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1966-03-07 第51回国会 衆議院 運輸委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月七日(月曜日)    午後三時十六分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君    理事 田邉 國男君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       南條 徳男君    長谷川 峻君       増田甲子七君    松浦周太郎君       小川 三男君    泊谷 裕夫君       野間千代三君    竹谷源太郎君       門司  亮君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村 寅太君  出席政府委員         運輸事務官         (航空局長)  佐藤 光夫君         海上保安庁長官 栃内 一彦君         気象庁長官   柴田 淑次君  委員外出席者         運 輸 技 官         (航空局技術部         管制課長)   泉  靖二君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 二月二十二日  委員小渕恵三辞任につき、その補欠として賀  屋興宣君が議長指名委員に選任された。 同日  委員賀屋興宣辞任につき、その補欠として小  渕恵三君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員中馬辰猪辞任につき、その補欠として長  谷川峻君が議長指名委員に選任された。 同月二十六日  委員勝澤芳雄君及び泊谷裕夫辞任につき、そ  の補欠として大原亨君及び小松幹君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員大原亨君及び小松幹辞任につき、その補  欠として勝澤芳雄君及び泊谷裕夫君が議長の指  名で委員に選任された。 同月二十八日  委員泊谷裕夫辞任につき、その補欠として永  井勝次郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員永井勝次郎辞任につき、その補欠として  泊谷裕夫君が議長指名委員に選任された。 三月一日  委員泊谷裕夫辞任につき、その補欠として山  花秀雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員山花秀雄辞任につき、その補欠として泊  谷裕夫君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員泊谷裕夫辞任につき、その補欠として加  藤清二君が議長指名委員に選任された。 同日  委員加藤清二辞任につき、その補欠として泊  谷裕夫君が議長指名委員に選任された。 同月三日  委員勝澤芳雄君及び泊谷裕夫辞任につき、そ  の補欠として永井勝次郎君及び小松幹君が議長  の指名委員に選任された。 同月四日  委員小松幹君及び永井勝次郎辞任につき、そ  の補欠として泊谷裕夫君及び勝澤芳雄君が議長  の指名委員に選任された。 同月七日  委員内海清辞任につき、その補欠として門司  亮君が議長指名委員に選任された。 同日  委員門司亮辞任につき、その補欠として内海  清君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月二十二日  踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八七号) 三月四日  自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一〇六号) 同月二日  国鉄運賃値上げ反対に関する請願志賀義雄君  紹介)(第一四四九号)  同(志賀義雄紹介)(第一四七七号)  同外二件(志賀義雄紹介)(第一五一二号)  同(長谷川正三紹介)(第一五一三号)  同(井岡大治紹介)(第一五五一号)  同(小川三男紹介)(第一五五二号)  同(勝澤芳雄紹介)(第一五五三号)  同(久保三郎紹介)(第一五五四号)  同(泊谷裕夫紹介)(第一五五五号)  同(野間千代三君紹介)(第一五五六号)  同(肥田次郎紹介)(第一五五七号)  同(松井政吉紹介)(第一五五八号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第一五五九号)  同(山口丈太郎紹介)(第一五六〇号)  同(志賀義雄紹介)(第一五七六号)  同(久保三郎紹介)(第一五九四号)  同(志賀義雄紹介)(第一五九五号)  同外一件(大出俊紹介)(第一六五一号)  個人タクシー免許促進に関する請願竹谷源  太郎紹介)(第一五一一号)  同(島上善五郎紹介)(第一五二八号)  同(久保三郎紹介)(第一五九三号)  鳥取県赤碕町の港湾改良工事に関する請願(足  鹿覺紹介)(第一五七〇号)  鹿児島大隅半島東部志布志湾沿岸大型港湾  新設に関する請願二階堂進紹介)(第一五七  八号)  国分線鉄道建設工事早期完成に関する請願  (二階堂進紹介)(第一五七九号)  古江線高須駅、根占川北間鉄道予定線延長に  関する請願二階堂進紹介)(第一五八〇号)  古江線高須駅、根占川北間鉄道調査線編入に  関する請願二階堂進紹介)(第一五八一号)  鹿児島西桜島村鹿屋間国鉄自動車路線を  内之浦町まで延長に関する請願二階堂進君紹  介)(第一五八二号)  鹿児島西桜島村鹿屋間国鉄自動車路線を  根占町まで延長に関する請願二階堂進紹介)  (第一五八三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件(最近の航空機遭難事故に関す  る問題)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  航空に関する件について調査を進めます。  すでに委員各位も御承知のとおり、去る四日及び五日に航空機遭難事故発生し、多数の方が遭難せられました。これらの方々に対し深く哀悼の意を表し、委員会として、なくなられた方々の御冥福を祈り黙祷をささげたいと存じます。  全員起立をお願いいたします。   〔総員起立黙祷
  3. 古川丈吉

    古川委員長 黙祷を終わります。御着席願います。  この際、去る四日及び五日に発生した航空機遭難事故について運輸大臣から発言を求められております。これを許します。中村運輸大臣
  4. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 まず最初に、全日本空輸株式会社所属ボーイング727型機の事故の、その後の経過について御報告申し上げます。  その後の状況といたしまして、まず遺体及び機体捜索収容状況は、遺体につきましては、事故発生の二月四日以来二月七日までに十三体の遺体を収容しましたが、八日以降去る三月六日までにさらに百三体、内容は男八十五体、女十八体を収容し、収容遺体は総計百十六体となりました。なお、最後の一体まで収容すべく収容作業を続行中であります。  また機体につきましては、その後の捜索により胴体底部計器類の一部を除き、機体の大部分の所在を確認し、二月十二日に揚収を開始し、発見部分はすべて揚収を完了しました。  次に、全日空機事故応急対策本部におきましてとりました措置といたしましては、二月八日以降三月四日までに対策本部会議を七回、通算十一回にわたって開催し、遺体及び機体捜索収容遺家族対策事故原因究明対策等に関し検討を行ない、所要の措置関係省庁指示いたしました。  事故原因究明のためとった措置としましては、全日空機事故技術調査団会議を五回、通算六回にわたり開催したほか、現物実地検証を行なう現物小委員会を二回にわたり開催し、事故原因究明を行なっております。  なお、今度の全日空機事故にかんがみ、航空交通安全確保を期して、二月十日、運輸大臣名をもって全航空事業者に対し、安全確保に関する警告を発するとともに、二月十一日、定期航空運送事業者五社の社長を運輸省に呼んで、安全運航確保及び経営基盤の強化について指示を行ないました。また、運輸省航空局は、二月十一日、ボーイング727型機の立ち入り検査を行ない、さらに二月十五日以降、数次にわたり定期各社操縦士に対する特別査察を行ないました。  次に、海上保安庁ヘリコプター遭難事件概要について御報告申し上げます。  第三管区海上保安本部羽田航空基地所属ヘリコプター二〇二号機は、三月五日、乗り組み員五名、機長里野飛行長をもって全日空機行くえ不明者捜索を実施しておりましたが、午後二時十五分ごろ羽田沖合いにおいて高度を失い不時着し、機体は海没いたしました。乗り組み員は全員海上に脱出しましたが、うち四名は間もなく付近航行中の船舶二隻、第一常盤丸及び第十美成丸に救助され、それぞれ病院に運ばれましたが、うち二名は手当てのかいなく死亡いたしました。ひとり星野機長は現在なお行くえ不明でありまして、事件発生後直ちに現場に出動させた海上保安庁巡視船艇航空機のほか、海上自衛隊の艦艇、フロッグマン等の協力を得て捜索しつつあります。  なお、ヘリコプター機体は、昨六日午前十一時五十五分に発見されましたが、本日揚収予定であります。事故原因につきましては調査中でございます。  カナダ太平洋航空会社所属ダグラスDC8型機の事故について御報告申し上げます。  カナダ太平洋航空会社所属ダグラスDC8型機は、同社の四〇二便として機長マクニール外九名が乗り組み、旅客六十二名を乗せて昭和四十一年三月四日十六時十四分(東京時間)香港を離陸し、東京に向け飛行した。  同機は十九時十六分、高度一万四千フィートで木更津の待機経路に入って東京国際空港気象状態の回復を待った。その間一時は台北へ引き返そうとしたが、結局二十時五分レーダーによる精密進入が可能な気象状態になったので、着陸進入のための降下を開始しました。  二十時十五分ごろ、同機は指定された滑走路へ一マイルの距離に達した。それまでの同機の方位及び角度は正常であったが、四分の三マイル以降、降下角度が十ないし二十フィート低過ぎたので、管制官はその旨を注意した。その後も低過ぎる降下を続行したので再度その旨を注意した。  その直後、同機は急角度降下し、滑走路末端手前岸壁に衝突して炎上、大破した。  政府は、直ちに運輸省運輸大臣を長とするカナダ太平洋航空機事故対策連絡本部を設け、警察、消防庁、海上保安庁航空局その他関係機関は協力して消火及び遭難者の救出に当たるとともに、運輸省担当官を現地に派遣して事故調査を開始した。  搭乗者中六十四名が死亡、八名が負傷いたしました。  英国海外航空会社所属ボーイング707型機の事故について御報告申し上げます。  英国海外航空会社所属ボーイング707型機は、同社の九一一便として機長ドブソン以下十一名が乗り組み、旅客百十三名を乗せて、昭和四十一年三月五日、十三時五十八分(東京時間)東京国際空港を離陸し、香港に向け飛行しました。  該機は、当初計器飛行方式による飛行計画を提出していたが、東京国際空港離陸前に、富士−レベルインターセクション−串本まで有視界による飛行を行なう旨、同空港管制塔に対して要求し、有視界飛行で離陸した。  十四時十五分ごろ、富士山南々東の二合目付近太郎坊の南西一キロの地点において炎上墜落中の該機が目撃され、十五時五十分、捜索中の自衛隊員から自衛隊富士学校当直司令に対して、激突大破した該機を発見した旨の報告があり、該機事故が確認されました。  捜素救難活動は三月五日十四時二十分ごろから開始され、陸上自衛隊富士学校隊員及び野営中の第一師団総数六百三十六名、静岡県警本部長以下二百五名並びに地元消防団員多数が現場に出動した。  現場状況は、太郎坊気象観測所から西方百メートル付近該機の本体があり、西方七百メートル付近にエンジン、南東五十メートル付近に尾翼らしきものが発見され、遺体は半径四百メートルにわたり散乱していた。  同日中に遺体百十四体を収容し、引き続き徹夜で作業を進め、六日五時三十分には救難隊を二千百四十四名に増強し、十二時五十分に全遺体を収容した。収容した遺体は、大乗寺及び善竜寺の二寺院に安置し、検視を行なっているが、五体満足なものはほとんどない状況である。  なお、遺体保存措置に関し、英大使館米大使館了解を得て米軍立川基地内にある冷暗所へ遺体を安置することとしているが、これについては該社のグスリー会長来日後に協議を行ない、その結果を待って具体的に移送を決定することとなっている。  政府は即刻、福井運輸政務次官古屋総理府総務長官及び佐藤運輸省航空局長現場視察のため急派するとともに、運輸省航空局係官現場に派遣し事故原因調査を開始しました。  地方、三月四日運輸省に設置されたカナダ太平洋航空機事故対策連絡本部を、カナダ太平洋航空機及びBOAC機事故対策連絡本部と改組し、その第一回会議を三月五日十九時三十分、第二回会議を三月六日十六時三十分に開催し、それぞれの処置を手配いたしました。  以上御報告申し上げます。     —————————————
  5. 古川丈吉

    古川委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。田邉國男君。
  6. 田邉國男

    田邉委員 私は、質問に入るに先立ちまして、今回の相次ぐ航空機事故にあわれました痛ましい犠牲者に対しまして、心から哀悼の誠をささげたいと存じます。  実は、ただいま運輸大臣より御報告がございましたように、日本において相次ぐ異常な航空事故発生ということはまことに遺憾なことでございまして、四日夜は羽田空港カナダ航空DC旅客機が死者六十四人を出した、また翌日はBOACボーイング707型機が富士山ろく墜落した、またさらに同日、海上保安庁ヘリコプター墜落をした、こういうことで私ども、単独では世界最大全日空事故の百三十三人の犠牲者を出して、わずか一カ月足らずの間に三回の大事故を起こしておる、こういう事故のことを考えましたときに、やはりその原因の徹底的な究明根本対策というものは、これは早急にはからなければならない、かように考えるわけでございます。  そこで、第一に私がお伺いしたいことは、全日空カナダ航空羽田空港へのいわゆる着陸態勢に入っての羽田空港のこれに対する受け入れ対策と申しますか、空港措置というものは万全であったか、その点につきましてお伺いしたいと思います。
  7. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 前回、全日空機事故応急の、とりあえずの御報告のときに申し上げたわけでございますが、全日空機事故羽田に対する受け入れの、管制連絡等につきましては、まだ事故原因調査の一環として調査の対象になっておるわけでございますが、われわれとしては、現在までの調査では、この管制受け入れ手配に欠点と思われる点は現在までのところはないということでございます。  なお、カナダ太平洋航空機につきましては、大臣からも御報告申し上げたように、一応非常に気象状態が悪いために待機空域におきまして、相当長時間待機しておったということでございますが、その後計器誘導し得る気象状態になって十分連絡をとってこれを受け入れをしたということでございまして、現在まで管制の取り扱いについては、われわれとしては特に落ち度があったというふうには考えておらない次第でございます。ただいずれも、申し上げましたように、事故原因調査段階でございますので、そういうような問題を含めて、なお慎重な調査を進められるような関係に相なると思うわけでございます。
  8. 田邉國男

    田邉委員 ただいま航空局長から目下調査段階であるので、調査を十分した上でと、こういう御発言でございます。私はそのとおりであるとは思いますが、しかし私どもがお伺いしたいことは、やはり調査をするにつきましても、大事な要点を十分に基礎的な問題としてやらなければならぬ条件がある。  その一つは、たとえばカナダ航空の、いよいよ着陸態勢に入るあの時点におけるいわゆる羽田空港措置というもの、たとえばGCAという形で入ってきたのか、それともILSという方式で入ってきたのか。その点について羽田空港指示というものはどういう形をとられたのか、その点を伺っておきたいと思います。
  9. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御承知のように、羽田におきましては、ILSという進入援助施設があるわけでありますが、当時は、ILSは御承知のように検査期間を過ぎておりまして、これは事実上動いておったわけでございますが、必要な安全性を守るために、この運用を公式に認めないという状態にございましたので、いわゆるGCAといいます援助施設使用したわけでございます。この使用につきましては、御承知のように相手方の航空機はNOTAMというもので事前に通報を受けて承知しておりますし、なお実際に誘導する場合も、GCAで誘導するということを向こうに伝えて、それを向こうも了承して入ってまいったという状態にあるわけでございます。
  10. 田邉國男

    田邉委員 そうしますと航空局長お話では、地上からの誘導方式いわゆるGCAという方式で入ってきた、それをカナダ航空十分了解の上でこの方式をとった。ところが一方においては、ILSという方式は現在使っておらない、しかし現実においては電波を発生しておる、こういうことについてのカナダ航空遭難機は十分その問題を理解しておられたのですか。
  11. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほども申し上げましたように、GCA誘導によって入るかということを聞いて、向こうはそれを了知をして入ってきておる。なおそれにつけ加えまして、入り得る気象状態になったからおまえは入る意思があるかということを聞いた場合に、それでは入りたい、したがってGCAで入るかということに対して向こうはそれを了知して入ってきた、こういう関係に相なるわけでございます。
  12. 田邉國男

