○南條
委員 関連質問をいたします。
先ほど来
航空の
安全性ということを強調されておりますが、それについていろいろな基本問題がありましょうけれ
ども、私はひとつ大きな問題として、特にこの際当局に聞いておきたい、同時に対策を願いたいと思うことがあります。
それは二つありますが、一つはいまの
日本航空と
全日空との、先ほど
田邉委員が言った過当競争といいますか、この
状態はかねがね私
ども心配しておった問題であるのです。それは、私は北海道が選挙区なものだから、絶えず千歳の
飛行場で
飛行機を利用しています。そうすると、
全日空に乗ることもあれば
日本航空に乗ることもある。ここに一応問題があったのは、
全日空のほうはふだんサービスがいいといいますか、時間が正確なんです。発着の時間が正確で、
日本航空のほうはとかく発着がおくれるのです。そこで利用者の側からいうと、
全日空はなかなかサービスがいいというのです。
日本航空は一時間十分で行くのです。それを一時間ジャストで行く、あるいは五十分で行くというサービスなんです。そんなことに魅力を持って
全日空がなかなか多かった。そこで
全日空は、御
承知のように経営が黒字です。
日本航空のほうはむしろ国際線は黒で、国内線は赤字だ。こういうところに私は、
全日空は営業上の利益があったと思うのです。ところが今度の
事故を起こしてみると、いままで
日本航空のほうがサービスが悪かったと言ったが、技術の面においては非常に注意をしておったために、
安全性を持っておった。五分や十分、
安全性を持つためにおくれてもしかたがないということでありましたが、
全日空のほうは、今度の
事故を見ますと、あの
ボーイング727というものは、
会社側も言うとおり急
降下が非常にあぶないということになっているのです。これは全部
承知しているのです。当局もわかっているのです。そして急
降下に対する注意は
会社側にも注意をし、
飛行機操縦士にも注意をしたと聞いている。それで八千メートルから
降下するので、急
降下はできないから、木更津のほうを回って
東京湾に入る、
羽田に入る。われわれ乗っているからわかる。非常に遠回りするなと思うけれ
ども、そのくらい遠回りしないと
安全性がないのです。ところが今度のあの
事故の
原因を聞きますと、何か
飛行機が十五分か二十分おくれたそうだ。そこで急にこれを取り戻そうという考え方かどうか知りませんけれ
ども、平素のこのサービスの観念が
操縦士にうつってかどうか、木更津を回らずに、急
降下して直接
羽田に来たのです。だから、急
降下の場合における性能は危険性があることは、如実にこれで私
どもはわかったと思うのです。こういうような事柄は、いま考えてみれば、平素に五分か十分を争ったこの過当競争が、こういう大きな
事故を起こしたということになる。だから
全日空のほうは、社長でも専務でもこれは全部営業マンだ、事務屋なんです。
日本航空は、松尾社長は技術屋なんです。そこで技術に非常に力を入れているということは、私はかねがね聞いておったが、今度の機会で、なるほどいままでの
日本航空が発着がおくれたという理由は、信用を取り戻した、こういうような感じを持っておるのです。先ほどから言うとおり、
日本国内に、
羽田から千歳まで一時間から五十分、あるいは九州に行ってもその時間、これがかりにプロペラで二時間かかっても、わずか一時間か五十分のことなんです。そんなに急ぐ必要はないと思うのだ。しかるにジェットが利用されるために、お互いに
会社が競争する。しかもジェットは十三億、片一方は三億というのに、赤字をしょい込んでまでこのジェットの時代に競争するということは、
日本の
航空行政はよほど考えていいことではなかろうか。この
事故を契機といたしまして将来の根本的な
安全性を考えるならば、国際的に観光客も誘致するときに、国際的信用を高める意味においても、こういう問題を基本的にひとつ考えて、先ほど
田邉委員も言うとおり、国内線はジェットはやめて、そしてほかの
飛行機でいくべきではなかろうかという感じを僕は持っているのです。そうすれば
飛行場の
設備にしても、その性能にかなった
飛行場であればよろしいのです。国際線ならばもちろんこれは大事です。国際的な線ですから、これは別ですよ。しかし国内線については、そういうような
角度で将来の
安全性を保つべきではなかろうかと思う。
運輸省はどういうお考えでしょうか。これは
調査会等をつくって至急に対策を立てるべき問題でありますから、その場合にも私はこれを申し上げたいのだが、この機会にこの
委員会で当局の御意見を聞いておきたい。