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1965-11-09 第50回国会 衆議院 本会議 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年十一月九日(火曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第八号   昭和四十年十一月九日    午後二時開議  第一 日本国大韓民国との間の基本関係に関   する条約等の締結について承認を求めるの件  第二 日本国大韓民国との間の漁業に関する   協定実施に伴う同協定第一条1の漁業に関   する水域の設定に関する法律案内閣提出)  第三 財産及び請求権に関する問題の解決並び   に経済協力に関する日本国大韓民国との間   の協定第二条の実施に伴う大韓民国等財産   権に対する措置に関する法律案内閣提出)  第四 日本国に居住する大韓民国国民法的地   位及び待遇に関する日本国大韓民国との間   の協定実施に伴う出入国管理特別法案(内   閣提出)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい   ては十分質疑答弁討論その他については五分   とするの動議中野四郎君外二十三名提出)  外務大臣椎名悦三郎不信任決議案山本幸一   君外四名提出)   質疑終局動議中野四郎君外二十三名提   出)   討論終局動議中野四郎君外二十三名提   出)    午後二時三分開議
  2. 船田中

    議長船田中君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい   ては十分質疑答弁討論その他については五分   とするの動議中野四郎君外二十三名提出
  3. 船田中

    議長船田中君) 中野四郎君外二十三名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十分質疑答弁討論その他については五分とするの動議提出されました。  本動議記名投票をもって採決いたします。  本動議に賛成の諸君白票反対諸君青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。   〔議場閉鎖
  4. 船田中

    議長船田中君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名点呼〕   〔各員投票
  5. 船田中

    議長船田中君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。(発言する者多し)静かに御投票願います。   〔投票継続
  6. 船田中

    議長船田中君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。――なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。   〔投票継続
  7. 船田中

    議長船田中君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。   〔投票継続
  8. 船田中

    議長船田中君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣。――開鎖。   〔議場開鎖
  9. 船田中

    議長船田中君) 投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  10. 船田中

    議長船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長報告〕  投票総数 三百五十九   可とする者(白票)       二百三十   〔拍手〕   否とする者(青票)       百二十九   〔拍手
  11. 船田中

    議長船田中君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十分、質疑答弁討論その他については五分とするに決しました。(拍手)     ―――――――――――――  中野四郎君外二十三名提出発言時間制限の動議を可とする議員氏名       相川 勝六君    逢澤  寛君       青木  正君    赤城 宗徳君       赤澤 正道君    秋田 大助君       天野 光晴君    綾部健太郎君       荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君       有田 喜一君    安藤  覺君       井原 岸高君    伊東 隆治君       伊能繁次郎君    岩動 道行君       池田 清志君    池田正之輔君       石井光次郎君    石田 博英君       一萬田尚登君    稻村佐近四郎君       今松 治郎君    宇野 宗佑君       上村千一郎君    臼井 莊一君       内田 常雄君    内海 安吉君       浦野 幸男君    江崎 真澄君       遠藤 三郎君    小笠 公韶君       小川 半次君    小川 平二君       小澤佐重喜君    小渕 恵三君       大石 八治君    大石 武一君       大泉 寛三君    大倉 三郎君       大竹 太郎君    大坪 保雄君       大西 正男君    大野  明君       大橋 武夫君    大平 正芳君       岡崎 英城君    加藤 高藏君       加藤常太郎君    鍛冶 良作君       海部 俊樹君    金子 一平君       金子 岩三君    金丸  信君       上林山榮吉君    神田  博君       亀岡 高夫君    亀山 孝一君       鴨田 宗一君    唐澤 俊樹君       仮谷 忠男君    川崎 秀二君       川島正次郎君    川野 芳滿君       菅野和太郎君    木部 佳昭君       木村 剛輔君    木村武千代君       木村 俊夫君    岸  信介君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    草野一郎平君       鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君       倉成  正君    藏内 修治君       小枝 一雄君    小金 義照君       小島 徹三君    小平 久雄君       小宮山重四郎君    小山 省二君       纐纈 彌三君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 榮作君       佐藤 孝行君    佐藤洋之助君       齋藤 邦吉君    坂田 英一君       坂田 道太君    坂村 吉正君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       四宮 久吉君    志賀健次郎君       始関 伊平君    椎名悦三郎君       重政 誠之君    篠田 弘作君       澁谷 直藏君    正示啓次郎君       白浜 仁吉君    進藤 一馬君       周東 英雄君    壽原 正一君       鈴木 善幸君    砂田 重民君       砂原  格君    瀬戸山三男君       關谷 勝利君    園田  直君       田川 誠一君    田口長治郎君       田澤 吉郎君    田中伊三次君       田中 榮一君    田中 角榮君       田中 龍夫君    田中 正巳君       田中 六助君    田邉 國男君       田村  元君    田村 良平君       高瀬  傳君    高橋 禎一君       高見 三郎君    竹内 黎一君       竹下  登君    竹山祐太郎君       谷川 和穗君    千葉 三郎君       地崎宇三郎君    中馬 辰猪君       塚原 俊郎君    綱島 正興君       坪川 信三君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中垣 國男君       中川 一郎君    中川 俊思君       中島 茂喜君    中曽根康弘君       中野 四郎君    中村 梅吉君       中村 幸八君    中村 寅太君       中村庸一郎君    中山 榮一君       永田 亮一君    二階堂 進君       丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君       西岡 武夫君    西村 英一君       西村 直己君    根本龍太郎君       野田 武夫君    野原 正勝君       野見山清造君    羽田武嗣郎君       馬場 元治君    橋本登美三郎君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    八田 貞義君       服部 安司君    濱田 幸雄君       濱地 文平君    濱野 清吾君       早川  崇君    原 健三郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       福井  勇君    福田 赳夫君       福田 篤泰君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤枝 泉介君       藤尾 正行君    藤山愛一郎君       古井 喜實君    古川 丈吉君       保科善四郎君    坊  秀男君       細田 吉藏君    堀内 一雄君       堀川 恭平君    前尾繁三郎君       前田 正男君    益谷 秀次君       増田甲子七君    松澤 雄藏君       松田竹千代君    松田 鐵藏君       松野 頼三君    三原 朝雄君       水田三喜男君    湊  徹郎君       南好  雄君    村上  勇君       毛利 松平君    粟山  秀君       森   清君    森下 國雄君       森下 元晴君    森田重次郎君       森山 欽司君    八木 徹雄君       山口喜久一郎君    山崎  巖君       山田 彌一君    山手 滿男君       山中 貞則君    山村新治郎君       山本 勝市君    山本 幸雄君       吉田 重延君    早稻田柳右エ門君       渡辺 栄一君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       赤路 友藏君    赤松  勇君       茜ケ久保重光君    秋山 徳雄君       足鹿  覺君    淡谷 悠藏君       安宅 常彦君    井伊 誠一君       井岡 大治君    井谷 正吉君       井手 以誠君    伊藤よし子君       石野 久男君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    卜部 政巳君       江田 三郎君    小川 三男君       大原  亨君    大村 邦夫君       岡  良一君    岡田 春夫君       落合 寛茂君    加賀田 進君       加藤 清二君    片島  港君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金丸 徳重君       神近 市子君    川崎 寛治君       川俣 清音君    川村 継義君       河野  正君    久保 三郎君       久保田鶴松君    栗原 俊夫君       栗林 三郎君    黒田 寿男君       小林  進君    兒玉 末男君       五島 虎雄君    河野  密君       佐々木更三君    佐藤觀次郎君       佐野 憲治君    坂本 泰良君       沢田 政治君    重盛 壽治君       實川 清之君    島上善五郎君       島口重次郎君    下平 正一君       東海林 稔君    鈴木茂三郎君       田口 誠治君    田中 武夫君       田原 春次君    多賀谷真稔君       高橋 重信君    滝井 義高君       楯 兼次郎君    只松 祐治君       千葉 七郎君    戸叶 里子君       堂森 芳夫君    泊谷 裕夫君       中井徳次郎君    中澤 茂一君       中嶋 英夫君    中村 重光君       中村 高一君    永井勝次郎君       楢崎弥之助君    成田 知巳君       二宮 武夫君    西宮  弘君       西村 関一君    野原  覺君       野間千代三君    長谷川正三君       畑   和君    華山 親義君       原   茂君    原   彪君       日野 吉夫君    肥田 次郎君       平林  剛君    藤田 高敏君       帆足  計君    穗積 七郎君       細迫 兼光君    細谷 治嘉君       堀  昌雄君    前田榮之助君       松井  誠君    松浦 定義君       松平 忠久君    三木 喜夫君       武藤 山治君    村山 喜一君       森  義視君    森本  靖君       八木 一男君    八木  昇君       矢尾喜三郎君    安井 吉典君       柳田 秀一君    山内  広君       山口シヅエ君    山口丈太郎君       山崎 始男君    山田 長司君       山田 耻目君    山中日露史君       山花 秀雄君    山本 幸一君       湯山  勇君    米内山義一郎君       横路 節雄君    横山 利秋君       吉村 吉雄君    和田 博雄君       加藤  進君    川上 貫一君       谷口善太郎君    林  百郎君       志賀 義雄君      ――――◇―――――
  12. 船田中

    議長船田中君) ただいまの投票中、井岡大治君が親指にけがをせられた事実があります。遺憾なことでありますから、実情を調査した上で、議長において処置いたします。      ――――◇―――――  外務大臣椎名悦三郎不信任決議案山本幸   一君外四名提出)           (委員会審査省略要求案件
  13. 船田中

