○
小林武君
文部省の
態度の問題ですがね。なおその後もいろいろ
教組との間に
交渉が行なわれておるわけであります。これはまあわれわれ常識からいえば考えられないことなんですよ。
協定を二十二日に結んで、そしてそれを
文書で出して
通達して、その
通達の
あとに今度はいまのやつは無効ですというような、
口頭でもってやっている。こういうむちゃくちゃなことをやっている。そして、その
あとずっとやって、私が帰りましてから、きのうまたそのことで
交渉やっているんですね。私が帰った
あとですから、
けさの大崎だというんですから、きょうの六時ですね。
けさの六時に、十月二十八日付で
佐賀県
教組の
文書協定についてあらためて
通達を出すことにした。十月二十二日付の
文書協定は認めないということは、これは抗議を凍結させたというのですから、ここのところは
電話なものでよくわかりませんでしたが、
文書協定を認めないということこれは凍結さしたと、こういうことなんでしょう。二十八日。非常に動いているんですね。だから私は、
文部省が非常に動いている時期に、刻々とそれをつかんで対処しないということを責める
気持ちは毛頭ありません。これは
教育委員会が
教組側と話し合ってきめることですから、あなたのほうでそういうことをなさらないからといって追及はいたしませんけれども、どうもしかし、あなたのほうで初めにあまり
責任の立場にない方から話を聞いて、異常な
雰囲気の中でこのことが
協定されたということを感じ過ぎておるんじゃないか。異常でも何でもないです。その点、私が
調査しましたから、少し時間をかけてあなたに申し上げますから、ひとつ聞いておいていただきたい。これはひとつあなたのほうで
責任者を呼んだときには十分その点問いただしてもらいたいと思う。
この
交渉の始まりは、「
教職員の服務について」の
通達、
昭和四十年十月十二日付、
教委教親第六五四号、この
通達を出しているんです。これはまあ
通達を全部読み上げる必要もないと思いますが、まあ中身を申し上げますけれども、
1、
教職員の
勤務時間を明示し、当日の
教育計画、
勤務時間等の変更は、行うべきでない。
2、当日の
統一行動に参加するための
職務専念の
義務免除、または、
年次有給休暇等による
休暇請求に対しては承認すべきではない。
3、当日の
教職員の
勤務状況については、じゅうぶんその実態を把握し、
勤務時間内の
組合活動は、許すべきでない。
4、その他当日の
統一行動と
誤解を受けるような
教職員組合の諸
会合の
開催については特に注意し、さしひかえるよう指導されたい。なお、必要ある
学校においては、当日の
勤務について
文書による
職務命令を出されたい。
5、貴
委員会内における当日の
実施状況を
別記様式に従い、即日、
電話で、また
文書による
報告は、
別記様式によって、すみやかに各
学校別に
調査書を作成し、
市町村教育委員会、
教育事務所を経由して、十月二十六日まで
教職員課あて、ご
報告ください。
その中には
報告事項として
学校運営の
状況、
教職員の
勤務状況、集会の
概況、
市町村教育委員会、
校長に対するいわゆる
集団交渉の
概況、
教職員以外の他
労組の
参加状況、こういう点を書いたものであります。もっと前文が長々とありますけれども省略いたしまして、ちょっと概略御紹介しますと、この
通達。これに対して
交渉をしたのであります。その
交渉のしかたは、何ら
事態収拾に努力しないで
通達ばかり出すというのはおかしいではないかということが
一つです。もう
一つは、記の中の四項、「その他当日の
統一行動と
誤解を受けるような
教職員組合の諸
会合の
開催については特に注意し、さしひかえるよう指導されたい。」という、この項、それから
様式の中の四項と五項、それは、「
市町村教育委員会、
校長に対するいわゆる
集団交渉の
概況」を知らせろということ、五項として、「
教職員以外の他
労組の
参加状況」、この
通達の紀の四項の
撤回、それから
報告下項の四項と五項、その
撤回、これをしてもらいたいという
交渉に入ったわけです。これが入ったのが二十日の午後七時半であります。しかし、この日は七時半になって終わっております。二十一日また
交渉が開かれました。そのときは
県職にも同じ問題がありましたので、副
知事、
教育長両方が
一緒の場所で
交渉を受けることになった。十一時半から始まって、十三時半から十五時まで
休憩に入った。なぜ
休憩に入ったかというと、副
知事は所用のため退席した。したがって、中断せざるを得なかった。その副
知事の
交渉の中には、
県側は
人事課親第十三号というような大体同じような
文書の
撤回を求めることが入っておりましたし、
教員組合側は
教委側に先ほど申し上げたような
撤回の
要求をしているわけであります。そして同日の十五時四十分から再開されました。これは十八時まで続いた。十五時から再開されましたときにはまだ副
