○佐竹
政府委員 私はそう思わないわけでございます。まあ
先生のおっしゃいますこと一々ごもっともな節も確かにあるとは思います。思いますが、やはり本質的に、この点また誤解があってもいけませんので申さしていただきたいと思いますけれ
ども、確かに自賠責
制度は公共性が強い。通常の
保険も、これは御
承知のように非常に公共性の高い性質のものでございます。さればこそ
保険業法という
法律もございまして、
大蔵大臣というものが常時厳重な
監督、検査を行なっておる。これひとえに不
特定多数の加入者の方々の利益を守らなければならぬ。それが単なる一営利会社のかってにまかされてはいかぬということから、厳重な実は
監督制度というものが行なわれておるわけでございます。この自賠責を見まするに、そういう一般的な
保険の公共性があるが、さらにまた一段と公共性の高い
性格のもの、これはもう
先生よく御存じで釈迦に説法の感もございまするけれ
ども、非常に高い。つまり不
特定多数の第三者というものの利益が問題になるわけでございます。
自分の家が焼けるか焼けないか、あるいは
自分の命がどうなるかという
保険じゃない。つまりいついかなるときに路上においてどういう人がやられるかわかりません。そのやられた人を守るための実は
制度でございます。それだけにいやが上にも非常に公共性が高い。したがって被害者保護については、従来よりもまず特段の
注意を払わなければならぬということにもなりますし、その損害査定の問題にいたしましても、あるいは
保険料の支払い等々につきましても、あるいは料率算定等についても、これは一段と高度の公共性が要求される、これはもう申し上げるまでもないわけであります。そこが普通の建物の火災
保険といったようなこととはまた違う。しかも一方、それは強制
保険でございます。入ってもいい入らぬでもいいというものじゃない。
制度のたてまえは悉皆
保険ということで、いやおうなし、こういう
制度でございます。ですからそこのところは、つまり先ほどいろいろ御議論が出ておりましたが、
共済というのは、
一つの限られたグループの中の人たちがお互いに助け合っていこうという、ミューチュアルエードとかなんとか言うようでございます。まあ中でも農林
関係の農作物
共済のほうは、あるいは農業
災害補償
保険、つまり補償という
ことばが入ってきますので、
保険だけでカバーできない、つまり国り補償というものまで入り込んだ特殊な形態のものももちろんございますけれ
ども、いま問題になっておりますのは、いわゆる普通の建物
共済なり生命
共済なりといったようなものかと思います。そういたしますと、どうも第三者の利益を守るという
制度から見て、実は本質的になかなかそぐわないという難点がある、その難点を今後どういうふうに考えていくかという、そういう基本の問題があるということを先ほど来申しておるわけでございまして、決して
先生のおっしゃることにさからうつもりはございませんけれ
ども、実は事の本質はそういうことでございますので、重ねて申し上げたわけでございます。