    議長船田中君) 山本幸一君外四名から、外務大臣椎名悦三郎不信任決議案提出されました。  本決議案は、提出者要求のとおり委員会審査を省略して、議事日程に追加するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  外務大臣椎名悦三郎不信任決議案を議題といたします。
  15. 船田中

    議長船田中君) 提出者趣旨弁明を許します。楢崎弥之助君。   〔楢崎弥之助君登壇〕
  16. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君 私は、日本社会党を代表し、ただいま上程されました椎名外務大臣不信任決議案趣旨説明を行ないたいと存じます。(拍手)  まず、案文を朗読いたします。     外務大臣椎名悦三郎不信任決議案   本院は、外務大臣椎名悦三郎君を信任せず。    右決議する。   〔拍手〕  以下、その理由を申し上げます。      理 由  一、椎名外相は、日韓両国民の多数の反対をおしきって日韓条約調印を実際に行なった最大責任者である。    日韓条約は南北両朝鮮の統一を阻害し、実質上の東北アジア軍事同盟の結成となり、日本独占資本経済侵略をもたらし、かえって日韓民族の真の友好を妨げるものである。    しかも権名外相条約管轄権範囲李ライン、貿易問題など条約基本的な重要事項について両国政府の間に全く意見の一致をみていないことを知りながら、これを国民にかくし、あえて調印を行なった最大責任者である。  一、椎名外相は一貫してアメリカ追随外交に終始し、中国の国連代表権を否定し、吉田書簡問題にみられるように日中の国交回復、交流を阻害し、原潜寄港を許し、沖繩軍事基地化を強め、アメリカベトナム侵略戦争協力するなど、日本国民的利益と、アジアの平和に重大な障害を与えている。  一、椎名外相はこれまでの国会審議を通じて明らかなように、外交上の定見がなく、外務大臣としての資格にかけるばかりでなく、国会におけるその答弁態度は、全く無責任、不真面目きわまるものである。   これが本決議案提出する理由である。  さらに、私は、以下その理由を詳しく述べたいと思います。  ときあたかも朝鮮戦争においてアメリカ軍の敗色が決定的となった一九五一年、すなわち、昭和二十六年十月九日、GHQ外交局長シーボルトの要請により開始された日韓会談は、十五年を経過した今日、まさにベトナム戦争においてアメリカ軍がどろ沼に足を突っ込み、抜き差しならない状態におちいったまさにこの時期に批准が強行されようとしております。朝鮮からベトナムへ、戦争に始まり、戦争の中で批准を待つ。この日韓条約の姿ほどその本質とその宿命を如実に物語るものはないといわねばなりません。(拍手)  同時に、締約国たる日韓両国のこの条約に対する取り扱いは一体どうであったでしょうか。  まず、韓国のほうはどうか。朴政権は世論の総反撃にゆらぎながら、去る八月十四日、韓国国会野党欠席のまま売国与党単独採決というファッショ的な手段で批准を強行したのであります。すなわち、韓国批准国会特別委員会質問が始まったのが八月五日夜からでありました。そして十一日夜、基本関係条約についての質問が終わり、在日韓国人法的地位問題に移ったばかりのところで、突如与党採決一分間という一方的な奇襲をもって特別委員会における採決を強行したのであります。この間、実質審議が行なわれたのはわずか二日間にすぎませんでした。さらに翌十三日には、与党議員と二人の無所属議員だけの変則国会で、もう一つの懸案でありました南ベトナムヘの戦闘部隊増派の可決を強行し、翌十四日同じく一党国会で、ついにおくめんもなく日韓条約批准を強行したわけであります。まことに日本政府自民党も顔負けするほどのみごとな早わざであり、朴正煕政治の舞台に登場してきた一九六一年五月十六日の軍事クーデターをまざまざと思い起こさせるほどのものでありました。  しかも、これに反対する学生デモに対して、警官の暴行だけではあきたらず、八月二十五日、ついに朴政権軍隊を出動させ、翌二十六日衛戌令を発動して徹底的な弾圧に乗り出したのであります。駐韓国連軍司令官がこの措置承認したからであります。韓国における国連軍は、その沿革において国連憲章の規定と精神からはるかに遠く離れ、いかに変態的なものであるにしても、いやしくも国連軍という名を冠したものであります。いかにアメリカベトナム戦争ベトコンからほんろうされて頭にきているとはいえ、韓国において、ベトコンと違い、何の武器も持たず素手でデモをしておる学生運動に対し、武力による弾圧国連軍の名において承認したという事実は、国連の前途にとってまことに重大な意味を持つというべきでありましょう。(拍手国連国連と、国連を神さまのようにしている佐藤総理椎名外相は一体この事実を何とごらんになりますか。  ところが、おそれ入ったことがあります。九月に自民党広報委員会で出しました「日韓に新時代」というPR用パンフレットでは、この韓国強行批准について以下のようなことを言っているのであります。「韓国における反対運動は、当初から相当はげしいものでした。それは、屈辱外交あるいは売国外交であるという考え方に立っての反対論であったのです。そういう激烈な反対の声の中で、朴正煕大統領とその政府は、断乎所信に向って、国会承認にまでこぎつけたのです。朴大統領のこの識見と気概があったればこそ、韓国民の激情をおさえ、日韓友好への足歩を早めることができたといえましょう。われわれは、韓国国会批准案採決を祝福するとともに韓国政府の、こうした真の祖国愛に深く敬意を表したいと思います。」と、PR用パンフレットは言っておるのであります。  これは全く聞き捨てのならない考え方であります。朴政権与党単独採決という暴挙を、こんなにまで祝福し、反対運動軍隊まで出動させて、事実上の戒厳令下国民弾圧している朴正煕政権が、佐藤内閣自民党にとっては深く敬意を表さなければならない政府に見えるというのであります。(拍手)これはきわめて危険なファシズムの思想といわなければなりません。だからこそ政府自民党は、祝福し敬意を表しておる朴政権やり方と同じやり方で、日本国会においても、ついに去る六日ペテン暴力で一方的に特別委員会におけるわが党の質問を打ち切り、採決が行なわれてもいない日韓条約案件を本日の本会議で強行通過せしめようとしているのであります。  しかも、どうですか。一昨日の日曜日に、私ども社会党がこの政府自民党暴挙国民に訴えるために、都内各駅頭で街頭演説を行ないますと、各地とも日の丸をつけた右翼暴力団、あるいは自民党学生部なる雇い兵のニュースカーによって悪質な妨害を受けたのであります。あなた方自民党が、去る九月九日と十八日の二回にわたり、都内日本橋料亭水光苑に、警視庁暴力取り締まり本部のリストに載っておる右翼暴力団を集め、自民党広報委員長山手滿男代議士が特に出席をして協力を頼んだという事実は、すでに明らかになっているところであります。(拍手)  かくして、国会の中においては数の暴力をもってわれわれ野党質問の口をふさぎ、さらにまた、本日は本院議長もその自民党に同調して、われわれの権利たる発言時間を制限するがごときは、全くファシズム的行為といわなければなりません。(拍手国会の中においてもしかり、国会の外にあっては、暴力団とスクラムを組んで、国民に対するわれわれの訴えを妨害する。これがはたして選挙によって選ばれた議員によってつくられておる政府与党のすることでありましょうか。(拍手)このようなファッショ的佐藤内閣自民党に、今日を生きる国民と、やがて生まれてくる若き日本民族の将来の運命を左右するこの重大な条約の成否をどうしてまかせることができるでありましょうか。  椎名外務大臣、あなたはこの危険な日韓条約案件の総仕上げをして、調印をし、本第五十回臨時国会において、去る十月二十一日本院でみずから批准のための趣旨説明を行ないました。あなたの責任はまことに市大であります。以下、私は本条約案本質内容を通じて、あなたの外交方針の無定見と反動性を明白にし、あなたの外交能力の無能さをもあわせ、その責任を追及せんとするものであります。(拍手)  まず第一に、あなたが今国会承認を求めるためにお出しになっている日韓条約案は、一体条約なんでありましょうか、私どもから見れば、日韓会談中間報告をまとめた一片の紙きれにすぎないように思われるのであります。なぜならば、意思の合致、合意の成立が条約の必須の要件であることぐらいは、外務大臣ともあろう人が御存じないはずはないと思うからであります。ところが、どうでありますか。特別委員会審議にちょっと入っただけで、重要な問題点について日韓両国解釈が百八十度違っていることが明白になってまいりました。  佐藤内閣朴政権は、日韓条約調印しておきながら、調印が終わったとたんに、合意したはずの内容に食い違いができて、まるっきり違う解釈をそれぞれの国民に対して宣伝し合ってきました。まるでお互い国民をうまくごまかすことまで協定を結んできたのではないかと錯覚を起こすほどの巧みなごまかし合戦であります。(拍手)しかも、解釈の相違に対してどちらの国かが抗議をしたということも、ついぞ聞いたことがありません。まことにおかしな話であります。これでは日韓双方お互いに都合のいいように自国国民に宣伝し、ごまかすことを暗々裏に合意しているのだと勘ぐられてもしかたがないではありませんか解釈が違っていれば、なぜ韓国に文句を言わないのですか。佐藤内閣朴政権がそれぞれ自国民に説明しているところで、大きく食い違っている点がいろいろとありますが、そのおもなところを両国国会における答弁を中心にして摘出してみますと、以下のような点であります。  まず、領土管轄権の問題であります。この条約が適用される地域は一体どこなんでしょうか。この条約適用地域を明示することは、およそ条約と名のつくものにとっては一番大切で、基本の問題ではないでしょうか。それを椎名外務大臣は、石橋質問に答えて、基本条約適用範囲を明示することは必要ないと言うんです。幾ら日韓日韓で夜も日もないとはいえ、頭までポンカンになってしまわれたのではないでしょうか。しかし、椎名外務大臣、あなたは名優であります。適用範囲基本条約で明示することが必要なことぐらいおわかりになっているのです。ところが、必要とわかっていても、それを明示できない理由があるからであります。  なぜなら、韓国には、韓国の領土は韓半島及びその付属島嶼とするという憲法があって、朝鮮民主主義人民共和国の権威を認めておりません。そこで、幾ら共産主義がおきらいといわれる佐藤総理でも、北朝鮮に一つの権威が現実に存在しているという事実を否定するわけにいかないから、三十八度線以北には政権が存在するともしないとも言っていない、例の……
  17. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、時間が超過しておりますから、簡潔に願います。
  18. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) 国連総会決議第百九十五号(Ⅲ)をわざわざ引っぱり出して基本条約第三条に持ってき、ごまかしをはかったのであります。すなわち、基本条約第三条の、「韓国政府は、国連総会決議第百九十五号(Ⅲ)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。」という点においては、日本側は、この決議の中の、「臨時朝鮮委員会が観察し、協議することのできたところの地域で、かつ、朝鮮人民の大多数が居住している部分」という表現に着目をし、韓国の領土、領域には直接触れず、ただ管轄権が休戦ライン以南にしか及ばないと説明しているだけであります。現に、佐藤総理も、椎名外務大臣も、国会答弁で、現実には北朝鮮に一つの権威が存在しており、韓国管轄権は休戦ライン以南に限られると言っております。ところが、韓国側では、これに対し、同じ決議の中の「朝鮮における唯一のこの種の政府である」という部分を強調しているのであります。すなわち、八月五日の日韓条約批准国会特別委員会で、李東元外務部長官は、日韓基本条約で、韓国政府朝鮮半島における唯一の合法政府であることを日本に確認させたことによって、日本が北朝鮮外交関係を樹立する道を完全に封鎖したという見解を、はずんだ口調で……
  19. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、制限時間が超過しておりますから、すみやかに結論を願います。
  20. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) 答えております。そうかと思いますと、八月十一日の参院予算委員会では、藤崎条約局長は、国連決議をそのまま引用して、その趣旨にのっとってやるということで、主権とか領土権には触れていないと答弁し、先ほど申し上げました、今国会日韓特別委員会における椎名外務大臣石橋質問に対する答弁となってあらわれる。言っておることがまるで食い違って混乱し、何のことかさっぱりわからないではありませんか。実際的にも、この基本条約第三条についての解釈の不一致が、他の案件に及ぼすところは実に大きいといわなければなりません。なぜなら、請求権処理の問題や、漁業専管水域あるいは在日韓国人範囲の問題などは、韓国の管轄地域を南朝鮮の部分に限定するかしないかで、実際の取り扱いは大きく違ってこざるを得ないからであります。(拍手)このようなあいまいな国連総会決議第百九十五号(Ⅲ)が、日韓基本条約の一番基礎だというのでありますから、また何をか言わんやであります。  次に、基本条約解釈両国の見解が対立しているもう一つの問題は、第二条であります。すなわち、旧条約失効の時期についてであります。朝鮮日本が植民地化した日韓併合条約などの旧条約をどう扱うかという問題でありますが、条文には、いつから無効であるのか、時期が明記されてはおらず、ただ、すべて「もはや無効である」と……
  21. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、すみやかに結論を願います。
  22. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) 規定しただけで、どんなにでも解釈できるようになっているわけであります。この種の条約としては、きわめて異例であり、あいまいであります。そこで朴政権は、初めから無効であったという主張を固守し、貫いているのであります。これに対し、椎名外務大臣は、併合条約は、これに反する事実が発生したとき、すなわち、韓国が独立宣言をした一九四八年八月十五日に無効になったと答弁をしております。何ともはやあいまいなことでありますが、これは、それぞれ自国向け、都合のよい解釈ができるような仕組みになっているわけであります。(拍手)ここに両政府共謀の陰謀が隠されているのであります。  大体、日韓会談における請求権問題というのは、朝鮮日本の植民地であった時代に受けたいろいろの朝鮮人の被害項目を補償する問題で、南朝鮮の政権だけを相手に片のつく問題ではないばかりか、それをいいかげんに捨て去って、大平・金密約で朴政権に対する経済協力にすりかえることなどはできない性質のものであったはずであります。それをごまかしてすりかえたのでありますから、佐藤内閣としては、旧条約が当初から無効、すなわち朝鮮の植民地化が初めから不当であったと認めますと、賠償として、請求権に対する支払いをしなければならなくなります。(拍手)そうすると、経済協力という美名の経済侵略ができなくなるからであります。おまけに、朝鮮植民地化の旧条約が当初から無効であったとなると、在日朝鮮人の子弟の民族教育の中にある民族解放闘争の歴史を抹殺しにくくなるわけであります。(拍手)さらに文部省は、併合が正しかったというように、教科書を改悪までして、国民に併合の侵略性をごまかし、暗々のうちに侵略思想を植えつけて日本を軍国化しようとしているのが、ぐあい悪くなるからであります。(拍手)そこで旧条約韓国政府成立まで有効に実施されたなどと国民に宣伝する必要が出てくるのであります。一方、朴政権の方では、いかにも……
  23. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、制限時間をだいぶ超過いたしておりますから、すみやかに結論を願います。
  24. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) 旧条約は初めから無効で、不当であったことを主張したように言わないと、対日請求権を放棄してしまったことが韓国民にはっきり知られてしまうのが、何としてもおそろしいわけであります。ただでさえ売国奴とか反民族政権とかいわれている朴政権ですから、さも日本政府の言いなりにはなっていないようなポーズをつくるために、旧条約は初めから無効であったという主張を貫いたと国内向けに宣伝したいのであります。そういう双方の陰謀が一致したところで、もはや無効などというあいまいな表現が生まれ、調印を終わった瞬間から、正反対解釈を平気でやっているのであります。まさにサル芝居ではありませんか。(拍手)  いま一つ、椎名外務大臣は、大韓民国成立は一九四八年八月十五日であり、日本韓国承認したのは、サンフランシスコ平和条約発効の日、つまり一九五二年四月二十八日であるなどと、これまたあいまいなことを言われました。もしそうでありますならば、日本のほうから見れば、在日朝鮮人は、大韓民国成立の日から日本で正式に大韓民国承認した平和条約発効の日まで、約四年間というものは、大韓民国日本国の二重国籍を持つことになります。この点を特別委員会において石橋委員からさっそく追及され、あなたはしどろもどろになってしまいました。  次に、紛争処理に関する交換公文では、竹島問題があります。その交換公文には竹島という文字はありません。しかし椎名外務大臣は、竹島以外に解決すべき紛争はないと……
  25. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、制限の時間があまりにも超過いたしますから、発言の中止を命じます。   〔発言する者多し〕   〔楢崎弥之助発言を継続〕
  26. 船田中

