○
藤田進君 お答えをいたします。なお、漏れた点等については再質問を
——あるいは私のほかに
柳岡君等の提案者もおりますから、それらから答弁せしめます。
まあ要約いたしますと、衆議院における事態の情勢というものがよくわからない。また、それを受けた参議院の
委員長との関連、さらに
委員長の
問責に関連をして、日韓の、この条約あるいは
協定その他の解釈について、どういうものか食い違いが多いが、こういう点を
特別委員長はいかに掘り下げさせたかといったような点であったかと思います。さらに今後の残されている問題点について、
委員長はいかようにはからうつもりと提案者は考えているか、という点であったかと思います。逐次お答えをいたします。
その第一点でございますが、衆議院における審議の実情と、議会制民主主義の関係でございます。従来、しばしば両院においていまわしい事態が起こされてまいりましたが、今回の日韓関係案件に関する限り、いまだかつてない
——参議院には、先般七月の選挙で初当選された方も多いわけでございますので、まだその間、ここに五カ月ないし六カ月ということで、あまり過去の先例その他をお読みになっていない方も多いかと思いますから、若干つけ加えて申し上げ、新進気鋭の良識は、今後このような間違いのない方向に導いていただきたいという希望を込めて、答弁をする次第であります。衆議院における、今回の日韓案件に関する限りについて申し上げますと、まず第一に審議日数というものが非常に短い。これは参議院も同様ですが、衆議院では安藤
委員長のもとで、参議院に劣らないほどの
——寺尾
委員長のやり方もさることながら、衆議院においてもまことに遺憾でありました。これを
日程的に見ますれば、まず第一に問題としなければなりませんのは、これほど大きな問題でありますから、所定の手続を経て、公聴会を開き、天下有為の皆さん方の意見を、十分にこの条約、
協定、国内法案に反映をする、こういう手段をとられるべきであり、このことを社会党は非常に強く要求したのでございましたが、これに対する自由民主党の措置は、結局、突如として強行
採決の形で参考人を
——条約案件に
賛成する人だけを集めて意見を聞く、これはまことに片手落ちなやり方であった。それで事態収拾策として参考人は呼ぶこととするが、後日、公聴会を開くというかたい約束があった。これは本院の特別
委員会でも、総理、官房長官その他と論争いたしました際にも出てきた問題であります。ところが、これは全くほごにされてしまって、公聴会は開かれない。そうして十一月の六日になりまするや、全くこれは四十何秒とかいう人もありますように、安藤
委員長に対して
動議をだれかが出した。それを許し、かつ、これまた参議院同様、
委員会では一括議了された。
——全くその事実は存在しない。議決の事実がない。これが合法か非合法か、あるいは、正当か不当かというような、そういう論議の余地すらない。そういう事実がない
採決をした。こういう問題が起きて、事態収拾を行なわないままに、十一月十二日未明、やみ夜というか、暁を目ざしてというか、突如として船
田中衆議院
議長は
——私はちょうどこれは院外でテレビで見ておりましたが、これはもう血圧が上がるはずです。息もつかせぬまま、最後にはもう全くやけのような声で一さんに読み上げたですね。そしてこれにわっと自由民主党の
議員の
諸君が取り巻いて、そういう中で、特にいまを時めく官房副長官竹下登君が、これは週刊朝日の表紙にも出ているように、飛び上がって行っている。官房長官にこの特別
委員会で聞きますと、私どもは役人です、もとより副長官しかり、これが国会の場においてかかるようなことは一切すべきではないし、そのようなことはしておらぬというようなことだ。それで私が、あの夕刊にも出ておりましたように、朝日新聞にちょうど写真入りで出ているものですから、これを総理に提示して、「これはどなたでしょうかね」、「これは竹下君だろう」。官房長官、うしろに控えておりまして、「これは竹下君です。」これは詳しくは速記録を見てください、時間がございませんから、詳しくは申し上げないが。そこで、どうして官房副長官が行ったろう。その自余の人たちはみんな自由党。
——社会党の
