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1966-02-11 第51回国会 衆議院 運輸委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月十一日(金曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君    理事 田澤 吉郎君 理事 田邉 國男君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    浦野 幸男君       小渕 恵三君    川野 芳滿君       木村 俊夫君    高橋清一郎君       高橋 禎一君    南條 徳男君       増田甲子七君    松浦周太郎君       山村新治郎君    井岡 大治君       勝澤 芳雄君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君  出席政府委員         運輸政務次官  福井  勇君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      堀  武夫君  委員外出席者         議     員 久保 三郎君         日本国有鉄道総         裁       石田 禮助君         日本国有鉄道副         総裁      磯崎  叡君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出第一六号)  日本国有鉄道整備緊急措置法案久保三郎君外  七名提出衆法第一号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会の件についておはかりいたします。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について、物価問題等に関する特別委員会より連合審査会申し入れがあります。この申し入れを受諾することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、連合審査会開会日時等に関しましては、物価問題等に関する特別委員長と協議の上、追ってお知らせいたします。      ————◇—————
  4. 古川丈吉

    古川委員長 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道整備緊急措置法案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。田邉國男君。
  5. 田邉國男

    田邉委員 日本国有鉄道整備緊急措置法案につきまして、提案者でございます久保さんに御質問を申し上げたいと思います。私は、この緊急整備措置法案という法案は、非常に提案者の御苦心の作だと拝見をいたすわけでございます。これから二、三の点につきまして御質問をいたしますので、明快なる御答弁をお願いしたいと思います。  この条文の第二条でございますが、鉄道施設整備事業内容につきまして、一に路線の増設、二に鉄道車両整備、三に鉄道の電化、ディーゼル化、四に鉄道保安施設整備、その他政令で定める鉄道施設整備をする、こういうことがうたわれておりますが、これにつきまして、ひとつ具体的な御説明をお願いしたいと思います。
  6. 久保三郎

    久保議員 お尋ね内容は、いわゆるこの法案鉄道施設整備事業内容だろうと思うのであります。これはお読みになったように、いわゆる線路を増設すること、これが線増といわれていることでございますし、今日国鉄から出されております長期計画に盛られるようなものを大体さしている、かように御了解をいただきたいと思うのであります。でありますから、二番目の鉄道車両整備ということは言うまでもありませんが、車両増備、それから第三番目が、いわゆる輸送近代化といいますか、そういうもの。四番目には、保安施設整備するということでございまして、おおよそ先ほど申し上げたように、国鉄当局が今日国鉄整備長期計画、そういうもので盛っているものをさしておるわけでございます。ただしこの中で、線増になりますが、山陽新幹線については別途考慮すべきものと考えまして、一応この計画からは除外しているわけです。それは東海道新幹線と同様に、言うならば、これは十分ペイする、しかも特殊な形態の鉄道でございますが、この改良計画と同じワク内でなくて、別なワク内で処理されるのが適当であろう、かような考えから、私ども緊急措置法にはこれは入っておらない、かようになっておるわけでございます。以上お答え申し上げます。
  7. 田邉國男

    田邉委員 それでは三条につきましてお尋ねをしたいと思いますが、第三条の、計画期間というものを、第一期と第二期に分けておるわけでございます。第一期が五カ年、第二期が五カ年と分けてありますが、どうして分けてあるのか、その理由お尋ねしたいと思います。
  8. 久保三郎

    久保議員 ごもっともなお尋ねでありまして、全体計画は、御承知のように第三条で、昭和四十一年度から、いわゆる十カ年になっておる。前期五カ年を第一期とし、あとの五カ年を第二期五カ年計画、こういうふうに区分けしたわけでございますが、御質問の区分けしたその理由であります。これは提案説明の中でも若干触れておりますが、言うならば、さしあたり始まる第一期の五カ年間の内容は、国鉄自体が今日多くの投資不足になっております。でありますから、投資不足を解消するというのがおよそ第一期計画内容といいますか、それが力点になっているわけであります。第二期計画は、御案内のとおり長期計画でありますから、たとえば第一期計画を五年間やっているうちにも、いろいろな条件の変化が出てくると思うのであります。そこで、第二期計画は、言うならば、第一期計画から出てきたいわゆるひずみと申しますか、あるいはそごと申しますか、そういうものを修正することが一つ。もう一つは、さらに前進さした方向として、輸送力拡充力点としたものになるだろう、こういうふうに思うのであります。そういう意味で、言うならば第一期では、先ほど申し上げたように今日の投資不足、いわゆるおくれを取り返すということに力点を置く。第二期はこれに修正を加え、さらに発展拡充方向をとるという意味で、第一期、第二期の区分けをしたわけであります。
  9. 田邉國男

