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肥田委員 これは
現実にこういうことになってきているのですから、私はこれ以上なにしてもしかたがないと思いますが、御
承知のように、
大臣がそういうふうにおっしゃった
あとで、今度
運輸大臣は
伊勢参りをして、
国鉄の
運賃は一月の一日、少なくとも一月の中旬までには
運賃の
値上げをしたい、こういうふうにおっしゃっているんです。ですから、
経済企画庁長官が
物価問題閣僚協議会で言われた、大体
公共料金については
一段落だ。
一段落ということは、
大臣がいままでおっしゃっていた、
自分の
構想というものが大体了承されたというふうに外部ではとるわけです。そうしてそういう調子だろう、
国鉄の
運賃はたぶん年度内にはないだろう、来年度になるだろう、
郵便料金もどうだこうだといわれているけれども、急速にはないだろう、こういうことを
国民は考えておったのです。ところが、それからわずか三日後には、今度
運輸大臣はそういうふうに言っておられるのです。一月から、こういうふうに言っている。そうすると、これは、それぞれ出先でおしゃべりをされることですから、どういうふうな内容で発表されるかは、これは確実性がないと思います。けれども、要するに、これを通じて一貫して考えられることは、
国鉄の
運賃問題について
国鉄当局は
計画を出しますから、これはやはり出した
計画の日時に縛られることと思います。けれども、国あるいは
政府という立場でものを見てみると、一月が三月になろうとも、三月が四月になろうとも、これは実は五十歩百歩なんですね。そう大きな
日本の経済の変動を巻き起こすような問題はないと思うのです。私はこう考える。そういう
意味でお尋ねしたのです。いろいろとそれぞれの
考え方が違って、そうして
先ほども言っておったのですが、
現実に何となしに早く
値上げをしょう、こういう空気がだんだん強くなってくる。
運賃を早く
値上げをしてこうしたいという
気持ちは、これは
国鉄にはあります。
国鉄にはありますけれども、私は、その他の
関係では、そういうふうにとっておるところは少ないと思いますよ。きのうも私は廊下を歩いていました。そうしたら、これは名前を申しませんが、
自民党の先生が大勢の人を連れて廊下を歩いているのです。そうして
国鉄問題に触れている。あれは一日でも延びるほうがよろしい、とこう言っている。そういうことですから、
国民の感情というものはそういうものだと思いますから、私は、これはあわてる必要はないと思っているのです。まあ、そういうことで
大臣にお伺いしたのです。
そこで、その次に今度は実質
運賃値上げの功罪問題について、やはり総元締めでありますから、
経済企画庁長官にお伺いしたいのは、先日の続きでありますが、先日も申し上げましたように、三十二年と三十六年、それから今度四十一年と、こういうふうに
値上げ申請が出ております。前四年の間には、これは四年間で一五%の
値上げでおさまったわけですね。ところが今度は、五年間置いたからというので、三一%の
値上げをしてくるという申請になったわけです。これには
長期計画というお添えものもついています。この
長期計画はともかくとして、三一%の
値上げを一挙にここでやって、そうして
長期計画をやらなければならぬ必要性がどこにあるのですか。しかも、
先ほど大臣がお見えになるまでに私はちょっと
議論しておったのですが、「
国鉄通信」という中に、
国鉄が今度
投資する三兆円というものは六兆五千億になってはね返ってくるのだから、これはもう
景気刺激の大使命を果たすのだ、こういうふうに言っておる。それがために三一%も
値上げするということになると、真に
国民は納得できないだろうと思うのです。赤字補てんとそれから混雑緩和、輸送安全、こういう立場から
国鉄が三一%、これは五〇%になっても
国民はその内情さえわかれば私は承諾をするだろうと思うのです。もしその必要があるのなら、なぜ今日まで五年間も
運賃値上げしないでおいておったのか。今日まで必要があれば
運賃を
値上げしたらいいじゃないか。
現実に
国鉄当局あるいは運輸省当局は
政府を説得をして、そうしてこういうふうに
運賃を
値上げしなかったら
国鉄ほどうにもいかなくなってしまう、そのときには三〇%、五〇%の
値上げをしなければならなくなりますよ、こういうことなら、それでもだめだということは
国民は言わないと思う。そういう
関係を、
経済企画庁長官は、総元締めでありますから、どういうふうにお考えになっておるのか。私は今度の三一%という高額
値上げというものは、要は、最終的に上げなければならぬとしても、きわめて手段を誤ったいわゆる
政府の責任というものを見のがすわけにはいかないと思うのです。