議員が一名でもいたらこの写真の中で指さしてもらいたい。いないのですね、これは。そこで、竹下君が行った目的は何だと言ったら、これは官房長官いわく、「いや、あれは事務総長に連絡があって行ったと思います。」ところが、事務総長に連絡で行ったのならここへ来なければならぬでしょうが。よく見てください、彼は
反対側へ来ているのですからね。幾ら血迷ったといいながら、事務総長に連絡があればあんなところへ行くわけがない。
反対側に行けばよろしい。まあ私は中国筋の島根県出身でもあり、問題を留保しまして、この特別
委員会に専念をいたしましたから、その問題は問題といたさなければなりませんが、要するに、十一月十二日未明というものは、これは、なまやさしいものではない。こんなことができるならば、質疑も討論も何もあったものじゃないでしょう。おそらくこの参議院における本
会議においても、そのようなことはないだろうと私は期待するが、おそらく保証しないじゃないでしょうか。自民党はこうしてやっている。十一日には自然成立をしたといわれるでしょう。ところが、国内法が三案残っている。あとから詳しくは申し上げますが、残っている。そこで、重宗
議長になるか、あるいは
河野副
議長になるか、自由民主党のほうから圧力を加えられるか加えられないかは別として
——棒読みに、だだっと読んでしまえば、これで一切が成立したというようなことを、衆議院ではなさったんですね。参議院の賢明なる
斎藤幹事長は、そういうようなことを示唆するとは思わないが、こういうことが実は衆議院の本
会議で行なわれたのです。これまた議決の事実は存在しない。それを送られてきた。衆議院における議決の事実はない、
委員会、本
会議ともに。これを、
議長さん、重宗さん、あなたの良識に訴えて、そのまま機械的に
——あなたは機械ではないんだから、これを受けて、さあ特別
委員会だ何だかんだという前に、議会制民主主義を守ろうじゃないですかと言ったんですが、「いや、他院から送られたものだから」、この一言ですね。このように、いわば衆議院の実情というものは議会制民主主義の破壊だということは、これは何人も……。わが参議院の特別
委員会は、不十分ではございましたが、地方では福岡と大阪、あるいは中央公聴会は本院特別
委員会のあの予算委員室で行ないました。ところが、日韓の案件に
賛成の側の人々も漏れなく協調し、声高く訴えたのは何でしたでしょう。衆議院における、かようなことは、これは許しがたい、参議院においてかようなことがあってはならない
——これは、賛否いずれの側においても、この声は非常に強かった。その公聴会の直後、四日に、衆議院に劣らぬ事態というものが寺尾
委員長のもとで起こった。これが、第一のお尋ねの、非常に簡略で恐縮でございますが、衆議院における審議の模様並びに議会制民主主義の問題でございます。
その次は、参議院における日韓特別
委員会の実情、特に散会をしないで
——これは奇現象が起こったのです。特別
委員会を開け開けというんじゃなしに、特別
委員会は開きっぱなしというんです。これは、速記にしても、事務局の人は、実際まあ今日、公務員給与の勧告が五月からとあっても、さあ九月からだ、予算はどうだ、そういう、まあいわば腹のへったときに、夜の夜中までほっぼらかしになったんですから、寺尾
委員長のもとに。これはどう思いますか。寺尾
委員長が、
植木君の発言が「
委員長」とあって、それっきりだもんだから、
委員長としては、事前に共謀されたように、これは質疑の打ち切りだけだ、こう心得て、一たん外に出る、暫時
休憩をして。その
休憩も宣してないですがね。一たん外に出て、また帰ってきて、今度は不信任から受けて、おそらく討論、さらに
採決、こういう手順であったろうかと思うのですが、どっこい、二階におりてみたら、先ほど申し上げたように、「あれは全部が済んだんだから、君、へたなことを言うたらだめだぞ、ちゃんと言い直せ」ということになった。どっこい
委員会のほうは
——皆さんも、やがて
委員長をおやりになる方も多いでしょうが、開会のままになっておるんです、開会のままに。
委員長もいない。与党の関係者もいない。いるのは野党だけが待っている。これはどういうわけかという御質疑ですが、これは、まさに計画の手違いといいますかね、与党の。(笑声)その辺から生じた事実であろうかと思うわけであります。