    田邉委員 ただいま御説明の点についてさらに私はお尋ねするのでございますが、この五カ年間に行なう鉄道整備事業でございますけれども、この整備事業規模はどの程度にやるのか、その内容についてお伺いしたいと思います。
  10. 久保三郎

    久保議員 大体十カ年間三兆三千億の規模としておりますので、算術的な計算からまいりますれば、その半分一兆六千五百億、かように考えております。これは全体が三兆三千億だが、さっき申し上げたように、第二期の計画では第一期をやってみてのあとでありますから、多少変更があることは事実でありますが、一応今日の見通しとしては十カ年間で三兆三千億ということで押えていく、大体この辺の形ならば、まあ多きにこしたことはございませんが、一般的な見方として妥当ではなかろうか、かように考えておるわけです。
  11. 田邉國男

    田邉委員 いまの整備計画でございますが、この第一期、第二期が完全に計画どおりいったとすればどういう図ができるか、その点をひとつ……。
  12. 久保三郎

    久保議員 図の書き方でございますが、生きている計画でありますから、これはなかなか——しかも国鉄だけで図が書けるわけではございません。そこで提案説明の中で申し上げたように、ただ単に、この緊急整備法だけが独自の立場で、三兆三千億投資してやっていくということになりますというと、たとえば通勤輸送では若干の輸送緩和はできるだろう。しかし徹底的な輸送緩和はできない、かようにわれわれは考えます。でありますから、これは言うならば、たとえば都市の過密化、これをどう分散するかという総合政策が必要だし、あるいは輸送分野においても、貨物輸送一つとりましても、長距離貨物と内航海運との関係はどうあるべきか、これは言うまでもありません。先般田道委員から御質問があったように、飛行機と新幹線との関係ということもありまして、総合的な交通機関の配置、その責任分野、こういうものはきちっときめられるものではないけれども、おおよそそのシェアを確立しながら拡充していくということでないというと、私どものこの法案による計画を実行いたしまして、その三兆三千億をつぎ込んだがためにさらに矛盾が出てくる、隘路が出てくるということは必然だと思います。でありますから、どうしてもやはり総合的な交通政策の樹立がかたがた必要であるし、また資金の使い方にしても国家的なコントロールの中で、コントロールしながらこの整備計画をやってもらう必要がある、こういうことを条件に実はしているわけです。
  13. 田邉國男

    田邉委員 次に、第四条の交付金交付の問題でございますが、この四条によりますと第一期、第二期の計画を実施するに要する経費の財源に充てるために、それぞれ経費の三分の一に相当する額の交付金交付する、こういうことになっております。この所要経費に充てる交付金の割合を三分の一にしたという理由について御説明を願いたい。
  14. 久保三郎

    久保議員 ごもっともなお尋ねでありますが、この所要経費のおおよそ三分の一は国家いわゆる政府出資にすべきであるというのが、この法案の言うならば大きな特徴であります。なぜ三分の一にしたのかというわけでございますが、これは国家国有鉄道に対してどういう手を打つかということは、いろいろございましょう。たとえばいまのように、四十何億か八十何億か知りませんが、それだけの国家出資をするという姿も一つやり方であります。しかし、いま一番国鉄で問題になっているのは、国家政策を当然のごとく国鉄の経理の中で遂行しているものがたくさんあります。一口に言われるように、いわゆる公共負担の問題が片方にあるわけであります。たとえば文教政策上から出た学割、あるいは産業政策上から出た通勤割引、あるいは農林通産政策から出た農林通産物資暫定方式割引のあり方、あるいは最近では石炭政策上から出た石炭に対する運賃割引、そういうものがたくさんあるわけでありまして、これは従来この委員会でもたびたび論争というか論議の的になっているのでございます。いまのように、国鉄公共企業体独算制というワクの中でやる限りにおいては、少なくとも国鉄公共性とは、きめられた時間に汽車を安全に運転するということ、さらにはもうからぬでも、その線区を唯一の交通機関であるとしてこれの輸送に携わる、あるいは人や物によって輸送に区別をつけないというのが、国有鉄道本来の公益性かと思っておるのであります。でありますから、先ほど申し述べたような、いわゆる政策上から出ている運賃の減免というか、そういうものは、これは国鉄固有公共性から出たものではない。かようにわれわれは今日でも理解しているわけであります。といって、これを的確にどうするかといっても、なかなかむずかしいことだと思うのであります。この公共負担に対して、なまで八百億とか九百億とかいっておりますこの金を政府から直接国鉄に渡すことも、あるいは一つ方法かもしれません。しかし私どもはその方法とあわせて、国鉄国民鉄道であるということでありますから、これのやる仕事国有鉄道が行なわんとする改良計画、これに対してはやはり国民的な要求というか、そういうものに対して責任を負わせる必要がある。たとえば国鉄企業性からいうならば、保安対策はこれは金が直接には入りません。通勤輸送も、一説によりますと、これは収益にはならぬということであります。しかし今日一番国鉄自体にとって必要なことは、国民的要求通勤輸送をもっと緩和するとか、あるいは国鉄輸送に対して、特に安全第一にやれといった要求です。でありますから、そういう意味仕事整備計画事業の中にもございますが、保安対策費用等には特に力点を置いて計画を実行させる。そのためにこの三分の一程度資金を出して使わせる。この三分の一ぐらいの費用は、言うならば通勤輸送保安対策、こういうもの以外には使わぬというくらいのひもつき的な金を考えていく必要がある。この額の出し方は、今日ただいまでは、公共負担といわれる数字に大体見合うではないか。三分の一ときちっときめたことに対しては多少疑問があると思うのでありますが、そういう意味で三分の一を政府の支出にしなさいということでございます。
  15. 田邉國男