    議長船田中君) 発言の中止を命じます。   〔楢崎弥之助君なお発言を継続〕
  27. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、発言の中止を命じました。すみやかに降壇してください。   〔楢崎弥之助なお発言を継続〕
  28. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、発言の中止を命じます。楢崎君、降壇を命じます。――執行を命じます。   〔発言する者、離席する者多し、拍手〕   〔楢崎弥之助君なお発言を継続、降壇〕     ―――――――――――――
  29. 船田中

    議長船田中君) 質疑の通告があります。順次これを許します。西村関一君。   〔西村関一君登壇〕
  30. 西村関一

    西村関一君 外務大臣椎名悦三郎君は、去る二月二十三日、第四十八回国会会議において不信任決議案を出され、たとえ否決されたとはいえ、これを可とする者百四十八名から痛烈な批判を受けたのであります。いままた再度外務大臣不信任決議案を今国会に上程されるに至ったことは、椎名悦三郎君のためにまことに遺憾と思うところであります。(拍手)  そこで私は、提案者にお伺いいたします。今国会日本国大韓民国との間の条約及び協定等に関する特別委員会における国会審議を通じて明らかであるように、椎名外務大臣答弁は全く無責任かつふまじめきわまるものであり、外交上の定見に欠くるものであると断ずるがどう思われるでありましょうか。(拍手)たとえば基本条約第三条の規定は、休戦ラインの変更のあった場合どうするかとの戸叶、春日両委員の質問に対し、権名外務大臣は、基本条約第三条は変更しなければならないだろうと答えたが、その翌日の委員会においては、党内の突き上げがあったであろうと思われるが、宇野委員の質問に対して前言をひるがえしているのであります。  また、椎名外務大臣は、委員の質問に対して、これをばかにしたようなふまじめな答弁をしております。たとえば松本七郎委員が竹島問題について、李東元韓国外務大臣韓国国会における答弁を引用して、「韓国が竹島の周辺に専管水域を設けると言明しているが、向こうの設定をそのまま放置しておくのであるか。」と質問したのに対し、椎名外務大臣は、「まだ協定が発効しておりませんから、専管水域を設定しているはずがありません。いわんや独島の領有権はいま両国の紛争になっておりますから、さようなことはあり得ないわけであります。」と答えています。これほど人を食った答弁はないと思います。(拍手国民を代表して心配している議員の真剣な質問に対して、条約が発効してないことは明らかであります、だからそういうのはないなど言ってごまかす、ふまじめ千万な答弁といわざるを得ません。(拍手)  また、韓国の国内法である魚族の資源保護法の存続についての小坂委員の質問に対し、「国内法を適当な時期に廃止するということは、これは韓国側の条約に基づく義務である。」と外務大臣は答えているのであります。にもかかわらず、翌日の小坂委員の、そんなことを言っていいのですかとたたみかけるような質問に対し、大臣は、「当然改廃されることが望ましい。」と後退した答弁をして、一日でこんなふうに答弁が変わっているのであります。  このように、韓国政府の見解と日本政府の食い違いはこれらだけにとどまらない。たとえば基本条約第二条の日韓合併条約の有効時期について、「もはや無効である」とあるが、「もはや」がいつであるかが問題であります。韓国では、この条約はもともと不法であるからなかったもので、効力は初めからないものだと主張しております。日本政府の見解は、条約そのものは有効であった、韓国の独立によって無効となった、一九四八年八月独立宣言のとき、事実上無効になったとの見解を示しております。そこに、三十六年間の日本朝鮮支配に対する日本側の反省の問題等と深い関連を持つと考えます。日本政府の言うように不法性がなければ、国際法上正当に条約が成立し、日本は正当に全朝鮮を統治したことになり、そうなれば、三十六年間の朝鮮における悪政の問題は別として、日本政府の三十六年間の不法性は出てまいりません。そういう解釈では、日本の深いざんげと反省の問題は本質的に変わってまいります。そういう根本問題に対して朝鮮の人たちが大きな不満と積りを感じていることに椎名外務大臣は気がついていないのでありましょうか。  椎名氏が基本条約の仮調印のためソウルにおもむかれたとき、金浦飛行場でメッセージを読み上げ、日本韓国との一時不幸な時期があったことは、そのことに対して深く反省する、と言って、韓国の人々に好感を与えたと伝えられております。それはことばのあやだけであったのでしょうか。一片の外交辞令だけであったのでしょうか。
  31. 船田中