今回の
委員会における特徴を若干申し上げますと、与党におかれましては、かなり熱心に勉強しようという、まじめな態度で傍聴に来られた方もございました。あるいはまた、いよいよ四日を直前に控えて、かなり腕っぷしの強いような人が委員差しかえで相当入られ、あるいは傍聴に押しかけられた。これは私の邪推かもわかりませんがね。そういったような、いわば特徴的に現象というものは、これは否定できないのであります。そうしてさらに、私どもは、この
委員会をかようにせしめたという点について指摘をしておかなきゃなりませんのは、手違い論について
——大谷君がいてくれればいいんですが、ちょうど席をあけておりますが、与党並びに
委員長、
植木君の当時の発言の事情からいたしますと、質疑打ち切りをまずやる、そして討論については逐次時間
制限をしてやろうということで、御用意なすっております。たまたま
大谷君のところへ、
草葉隆圓君の前に
——理事ですから、場内交渉に行きまするや、部厚いリプリントしたものが置いてある。ふっと
大谷君のところへ行ったところが、この書類があるですよ。これがあの事態がありました、どうでしょう、十分前でしたかね。それを私も読んでおりますと、
大谷君は引っ張り取ろうとする。こういうわけで、上だけ読んで下を見ると、まだいろいろ書いてある。それを見ますと、討論時間は一人十分とかいうふうに、ちゃんと
議事進行のそれが用意されて、進行する順序になっていたわけです。ですから、討論を初めから省略しようというのじゃなくて、まず質疑を打ち切る。そこで
不信任案を受けて立ち、そのあと、四日になるか、翌五日の日曜日になるか、あるいは六日までかかるか、その辺をめどとして討論をやるという、いわば民主主義のルールに従ってやろうとされた、その良識のあったことはまず認めていいんじゃないか。それがもう、たちまちにして氷解してしまった。この点が実は問題なんですね。ここにいわば食い違い、手違いという現象が生じた。違いますれば、またちょっと説明してください。
それから第二の点ですが、
大谷君が発言する予定だったかどうか、結局は
植木君になりましたが、じゃ
植木君が何かしゃべったかどうかということについては、これは私ども特別
委員会ですぐ隣にいたものですが、「
委員長」と
植木君は言われまして、あとは何も言えなかったようであります。みんな何を言うか、何が書いてあるかと思って、のぞくものですから、見せまいという、まあ本能ですね。それで、こう、差し出した。読めないのですね。ついに読まずじまいというのが、これが実態のようであります。それはこちらに見る人がいるから
——こちらに見る人がいればどうにもならぬので、こうなるのでしょうが、まあ、そのようなことで何も発言ができていない。
第三の
提出要求資料です。これは実は聞いてもらいたいところです。質問者のような疑義が出るのも無理からぬところで、とにもかくにもこの日韓条約案件の審議には
——資料は一部持ってはきましたが、これに関する最も重要なポイントについては、ことごとく資料が出ておりません。じゃ出さぬのは
政府か、あるいは
委員会か、
委員長かということになりますが、
委員会としては、理事会の議を経て
委員会にはかり、法に従って
委員会の要求資料といたしました。ところが、これを
政府が一方的に出さない。御指摘の
——質疑者が言われました韓国の国
会議事録、あるいは
請求権八項目の内容と金額、あるいはフライング・ドラゴン計画、あるいは次官
会議の決定等々です。これはしかし、
政府だけが悪いというふうには言い切れない。それは
委員会の決議で要求すれば当然出すべきである。ところが
委員長並びに与党のほうでは、とにかくまあ理事会で、もますよりも、オーケー、オーケーと言ってきめて、
委員会へ
委員長は持っていって、「皆さん、御
異議ございませんか。
——異議なし」で、要求することになっているが、それはそうしておけ、どうせ
政府のほうから断わらせればいいんじゃ。そういう根性があるものですから、きまるのは案外簡単にきまるが、出さないという段階になれば、きまったものだから出してくださいという声が一音も与党さんから出てこない。韓国の国