    田邉委員 それでは伺いますが、入ってくる進路に向かいまして、いわゆるアプローチライトと申しますか、海上に浮いております、その光を、非常に強いから消してくれ、もっと弱くしてくれという、何か信号があった。そこでそれを消そうという瞬間に、もうすでに進入して、そしてそのアプローチライトに車輪が当たって、それが倒れた、こういうような記事になっておりますが、その点の模様をもう少し詳しく教えていただきたい。
  13. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 当時の管制状態を調べますと、いま田邉委員のおっしゃいましたように、光をもう少し小さくしてくれというような通信があったことは事実でございます。ただ、その通信を受けて光を小さくするという動作とほとんど相前後して、いまお話がありましたように、羽田側からずっと海中に立っております進入灯に接触をして、進入灯が消えてしまったということでございます。その後の調査の結果によりますと、羽田から数えまして十三番目、十二番目の進入灯に当たり、なおそれからずっと十一、十、九、八、七、六、五まで全部灯器を壊しまして、さらにその手前の四、三という二つのものに当たって岸壁に激突をしておるという状態でございます。
  14. 田邉國男

    田邉委員 私もこれ以上専門的な問題につきましては、やはり調査の結果を待つべきだと思います。ただ羽田空港設備の問題につきまして、私ども新聞等を見ておりますと、世界国際空港に比して何ら遜色ない、厳密な点数を言えば九五%くらいの点数がつけられるのだ、こういうことを外国のパイロットが言っておるという記事が各新聞に出ております。そういう点につきましては私どもややほっとする感じがするわけでございます。  ただ問題は、やはり空港面積等を考えますと、非常に無理な操作をする点があるのではないか。こういう点から考えましても、やはり新国際空港を早くつくらなければならぬという問題が当然起きてくるのではないか、かように考えるわけでございます。そこで私は、やはり日本の各空港が完全なる整備をしておく必要があるわけでございますが、聞くところによりますと、大阪国際空港を本年度のうちルフトハンザパンアメリカンノースウエスト、これが使用をしたいという申請が出ておるはずです。そこで、こういう外国各社の国際線としての許可をする前提条件として、先ほど申しましたような、たとえばILSというような方式で完全に国際空港としての設備をやる態勢許可をするのか、その辺のことを伺いたいと思います。
  15. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 完全な設備を整えて許可したいと思っております。そのためには、あるいは時間的に少しぐらいは許可を延べることがあり得るという気持ちでおります。
  16. 田邉國男

    田邉委員 そうしますと、この施設が完全な施設をしなければ、許可はしないというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  17. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 総合的に申し上げまして、絶対に離着陸に安全であるという条件を備えることを前提として許可をする、つまりそういう状態でなければ許可をしないということになるわけでござまいす
  18. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 いま航空局長が申し上げたとおりでございまして、政府といたしましては、取り急いで大阪伊丹飛行場整備を完成したい、かように考えておる次第であります。
  19. 田邉國男

    田邉委員 さらに大阪国際空港の問題でございますが、滑走路の長さについて、現在の滑走路で実際に国際空港としての資格を備えられるのか、その点について伺いたいと思います。
  20. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘の点は現在の滑走路では必ずしも完全に現在長距離国際航空運送に使っている航空機フルロードで使える状態にございません。したがいまして、大阪におきましては、現在の滑走路に並行して三千メートルの新滑走路を建設する計画を現在いたしておる状態でございます。現在の滑走路使用する場合には、若干の重量制限その他の措置をして、十分安全であるということにする必要があるわけでございます。
  21. 田邉國男

    田邉委員 私にはよくわからないんですが、いわゆる国際民間航空条約の中で、一体滑走路の長さというものは何メートルでなければならぬという規制があるんですか。その点を伺いたいと思います。
  22. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御承知のように、飛行場にはいろいろな規格があるわけでございます。その規格に合った航空機でなければその飛行場使用できない、こういうことに相なっておるわけでございます。
  23. 田邉國男

    田邉委員 そうしますと、規格に合った飛行場、たとえばパンアメリカンとか、ノースウエスト使用する、その飛行機種類制限するということになるんですか。その点を明確に伺いたい。
  24. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 ごく簡単な例を申し上げますと、たとえば、国内の滑走路で千二百メートルしかないものには、御承知のように、大型航空機使用できないわけでございますが、こういうように、飛行機種類によっても制限がございます。  なお、飛行機の積載しておる重量制限することによって、若干その辺が変わるわけでございますが、ごく一般的に申し上げまして、それぞれの飛行機の性能、種類によって使用し得る滑走路長が違ってきておるということでございます。
  25. 田邉國男

    田邉委員 そうしますと、大阪空港使用するという場合に、たとえばルフトハンザパンアメリカン等会社に対しては、飛行機の機種の問題、重量問題等をやはり一応の制限規制としておやりになるということですか。
  26. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 したがいまして、そういう条件にかなっておらなければ使うことを認めないということでございます。
  27. 田邉國男

    田邉委員 私は、大阪国際空港というものは、急速に整備をしていただき、そうして先ほど申しましたように、安全ないわゆる航空施設整備をやって、これならばだいじょうぶだという空港にしてからでなければ、この許可の問題についてはひとつ慎重に配慮をしていただきたい。ただいま大臣が申されたように、その政府の意向を十分通す、ただし、これには相当の金がかかると思います。そこで、その点については、ひとつ大蔵大臣、総理とも十分な打ち合わせをなさって急速にやっていただきたい。と申しますのは、私は、やはり羽田空港が実際に濃霧のために使用できない、また暴風雨のために使用できないというときに、当然日本の各地の空港にその飛行機が入るわけですから、そういう場合に、最も近い大阪国際空港というものを完全に整備をしてもらうことが、事故最小限度に防ぐ最良の方式だ、かように考えるわけでございます。  そこで、私は運輸大臣にお伺いしたいのですが、今回の事故を見ておりますと、これは構造上の欠陥があるのか、整備欠陥があるのか、また、機械そのものに欠陥があるのか、私はわかりません。しかし、これだけボーイング飛行機が国内において非常な事故を起こしている現状において、この飛行機使用を一時見合わせるというような考え方はないか、その点を伺いたいと思います。
  28. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は、いま田邉委員の申されました、まず大阪空港でございますが、これは早急に整備をいたしまして、そうして完全に、これならだいじょうぶという確信を得てでないと、外国機の入ることは認めないという方針を持っているということが一点。  それから機種の規制の問題でございますが、これはいろいろ現在、最近起こりました事故につきましては、それぞれ権威のある事故調査団を編成して急いで事故原因究明をやっておりますので、その結論を得ましてから善処したい、かように考えております。
  29. 田邉國男

    田邉委員 私は、先般の全日空事故でございますが、この問題を考えまして、やはり日本における国内の航空事業のいわゆる過当競争にこういう事故を起こした一つの原因があるのではないか、かようにいま考えるわけでございます。  そこで現在、日航、全日空、国内航空ともに国内幹線にジェットを飛ばしております。日本のこの狭い国土の中で、何でジェットを飛ばさなければならぬか。この点について、国内においては無理な過当競争をすることを避ける。この際はいわゆるターボプロップといいますか、ジェットとプロペラの中間のエンジンの飛行機を使う。そういうことをやってみたならば、たとえばジェット機であれば約十七億五千万、片方のプロペラ機であれば約三億から三億五千万の飛行機だ。これはもちろん収容能力が違いますけれども、この点について私は、日本の国内であえてジェット機を使わなければならぬ理由はないのではないか。そういう意味から考えて、今後航空政策の上で、国内の航空政策上、一体国内幹線にこれからもどんどんジェット機を使うのか、またそういう指導をしていこうというのか、その点を伺いたいと思います。
  30. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は今後の方針といたしましては、安全第一を行政の主眼としてまいりたいと思いますが、ただ最近の——これは世界各国の人の共通の問題でございますが、非常にスピードというものに魅力を持って、それがやはり航空企業の中でも現在のような状態になっておると思いますが、これはやはり航空企業としては、お客さんに乗ってもらわなければなりませんような関係もございまして、一般の航空機に対する心理状態等も、これはやはり重要な要素であろうと思います。そういう点を考えまして、機種の選定等については、すべての条件等を勘案して、機種等はやはり選定していくべきだと思います。しかし私自身の気持ちとしては、やはり安全を第一とする、こういう観点で行政をやっていきたいと思います。ただジェット機が、それでは安全の点で欠けておるのかといえば、そうでもございませんので、そういう点は航空企業等によく注意をいたしまして、企業の健全性、それから輸送の安全性を完全に堅持していくように指導してまいりたい、かように考えておる次第であります。
  31. 田邉國男

    田邉委員 ただいまの大臣の答弁、なかなか明確におっしゃらずに、多分に政治的な御発言があるように私はとれるのですが、私の考え方としては、日本の狭い国土で無理をしてみな購入をしておるジェット機というものを、これはやはり国内の航空政策の上においては相当慎重に配慮して、そうしてむしろ国際線にこれを使っていくという形であるのが自然ではないか、かように考えるわけでございます。その問題につきまして重ねて答弁は伺いませんが、私は先般大臣から全日空墜落事故の直後に、日本の国内航空政策に対するいわゆる再編成の問題と申しますか、一体化の問題につきまして、いろいろと運輸省、また航空業界に対しても指示を与えておられるように拝見いたしております。その点につきまして、私は最も大事なことが一つ抜けておるのではないかと思う。と申しますのは、日航と国内航空整備をするといいますか、一体化といいますか、そういう問題は、日本の国内の航空事業というものがうまくいくように考えておられるが、事故を起こしたのは全日空である。全日空をやはり中に入れて、そして日航、国内航空全日空というものを一つの問題のワクの中に入れて、そして日本国内全体の航空政策というものを考えていく考え方に立ってものを進めていただきたい。私どもが見ておりますと、何か国内航空と日航だけの一体化をすれば日本航空政策というものはうまくいくんだ、こういうような感じが新聞紙上では読み取れる。その点につきまして私ども、この問題に非常に関心を持っておるわけでございますが、大臣の御所見をひとつ伺いたい。
  32. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は現在の時点で、日本航空業界の再編成といいますか、あるいは集約化といいますか、この点につきましては、この間から航空企業の各首脳部を集めまして、その際要請いたしましたのは、いわゆる過当競争等がややもすれば事故につながるというような気持ちが国民の間に相当にある、こういう段階であるので、安全を確保するという意味で、日本航空企業が全体の問題として、安全を確保して事故を完全になくするという体制でひとつ話し合ってもらいたい、こういうことを前提として申し上げましたので、この中にはいま田邊委員仰せられます国内航空日本航空という問題だけでなく、日本航空、国内航空全日空、東亜航空、このすべての企業を一つのワクの中に入れまして、やはり再編成といいますか、そういうことは考えてもらいたい。ただその際に私が申しましたのは、やはりいまそういう全体の交通整理といいますか、体制をつくろうとする場合に、一番最初に必要とするのは、やはり国内航空の体力の強化といいますか、企業の健全化と申しますか、そういうことがいま非常に緊急を要する課題でありますし、それはやはり日航との関連において、この国内航空の体質を強化して、同時に日本航空路線等との関係につきましては、やはり日本航空、国内航空全日空、東亜航空を一つにして、一番安全度の高い、しかも営業の健全性も確保し得る体制を、まず企業者みずからの力で、あるいは自主的にひとつ相談をして進めてもらいたい、こういう要請をいたしたのでございまして、日本航空と国内航空との問題だけに限っておらないのでございます。全体の問題として、先ほど何回も申しますように、現在ある日本航空企業全体を含めてということで要請いたしておる実情でございます。
  33. 田邉國男

    田邉委員 ただいま大臣から、全体の日本航空機事業を含めての検討ということで、大臣のいわゆる所信が明確になりました。その点は非常にけっこうなことだと私は思います。  最後に私お願いをしておきたいことは、全日空事故で犠牲になられた方、またカナダ航空BOAC等の事故でなくなられた方々の補償の問題、これはもちろん航空会社自体の問題ではございますが、私はこの中にはみな日本人も、それから外人もどの飛行機にも含まれておる。そういう場合に、やはりこの補償の差というものが非常に出てくるのではないか、そういう問題について、私は政府がやはり航空会社に対する配慮、監督、こういう点について十分ひとつ御注意をしていただきたい、そして遺族の方たちに対する万全の措置を講じていただきたい、かようにお願いをするわけでございます。  最後に、今回のこういう大きな事故日本に立て続けに起きておる、これは外国から見れば、日本は非常に気象条件が悪いのか、あるいは非常に空港整備が悪いのか、そういうような問題に対する非常な不安があるのではないか、こういう点について、特に日本の、いわゆる観光立国ということをうたわれておる際に、こういう事故が続けて起きるということはまことに不幸なことでございます。そういう点について、やはりそういう不安と申しますか、原因を明確に究明するということはもちろんでございますが、できるだけ早い時期にこの問題に対する不安を取り除くような考え方を急速に進めていただきたい。また同時に、この空港の安全、保安通信だとか、それからまた気象観測、こういうものの拡充整備についても一段の推進をしていただきたい。  また予算の問題につきましても、私はこの際思い切った補正予算を取って、そして空港整備をやる時期が来たのではないか、かように考えるわけでございます。また、こういうことをすることがあの犠牲者に対する慰めにもなる、こういうわけでございます。それにつきまして大臣に、今回のこの続けて起きる大惨事につきまして所信を伺って私の質問を終わりたいと思います。
  34. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 いま田邉委員の仰せられましたそういう処置は、きわめて緊要を要することでございます。一昨昨日総理からも強い私に対する指示がございました。今回の事故を契機として、国民の中に航空運送というものに対して一つの危惧の念といいますか、こわいというような、安全性を少し疑うような気持ちがある程度強まっておるということは事実であります。そこでこれをひとつ払拭して、航空事業というものに対する国民の信頼感を早く取り戻さなければならぬ、このためには心理的な面でのいわゆる大衆に対する対策も一つでありますが、設備を早急に完備して、そしてあらゆる面から航空輸送の安全を確保するという体制を至急確立するようにという強い指示がございました。私もさっそくこれを受けまして、たとえて申しますと気象の情報確保等に対する設備を完備することによって、航空輸送の安全に協力し得るものがあれば至急に計画を立てて出すようにということで、いま気象庁のほうにも命じまして、そういう設備を整えることによっての、いわゆる協力の計画をいま進めさしております。  それから、きょう実は航空管制現場で働いている第一線の人たちを約十名ばかり集めまして、そうして第一線で航空管制に携わっておる人たちから見た、日本航空管制設備に対する一つの要請といいますか、今後さらに日本航空管制をより完ぺきにしていくという意味においての設備の増強、あるいはそのほかいろいろの点で現場で働いておる人からいろいろの意見を聞きまして、これもやはり直ちに取り入れられるものは取り入れて、この点からも整備していきたい。  それからあすはパイロットの代表的な人たちを集めまして、いわゆる搭乗者の立場から見た一つの安全に対する処置、これを検討いたしまして、そうしてそういう衆知を集めて、日本航空施設というものをより完全なものにして、国民の安心を、さらにこれを利用します世界各国の人たちに、日本航空施設は安全度はだいじょうぶであるという強い信頼を高めるように、具体的に努力を進めておる段階でございます。  私はいま日本の国内に持っておりまする航空施設というものは、これはいわゆる安全度を確保するという線においては、一応整っておるという強い自信を持っておりますが、さらに安全度を高めるという、その観点に立って、より一そうの設備の増強、強化をはかっていきたい、かように考えていま準備を進めておる段階でございます。
  35. 古川丈吉

    古川委員長 關谷勝利君から関連質問の要求があります。これを許します。關谷君。
  36. 關谷勝利

    ○關谷委員 田邉委員からお尋ねしましたので、私は重複しないように少しお尋ねをしておきたいと思います。  あの事故究明の点であります。カナダ太平洋航空が防潮堤へひっかけて事故を起こしたのでありますが、その防潮堤にひっかけた原因究明する際には、管制官がいろいろ注意をしたその高度から、プロペラ機の小さいやつでけっこうでありまするが、私は一応その経路を一度飛んでみなければわからないと思います。同じような時間に飛んでみれば、そこに錯覚を起こすような防潮堤の状態になっておるのかどうかというようなことで、操縦者のミスであるかどうかをはっきりと確認をいたしまするためには、私は原因究明上それはぜひ行なわなければならないものだと思いまするが、そういうふうなことはやるお考えですか、どうですか。
  37. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘の点十分含みまして、徹底的な事故原因調査をしなければいかぬと考えております。727型機の事故調査につきましては、いろいろ進んでおる段階でございまするが、飛行試験というようなものは具体的に計画いたしてございます。  カナダ太平洋機の取り扱いについても、そういう点を十分に調査方法として進めていくように考えておる次第でございます。
  38. 關谷勝利