    議長船田中君) 西村君、残りの時間がありませんから、なるべく簡単に願います。
  32. 西村関一

    西村関一君(続) 次に、基本条約第三条の国連の決議百九十五号(Ⅲ)に示された唯一の合法政権とは何か。これにはその合法政権の領域についてのきめはありません。いわゆる韓国の領域はどこからどこまでかということがはっきりいたしておりません。領域の不確定な国家をこのような条約を結ぶのはおかしいと思われなかったのでしょうか。国連の総会決議百九十五号(Ⅲ)は拘束力のないものであります。権威のないものを、国家の基本関係を規律する基本条約に引用することは、国連ということばで条約の権威を裏づけようとする見せかけのトリックであったといわれてもしかたがないと思います。(拍手国連決議が将来総会において重大な変化修正される、場合によれば撤回されないという確定はありません。基本条約国連決議百九十五号(Ⅲ)を入れたことに対して、基本条約の権威はむしろなくなるのであります。外務大臣は、そういう事態は考えられないと答弁しておりますが、きわめて不適当であります。国連決議で権威づけたようなかっこうをしただけで、きわめて不安定な要素を持っているのであります。こういうことをきめたことは、少なくとも椎名外務大臣の不見識のそしりは免れないと思うのであります。(拍手)  日本が、日本の反省と償いの意味をなぜこの条約の中に出さなかったのか。金額の問題ではありません。先進国が後進国に恵んでやるという形である。それが今度の経済協力内容であります。これでは韓国の人々を納得させることはできません。三十六年間の日本の犯した罪悪に対する反省の内容は少しも出ていないのであります。(拍手)将来の日本独占の経済再侵略の心配を韓国の多くの人々に与えているのであります。
  33. 船田中

    議長船田中君) 西村君、時間が超過しましたから、簡単に願います。
  34. 西村関一

    西村関一君(続) 在日朝鮮人の法的地位につきましても、永住権を与える者と与えない者との間に大きな開きがある。北鮮系の人々との間に区別をし、差別をするという結果になるということは、きわめて妥当性を欠くものといわなければなりません。韓国籍を持った者のみにそのような永住権を与えるということになりますと、自己の利益のために朝鮮民主主義人民共和国の国籍から韓国籍にならざるを得ないというような事態を生じ、国籍選択の自由という人権の問題に反する事態が起こってこないとは保証できません。  椎名外務大臣は、日本政府条約正文をもって解釈するから正しいものであるというのは、まことに詭弁であります。韓国だって条約正文をもって日本政府とは全く正反対解釈をいたしておるのであります。これは国内向けのPRであるというのは、日本外務大臣の言明としてはきわめて不謹慎、ふまじめであるといわなければなりません。(拍手日本解釈のみが最高、有権の解釈であることは言うをまたないという、こういう考え方解釈について双方幾ぶんの違いがあっても、締結の次元ではそれほど問題にならず、履行のとき紛争の起こることがあり得る。
  35. 船田中

    議長船田中君) 制限の時間が超過いたしました。結論を願います。
  36. 西村関一

    西村関一君(続) ところが、日韓条約及び諸協定は、現在の次元であまりにも双方の解釈の相違が明白であり過ぎる。このことをもっと詰めてなぜ討議しなかったのか、政府の怠慢であり、外務大臣責任といわなければなりません。(拍手)  以上の点だけを考えても、椎名悦三郎君は歴代保守党内閣の中で最低の外務大臣であると思うが、どうか。(拍手)  重光外務大臣のごときは……
  37. 船田中

    議長船田中君) 西村君、西村君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。   〔発言する者多し〕   〔西村関一発言を継続〕
  38. 船田中

    議長船田中君) 西村君、発言の中止を命じます。   〔西村関一君なお発言を継続〕
  39. 船田中

    議長船田中君) 西村君、降壇を命じます。――降壇を命じます。   〔西村関一君なお発言を継続〕
  40. 船田中

    議長船田中君) 執行を命じます。   〔西村関一君降壇〕   〔楢崎弥之助君登壇〕
  41. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君 西村議員の御質問にお答えをいたします。  私の考えも全くあなたの考えと同じであります。(拍手)外務委員会あるいは今度の日韓特別委員会における椎名外務大臣の態度は全く横柄であり、その答弁内容は、すでに皆さん方も御承知のとおり、無定見、無責任きわまるものであります。さらに、西村議員の御質問は、あなたがもう少し言いたかったであろうところが、ついに議長によって発言を停止されましたから、私はむしろ外務大臣椎名悦三郎君が先ほども申し上げましたとおり、合意のできていない、条約の必須の要件である合意が成立していないこの日韓条約案なるものを国会になぜ提出したのか、その辺の意味について、私はそれを推察してみたいと思うのであります。(拍手)  いろんな重要な点について両国政府はごまかしをたくさんやった結果、両国民に対する解釈、説明がここかしこで食い違うという奇妙な現象が生まれてきたわけであります。それはそのまま日韓基本条約と諸協定なるものがいかに不合理なものであるかを証明しているのであります。普通の国際通念では全く理解できないむちゃくちゃな外交交渉であります。  椎名外務大臣、たとえあなたの思惑は別にあるとしても、あなたは大体締約国双方の政府解釈が完全に食い違い、条約必須の要件たる合意の成立していない条約協定をどだい調印するということ自体、国際法的には非常識きわまりない行為ではありませんか。(拍手)こういうことは双方の国民の誤解を生み出すもととなるものであって、友好親善どころの騒ぎではありません。つまりこのことは、日韓政府ともふまじめで無責任で、懸案の合理的解決の意思など初めから持ち合わしてはいないのに、双方の国民をだますためにこんなものをでっち上げたということをみずから証明しているようなものであります。それに対して国民反対いたしますと、軍隊まで出して弾圧するという気違いざたまでやり出すのでありますから、一体これが二十世紀の文明国のやることであろうかと言いたくなるわけであります。(拍手)  しかもここで絶対に見のがしてはならないことは、日本政府解釈とは全く食い違っているこのような韓国側の解釈は、韓国政府与党日韓条約批准国会における答弁で示されているものであり、しかも、その解釈によって、とにかく韓国国会日韓条約案件批准してしまっているという事実であります。そうなると、この韓国側の解釈はもはや審議の段階を通り越して、韓国政府としてはゆるぎない解釈として確定してしまったわけであります。もはやそれは動かせないものであります。  そうなると、佐藤内閣自民党のとるべき態度は二つに一つしかありません。すなわち、韓国政府解釈に同調するか、でなければ条約協定を破棄するか、その二つのうち一つを選ばない限り、この日韓条約は国際法的な両国の対立を固定化することになり、数多くの紛争の種を今後に残すことになります。国民責任を持つ佐藤内閣は、このことを絶対にあいまいにし、ごまかしてはなりません。もし佐藤内閣が、少しでもこの点のごまかしをやるならば、国民は決してそれを許さないでありましょう。
  42. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、所定の時間がありませんから、簡単に願います。
  43. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) このような矛盾、不合理を承知の上で、しかも野党審議暴力で打ち切ってまで、無理を承知で通そうとするその裏側にひそんでいる暗黒の理由とは一体何なのでありましょうか。そんなにまでして日韓条約を急いででっち上げなければならなかったその根本問題における佐藤、朴両政権の一致点とは一体何かということに国民は注目しなければならないと思います。両政府間にはいろいろの問題で不一致な点が歴然とあるにもかかわらず、それを押し切ってしまわなければならないほどの暗黒の強力な一致点があるという事実を幾ら佐藤内閣がごまかそうとしても、国民はそれを見のがしはしないでありましょう。もしそれを見のがすならば、日韓問題の本質日韓条約の真のねらいがわからなくなるからであります。  その重要な部分での一致点は、大きく分けて三つあります。  その一つは、事実上、北朝鮮すなわち朝鮮民主主義人民共和国の否定であり、そのことは朝鮮民族の統一への悲願を押えて、これを人為的に分断し、固定化するねらいであります。さらに、国連憲章の原則尊重という規定の中に秘められている危険な軍事的側面であります。人間はうしろめたいところに触れられますと、ことさらにおこって大声を出すものであります。ちょうど弱い犬ほどよくほえるのに似ております。
  44. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、結論を願います。
  45. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) 日韓条約の危険な軍事的側面にわが党が触れますと、自民党諸君は必ずすぐ大声を張り上げてどなり散らします。まことに弱虫の犬に似ておるではありませんか。(拍手)もしこの軍事的側面がないことに確信が持てるなら、いま静かに落ちついていたらいかがなものでありましょうか。  時間が来ましたから、これで答弁を終わります。(拍手
  46. 船田中