知事がこないので、
教育長との間にだけ行なわれ、先ほど申し上げたような四項の
撤回、それから
報告事項の三及び四、これを
撤回する。
教組側としては
令部通達を
撤回してもらいたいという、こういう意向もありますけれども、特にいま申し上げたような
撤回要求をしている。しかし、これは話がなかなか進みませんでしたけれども、四項の前のほうの二行だけは
撤回しますという、この話し合いの中では話がついているわけです。二行というのは、
統一行動と
誤解を受けるようなものについては差し控えるよう指導されたいというところを
撤回する。それから
報告事項の中の三、四項というものについては、これはひとつ
撤回いたします。ここまできている。十八時から夕食、
休憩に入って、十九時半まで休むことになった。その間どうかひとつ問題の
検討をしておいてくださいということを
教組側から申し入れている。十九時四十分再開、このときには副
知事、
総務部長、同次長が列席し、
教育庁側は、
総務部長、
教職員課長及び
課長補佐が出て、
知事室にてこの
交渉が始まった。十九時四十分からおそらく五十分くらいのところまでの時間に始まったと考えられる。そして、それは二十二時二十分ごろまで続行された。そして十九時四十分から五十分ごろの間で始まった
交渉は、二十時ごろまでは
教育長を主とする
交渉でありました。
そのとき問題になった
事項というのは、
佐賀市の
教育長が、
市教組並びに
市教組の
書記長に対して、もう一人
市会議員の
米光という人に対して、
佐賀市の
教育長が、この
行動は
——統一行動のことです。
統一行動に参加した君は、
報告さえされてあれば、内申を待たず
処分することになっておるのだ。すなわち、
通達、
報告は
処分資料としての
資料という
意味であると、こういうことを
教委側から
佐賀市の
教育長は聞いておるということを
佐賀市の
教員組合の
書記長と
米光という
市会議員に話をした。その点が問題になりまして、先ほどの
通達というのは、もう有無を言わさず、
報告を受けたら直ちにこれが
処分をするという、そういう
資料なんだということはおかしいではないか、こういうことをそのときに話し合われた。そこで
教委側はそれを認めない。したがって、それでは
佐賀市の
教育長と対決をしなければだめなのではないかということで、そこで
交渉はストップになった。そして、二十時から二十一時までは、今度は
教組側ではなくて、
総務部長交渉に入った。
総務部長は出席しないのはおかしいでないかということを言われて、いやすまなかったという謝罪をしたので、すぐ
交渉に入ったと、こうなっております。二十一時三十分から二十二時ごろまで、今度はまた
佐賀市の
教育長が参りましたので、
教員組合側の
交渉が始まった。それには
教育長から話を聞いた
市教組の
書記長並びに
米光市議がこれに入った。
佐賀市の
教育長は、それについて
いろいろ書を左右にして、言ったというようなことを言わなかったけれども、その場の
雰囲気では、
佐賀市の
教育長が言ったというふうに認められるような
状況であった。まあしかし、それはそれで終わりまして、二十二時から今度は二十二時半ごろまで、
教育長、副
知事の
交渉に入るのだが、そのときに打ち合わせの
要求があって、
休憩を求められた。
そこで、
交渉側は、二十三時三十分ごろまで
休憩に入ることにした。そのとき
交渉するほうの側から、どうかひとつ前向きの
検討をこの
休憩中にされることを希望するということをいわれている。二十三時三十分過ぎに再開された。
県側は、その際、
総務部長から、県から出した先ほどの
文書は回収いたします。その回収を
県職と約束をいたしました。したがって、これは
白紙に戻すということでありますということになったのが零時ごろであった。したがって、
県職のほうは、それで問題が解決をしましたので、零時半ごろから
教委側と
交渉になった。
教員組合との間に。それで
教員組合側の、
県職がそのように
撤回したのだから、どうぞひとつ
教員組合のほうもそうしてくださいという申し入れをしたら、県は県、
教育委員会は
教育委員会だ。そういう根拠はどこに立って述べているかというと、地公法第三十七条で、
法律違反は
法律によって
処分するのは当然のことである。だから断じて
教育委員会側はこれを
撤回するという
意思はない。
白紙に戻すという
意思はないと、こういう話になった。そこで
教組は、
教育委員会側はそのように、
法律、
法律とおっしゃるのであれば、あなた
たちは、あなた
たちの犯している
法律違反のほうはどうなるのだと、こう聞いた。たとえば週四十四時間は守られていないじゃないか、
昼休み四十五分も同様だ、こういったところが、
教育長は、そんなことはない、現在までそのとおり、法どおり守るように指導してきたし、今後もそのように厳重に守るようにこれは指導するつもりである。