    ○關谷委員 これは全般的な問題であろうと思いまするので、ぜひ実地飛行をして原因究明をしていただきたいと思います。  次に、これは私は727、あるいはDC8、あるいは707等が引き続いて事故を起こしておる。もちろんあのBOACの707は、これは別でありますが、ほかのほうは着陸直前に事故を起こしておる。それが有視界飛行であったり、計器飛行であって低過ぎたりということでございますが、低過ぎた場合には、あるいは有視界飛行で、こう見た場合に、間違ったと思って機首をこう上げようと思いましても、私はジェット機全般の性能と申しますか、アクセルを踏んでから再び速度を上げるようなことになるまでには、その間にジェットの噴射が強くなってくるまでに、二秒ないし三秒という時間的なずれが私はあるのではないかと思う。上空でいろいろ操作をする場合には、二秒三秒は影響はいたしませんが、着陸寸前にはそのわずかの一秒が事故を起こす原因になってくる。一秒間に落ちる高さというようなものを計算した場合には、その速度をゆるめたものをまた速度を速くするという際に、噴射を強くさそうといたしました際の時間のずれが、私は着陸直前に事故を起こしておるのではなかろうかという気がしろうとながらにしてなりません。これはちょっと私がある専門家に、こんなことがしろうとながら考えられるのだがどうであろうかと言ったときに、まさしくそうであるというた人もあるのです。私は、そういうふうなことをこれから事故原因究明の場合、これが構造上の欠陥かというて指摘すべきものか、あるいはそういうことがわかっておるのなら、操縦上の欠陥だ、手違いだということになってくるわけでありますが、そういうところはいままで御検討になったことがありますか。私はこれは重大なことであると思います。ジェット機とプロペラ機との場合に、私は考えなければならぬ大きな原因だと思いまするが、そのようなことはいままでに調査したことがありますか。
  39. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これは關谷先生御指摘のように、非常に重要な点で、しかも技術的、専門的なことであるわけでございますが、従来、御承知のように、航空機自体の設計の審査、つまり型式証明をするときには、十分それらの点は具体的に判断をして、これら中程度の能力を有するもので十分安全に運航できるという基準をもって設計をなされておるというようにわれわれ承知しておるわけでございます。  ただ具体的の關谷先生の御指摘の点は、なお今回の事故現地調査団等におきましても、相当詳細にその高度と操縦の方法というものについての検討をいたしていただいておりますので、その結果によりましては、あるいは構造改善の問題になるかと思います。場合によっては操縦方法の問題、いずれかになることもあり得るかと思いますので、その点は御指摘もございますので、なお慎重に十分御指摘の点を含んで検討を進めていただくように取り計らいたいと思います。
  40. 關谷勝利

    ○關谷委員 BOACのあの飛行機の部品が箱根あたりからすでに落ちておるということでありますが、部品が落ちて、故障があるということになりましたならば、それが操縦席へ、何か赤いランプがつくとかなんとかということで、わかることになっておらなければたいへんなことでありますが、そういうふうなことになっておるのかどうか、この点を伺ってみたいと思います。
  41. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 BOAC機の事故については、現場に参っての調査では、關谷先生御指摘のように、八キロくらい遠方から飛行機機体の一部が落ちておる、御指摘のような事実がございます。一般的に設計的に申しますと、飛行機飛行に支障を生ずるような状態が生じたときには、当然警報器が鳴るような警報装置がついておるわけでございますが、具体的の御指摘のものがそのときにどのように働くべきであったか、あるいは働いたかどうかというようなことは、なお専門的な検討にまちたいと考えておる次第でございます。
  42. 關谷勝利

    ○關谷委員 これは完全な飛行機について調べてもらえばわかることでありますので、調査をしてあらためて御報告を願いたいと思います。  それから、私は絶えず考えることでありますが、いまのジェット機あたりはスピードを出すことばかりにうき身をやつしておって、人命の安全というようなことがその陰へ隠れてしまっておるというような感じがしてならないのであります。ジェット戦闘機あたりは、故障があったりいろいろいたしますと、ボタンを押しますと操縦士が座席ともにぽんとはね上げられて落下傘が開くというようなことになっておるわけであります。そういたしますと、危険を伴ってもしかたがないこの戦闘機にはそのような落下傘あるいは脱出の設備がしてある。安全第一でなければならない旅客輸送機については、そのような施設がない。私は、これは研究すればそういうふうなことはできるんだろうと思いますが、将来航空機を利用して国際的に人間が交流しなければならないことになってまいりますことから考えまして、ますます航空機の利用者はふえてまいりますが、安全ということが保たれないということになりますと、また別途の方法を考えなければならぬことになります。航空機製造者自体で、いまの脱出する方法、いろいろな方法があろうと思いますが、その検討をやっておるところはありますか。全然やっておりませんか。
  43. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 關谷先生御指摘のように、本来非常に危険が伴う設計装置の場合には自動脱出装置は持っておる。旅客機の場合には、むしろ全体が安全に運航できるというようなことのたてまえであるわけでありまして、非常にわれわれ研究不十分で、そういう意味に承知しておりますために、先生がおっしゃるような自動的な脱出装置の研究というものを現在のところ承知しておりませんが、これは要するに、何らかの方法で事故が起こった場合に安全に地上に着けるというような基本的な考え方でございますので、そういうような総合的な観点から、あるいは具体的にそういうものがあるかどうかということは、われわれもさっそく調査をいたしまして、また別の機会に報告をさしていただきたいと思います。
  44. 關谷勝利

    ○關谷委員 もちろん全体が安全であるべきということは、戦闘機でも考えるのですよ。戦闘機は危険であっても、落ちるということは構造上考えておらないので、これも安全であるべきということを考えますが、旅客機に至ってはその安全が第一でなければならぬ。それに何らの考慮が払われておらない。将来に向かってもまた研究してないということならこれはたいへんなことでありまして、安全性の見地からこれを義務づけるよう要求してはどうでしょう。その御意思はありますか。
  45. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 ただいま申し上げましたように、この機体の運航の安全性については、従来設計その他で義務づけておったわけでございますが、その設計についての一つの具体的なお考え方でございますので、なお、そういうものが技術的に可能であるかどうかということも十分調査をいたしました上でお答えを申し上げるようにさせていただきたいと思います。
  46. 關谷勝利

    ○關谷委員 事故は絶無ではないということを前提として、もう少しジェット機あたりは安全性に力を入れるべきだと私は思いますので、その点重ねて申し上げておきます。  それから、このボーイング707の事故の概要の御報告がありました中に「東京国際空港離陸前に、富士−レベルインターセクション−串本まで有視界による飛行を行なう旨、同空港管制塔に対して要求し、有視界飛行で離陸した。」と書いてあります。きれいな富士が見えたりしておるときには気流が乱れておるといわれておるし、あの当日もたつまきが二カ所ぐらい起こっておるのではなかろうかというようなことがいわれておるわけでありますが、このようなことで有視界飛行を行なうということがあった場合に、管制塔は、それはきょうは気流がぐあいが悪いんだから、そのコースは変更してこういうコースをとれというようなことを注意することはできないのでしょうか。
  47. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 管制塔は、有視界飛行状態にある場合には、有視界飛行の届け出を受理するわけであります。それについては、われわれとしては、具体的の飛行方法については、気象上の必要な情報を提供するという程度に従来とどまっておったわけでございます。
  48. 關谷勝利

    ○關谷委員 それなら、この日の気流についても情報を提供しなければなりませんが、提供しておりませんね。
  49. 柴田淑次

    ○柴田(淑)政府委員 せんだってのBOACに対する気象庁の資料提供についてお話し申し上げますと、BOACが出発する前に、BOAC会社に対しましては、すでに朝の十時にICAOによってきめられた資料は全部提供してございます。その資料の写しをここに持ってまいりましたので、あとでこの資料をお回し申し上げたいと思いますが、その資料によりますと、各層、と申しますと三層ございまして、大体五日のその日の十五時における高層の予想天気図、これが三枚ございます。これは高度約五千、九千、一万二千メートルのそれぞれの層の風と気温の分布の図でございます。それから同時に、その日の十五時における圏界面の予想図というものを提供しております。これもICAOで提供しなければならないということになっております。それからもう一つは、十五時における航路付近の悪天候の予想図でございまして、これはどこにどの程度の乱気流があるか、あるいはどの程度の着氷現象がどの付近にあるかということが、飛行機の運航に差しつかえると思われるような要素についてちゃんときめられておりまして、きめられた要素につきましての悪天候の予想図をつけております。それからもう一つ目に飛行機が到着するその到着の飛行場の予報図。その到着する飛行場及びその付近飛行場の天気予報の表もつけております。その程度の情報は提供しなければならないということが規約されておりますので、それはBOACに対しては全部気象庁のほうで提供しております。  そのうちで問題になりますのは、この十五時における悪天候予想図でございまして、この中には、十五時においては、この付近にこの程度の乱気流があり、それも何フィートから何フィートの間にこの程度の乱気流があるというような資料を提供しております。その資料によりますと、十五時に富士付近は特に一般的に中程度の乱気流があるというようになっておりますが、特にあの日は風も強かったので、この図をごらんになれば、富士付近の気流はかなり乱れているであろうということが想像されるだろうとわれわれのほうでは考えております。
  50. 關谷勝利

    ○關谷委員 そうすると、もちろんその情報は管制官のほうにも伝わっておるわけですね。——そういたしますと、会社には資料は伝わっておる、管制官にも伝わっておるということでありますと、これは会社がもちろんそこをよけて通るということが本来でありますが、この飛行機自体から管制官のほうへ有視界飛行でこのコースを飛ぶと言った場合に、それは危険だからコースを変えろという注意があってしかるべきだと思いますが、その注意はすべきものか、しないでもいいものか。これはしてもいいかしなくてもいいかと言ったところで、すれば安全なので当然すべきものと思いますが、そのような措置をとる必要はないのですか。とる責任はあるのですか、ないのですか。
  51. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 有視界飛行状態においては、航空機の操縦者が実際の視界を見て、あるいは気象状態等の判断で運航するわけでございまして、これは操縦者がみずから判断して運航すべきものというふうにわれわれは考えます。
  52. 關谷勝利

    ○關谷委員 まことに不親切な御答弁で、そういうことに規定せられておるからしなかったのだ。それなら、危険なところへ人が入り込むというようなことで危険に近づいておるのを見たときあたりでも、何にもこれは自分としては注意しなければならぬ規定がないのだからそのまま見過ごすというような、まことに情けない御答弁でありますが、そういう際には好意的な注意をしてやってはどうでしょう。そこまで要求するのは無理でしょうか。
  53. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 その点については、非常に具体的な御指摘でございますが、どういうふうな措置をとったらいいか。つまり、運航の安全を期するために具体的にどういう措置をとったらいいかということは、われわれとしてももう少し事故原因調査とあわせて真剣に検討してまいりたいと思います。
  54. 田邉國男

    田邉委員 いまのその問題で局長にちょっと聞きたいのですが、私は平生なら、有視界飛行でやるということについてそういうようなことになっておるということであれば、あえて反対はしない。しかし、続けて事故が起きておるこの際に、当分の間は、非常に快晴であろうとやはり安全のコースをとることをぜひやるべきだ。こういうことについての非常な慎重なる配慮を、航空局みずから根本対策を立てておる最中であるから、そういう点については私は注意すべきであると思う。關谷先生の質問に対してまことに不明確な答弁をなさっておるけれども、私はやはりやるべきでなかったか、こう思うのです。
  55. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 気象庁から説明がありましたように、操縦者としてはそのときの気象状態のデータを与えられて十分それを判断して飛ぶという前提で、われわれは航空管制その他のお世話をしておるわけであります。したがいまして、不親切だというお考えがあるかもしれませんが、われわれはまたその守備範囲を越えてそういうようなことをかりにやった場合に、十分その職責が果たせるかという問題がありますので、一応これは安全性の見地から総合的にどういうふうに検討するかということを申し上げておるわけでございまして、現在の職責上は、その点はやはり機長の判断であるというふうに考えておることを、先ほど關谷委員の御質問に対して私は申し上げた次第でございます。
  56. 關谷勝利

    ○關谷委員 海上保安庁ヘリコプター墜落をいたしましたことは、全日空あるいはカナダ太平洋、BOAC等の大きな事故の陰に隠れて、これは新聞等でも小さく取り扱っておりますし、委員会等でも小さく見られておるようでありますが、こういうような海上保安庁ヘリコプター墜落というようなものは、その安全性の確保という点については十分注意を払わなければならない。戦闘機についておる脱出装置等をヘリコプターにはつけられないことはないと思います。海上保安庁ヘリコプターあたりは、海上自衛隊あるいは航空自衛隊等がやりまするのと同じような仕事をやらなければならないことがたびたびあります。戦闘要務じゃなくても、警備救難というようなことになってまいりますと、そのような場面がたくさんあるわけでありますが、その際に安心して働けるように、ヘリコプターあたりにも特にメーカーのほうへ——日本独特でもけっこうだと思います。海上保安庁ヘリコプターあたりには脱出装置をつけてもらうというふうなことを要望して、それを実現してもらいたいと思いますが、どうですか。
  57. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 今回の海上保安庁ヘリコプターにおけるまことに残念な事故を契機といたしまして、關谷委員がおっしゃられるような点等、そのほかあらゆる、安全を確保する意味で万全の処置をいたしたい、かように考えております。
  58. 關谷勝利