    田邉委員 それでは最後お尋ねをいたしますが、この資金計画全体についてどのような見通しを持っておられるか、その点をひとつ具体的に御説明をお願いしたいと思います。
  16. 久保三郎

    久保議員 これはたいへん重要なことでありまして、なお、簡単にこの全体の見通しを云々するわけにはいかぬと思うのであります。ただし当面、われわれ自身国鉄長期計画はその大半について了解をいたしております。  その資金についてどういうことかというと、先ほど申し上げたように、少なくとも三分の一、まあ資金を見ますと、年間三千三百億になりますから、そのうちの一千百億程度国家で負担してほしいということであります。そうなりますと同時に、あとの三分の二は自己資金並びに借り入れ金でまかなうことを予定しております。それから当面、この法案の効果としては、世上というよりは今日ただいま当委員会にも提案されています運賃の問題、運賃値上げすることを、一つにはかたがた押えていこうということでありますから、千百億程度まかなうことができますなら、なるほど国鉄自体の自前の計画からいえば多少少ないかもしらぬけれども国民生活に重大な影響があるこの時期に、この値上げを押えていくというのでありますから、政府出資一千百億によってこの計画は押えていく。かたがた計画は少しくあるいは足りないかもしらぬが、ただし先ほど申し上げたように、山陽新幹線のごときはこの計画に入っておりません。そういう意味からいきますれば、大体計画としてはそう見劣りするものではない。だから、そういうことをやる。一方では、いま提案になっておる運賃法改正、いわゆる運賃値上げをこの時期、この際、この額を上げるべきではないという主張をこれで通そう、押えよう。片方では、国鉄要求する、いや、国民要求するところの輸送の安全と近代化、あるいは輸送力拡充、こういうものをこの方法でやっていこう、こういうことであります。  それじゃ、未来永劫にわたっていま主張するようなことが、政府が三分の一資金を受け持つならばできるのかどうかでありますが、これはそうはまいりません。というのは、物価なりあるいは賃金なり、こういうものの上昇があれば、当然輸送のコストは上がってまいりますから、さような時期にはこれは当然のごとく、少なくとも損益勘定赤字になってくる。もっともいまの減価償却方法などは国鉄ではだいぶ近来変えてまいりましたから、これはここに至って赤字というような計算は出ますが、われわれはこれに対しても非常に違った方向を今日持っています。まあいずれにしても、損益勘定赤字を見ない限りは運賃は手をつけぬというふうに考えております。しかも損益勘定が全部赤字であるというようなことになりますれば、当然これは運賃考えを及ぼさざるを得ないのではなかろうか、こう思います。  そこで、結論として申し上げますが、昨年少なくとも運賃値上げというよりは長期計画の構想が国鉄並びに政府から出てまいった。それは、基本問題懇談会で一年間の結論として出てまいったのでありますが、その基本問題懇談会結論は、御案内のとおり、その資金手当てとして三つの方法を、勧告というか示しております。一つは、いわゆる借り入れ金の問題、一つは、政府出資の問題、最後運賃値上げの問題であります。運賃値上げの項については御承知のように、運賃国民生活に重大な影響を与えるものであるから慎重にこれは扱え、こういうことであります。ところが、御承知のように、去年慎重に扱ったせいか、一年間はいわゆる国鉄運賃は上げないということに政府はなりました。しかし、単に上げないといろ一年間の空白は、これは子供のしわざでありまして、決して政治ではありません。一年間押えてきているのでありますから、その間において運賃はどうあるべきか、あるいは政府出資はどうすべきか、あるいは財投を含んだ借り入れ金とか他人資本はどうすべきか、そういうことで当然のごとく、政府部内においても案が練られなければならなかったはずであります。ところが、あるいは練ったかもしれませんが、結論として、昨年度二六%の値上げが今日で塗三彩になった。