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1965-10-04 第49回国会 参議院 大蔵委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年十月四日(月曜日)    午前十時三十四分開会     —————————————    委員異動  九月二十八日     辞任         補欠選任      紅露 みつ君     西郷吉之助君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         西田 信一君     理 事                 植木 光教君                 西川甚五郎君                 日高 広為君                 中尾 辰義君     委 員                 青柳 秀夫君                 伊藤 五郎君                 大竹平八郎君                 大谷 贇雄君                 栗原 祐幸君                 木暮武太夫君                 林屋亀次郎君                 藤田 正明君                 柴谷  要君                 田中 寿美君                 戸田 菊雄君                 野溝  勝君                 瓜生  清君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君    説明員        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        国税庁次長    塩崎  潤君        国税庁間税部長  松本  茂君        食糧庁参事官   中野 和仁君        食糧庁業務第一        部長       馬場 二葉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○租税及び金融等に関する調査  (酒類用原料米に関する件)     —————————————
  2. 西田信一

    委員長西田信一君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  去る九月二十八日紅露みつ君が委員を辞任され、その補欠として西郷吉之助君が委員に選任せられました。     —————————————
  3. 西田信一

    委員長西田信一君) それでは、租税及び金融等に関する調査のうち、酒類用原料米に関する件について調査を進めます。  質疑のおありの方は順次御発言願います。
  4. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 このごろ新聞を見ますると、農林省においては酒造米売り渡し価格決定されたということでありますが、それはもう省議決定をされて、そうしてこれはもはや変更はできぬたてまえになっておりますか、どうでしょうか、農林省のほうの御答弁を願います。
  5. 中野和仁

    説明員中野和仁君) お答え申し上げます。  いまの先生の御質問でございますが、酒米の四十年産米につきましては、去る九月の二十八日に関係方面と協議いたしました結果、そういうふうにきめまして、食糧庁長官から通達をいたしまして、すでに実施しておるものでございますので、いまから変更は困難だと思います。
  6. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 私、農林省におったときにも、そういうふうなきめ方をしていたが、省議で全部決定をして通牒を出してもいいたてまえになっておるのかどうか。これは国民の生活なり、あるいは食糧に直ちに影響を及ぼすのだが、それは一方的にそういうことをきめても、摩擦は従来起こっておらぬのかどうか。また、今回もそういう点については、もう食糧庁でおきめになったから、農林省でおきめになったから、業界人々はメーファーズいうことであきらめ切っておるのか。その点はどうなんですか。
  7. 中野和仁

    説明員中野和仁君) 従来から酒米価格につきまして、時期につきましてはいろいろ違った月もありましたけれども、最近、三十七年以来は、大体食糧庁が、生産者米価がきまりまして決定いたしました価格に、酒米にそぐう政府の経費というものを見まして、売り渡すという原則にしているわけでございます。そこで、そのコスト見方等につきまして、国税庁、あるいは業界方々食糧庁というところで、中身につきましては議論はございますけれども、そういう原則によりましてきめるということに三十七年以来いたしております。なるべく早くきめなければ、実は酒米需要といいますか、そちらのほうも酒造早期化ということが起こってまいりまして、早くきめてもらいたいというようなこともございまして、そこで大体最近は九月にきめるということになっております。
  8. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、いまの後段のお話はわかりますよ。酒米はもう割り当てせんならぬということなんだが、そんなら、あなた、もっと早う——うどうしようもなくなって、決定をして直ちに布告をするというようなことでなしに、多少ゆとりをもっておやりになるということが、それに対するいろいろ、そんな高くちゃどうにもならぬ、一体農家生産者米価よりもいまお話し政府のいろいろ手数料といいますか、何か加わって加算せられている、それも合理的にみんな納得をしているわけでしょうか。なぜもっとスピーディーにやれぬのかどうか。
  9. 中野和仁

    説明員中野和仁君) できますれば、なるべく早くきめたほうがいいというふうに私たちも考えております。  そこで、最近の例を申し上げますと、先ほど申し上げましたように、実は酒米につきましては、それ以前は暫定価格を一応設けまして、それから年末だとかあるいは年度末にきめたこともございましたけれども、それではなかなか値段のきめ方に問題があるというようなことから、先ほど申し上げましたように、三十七年からコスト価格、それもなるべく早くきめていとうということで、漸次その中身のきめ方につきまして大体ルールのようなものができてまいりましたので、早くきめられるようになってきたわけでございます。ことしは特にいままでの中では一番早くきめられた。できますれば、こういうのはもう少しルール化いたしまして、早く皆さん方にわかるように、もう少し早くきめられたらというふうに思いますが、米が出ますのは、大体九月の下旬から要求がございますので、大体そのころにきめられればいいんではないかというふうに思っております。
  10. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 生産者米価決定したのは、あれはいつですか。
  11. 中野和仁

    説明員中野和仁君) ことしは七月の九日、十日ぐらいだと思います。
  12. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、七月に生産者米価がきまったわけでしょう。そうすると、九月だというと、二カ月もかかっておるわけじゃ。なぜもっと早くできぬものか。ということは、天下りにきめちまって、ぐうの音も出ぬ、迷惑だというふうな不平不満が残っておってはいかぬから、私はお尋ねをするので、私は新聞を見て、ほほう、ことしは農林省はやはり一方的だなという、こういうふうな感じを受けたから、お尋ねをするので、余裕さえあれば、もし文句のある者があれば、これはもう少しこうしてもらわなくちゃ困るじゃないかと言うゆとりをもっていくことが、行政としては非常に大事じゃないか、国民に対するあたたかい気持ちを残していくことが大事じゃないかという考え方から、お尋ねをするわけなんです。
  13. 中野和仁