    議長船田中君) 帆足計君。-帆足計君。   〔帆足計君登壇〕
  47. 帆足計

    ○帆足計君 ただいま松崎議員外務大臣不信任案趣旨説明並びにこれに対する西村議員質疑応答は、いずれも議長による時間制限のため、十分にその意を尽くすことができませんでした。特に、私ども質問者に対する時間制限につきましては、議長において、あまりに早口で語られたために、議席においては全く聞き取れなかったのでございます。私は、楢崎議員より、まず議長議事妨害によりまして、語らんとして語り得ざりし趣旨弁明のすべてを伺いたいと思います。(拍手)しかして、それによって各位とともに正否の判断をいたしたいと考えておる次第でございます。  周知のように、与党各位が敬愛おくあたわざるアメリカ国会の例を見ましても、もし与党が、その衆を頼んで法案の尽くすべき審議を尽くさず、また世論の求める条令修正ないし改正の要望について、一片の誠意をすら示さぬ場合には、時としては、えんえん数時間ないし十数時間の長広舌をもって広く国民の世論に訴うること、これをいわゆるフィリバスターと称して与党に警告することは、野党当然の権利として認められておるのでございます。(拍手)このことは、すでに各位の御承知のことであろうと存じます。  かつて「スミス議員ワシントンに行く」とかいう名画がありました。正義に燃える一青年議員が壇上のコップに水をついで渇をいやしながら、えんえん一昼夜に及ぶフィリバスターによりまして、西部開拓地における汚職の根絶を訴えるその姿は、この映画を見る者の心に深い感銘を与えたのでございます。(拍手)  まず、提案者にお伺い申し上げたいことは、外務大臣は今次の日韓条約をもってアメリカの極東軍事戦略と関係はないという御答弁をなさっておられますが、今日アメリカの極東軍事戦略は、ハワイを後方の幕僚府といたしまして、グアム島、南ベトナム、フィリピン、台湾、沖繩、小笠原諸島、韓国日本本土の米軍基地を、弧を描いて弓なりに結ぶ軍事環を構成いたしておりますことは周知のことでございます。(拍手)なかんずく、沖繩はその台風の目であり、沖繩韓国を結ぶ一線が電車戦略の焦点となりつつあることは、戦略のイロハを心得る者として、だれしも憂慮しておる問題でございます。外務大臣は、日韓条約審議にあたりまして、眼前に展開されるこの米軍軍事戦略の一環としての日韓条約の意義を全く無視いたすような説明をなさいましたが、かかる御答弁は、ことさらにアメリカ極東軍事戦略の本質国民の前におおおうとするものであるか、さもなくば、米軍軍事戦略の危険性自体に対する認識の欠除というか、無知、無関心そのものの表明であるか、そのいずれであるかを私は知りたいのでございます。(拍手)  提案者は、日本をめぐるアメリカの極東戦略、特に対ソビエト、対中国に対する戦略上、日本アメリカの前戦基地に使い、中継ぎ基地にも使用し、今日原爆とロケットの時代におきましては、危険きわまる犠牲基地として利用しようとする可能性のあります軍事政策の一環として、日韓条約の危険性を事実に即して詳細に説明し、不信任案提出の根拠をもっと詳細に語っていただきたいと思うのでございます。  今日、アメリカの軍事費は年間実に二十四兆億に達しておるのでございます。わが国の予算総額が三兆何がしであるのに比べまして、年間二十四兆億というアメリカの軍事予算がいかに膨大なものであるかということは想像に余りある次第でございます。いまや、今日の段階におけるアメリカの軍事独占資本主義は、かつてのパイオニア時代のアメリカと様相を異にしておりまして、年々二十四兆億の出血をなしながら、アジアの僚原を疾駆する恐龍の姿にも似ておるのでございます。  かつてアイゼンハワー大統領がキャンプ・デービッドにおきまして、ソビエト首相フルシチョフ氏と世界平和について語り合いましたその直後に、アメリカ軍部は、アイゼンハワー元帥に正式の通知をもせずU2機を……
  48. 船田中

    議長船田中君) 帆足君、簡単に願います。
  49. 帆足計

    ○帆足計君(続) ソビエトの高空に飛しょうせしめて、その信を世界に失いましたが、みずから軍部を制御することができない苦杯を味わった老将軍アイゼンハワー元帥は、その訣別のことばにおいて、今日のアメリカの悲劇はかつての日本にも似ておる一面がある、アメリカの悲劇は、実に六百億ドルの軍事予算が、職業軍人及び軍需産業と結んで一大圧力団体を構成していることである、この圧力の前には大統領府の外交政策も動脈硬化となることを余はおそれると慨嘆し、暗にケネディ大統領に対して、来たるべき使命の重きことを示唆いたしておる。このエピソードは周知のことでございます。このようなアメリカ軍事経済独走の現状は、まさに満州事変前夜の日本軍事経済の膨張さながらの風景でありまして、トルーマン大統領といい、アイゼンハワー大統領といい、また、いまはなきケネディ大統領といい、さらには、海千山千といわれるジョンソン現大統領もまた、この巨大なる軍事経済の台風の前には、風にほんろうされる……
  50. 船田中

    議長船田中君) 帆足君、結論を願います。
  51. 帆足計

    ○帆足計君(続) 木の葉のごとき存在とも見られておるのでございます。(拍手)  したがいまして、アメリカ軍事経済の台風の吹きすさぶがままに祖国をゆだね、身をゆだねております日本政府外交政策は、世界歴史の流れの中におきまして、かりに安保条約の改定のあの大きな事件をかつての満州事変の段階にたとえますとするならば、今次の日韓会談は、まさに、歴史の流れの上において、かつての日支事変の段階にも当たる歴史の一こまであると思われるのでございます。(拍手)  ベトナム戦争の前途はどうなるでしょうか。この戦争のエスカレーションが、やがてアジアに拡大いたします日に、ブーゲンビルも、ガダルカナルの悲劇も、祖国日本が再びこのような悲劇に巻き添えを食うことなきように、われわれは各位とともに極度に警戒せねばならぬと思う次第でございます。(拍手)  以上の趣旨が、わが日本社会党が、今日世界戦争への危機をはらむ歴史の展望の中におきまして、さらに二十兆億をこえるアメリカ軍事費の溶岩の流れの中におきまして、ベトナムの戦禍のエスカレーションを前に、火中のクリを拾うなと、声を大にして諸君に訴えるゆえんでございます。
  52. 船田中

    議長船田中君) 帆足君、時間が超過いたしましたから、結論を願います。
  53. 帆足計

    ○帆足計君(続) 椎名外務大臣のお心に、このようにきびしい世界歴史の流れが正確に映じていないことを、遺憾ながらわれわれは指摘せざるを得ませんとともに、このような認識の甘さが、かくも安易に日本政府日韓条約締結に対して足を踏み入れたゆえんであると思うのでございます。
  54. 船田中

    議長船田中君) 帆足君、制限の時間が超過いたしましたから、発言の中止を命じます。――発言の中止を命じます。   〔帆足計君発言を継続〕
  55. 船田中

    議長船田中君) 帆足君、発言の中止を命じます。――帆足君、降壇を願います。降壇を願います。   〔帆足計君なお発言を継続〕
  56. 船田中

    議長船田中君) 執行を命じます。   〔発言する者多し〕   〔帆足計君なお発言を継続、降壇〕   〔楢崎弥之助君登壇〕
  57. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君 帆足議員の軍事的な側面についての御質問に対して、お答えいたします。  私ども社会党が、この日韓条約が危険な軍事的な側面がある、これは実質的に東北アジア軍事同盟につながると言っておるゆえんのものについて、いま少しく説明をいたしたいと存じます。(拍手)  まず、実態を見てください。日本の自衛隊の洋服、韓国軍隊の洋服、台湾軍隊の洋服、全部アメリカンスタイルであります。(拍手)使っておる武器がほとんどすべてアメリカ製であります。そして、使われておる軍隊用語は全部アメリカ語であります。指揮系統がまたアメリカに握られております。ヨーロッパのNATOという軍事同盟は、いわゆる統帥権を確実に持っておる各国が集まっておりますから、軍隊の洋服も違う、あるいは武器も違う。そこで、NATOは軍事同監ではありますけれども、いざといったときにその一致団結の力が弱い。それに比べて、現実に日本韓国と台湾、この三国の軍隊は、そういう点では、一たん緩急あるときにはすぐ即座に共同作戦がとれる体制にあるということであります。さらに、一九五一年の九月八日に日米安保条約が結ばれました。その一月前、一九五一年の八月三十日には、アメリカとフィリピンの軍事防衛同盟が結ばれております。さらに、一九五三年の十月一日にはアメリカ韓国の軍事同盟ができ上がっておる。一九五四年十二月二日にはアメリカと台湾の軍事同盟ができ上がっております。そして、それらの軍事同盟は、すべて沖繩適用範囲に含んでおります。かくて、韓国日本、そして台湾、これらがアメリカを中心にして結びついております。さらに、韓国と台湾には軍事同盟があります。とするならば、ここで一つだけ糸が切れておるのが日本韓国であります。(拍手)そこで、もし今度の日韓条約で、正常化という名のもとの、国連憲章を尊重するという名のもとの同盟ができ上るならば、これはまさしくこのアメリカを頂点として日本韓国と台湾の軍事同盟が実質的にでき上がる。われわれが主張しておるゆえんのものはそこにあります。(拍手)  さらに、本年二月二十七日、韓国国会におきまして、野党の姜文奉議員がいわゆる暴露をいたしております。何と言ったか。それは、一九六二年、日本においてあの危険きわまりない三矢計画が行なわれるその前の年に、すでに、アメリカの要請によって日本韓国の軍事提携の秘密要綱ができ上がっておるという事実であります。それは何か。いわゆるバッジシステム、防空管制装置のパイプを韓国日本がつなぐという問題であります。さらに、朝鮮海峡に防潜網を張るという問題であります。さらに、韓国軍隊の幹部を日本に連れてきて、日本の自衛隊の学校において幹部教育をするという問題、さらに、韓国の兵器を日本において調達、修理をするという問題、これらがすでに三年前に日本韓国の間に秘密裏に協定が結ばれておるという事実を、韓国野党の姜文奉議員が……
  58. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、残りの時間がありませんから、簡単に願います。
  59. 楢崎弥之助

