんしない。 そこで私は結論的に申し上げますが、一斉更新、先ほど来申し上げておるように来年からでありますが、少なくともこれを
法律
化するかどうかは実際はいろいろ問題があろうかと思うのです。あろうかと思うんだが、もうだいぶ試みにお使いいただいておるわけでありますから、またこういうものをつけることがどこでも常識的になってきたんだから、安全を守るという
立場
からいえば、当然
政府
の
作業
としてはこれを法定化する、船舶安全法でやるのか、あるいは
漁船
法でやるのか、どっちかわかりませんけれども、結論としては、これはとにかくやっていくというたてまえで前進してもらいたいと思うのです。 それともう
一つ
は、新しく来年許可を一斉更新するのだから、更新するときには、乾舷マークなどはどうでもいいんだという態度の漁業者に対しては一切許可は与えないくらいの気がまえが必要だと思うんだが、その心がまえのほうは、水産庁どうですか。
亀長友義
98
○
亀長
説明員 載貨基準、乾舷マークについて、私どもとしましても、できるだけこれは実施をするという方向で進みたいと思います。一斉更新の時期が参りますが、それにつきましては、その時期までに強制化、法制化するということについては十分検討した上で
措置
をしたいと思っております。と申すのは、やはり漁業の種類によっては、相当総トン数の緩和を認めなければ実行不可能な面がございます。したがいまして、そういう問題とあわせまして、できるだけ早く検討したいと
考え
ております。
久保三郎
99
○
久保委員
検討されることはけっこうだが、
漁船
によっては、漁種によっては総トン数を
考え
ねばならぬ、こうおっしゃいましたね。それは過去において経験がある。ボーナス・トン数というのが、ボーナス・トン数じゃなくて、現実には魚を入れる倉になった、船倉になった。ほんとうは人間のためにスペースをよけいとる、そのために増トンを許可したのだが、実際はそれは守られないで、人間を入れるのじゃなくて、魚を入れるほうをふくらましてきたということが現実にあるわけですね。だから、いまやっているボーナス・トン数さえきちっと守れないところで、あなたの答弁はああそうですかと私は聞きたくないですよ。技術上からいっても乾舷マークなどは強制できないという主張かもしれませんが、私は乾舷マークをつけるという態度が先であって、そのあとの
措置
はあとでいい、こういうふうにさえ極端に思うわけであります。いずれにしても、早急に乾舷マークについてはきちんと整理をしていただきたいということを要望しておきます。 それから、あなたの答弁は忘れません。そういうふうに検討するというのでありますから、検討というのは二年も三年もかかるはずはないのでありますから、あなたがいまの現職におられるうちぐらいには少なくともできるだろうと思うので、あなたは何年になるかわからぬが、大体役人は一年ぐらいたつと羽がはえてどこかへ飛ぶのが定石でありますから、きょうあったのだから、来年のいまごろには間違いなくいけると思うから、忘れません。 あと二、三あるのだが、それではまた来週一ぺんもう少し整理して、同じことはやりませんけれども、来週に延ばすことにして、本日はこの程度にして打ち切らしていただきます。
古川丈吉
100
○
古川委員長
この際、
連合審査会開会申し入れ
の件についておはかりいたします。 目下地方行政
委員会
において
審査
中の、地方公営
企業
法の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇七号)、地方公営
企業
法の一部を
改正
する
法律案
(安井吉典君外九名
提出
、衆法第三八号)、地方公営
企業
財政再建促進特別
措置
法案
(安井吉典君外九名
提出
、衆法第三九号)公営
企業
金融公庫法の一部を
改正
する
法律案
(安井吉典君外九名
提出
、衆法第四〇号)について、地方行政
委員会
に連合
審査
会の開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
古川丈吉
101
○
古川委員長
御
異議
なしと認め、よって、さように決しました。 なお、連合
審査
会を開会いたします場合の日時等につきましては、地方行政
委員長
と協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。 次会は、明二十五日水曜日午前十時
理事
会、午前十時三十分
委員会
を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会