    説明員中野和仁君) ちょっと私のことばが足りませんでして、実は生産者米価がきまりましたあと、酒の業界のほうからは、ことしの値段はこれくらいにしてもらいたいという御要望がございます。それから、酒のほうを扱っておられます国税庁国税庁のほうといたされまして、ことしはこういう計算にしてもらいたい、こういう御要望がございます。それから、食糧庁といたしましても、私たちのほうでは、ことしはこういうふうに考えていこうという案をつくるわけでございます。それからまた、役所の内部のことを申し上げるようでございますが、主計局としましても考えがおありのようでございます。そういう四者が集まりまして、そこへ経済企画庁のほうもやはり政府売り渡し価格の問題で物価のほうからも参加をされまして、その辺で相談をいたしましてきめていくというルールにしておるものですから、食糧庁が一方的に出したということでは決してございません。大体相談がまとまったところでやる、こういうことでございます。
  14. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、お役所同士はそれはいいわな。お役所同士でも国税庁なんかは取り立てるほうじゃから、いろいろ異議があるかもわからぬが、問題は一般国民ですよ、その酒造連合会酒屋さんのほうも相談にあずかっておると言うが、一体酒屋さんの中に、私の友だちに中小メーカーが実は相当おるわけなんです。そこで、そういう人たちは、最大公約数的意見が、酒屋さんの連合会にはまとまってできておるのかどうかということ、たとえばその中にある七メーカー等意見がそのまま反映をしておるようなことはないか、あるいはまたそういう一般中小人たちの声も十分に聞いておられるのかどうかという点ですわ、私が非常に心配する点は。
  15. 松本茂

    説明員松本茂君) 清酒製造業界の御意見を聞きます場合には、清酒酒造組合中央会の御意見を聞く、それを中心にして聞くということにいたしております。清酒中央会のメンバーといたしましては、全国的に四千軒近くの清酒製造業者があるわけであります。ほとんど大部分がいわゆる中小企業に属しております。それで、理事会構成を見ましても、あるいはまた会長会構成を見ましても、割合小さいメーカーに属する方、中小企業のほうに属する方が理事なりあるいは会長になっていられます。また、評議員という制度もございますが、これもやはり非常にたくさんの数がございますが、やはり、もちろん大メーカーの方もいられますが、中小企業の方も非常にいられる、こういうことでございます。決して一部の非常に大きな規模の業界意見だけをそういった理事会会長会評議員会で代表されるということにはなっておりません。中小企業に属する方々意見も十分反映されると、そういうふうなことになっておると思います。
  16. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そういうことで、形の上からは何らの異議もない、中央会に話をしておるからということでありますれば、一応了承しますが、まあこれはあと割り当て米のことについての際お尋ねしたいと思います。  そこで、中小人たち、これは非常に苦しんでおる、大蔵省やり方に対して。したがって、中小のものが大多数だとおっしゃるけれども、まあ私の地元からいいますと、愛知県の会長さんなんというものは、これは相当大きなメーカーです。全くのだんな衆です。それはどういった組織で選考されておるのか知らぬが、そういうお方が会長さんになっておる。ほかの県もそうじゃないかと思う。大体みんな温厚な、おとなしいだんな衆が就任している。これははたして民主的な選挙の結果であるのかどうか。その点はまだ中央会の方にもお目にかかって聞いておりませんから存じませんが、私が中小人たちから聞いておる点では、どうも大きいところと中小企業人たちとはしっくりとそりが合っておらぬのじゃないかというような印象を持っておるわけなんですよ。それは来年度、四十一年度割り当て——何年も大蔵当局には中小人たち要望しておる、国税庁にも要望しておるけれども、どういうわけか知らぬが、まあ過重な割り当てであると、実情に即さないようなやり方大蔵省国税庁はやっていなさるという怨嗟の声が相当ある。それでうまいことをしておるのは大きいところらしいと。これはまあ私は実態のすべてを調査したわけじゃないが……。したがって、いまのお役所三つ、そしてまあ中央会相談にあずかっておられるというのだが、中央会自体も、これはお役所のほうじゃないが、そこのところの実態調査というものが、いまあなたは中小人たちが大部分だからその声が反映しておるかのごとき仰せでございますが、あなたのほうの把握しておられる状態は、それは間違いございませんか。
  17. 松本茂

    説明員松本茂君) 評議員会、あるいは会長会協議会、あるいは理事会におきましても、中小企業方々の世論といいますか、意見というものは十分よく反映されておると、私いままでどの会にも出ましたが、そういうふうに考えております。
  18. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、農林省の点につきましてはまあよくわかりました。  そこで、このごろすでに大蔵省としては割り当ての内容がおきまりになっておるかのごとく聞いておるが、まだ結論は出ぬけれども。それは一体どんなふうにおきめになる御予定ですか。
  19. 松本茂

    説明員松本茂君) 清酒用原料米清酒のその酒造年度におきますつくり方、つくる量のきめ方は、毎年秋にきめることにいたしております。中身が二つございまして、一つはどういう方式に従って原料米割り当てることにするかという点と、もう一つ総量幾らにするかという点と、二つございます。  まず、第一段の、どういう方針原料米割り当てていくかという、こういう割り当て方針の点でございますが、これにつきましては、本年、昭和四十酒造年度分につきましては決定いたしました。これの決定につきましては、酒造組合中央会にいろいろ御相談し、その御意見も聞いてきめたわけでございますが、理事会におきましても、また会長会におきましても、何ら異存はございませんでした。  で、次に、もう一つ数量の点でございますが、とれにつきましては、本年度また来年度清酒需要がどの程度になるかということを予測してきめるわけでございますが、現在の段階ではまだいろいろ検討すべき点が残っておりますので、そういった点を十分よく検討してきめたい、こういうふうに思っております。
  20. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それではいつごろ大体きめるのですか。
  21. 松本茂

    説明員松本茂君) 例年十月の終わりから十一月ごろにかけてきめておりますので、本年も本月の末かあるいは十一月初めごろにはきめたい、こういうふうに考えております。
  22. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それで、何ですか、酒つくっている人たちは、それらの時期で差しつかえないわけかということと、それから、文句は言いたいけれども、もうそんな時間はない、ぎりぎりでおきめになって発表されるのか、その点どうなんです。
  23. 松本茂

