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岡田宗司君 もし
韓国側においても、いま
椎名外務大臣と同じような説明なり解釈なりを公表しておるならば、私
どもは食い違いがあるとは申しません。しかしながら、
韓国側の説明なり解釈なりが違っておる。しかも、単にこれは評論家あるいは野党の議員が主張しているのではなくて、調印の当事者が言っておるから、これは食い違いがあると、こう申しておる。食い違いの事実なしと、こういうことは強弁にすぎないのであります。私
どもは、そういう普通常識をもって
考えられないような強弁をここでもってお聞きしているのじゃない。ただいまとの食い違いの問題について、竹島の問題については食い違いがあるから、紛争処理の交換公文ができておるのだ、それをつくったのだと、こういうふうにおっしゃいますが、この食い違いは、ひとり第三条だけではなくて、竹島問題にあり、李ライン問題にあり、さらに他にも幾つか私
どもは発見することができるのであります。
このあなたが食や違いのあると認めたそれでは竹島の問題について、私
どもはさらに食い違いの点を明らかにしていかなければならぬと思うのであります。あなたは、竹島は
日本の領土であるということを盛んに主張されております。しかし、この
日本の領土は、今
日韓国の官憲によって占拠をされておるわけであります。しかし、そういう占拠をされておるという事実だけではなくて、この竹島、つまり
韓国のいう独島の領有権について、非常な食い違いがあるのであります。この食い違いがあるから紛争の対象になる、これは私も客観的に紛争があるということを認めますが、一体この処理の方法をきめたこの紛争の
解決に関する交換公文、これの解釈まで食い違っておるというところに、また重大な問題があると思うのであります。竹島の領有の問題について食い違いがあるということは、これは客観的の事実である。しかし、この客観的の事実を
解決するための交換公文において意見が一致しておるならば、この問題の
解決の方法と言えましょう。しかしながら、紛争の
解決に関する交換公文の解釈もまた違っておるに至っては、どうして一体
解決することができるのか。その点を私は今度お伺いをしたいと思っておるのであります。
韓国側はこの紛争の
解決に関する交換公文
自身が竹島の問題の処理に
関係していないということをはっきり言っておるのであります。これは、私またこの
韓国の
国会の議事録を引用して、あなたの御見解を伺いたいのでありますが、この
韓国の第五十二回
韓国国会の議事録、八月の十三日でございますが、外務部長官は、この問題についてこういう見解を述べておるのであります。「次は、独島問題についてのべます。独島はわが国の厳然たる領土であり、領有権是非の余地がありません。
日本は独島が
日本の領土であると主張し、国際裁判を通じて領有権に関する是非を明らかにしようと強硬な
態度を十余年の間持続してきました。このたびの
会談妥結時においてもこの問題を
解決しようとの
態度を示したが、わが
政府は独島がわが国の領土であるので、
国交正常化ができなくても
日本の主張を受け入れることができないばかりでなく、この問題をもって
日本と論議する余地さえないことを明らかにして、われわれの
立場を最終的に貫徹したのであります」。これはこの交換公文を調印した外務部長官の説明なんです。
国会における正式の説明でございます。これによると、交換公文における紛争処理ということは、対象にならないということを示しておるではありませんか。さらに、もっと詳しくこの問題について、
韓国国会において答弁をしておるのであります。少し長いですけれ
ども、そしてこれは
総理大臣あるいは外務
大臣にとって多少耳の痛いことも書かれておるようでありますけれ
ども、お聞き取りを願いたいと思うのであります。これは李東元外務部長官の答弁です。「独島は、あくまでもわれわれのものであり、独島の領有権はわれわれのものであります。勿論独島が過去韓日間で、韓日問題の懸案の対象にはならなかったが、韓日間で多少のやりとりまた、紛争の対象であったことだけは事実であります。こんど
日本にいったときにも、
日本の外相が独島問題について、何らかの
解決策を見い出そうと私に話したことがあります。私はその席で、韓日
会談の懸案問題を
解決し、調印するために、
日本に来たのであって、韓日
会談の懸案でもなく、問題の対象にもならないわが国の領土問題をあなたがたと相談するために
日本に来たのではないからもし、あなたがそのような
立場を固執するならば、私は風呂敷をたたんで帰ると本人にいった結果、彼がその話を中止し、その後調印……いわゆるその正式調印をするため、
日本首相官邸で
日本の内閣……わが国の代表、
日本の代表また百余名にのぼる
外国記者とカメラマンが二階で待機していました。調印する約四十分前までは
佐藤首相と私がこの問題について多少のやりとりをしました。
佐藤首相がいうには、独島問題、すなわち
日本人はこれを独島だといわず、竹島問題といいます。竹島問題については、昨日自分が参議院選挙の演説でこんど
解決されない限り韓日
会談を
解決しないと約束したのでこの問題についてどうか少し自分の顔を立ててくれとの話がありました。私はこの事について
佐藤首相にはっきりといいました。われわれが韓日
会談の妥結をみ、調印をしようとする最も大きな理由は今後、韓日
関係が親善の
関係にならねばならないという事であったのにもし、独島問題がこの度の韓日問題で言及されたといろ事実を
韓国国民が知るようになれば、これはわが
国民感情を挑発するダイナマイトの役割りを果す。それならば、何のために韓日
会談の調印をするのか、したがってもしこの問題について
日本の
立場を廃棄し、われわれの
立場を認めない限り、私としては調印することができないと非常に強い
立場を示し、ついにわれわれの
立場が認められ、調印するようになったのであります。また、勿論政治というものは時間が
経過するにつれて時には変質するのが常であります。ここで紛争の
解決に関する交換公文において、もし今後
日本が独島問題とこの問題を関連させる可能性も……政権が変ればその可能性もあります。この可能性もある程度考慮して……
日本の人達が最初、主張するには「
両国政府は、別の合意がある場合を除外しては
両国の問の紛争はまず……」、最初には
両国間の紛争を独島を含む
両国間の紛争としといいましたが、これは椎名外相が取り下げました。」椎名外相が取り下げましたと書いてある。「われわれは
外交上の経営を通じて
解決することにし、これによって
解決しえない場合には
両国政府が合意する手続に基づいて、この
両国政府が合意する、これは
日本人はどのようにしたかといえば、
両国政府が合意する第三国または、国際裁判所に提訴してその審議結果に従う、このようになっています。これを直し、合意する手続に従って調停により
解決をはかる、即ちいいかえるならば、
日本の
佐藤政権が変り、あるいは政治生理が変質して独島問題を約束に反して交換公文にひっかけ、国際的に
解決しようとしても
解決しえないように釘をさしたのであります。」と書いてある。「即ち、どうしてそうなるかといえば、われわれが合意しない限り
両国政府が合意する……つまり、われわれが合意しない限り如何なる手続もとりえません。また、その最後に
解決をはかるとしまして、はかるというこの事は法的な術語ではありません。英語で言うならば、This is very Sentimentalな……」この点はどうもよくわかりませんので抜かしましょうが、「となるので独島については勿論、
日本の政治的な必要によって今後も何らかの政治的なやりとりが無いとは断定しえないけれ
ども、われわれとしては
条約を通じて、法を通じてわれわれの
立場をはっきりさしており、また今後この問題については、動揺しないよう釘をしっかりさしておきました。」たいへん長い引用でございましたけれ
ども、
韓国の
国会で李東元外務部長官はかような答弁をしておるのであります。
まず、私はこの外務部長官が詳しく述べた竹島問題に関する
交渉の
経過、ここに書いてあることは事実であるかどうか、それからお伺いしたい。まず外相から。