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吉田忠三郎君 担当官からそれぞれの
お話がございまして、四十一年度をめどにして、できるだけのことをしたい
——できるだけのことをしたいと言っても、これはまことに抽象的なことなんだね。そうでしょう。先ほどぼくは具体的に、去年が何戸解消されたか、昨年度は何戸であったか、本年度は何戸かということを具体的に聞いておりますから、しかも、残余のものについては、あなたもいま申されたように、四万数千戸ある。だから、こういうものについてどう対処するかということを明らかにここで答弁をしていただかないと、これは私、納得いきませんよ。そういう具体的な、あなたのほうとしての
計画の
数字的なものをここに持ち合わせがないなら、次回の
委員会に資料として出していただいてもけっこうですが、そういうことでなければならないと思う。
そこで、若干、これは次官がさっぱりその点うといようですから、経過的に申し上げますと、これは
全国的な規模は
昭和二十五年から始まった。これは御承知のように、対日援助の見返り資金による長期の融資
対策として、農林漁業金融公庫による長期融資の措置がとられた、これが経過。しかし、北海道は、国のこういった経過とは別に、一年間先がけて、
昭和二十四年から五カ年
計画で北海道の道費による助成措置というものを講ぜられてきたわけです。しかし、これは次官は御承知でないと思うが、農林省の係官は十分承知だと思うが、あくまでも自家用の小規模の
発電用の施設であり、電力会社と直接契約をするというような一般供給のやり方ではないのです、二十四年からやっているのは。
そこで、国のこれに
関係する、しからば法律というのはどういうことになっておるかということを私は
調査してみました。ところが、
昭和二十七年は、いま答弁されたように、農山漁村電気導入促進法というものが制定されて、法律第三百五十八号、翌年の二十八年に離島振興法の中に
——法律第七十二号にございます。それぞれ法律に従いまして措置がされてきたけれ
ども、これはその法律は当初開拓部落といいますか、俗に言っておりますところの開拓部落、開拓農村、そういうところに入植する者のみを
対象として補助措置がとられておる。ですから、非常に弊害がある。弊害があったわけですから、いろいろ国会内で議論をされて、
昭和三十四年に同法の一部が改正になって、現存の農漁家に対する補助率が拡大されているという経過がある。離島についても、やはりそういうふうに法律が一部改正になっている。
それから北海道の未点灯の戸数の推移を見てまいりますと、
昭和二十四年ころは十一万五千戸あった。それが、その率を当時
全国的な中に占めるものはどうかというと、約二〇%程度だった。その程度二〇%程度。ところが、
昭和四十一年、いま係官が答弁したように、四千七百戸近いものが残余として残されて、これは
全国的なものと比較してみたらどうなるかというと四六%。そうすると、大多数が北海道にあるということだけは、このパーセンテージ見ても、お聞きになっても、おわかりになると思うのですね。
それから、いろいろこれから四十一年度をめどとして、できるだけのことをする、こう言っていますけれ
ども、導入に対する補助の現状というものはどうなっているかというと、工事の経費の
対象は三万から十五万ということになっておりますね。それはできるだけのことをすると言っても、国が三分の一よりしないのですよ。
あとは道が三分の一、残りの三分の一強はすべて僻地における農漁家がみずから負担する。さなきだに、先ほど申し上げたように、低所得階層が、
一体こういう負担を余儀なくされて、この問題が本質的に解決するかどうかということについては、決して私は非難するのではないけれ
ども、
関係各省庁は、ほんとうにその心になって、真剣に過去の行政措置というものを反省してまいらなければならぬのじゃないか、こう思います。
以下たくさんこれは申し上げればございますけれ
ども、私はやはりこの際、先ほど、質問に対して満足する答弁じゃないですから、保留をしましたけれ
ども、少なくても政府当局としては、北電なら北電の一般供給に切りかえる方途を強力に進めていくというようなやり方をやらなければ問題にならぬ。現に本州八社は農村地区における一般供給に全部切りかえつつあるから、先ほど申し上げたように、非常にパーセンテージがぐんぐんぐんぐん下がってきておるということは、実施されておるということの証左になるわけでしょう。そういうことをやっておるわけですから、ですから、北海道の場合も、少なくても農民がみずからかなりの負担をして、あるいは組合をつくったりしで電力会社まがいのようなことをやらせるようなことは、日本の公益性の強い電力事業の政策からも私は間違いだと思う。この点は