会議事録は市販もされているし、私も持っておりますがね。それじゃなぜ
政府から要求するのか。これはその辺の市販だということになれば、
政府は、やはりどこのものか、えたいの知れぬ馬の骨かわからぬと、こう言うのです。ですから、あなたのほうからお出しなさい。
——ついに
委員長の手元まで出しましょう。
——委員長の手元まで出したものなら私たちに出してもらったっていいんじゃありませんか。それは
委員長が二十万票で私が四十万票と、
投票の差はあろうかもしらぬが、国会
議員になれば、
委員長の前に見せてわれわれに見せないと、そんなばかげたことはないでしょう。あなた方も
議員ですよ。被害者ですよ。出さないんです。それは
委員長もけしからんです。また、次官
会議がきめた、北朝鮮との交流あるいは入管にいって、次官が知っていて、
——これはだいぶん前ですから、当時各省庁の次官をされた方もいま
議員でおられると思います。あなた方がきめた、その次官が知っていて、最高機関である国の立法府へ
——その次官
会議の結果を閣議了承してるんですが、これが出てこないんです。こんなばかなことがありますか。まじめに考えてみてくださいよ。それから
請求権八項目、これも世上明らかなものです。それじゃなぜ要求するか。これもやはり一つの権威のある資料として、やはり外交権を持つ
政府の手を通じなきゃなりません。こういうものは
——これは一々あげれば切りがありません。韓国の合併以後、独立、平和条約を結ぶまでにどれだけの投資をしてるか
——これはあると言う。あるいはあれもある、これもある、検討中……、言ってずらかって、とうとうこの四日にああいったことで出さない。こういうていたらくで審議を深めるといっても、根本の資料というものに、ことを欠いた。これは最も遺憾とするところであります。
あと、いずれも簡単に申し上げたいと思いますが、問題の点としては管轄権ですね。これはもう何回もお聞きになっておりますが、私が申し上げるのはまだいままであまり触れられてない点であります。管轄権にいっては
政府はどう言うか。これはもういま質疑者矢山
議員の御指摘のとおり、平和ラインというか、休戦ラインですね、まあ西は平壌の南、それから東は
——この休戦ラインの南で現に支配している地域と、こういうことを日本の国会では
政府が言うでしょう。ところが韓国の
政府は、国会における答弁で全朝鮮半島であるということで、管轄権についてもこれは全く違うのですよ。そうして、あとで申し上げる
漁業について
——これは地図でちゃんと示していますからね。そうして北についてはどうか。これは白紙だと
政府は言うでしょう。これは池田さんの内閣時代からです。この白紙というのは、くせ者でしょう。これは何も書かないのだ、書いてないのですよというのが白紙でしょう。これから何か書いても、白紙ですから書けるのです。こういう、えたいの知れない、北については白紙。納得できないでしょう。そういういわば管轄権については大きな食い違いがある。したがって、今後の処理ということについて問題が起きます。じゃあ李ラインの存廃その他について両国の意見が食い違うがどうかという質疑ですが、まことに重要なポイントだろうと思います。これは李ラインについては、日本
政府は李ラインは撤廃されたとはもう一口も言っていない。今度の日韓の特別
委員会で、
政府が李ラインは撤廃されましたという答弁をした速記録があれば見せていただきたい。そう言ってないのですよ。李ラインについては実質的に解消いたしました、李ラインは実質的に解決いたしました、これ以上に出ていないでしょう。どういうことを意味します。韓国においては国会で、「李ラインは厳然として残っている、わが国には国内法もある、厳然として残っている、撤廃したことはない」と言っているのです。言い切っているのです。日本の
政府は撤廃したとは言っていない。坂田農相も総理も外相も、実質的に李ラインは解決した、こう言うでしょう。さあここが問題なのであります。これは遠いお年寄りの方には見えないでしょうが、(地図を示す)(「本人が見えないのじゃないか」と呼ぶ者あり)見えますよ。これは北朝鮮ですが、これは、ずっと今度の専管、共同規制水域というものが北朝鮮のほうに及んでいるのですよ。これは日本