    説明員松本茂君) 先ほど、第一段の点といたしまして、原料米割り当て方式割り当て方針がもうきまったと、こういうふうに申しました。それによりますと、基本割り当て分とそれから特別加配分と、こう二つ合わせまして六百三十五万石ということになるわけでございますが、これはもうすでにそれに従いましてきまったわけでございます。残る点は、希望加配米をどの程度にするかと、こういう点が残っておるわけでございまして、この基本割り当て分特別加配分にこの希望割り当て分プラスされまして、それで本年度酒造の全体がきまると、こういうことになっておるわけでございます。  そこで、先ほど申しましたように、基本割り当て分特別加配分合わせまして六百三十五万石くらいになるわけでございますが、これはもうすでにきまっております。で、業界方々としましては、それがきまっておりまして、もうほとんど大部分のものはまあこれで締められるわけでございますから、大体どの程度になるかということの推測はこれでついておるのではないかと、こういうふうに思います。  残ります点はこの希望加配分でございますが、この点は、基本割り当て分に対して何%ということで昨年もきめまして、ことしもそういった方式できめたいと思っております。その何%にするか、したがって、希望加配分分量幾らになるか、したがって、総量幾らになるか、こういう点がまだ残っておるわけでございますが、それをこの十月の末か十一月の初めごろにはきめたい、こういうふうに思っておる一わけでございます。
  24. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そうすると、あなた、こまかい点がきまらぬだけで、その希望をするというのは業者の人が希望するわけですか。希望加配を、私のほうはまだこれだけほしいのだ、こういうような要望に沿って、それをプラスならプラスするのか、いまの六百何十万石に。六百何十万石というのはもう絶対数で、それ以外にプラスにならないのか。そのうちから余裕が残してあって、希望のあるところへはそれを配給する、こういうことですか。
  25. 松本茂

    説明員松本茂君) 先ほど申しました基本割り当て分特別加配分につきましても、これはそういう受配資格がある方が必ず全部受け取らなくてはならぬということではございません。そこまでは受け取れる、そういう条件のある方はそこまでは受け取れるということでございます。  それから次に、この希望加配でございますが、これは個々の企業業者が、企業家幾らほしいという希望に応じて、その希望加配としてきまった分量のうちで、限度としてきめられました分量のうちで、どれだけを自分希望するかということを自分で判断せられて申し出られる。そうすると、その申し出に応じて米の受配ができる、こういうことでございます。
  26. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 いまの辞退をすることができるというようなお話、御口吻ですが、辞退できるのですか、おれは要らぬという場合は。
  27. 松本茂

    説明員松本茂君) これは、その範囲内でございましたらけっこうでありますわけで、辞退されても、それは差しつかえございません。しかし、まあほとんど大部分の場合、辞退されることは、この希望加配は別といたしまして、この基本割り当て分あるいは特別加配分、それぞれ資格のある方はほとんど辞退される方はございません。実情はそうなっております。
  28. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 その希望加配というのはどういうもので、どのくらいのあなたのほうには割り当ての手持ちがあるのか。それから、もう一つ特別配給、それはどういうのです、その性格は。
  29. 松本茂

    説明員松本茂君) 昨年を例にとって申しますと、昨年の現実につくりました酒の総量が七百二十五万石というふうになっておると思っております。そのうちで、基本割り当てによりましてつくる酒の総量が五百八十四万石と、こういうふうになっておる次第であります。それから、希望加配によります分が百二十一万石でございます。特別加配によります分が十九万石、約二十万石でございます。これを率に直して申しますと、基本割り当てが五百八十四万石というのが大体八〇。六%になります。それから、希望加配というのが一六、七%になります。それから、特別加配と申しますのが二。七%くらいになります。合計いたしまして一〇〇%になっておるわけでございます。  でございますから、まあことしはこの希望加配幾らにするかということがまだきまっておりませんので、はっきりしたことはまだ申し上げかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、基本割り当てというのが非常に大きいウエートを占めております。  そういったことで、それから特別加配というのも、いままで企業合同なりあるいは共同びん詰めなり、提携桶取引なり、共同製造なり、そういったことをされたそういった方々が一定の基準によりまして受け取る資格があるわけでございます。そういった方々が、自分がどの程度もらえるかということもすでにきまっておるわけでございまして、したがいまして、先ほど申し上げましたように、ことしは基本割り当て特別加配、合わせまして大体六百三十五万石程度ということになる計算でございます。したがいまして、大部分のものはきまっており、残っておりますのは希望加配分量幾らにするかという点でございます。  ただ、希望加配も、昨年で申しましても百二十一万石というかなりな数量になり、全体でも一六・七%というかなり大きな数量になっておりますので、ここをどういうふうにきめるかということが、これからよく業界の御意見も聞いてきめていきたいところでございます。
  30. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 その特別加配というのは、いまお話しの間にわかってきたんだが、これはたとえば農業近代化をいま促進しておりますね。いわゆる協業化であります。御承知のとおり、青年諸君が町に、都会にと動いて移動していきますから、したがって、なかなか旧来の農家経営というものは人手が足りませんから、どうしても合理化して機械化する、近代化する、合理化する、したがって協業をしなければならぬことは、これは農林省指導方針奨励をしておられるわけであります。各府県の農林部においても、また農協においても極力やっておるわけです。それと、このいまの特別加配は、酒屋さんの小さい諸君がもう今日の事態では地酒はなかなか売るのも困難です、実際現実の問題として。したがって、まあわれわれの県でも地酒というのは相当ありますけれども、そんなら東京で一ぱい飲めるかというと、なかなか飲めません。飲みたいと思っても、酒屋さんに売っておらぬ。そうすると、どうしたってこれは近代化方向へ急速に進めていかぬと、ばたばた倒れるおそれがある。そこで、そういうような趣旨の特別のものに対する加配を、奨励意味においてやっておると、こういう意味ですか。
  31. 松本茂