    楢崎弥之助君(続) これを暴露いたしておるということは、何よりもこの日韓条約の危険な軍事的な側面をそのままあらわしておるとわれわれは思わざるを得ないわけであります。  さらに、私は、この日韓条約がいまここで強行に通過せしめられようというこの瞬間に至る過去の経過をいささかたどってみたいと思うわけであります。すなわち、先ほど申しましたように、一九五一年から一九五四年にかけて、アメリカを中心とする日本韓国とフィリピンと台湾の軍事同盟がそれぞれでき上がりました。さらに、一九六一年の一月にケネディ大統領が就任をいたし、そしてさっそく取りかかったのは、いままでのダレス路線による軍事戦略を大々的に変革いたしまして、ここでケネディの軍事大戦略なるものを策定したのであります。ケネディのグランドストラティジーという大戦略であります。これは、三つの戦争に対する形態、一つは核戦争、二つに普通戦争、三つ目に特殊戦争――ゲリラであります。そして、これらが全部連関し合って、いわゆる中国の封じ込めの作戦にこれがつながるわけであります。そして、その中国封じ込めの作戦に使われる部隊としては、一つ、日本、フィリピン、沖繩における米国の空軍……
  60. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。   〔楢崎弥之助発言を継続〕
  61. 船田中

    議長船田中君) 発言の中止を命じました。   〔楢崎弥之助君なお発言を継続〕
  62. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、発言の中止を命じます。   〔楢崎弥之助君なお発言を継続〕
  63. 船田中

    議長船田中君) 楢崎君、降壇を命じます。   〔楢崎弥之助君なお発言を継続〕
  64. 船田中

    議長船田中君) 執行を命じます。   〔発言する者多し〕   〔楢崎弥之助君なお発言を継続、降壇〕     ―――――――――――――   質疑終局動議中野四郎君外二十三名提出
  65. 船田中

    議長船田中君) 中野四郎君外二十三名より、質疑終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもって行ないます。中野四郎君外二十三名提出質疑終局動議に賛成の諸君白票反対諸君青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。   〔議場閉鎖
  66. 船田中

    議長船田中君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名点呼〕   〔各員投票
  67. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――あとがつかえておるようでありますから、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  68. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票をお願いします。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  69. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  70. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  71. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇して下さい。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。   〔投票継続
  72. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  73. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  74. 船田中

    議長船田中君) あとがつかえておるようでありますから、すみやかに投票願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  75. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  76. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  77. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  78. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  79. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票を願います。すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  80. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  81. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  82. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。――あとがっかえておるようでありますから、すみやかに投票を願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  83. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  84. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  85. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  86. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。さもないと、遺憾ながら投票時間の制限をしなければならなくなります。   〔投票継続
  87. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  88. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  89. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  90. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  91. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  92. 船田中

    議長船田中君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣。――開鎖。   〔議場開鎖
  93. 船田中

    議長船田中君) 投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  94. 船田中

    議長船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長報告〕  投票総数 三百十二   可とする者(白票)        百七十七   〔拍手〕   否とする者(青票)        百三十五   〔拍手
  95. 船田中

    議長船田中君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。(拍手)     ―――――――――――――  中野四郎君外二十三名提出質疑終局動議を可とする議員氏名       相川 勝六君    愛知 揆一君       赤城 宗徳君    赤澤 正道君       秋田 大助君    綾部健太郎君       荒木萬壽夫君    有田 喜一君       伊能繁次郎君    岩動 道行君       石井光次郎君    一萬田尚登君       宇野 宗佑君    上村千一郎君       植木庚子郎君    内海 安吉君       浦野 幸男君    小笠 公韶君       小川 半次君    小澤佐重喜君       小渕 恵三君    大石 武一君       大泉 寛三君    大倉 三郎君       大西 正男君    大野  明君       岡崎 英城君    奥野 誠亮君       押谷 富三君    加藤 高藏君       加藤常太郎君    賀屋 興宣君       鍛冶 良作君    金子 一平君       金子 岩三君    金丸  信君       上林山榮吉君    神田  博君       鴨田 宗一君    唐澤 俊樹君       仮谷 忠男君    川崎 秀二君       川野 芳滿君    菅野和太郎君       木部 佳昭君    木村 武雄君       木村 俊夫君    岸  信介君       吉川 久衛君    清瀬 一郎君       久野 忠治君    草野一郎平君       鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君       倉成  正君    藏内 修治君       黒金 泰美君    小泉 純也君       小枝 一雄君    小金 義照君       小坂善太郎君    小島 徹三君       小山 省二君    河本 敏夫君       佐伯 宗義君    佐々木秀世君       佐藤 孝行君    佐藤洋之助君       齋藤 邦吉君    坂田 英一君       坂田 道太君    坂村 吉正君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       四宮 久吉君    重政 誠之君       篠田 弘作君    澁谷 直藏君       正示啓次郎君    正力松太郎君       白浜 仁吉君    周東 英雄君       鈴木 善幸君    砂田 重民君       瀬戸山三男君    關谷 勝利君       園田  直君    田川 誠一君       田口長治郎君    田澤 吉郎君       田中 角榮君    田中 龍夫君       田中 正巳君    田中 六助君       田村  元君    田村 良平君       高瀬  傳君    高見 三郎君       竹内 黎一君    竹下  登君       舘林三喜男君    谷川 和穗君       千葉 三郎君    地崎宇三郎君       中馬 辰猪君    坪川 信三君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       内藤  隆君    中川 一郎君       中島 茂喜君    中曽根康弘君       中野 四郎君    中村 寅太君       中村庸一郎君    中山 榮一君       永田 亮一君    永山 忠則君       南條 徳男君    二階堂 進君       丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野田 武夫君    馬場 元治君       橋本登美三郎君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       八田 貞義君    服部 安司君       濱田 幸雄君    濱地 文平君       濱野 清吾君    早川  崇君       原 健三郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    福井  勇君       福田 繁芳君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤田 義光君    藤山愛一郎君       古井 喜實君    保科善四郎君       坊  秀男君    堀内 一雄君       本名  武君    前田 正男君       益谷 秀次君    増田甲子七君       松浦周太郎君    松澤 雄藏君       松田竹千代君    松山千惠子君       三池  信君    水田三喜男君       湊  徹郎君    南好  雄君       村山 達雄君    毛利 松平君       粟山  秀君    森下 國雄君       森下 元晴君    森山 欽司君       八木 徹雄君    山中 貞則君       山本 勝市君    山本 幸雄君       和爾俊二郎君    早稻田柳右エ門君       渡辺 栄一君  否とする議員氏名       赤路 友藏君    赤松  勇君       茜ケ久保重光君    秋山 徳雄君       足鹿  覺君    有馬 輝武君       淡谷 悠藏君    安宅 常彦君       井伊 誠一君    井岡 大治君       井手 以誠君    伊藤よし子君       石野 久男君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    卜部 政巳君       江田 三郎君    小川 三男君       大出  俊君    大柴 滋夫君       大原  亨君    大村 邦夫君       岡  良一君    岡田 春夫君       落合 寛茂君    加賀田 進君       加藤 清二君    片島  港君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金丸 徳重君       神近 市子君    川崎 寛治君       川俣 清音君    川村 継義君       河野  正君    久保 三郎君       久保田鶴松君    栗原 俊夫君       栗林 三郎君    黒田 寿男君       小林  進君    小松  幹君       兒玉 末男君    五島 虎雄君       河野  密君    佐藤觀次郎君       佐野 憲治君    坂本 泰良君       阪上安太郎君    沢田 政治君       重盛 壽治君    實川 清之君       島上善五郎君    島口重次郎君       下平 正一君    東海林 稔君       鈴木茂三郎君    田口 誠治君       田中 武夫君    多賀谷真稔君       高橋 重信君    滝井 義高君       楯 兼次郎君    只松 祐治君       千葉 七郎君    辻原 弘市君       戸叶 里子君    堂森 芳夫君       泊谷 裕夫君    中井徳次郎君       中澤 茂一君    中嶋 英夫君       中村 重光君    中村 高一君       永井勝次郎君    楢崎弥之助君       成田 知巳君    二宮 武夫君       西宮  弘君    西村 関一君       野口 忠夫君    野原  覺君       野間千代三君    芳賀  貢君       長谷川正三君    畑   和君       華山 親義君    原   茂君       原   彪君    日野 吉夫君       肥田 次郎君    平林  剛君       藤田 高敏君    帆足  計君       穗積 七郎君    細迫 兼光君       細谷 治嘉君    前田榮之助君       松井 政吉君    松井  誠君       松浦 定義君    松平 忠久君       松原喜之次君    松本 七郎君       三木 喜夫君    武藤 山治君       村山 喜一君    森  義視君       森本  靖君    八木 一男君       八木  昇君    矢尾喜三郎君       柳田 秀一君    山内  広君       山口シヅエ君    山崎 始男君       山田 長司君    山田 耻目君       山中 吾郎君    山中日露史君       山花 秀雄君    山本 幸一君       湯山  勇君    米内山義一郎君       横路 節雄君    横山 利秋君       吉村 吉雄君    和田 博雄君       加藤  進君    川上 貫一君       谷口善太郎君    林  百郎君       田中織之進君      ――――◇―――――
  96. 船田中