いわゆる長期計画遂行資金としては、御承知のように、政府出資については一言半句も今日触れておりません。そうして運賃だけを上げる。しかも物価政策全体は、御承知のように、まだ何にもできておりません。物価政策の中に当然この国鉄運賃は消化されなければならぬはずだと私は思っております。ところが、国鉄運賃だけは早回りに上げていく。そのあと物価対策をやるのでは、これは決してりっぱな物価対策だと言えるはずがないのであります。しかも国鉄自体にしぼっても、この基本問題懇談会答申のごとく、他人資本、いわゆる借り入れ金について考慮した。これはなるほど例年に見合って考慮したようであります。政府出資金についてやったかというと、先ほど来繰り返し申し上げますが、何にもやっておりません。結論として三〇%以上の値上げだけだというのでは一その基本計画長期計画はだれも反対する者は私はほとんどないと思います。もちろんやり方についての批判はありますが、しかし大筋は承認されるものだと思う。しかしながら、資金計画について政府がはたしてこの答申を尊重したかどうかというと、これは疑念を抱かざるを得ない。この際、政府が手段を尽くしたという証拠にも、政府出資があってしかるべきだ。なおかつ、この資金不足をするのであるから、運賃はかくかく上げるというときに初めて運賃論議にならざるを得ないと私は思うのであります。ところが、残念ながら、その論議を抜きにしてストレートで国会にかかってきた部面では、御承知のように、運賃値上げだけである。しかも、運賃値上げも御承知のように、国鉄当局は、仄聞するところによると、今年一月一日から——それは、昨年度四十年度予算を調達する際に、いわゆる改良計画は三千三百億、そのうちの三百億は債務負担行為としたが、中身は、政府国鉄の約束であったのでありましょうが、運賃値上げによって三百億はまかなう、こういうことであったようであります。だから、国鉄当局から言わせれば、三百億はぜひ運賃値上げをしてもらわなければならぬという理屈ストレートで出てくるのであります。ところが、今日出てくるその中身の是非は別として、一月一日からの値上げは主張したが、片方は四月からでいいだろうという話なんだそうであります。(「片方とは何だ」と呼ぶ者あり)そこで結局、近代的——与党的というのでありましょうか知りませんが、足して二で割る方式で、二月十五日という日が出たそうであります。そこで、運賃値上げは二月十五日としたのであります。何らの理屈はないのであります。理屈といえば、足して二で割った。日付まで足して二で割ったのでは政治ではないだろうと私は思うのであります。こういうこと、しかも、これは昨年の……(「質問内容じゃない」と呼ぶ者あり)いやいや、関連して……。  そういうわけで、いずれにしても、なかなか納得しがたいというのが国民大衆の気持ちではなかろうかと私は思っておる。どうぞそういう意味で、われわれの見通しとして考えているし、方法考えている。こういうふうに御理解、御納得をいただきたい、かように思います。
  17. 古川丈吉

  18. 關谷勝利

    關谷委員 質疑応答を聞いておりまして、二、三ひとつお尋ねをしてみたいと思いますが、いろいろ久保提案者名論卓説は言っておられるようでありますけれども、迷惑の迷かわかりませんが、これだけの法案提出をせられる限りにおきましては、五カ年間の収支状況がどういうふうになるのか。それで、この数字的なものはすでにでき上がっておるのであろうと思いまするが、その資料があればひとつ提出をしていただきたい。
  19. 久保三郎

    久保議員 非常に重要なお尋ねでありまして、提案者といたしましても一人でそろばんをはじくわけにはまいりません。来週まで御猶予をいただいて、しかも膨大な資料をまだ整備せぬままに運賃法の問題で実はかけ回っておりますので、落ちつきがやや出てまいりました際に御答弁を申し上げたほうがいいだろう、かように考えておりますので、提案者一同これから御相談を申し上げて、来週膨大な資料で御説明申し上げたい、かように思っております。
  20. 關谷勝利