    説明員松本茂君) お話のような趣旨でやっておるわけでございます。中小企業近代化促進法という法律がございまして、清酒は三十八年に、それからしょうちゅう乙は一年おくれましてこの法律指定業種に指定されまして、業界からも指定してほしいという非常に要望がございました。その結果、指定されたわけでざごいます。  それでその後いろいろな方々委員になっていただきましていろいろ検討をいたしました。それで、昨年から始まります五カ年の基本計画というのが昨年できました。で、昨年からその五カ年計画がスタートしたわけでございます。去年が第一年度、ことしが第二年度になっております。  そういうふうに、その法律趣旨に従いまして、結局年度の五カ年間の計画並びに年次の計画をつくって合理化ということを進めておるわけでございますが、そこで示されました方向に沿って、たとえばそこでいろいろな方向を、近代化合理化方向として示しておるわけでございますが、企業合同をするというのも一つの場合でございます。また、提携桶取引をするというのも一つの場合でございます。また、全部共同製造をするというのも一つの場合でございます。共同びん詰め会社をつくってそれでやるというのも一つの場合でございます。そういういま申しました四つの場合につきましては、それは酒造業合理化近代化に非常に役立つ方向に進んでおる、こういうことでございますので、そういった方向に進まれる方については若干特別の加配をいたしましょう、こういうことにいたしまして、そういう原料米加配をするという刺激をそれに加える、それによって円滑にそっちのほうに事柄が進んでいくということを期待してこの制度を設けておるわけでございます。
  32. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこで、これは農業の場合でも非常に協業ということは、いままでに自家経営ですべてやってきていますから、共同作業をしたり経営合理化をするために協業をするということは非常に困難ですよ。困難だが、それを押し切ってやらなければ日本の農業というものは立っていかない。同じように、私は酒づくり人々もそのとおりだと思う。  そこで、法律のことは知っていますよ。むろんわれわれ、大蔵委員会で知らぬ者はない。そういう法律がある、そんなことは知っている。われわれが協賛してできた法律ですから、当然知っておるんです。  そこで、法律のことは知っておるが、現実にそれはどう動いているか。全国でそういう近代化を促進しつつある、実質的にしているところはどのくらい、またそういうところは——時間がないから、まとめてお尋ねしますが、そういうところは特別加配を、まあ色をつけてあれするということが、ありがたく、うやうやしくいただいておるのか、しかたがないということなのか、そこはどうなんですか。
  33. 松本茂

    説明員松本茂君) 近代化五カ年計画は昨年から始まったわけでございますが、初年度であります三十九年度におきまして、計画で申しておりますいろんな協業ということがどの程度進んでいるかという点でございますが、企業合同につきましては、実施しました会社が十七、これに参加しております会社が三十七、それから共同びん詰めは、できております会社が七、これに参加しております企業の数が六十六、全部共同製造は百十やっておりまして、これに参加しておりますのが百四十四でございます。共同精米、これが二十六ございますが、参加しておりますのが六十五ございます。それから酒母の共同製造、これは二十二やっておりますが、参加しておりますのが百二ございます。こうじの共同製造、これは五ございます。参加しておりますのが十一ございます。  なお、昨年度におきまして、近代化促進法によりまして企業合同について承認を与えましたのが三件ございましたが、四十年度に、本年度に入りまして最近までで八件ございます。
  34. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それは何%になるのか、全体の。
  35. 松本茂

    説明員松本茂君) 中小企業清酒製造業の中で中小企業に属しますのが大体三千七百余りでございます。その中のこういう数字でございます。いずれかに参加しているものが幾らになりますか、ちょっと計算いたしておりませんので……。
  36. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 私は、もうやはり近代化促進を強力にしなきゃいかぬと思います。そこで、そういう行政指導は、むろんしておられると思いますが、それは強力にやっておられるのですか。  そこで、まとめて質問します。さっき申したように、たとえばいま共同して精米するなんというのはあたりまえのことです。生産過程においてそれをやらなきゃできっこないんだから。そこで、トータルとして、全体としての協業化というのは何%に当たっているのか、遅々として進まぬ状態であるのかどうか、自主的にやっていなさるのかどうか。農業者の場合もなかなか困難ですよ。だから、あったかい気持ちでやるべきでありまして、お上のおっしゃることだからというようなことであってはならぬと思います。その点で、いまの、うやうやしくちょうだいして、しかたなく、腹の中じゃ迷惑だということなのか、もっと特別加配がほしいということに、成績があがっているのかどうかということが聞きたい。まあすぐに実績はあらわれぬでしょう。これは年次的に見ていかなければならぬと思いますが、いまのあなた方のお受け取りになっている印象では、また中小人たちの意気込みでは、その点についての前途の希望赫々として輝いておるのか、まあしかたがないでこれはやっているけれども、あんまりうだつが上がらないということになっているのか、そこのところ、意欲の問題。だから、これはもうやむを得ないということなのか、あなたのお話のように、色づけてやる、まことにありがとうございますといって、免状でもいただくように、うやうやしく、随喜の涙をこぼしていただいているのか、そこのところをひとつ。
  37. 松本茂

    説明員松本茂君) 清酒製造業の近代化合理化を進めていくのは、この法律に基づいてやっているわけでございますが、やはりこれはたてまえといたしまして、役所のほうが強制してやっていくというたてまえのものではございません。やはり民間のその清酒製造業界のそれぞれの希望が、やはり自分企業の現状をよく検討されまして、将来のあり方というものを考えられて、自発的に、ある場合は共同精米でありますし、ある場合は共同びん詰めでありますし、ある場合は企業合同でありますし、自分企業に最も適したやり方でやっていってもらう、やっていくということだと思います。で、われわれといたしましては、よく法律趣旨業界にも徹底いたしますと同時に、なぜそういったことが必要なのであるかということの普及宣伝に力を尽くしておるわけでございます。  それで、業界のほうでも、昨年実施後かなり機運は高まってまいりまして、各地に経営研究会あるいは合理化研究会というふうな、いろんな自発的な会も業界方々によってでき上がりまして、いろいろ研究していられるわけであります。で、中央会あるいはまた私のほうも、そういった研究会、講習会等がございましたら、人を出して、講師を派遣するというふうなこともいたしまして、そういう一般的な認識の徹底浸透と申しますか、そういったことをまずやったわけでございます。昨年からそういったことを始めまして、かなり普及してまいりまして、先ほど申し上げましたような、こういう具体的に企業合同なりあるいはまた共同びん詰めなりなさる方がこういうふうにできてきたわけでございます。が、しかし、これで決して十分であるとは考えておるわけではございませんで、さらに業界方々がよく現状並びに将来のあり方というものを考えていただきまして、合理化方向に進んでいっていただきたい、こういうふうに思っております。  で、それをまあ刺激するといいますか、助長する意味で、一つの方法といたしまして、原料米の点につきましても先ほどのような加配をいたしておるわけでございます。
  38. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 うやうやしくいただいておるか……。
  39. 松本茂