違反の事実はないと、こういう
意味のことを言った。それで
教組は、それではけっこうです。そういうことが厳重に指導されておって、そのとおりいままでもやられてきたというならば、いまおっしゃることを
文章にしてください、こういった。それで
教育委員会側は文庫を出した。ところが、この
文章の
内容が、たとえば
先ほど教育長が言ったように、四十四時間の問題、
昼休みの問題が中に書かれてなかったものだから、これでは私のほうでは不満である。そこで
教組側の副
委員長である
丸山というのが、こう書いてもらえばいいといって
教組側の
内容を示した。そこで、これならばはっきりしている。あなたのおっしゃるとおりのことをこれに書いたのだが、どうぞひとつここに
署名をしてもらいたいと、こういった。しかし、その
署名をしてくださいというときには、
文書の
撤回もしてくださいということを言ったが、この間
押し問答を約一時間やったというのです。
その
押し問答の中で、予算の関係もあり、時間を与えてもらいたいという
要求が二、三回に及んだそうであります。この点が現在、
教育委員会代行をやっている、何といったか、
代行の話によると、いわゆる異常の
雰囲気ということになる。異常の
雰囲気の具体的な問題は何だといったら、
休憩を求めたけれども、
休憩をがえんじなかったということを言ったが、ここのところであります。時間を与えてもらいたいと言ったが、そのことは守っている、守るように指導しているというから、
文章がはっきりしていればいいじゃないですか、
押し問答した、ここのところであった。それで
押し問答の結果、
署名せよということを
教組側は言って、その際、
教組としては、一歩後退して、
法律に抵触するところがあるというようなことならば訂正してもいいのだ、だから訂正したものについて
署名ならできるのか、こういう
押し問答もやった。その際、
教育長は、ひとつ
便所へ行きたいと、こう言い出した。
便所へ行くのは御随意にというわけで、
便所から帰ってきた。その際、帰ってきたところで、それでこはの場で相談さしてもらうといって、
職員課長と、いわゆるそこに出席しておった
教育委員会側の方々と
教組側に背を向けて、そしてひそひそ話をした。そしてそこで
署名をした。
その際、そこに至るまでに、
教組側としては、何というか、
押し問答の中で、彼らの表現をもってすれば、なんだか騎虎の勢いのような形で
通達を
撤回してもらわぬでもいい、それからあしたの
行動も中止する、だから
署名してください、これを
署名してもらえば、
撤回を
要求したけれどもあれも要らぬです、それからとにかくあしたの
行動も中止しますとここで言っちゃった、それでまあだんだんいったところで、さっきのような
署名のところへいっちゃった。そこで、
具体的事項は
教組と
教委で今度はやらなければならぬものですから、二十二日の二時から二時二十分ころ、
教育委員会側は、これをそのときによく相談しなければならぬということで引き揚げた。引き揚げて別室へ行ったときに、古賀という
県会議員が、これは
教組出身の
県会議員ですが、
教育長に、これはまあどっち側についた話かわからぬような話ですけれども、一体、
教育長、それはできるのかと尋ねた、あの
文書を
撤回したらいいのでないかと、こう言った。そうしたら
教育長は、いやいや、現在までも指導しているし、これからも指導するのだ、こう答えた。それで
教育長はさらに、
教育現場のことについては
自分もよく、
教員出身でないからわからないという
意味だと思うのですが、よく十分に知っていないから、時間をひとつもらいたいのだ、ここで協議するのだ、こう言って二時二十分から五十分の間、約三時半まで向こうに時間をとって、その際、
教育委員会側は、
教育長、
学校教育課長、これは自宅に帰っておったのを呼んだ、
職員課長、
総務課長、
小中高の
人事主事、先ほど言った
教職員課長補佐を入れて、ここで協議に入った。三時半に再開された。三時半から三時五十分までの間に。それで
文書をとにかく清書した。清書したのは
丸山という
教組側の副
委員長がした。印刷はこれは
教委側がやった。そして
両方で
確認をして
署名をした。判こがないから、
署名で
効力があるだろうというわけで
署名をした。そういうことと同時に
確認文書も交換した。この際、
両方はこれで
お互いにいままでの
交渉の結果が結末がついた、握手をする者もあると、こう書いてある。
私はこの
協定の中から一体異常な
雰囲気というのはどこがどうなのかわからない、私はその点できのうも
委員長にも話したし、みんなにも話した。だれでも経験のあることで、朝方まで続くという
交渉の場合は、だれだって疲労もするし緊張もする、
教員組合の
委員長をやっていれば、こういう
自分たちがいよいよ