    關谷委員 まことに不都合な御答弁で、これを御提案になりましたのは昭和四十年十二月二十二日、それから今日に至りますまで、何も運賃法で毎日のように手をとられてどうというのではありません。これを出すまでにすでに十分な用意ができて、そうして御提案になっておるのだろうと思います。そこでいろいろ言われることがただその場のがれの答弁であって、実は国鉄の七カ年の計画も、このとおりでございますという数字的なものが出ておるのですから、それだけのものが出ておらなければ、人件費がどれだけ、どういうふうに上がっていくのか、また運賃の推移がどういうふうになっていくのか、その経費はこれだけの金額で、どれだけの施設、どこの複線化ができるのか、どこに新線ができるのか——新線はこれは別ですが、どこにどのような改良計画ができていくのか、そういうふうなことが一切わからずにこれを審議しろということは、あまりにもこれは無策ではなかろうか。もう少し親切な御提案ぶりを示していただきたいと思います。どうでございましょうか。
  21. 久保三郎

    久保議員 親切な提案をしているわけでありまして、決して不親切な提案をしているのではないのでございまして、その点は誤解のないようにお願いいたします。大体数字というものは、野党の場合は自分自身で持っておりませんので、言うなれば、それぞれ政府当局なり国鉄当局数字をもとにしてそろばんをはじかなければならぬということでありますから、あなたのおっしゃることも半分くらいはそのとおりだと思うのですが、あとの半分は……。
  22. 關谷勝利

    關谷委員 そんなばかなことは答弁にならない。
  23. 久保三郎

    久保議員 黙って聞きなさい。先ほど申し上げたように、はじき直さぬと失礼でありますから、はじき直して御披露申し上げたい、かように思っております。御了承願います。
  24. 關谷勝利

    關谷委員 十二月の二十二日に出しておいて、そうしていまからどろなわ式にやりますじゃ、それじゃ答弁じゃない。久保議員の言われることはあまりにも無責任な詭弁だということで、ここはそれだけにいたしましょう。  久保議員がいろいろ言っておりますことは、国鉄のこの過度公共負担というものは、これは政府当局が当然措置すべきである、それを一つ措置がしてないではないか、政府当局は怠慢だ、こういうふうなお話ですが、このいまの国鉄公共負担、ことに通勤通学等の世界に類例のないこの割引率はいつの時代にできたのか、御承知でしょうか。いつの内閣に、だれの内閣のときにできたのか、御存じでしょうか。
  25. 久保三郎

    久保議員 この公共負担の制度は、私の答弁片山内閣のときにやったなんということを期待して御質問されておるのかもしれませんが、この精神とその形は、これは戦前からあったのでありまして、決して戦後だけのものでなくて、しかも大体戦後、この割引率などは御案内のとおり変わっております。だからあなたの期待されるような答弁にはいかないですよ。
  26. 關谷勝利

    關谷委員 過度のということが言うてある、戦前には……
  27. 久保三郎

    久保議員 過度過度でないかは何を基準にしてやっておるのですか。
  28. 關谷勝利

    關谷委員 社会党に対してそんな答弁予算委員会でしたら……
  29. 久保三郎

    久保議員 いや、もうとんでもないですよ。
  30. 關谷勝利

    關谷委員 内心非常に困っておられるようであります。あるにしても、以前のものは割引率から言って説明すれば——私がお尋ねしているその過度のというのは、いつできたかということであったので、それはもうよろしい。もう要らぬ答弁しなさんな。  それから四条に交付金と書いてありますね。交付金というのは、どういう意味交付金と書いておられるのですか。
  31. 久保三郎

    久保議員 この場合は交付金と書いてありますが、これは言うなれば国が国鉄に出資をするという形でありまして、法律用語としてこの場合は交付金と書くのが妥当なのであります。そういう意味交付金と書いてあります。中身は常識的というか、平たく言えば、普通は国鉄政府が出資をする出資金という意味であります。
  32. 關谷勝利

    關谷委員 交付金と書くことが適当で、出資金と書くことが適当でないといろ理由の御説明を願います。
  33. 久保三郎

    久保議員 これは交付金をもって出資ということになりますので、いわゆる法文作成上、出すのが交付金で、受けるほうは出資がされたものとみなす、こういうふうに処理されるのがいまの法体系だというふうに考えておるわけでありまして、それ以上の特殊の意味合いではないのです。ただ法律体系として交付金、そうして出資があったものとみなす、こういうことになりまして、実質的には先ほど申し上げましたように出資金になる。以上であります。
  34. 關谷勝利