    議長船田中君) 討論の通告があります。順次これを許します。渡辺栄一君。   〔渡辺栄一君登壇〕
  97. 渡辺栄一

    渡辺栄一君 私は、ただいま議題となりました椎名外務大臣不信任決議案に対し、自由民主党を代表いたしまして、反対討論を行なわんとするものであります。(拍手)  ただいま、社会党代表楢崎弥之助君は、椎名外務大臣不信任案提出趣旨弁明を行なわれたのでございますが、その論旨は、きわめて不明確であり、まさに反対のための反対といわざるを得ないのであります。一体何をもって外務大臣を不信任せんとするのか、まことに了解に苦しむものであります。  不信任のおもな理由としまして、日韓国交正常化のための諸条約を取り上げておりますが、歴史的にも深く、また、一衣帯水の近きにありまする韓国と一日も早く友好関係を結びたいということが国民絶対多数の要望であることは、世論調査の結果からもきわめて明白であり、また、今回提出されました日韓条約が双方満足すべき内容でありますことは、日韓問題特別委員会における審議によっても明らかなところでございます。(拍手)  社会党の皆さんは、口を開けば、日韓条約朝鮮の南北分割を永久化し、朝鮮の統一を阻害するものであると言われるのでありますが、南北統一を妨害している真の原因は、一体何でございましょうか。まさに北鮮側が自由選挙に反対をしているからにほかならないのでございます。(拍手)すなわち、南北統一は、北鮮が国連方式に賛成しさえすれば実現できるはずであります。したがって、日韓正常化が統一を妨害するとの社会党の主張は、事実を曲げた暴論のほか何ものでもないと思うのであります。(拍手)  願わくは、社会党の諸君も、党利党略を離れ、虚心たんかい、真にアジア民族の平和と繁栄を希求する立場に立って、現実に即して冷静に判断をされるならば、今回の日韓条約反対するというがごとき誤った主張は、当然捨て去らねばならぬと思うのであります。(拍手)  椎名外相は、就任以来、わが国外交基本方針にのっとりまして、平和外交施策を強力、かつ、積極的に展開をしてきたのでありまして、国連総会への出席、佐藤総理訪米に同行、日英定期協議に出席等、席のあたたまるひまのないほど活躍ぶりを示しておられます。また再任以来、粒々辛苦、佐藤総理のもとに、日韓問題の正常化に涙ぐましい努力を続けておられますこと、今回の審議にあたりましても、誠心誠意、適切明快なる答弁をもちまして、日韓問題の解決に精進しておられまする姿は、われわれの深く敬意を表するところでございます。(拍手)  それをもって、無責任、ふまじめと評し、また非難するということは、全く心なき誹謗以外の何ものでもないと思うのであります。(拍手)  われわれは、椎名外務大臣の、世界平和と日韓国交正常化に対する強固な信念と真摯な努力とに全幅の信頼を寄せるものであります。  以上、椎名外務大臣不信任決議案に対する反対の所見を申し上げ、諸君の御賛同をお願いするものであります。(拍手
  98. 船田中

    議長船田中君) 穗積七郎君。   〔穗積七郎君登壇〕
  99. 穗積七郎

    穗積七郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま楢崎君によって提案されました椎名外務大臣不信任決議案に対して賛成の討論をいたしたいと存じます。(拍手)  昨年七月でありますが、当時の池田内閣が、内閣改造を行ないましたときに、世人は、急速に激動を続けてまいりました国際情勢を背景にして、新しい内閣の外務大臣はだれをもって充てるかということに最も深い関心を持ったのでございます。ところが、ふたをあけてみますと、外務大臣椎名悦三郎の名を聞きまして、世人はあげてこの突拍子もない人事に対して、あるいは驚嘆をし、あるいは失望し、あるいは不満の意を表明いたしたのでございます。(拍手)  それは何ゆえかというならば、椎名外務大臣は何ら思想性のある外交識見を持たず、また、政治理想のかけらも見出すことのできない、単なる事務的な経済官僚出身であるということであったからであります。  ところが、私は善意と寛容の精神をもって、一まつの弁護を試みたのであります。それは池田内閣並びにその政治グループが、経済合理主義を堅持しようとしておる態度に対して、私は一応の理解を持っておりましたので、当時すでにわが国経済が、構造的かつ深刻なる不況段階に入る情勢を背景にして、池田総理の椎名外務大臣に対する期待は、経済外交を促進することをおそらく予期して、それによる人選であったと私は弁護を試みたのであります。  ところが椎名外務大臣は、外相就任以来、わが国の困難なる経済外交に対して何らの識見と努力を払わずいたしまして、逆に中国との貿易経済の交流に対して悪質なる妨害を試みたのであります。当時から今日に至るまで、元吉田総理の全くのプライベート・レターを後生大事にかかえ込んで、これを口実として、中国と年々歳々発展しつつありますこの貿易の路線に偉大なる妨害を加えたのは椎名外務大臣でございます。  さらに、椎名外務大臣は、文化の交流を阻害し、社会主義諸国との人事の交流に対しても、多くの悪質なる妨害を加えてまいりました。  さらに、アジアにおける民族独立闘争に対する偉大なアメリカの脅威であった原子力潜水艦の寄港に対して、これに積極的なる歓迎の意を表したのも椎名外務大臣であります。  また、今日アジアのみならず、世界のすべての人々が非難をいたしておりますアメリカベトナム侵略戦争に対して、これまた積極的なる支援をまっ先に送ったのも椎名外務大臣であります。  さらに、アメリカアジアにおける侵略的な支配を援助するために、わが祖国沖繩の領土を放棄し、あるいはまた、今年度予定されましたAA会議に対する非常な反中国的な妨害工作を試みたのもまた椎名外務大臣であります。  これは言うまでもなく、椎名さんが強きに固し、弱きにいばる官僚便乗主義によるものであります。
  100. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、穂積君、簡単に願います。
  101. 穗積七郎

    穗積七郎君(続) 椎名さんは、商工省時代、後に満州国の経済計画科長といたしまして、侵略的な動員をやり、また、軍需省に帰って、わが国の国民を圧迫いたしました軍事動員計画をやり、その間に養われた椎名さんの思想というものは、池田内閣の諸君が示したような経済合理主義ではなく、まさに侵略的なる軍国主義思想を養い持たれたのであります。われわれは、今日椎名さんが大きなる誇りを持ってやっておられる日韓会談も、まさにこの椎名さん、佐藤内閣に通ずる軍事的なる侵略思想によって一貫されておる。これはアジアにおいて平和と独立と繁栄を要望いたしますすべての国民の共通の敵でございます。
  102. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、結論を願います。
  103. 穗積七郎

    穗積七郎君(続) われわれは、この政策に対して、椎名外務大臣が、まさにきゅうきゅうとしてこれに協力をしてきておる、特に、アメリカはみずからを中心とする……
  104. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。   〔穗積七郎発言を継続〕
  105. 船田中

    議長船田中君) 発言の中止を命じます。   〔穗積七郎君なお発言を継続〕
  106. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。   〔穗積七郎君なお発言を継続〕
  107. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、降壇を命じます。   〔発言する者多し〕   〔穗積七郎君なお発言を継続〕
  108. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、発言の中止を命じます。   〔穗積七郎君なお発言を継続〕
  109. 船田中

    議長船田中君) 穂積君、降壇を命じます。――執行を命じます。   〔発言する者多し〕   〔穗積七郎君なお発言を継続、降壇〕
  110. 船田中

    議長船田中君) 松本七郎君。   〔松本七郎君登壇〕
  111. 松本七郎

    ○松本七郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております椎名外務大臣不信任案に満腔の賛意を表するものであります。(拍手)  今次の臨時国会における衆議院での日韓条約委員会審議は、去る十月二十六日、安藤特別委員長の職権によりまして開会が強行され、怒号と罵声の中で自民党の小坂善太郎委員が質疑を始めるという全く異常な形で始まったのであります。わが国議会史上には……(発言する者多し)静粛にさせてください。聞こえない。――静粛にさせてください。
  112. 船田中