    ○關谷委員 関連質問があまり長くなりましても、あとの質問者にお気の毒でありますので、結論を申し上げますが、二、三並べて申し上げますので、一つ一つ簡単に御答弁を願いたいと思います。  第一は、新国際空港を早くつくれということであります。これは田邉委員が先ほどいろいろ申し上げておりましたので、理由は多くは申しません。早く新国際空港をつくっていただきたい。  第二には、こういうふうに事故が頻発をいたしますると、飛行機に乗りたくない人がたくさん出ると思います。この点、日本のかつての旅客船という豪華船がなくなってしまいまして、いまはようやく移民船を改造したものがわずかに運航しておるという状態でありまするが、私は、この機会に運輸大臣は思い切って旅客船を建造すべきだと思います。いかにスピード時代で、飛行機のいいものができましても、事故は絶無だと言えないと私は思います。そうして、その関係から飛行機以外の乗りものを利用して日本へ行きたいという人がたくさんあるであろうと思います。そういうふうな人の期待に沿うために、かつて郵船あたりが運航いたしておりました旅客船を建造すべきだと思いますが、これについての御意見はどうでありましょう。  それから、今度の場合、事故がたびたび起こりましたので、その原因究明して、そうして日本の気流というものは、富士山あたりの気流ばかりではないと思います、そういうふうな気流がそれぞれいつも悪い日本ではないというようなことで——これは気象庁の関係になりますが、世界各国に向けて、日本の気流は年間こういうふうなものだというようなものを、私はあちらこちらへ送るべきだと思います。そうして日本の気流はあぶないのだそうだ、BOACの707でさえ落ちたそうだというようなこの感じを一掃するような方法をとってもらいたいと思いまするが、その具体的な方策について伺っておきたいと思います。  なお、国内に向けましては、航空機に対する不安が非常に高まってまいりましたので、その不安を一掃するようなPRといいますか、そういうものを十分にしてもらいたいと思います。事故は絶無ではないのでありますので、人命尊重につきましていろいろ申し上げましたが、その点につきましては、ぜひ当局としては御尽力を願いたいと思います。  いま申し上げましたことにつきましての御答弁を得ましたならば、私の質問は終わりたいと思います。
  59. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 まず第一番に、新空港を早くつくるようにというお話でございますが、これはこの間予算委員会におきまして、社会党の委員からも、新空港というような問題は、政府だけではなく、与野党一致してやはりこれは早く整備すべきである、こういうきわめて建設的な意見が出されたのでございまして、そのときに社会党の議員は、いまの候補地の富里自体を認めて申し上げておるわけじゃないが、新空港というようなものは、大きな問題でもあるし、国際的な立場の設備でもあるので、やはり国民全体が一致して推進していくべきであるというような意見も出されたのでございますが、総理もこれに対しまして、国民全体の協力を得て、できるだけすみやかに新空港はつくり上げたい、こういうことを答えておりましたので、まあそういうことで、総力をあげて、国民全体の御協力を得るような準備を整えて、これを速急につくり上げたい、かように考えておるわけでございます。政府といたしましても、臨時新空港関係閣僚協議会をつくりまして、そして万全の処置を進めていく体制を整えておる状態でございます。  それから旅客船の問題でございますが、これは私は航空機事故とは全然別個な観点から、やはり海運政策の一つとして、旅客船というようなものを一応考えるべきではないかということをかねてから考え方の中に持っておったのでございまして、現在でも、今度の航空事故というようなものとは関連を持たせない立場に立って、日本の海運政策の一環として日本旅客船という問題を検討してまいりたい、かように考えておるものでございます。  それから世界各国の人たちが、今回日本の地点において起こりました航空事故によりまして、一つの不安を持っておられるということは、これは私はいなめない事実だと思いますので、これに対しましては、あらゆる方策を考えまして信頼を高めていくようにいたしたい、かように考えております。特に国内の国民の皆さん方が、日本航空企業あるいは現在の飛行機というものに対して不安を持っておられることも、これはいなめないと思いますが、これを解消いたしますには、私は、先ほども田邉委員の質問に答えましたように、まず航空施設の完備、保安対策の拡充強化等、そういう具体的な問題を国民の前に現実に示しながら、国民の皆さん方のこの航空企業に対する一つの信頼感というものを高めていくように万全の措置を考えたい。こういう時期でございますから、ただかけ声だけでは信頼は高まるものではないと思います。あらゆる方法を考えまして、設備を強化するし、あるいは滑走路等に対しても、できるだけ体制を強化する、あるいは保安対策、保安設備あるいは管制設備等につきましても、すべての点に気を配りまして、全体から日本航空企業の安全度が確保され、強化されておるという姿を国民の前に示していくことが、唯一の国民の信頼を高めていくかぎである、かように考えまして、数日来総理とも相談をしまして、応急措置としては、場合によっては予備費を使ってもいい、あるいはそういう予算措置等はできるだけ考えることにして、まず国民の安心を考えるような措置をするように、こういうことでございますので、いま着々と準備を整えておる段階でございます。
  60. 柴田淑次

    ○柴田(淑)政府委員 ちょっと私さっき申し上げた内容におきまして、誤解があると思いまして、つけ加えさしていただきます。  先ほどそちらのほうにお配りしましたその図は、管制塔のほうには行っておりません。したがって、管制塔のほうへ問い合わせがあったら、管制塔のほうでは、それに答えるには、電話をかけて気象台へ聞けばいいのですが、自分の手元にはまいっておりません。しかし、久留米に管制官がおりますので、久留米の管制官のところでは、そういう問い合わせがあればいつでも答えられるような体制になっているはずでございます。すぐそばに気象台がございますので、それはすぐ答えられることになっております。その点ちょっと誤解があればと思いまして、つけ加えさせていただきます。
  61. 古川丈吉

    古川委員長 南條委員から関連質問の御要求があります。これを許します。南條君。
  62. 南條徳男

    ○南條委員 関連質問をいたします。  先ほど来航空安全性ということを強調されておりますが、それについていろいろな基本問題がありましょうけれども、私はひとつ大きな問題として、特にこの際当局に聞いておきたい、同時に対策を願いたいと思うことがあります。  それは二つありますが、一つはいまの日本航空全日空との、先ほど田邉委員が言った過当競争といいますか、この状態はかねがね私ども心配しておった問題であるのです。それは、私は北海道が選挙区なものだから、絶えず千歳の飛行場飛行機を利用しています。そうすると、全日空に乗ることもあれば日本航空に乗ることもある。ここに一応問題があったのは、全日空のほうはふだんサービスがいいといいますか、時間が正確なんです。発着の時間が正確で、日本航空のほうはとかく発着がおくれるのです。そこで利用者の側からいうと、全日空はなかなかサービスがいいというのです。日本航空は一時間十分で行くのです。それを一時間ジャストで行く、あるいは五十分で行くというサービスなんです。そんなことに魅力を持って全日空がなかなか多かった。そこで全日空は、御承知のように経営が黒字です。日本航空のほうはむしろ国際線は黒で、国内線は赤字だ。こういうところに私は、全日空は営業上の利益があったと思うのです。ところが今度の事故を起こしてみると、いままで日本航空のほうがサービスが悪かったと言ったが、技術の面においては非常に注意をしておったために、安全性を持っておった。五分や十分、安全性を持つためにおくれてもしかたがないということでありましたが、全日空のほうは、今度の事故を見ますと、あのボーイング727というものは、会社側も言うとおり急降下が非常にあぶないということになっているのです。これは全部承知しているのです。当局もわかっているのです。そして急降下に対する注意は会社側にも注意をし、飛行機操縦士にも注意をしたと聞いている。それで八千メートルから降下するので、急降下はできないから、木更津のほうを回って東京湾に入る、羽田に入る。われわれ乗っているからわかる。非常に遠回りするなと思うけれども、そのくらい遠回りしないと安全性がないのです。ところが今度のあの事故原因を聞きますと、何か飛行機が十五分か二十分おくれたそうだ。そこで急にこれを取り戻そうという考え方かどうか知りませんけれども、平素のこのサービスの観念が操縦士にうつってかどうか、木更津を回らずに、急降下して直接羽田に来たのです。だから、急降下の場合における性能は危険性があることは、如実にこれで私どもはわかったと思うのです。こういうような事柄は、いま考えてみれば、平素に五分か十分を争ったこの過当競争が、こういう大きな事故を起こしたということになる。だから全日空のほうは、社長でも専務でもこれは全部営業マンだ、事務屋なんです。日本航空は、松尾社長は技術屋なんです。そこで技術に非常に力を入れているということは、私はかねがね聞いておったが、今度の機会で、なるほどいままでの日本航空が発着がおくれたという理由は、信用を取り戻した、こういうような感じを持っておるのです。先ほどから言うとおり、日本国内に、羽田から千歳まで一時間から五十分、あるいは九州に行ってもその時間、これがかりにプロペラで二時間かかっても、わずか一時間か五十分のことなんです。そんなに急ぐ必要はないと思うのだ。しかるにジェットが利用されるために、お互いに会社が競争する。しかもジェットは十三億、片一方は三億というのに、赤字をしょい込んでまでこのジェットの時代に競争するということは、日本航空行政はよほど考えていいことではなかろうか。この事故を契機といたしまして将来の根本的な安全性を考えるならば、国際的に観光客も誘致するときに、国際的信用を高める意味においても、こういう問題を基本的にひとつ考えて、先ほど田邉委員も言うとおり、国内線はジェットはやめて、そしてほかの飛行機でいくべきではなかろうかという感じを僕は持っているのです。そうすれば飛行場設備にしても、その性能にかなった飛行場であればよろしいのです。国際線ならばもちろんこれは大事です。国際的な線ですから、これは別ですよ。しかし国内線については、そういうような角度で将来の安全性を保つべきではなかろうかと思う。運輸省はどういうお考えでしょうか。これは調査会等をつくって至急に対策を立てるべき問題でありますから、その場合にも私はこれを申し上げたいのだが、この機会にこの委員会で当局の御意見を聞いておきたい。
  63. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 いま南條委員が言われました競争の姿というものは、これは正常なるサービスの競争の姿とは考えられぬと思います。そういうことがいろいろ事故を起こす原因となっていくというようなことが懸念されますので、現在航空企業の人たちに私のほうから要請いたして、自主的に体制をつくってくれということの主目的の中にも、正常なるサービスの競争というものは必要でございますが、正常ならざるいわゆるサービスの競争というものは、いま申されますように、いろいろの問題を引き起こしますので、そういうことを航空企業自体もやらないようにつとめていただくことも、これはきわめて大切でございますが、やはり航空企業のあり方そのもののくふうによっても、そういう過当競争といいますか、不正常な競争が起こることのないような方法がやはり考えられるのではないか、そういうふうなことを考えておりまして、今回の航空企業の再編成といいますか、そういう面でもいま南條委員が仰せられるような点等を含めまして、今後の課題として検討を続けさしていっておるわけでございます。十分そういう点については政府といたしましても、さらに気をつけて指導、行政をやってまいりたいと思います。
  64. 南條徳男

    ○南條委員 これはぜひひとつお願いしたいが、もう一つは、これは一運輸大臣の解決する問題ではないけれども政府として、かねがね私ども言っておることで、この遭難があった機会に根本的に直してもらいたいのは、日本飛行場旅客機とそれから自衛隊機と競合して使用しておる飛行場がある。何カ所ありますか、航空局長
  65. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 防衛庁の飛行場を民間に用いておりますのが六カ所でございます。それから米軍飛行場を用いておるのは四カ所でございます。
  66. 南條徳男

    ○南條委員 そこで、そういう数多く旅客機と一緒に競合させるということに、いまジェットの時代になって、これがジェットを使わない飛行場ならまだいいけれども、ジェットで競合する飛行場については非常に危険が伴う。北海道の千歳の飛行場も、もともと陸軍の飛行場だった、それを旅客機に使用しておるものだから、非常に飛行場は広いのだけれども、いま自衛隊の練習機はジェットです。向こう管制は、だからして自衛隊がやっておる。運輸省ではないのです。そうすると、旅客機は従なんです。向こうが練習しておるというと、旅客機が来ても、ちょっと待て、こう言われる。その際にちょっと間違ったら自衛隊のジェットと衝突することはたびたび起こるわけです。そういうあぶなかったことを私は二、三知っている。そういうように、こういう事故が起きてからの対策ではだめですよ。当然これは事故が起きるということが予想できることだから、これは自衛隊機と旅客機とは競合して使用する場所においては、分離すべきであるということを基本的に考えてもらいたい。この機会に運輸省は強くこのことを自衛隊にも主張し、そうして政府のほうも直してもらいたい。われわれは、北海道の千歳の飛行場は、それであるから、あそこは非常に広い場所だし、北海道は広いから、地域もたくさんあるから、どっちか分離しろという主張をしているのです。千歳の飛行場は札幌や室蘭にも近いから、一般の旅客機としては千歳におりられる旅客の専門にしてほしい。自衛隊は北海道内に幾らでも広いところがあるから、ほかにかえればいい。ところが自衛隊は自分の飛行場だからこれは絶対に離さぬ、こう言うらしい。先般の新空港の問題でも、霞ケ浦を調査したところが、一番難関なのは霞ケ浦には自衛隊の飛行場があるので自衛隊が聞かぬ。こういうことでまた戻って富里にきたということになっているわけです。そんなことで、政府自体がこの大きな航空安全性ということを考えるときに、自衛隊と運輸省が調整できないというようなことでは、とても将来の安全性は考えられない。私はこの問題をぜひひとつ、運輸大臣はどう考えられるか、基本的な方針をお聞きしたい。
  67. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 いま南條委員の御指摘のありました点は、きわめて重要な問題でございます。この機会に、こういう事故が起こりました機会ということではなんでございますが、これを契機として再び航空事故をなくするという一つの目的のためにも、航空管制といいますか、航空行政の再検討というようなものを、ひとつ急いでやりたい。その中には、いま南條委員の言われましたような、そういう自衛隊機との関連等をも含めまして、航空行政といいますか、そういう点を根本的にひとつ検討して安全を確保してまいりたい、かように考えております。
  68. 南條徳男

    ○南條委員 いまの大臣の御答弁はごもっともなんで、これはたびたび、前々からその点は言っているけれども実現できない。今度の大きな事故を契機にしまして、臨時調査会でもつくってこの基本問題を政府としてきめてもらいたい。絶対に自衛機と旅客機は一緒に使用せぬ、この基本方針をぜひ立ててもらいたい。事故が起きてから事をかまえますけれども、そんなことをいたしますと、世界の観光客を誘致する北海道というものは非常に大きな打撃ですよ。そこでこれは何としてもぜひ臨時調査会でもつくって、この安全性ということに対していろいろな角度から研究してもらって、先ほど私の言ったことを取り上げてもらいたい。私は一例でありますけれども、国鉄の新幹線ができた当時、大体時速二百キロも走るといった、これはあぶない、昔のプロペラの時速くらいで走っている、いまでも四百キロくらいでしょう、こんなあぶない汽車には乗れないと思って、私は一年間は乗らなかった。はたして一年間の間に新幹線は事故だらけでしょう。こんなのはもし事故が起きたら、一千人くらい死んでしまう。こういう事故に対する運輸省としても十分な調査や研究ができておらぬから、絶えず雪が降ったら事故だ、雨が降ったら事故だ、出くずれだ、こういうことでは、ただスピードだけ上げればいいというものじゃないのです。運輸省は船でも陸でも空でも全部輸送に携わっているのですから、すべてに対してこの安全性を考えて、ただいたずらにスピードを出せばいいというものではなかろうと思う。そういうことを考えたときに、私はこのジェット機時代だろうけれども、これは国際的に考えていくべきものであって、いまの日本のような——ことにジェットは戦闘機というようなもので、軍備の場合には、非常にふだんの飛行機の練習等からして必要でしょうけれども、これはぜひその点を考えて大臣に御協議願いたい、これだけ申し上げて私の質問を終わります。
  69. 古川丈吉

  70. 久保三郎

    久保委員 飛行機事故、それから船、鉄道の事故もありましたが、そのたびに実は同じような、というては語弊があるが、この安全第一だということについて、当委員会では同じことをたびたび繰り返し言っておるわけだし、そういうふうにも聞いておるわけです。今度のような事故がたび重なるというか、不幸にして重なったこの航空機事故に対しても、これによって犠牲というか、とうとい命をなくされた人たちには心からの哀悼の意を表しながらも、私は、いまからこれを質問するにあたって、半ばむなしさを感じつつ質問するわけであります。  これは、私自身も非常に残念だと思っているのです。いままで委員各位から出てきた問題は、新しい問題は一つもありません。いままでこの国会の中で、どこかで言われたことであります。変わったものはほとんどない、私はそう思うのです。今度こそ、こういうふうに続けざまに大きな事故が起きて、やはりいつものとおり、私は人間の能力には限界があるのだということを全く思い知らされた感がするのです、人間の能力には限界があるということを。そうなるというと、いままで政府自体でつくっていた、たとえば航空機にすれば、航空機事故の対策委員会というか、そういうところからもたくさんな、結論として勧告というか答申が出ている。まじめにといっては語弊があるが、そういうものを着実にやっているならば、これはいまさら問題はなかったのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。  そこでお聞きしたいが、いわゆる人間の能力には限界があるという観点からするならば、飛行機の操縦にはやはり操縦士が原則的にも——これは副操縦士じゃなくて、操縦士が複数で人間の面から安全を守る、こういうことを考えてみることも必要じゃないだろうか。ところがわれわれは、機械が長足に進歩したせいかしれませんが、こういう計器なりこういう飛行方法をやれば、一人の操縦士でも問題がないのだというような結論をどうしてもつけがち、それから企業の立場からいけば、一人でもそういう人間を減らすことがコストに直接響くものでありますから、そういうことからして何かどうも簡略にしがちに考えられます。よって、私はよくわかりませんが、この操縦者を複数制にするということは、いまどういうふうな規則になっているのですか、これは航空局長からお尋ねしましょう。
  71. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 航空法第六十五条には「航空機には、第二十八条の規定によりこれを操縦することができる航空従事者を乗り組ませなければならない。」ということで、航空機種類にもよりますけれども、複数を予定しておるということの規定がございます。
  72. 久保三郎