    關谷委員 まことに苦しい御答弁であります。これは交付金と書きましたが、出資金でもどちらでもかまいませんと言ったほうがあっさりしてよろしい。それが悪いならば悪いという理由説明をしてもらったほうがよろしい。  それから国鉄七カ年計画との関連性でありますが、この内容と、この十カ年計画の三兆三千億、これを見ますと、五カ年が一兆六千五百億になりますが、国鉄の投資計画は五カ年に引き直しますと二兆二千二百億になります。その間の関連性、どこを削ればいいのか。あの七カ年計画はすでに御承知のはずでありますが、どういうところを削ればよいというふうなことを考えておられるのか、その点を伺いたいと思います。
  35. 久保三郎

    久保議員 私ども計画に入ってないのは山陽新幹線のところであります。それであとを削れとおっしゃいますが、国鉄自前のものは政府で七カ年計画にしてあって、私のほうは十年に伸ばしてあります。削るということではございません。大筋としてはこれはみんな含めてということに相なります。七カ年になればどのくらいになりますか、とにかくあとを三年でやりますということでございまして、そういうふうに御了解願いたいと思います。削るのは山陽新幹線のところだけを削る、これは別途にするという意味です。
  36. 關谷勝利

    關谷委員 山陽新幹線を削るという理由はどこにありますか。
  37. 久保三郎

    久保議員 先ほど申し上げたように、東海道新幹線も含めて多額の費用が要るわけであります。その改良計画を一般の線路と同じように扱うことが正しいかどうか。しかも十分ペイすることでありますから、これなどは先ほどお話があったいわゆる交付金、出資金、こういう金を使ってそれをそこに入れてやること自体がどうか。だからこの計画とは別に切り離して、これは借り入れ金なら借り入れ金でやるべきではないか、こういう意味で切り離したわけであります。以上です。
  38. 關谷勝利

    關谷委員 そうすると山陽新幹線の必要性は認めておるが、十分にペイするからこれは借り入れ金でやれ、こういうことでございますね。
  39. 久保三郎

    久保議員 山陽新幹線について認めておるのかどうかというお尋ねでありますが、当面の見方としては認める、それで御答弁申し上げましたが、しかし、これはやはり再検討の要がございます。そういう意味からもはずしてあるわけで、検討を続けていこう、こういうことでございます。
  40. 關谷勝利

    關谷委員 それから資金調達の方法として借り入れ金政府出資、それから運賃値上げ、こういうふうなことを考え運賃値上げをやるな、こういうふうなところへ重点を置いて今度の提案もし、いろいろの答弁をしておられるようでありますが、そうすると、大体国鉄といたしましては、三十九年度でも三百億の赤字が出ておるというような状態になっております。そうすると、今度四十年度あたりでも、運賃値上げをしなかったら財政は非常に苦しい。収入減というようなものもあったり、いろいろで、相当な金額が足りないことになるが、そういうふうな運賃値上げをやらずして、そういうふうなものは提案者の言うように、これは政府出資とかなんとかでやるべきだ、こういうことになりますと、利用者に安く利用さすが、そのかわり、その穴埋めは全国民がやれ、こういうふうなことになって、利用せざる者までがその負担をしなければならぬ。大体こういうふうな運賃とかなんとかいうものは、利用者負担が原則であるべきだ。それを利用者以外の者が負担しなければならないほど運賃を押えるとか、これに反対するとかいうことは、大体筋が通らぬのだというふうに考えるが、その考えについてはどういうふうな解釈を持っておられるのか。
  41. 久保三郎