お互いに妥協しなければならぬことですから、妥協した場合に、組合の大衆がこれをどう批判するかという問題がある。よくやったという場合もあるし、つまらぬことを結んだという場合もある。その場合には、組合の決議機関なり何なりに
自分の
責任をやっぱり明らかにしなければならぬ、これだって緊張する。へたなことをやったら、これは大衆に
責任を追及されるわけですから、その点は同じだと思う。
教育長も一生懸命だし、とにかく
教員組合の者も一生懸命だ。これは頭に血が上るくらいのことはあたりまえのことですね。異常な
雰囲気というのはどういうことだろうかよくわからない。ただ異常な
雰囲気であったということのあれに、
教育長が病院に入ったということがある。しかし、こういうことはぼくはふしぎな因縁だと思う。
佐賀県で前に何か事件が起こったときもぼくは行った。そのときも鍋島
知事が病院に入った。何かあるとすぐに病院に入る、何だか乱闘県議会とか何とかあったときにも、これも病院に入った。まあ病院に入るのは、そういうような切迫したときに、気の弱い人が、からだの弱い人がそうなるのだろうと思うのだが、見るというと、
交渉に参加した副
知事なんというのは、会ってみたらぴんぴんしているし、みんなが参っちまうというわけでもないし、だいぶ
教員組合も疲労したような顔しておったけれども病院に入る者はない。だから、私はそういうような
一つの特例をとらえて云々するということはおかしいと思うのだが、こういう事実から見て、私は
調査の事実からみて、異常な
雰囲気というのはおかしいと思うし、なおその点については、前にも申し上げましたように、
教育委員長から、決して異常な
雰囲気のもとできめられたからというようなことでこれを認められないと言っているのではございませんと、それは私もよく承知しましたと、まあ公的な席上で、場所で言ったことですから、かまわないと思いますが、実は私もちょっと早まり過ぎたというような
気持ちもいたしておりますというような、そういう正直なお話もありました。
そうするとですね、私はこの問題について、
文部省としては指導する部面があるならば、片寄らないひとつ指導のしかたをするべきだ。異常な
雰囲気であるというような特定のだれかの話だけを信頼してやるというようなことは、これはしてもらいたくないというようなことと、同時に、さらにきょうになってから事態がまた変わった。一度認められないと言った
通達をもう一ぺんまた出すなんというようなこと。それはどういうことなのか。私自身も実はかえってわからぬ。こういうことなのでありますが、これが、
協定が絶対有効だと私は確信しているのです。これは前にも電産という組合があって、電産の組合の中で
協定を結んだ。
協定を結んだ当事者は支店長だ。支店長は、しかし
協定を結ぶ権限がなかったということで、電産の当局がどうしたかというと、その場合、支店長は左遷されたけれども、組合と、少なくとも電産の名前を使って
協定を結んだことについては守らなきゃならぬという
態度をとったということを私は経験として知っている。私はまあきのう
教育委員長に言ったんですけれども、あなたのおっしゃる理由、なぜ認められないかといった理由、これは四点大体あると私は思っておる。
一つは、何か権限外のことである、
教育長がやったことは。財源の問題を考えた場合に、条例改正、それに、これに予算を組まなきゃならぬという問題がある。それから、
協定の中にある
休憩のことについては、
学校の
教育について、給食その他これがやられたら正常にいかないのではないか。もちろんこれについては
教員組合側はそういう約束がきちんとできた上で、今度はそれでは給食の場合にはどういうことをするか。教員はその場合にはこういうことについて必ず生徒に迷惑をかけないような
勤務のしかたをするにはどうするかの。そこで、やったならば、その
あと時間の問題をどうするのかという、きちんとしたきめ方をするということを
委員長に言って、
学校に、
教育に支障を来たすようなことはやらない。権利としてははっきり認めさせて、その上に立って
お互いに権利と義務の関係に立って
学校の正常な運営をはかる。こういうまことに筋の通ったことを言っておる。しかし、ここのところでは
教育委員長の考えとしては、給食その他の点から、
学校の正常な運営ができないのじゃないか。それから学
校長が困るのではないかというようなことも、まあそれにつけ加えられてありましたけれども、私はここに載っているのは、財源だとか、権限外だとかいろいろなことを言っておるけれども、これはいわば
教育委員会側の理由なんです。
教員組合のほうでこれはかれこれ言われるべき筋合いのものじゃない。いわば家庭の
事情です。
教育委員会側の
事情なんです。
教育委員会側の
事情でもって正当に結ばれた
協定が破られていいという理由は私は成り立たないと思うのですが、この点については文部
大臣はどうお考えになるか、ひとつ。