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政府委員(森五郎君) ただいま御
指摘の鉱山災害防止五カ年
計画でございますが、この
計画は、去る三十八年発足いたしておるわけでございます。この
計画の内容といたしましては、災害率につきまして
昭和三十八年以降四十二年までの間に年々前年比一割減ということで、目標年次でございます
昭和四十二年におきまして三十七年の災害率に比しておおむね半減する、ただしガス爆発であるとか、あるいは坑内出水による災害はこれを絶滅するということを目標に、国、各鉱山及び団体がそれぞれの立場で目的達成に協力するという
計画でございます。ところが、ただいま
先生御
指摘のように、百万人当たりの死亡者プラス三日以上の休業の罹災者の数、これがいわゆる災害率でございますが、これは
昭和三十七年の災害率は、全鉱山で、
石炭も亜炭も、金属、非金属、石灰石、石油全部合わせまして六百五十二という
数字になっております。したがいまして、目標四十二年にはこれを三百八十四に減少しようという
計画でございますが、三十八年は六百六十九、三十九年は六百二十七、四十年の一月から六月は、これはまだ全部の確定した
数字ではございませんが、大体六百三十三程度ということになっておりまして、思うように下がっておらないという実情であることは、
先生御
指摘のとおりであろうかと思うわけでございます。
こういう事態につきまして、
通産省といたしましては、特に相次いだ炭鉱重大災害にかんがみまして、
石炭鉱山保安緊急
対策というものを打ち出して災害の防止につとめておるわけでございます。すなわち、このやった内容といたしましては、本年五月以降、総合点検と申しまして、
監督官が五、六名のグループをつくりまして、炭鉱を徹底的に検査をするということをやっておるわけでございます。これは、そういう総合点検月間を二回にわたって設定いたしまして、全国の八十一炭鉱、大手のほとんど入るわけでございますが、総合点検をいたしておるわけでございます。
それに、総合点検をいたしまして、またそこでいろいろ指示をいたします。それを
あとで追跡検査をする、不意に行って指示したことが守られておるかどうかということを点検するというやり方をとっておるわけでございます。そのために
監督官の旅費その他出張費が要るものでございますから、御
承知のように四十年度の予備費から七億八千四百九十万円、これは全部
監督官の旅費だけじゃございませんが、その他もろもろの鉱山保安
確保の緊急
対策の費用といたしまして予備費が計上されておるわけでございます。
それからもう
一つ、この前、山野の炭鉱の爆発の
あとでございますが、
通産省の審議会に中央鉱山保安協議会というものがございます。そこで今後の
石炭鉱山の重火災害をどうやって防ぐかということを諮問をいたしまして、いろいろ御議論をいただいたわけでございますが、いろいろあるんでございますが、その中の一番重要な問題といたしまして、
石炭鉱山の骨格、構造が悪いんだ。たとえばガス爆発について申し上げますと、ガスがたまりやすいような構造になっておるということが、これは非常にぐあいが悪い。これを何とかして早く改造しなければいかんじゃないかということが、意見書として通産
大臣に出されておるわけでございます。そこで中央鉱山保安協議会といたしまして、机上で議論ばかりしていても、これはぐあいが悪いので、現地の実情を調査しようということになりまして、七月に保安
対策調査団というものを九州と北海道に派遣をいたしまして、全部で六鉱山を選びました。現場でもそれが必要であるということを確認いたしたわけでございます。すなわち、先ほど
石炭局長から御
説明ございましたように、現在の
石炭鉱業が非常に経理的に不振であるために、やるべき坑道掘進をやっていないということがございまして、そのために坑内構造の改善であるとかそういった生産の基本的条件をやはり整備をする必要があるということに対しまして、これには相当お金が要ることでございますので、四十一年度の予算要求の中に、こういう改善に対する費用を計上したい、こういうふうに
考えておるわけでございます。