    説明員松本茂君) まあ清酒製造業の方々、にとりましては、原料米がどの程度受配できるかもらえるかということは、非常にこれは重大な問題でございます。したがいまして、こういった制度によって多少とも加配があるということは、かなりそういった方向に事柄を進めていくのに役立っていると、こういうふうに私は考えております。
  40. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 そこでね、あなたのお話聞いておると、まことに近代化顕著であるというふうに、まことに前途に希望が輝いておるというふうなお受け取り方で、まことにけっこうですが、私は実際的にそう受け取ってはおらぬ。随喜の涙こぼしておるかどうかということは、一ぺん聞いてみぬと、涙こぼすほどかどうか、聞いてみぬとわからぬ。不平不満で一ぱいだがしかたがないでということであったら、たいへんだと思う。  それから、企業合同お話だが、これは戦争中企業合同やらしたな。あの大政翼賛会のああいうような指導と同じような企業合同を行政指導しておられるのかどうか。自発的にこれはもうお互いに共同しなきゃいかぬという、ほんとうに自分たちの生活を守り業種を守るということで、積極的な意欲が動いてやっておるのか。あなたのほうは、またこれも、役所が指導し得るものではありませんという御答弁をなさるにきまっておると思うが、これは企業合同というおことばが出たから聞くんだが、それはぐあいよく、快く進んでおりますか。戦争中のあの状態のときに、私は二、三知っておりますがね、それは嘆いていましたぜ。それでね、五カ年たつとどういうことで、あなた方のほうは見通しは五カ年計画でぐあいよくいくということについてはどういう感触を持っておられますか。
  41. 松本茂

    説明員松本茂君) 戦争中企業整備ということをいたしました。そういったことで、その後、戦後になりましてから復活された方もあるわけでございますが、しかし、かつてそういうことがありましたので、業界方々の中には、はなはだ誤解ではありますが、またああいったことが始まるのではないかというふうな感じを持っていらっしゃる方も決してないわけではございません。そういったことにつきましては、今回のこの近代化促進法に従ってやります合理化近代化というのは決してそういったことではないのだということを、まずよく認識してもらうということが非常に大切なことだと思います。それで、先ほど申しましたように、なぜ近代化合理化をやっていかなくてはいかぬのか、この近代化促進法で考えているところはどういうところであるかということを、誤解のないように、十分よくほんとうの新しいやり方の考え方を理解していただくようにということで、昨年、初年度でございましたけれども、特にその点に力を入れていろいろ啓蒙と申しますか、その趣旨の徹底につとめたわけでございます。本年も引き続いてその点に一つの重点を実施計画でも置いているわけでございます。私どもといたしましては、国税局、税務署に通達いたしますときにも、そういった点を特に注意いたしまして、かつての企業整備というようなこととは根本的に違うのであるということをよく認識していただき、その上でそういった誤解がないように十分その点に留意して指導するようにということを申しているわけでございます。
  42. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それで、五カ年後の見通しはどうなんですか。計数のことをあなたに聞いているのじゃないよ、明るくなってくるのか暗くなってくるのかということを……。
  43. 松本茂

