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鶴園哲夫君
総裁、この問題はそういうあいまいなものじゃ困るのです。深刻ですよ、これは。子供四人おる人を
考えてあの俸給が出ておるのですから、その場合にどこで救うか。まず救うということですよ。でなければ値上げするという段階じゃないですね。どういうふうに救っていくか。こういう点ですよ。四等、五等、六等あすこのところで、その場合に中だるみ是正でそこだけ三%だけ上げるということは不可能ですよ、いまの
人事院の姿勢では。だから、そこを上げる。幾らかでも上げていく。同時に、これは最も扶養
手当が重きをなしておるのですから、それを救う。何でもかんでもいいから救っていくというやはり態度をとるべきだと思うのです。だれが反対したのか知りませんが、反対している
理由を聞きたいです。ですから、これは私はぜひ再検討していただきたいと要望いたします。ちょうどいいときです。ことしはやっと扶養
手当が爼上にのぼってきたのです。私は非常に注目しておったのです。いままで何べんここで論争しても一顧だにしなかった。申しわけ的に一回
調査しました。こんなものは
調査して出る結論はわかっているのです。インチキですよ。誠意がないのです。ことしは私は扶養
手当を爼上にのぼせ、
人事院もこの問題を取り上げられたということはきわめて賢明だと思う。
公務員はやっぱり全体の問題を
考えてもらわなければ困る。上のほうばかり
考えてもらっては困りますよ。局長はぶうぶう言っておる。ああいう問題はいいですから、こういう問題を
考えてもらわないと非常に困る。この点は
総裁ぜひ
勧告には結論が出るように、私は重ねて強く要望しておきます。でなかったら、さか立ちしておこりますよ。(笑声)だめですよ、本気にならないと。いまどき
公務員に六百円、四百円の扶養
手当……
民間で扶養
手当を出しておる
程度のものは
考えるべきですよ。要望しておきます。
それからもう
一つは、上のほうはよくなりましてけっこうなんですが、さらに四等級の処理はああいうふうにされまして、ある
程度空気が抜けましてよかったのですが、問題は、この五等、六等のところが空気が抜けなくてきわめて停滞しておるわけですね。水でいうと、ボーフラが浮いてしまって蚊が出てくるという状態が来ておるのです。異常な
状況ですよ。ですから、ここらあたりの昇格問題をうまく処理してもらいたいと思うのです。四等級をうまく処理されたようにうまく処理する必要があると思うのです。
人事院はいつも
勧告した
あとでそういうものは努力しますと言いますけれ
ども、さっぱり努力していないように思いますね。これを
一つ申し上げておきます。
もう
一つは、
住宅手当について、
総裁は何か率が低いからどうだこうだというお話のようですが、これは
住宅手当というものが何でここに出てきたか、この
内閣委員会において論議されたか、あるいは一般の
公務員の間に出てきたかという点を
考えなければならぬと思うのですよ。それは三等以上なら三等以上をとった場合には
給与がどんどんよくなってきた。しかも、公設宿舎に入っておる。しかし、四等以下について見れば、賃金ははなはだしく低い。おまけに公設宿舎に入っていないというのですね。さらにもう
一つは、六、七年前には三等級以上、四等級以上の人たちが
異動の対象になっておった。しかし、今はほとんどすべての
公務員が
異動の対象になっておる。昔は上の人だけ
異動の対象だったから
住宅問題があっても、上の人たちが官舎や特定の宿舎におったということを
公務員全体は理解をしておった——納得しておった。しかし、今は全
公務員が
異動の対象なんです。その場合に、一方において
住宅はない、
住宅手当はない。いま
地方を歩いてみますと、みんなこういうふうに
異動させるなら、当局のほうで
住宅を見つけてくれと、こう言うのです。
住宅を見つけてくれ、
住宅を見つけてくれぬために、
異動はしてみたけれ
ども、一人で寝起きして通わなければならぬ、あるいは自分で宿舎を見つけるために一カ月も二カ月もかかるじゃないか。非常な不満ですよ。
住宅手当が申しわけ
程度のものが出ても、
一つの理屈なんです。
住宅手当があるから
異動するぞと言うこともできる。いま
住宅手当がないですから、
異動させますと、行きたがらない。うちを見つけてくれと、こう言う。見つけてから出してくれ、
異動さしてくれと言う。中には、昇給さしてやるから、昇格さしてやるから行けと、そういうところまで来ているのです。人事というものを曲げることにもなってきている。ですから、この
住宅政策というものを妙に
考えてもらっちゃ困りますよ。
総裁は先ほど何か
山本委員に対して、
住宅手当はいま三三%支給しているというような御
説明をなさったようですが、そうかもしれないです。しかし、少なくとも
異動をするような
民間会社をとってもらわなくちゃ困る。
異動する、転勤をするところをとってもらわなければ困る。
民間の
会社だって、工場労働者というものはいまや自宅から通っておる者が多いですから、転勤をするもの、そういう
会社というものを取り上げて処理しなければいけない。それをばく然ととっちまって、どうだこうだというような話は、これはどうにもならない。去年は
異動するところをピックアップしてみたら三九%という
数字が出ている。私はそういうふうに聞いた。本年もおそらくは
異動、配置転換をするようなそういう
民間の事業所をとってみれば、これはもっとでっかい
数字が出てくると思う。
通勤手当は四十何%で踏み切った。
通勤手当を出します場合には、
人事院は四八%くらい
民間が実施しているというところで踏み切ったのです。
住宅政策についても、いまや踏み切るべき時期に来ていると私は思うのです。さらに先般労働省が法定外福利の
施設の発表を行ないましたね。非常な前進をしているというのですね。
公務員の法定外福利というのはまことにお粗末です。私は五年くらい前に取り上げた。
民間の一カ月分というのは
公務員の一年分の法定外福利に相当しているという点まで言って
説明をしたことがありますが、しかし、労働省の発表によりますと、法定外副利費は非常に前進をした、とりわけ
住宅政策は前進をしたという発表を行なったのです。これはもう踏み切るべきですよ、
総裁。昨年
仲裁裁定が百人以上の企業に踏み切った——いや踏み切ったと言うより、はっきりさした。ただそれを
一つの踏み台にして
人事院は百人以上の企業に踏み切られた。長年の懸案を踏み切られた。前進であります。私は
住宅手当もいま踏み切るべき時期に来ていると思う。計数的に出てくるに違いない。
通勤手当を踏み切ったと同じようにこの際私は踏み切るべきだと思います。課題はなかなが多いです、
総裁。額上げもしなければならぬ、中だるみも見なければならぬ、扶養
手当もしなければならぬ、
通勤手当も出さなければならぬ、
住宅手当もつくらなければならぬ。たいへんな重荷です。けれ
どもこれはやっぱりやってもらいたい。それは
通勤手当と同じようにかっこうがついたというだけでもいいのだから、
あとは逐次やっていけばいいのですから。たいへんですな、歴代の
人事院の積悪——悪いことを積み重ねた結論を。しかし、いまや
人事院も、こういうふうに
国家公務員法を創設するときは法制局長官をやっておられた
佐藤さんが
総裁になって三年目くらいになりまして、いよいよ円熟したときに来ている。過去も見て、過去を反省をして、この際やはりやるべきだと思うのですがね。
総裁いかがでございますか。