    議長船田中君) 演説をお続けください。   〔発言する者多し〕
  113. 松本七郎

    ○松本七郎君(続) 黙って聞いておれ。――黙って聞いておれよ。
  114. 船田中

    議長船田中君) 静粛に願います。
  115. 松本七郎

    ○松本七郎君(続) わが国の議会史上には数多くの重要案件審議がありましたが、今回のように、国会の法規、慣例を無視した暴挙委員会審議の冒頭から行なわれ、その上、審議を始めてからわずか十二日目の去る六日には、議会否認の暴挙をもって委員会審議を一方的に、しかもだまし討ちをもって打ち切るがごときは、いまだかつてその前例を見ないファッショ化を院の内外に印象づけたものであります。(拍手)このようなファッショ的な国会運営は、まず日韓条約国会提出方法に端的にあらわれております。この点にこそ、椎名外相不信任に私が賛成する第一の理由があります。(拍手)これは、太平洋戦争のもとで東條内閣が、国家総動員法をはじめ戦時弾圧法規をすべて一括上程し、十ぱ一からげで可決したのと同じ要素をはらんだ提出の方法であるといわねばなりません。  言うまでもなく、憲法七十三条は、政府が締結した条約は、事前または事後に国会承認を求めることを規定しております。ここにいう条約とは、独立した条約をさしているのであります。内容は言うに及ばず、有効期限も異なり、それぞれ批准条項を別個に持っている条約協定を一本化して国会提出するがごとき、乱暴きわまるやり方を許しているものではないのであります。  椎名外相は、このような日本国憲法に違反したファッショ的提出方法を、韓国の李東元外務部長官と事前に約束している事実は、韓国国会における李東元外務部長官の答弁にも明らかにされております。佐藤首相が繰り返し強調する内政不干渉は、いま日韓条約に関しては完全に放棄され、韓国の朴軍事ファッショ政権の前代未聞の内政干渉を許し、韓国に従属した追随外交を推し進めてきた点にこそ、椎名外相を糾弾すべき第二の理由があります。(拍手)  まだあります。佐藤内閣が恥知らずにも公言しているように、日韓国交正常化に支障を来たさないために、条約協定を一括して提出したのであるとするならば、これこそごり押しの政治論以外の何ものでもないことを自白したものと断ぜざるを得ません。そこには民主的手続を尊重しようという精神などは一かけらも見出すことができないのです。高辻法制局長官や外務省の藤崎条約局長が、一括上程の先例としてあげておりました国際郵便協定あるいは日本とベネルックス三国の間の関税取りきめ等のような、政治的に問題にならない協定とはわけが違うのであります。日ソ共同宣言と漁業協定、サンフランシスコ平和条約と安保条約のように、政治的に問題のある条約は、すべて分割提案をしてきております。佐藤内閣のねらいは、一括可決することによって、関係協定や交換公文の取りこぼしのないように、そしてこのうち一本でも否決されないように、あらかじめ大きく網を張った提出だったのであります。  私は、二十七日の特別委員会での質問におきまして、日韓両国政府の意見の食い違いの問題の典型として竹島問題だけを取り上げたのでございまするが、これに関連する両国政府の不一致は、決してこれだけにはとどまりません。
  116. 船田中

    議長船田中君) 松本君、簡単に願います。
  117. 松本七郎

    ○松本七郎君(続) 日韓軍事協力、旧条約の無効の時期、管轄権李ライン漁業水域設定の権利、旗国主義、経済協力請求権法的地協定にいう二十五年後の協議、竹島周辺の漁業水域などと、枚挙にいとまがないのであります。  私が当日引用しました韓国国会議事録のうち、佐藤首相並びに椎名外相が全く抗弁の余地のない李東元外務部長官の答弁、つまり八月十四日の第五十二回の韓国の本会議における答弁は、これこそ何度繰り返してもなお足りないほど、椎名外相責任を問わねばなりません。すなわち、議事録によりますならば、次のように述べております。
  118. 船田中

    議長船田中君) 松本君、結論を急いでください。
  119. 松本七郎

    ○松本七郎君(続) 「独島、すなわち竹島は、過去韓日間における多少の紛争の対象であったことは事実である。調印式の直前まで佐藤首相と私はこの問題について多少論議をした。私は佐藤首相に対し、独島問題について日本の立場を放棄し、われわれの立場を認めない限り、私としては調印することはできないと非常に強硬な態度を示した結果、これが認められて調印が行なわれた。紛争の解決に関する交換公文において、両国間の紛争は外交上の経路を通じて解決することとし、これにより解決できなかった場合は、両国政府が合意する手続に従い、調停によって解決をはかることにした。これが何を意味するかといえば……
  120. 船田中

    議長船田中君) 松本君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。   〔松本七郎発言を継続〕
  121. 船田中

    議長船田中君) 発言の中止を命じます。   〔松本七郎君なお発言を継続〕
  122. 船田中

    議長船田中君) 松本君、発言の中止を命じます。――松本君、降壇を命じます。   〔松本七郎君なお発言を継続〕
  123. 船田中

    議長船田中君) 松本君、降壇を命じます。   〔松本七郎君なお発言を継続〕
  124. 船田中

    議長船田中君) 執行を命じます。   〔発言する者多し〕   〔松木七郎君なお発言を継続、降壇〕     ―――――――――――――   討論終局動議中野四郎君外二十三名提出
  125. 船田中

    議長船田中君) 中野四郎君外二十三名より、討論終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもって行ないます。中野四郎君外二十三名提出討論終局動議に賛成の諸君白票反対諸君青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。   〔議場閉鎖
  126. 船田中

    議長船田中君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名点呼〕   〔各員投票
  127. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――あとがっかえているようでありますから、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――あとがっかえておるようでありますから、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  128. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  129. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――あとがっかえておるようでありますから、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  130. 船田中

    議長船田中君) 投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。   〔投票継続
  131. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないでください。投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。   〔投票継続
  132. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された力はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないようにしてください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、――すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票を終了された方はすみやかに降壇してください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  133. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  134. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  135. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  136. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  137. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――役票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通行を妨害しないでください。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  138. 船田中

    議長船田中君) 投票者の通行を妨害しないでください。――すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。――すみやかに投票を願います。   〔投票継続
  139. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  140. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  141. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。すみやかに投票願います。   〔「外務大臣がいないじゃないか」と呼ぶ者あり〕
  142. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔投票継続
  143. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。――すみやかに投票願います。   〔「外務大臣どうした」「投票をやり直せ」と呼び、その他発言する者多し〕
  144. 船田中

    議長船田中君) すみやかに投票願います。   〔「大臣どうした」「こういうことで投票できるか」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
  145. 船田中

    議長船田中君) この際、暫時休憩いたします。    午後八時二分休憩      ――――◇―――――    午後十時二十九分開議
  146. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。      ――――◇―――――
  147. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 先刻、中野四郎君外二十三名提出討論終局動議採決中休憩となりましたので、あらためて本動議につき記名投票をもって採決いたします。  中野四郎君外二十三名提出討論終局動議に賛成の諸君白票反対諸君青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。   〔議場閉鎖
  148. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名点呼〕   〔「投票箱をどうするのだ」と呼び、その他発言する者、離席する者多し〕
  149. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 点呼は終わりましたが、投票箱の準備ができませんから、演壇並びに演壇に対する通路をあけてください。  もう一度申し上げます。点呼は終わりましたが、投票箱の準備ができませんから、すみやかに演壇の通路をあけてください。   〔発言する者多し〕
  150. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 投票箱の準備ができませんから、通路をあけてください。――投票箱の準備ができませんから、演壇の通路をあけてください。――投票箱の準備ができませんから、演壇をあけてください。演壇の通路をあけてください。   〔発言する者多し〕
  151. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 投票は、投票箱の準備をできますまでお待ちを願います。――投票は、投票箱の準備ができますまでお待ちを願います。――通路をあけてください。通路をあけてください。   〔発言する者多し〕
  152. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 投票箱の準備はできております。できておりますが、投票箱を備えつけることができません。投票箱を備えつけるために、演壇をあけてください。――演壇をあけてください。   〔発言する者多し〕
  153. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 投票箱の準備ができませんから、演壇をあけてください。――投票箱の準備ができませんから、演壇をあけてください。――演壇をあけてください。――投票箱の用意ができませんから、演壇をあけてください。――演壇をあけてください。   〔発言する多し〕
  154. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 投票箱の用意のできるまで投票はお待ちを願います。――お待ちを願います。演壇をあけてください。――演壇をあければ直ちに投票箱の準備をいたします。   〔発言する者多し〕
  155. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 演壇をあけてください。演壇をあけていただけば、古い投票箱は始末して、新しい投票箱を設置します。演壇をあけてください。――演壇をあけてください。――演壇をあけてください。   〔発言する者多し〕
  156. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) それでは、静かに、お静かに願います。――前の投票は、投票中の休憩によって、先例により、当然無効であります。   〔発言する者多し〕
  157. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 新たなる投票において、このたびの投票に――休憩後の再開の投票において、投票箱の準備はできておるが、演壇占拠のために、投票箱を持ち込むことができない。少なくとも演壇をあけてください。――あけてください。下がれ。   〔発言する者多し〕
  158. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) だんだん、だんだんに時間が切迫をいたします。すみやかに投票をいたしたいので、投票箱設置のために演壇をあけてください。演壇をあけなければ投票箱は設置できません。点呼はあっても投票が不可能。投票箱はここに用意ができております。すみやかに演壇をあけてください。――演壇をあけてください。――なぜ演壇をあけないか。演壇をあけてください。演壇をあけろ。――なぜ演壇をあけない。――演壇をあけてください。当然に演壇をあけてください。   〔発言する者多し〕
  159. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 本日は時間の関係上この程度はとどめ、明十日午前零時五分より本会議を開くこととし、本日の議事を継続することといたします。  本日は、これにて延会いたします。    午後十一時四十四分延会      ――――◇―――――  出席国務大臣         外 務 大 臣 椎名悦三郎君      ――――◇―――――