    説明員松本茂君) 清酒製造業の実施計画で、基本計画といたしまして五カ年の計画を組んだわけでございますが、しかしその計画をいろいろ策定いたしますときに、各方面からお集まりいただいた委員の方といろいろ議論したわけでございますが、この五年間ですっかり理想のところまでいくのはなかなかむずかしかろう、こういうふうに判断いたしておるわけでございまして、またこれを非常にせいて、何といいますか、非常に無理やりと申しますか、何かせいてせいてやっていくということは、決していいやり方ではない。やはり業界の方が十分よく納得されて、たとえば企業合同の場合でも、なるほどそれじゃこういうやり方でいくのがいいのだということで納得されて一緒になられるということが、今後のその合同された会社の運営上にも非常にいいわけでございます。そうでないと、また数年たってから、いや、分裂だとかなんだとかいうことになってまいります。そういったことで十分納得されてやっていかれる、こういうふうな気持ちでやっているわけでございます。
  44. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 まことにその点、懇切丁寧に答弁していただいて、きょうの質問は往復一時間ということで委員長のお許しがあったのだが、あなたのほうがあまり懇切丁寧にやってくださるので、もう要点だけでけっこうですよ。大体わかっているのだから何だが、まああと十分か十二分よりない、ひとつ簡単に御答弁願います。私は幼稚園の生徒に違いない。私はしろうとだから幼稚園の子供だが、それはまたあらためて教えてもらうことにして、ここの場面は時間が制限されているのだから、皆さん御迷惑だ。簡単に願います。  それで、何で私がいやらしいようなことを言うかというと、これはひとつ、大臣がアメリカからきのう夜着かれて、きょうはへとへとだろうと思うから、あしたから国会が始まるから、きょうは実は遠慮して大臣に出ていただかなかったわけだが、そこで、政務次官のわが同僚の竹中先生が出席しておられるが、私が望んでいることは、どうかひとつあたたかい気持ちでやっていただかなければいかぬということなんです。とかく役人衆というものは、東條さん、近衛さんのときのような上意下達、下意上達、一体私は大政翼賛会運動に挺身しておられた指導層の方々にこう言ったのです。君らは自分たちが上のつもりかい、上とは何だ、自分たちだけが上等の人種で一般国民しもじもなのか。けしからぬと言うてやった。そのおかげで、そういう速記録が残っていたから、私は追放を免れたが……。そこで、ともすればお役人さんというものはそういう感じを残しておる。私はそれをぶちこわしたい。私は、菜っぱ服の人たちの声なき声を聞いてもらわなければいかぬということを言いたいんです。声なき声を聞いてあたたかい施策をやってもらわないと、中央会相談したからそれで事足れりということではいかぬということを申し上げたい。その心がまえ。私は庶民の代表だから、庶民の身がわりに出ている。だから、身がわりの声を十分にお伝えする。  業者はそううやうやしく喜んではいない。随喜の涙をこぼしてはいない。現に、もう時間がないから端的に言うが、一割減らしてくれというんです、大部分中小メーカーが。それに対して、四十一年度割り当てはこまかいことが残っているだけだ。何やら希望加配とかなんとかいうが、希望というのはどこから出たんだ。大メーカーたちだけですよ。中小メーカー、小さいところがもっとたくさんくれというようなことは、私にはどうも考えられない、詳しいことはわからぬが。私の村にも酒づくり屋が二軒もある。もうつぶれかかっている。つぶれたのもある。四軒あって二軒つぶれてしまった。二軒はつぶれかかっている。名古屋の私の友人で教育委員をしておったりする者もいるが、だんな衆だから名挙職はみんなどっさりとおかかえになってやっているが、お給金をたくさんもらわないし、体面は保っていかなければならぬということで、酒づくり商売のほうはだんだん細って、斜陽だな。斜陽だが、それをほうっておいてはいかぬという親心でお役所はやっていらっしゃると思うが、しかし、ほんとうにあたたかい気持ちでやってもらわないといかぬ。酒屋さんなんか、税務署から来られると、まるで天子さまでも見えたような取り扱いだ。税務署の間税課長さんなんかというものは、これは神さまみたいなものです。ぼくはあきれてしまった。何じゃ、君らは情けない、そういうことだから日本は官僚天国、役人天国になってしまう、あほらしい。何だ、平伏して殿さまにお目にかかるようにへえっと平伏しておじぎをしている。あほらしい。おまえらもいかぬ、お役人衆にペコペコ頭を下げ過ぎるから。そういうことだから、あなた方のほうも上から臨んでお上の命令を伝達するというような翼賛会的上意下達というようなことですべてやってはいかぬということを私は申し上げておる。この行政のあらゆる面、大蔵省しかり、農林省しかり、文部省しかり、建設省しかり。お上の御威光を借りてやってもらっては困る。いまの役人衆は国民の公僕ですよ。公僕ならば、声なき声を聞いて行政をやってください。そうするごと、それこそほんとうの公僕だと思うので、そういうことを私は申し上げたい。意地の悪いようなことを言うようだが、私はその心がまえが根本だと思う。大学出て、すらすらと部長になり、局長になって、次官になって、全国参議。あほらしい。竹中政務次官、福田大臣はなかなか庶民の声を聞いてまことにごりっぱで、まことに温良な大臣です。あなたもまた、民衆の声を常に聞いておられる方が政務次官になっておられる。どうぞひとつ役人衆とともに——お役人衆も、何やいなかに行ったりするときに、お座敷の上座にでんとすわるじゃなくて、下々の居酒屋へ行って声なき声を聞いてください。つぶれかかっているようなところで民衆の人々の声を聞いてくるという心がまえの大切さを申し上げておる。  現に一割減らしてくれというのは真実の声なんですよ。去年も私の友だちが言っていたが、またことしもどうも割り当てが多いらしい、どうもならぬ、これではとてもやっていけぬ、こういうことなんですね。ところが、あなたのほうはもうちゃんとそういうふうな道筋にきまってしまっているのだろう、本筋が。希望しているというが、これは中小の連中が希望しているのですか。どうや。
  45. 松本茂