    久保委員 今回の事故の場合は、全部複数で操縦を担当したのかどうか。
  73. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 複数でございます。
  74. 久保三郎

    久保委員 それはいわゆるキャプテンとコパイロットですね。
  75. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 さようでございます。
  76. 久保三郎

    久保委員 私が言いたいのは、コパイロットではなくして、本物のキャプテン二人、言うならばそういうものの必要がありはしないかと思っているのです。というのは、コパイロットは副操縦士なんです、どこまでいっても。これは単独で飛行する場合がはたして資格としてあるのかどうか、これはどうなんですか。
  77. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 現実には久保委員承知のように、両方十分機長として働き得る者が乗っておる場合がございます。
  78. 久保三郎

    久保委員 乗っている場合があるのじゃなくて、では乗ってない場合もある。資格の違うもので乗っている……。
  79. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 資格が同じの場合もあるし、違っても差しつかえない場合もございます。
  80. 久保三郎

    久保委員 違っても差しつかえない場合というのはどういう場合かわかりませんが、私が聞きたいのは、これはどういうふうにやっているかわかりません。しかし機長と副操縦士ではだいぶ経験、技術、そういうものが違うのが常識のように聞いておるわけです。そうではなくて、ほんとうのキャプテンになる資格、経験というか、そういうものが十分ある者が二人乗っているということなのか、その辺聞きたかったのですが、こまかい点だし、時間もだいぶはずれていますから、それはその程度にしておきますが、ただその場合、いままでの操縦士の免許、これは飛行時間だけで何時間その飛行機に乗らなければ操縦士の免許は与えない、こういうふうになっていると思うのだが、そのとおりですかね。
  81. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 飛行時間とこの具体的の機種によって免許するというたてまえをとっておりますというのが、御承知のように現状でございます。
  82. 久保三郎

    久保委員 結局、私の質問のとおりで、飛行時間が一つの基準になっている。そうですね。私が言いたいのは、もうすでにわかっていると思うのでありますが、今回の事故うち二つは着陸のときに事故を起こしておるわけです。新聞などを見てもある操縦士というか、非常に経験がある機長の話として、何回やっても着陸の際はやっぱり異常な緊張にかられるというようなことを言っております。しろうとの私にもその気持ちはよくわかるのです。しかもあなたたちがつくった臨時民間航空事故防止専門調査団、この答申、これは三十九年の八月九日に約半年くらいかかって出てきているわけですね。その中にも言及しているのは、いわゆる飛行時間だけじゃなくして、離着陸の回数もそういう資格の中へ当然入れるべきだと、これは答申しておる。いまの回答を聞くと、そんなものは基準の中にも入っておらぬ、こう言う。だから私は、これについては十分な関心というか、方法をとるべきだと思うのであります。ところが、そういっても直ちに、では離着陸の訓練ができるのかというと、先般、昨年ありましたように、未完成の飛行場でいわゆる離着陸の訓練をしたということで、そのときにも事故があった。結局、訓練には訓練の飛行場がなくちゃならぬ。ところができないものだから、一部はアメリカに行ってやっている。あとはどういうふうにやっているのだろう。だからさっき申し上げた副操縦士などは、いわゆる経験の足りない者を、実際に人間と荷物を積んだままで、いわゆる訓練をしているのじゃなかろうかという気持ちにもかられる。これは非常に危険だと思います。これこそやはり大きな問題として取り上げてもらわなければいかぬと私は思うのですが、これは大臣、どうですか。
  83. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 政府委員から答えさせます。
  84. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 現実の訓練飛行の場合には、御承知のように、乗客を乗せながら訓練ということはたてまえ上ないわけでございますが、ただ久保委員御指摘のように、訓練飛行場整備の必要性はわれわれも痛感しておるわけでございます。
  85. 久保三郎

    久保委員 痛感しているというのは、それでは四十一年度の予算——いま参議院に回って審議中だが、そういうものは入っているのかどうか、大臣に聞きましょう。訓練飛行場というのは非常に大事だという話をした。航空局長は、そのとおりだ、こうおっしゃる。ついては、そういうものが予算の中に入っておりますかと私があなたに尋ねている。
  86. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 現在の時点におきましては訓練飛行場設備はございませんが、できるだけ早い機会に私はやはりこの訓練の設備をせなければならぬという情勢にあるということは、強く感じておるわけでございます。御承知のように、現在ではジェット機の訓練なんというものは、民間企業自体がやるとか、あるいは民間企業がアメリカに練習にやるとかいうようなきわめて弱い体制でございますので、これはやはり企業自体の力ではようやり得ないと思いますので、そういう方法を考えなければならぬと存じております。
  87. 久保三郎

    久保委員 どうもたよりない御返事なんで、これは大臣以下ここにおいでの皆さんは、まあいまのところたくさんな事故でありまして、心身とも弱っていらっしゃるので、あまり強いことは言いません、いずれ元気になったときにまた言いますけれども、私は、冒頭言ったように、こういう質問をすることにむなしさを感じつつやっているのですよ、実際は。ここだけの議事録に載るだけか。しかしまだ国民は、われわれがこの委員会で審議することについてむなしさは感じていないのです。救われることがあるのです。ところが、いまの御答弁で、いずれそのようにしたいというだけであっては——これはあなたの責任ではないですがね。政府全体の責任となるわけですよ。  次に聞きましょう。待避の飛行場としては、たとえば千歳と板付、そういうものだけしかないというふうに聞いておる。この間というか、きのうあたり総理大臣から、代替飛行場整備を急速にやれ、予備費も使ってよろしい、こういうような話も出たそうだが、それでは即刻この計画をどことどこで推し進めるか、これは具体的だからわかるでしょう。
  88. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 代替飛行場につきましては、久保委員承知のように、名古屋、大阪、板付、千歳等があるわけでございます。そこで、これはしかし具体的に使用する場合に、たとえば進入援助施設をもう少し整備する、たとえばILS整備するというような問題がございますので、それについては従来の計画を促進するという考え方で現在鋭意検討を進めておるところでございます。
  89. 久保三郎

    久保委員 これに関連して、自衛隊並びに米軍飛行場がありますが、これは協定か何かあって、そういう場合、いわゆる緊急の場合、そういうものは代替飛行場として連絡のしようによっては使えることになっているのか、いないのか。なっていないとするならば、これは早急に政府部内なり、あるいは対米交渉によってできると思うのだが、これをやる腹があるかどうか。
  90. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 いま申し上げましたように、現実の気象条件その他の制約からしますれば、ある程度離れているところが気象条件が変わるというような事情もありまして、名古屋、大阪等が現実に代替飛行場として指定されておるわけでございます。ただそのほかに、現実に燃料等も余裕がない、緊急に避難をしなければいかぬというような場合には、従来東京周辺の軍用飛行場が緊急避難のために使用されたという例は、御承知のようにあるわけでございます。
  91. 久保三郎

    久保委員 次に、さっき気象庁から御答弁もありましたが、航空気象についてわれわれしろうとの目から見ても、かなり立ちおくれがあるのじゃなかろうか、こういうふうに見ているわけです。立ちおくれがあるのかないのか、大体いまの管制なりあるいは飛行の現状からいけば、気象庁としては十分であるのかどうか、いかがですか。
  92. 柴田淑次

    ○柴田(淑)政府委員 さっきもちょっと申し上げましたように、現在のところはICAOあるいは世界気象機関の会議においてきめられました基準にのっとりまして、われわれの航空気象台は仕事をしているのでございます。大体のところまあまあその基準に合っている程度でございますけれども、なお考えてみますと、これでは決して満足ではないということは確かでございます。したがいまして、どういう点に不備があるかというようなことはかねがね検討しておるところでございますが、こういうような機会になおそれを検討しまして、不備のあるところは早急に改善していきたい、改善するように前向きの姿勢で努力したいというように考えております。
  93. 久保三郎

    久保委員 長官、そうしますと、来年度予算では特別に航空気象の問題では要求はしてない、こうとってよろしいですか。
  94. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 航空気象の問題は、数日前総理から私、指図を受けまして、やはり完全な気象情報を提供することが安全につながる唯一の道である、そこで航空施設として整えるものがあれば、安全度が強化されるというような設備については急いで検討してみろ、その上で直ちに実施に移すようなことを考えよ、こういうことで、いま計画中でございます。
  95. 久保三郎

    久保委員 次に、航空局関係が、新しい大臣と言うと語弊があるが、中村大臣になってからこういう話をしたかどうか知りませんが、飛行場における消火能力の問題であります。これはこの委員会でたびたびいままで指摘をされたところだが、特に、たとえば羽田なら羽田空港の消防体制はなっておらぬ。なっておらぬというのは、一応化学消防車やいろいろ機械はやや完備された感もあるが、肝心かなめの操作をする人間が充足していない、というよりは、平均していうなら一台の自動車に一人ぐらいしか大体要員の配置はないというようなことで、この委員会でもたび重なった質問なり要求が出たのでありますが、ついこの間の事故においても何かあまり十分でなかったような新聞報道が見受けられます。これは人が少ないことでありますから、別に答弁は要らないのです。少ないものを、今回これを契機に、規定の線まで充足することを考えているかどうか、これが一つ。  もう一つは、地域消防というか——空港内の消防はいわゆる運輸省あるいは航空保安事務所、こういうものの単独でやるのが原則だろうと思うが、地域にある消防署、あの辺は何消防署というか知りませんけれども、そういうものとの連係、あるいはこういう事態が起きたらこういうところに連絡すればこういうふうに協力体制ができるのだという、そういう協力体制も何かないらしいような話を聞いている。これは自分のところの能力も考えなくちゃいけません。もう一つは、能力がないとするならば、少なくともその周辺にある地域の消防組織に対して協力体制をとらせるということが必要だと思うのです。これはとってないのか。なければ協力体制を築くのかどうか、この二点。
  96. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 まずカナダ航空機の事故の際の消火活動でございますが、これは七時十五分に火災の通報を受けて、二十分には現場に到着して消火に従事をしておりますので、その出動の状態は、現在の施設においては一応迅速であったというふうにお考えいただいていいと思います。ただこれで十分であるかどうかというようなことは、今回の事故の経験にかんがみまして、なおわれわれとしても真剣に検討をいたしてまいりたい。  羽田のいわゆる自衛消防以外の消防の協力の問題でございますが、今回の航空機火災でも地元からの協力を現実に受けておるわけでございまして、われわれとしては、問題はやはり羽田の消防自体の消火能力の検討が一番中心の問題であると考えておるわけでございます。ただ、消防庁のほうから、なお具体的な協力のしかたその他について打ち合わせをしたいというような意向があるように新聞等でも伝えられておりますので、それらの点については、なお具体的な、事務的な運び方について、消防庁等と将来十分に連絡をとってまいりたい、こういうふうに考えております。
  97. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私からも補足しておきたいと思いますが、この羽田の場合はわりあいに消防設備もみずから持っておるといっていいと思いますが、全国にある飛行場の消防装置を考えますときに、やはり外部の消防施設と密接なる関連を持って非常の場合に処することは非常に必要なことだと考えますので、いま久保委員の指摘なされました他の消防機関との密接な関連体制というものを私は早急に検討して進めてまいりたい、かように考えております。
  98. 久保三郎

    久保委員 次には、管制官の仕事というのは、またこの事故を中心にして、非常に大事な仕事であるということが表面に出てきたと思うのです。この管制官の問題についても、従来たび重なるここでの論議がございました。ところが、聞くというと、いまだにその体制はあまり前進がない。しかも要員を獲得する面でもなかなかはかばかしくいかぬというようなことをわれわれは聞くわけであります。でありますから、この管制官の身分というのか、待遇というのか、あるいは資格の中身というのか、そういうものはこの際抜本的に考え直さなければいかぬだろうと思うのです。もちろんこれは運輸大臣だけの問題じゃなくて、むしろ運輸大臣は、総理が補助飛行場というか、代替の空港をつくるのに必要ならば予備費も使ってよろしい、こう言ったとするならば、この際こそこの航空管制官の問題も閣議へ出すなり、あるいは総理と直談判して、もっと体制を固めていくということが必要ではないかと思うので、所信のほどをお聞きしたい。  それからもう一つは、これはどういうことになっているかわからぬが、重要な搭乗員と管制官との間の通信が、たまたま機械が悪いのも一つでありましょう、そういうことが原因で混信が多い。そのために大事な通信がどうもうまくいかない場合が過去においてもあったとわれわれは聞いているのです。だから、そういう設備の更新というか、これも考える時期がきていると思う。ついては、こういうものはいまさらのことじゃないのでありますが、来年度予算でこれは直すことになっているか。いかがですか。
  99. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 航空管制の問題でございますが、現在の日本航空施設の中での航空管制の体制というものは、一応安全度を確保するだけの体制は持っておると思っておりますけれども、御承知のように、航空企業の進歩の度合いが非常に速うございますので、それにやはり追いついていくということが非常に困難な情勢等がありますので、これはきょうも管制の第一線についておる人たちの意見を十分聞きまして、速急にできることはもう直ちにやりたい。  さらに、職員の待遇等についても、今後十分検討いたしまして、できるだけの優遇措置をしていく。これは縁の下の力持ちのような役割りでございますので、そういう点等を考慮に入れまして、そういう点等を含めまして今後検討いたしまして、これもできるだけ早い機会に優遇措置を考えていきたい、かように考えておる次第でございます。
  100. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 管制官の待遇でございますが、いわゆる運用の管制官につきましては三十八年の十月から俸給の八%の調整額を認められたわけでございますが、ただいま御審議いただいております予算が成立しましたならば、四十一年度四月から管制通信官について四%の調整額を支給できることになっております。それから管制通信の機器の状態は、新聞等にも出ましたので、調査いたしました結果、三十五年以降のものでございまして、この機器自体が老朽のために通信が非常に悪いという状態ではない。  ただ、久保委員承知のように、地対空の通信には同一の波長を使っておりますので、高々度からの通信の場合に東京、名古屋、大阪等が同じ波のために二つの話が聞こえるというような事実はあるようでございます。これは電波の波長を若干変えることによってその混信を防ぐことは可能でございますが、しかし、実際に航空機の操縦者からいたしますと、違う波長がかえって使いにくいというような意見もございまして、現在は、一応同一波を使う、しかし違った波長も使い得るように、違った波の地上設備も設けておるわけでございますので、これを適当に運用いたしましたならば、そういうような混信等の問題は生じないという現状でございます。
  101. 久保三郎