政府の資料ですよ、公式に出された……。あとで見てください。皆さんのロッカーにあるはずだ。何にも見ていないんだろうから、
諸君は。こういうふうに李ラインというものは、実質的な解消、解決というふうに、「実質的」をつけなければならなくなっている。そして隻数、漁獲量、トン数、こういうものが、従来の実績から見れば、がたっと落ちたんです。そして各県では
——私どもの中国地方、九州では、割り当てについて猛連動をいまやっている。農林出身の
議員さん方はよくおわかりだと思う。ところが、韓国ではこれと違う、李ラインについては撤廃していない。いや、旗国主義だといいましても、これは将来大きな問題が起きることは間違いない。御質問のございました竹島に至っては、これはもうたいへんなことです。現に韓国保安隊は竹島に上陸している。大きな石碑も立っているそうであります。そこで、私どもは、理事会に
——委員長を介して与党にも
——この竹島へは、東京からまず隠岐島に飛びますと、一時間半くらいで行けます。隠岐島からこの竹島へ着陸というわけにもいきませんから、船で参りますと、往復して大体一日半、まあ二日あれば竹島周辺の視察ができるということで、いろいろ時間等も調べまして、竹島調査派遣要求を出しましたが、
政府は、いや、そういうところへ行ってもらっちゃ困る。それじゃよその国か。いや、日本の竹島で、領土であるが、行ってくれちゃ困る。なぜならば、その周辺に行くとあぶないというのですな、撃たれる。(「自衛隊を連れて行け」と呼ぶ者あり)自衛隊をね。日本の領土へ、日本の国民、国会
議員が行くのに、撃たれてあぶないからというようなことを
政府がのうのうと言っているのですよ。これはどういうわけです。しかも、交換公文の中に、このことは紛争処理として入っていると、しばしば
政府は言いました。入っていないんですよ。あれば見せてください、活字一字でもよろしい。竹島の「竹」もないですよ。紛争解決に関する交換公文の中に。そのはずです。韓国の国会では、竹島は椎名外務大臣が了承し、もう韓国に譲り渡しを確認したという答弁をしております。答弁をしておるんですよ。そうして李東元外務部長官は、アメリカに行く途中、日本に寄り、首相官邸で
佐藤総理に会った。たまたまこの間の参議院選挙の直後ですよ。これは韓国国会で李東元さんが言っているのですね。
佐藤さんが言うのに、「自分は参議院選挙で、竹島は日本のものだ、これはもう日本帰属にきまっている。これを同時に解決すると言ったのだから、ひとつ君のほうでもおれの顔を立ててくれないか」と、こういう意味のことを
佐藤さんは、私
——李東元に申しました。これは韓国国会での話ですよ。そこで、長いから要約しますが、「そんなことを言われるなら、日韓条約がつぶれても、ふろしきを包んで帰ります」と言ったところ、
佐藤さんもこれは認めた。内外記者団が周辺には一ぱいいたと、こういう状況描写までつけ加わって、この速記録にはあるのですね。これは李東元さんが言っているんですよ、韓国国会で。かようなことが
議事録に一ぱいあるのだから
政府は出せないのですね。交換公文に竹島もない。さて、それはそれとして、竹島は今後どうして解決するのか。お互いが相談して、できなければいよいよ調停に持ち込む。調停に持ち込むということを一方が了解しなければ調停にならない。この調停案が出ても、一方がだめだと言うなら、調停案は成立しないでしょう。要するにきまらない。独島
——竹島というものは、
佐藤さんによって日本の貴重な領土が割譲されたと言い切ってもいいだろうか、どうだろうか、特別
委員会をもっと開いて究明をしたいということを、われわれは要求したのであります。
さらに、対日
請求権についてでございますが、これが最後のようですが、民間信用供与三億ドル以上、これもまあ
田中大蔵大臣当時も、その前も、小坂外務大臣以来ずっと問題になってきたところです。大平・金メモ
——いろいろな複雑なこれは事情があるのでございますが、韓国は七億ドル以上とか、要するに有償無償五億ドル並びに民間ベースだと称せられますが、三億ドル以上、これは三億ドルでは済みません。これについては、義務か、あるいはこちらの単なる協力的なものであるかという点であります。これは相当追及されたが、最後のものがまだ究明されていない。
