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説明員(
鎌田要人君) ただいま御
指摘になりました地方
財政のいろいろな
事情のほかに、今
年度地方
財政の特殊な
事情といたしまして三つございます。一つはすでに御存じのとおり、国のほうで九月決算の結果が明らかになりませんというと、まだ明確にならないわけでございますけれ
ども、大蔵当局は今
年度におきまして国税で二千億をこえる税収の歳入欠陥を生ずるだろう、こういうことを申しておるわけでございます。そういたしますと、御存じのとおり、これの中には国税三税が含まれておりますから、地方交付税に当然はね返って、いわゆる地方交付税の歳入欠陥という問題が生じてまいります。大ざっぱにいろいろの推定があるわけでございます。四百五十億から五百億ぐらいの歳入欠陥を生ずるだろう、こういうふうに私
ども見込んでおるわけでございます。また、国税におきまして二千億をこえるような歳入欠陥というものを税において生ずるということでございますというと、同一の
事情は地方税にも働くわけでございますので、地方税でもこれは税におきまして歳入欠陥を生ずる。これは各団体三千有余それぞれ
事情がございます。個々の
事情に当たらなければわからないわけでございますけれ
ども、これも全体といたしましては、やはり六百億をこえる税の自然減というものを生ずるであろう。そうしますというと、それだけですでに千百億という歳入欠陥を生ずることになるわけであります。その上ただいま問題になっておりますところの
給与改定という問題が出てまいります。五月から
実施をするということになりますというと、七百四十億の財源を必要とするわけでございます。プラスいたしますと千九百億前後の、ほっておきましても、ことしは歳入歳出両面におきまして赤字の要素というものがさらにただいま御
指摘になりましたような
事情の上に加わってまいる。ならぬ私
どもは事態に立ち至っておる、こういうふうに
考えておるわけであります。そこで当面の問題といたしましては、国税の減収に伴いますところの交付税の歳入欠陥につきましては、これはすでに八月一ぱいで府県市町村に本
年度の交付額は
決定通知をいたしておりますので、これについては影響を及ぼさぬような特別の
措置を講じてまいりたい。それから税の減収と
給与改定に伴いまする所要の財源、これは合わせましてやはり当面私
どもといたしまして、国家
公務員について
給与改定が行なわれるならば、その
実施時期、
実施内容というものを同じにした前提での財源
措置というものは当然講じてまいりたい。そういう形で当面の容易ならぬ
財政の窮況というものは克服してまいりたい。ただ、基本的には、やはり何と申しましても、現在の地方団体の自主財源が足りないという問題がございます。それからせっかく一般財源がふえましても、その六割から七割というものは、黙っていても
給与費、補助費、それから公債費、いわゆる借金でございますが、これの元利償還にもっていかれる、こういうやはり
財政構造自身に手をつけてまいりませんというと、地方
財政の窮迫、赤字転落という問題は毎年々々、毎年毎年といいますとちょっと言い過ぎでございますけれ
ども、やはり循環をしてまいる、こういう形になってまいるのでございますので、国、地方を通ずる事務の再配分に対応いたします財源の再配分という問題について、やはり諸先生方の御協力もいただきながら、なおこれを
実施してまいりたい、推進してまいりたい、こういうふうに
考えている次第でございます。