    説明員松本茂君) 大企業の方も、中小企業の方も、全部希望しておられるわけでありまして、昨年全体の希望数量としてワクをきめたわけでありますが、それに対して、実際ほしいといって手をあげ受配されましたのは、三十八年度は九四・八%、三十九年度は九四・四%と、ほとんど全部全国の酒屋さんがお取りになっておる、こういう姿でございます。
  46. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それでも、あなた、私の友人さんに、君ら一入一人でぼやぼや言っておったってあかん、犬の遠ぼえみたいなことを言ってもあかん、全体の意見をまとめなさいというと、いや、全体の意見はどうもまとまらぬ。大きいところと、われわれ小さいところとは食い違っておる。大きいところはよけいほしいかもわからぬが、われわれ小さいところは割り当てがよけいあったらかないません。それでだんだん調べてみると、そんなことは、あなた、ちゃんと知っているくせに、こういう公式の場面だからそういう答弁で、あとで私に話をするつもりだろうが、それはあかんわ。あなた、それは一割減らしてくれというのは皆の要望ですよ。それは聞いているくせに、知らぬような顔をして、皆が、ことごとくの酒屋さんが希望しているなんという。こんなあほらしいことはない。  そこで、新聞の世論調査にもちゃんとそう出ているじゃないか。五十何パーセント、六〇パーセント近くは、とても経済界が非常に悪化しているから売れていかぬ、酒は。だから、そんなによけいもらっても困るということで、何でしょう、減らしてくれという声のほうが多いじゃないか。ちゃんと世論調査に出ているじゃないですか。それを口をぬぐってそんなことを言って、中小企業もたくさんくれという。そんなばかなことは私は考えられない。もう一ぺん確めますわ。時間がないから、そこのところの把握のしかた。  私は、市民の小さい人たち、商工委員会でも御承知のとおり中小企業のためにずいぶん基本法をつくり、団体法をつくり、助成の方策を立ててあれしているが、なかなか……。そこで、法律さえつくればきちんとうまくいくなんてことは考えられない。ところが、何かある省においては、省でおきめになったら、反対さえやったらもうかるという業種がある。お役所の御意見の反対反対をやればぐあいがいい。お役所でおきめになったのは悪いほうに転落していくことの標本をお示しくださっている、という現実の声がある。  そこで、どうですか、竹中政務次官、そういう心がまえでひとつ、私は大蔵省全体取り立ててやるというようなこと——取り立てられるからしかたがないということであっては私はならぬと思うので、ことに徴税に当たられる方の方面では、どうぞひとつ。これは待ったなしだ、これは酒の税金、間接税は。私はきょうは安井長官にも出てもらって、公務員制度を根本的に改正しなければあかんということを言うつもりだったが、出てこないからしようがない。今度予算委員会でやるつもりだが、公務員やサラリーマンからの徴税、こんな取りやすいものはないわ。やすきについて徴税しなさるという大蔵省やり方、ひがみ根性か知らぬが、そういうふうに思われる。森脇や吹原産業はどうやね、あれは。そこで、近ごろ天候が狂っているから人間の頭が狂ってあんなものが出てくるのだが、そこで国民は妙な感じを持っている。小さなところはぎゅうぎゅういじめられるといって。私はよく知っていますよ。あるいは、税金を取り立てなさるところはいやがられる、また来たかといって。これは喜んでお手伝いを申し上げる人というものはいない。なるべくごまかしてやれというような連中も相当ある。だから、その御苦心惨たん——また定員だって私は足らぬと思う。ほんとうですよ。横浜の税関、今度私は見に行きますが、あそこはかわいそうだ。みんな超過勤務ばかり、特別の手当出ておるかというと、何も出ておらぬ。一ぺん事情を教えてもらいたいから行きますが、かわいそうだ。私はこの間、徴税官の部屋で二時間待たしてもらって聞いた。だから、すべて同じだと思う。あなたのほう、あまり快う……。志願者も少ないのじゃないか。人事院で募集しておるから、割り当てで行くのだろうが、訓練も受けるのだろうが。だから、そういう内部のそういう人たちのあたたかい気持ちでやってもらう。同時に、そこのところ円滑にいかなきゃならぬが、根本としては、まあ私のひがみか知らぬが、これは取りやすいものは、酒の税金であるとか、これみんなわれわれ税金飲んでいるようなものだ。あれは税金ばかりだ。そういうことを考えると、あんなもの惜しくなるのだが。それから、サラリーマンの月給、そんなもの毎月毎月天引きだ。そんなうまいやり方ないわ。それで森脇はというと、あれはもうじき出てくるが、何十億ともうかる。預金者保護のためにつくった法律の盲点をつきおった。しかし新聞に、ラジオに、テレビに、ああいうものが出てくるというと、国民は、これは小さい連中はたいへんだといった気持ちがある。だから、そこのところ、まあああいう悪知恵の発達しておるやつは、なかなか天網恢々疎にして漏らさずというぐあいにいかぬと思う。  そこでですね、私は、まあこれは日本の徴税制度である間接税でやるという行き方、たばこ、酒、まあたばこはいいが、たばこのほうのことはたいしたなにじゃないが、酒なんぞは、高いから一本やめておくということにはいかぬわけだ。税金を飲んでおるような形。これは取りやすいと思うのです。しろうとですから、何ですよ、私のほうが間違っておったらば、教えてもらわにゃいかぬが。それで、私はそういうような考え方がありはせぬか。これは外国でも、イギリスでもアメリカでも、間接税取っておりますね。酒の。日本のほうが、ちょっと過酷じゃないかしら。そこで、割り当ても喜んで受け取らず、一割減らしてくれと言っておる。この声なき声——これは声ある声だ、そいつを封じ込んでしまって、やっておられることについて、今年度もやはりその同じ方針ですか、その点は。
  47. 松本茂

    説明員松本茂君) 先ほど申しましたように、ことしの酒造年度はどれだけの生産量にしますかということは、ことし並びに来年の清酒需要というものを見きわめて、大体の推測をつけてから考えるということでございます。それで、業界の声といたしまして、一方ではそういうふうな一割程度減らしてもらいたいという、そういう希望の方もございます。あるいはまた、現状推持という方もございます。あるいはまた、東北、あるいは兵庫県、あるいは北海道のほうというのに、若干ふやしたらどうかと、こういう御意見の方もございます。そういった各方面の御意見を十分よく聞いて、十月の末あるいは十一月の初めごろには決定することにしたいと、こういうことに思っております。
  48. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それで、いまのもっとよけい配給してくれというところに、いまあなたがおっしゃったが、兵庫県とかああいうところは——北海道の、ちょっと私は数年前に大蔵委員会調査に参りました。堀さんなんかもおられましたが、あそこは特殊の事情だと思う。あれはもっと、それはあなた、あれは北海道だけの生産高で足らぬで東北やら、私の愛知県や中部まで買いに来る。それで私が言った。そうすると、その輸送費がずいぶんかかるが、それは一体だれの負担じゃと。飲むほうの負担か。そりゃまあそんなことになりますわな。そんなばかな話ないわな。北海道の地元の人が、地酒が足らぬからよそから買ってきて、それで、輸送料は、これもうやうやしく飲ましていただきますといって、まことにおとなしいからか知らぬが。ところが、実際はあまり飲まぬらしい。やはり銘酒、レッテルのいいやつ。そこで、あんた、希望が多いというの、一体、私はちょっと二、三調べてみた。関西でも、大蔵委員酒屋さんのことを視察に行きました。たびたび行った。それで、あちらの事情も私は知っております。そこで、あんた、生産高の大きいメーカーが五万石、販売はどうかというと、十三万石やっておる。あと八万石どこから手に入っておるか知らぬ。どこから来ますか。そういうところはもっと配給してくれというのでしょう。それで、私がさっきから言っておるのは、地酒をつくっておる小さいところは売れぬわけだ。売れぬから、一割減らしてくれという声がある。それをしゃにむにあなたのほうでは割り当て、税金をその中に含めてお取りになる。全く過酷や、これは。ところが、銘柄のいいところは、看板のいいところは、看板で売っちまうのだから。それは、非常に、少しも差がないと同じことだ、品物ちっとも変わらぬのだから。そこで五万石よりあなたのほうは配給していないのに、割り当てがしてないのに、十三万石売っておるというのは、これはどういうこっちゃ。おかしなことじゃな、これは。結局、小さい地酒のところは幾ら宣伝しても売れぬ。そこで、これをリベート出して、北海道あたりへ飛行機に乗せて二、三人連れていったり、サービスする。あるいはまた芝居見せたりしてごきげんとって買ってもらうかするが、大部分はそうでなしに、大メーカーがこれ買って売るのだな。二級酒を買っていって、それで大きいところへ行くというと、一段とべっぴんになって、一級酒のレッテルを張ったり特級酒のレッテルを張っておるようなことがないかどうか。多少加工しますかな。そこのところ、そこを聞きたい。
  49. 松本茂