一体どう
考えるかということですね。
時間がありませんから多く申し上げませんが、一つの例をとってみますと、網走というところに、
昭和二十七年に三十五戸で、受益者負担で、いま申し上げたような組合をつくりました。何と三十五戸で七百五十万負担しているわけなんです。二戸当たりそうしますと、計算しますと二十万円です。開拓農家です。そのうち、今日ではすでに五戸離農しておりますけれ
ども、こういう実態がございます。そこで、一月の電力の消費量は、電力料、電灯料はどのくらいかかっておるかというと千三百円、消費量は二十キロワットです。そうしますと、一般われわれ家庭に供給されておるものとどういう
関係になるかということは申し上げるまでもないでしょう。しかも、このほかに毎月組合費というものは五百円取られる。それから電気でありますから、農村の諸君がだれでも彼でも、どこでもやるというわけにはまいりません。ですから、当然電気に
関係いたします
技術者、
管理者等々置かなくちゃなりません。これにかかる経費は一人頭やはり五百円、そうしますと月に二千三百円、実質的に、先ほど申し上げた二戸当たり二十万のほかに、月々にこういう膨大な負担を余儀なくされている、こういうことになっているわけであります。こういう点をぜひひとつ十分認識されて、理解されてこの問題に対処しないと、実のあるものにはならない。国民の福祉あるいは道民の福祉向上などという演説をしても、それは全然なっていない。こういうことになるわけですから、ただ単に先ほどの答弁のように、四十一年度をめどに、できるだけのことをやるなどという抽象論でごまかしたって、私
どものほうはそういう実態を把握しておりますし、そういう
考えも一つ持ち合わせておりまするので、納得しません、そういうことではね。ですから、これについての
考え方を明らかにしていただきたい。
それからもう一つは、次官が、これから
調査をして、さらに理解の高まるような答弁をいたしたいと、こう言っておりましたが、その
調査でありますけれ
ども、現在では原局の札幌通商産業局がやっておりますが、その
調査は微々たる予算措置であります。ですから、全く局部的に、点でやっていく以外やっていけないのですね。これでは全く、
調査というのは具体的に施策、
計画をつくり出すもとですから、そのための
調査には私はならないと思う。ですから、やるとすれば、全北海道を
対象として
調査ができるような予算措置をしてまいらなければならぬのではないか、こう思うのですが、この点、
一体どうお
考えになっておるか。
それからもう一つは、これは中小企業に対する金融と同じように、あるいは他の補助金等々にも非常にこういう点が多いわけでありますが、非常にこの補助の
対象金額そのものも少ないですし、それからもう一つは、この制限がどうも、これはまた役人根性といいますか、ああでもない、こうでもないと言ってまことにむずかしいものをつくり上げて、みずからそれの解消を阻害しておるという面がございます。だから、こういう点は、できるだけそういう手続上についても全くなくするということはできませんが、無制限にするというわけにはまいりませんが、簡略にして、ともかく農漁家のそれぞれの財政的にも、それからいれ以外の労力についてもですね、負担のかからないように、行政として施策を施さなければならぬじゃないかという面が多々ございます。これが一つ。
それからもう一つは、これまたいろいろございますが、かりにそういうものが将来漸進的にやっていくということで、一挙に、いま私が申し上げたような理論は理論としても、具体化をしていく場合に困難性があるということで、いまのままの姿をある程度維持していくということになりました場合においてもですね、今度は組合をつくらなければならぬのですね。そういうことになりますと、
管理維持費がかかりますよ。これなどについても、さなきだに高い料金を支払っているわけですから、それ以上にそれらの諸君に負担を増大させるというようなことでなくして、前段申し上げたその電力設備を設備するときに国が補助するわけですから、それと同じような
考え方に立って、運営費あるいは
管理維持費ですね、そういう
関係についても、補助の措置を、これは非常に消極的な
対策、施策であるけれ
ども、
考えてまいらなければならぬじゃないか、現
段階ではこう思うのであります。この点についても御答弁を私は求めたいと思います。