○春日
委員 それは違うのです。それは違うのみならず、重大な疑義を後日に残すものです。流動性がない、固定的なものである。こういうぐあいにいままでは
説明をされてきた。すなわち、休戦ライン以南に固定されたものである、すなわち
条約締結の時点において
管轄権の及んでおるその地域に対してこの
条約の効果が及ぶものである。こういうふうに述べられてきたんだが、そうじゃなくて、伸び縮みがあるんだ、
管轄権が伸びるに従ってその適用地域は伸びていく、減ったならば減ってくるんだということだと、これは問題は非常に重大だと思うのです。
それからもう
一つ、大体この休戦
協定なるものにも問題があると思うのです。
総理、休戦
協定にも問題があると思うのです。例の休戦
協定が
締結されたときには、これは予備会談に
国連代表の一人として白善燁という人、
協定にも
国連代表の一人として崔徳新少将が加わったが、
協定には、これは
朝鮮人民軍最高司令官及び
中国人民志願軍司令官を一方とし、他方は
国連軍総司令官であって、
韓国軍司令官は休戦
協定に判を押していない。だから
北鮮は休戦
協定を守るという
国際責任がある。けれ
ども、
韓国政府それ
自体には固有の責任がないと思う。そういう問題をもあわせ内包する問題として、この
管轄権の流動性、固定性を判断するとき、ここに重要な疑義があると思う。けれ
ども、この問題は、いまここで決着をつけるということはいかがでありましょうから、したがって、これは永末質問に譲ります。わが党の永末君がこの問題について深く探求されておるようでございますから、あなたのほうも、その質問までに……。
〔発言する者あり〕
社会党がやっちまう。――社会党にやられちまうなら、おれがやるよ。(笑声)社会党にやられそうだから、ぼくがやる。
まず、問題の起点は、この基本
条約第三条は「
大韓民国政府は、
国際連合総会
決議第百九十五号(III)に明らかに示されているとおりの
朝鮮にある唯一の合法的な
政府であることが確認される。」とあるけれ
ども、百九十五号(III)というものは、唯一の合法
政府なるもの、そんなふうには書いてはいない。そんな基本
条約第三条に書いておるようなぐあいに百九十五号は書いておりません。すなわち、その前段には、観察し、かつ、協議し得たところの
朝鮮の人民の大多数が居住している
朝鮮の部分に、有効な支配と
管轄権を及ぼす合法的な
政府が樹立されたこと、それで、この問題については、あやまたしめたことは、前段に
日本はウエートを置いておりますね。
日本は前段にウエートを置いている。前段にウエートを置いておるということは、臨時
朝鮮委員会が観察し、かつ、協議し得たところというところにウエートを置いて、三十八度線であるとか休戦ラインとか言っておる。ところが
韓国は、この前段が書かれていないものですから、この三条の中に前段がことさらにサイレントになっちゃっておるのです。したがって、その後段にウエートを置けば、これは
朝鮮にあるところの唯一の合法
政府としか書いてないものだから、文理上それを読み下していけば、われらが唯一者だと、こういうことになってきて、実際問題としてこの文章の書き方に問題がある。だから、こういうような困難なる問題を表現するときには、同じような台湾との間においても、やはり
中国大陸というものを念頭に置いて、困難なる
条約の
締結であったから、したがって、交換公文や交換文書等によってその疑義を解明するの
措置がとられておる。だから何となく八百長的な表現がとられておるのですよ。
韓国さんについては
韓国さんの言いやすいように、
韓国全土に及ぶように、三条におけるその百九十五号(III)の引用を、ただ後段にウエートを置いて、かつ、そのことをのみ書き連ねておる。そうして、
日本国が理解しておるところの百九十五号(III)の前段は、ことさらにこれをサイレントにしておる。(「してない」と呼ぶ者あり)そうか。してないと言ったって書いてないじゃないか。(発言する者あり)いや書いてないよ、それは。だから、こういう二様の解釈の成り立つような文言というものは、私はこれは危険だと思うのです。少なくとも
条約というものは、両国がやはり正確なる合意に達しなければならぬではないか、共通の理解を把握しなければならぬではないか。向こうは
朝鮮じゅう全部だと言っておる。こちらは南だと言っておる。ところが、専門的につぶさに検討していけば、そういうような解釈も成り立ち得る、こういうような理解も取りつけ得る。そんなややしいことを――何かこれは宝さがしか、マジックか、クロスワードみたいなもので、適当ではないじゃないですか。何らかの交換公文を取りつけておくか、あるいは国会においてき然たる宣言か、あるいは附帯
決議か、この問題はわが国のこの三条に関する有権的な解釈を厳然と打ち立てておかなければならない問題であると思うが、この問題については、いずれは各党の
理事間その他において、最終段階において、危険が後日に及ばないように、問題を後日に新しく植えつけることがありませんように、十分善処されんことを望みます。
次は、私は
管轄権問題についてお伺いをいたしたいと思うのでありまするが、これは三十八度線以北にははたして及ばないのでございますね。何ものも及ばないのでございますね。あらためて御
答弁願います。以北にはこの
条約の効果も何も及ばないのでございますね。