    久保委員 先ほどの質問で、安全のために再編成するというような話が出ましたね。私はこれは違うと思うのですよ。安全の問題は、これは単独ですよ。再編成しようがしまいが、いまの航空企業のあり方、あるいは運輸行政のあり方によっては——これは実際再編成したって安全性は増すことはありませんよ。そのために、さっき申し上げたように、臨時民間航空事故対策調査委員会ですか、そういうものからもいろいろ出ていますが、これは一つであって全部じゃないです。間違っちゃいかぬと思うのですよ。再編成をしますからそうすれば直りますなんて簡単な問題じゃないと思うのです。だからこれはもうちょっと考えなければいかぬ。  それからもう一つは、さしあたりの問題として、乗り組み員というか、特に操縦士の健康管理というものはどうやっているかということです。これは必ずしも十分ではないと私は思うのですよ。あなたのほうで諮問したこの事故調査委員会からの答申にもありますように、たとえば、かぜを引いた場合に、自分の家で売薬を飲んだ、それでなおった、それで出勤していって飛行機に乗った、そういうことには書いてありませんが、そういうことになりまして、はたしてそれが普通の状態であったかどうか、これは非常に疑問がある、そういう点まで言っておりますね。この操縦士の健康管理は独自の立場ですべきであるし、適性検査についてもあらためてやる必要があると思うのです。この点についてはもう何か施策をめぐらしているのかどうか、これが聞きたいわけです。  それから二つ目として、こういう際でありますし、先ほど来の話でも、国内線は特に過当競争になっている。国内幹線でしょう。だから、国内幹線については、再編成とは別個に、とりあえず過当競争を排除する、そういうたてまえから便数の調整をはかる用意はあるか。いまの便数では、おそらく消席率は半分以下で、企業にとっても赤字なんですね。そういう無理をしていままでどおりの便数を飛ばす必要はない。だから合理的な便数調整をやはりやっていくべきではないか。これは再編成その他とは別個に考えるべきだと思うのだが、この用意はあるかどうか。いかがですか。
  102. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘のように、操縦者の健康管理、適性検査の問題について措置をする勧告をいただいておるわけでございますが、この具体的の問題については、航空大学校における採用の際に、現実に航空機の操縦を経験させてその適性を調べるというようなことに着手をいたしておるわけです。その他の具体的な基準につきましては検討を進めておるという段階でございます。  第二点の機数、便数の調整でございますが、これは先ほど大臣が御説明申し上げました、航空会社各社長を呼びましたときに、具体的に最近における輸送需要の見通しを述べまして、早急に四十一年度の自主的な機数、便数の調整を行なうことということを要望して、現在関係会社間におきましてこれの具体的なお打ち合わせを願っておる段階でございます。
  103. 久保三郎

    久保委員 これは大臣に言っておくのですが、別に答弁は要りません。  航空行政というのはわれわれが国会へ来てから見ても二転三転しているのです。しかも、今度はあわてて再編成をしろというような勧告書みたいなものを出している。これは世の中から、政府においては航空政策はなくて空政策だ、こう言われているのです。だから、この際、何かを勧告したりやらせようとする場合は、やっぱりもっとどっしり腰を落ちつけて方針を示すなり、そのほうへ誘導すべきだと私は思うのです。もちろんそうだとはおっしゃるかもしれませんが、いままでの歴史を一ぺん読み返してみて、やはり政府自体も反省すべき点は十分に反省して、航空企業に対しても、忠告を与えるなら与える。ここだと思うのです。何回も引き合いに出す、あなたのほうで三十九年の八月かに答申をもらった事故調査特別委員会の答申にも、言うならば安全の問題でやらなければならない多くのものは官側にあると言っているのです。企業側にあるとは言っていないのです。官側にある。その点も反省すべきだと私は思います。  それから海上保安庁長官にお尋ねしますが、全日空遺体捜査に出動していたヘリコプター墜落したということでありますが、この原因はおわかりでありますか。わかれば簡単にお答え願うと同時に、全日空遺体だけはまだ上がらぬものもある、その捜査に従事した保安庁の職員も、いまだに上がってないものがある。これは非常につらいむずかしいことだと思うのだけれども、私は最後の一体まで引き揚げる体制はくずすべきじゃないと思う、何年かかっても。私は四国のある土地へ行ったことがあります。山がくずれて、そこで働いていた職員はどこか岩石の中に埋められたままで今日いるそうです。その事故の当時はみんなが一日も早く見つけて掘り出せと言ったのだが、今日ただいまではもう忘れかけて、知っているのはただその遺族だけだという。そういう悲しみだけはぜひ——政府なり関係企業もつらいだろうが、やはり最後まで遺体を探す努力は続けるべきだ。これはほんとうに当然だという話が出ます。私は、これは答弁は要りません。むしろお互いの心がまえとして再確認をしたほうがいいと思うのです。それだけです。
  104. 栃内一彦

    ○栃内政府委員 ただいまお尋ねの、今回のヘリコプター事故原因につきましては、本日機体が上がったという報告を受けましたが、まだ事故原因調査まで進んでおりません。この点につきましては、運輸省航空局の専門の係官によく調査してもらいたい、かように考えております。
  105. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 いま久保委員は答弁は要らぬからとおっしゃいましたけれども、これはやはり遺族の人たちが聞いて、大臣が答弁もしなかったということで誤解を生じては困りますので、一言お答えいたしておきたいと思います。  政府といたしましても、遺体を完全に引き揚げてしまうという決心をもちまして、事故発生当時から今日も全力をあげて努力いたしておるつもりでございます。この努力は引き揚げが完了するまで続ける決心でございます。
  106. 古川丈吉

  107. 肥田次郎

    肥田委員 時間もだいぶたちましたから、問題の要点をしぼって質問いたしますから、答弁もひとつ簡単にお答えを願いたいと思います。ただし正確に要領を得た答弁をしていただきたいと思います。  報告書によりますと、BOACボーイング707型の飛行機羽田を十三時五十八分に有視界飛行で離陸をし、そして十七分後には太郎坊付近墜落しておる、こういうふうになっているのですが、これは結局目撃者の話を総合してみても、金時山、御殿場というふうな方向を飛んでいますから、約八十キロないし九十キロの距離ということになると、この飛行機羽田を離陸して、例のブルー14を突き抜けて飛んだということになるのですが、これはこういうふうに理解をしてよろしいですか。
  108. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 まだこれは正確にはわかりませんが、おそらくおっしゃるようにブルー14の付近を直距離で飛行したのではないかというように思われます。
  109. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、有視界飛行で大島から串本の方向に向いていくのだ、こういうふうに機長が通告をして離陸したというふうに新聞では書いているのですが、これは誤りですか。
  110. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 それは誤りでございます。
  111. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、私がお伺いしたいことは、この707型機がこういう飛び方をしたということについて問題になるのは、ブルー14のこれについての制約との関係はどういうふうなかっこうで飛び立ったのか、これをお伺いしたいと思います。
  112. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これは正確に調べなければわかりませんけれども、原則として、有視界飛行の場合にはその飛行経路の制限はございません。
  113. 肥田次郎

    肥田委員 有視界飛行の場合には制限はない。そうすると、ブルー14というのは、この壁は関係ないのですか。
  114. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 肥田委員承知のように、有視界飛行の場合には現実に目で航空機の運航状態を見て飛ぶわけでございますから、したがって飛行のしかたについての制約はないということになるわけでございます。
  115. 肥田次郎

    肥田委員 それではお伺いしますが、私はこれはたいへんな問題だと思うのですよ。私は、このBOAC飛行機がどういうコースを飛んだかということが一つは事故原因にもなっておるから、これをお聞きしておるのと、それから従来いわれておるのは、ブルー14の壁というものは許可なしには通れないのだというふうにわれわれ承っておったのだが、この関係はどうなんですか。
  116. 泉靖二

    ○泉説明員 お答えいたします。  当該機は最初、計器飛行方式によりまして香港までの飛行計画を提出いたしておりました。ところが、東京国際空港を離陸いたします以前に、富士、それからレベルインターセクションと申しますが、これは浜松の少し南の地点であります。それから串本まで有視界飛行を行ないたい、そういうことを管制塔に要求いたしまして、それで有視界で出発したわけでございます。そのような場合には、有視界気象状態において有視界飛行を行なっている航空機は、他のすべての航空機に対して衝突をみずから防止する責任がございますので、自由に経路の選定ができるわけであります。
  117. 肥田次郎

    肥田委員 どうも私はいまのおっしゃられた表現が理解できないのですが、片一方は有視界飛行機だからおまえに責任があるから目で見て衝突しないように飛びなさい、こういうことだから責任はない、こうおっしゃるのですね。ところが、相手が計器飛行でやっていた場合に衝突という事故が起こった場合には、責任がないでは済まされない。これはあとでひとつよく研究してみてください。そういうふうな単純なものの考え方をされておるということは、これは私は大問題だと思います。
  118. 泉靖二

    ○泉説明員 少し舌足らずな表現をいたしたと思います。もう少し詳しく話したいと思います。  まず気象状態を二つに分けて考えてみますと、一定の気象よりも雲からの距離ないしは視程が悪くなった場合に計器気象状態と申します。それよりいい場合は有視界気象状態と申します。それで計器飛行計画気象状態にかかわらず、有視界でありましても計器でありましても提出することができます。しかしながら、一定の気象よりも悪くなったときは、必ず計器飛行方式で飛ばなければならないわけでございます。ですから、ただいま御指摘の有視界気象状態の中にも、計器飛行方式で飛んでいる飛行機と有視界飛行方式で飛んでいる飛行機と両方ございます。さらに計器飛行方式で飛んでいる飛行機であっても、有視界気象状態の中では計器だけを見て操縦してはいけない、外を見なさいという規定がございます。そうやって衝突を防止しているわけでございます。御指摘のように、全部有視界飛行をやめて計器飛行方式をとればいいという考え方はございますけれども、これを現状の施設でいきなりやりますと、非常なディレーが生じますので、この方式につきましては施設と人員の整備をまたなければ、直ちには全面的に実施できない状態になっております。
  119. 肥田次郎

    肥田委員 私はもう少し聞いておきたいのは、結局今度の707型機の事故は別にして、羽田を離陸すると大島へ出て、そうして浜松からずっと西へ下っていくのが通常のコースじゃないのですか。ブルー14を通るということは、これは許可制じゃないのですか。
  120. 泉靖二

    ○泉説明員 通常西のほうに出ますルートは、御指摘のように、館山から大島、それから浜松を通って出てまいります。ブルー14も同様の経路でございまして、南北に飛行しようと思うときにはあの経路を通るわけでございます。ですから、それを横切るときに必要な管制許可というものは、たとえばいま御指摘のありました大島、それから浜松、名古屋、これはグリーン4と申しております。これを横切るときに要する許可と本質的には同じものであります。ただし東京の西のほうにあります立川、横田、入間川、厚木、こういう四つの防衛上の飛行場に相当の航空交通量がございますから、そこを横切るためには非常にひまがかかる、そういう現状でございます。性格としては同じでございます。
  121. 肥田次郎

    肥田委員 もう少し——言えなければいいんですよ。しかし、言えるなら、これはこの際明らかにしてもらいたい。要するに、米軍とそれから航空自衛隊との間のいわゆる制限というものがどういうふうになっておるか、これくらいなことは私は、言ってもらったって差しつかえないと思うのですよ。話が横道にそれましたが、しかしこの飛行機についてはこういうふうに言っているでしょう。これは新聞に書いてあるのが間違いかどうかわかりませんが、そういう飛び方をするはずはないのにああいうことをやったと、こう書いてある。つまり、羽田を離陸するとその飛行機は大島へ出て、そして大島からずっと西へ下っていくのだ、こう言っておるんだ。それを、時間的に見ても、ブルー14の壁を突っ切って、そうして富士山ろく太郎坊に向いて飛んでいっておる。この飛び方はイギリスの飛行機はやるはずはない、観光なんかでそんな方向に飛ぶはずはない、こう言っている。  それはそれとして、私が今日まで聞いておったのは、これは前航空局長の栃内さんもおられるから、ひとつはっきりしてもらうが、あのブルー14の壁が——これが自由に西行きに運航ができると、東京大阪間で輸送コストは三割安くなりますと、こう言っているんです。それが制限のために通れないのです、だから大島回りでみな行きます、こう言ったでしょう。これはうそですか、航空局が言っておるのは。航空局からもらった資料にもありますよ。これはうそですか。
  122. 泉靖二

    ○泉説明員 定期は通常、大阪に参りますときに、必ず計器飛行で飛ぶ習慣がございます。そういたしますと、ブルー14を突っ切ってまっすぐ飛ぶには非常なディレー、遅延を生じます。ですから、たいていの場合、大島を回っていくわけでございます。ただし、有視界であすこを突っ切っていくといたしますれば、今度の英国航空機のような飛び方をすることは許可はされます。天気さえよければ許可はされますが、それはあまり勧められる飛び方とは申せません。
  123. 肥田次郎

    肥田委員 それじゃ、話がちょっと横へそれましたけれども、なおお伺いしたいのは、羽田空港を飛び立つ飛行機は全部どちらに向いて飛び立つのですか、離陸するのですか。あの二本の滑走路で……。
  124. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 現実に滑走路を使う方向としては、風向によってどちら側でも使っておることは、肥田委員承知のとおりであります。
  125. 肥田次郎

    肥田委員 航空局長、あなたはいま、うしろの実務を担当しておる人が言えないのにお答えになりましたがね、私はこの間、どのチャンネルだったか忘れたけれども、あれはたしか、あなた出られたのと違うのですか、テレビ対談に。そうして、羽田の空路は二本あるけれども、この二本の空路は事実上一本と同じですと、こう言っているんだ。それはなぜかというと、たしかあのときはいわゆる方向が右か左か、ちょっとこれはわかりません。一体あそこで方向が右、左といったらどちらになるのかわかりませんが、同一方向にしか飛べないから、二本の滑走路があっても、これは二本は使えません、こう言っておる。これは航空局の係官の人がテレビ対談でそう言っておる。これはなんでしたら何チャンネルだったか、私うっかりしておったから調べてください。記録も残っておるはずです。そうしてその二本のコースは同一方向にしか飛べません、だから一本と同じなんだ、こう言っておる。これがもし右、左へ分かれて離陸をして、それぞれの思う方向へ行けるということになれば、いまの羽田滑走路は現在の能力の二倍の能力を発揮します、こう言っておる。そうすると、私はブルー14というものの制限が事実上制限になっておるということに考えざるを得ないじゃないですか。みんなあの狭いところを羽田へ抜けて出て着陸する。東京へ入るのも、東京を出て西へ行く飛行機でも、みんなあの狭い大島コースをとるよりもしかたがないじゃないですか。そういうことになるでしょう。そうすると、ブルー14というのが壁になって、どうしてもあれを突っ切るということは事実上できない。あなたはいま別に制約があるわけじゃない、こう言っていますが、私もちょいちょい往復いたしますが、たった一ぺんだけ通りました。それは管制塔から許可が出ましたから、きょうは直行で芦ノ湖を越して富士山の北側を通ります、こう言って一回だけ私は乗ったことがありました。これは管制官許可がなければ通れません、そういうふうにいわれておるのです。管制官許可ということはいいのですよ。私が問題の本質としてお聞きしたいのは、管制官のいわゆる指示の限界というものをどういうふうに考えたらいいのか。たとえばカナダの飛行機の激突破壊の事故にしても、管制官のほうで計器飛行をやりなさいと言ったのに、向こうがそれに従わないで、いわゆる有視界飛行をやったと言っておる。こちらは飛ぶまぎわになって、離陸するまぎわになって、有視界飛行で飛ぶぞ、こう言っておる。日本航空機にもそういう幅を持ったいわゆる機長の自由選択制でやらしているのですか。そういう関係について、ひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
  126. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 カナダ航空機の場合は、計器飛行でやりなさいと言ったのに有視界飛行で着陸したわけではございません。ただ肥田委員承知のように、GCAで誘導した場合にも、最後の接地をする場合には、目で見て安全度を確認して着陸するようになっておりますので、そういう飛行方法が現実にとられたことであろうと思います。  それから冒頭に肥田委員お話しのテレビ座談会は、私はちょっと心当たりがございませんが、おそらくそれを説明いたしておりますのは、羽田空港使用する場合にA滑走路並びにC滑走路が同じ方向に向いておるわけでございますが、あれが海側からいわゆる町の方向に飛ぶ風向のときに事実上ブルー14のほうに入れないので同じ方向になる、したがってその滑走路の使い方に制約があるというような御説明を申し上げたのじゃないかと思いますが、これは先ほど来管制課長が御説明申し上げておりますように、計器飛行方式による場合には航空路の制限がございますので、当然そういうことに相なるわけでございます。管制官といたしまして、これは私が申し上げるのはおかしゅうございますが、要するに有視界飛行状態にある場合には有視界飛行を認めるわけでございまして、そういう状態にないときには計器飛行でなければ飛行を認めないということが御質問の点でございましょうが、これが大原則であることは御承知のとおりでございます。
  127. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、航空局長、空を飛しょうしている場合は、私は概念的にはそれでいいと思うのです。計器で飛びながらも、絶えず目を使うということ、これは当然なことです。ところが離着の場合には少なくとも航空管制の指令どおりに動くということは、これは飛行機同士の衝突とか、あるいは単一の飛行機事故を防止する、こういうことになるのじゃないですか。だから、これがどういうふうにいわゆる管制官指示の限界というものがあるのか。実は、管制官指示というものはいいかげんに扱われるのだ、特に外国飛行士のような場合には、これはどうもこちらの言うことを聞いてくれない場合が多い、こういうふうなことじゃないのですか。言いにくかったらいいのですよ。
  128. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 したがいまして、法令による制限、たとえば気象状態制限等の場合には、わがほうとしては、管制指示として着陸を認めないということがあり得るわけでございます。ただ、肥田委員の御指摘は、そういう場合にも飛行機側が何らかの理由で、どうしても自分の責任において着陸するというようなことがある場合には、事実問題として、そこで実力で押えるというような方法はございませんので、着陸することがある場合があるかもしれませんが、指示としてはそういうことを認めない。ただその点とは別に、先ほど御説明申し上げましたように、一定の距離まで参りますと、現実に飛行場を目で見て飛ぶ。目で見て飛んで、それが着陸できない状態である場合には、機長の判断で復航するのが原則になっておりますので、GCAの誘導の場合にも、最後の着陸するまでそれを誘導するというようなたてまえに現在なっておらないということでございます。
  129. 肥田次郎