    久保議員 一つの所論としては、關谷委員のお話はあるわけであります。そこで、その汽車に乗る人が汽車を走らせるに必要なものは全部払うべきだ、関係のない人が払うのはおかしいじゃないかということが言われるわけでありますが、ただ考えてみなければならぬのは、たとえば、戦後のこの二十年の間一つとりましても、国鉄自体と日本の経済の関係、これは御承知のように、国鉄は最近二回にわたる長期計画というか、そういうもので多少手直しというか、それをやりましたが、言うならば、大半戦後の経済復興には、実は国鉄のあるがままの資産を食いつぶしてきたわけであります。そこで、そのほかにもいろいろな要素がございまして今日の経済の発展ということでありましょうが、国鉄と経済をとれば、資産食いつぶしで今日の経済発展のてこ入れをしてきたと言っても過言ではないと思うのです。その資産食いつぶしの結果、いかようになったかというと、二次にわたる長期計画をやった、それも好ましくないので、今度さらに長期計画ということになったわけです。その際の資金はどうするか。そのときに關谷委員のおっしゃるような方法一つでありますが、少なくとも、経済の発展のためにつぶしてきた、食いつぶした、これを補充するのでありますから、当然国家がやる、国家がやるということは税金でやる、税金というのは大体金なり資産をたくさん持っている人がよけい負担するということが原則でありますから、言うならば、今日の産業の発展であたたかい日を浴びている方々から応分の喜捨をもらって国鉄を走らそう、こういうことだというふうに御理解をいただいても間違いではないだろう、かように思うのであります。そこで、あなたのような御所論は、一応国鉄なら国鉄が立ち直った暁において、先ほど申し上げたように、全交通機関輸送分野をきちっとして、そしてむだのない輸送力が適正に配置された暁には、あるいはその御所論は正しいかもしれないが、いまそういうことではおかしいではないかというふうなことと、それから、たとえば今日ただいまいろいろな考えもございます。たとえば、国鉄運賃収入が、ごらんのとおり、貨物は赤字で旅客は黒字と一口で言われます。それから、赤字線といわれる線もあるし、黒字線というものもある。そういうものもひっくるめて考えますというと、それでは赤字線に乗るお客のほうはもっと運賃をよけい出せ、黒字のほうはもっとまけろというふうなことも、これは事実出てくると思う。それからもう一つは、たとえば学割りの話が出ましたが、学割りとかあるいは通学通勤とか、あるいは農林水産物資の運賃割引とか、そういうものも結論として汽車に乗る者が負担することだけでは少しおかしいじゃないかということも考えられます。だから決してあなたの御意見が正しくないとは申し上げません。それも一つだが、私どもの申し上げるのも一つ考え方であろう。むしろこれを一ぺんやって通り抜けたあと關谷理論をやることがいいかもしれない、こういうふうに考えております。
  42. 關谷勝利

    關谷委員 いま関連質問ですからそんなに言うこともできますまいが、とにかく田邉委員との質疑応答でいろいろふに落ちない点等もございました。この内容につきましては、一度ここへ——膨大な資料というよりは一枚か二枚の五カ年計画の趣旨というものがプリントされて出ておりますが、十二月二十二日に出されたならばすでにそれが出ておらなければならないものが、いまになってこれから——もし質問するほうが久保委員であり、社会党だったらどんなに思っただろうかと考えたら御判断がいくはずだと思う。これ以上追及はいたしません。それと、いまの理論あたりはいろいろほかに考えようがあるが、追及はいたしません。
  43. 久保三郎

    久保議員 いまのお話で一枚くらいの紙でとおっしゃるなら、一枚の紙に膨大な資料を圧縮して次の週にでも説明を申し上げたい、かように思っておるわけであります。  なお、十二月二十二日に初めて提案したときには、その当時そういう資料がなければ提案するのはおかしいとおっしゃるが、それはそういう立場もございますが、あまり気になさらぬでもいいことではないだろうか、かように思うのでございます。ただ、この問題できょう初めて答弁しておるのであります。準備万端あまりよくできておりませんし、しかも今日までの当委員会理事会あるいは理事懇談会で別な話ばかりをしておりましたので、頭が散漫になっております。ついてはこれも御猶予いただいて、来週なり再来週、運賃法と一緒に長時間にわたって整理したものをお話し申し上げれば、もっと御理解願えると思う。次会にさらに答弁をいたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
  44. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 私は、それなら議事進行でひとつ委員長要求しますが、国鉄運賃法も準備、計画されたのはすでに昨年からなんです。そこできわめて簡単な資料要求いたします。国鉄の関連をしておる投資もしくは出資をしておるその会社名並びにその金額、そのリスト全部をいま直ちにここに配付してもらいたい。こんなものを提案する限りは、そんなものは即座にできるはずですよ、いまそんなことを言うなら。そんな議論がどこにありますか。私ら運輸委員になって十年になりますが、こんなことは初めてですよ。私は黙っておられませんよ。しかも権威ある政府機関が提出をしておるものです。いま直ちにここへ出してもらいたい。それでなければさきの発言は撤回してもらいたい。あまりにもひどい。
  45. 關谷勝利

    關谷委員 運賃法の一部を改正する法律案につきまして、残っております二、三の点について御質問をいたしてみたいと思います。   〔発言する者、離席する者あり〕
  46. 古川丈吉

    古川委員長 山口君の発言につきましては、本委員会終了後開く理事会において相談をいたします。
  47. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 それなら不穏当の点については委員長がしかるべく訂正いたしますか。
  48. 古川丈吉