政府は二つのことを言っているのです。自己撞着、矛盾ですが、これは単なる民間ベースであるから
政府は何の責任もない。責任は何もない。いや、それでは三億ドルの達成がなくて、一億ドルでもどうか。ゼロになったらどうかと問い詰められまして、三億ドル以上を行政指導としてやっていきたい。それじゃ輸銀融資した場合に焦げついたらどうか。いろいろな議論があって、結局は義務だと言わざるを得ないような状態に、いまのところは、なっている。韓国の国会とはこれまた食い違っているところであります。これは今後大きな問題を残す、私にはこう思われる。それは、まず国内では
——あるいは相互の国の中で、韓国の国内のことには触れませんが、いまこの三億ドル以上七億ドルになるか、十億ドルになるか、あるいは焦げつくか、いろいろな問題を持ちながらも、
政府が保証しているという、このうしろ立てで、韓国のこの問題は、すでにもう九件韓国との間には取り引きが終わり、そして日本と韓国と口上書の交換もいたしておりますことは、
政府が答弁いたしました。もうこの夏に、あめ玉にたかったアリのごとし、これにですね、利権がからみ、いろいろ問題を起こし始めて、黒いうわさがすでにノリにおいて出始めている。渡辺
勘吉委員は、ノリについて黒いうわさがある、いよいよこれから具体的にこれを質問いたしますよ
——これはある政党の最高幹部に波及している問題の模様でありますが、これの発言にいよいよ入りますると、寺尾
委員長は、渡辺君の質疑は終了いたしましたなんといって、切っちゃったのです。これはひどいです。たとえ身にとって不利なものであっても、十分聞くべきであります。議院においては他人の私生活について言論をしてはならないことになっているので、おそれることはない。このように、民間のベースにおいてといえども、非常に重要な問題を包蔵いたしておりますことを申し上げたいと思います。
八番目、最後でございますが、軍事同盟との関係はどうか。これは一貫して
政府は「軍事同盟となんら関係はございません」、という答弁でございましたが、まだ不十分でございます。だんだんとアジアの軍事情勢、特に日韓の有償無償の
経済協力、そして物資の動き等々から見てまいりまして、明らかに軍事同盟である。たとえばアメリカにまいりました李東元氏は、アメリカと朝鮮と日本の三者首脳会談を提唱しております。アメリカは、どうもその時期が悪いから、いま
賛成するというときになっていないと、こう言う。また、南ベトナムのグエン・カオキ、これはその後のクーデターで現在は総理でございますが、それが南朝鮮の朴大統領を訪れて、これまた、この間、日本に寄ろうか
——日本に寄ってもらってもちょっと時期が悪いとおっしゃったようで、この南朝鮮朴大統領にグエン・カオキ将軍が
——首相が会われて、どうですか
——ベトナム、アメリカ、韓国、日本といったような軍事同盟締結について、意見の一致をみたという、共同コミュニケが発表されております。これは事実でしょう。そういう一連のものからいたしまして、頭隠してしり隠さずというか、全く
政府の答弁というものは、これは違うということがやや明らかになり始めたときに、いよいよ質疑打ち切りといったようなことで、すべてが今後に残されているところであります。
なお、この四十四項目につきましての部分でございますが、これは実は私ども理事が委員間にいろいろ残されている問題について摘出をいたしまして、それに若干の理由をつけて内外に発表いたしますと同時に、
委員長に対しても、このような質疑が
——重大な問題がまだ残されているということをお伝えいたしましたわけでございますが、すべてこれは今後に残されている問題であります。その内容につきまして答弁をすべきでありましょうが、まずこの辺でよいか悪いか、もし悪ければ、またお聞きいただければ、続いて御質疑に対する答弁をいたしたいと思います。非常につたない、短時間の答弁で恐縮でございましたが、よろしく。(
拍手)
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