    肥田委員 いま私はこの問題だけで何しようと思いませんが、この点は実際に事故を防止する方法としてはいずれがいいのかということは、検討してもらわなくちゃいかぬと思うのです。要するに、中途はんぱなという形が一番いけないのじゃないですか。計器で飛んでいる場合でも目を使うというのは、これは飛行士として常識のことなんだ。ですからこの常識のことを常識どおりにやらすというこの形と、私は少しも異なっていないと思う。立地条件に対して一番明るい管制塔がこうしなさいと言えば、そのとおりに操縦士は従うべきなんだ。それを出発まぎわに有視界飛行でこれからおれは飛ぶんだぞ、こういうことではいけないのじゃないですか。私はそのことを言っておるのです。だから、そういう際の管制官の意思というものは、ただ単にこういうふうにしてあなた行きなさいよと伝える、そうすると片方のほうじゃ、わかった、おれは有視界で飛ぶぞ、こう言われればそれまでのものになってしまうのかどうか、こういうのが事故原因になりはしないか、こういうことを私は言っておるのです。ですから、このことを理解をしてもらえればそれでいいのです。
  130. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど御説明しましたように、着陸をする場合には、現実に最後には、いまの航空機状態その他では、操縦士が目で見て、その責任のある判断で着陸をするということになっておりますので、そこにいわゆる管制官管制誘導の限界があるということ、これは世界じゅう全部そういう同じ取り扱いであるというふうに私は聞いております。もちろん機械による全部の着陸誘導装置というふうなものも研究しかけておる段階にはございますが、現状ではそういうことであります。  それから離陸する場合、つまりこれから飛行する場合に、有視界飛行でやるか計器飛行方式をとるかということは、先ほど来御説明申し上げておりますように、法令上のたてまえ、要するに管制官の責任の範囲といたしましては、有視界飛行状態の場合に、おれは有視界飛行で飛ぶというときには、必要な気象状態その他をもらって機長の責任で飛ぶのだなという判断で、それを認めるというたてまえになっておるわけでございます。
  131. 肥田次郎

    肥田委員 議論になるようですからやめますが、航空局長の言われるように、相手方が意思表示をすれば、その意思表示に、こちらは指示を与えるけれども、相手方の意思が優先するのだ、こういう形は私は誤りだと思います。現に日本管制の不十分ということについて各国の新聞が書き立てている内容は、そういうことじゃないですか。日本はもっと管制に対して厳格にやりなさい、こういう意味のことを言っているのじゃないかと思うのです。空港滑走路が短いとかなんとかいうことについては、これは学者の説でもいろいろあります。いや、羽田空港滑走路は決して短くない、これで十分なのだ、そう言っている学者もあるのです。だから、私はそのことを言っているのじゃなしに、日本羽田空港はどうもたよりないという印象を与えること自身は、日本管制官自身が何か外国人に対しあいまいな態度をとっているのじゃないか、そういう懸念がありますから、との点はひとつ十分検討してもらいたいと思います。  それから同時に、そういういわゆる権威のある管制塔からの指示を与えるためには、これは先ほど久保委員も話しておられたように、やはり管制官というものの体制を強化する、これが必要だと思います。管制官が過労になってはいけないし、常にオーバーロードでくたくたになっているということでもいけないし、これはたびたび言われていることですから、こういう面についても新しい立場で物事を検討していただく必要があるだろうと思うのです。  それから話を少し前に戻しまして、先ほどのブルー14に対する米軍航空自衛隊との制約というものについて、もう少しはっきりしてもらいたい。もしここで言えないのならまたあらためてあとで私も調査をしますが、言っていい範囲があるでしょう。しかし厳密にブルー14のあの壁は通れないということに実際はなっているでしょう。
  132. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 この原則その他は、先ほど来繰り返して申し上げておるわけでございますが、肥田委員の十分な御理解をいただけないようでありますので、若干時間をいただきまして、よくお打ち合わせをしてから御説明するようにさせていただきたいと思います。
  133. 肥田次郎

    肥田委員 それから最後にもう一つ。私はブルー14を——先ほど南條先生も言われておったように、このブルー14というのは、東京空港に対しては一番じゃまになるのですよ。このブルー14が撤去される、開放されるといいますか、開放されると、これは現に——あのテレビ対談をやっておられたのはどうもあなたじゃなかったですか。違っていれば、違っていると言ってください。結局いろいろあの対談の相手側が、それじゃあれをこうすればこうなるのでしょうと言ったら、そういうことになると言っているのです。とにかく、現在、羽田空港が十分に使えないということは、いろいろな条件があるけれども、とにかく一方通行しかできないのが日本滑走路で、あっても役に立たないということを言っているのです。それは何事かというと、ブルー14がじゃまになるのです。ブルー14がなかったら、有視界飛行であれば、空に飛び上ったら自由に飛んでいきなさい、こういう幅の広い指令が出される、私はそう思うのです。ですからこういう点について、大臣、ひとつあなたも、こういう際ですから、新飛行場がどこになるか、容易なことではまだわからぬと思うので、その前にブルー14の開放ということに対して、大臣はどういうふうにお考えになっておるか、ひとつ考え方を聞いておきたいと思います。
  134. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 ブルー14も、日本航空法の中でこれは処理しておる問題であると思います。
  135. 肥田次郎

    肥田委員 それは一体どういうことですか。私が言っているのは、それはそれでいいから、ブルー14がなくなれば羽田空港というものは二倍の能力を発揮することができるのですよ、こう言っている。これは航空当局も認めておる。ですから、それをどういうふうにお考えか。私は、いまのままで大臣がしかたがないのだ、こうおっしゃられれば、それはそれでいいですよ。大臣はいままでは追手に帆上げて調子よく、アメリカとの航空協定、日ソの航空協定、こういうものをやってこられましたが、年がかわってとたんに雲行きが悪くなった。航空事故ばかりなんです。これは大臣、大問題ですよ。
  136. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 ブルー14の問題は、いろいろアメリカとの関係もあるようでございますから、私はあまり法的に詳しくございませんので、よく検討して、後刻、次の機会にでもお答えさしていただきたいと思います。
  137. 肥田次郎

    肥田委員 これで質問を終わります。
  138. 古川丈吉

  139. 泊谷裕夫

    泊谷委員 BOAC遭難者遺体を、資料によると、米軍立川基地内の冷暗所に安置されたというふうに書かれております。宗教的にも違いがあるとしても、日本の国内で事故が起きてなくなった人をなぜ立川の基地内に安置するのか、その理由を明らかにしてください。
  140. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど大臣の説明にありましたように、御殿場市内の二つの寺院に遺体を収容しておるわけでございます。したがって、日本人の御家族の方のお引き取りの話がありました方には、そこでお引き渡しをいたしておるのでございます。ただ外国人につきましては、その保存の方法をいろいろと検討いたしました結果、さしあたってはこういう方法しかないということで、大臣の御説明のように、遺体を存置する最良の方法としてこういう方法がとられておる、こういうことでございます。
  141. 泊谷裕夫

    泊谷委員 時間がないから話は進めませんけれども、国際的には私のほうもお世話になったことがあるのです。基地内の冷暗所にお祭りしなければ、祭るところが国内にないはずはないでしょう。その点はきちんと考えてもらわなければ、いまの航空局長の答弁などはとても了解できません。しかし、次の問題に入ります。  ボーイング707型の空中分解した事例は、過去にありますか。
  142. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 われわれの持っておる資料の範囲ではございません。
  143. 泊谷裕夫

    泊谷委員 この事故が報道された当初、一般の国民の中に、BOACの翼とは違う翼が発見されたとか、あるいはほかのものと接触したのではないかといううわさが出ておりますけれども、これはいかがですか。
  144. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これはもちろん詳細な調査を待たなければなりませんが、私が現地へ行って、現地で見た範囲では、当該航空機以外の航空機の部品等は現地では見当たりませんでした。ただ、一部伝えられたところでFE何とかというものが落ちてきた。したがって、これは軍用機その他のものではないかというような報道もございましたので、米軍、自衛隊等に問い合わせしましたけれども、そういう該当がないということでございます。ただ、ここでわれわれの一つの推測を申し上げますならば、この当該航空機の番号がGAPFEというものでございますので、この一部分が何かそういうふうに見誤られたのではないかというふうにも考えております。
  145. 泊谷裕夫

    泊谷委員 重要な問題でありますだけに、私も軽率な発言はできないと思いますけれども、それだけに航空局は慎重にこの真相を究明して、国民のうわさにのぼっている部分は明らかにしておく必要があると思いますから、きょうでなくてよろしいですから、その真相を明らかにしていただくように手配を願いたいと思います。  次に大臣にお尋ねします。新聞によりますと、墜落地点は東富士演習場内ということであって、このBOACの問題について、事あらためて防衛庁がものを言っていますね。新聞記事をそのまま読みます。「BOAC機の墜落した地点は東富士演習場の北東のすみにあたり、同演習場では事故のあった五日午後も陸上自衛隊第一師団練馬第一連隊、同市ケ谷三十二連隊などが付近に野営して演習していた。したがって現場上空を航空機が低空で通過した場合には演習の砲弾があたる可能性もあったわけだ。これについて防衛庁は「演習場の上空は航空地図で“危険地域”に指定されており、通過する航空機は高度四千二百メートル以上を飛ばなければならないことになっている。BOAC機が低空を飛んでいたとは考えられない」といっており、さらに「この日の演習に使用したのは小銃弾だけで、りゅう弾砲や最近開発されたR30型ロケットなどは使っていなかったから自衛隊の演習が事故原因をつくったとは考えられない」と語っている。」ともあれ、先ほど肥田委員がお尋ねしたように、ブルー14が有視界の場合に許容されるということになりますと、気流の問題で富士山麓が問題があるということで、いつその高低の差が大きく開くかわからないところで自衛隊の演習をさせる必要はないでしょう。演習をするというなら別の地点でやってもらってもいいと思います。運輸大臣として、この問題をこの機会に防衛庁と折衝して、演習地をほかに移すことが適切な措置でないかと思いますが、考えはいかがですか。
  146. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は、自衛隊がどういうことを語っておるのか、いま泊谷委員のお読みになったので初めて知ったわけであります。それの意図がどの辺にあるかということもまだ聞いておりませんし、それから自衛隊の演習場との関連等につきましては、私がいまこまかく申し上げる段階でないと思いますので、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  147. 泊谷裕夫

    泊谷委員 中村さん、あなただめですね、南條さんが言ったときには、けっこう思い切ったことを言ったけれども。ぼくは自衛隊をなくせというようなことを言っていない。自衛隊の演習は演習でおやりになっても、民間航空機が常時利用できるようなところ、そういうところで、直接その地上で演習をし、それが飛行機に支障を与えるような場合が想定されるときには、自衛隊のほうで別な演習の場所を求めるということを、国としても当然考えていいんじゃないか。あなた、それが好ましいと考えるということを言えないのですか。
  148. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は、自衛隊の演習というのはやはりあらゆる意味での安全度を守ってやっておるだろうと思います。今回の場合がどういうことであったか詳しいことを承知いたしませんので、いまの段階ではそれにつきまして私のほうから申し上げることができない、こう申し上げておるのであります。
  149. 泊谷裕夫

    泊谷委員 自衛隊が安全を考えてやっておるだろうなんて、大臣そういう軽率なことを言ってはいけない。飛行機の通行については、何だかんだといって米軍が最優先、自衛隊が優先ということになって、さっき南條さんが実感として言ったのですが、千歳の上空で私どもが一時間以上待たされて、パイロットは濃霧という説明をしますけれども、これは何のことはない、F104を離陸させる、着陸させるための待機なんです。あなた、そういうようなとぼけ方で一切片をつけてしまうというなら問題があります。だが私は、その本質に触れないで、お互いに生きれる道を運輸大臣として、航空機を世話しなければならぬあなたとして、当然考えてしかるべきだろう。いまの飛行機の順序は何といったって米軍、自衛隊が最優先ですよ。もしそれが、ただ私の印象だというなら書いてあるのを見せてもいい。もう少し大臣として迫力のある返事ができないのですか。
  150. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は、日本の民間航空と自衛隊との関連というものは、必ずしも自衛隊最優先ということでなしに、やはり民間の航空機に対しましても十分配慮が行なわれておって、その関連におきましてはきわめて調和をとった一つのやり方が行なわれておる、かように考えております。
  151. 泊谷裕夫

    泊谷委員 読み上げなければどうしても返事しないのですか。あなたの言っていることは間違いですと言うのです。米軍、自衛隊機を最優先しなさいということが、きちっときまっているのです。それを御承知ないなら困った大臣ですね。これは読み上げてみますか——あとでこれは資料を差し上げますから、ごらんいただくことにしなければならぬと思います。  時間の関係があって、私もここは重要な問題だと思いますけれども、残念ながらあとに譲らざるを得ません。しかし次回の運輸委員会ではっきりしてもらいますから、その点特に大臣にこの際申し上げておきたいと思う。調和をとってなんというものではありません。通達がきっちり出ているでしょう。規制されているのです。もう少し勉強をきちんとしてもらわなければ困ります。  カナダ航空の問題で、直接的な問題で私はお尋ねしたいと思うのですけれども、濃霧の際、特にILSが重要な位置にあったと思うのですけれども、これは故障して使えなかった。したがって、これはGCAでこの誘導を行なった、こういうことが新聞で報ぜられておりますけれども、機械である限り、このILSが故障になることは当然だと思うのでありますが、世界の三大拠点と豪語する羽田に、予備が付設されてないというのはどういうことか。今度の事故にかんがみて、当然その予備などの配置を考えられてしかるべきと思うのですが、これはいかがなものですか。あわせて千歳、大阪、福岡の事情も説明をいただきたいと思います。
  152. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 東京ILSは先ほどちょっと申し上げましたが、故障ではございませんので、これは安全のために一年六回チェックをしなければ使えないという規定が定められておりまして、たまたまそのチェックの時期を過ぎていたので、GCAの誘導をしたということであります。ただ御指摘のように、ILS整備というものは非常に航空援助に必要なものでございますので、名古屋、大阪その他国内の主要空港について逐次計画的にこの整備をはかりたいというように考えておる次第でございます。
  153. 泊谷裕夫