    古川委員長 質疑の続行をお願いいたします。   〔「だめだ、だめだ」と呼び、その他発言する者あり〕
  49. 古川丈吉

    古川委員長 山口君の御要求につきましては、ただいま発言をいたしまして決定いたしましたから、さよう御了承を願います。   〔発言する者あり〕
  50. 古川丈吉

    古川委員長 山口君の発言につきましては、国鉄より発言を求められております。これを許します。磯崎国鉄副総裁。
  51. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいまの山口先先の資料でございますが、国鉄法第六条に基づきます国鉄の投資会社等につきましては、即刻調製いたしまして本日中に提出いたします。口頭でよろしければ、ただいまから御説明いたします。   〔「口頭ではだめだ」と呼ぶ者あり〕
  52. 古川丈吉

    古川委員長 では、国鉄側から御発言のありましたとおりに、資料提出していただくことに決定いたします。
  53. 關谷勝利

    關谷委員 運賃法の一部改正法律案につきまして、一、二点残っております点の御質問を申し上げたいと存じます。  この二月十五日に実施ということは、いまの場合時期的に非常に困難になったと思われます。その場合に、もしこの審議が多少でもおくれるというようなことになった場合に、それは国鉄法第三十九条に、弾力性を与えることができるというようなことがありますが、これが適用できるのかどうか、この条項の性質はどういうふうになっているか、この点を承ってみたいと思います。
  54. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいまの御質問、法律の解釈でございますので、運輸省御当局から後刻御説明があると思いますが、私のほうといたしましては、国鉄法三十九条の予算の弾力性につきましては、これはこれに基づきまして、予算総則において具体的な弾力条項がきまっておるわけであります。したがいまして、三十九条だけでは発効しないでこれが予算総則に具体化されている、こういうふうに私のほうは思っておりますが、法律の解釈でございますので、もう一ぺん運輸省のほうからお話があれば聞きたいと思います。
  55. 堀武夫

    ○堀政府委員 まことに申しわけありませんが、ただいま副総裁からお答えがあったとおりに考えております。
  56. 關谷勝利

    關谷委員 あとでまた御検討の上で、予算総則でこういうふうになっておるからこういうふうになるのだということを、また別の機会にお尋ねをすることにいたします。  それから、この法の四十二条でありますが、現金の取り扱いというようなことにつきまして、これは将来国有鉄道のあり方等をきめまする上に、御意見を承っておくほうが適当であろうかと思いますのでお尋ねをするわけでありますが、これをみんな国庫に預託しなければならないことにしております。これをまた郵便局あるいは銀行その他大蔵大臣の指定する金融機関に預け入れることができることになっておりまするが、これを通常の状態に引き直して、いつの場合にもこれができるのだ、平常の場合にもできるのだというようなことに改正をすることが、将来特別債等を消化するということについて非常にやりやすくなるということで、この点につきましては私は将来国鉄資金調達の関係等からいって、四十二条を改正すべきではなかろうかというふうに考えております。特に預託金の一定の金額、いま二十億が四十億になったかとも思いますが、それだけのものを預託しておってそれだけのものには利子もつかないというようなこと、それ以上のものであっても利子が非常に安い。そうしてそれ以上でなければ運用ができないというような非常に制限をせられたことになっておりますので、この点は独立採算である国鉄にこれを要求することは非常に無理であるというふうな気持ちがありますので、この四十二条というものは将来これを改正する必要があるのではないかというふうに考えておるのでありますが、国鉄当局あるいは運輸当局の御意見、御希望でもけっこうでありますが、伺っておきたいと思います。
  57. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 国有鉄道法第四十二条でございますが、これにつきましては、立法的問題は運輸省から後刻御答弁願うことにいたしまして、国鉄側としてのこの条文に対する考え方だけを申し上げておきたいと存じます。  この条文の第三項は、三年ほど前に当委員会のお力によりましてやっとつけ加えていただいたのでございまして、ただいま先生のおっしゃった四十億以上につきましては、国債を保有する、その他資金を預託をするということに、若干高い利子の資金運用ができるようにさしていただいたわけでございます。しかし根本的に第一項に書いてあることは、国庫預託が原則であるということになっておりまして、国鉄といたしましては、これを市中銀行に預金する、あるいは郵便局にも預金をすることは原則としてはやっておりませんので、もし国鉄資金調達が去年あるいは今年度また来年度に特別債というようなものに非常に多く依存するような傾向になってまいりますと、その点につきましては根本的にぜひやはり解決していただきたいというような強い希望を持っているわけでございます。
  58. 堀武夫

    ○堀政府委員 ただいま關谷先生からの御質問の点ごもっともだと思いますので、今後関係の向きと十分相談をいたしまして、検討いたしたいと思います。
  59. 古川丈吉

    古川委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十六分散会