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石橋委員 いろいろと質疑応答を重ねたわけでございますけれども、この問題に関する限り、
日本政府側の理論は全く首尾一貫してないのです。その点をみごとにまた
韓国につかれておるのですね。先ほどもちょっと申しましたから、
韓国の国会におきます議事録をちょっと一部分だけ読んでみたいと思います。これは向こうの法務
局長が言っておるのです。「それは自己矛盾であり、明白な理論的矛盾です。これを
指摘しました。事実、
日本代表の二人は一言も言えず、ただ黙って答えなかったが、そのような態度では、専門
委員の言うことは、事実はいま李代表が
指摘した点に自分
たちの理論的欠陥があることを自認します。」とまでに言っておるのです。この虚をつかれて、結局永住権がだんだん広がっていったと、その成果のほどを得々と述べていますよ。全く
日本の交渉団の理論的矛盾がつかれて、その間隙に乗じて永住権をどんどん獲得できるものをふやしていった、こういうような説明を向こうでしておるのです。真偽のほどは別です。しかし、いままでのやりとりを聞いておりますと、こんな大きなことを向こうに言われてもしようがないんじゃなかろうかという疑問を私
たちとしては持たざるを得ないのです。これは少なくとも
日本の利益というものにも十分なつながりをある
意味においては持っておる問題なんです。こういうふらふらした態度で
外交交渉は私はできないと思います。もちろんただそれだけではないようです。聞くところによりますと、せっかく事務段階で合意に達しても、どこか妙なところから圧力がかかって、あれはもう少し何とかしてやれという話があったというようなことも伝わっております。また、事実、表に出ている部分としては、イニシアルまで終わったものをさらに拡大している。こういうあまり例もないようなことまでやっておる。これも知っております。とにかく、情けないといわざるを得ないのです。これが一国を代表して対外折衝をする
日本代表の態度か、理論か、こういわざるを得ないのです。私はこのことを申し上げたいためにるる申し上げたのでございますが、そのほかに、さしあたって
在日朝鮮人の中にこれで利害
関係を生じてくる者が出てくるわけです。たとえば、これを単なる
用語であると従来一貫して
日本政府が言ってきたその
ことばを信じてほうっておいた、いまになったら身動きもできなくなったというような人
たちはどうなりますか。気の毒だとは思いませんか。とにかく実害をこうむっておることは間違いありません。この間
横山君がいろいろと具体的な例をあげて、実害を与えている、こういうようなことを申しましたら、これに対して
自民党の
委員がインチキ
質問だというふうな誹謗をいたしました。私も速記を調べてみましたが、何がインチキ
質問かと言いたいのです。
横山君は断定はしておりません。「この事案については却下されておると思われる。」こう言っております。こういうふうに思われるというものまで、断定したかのごとくかってにとって、こういう席で誹謗をし、議員を侮辱するというようなことは、私は許されないと思います。
しかし、そのことはさておいて、もう
一つだけこの
法的地位の問題について
お尋ねをしておきますが、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く
外務省関係諸命令の
措置に関する
法律というのがございます。これは御承知だと思います。この第二条六項は、このいまわれわれが審議しております
条約が
発効した後も残るのでございますか。そして
韓国籍を取得せざる
在日朝鮮人には引き続き適用されるものでございますか。この点だけ
法務大臣に確認しておきたいと思います。