    泊谷委員 ぼくの聞いたのは、予備がどうして置かれないのかということを聞いたのです。GCAのことは、あなた方が言っているのと実態とは——ぼくは南條さんじゃないけれども、千歳です。これは無線で連絡しておっても、もうすぐ上空に来てどうにもならぬというのが管制官の悲鳴でしょう。航空局長がこういうことを知らぬわけはないのですね。ですからこれまで政府も、総理までものを言って、今度体制を固めようというのであれば、当然少なくとも羽田は予備、板付なりあるいは伊丹なり千歳というものには、予備はないにしても、本来ILSが配置されてしかるべきだと思うので、その点についてお尋ねをしたので、もう一度お答えをいただきたいと思います。
  154. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 名古屋につきましては、四十年度にILSを完備いたします。大阪につきましては、御指摘のように、ILSを今後整備したい。それから東京ILSに予備機があるべきであるという御指摘でございますが、この点はなお慎重に軸検討をいたしたいと思います。現在はGCAILSの予備機能を果たしておるという状態でございます。
  155. 泊谷裕夫

    泊谷委員 今度のカナダ航空事故で、濃霧の場合、高さ六十メートル、水平距離九百メートル、これは現行の視界の限界として許容されておるのでありますけれども、計器が使われると、それによって制限が緩和されることは常識でありますけれども航空企業としては、新聞にも書き立てられているように一分一万二千円程度の燃料費がかさむというような問題があって、この条件が緩和されるようなことがあってはいけないと私は思うのです。ともあれ、今度の事故にかんがみて、この条件をもう一度検討してみる必要に迫られたのではないかと思うのですが、いかがですか。特に霧の多い日本の国として……。
  156. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これは純粋に技術的に調べて制定をしたもので、この変更の必要はいまのところ考えておりません。
  157. 泊谷裕夫

    泊谷委員 必要がなければそれでいいと思いますが、これは申し上げませんでしたが、今月の二日、大臣にも申し上げましたけれどもうちの通達がだいぶ変わっていますね。前は滑走路があかないと次の飛行機の着陸はコントロールタワーは許容を与えなかったはずであります。ところが、内部規定を変えまして、管制官の目測で、勘で、次の飛行機が着くまでに滑走路があくと判断した場合には、オーダーを与えることになる。これが、この間の大阪の伊丹の全日空機と日航機の接触をあわや起こさんとした事故原因はここにあるわけです。でありますから国際的な基準から見てどうとかこうとかいうことではなくて、今度の事故にかんがみて、もう一度検討してみる必要があるのではないかと私は思うのですが、その余裕もありませんか。
  158. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 具体的な管制のあり方については今回の事故原因調査の中で、御指摘がございますので検討いたしたいと思いますが、われわれは現状で管制上十分安全であると考えておりますが、なお安全度を増すかどうかということについて検討いたしたいと思います。
  159. 泊谷裕夫

    泊谷委員 三、四年前の話ですから正確な数字として申し上げるのはちょっと問題がありますけれども、日航と全日空がブルー14の関係できめられたコースで飛ぶわけですね。先ほど肥田委員のことばにはなかなかむずかしく答弁されましたけれども、何のことはない、ローカル線に新幹線を突っ込んだようなもので、着陸するものも発進する飛行機も全部館山に向かって機首を向けなければならぬということは、あなた方も否定はできないと思うのです。  私が言いたいのは、そのために全日空と日航が、年間航空機の燃料が百億違うという話を聞きました。一分一万二千円で、これだけ有視界飛行に突っ込んできて、結果的に全日空事故が出たわけです。企業を考え、また時間を考えて、このパイロットは操縦したと思いますが、年間百億もの違いがあるとするならば、先ほどの話では、至って安直にブルー14の説明がありましたが、このブルー14は常時福岡に向かう飛行機、大分、鹿児島に向かう飛行機は、大阪も含めて全部天候がよければ有視界でこのブルー14を通っていいということになりますか。
  160. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 定期航空運送会社の国内の定期航空につきましては、先ほど管制課長から御説明申し上げましたように……。
  161. 泊谷裕夫

    泊谷委員 私は通っていいかどうかということを聞いている。
  162. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 有視界飛行の場合には、原則として通ることは可能でございますが、しかし具体的な扱い方その他につきましては、肥田委員からも御質疑がございましたので、この具体的な問題についてはなお十分われわれの中で打ち合わせしてから御答弁申し上げます。
  163. 泊谷裕夫

    泊谷委員 大臣、聞いてください。あなたは、自衛隊と民間との調和をとって差がないと思う。また肥田議員の質問に答えては、ブルー14というのは事質上有視界では使えるのだ。これは栃内さんの航空局長のときに努力して、私ども委員会で、空にトンネルをつくっていただいたというふうに聞いておったのです。だけれども、これは航空に携わっておる管制官の仲間に直接聞くと、実態はあまり使わしていません。だけれども、年間百億の金が三年前の実績で違うのです。であれば、米軍なり自衛隊と調整がとれるというならば。全日空も国内航空も日航も、このブルー14を利用さしてもらって、調和をとってもらって、みすみす投げる百億の油を経済的に節約するということは、国の政策上考えるべきじゃないですか。いまちゃちな、日航はどうする、国内航空はどうする、全日空はどうするという再編成であれだけ新聞をにぎわしておりますのに、百億という金は大きいですよ。大臣、どう考えておりますか。
  164. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 先ほど申し上げましたように、ブルー14の問題はアメリカとの協定等の法的関係もありますので、私は、その点をいまよく承知いたしておりませんので、よく検討いたしまして、あとでお答えさしていただきたいと思います。
  165. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまになって米軍との関係が出てまいりましたが、これは米軍との関係があるんです。ですから、なくなった河野一郎さんが、第二国際空港をつくるときに、横田を返してもらいたい、羽田の七倍ある横田を返してもらいたい、これに閣僚は腹をきめるべきだと言ったのは、ここなんです。私どもは、このブルー14は常時民航も調和をとって使わしてもらうか、さもなくばこれを返還してもらうように大臣に努力していただかなければならぬと思います。  次の問題は、先ほどから話がありますが、管制官のことについて二つ尋ねたいと思います。  一つは、二日に大臣に申し上げておきましたが、いま大事をとりまして全部計器誘導です。管制官がたいへん忙しくてノイローゼぎみであります。勤務態様は一時間交代をさしてやるのが好ましいと思いますが、これはどう考えておりますか。  もう一つは、これも二日に申し上げておきましたが、昨年から問題になっております大阪空港などは増務給さえやらない。形がないのですよ。十八時なら十八時に空港は閉鎖されることになっているのですけれども、必ずしも管理はそのとおりに動いておりませんから、実態として増務をしなければならないのです。ずいぶん騒ぎになりましたが、増務給はもちろん払わないでおると思われますが、歯切れが悪いので、この二点についてお答えをいただきたいと思います。
  166. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 航空管理の体制につきましては、やはりいろいろ改善をせなければならぬ点もあると思います。きょう、実は十一時半ごろから管制の第一線で働いておる人たちの代表的な人を十名ばかり呼びまして、そして第一線の働いておる人の立場からいろいろ設備に対する要求とか、あるいは処遇に対する要求等も十分聞きました。個々の体制を整えることによって、いわゆる航空の安全に寄与できる設備というものをできるだけ整えるようにしよう、あるいは処遇の問題等につきましてもきょういろいろ事情を聞きました。それをいろいろ私も聞きましたので、今後この処遇等の問題についてもできるだけ厚くしていくような方向で検討したいと考えておるところでございます。
  167. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次会までに勤務時間——これは一時間交代制にしていまの管制官を救済しなければならないと思いますので、それに対する運輸省の考え方をまとめて資料として出してもらいたいし、増務の実態と——その増務給も払われてないのですよ。こんな始末で航空安全だなんと言うこと自体大それていますよ。その実態を資料として次会に出してもらいたいと思います。  整備検査について聞きますが、いまのダイヤは出先では三十分ないし四十五分しか整備の時間がないのですね。これはお認めになると思いますが、個々のダイヤによっては違いがありますけれども航空法に規定されております運航規程、整備規程、航空法の施行規則など国際的に見てうちのほうは水準が低いという話を耳にするのですが、どういうことでしょうか。世界的に見て水準が低くありませんか。
  168. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 世界的の水準であるというふうに承知しております。
  169. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは、私のほうから一つ提起しておきます。  日本航空は増便によって乗務する乗務員には通告制です。具体的な事例を一つ申し上げておきます。数多く並べようと思いません。ないと思うというようなことばだけでごまかすことのないように……。この事故にかんがみて、これは徹底的に検討してもらわなければならぬと思いますが、ほかの国ではそんな事例は一つもありません。先ほど久保委員が言い方をかえて、健康管理はどうかと尋ねた。まあこういうところにもあります。この点特に申し上げておこうと思います。  それでは具体的な問題をお尋ねしますが、航空機検査官です。ことしは百三十九機ふえる予定ですね。年間百十時間一機当たり検査をしなければならぬことになっております。であれば、一人の係官がノルマとして二千二十四という数字が出てくるはずであります。百三十九機の分で一万五千三百時間というものをこの飛行機の検査に当たらなければならないのに、この計算でいくと七・七という増員の数字が出るのに、一人しかふえなかった事情はどういうわけですか。
  170. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 増員が必ずしも十分であったかどうかという点はございますが、現実には増務給その他勤務配置等でこれはまかなえる、こういうふうに考えております。
  171. 泊谷裕夫

    泊谷委員 深追いはいたしません。増務給という話が出ましたけれども、いま実際安全、安全というけれども、あなた方のやっている実態はこういうことなのです。さらに驚いたことには、事故調査官は二名しかいないでしょう。あとはみな兼任でしょう。しかも事故機の事故の現状を確保するために、カラーフィルム一本買えないでしょう、白黒でしょう。白黒も満足に与えないでスケッチをさせているじゃないですか。テレビを見ますと、大臣航空庁に昇格せしめると言うのですが、細田総務副長官は内閣を代表して出たテレビ対談で、そのことよりは内部の稼動——働いている人のことをいうのでしょう、これに徹底的に力を与えることだと私は思います。本来、予算委員会ではこれは内閣の答弁不統一でストップですね。だけれども、私はそれは目的といたしません。だがあなたはあまりきれいごとを言わずに——事故調査官二名で、何で航空安全を守るのだといって胸を張って演説をするのですか。増務給という話がありましたが、増務給だって少々のものが出せないでしょう。この点ぼくは強く要請しておきたいと思うのですが、スケッチなどさして事故調査をさしている部分だけは早急に修正してもらいたいのですが、これはどうでしょう。カラーフィルムぐらいだけは十分買って預けるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
  172. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 事故調査に必要な経費はできるだけ確保するように従来しておるつもりでございますが、具体的にどこでどういうことであったか承知いたしませんが、今回のボーイング事故等につきましては写真を用いているはずでございます。ただ御指摘のとおり必ずしも現在の陣容が十分でありませんので、事故技術調査官等の応援を願ったり、あるいは特別経費の流用をしていただいてやりくりをしているのが現状でございます。
  173. 泊谷裕夫

    泊谷委員 中村大臣、いま佐藤局長答えたでしょう。あなたが具体的に折衝してやるわけですから、それにどうかまえるかひとつ聞かしていただきたい。  時間の関係で、あわせてお尋ねします。先ほど気象庁の関係が出ましたけれども、気象庁の連中は私は一生懸命やっておると思うのですが、ただ私わからないのは、航空自衛隊のほうは高空の気象観測なんてりっぱなレーダーを全部そろえていますね。航空自衛隊の基地には全部あります。南條さんの話ではないけれども、実際必要なのはどっちが先なんだ。国際航空でこれだけ力を入れ、国民の足になってきた航空機にまず最初にこのレーダーを充足されなければならないと思うのだけれども、何で気象庁だけがこんなにいじめつけられて、自衛隊だけぬくぬくとして、いい機械を持っていなければならないのでしょうか。この二つをお答え願いたい。
  174. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は気象庁がいま持っております気象情報は、気象庁の使命を果たすのにはある程度整ったものを持っておる、かように了解いたしております。それから先ほど泊谷委員がちょっとおっしゃっておりましたが、私が語ったのと細田副長官とが違うようにおっしゃったけれども、内容は同じことでございます。私はやはり内部の航空行政の陣容を強化するということを申し上げたのでございまして、その点の食い違いはないと思います。  気象庁が持っております設備の詳細につきましては、気象庁長官がおりますから……。
  175. 泊谷裕夫

    泊谷委員 気象庁のほうに私聞こうと思っていないのです。大臣お話を聞いて、私はなおわからなくなるのですよ。気象庁の航空関係の者は四人ですよ。実態を承知してください。四人が時差勤務ですよ。あなたの話を聞いていると、航空気象については万全だと思います、間違いないと思います。そんな、一カ所にたった四人、時差勤務をやらして、何で胸を張ってあいさつをするのです。もう少し——内容を詳細知っていないから、この機会に検討してみてふやすと約束したっていいでしょう。あなた、そのくらい、これだけ苦労している者の親分だったら、親分らしく答弁できないですか。
  176. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は先ほど田邉委員の質問のときにお答えしたと思いますが、現在の気象観測等の整備によって航空の安全に寄与するものがあれば、これを具体的に早く計画して出してくれ、そしてそれを実現するように努力いたすということを答えたのでございまして、いま気象庁が持っておる設備で万全であると考えておるわけじゃございません。
  177. 泊谷裕夫

    泊谷委員 とにかく、一つお断わりしておきたいと思うのですが、私自身は少なくとも航空問題をずいぶん真剣に、おととしの暮れあたりから考えたつもりです。この前も大臣に申し上げましたが、衆議院の運輸委員会は案外体系づけてものごとを勉強しておると思うのです。一昨年国鉄、そうして私鉄、航空もやろうということだったのですが、ごらんのとおりの事情、日韓その他の関係で開かれなかった。ですから、何とかあなたに話を聞いていただきたいと思ったって、事故のときには応急措置をやって根本的なものはあとにやりたいという考えを持ちながらも、この機会をはずせばあなた方に耳をかしてもらう機会もないのですよ。この点は十分御承知いただいて、職場の個々の問題を出して恐縮だと思いますけれども、あなた方が、時差勤務を四人くらいでやらしておいてだいじょうぶだとあまり胸を張られるものだから、こっちもかちんときてしまうのです。  それで、もう一つお尋ねをしたいのですけれども航空整備航空従事員の養成、訓練など、これはあとにしますけれども、特に地方空港が地元の誘致運動で、総合的な交通政策で航空機の分野、鉄道の分野、それからバス、トラックの分野が出ないうちに、各所にできましたね。しかも滑走路が十分でないのに中型機を乗り入れさしてくれという動きが強く出ているのが散見されるわけですけれども、私は航空網を広げることのみに力を注いだ航空行政を根本的に考えて、言いかえると、ローカル空港などは今後あまりふやさずに、重点的に特定の空港に力を入れていくという措置がとられることが好ましいのではないかと思うのですが、どうでしょう。
  178. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は運輸大臣になりまして二、三カ月たったころだったと思います。はっきり記憶しておりませんが、日本の各地方に次々にできております飛行場設備がきわめて不十分であった。そこで新しい空港設備に着手することはしばらくやめて、いまできておる飛行場の完ぺきを急ぐようにという方針で運輸行政を進めておるのでございます。
  179. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これで最後にします。  国内の主要空港を私かってに四つ取り上げてみました。羽田大阪、福岡、札幌、羽田の近くの避難空港として考えてみて、この四つの空港は重要な位置だと思うのですが、千歳は自衛隊、それから板付は米軍管理、これはやはりこの前にも訴えましたけれども、何としても運輸省管轄の空港にして、安全第一主義にすべきだと思うのです。確かに技術的には、板付あたりあの膨大な飛行場運輸省がかかえてこなせるかという悩みがありますが、これは当然考えられてしかるべきだろうと思う。これは先ほどの南條さんの発言と似かよっておるかもしれませんが、やはり実態は共用しておる限り、自衛隊が優先で民航はどうにもなりません。これを機会にきちっとこの姿勢を正してもらうことが好ましいと思うのですが、いかがですか。
  180. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 泊谷委員の仰せられますような方向に順次努力を続けてまいりたい、かように考えております。
  181. 泊谷裕夫

    泊谷委員 終わります。
  182. 古川丈吉

    古川委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十五分散会