    説明員松本茂君) 清酒業界にはずっと以前から桶売り、桶買いという制度がございまして、Aの蔵でつくりました酒をBの蔵が、市販酒としての程度にしたのではなしに、桶で買う、製成酒の状況で買うという制度がございます。この制度業界一つの安全弁と申しますか、酒類の流通を円滑ならしめている一つ制度である、このように考えております。  今後の行き方といたしまして、桶買い、桶売りという制度も続いていくことと思うのでありますが、しかし、それをスポットで、でき合いで、そのときの調子次第で契約するということでは、非常に経営が不安定になりまして、いろいろ支障も起こってくるかと思いますので、なるべくこれは提携桶取引ということで、Aの蔵はBの蔵に契約をして、ことし、来年引き続いてやる、そういうふうにしていってもらいたい。そういった提携桶取引に対しまして、先ほど申しましたように若干の加配をするということもやっておるわけでございます。そうすることによって技術指導とか、そういったこともできることになりまして、経営も安定し、酒の質も向上していくと、こういうようになると思います。
  50. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 あんた、それがまことにぐあいよく、すべて小さいところが買ってもろうておるかというと、そうじゃないでしょう。あんた、それ、融通まことによろしきを得ておる、こういうお話だが、だって、あんた、一割減らしてくれということで、いやじゃいやじゃと言うておる。リベートかなんか出して、小さい店に特別の金を出して買ってもらう、それよりも大きいところへ売ったほうがいい。大きいところへ売るのだって、喜んで引き取るのじゃない。だから、減らしてくれというのが大部分要望なんだ。それだから、まことに解けて流れるように融通無碍であるというお話なんだが、そんな面もありましょう。消費者に酒が流れていくということは、そういう面もありましょうが、実際に中小の連中という者は減らしてくれと言っておる。減らしてくれということは、かなわない、こういう声です。声なき声なんだ。それは経営が困難だから、経営困難なものについて協業化とか近代化促進をやっておられる。融資の道やなにか大メーカーばかりにしてしまうというお考えは、これは時間がないから何だが、私はちょっとここのところ受け取りがたい。やはりもう少しあたたかい気持ちで見て、中小の大部分を占めておる者たちのことをひとつ考えていただく必要があるのじゃなかろうか。万一私の考えがしろうとだから違っておるとすれば、この次の委員会で御指摘を願いたい。お教えを願いたい。  そこで、農林省さんに伺いたいのだが、食糧庁、一体ことしのお米のとれ高の見通しはどうですか。あまりいいとは思えない。台風、暴風、冷害、相次いで起こっている。
  51. 馬場二葉

    説明員(馬場二葉君) 四十年産米の作柄につきましては、農林省の正式の調査は、九月十日現在の予想作柄が発表されております。それによりますと、おおむね平年作の千二百八十五万トン程度ということでございましたが、その後、二十三号台風及び二十四号台風の影響である程度減収しただろうということはいわれておりますけれども、これは十月一日現在の予想収穫高が今月半ば発表される予定でございますので、それを見た上でないと確たることは申し上げにくい現状でございます。
  52. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 それはそのとおりだ、しっかりしたデータを持たないことには答弁できない、あなた方は。われわれしろうとが非常に心配しておることは、台風が相次いで来た。きのうもまた二十八号台風でやかましく言うておった。今度は三十八号ぐらい来るかもしれぬ。どんどんどんどん、百八号くらいになるかもしれない。天候のことは予測しがたい。災害はいつ来るかわからない。そこで、私はしろうととして、そりゃあなたは食糧庁ですから、きちんとしたデータに基づかなければ御発言がないのは、これは当然のことでなければならない。全体的な予感として減る。減るとすれば、どこから持ってくるかというと、外米を輸入してくるわけでしょう。外米は、日本金でどうぞ売ってくださいといっても、売ってくれはしません。これは大体ドルでしょう。これは高く買ってくる。私は多少は実情を知っておりますが、ごやっかいになったから知っておりますが、そういうところに、よそから買ってくるものを酒米のほうには、いやじゃいやじゃというところに配給を割り当てをしておられるのかどうか。現にしておられるでしょう。どうも私はあれは割り切れないな。一体農林省はどうお考えになるのか、根本的に。  韓国の食糧危機のときに、助けてほしい、援助してほしいということで台湾に来た。そのときに、あそこは冷害相次いで起こっておった。だから、日本が買うべきものがなかなか出せないというような実情もありましたけれども、お得意さんだからと、台湾の李蓮春長官は言われて、向こうも苦心してそれを出して、日本が買う。ほかのところもそうや。それを国民が一日としてなしでは済まされぬ大事な大事な食糧に使うならばよろしいけれども、これを一ぱい飲むほうに、私どもも好きだから飲むが、そのほうに回してもらっては、どうもドルを飲むような気がして気が重い。そこのところ、農林省はどうなんですか。
  53. 馬場二葉

    説明員(馬場二葉君) 米の需給がここ一両年少し引き締まりぎみのことは御承知のとおりでございます。特に本年度は、先ほどのお話のように、内地米の収穫がまだはっきりいたしませんし、そういうことで新年度の酒の原料の米につきましては、先般大蔵省国税庁から必要量の要請を受けておりますが、その必要量の数量の検討と、それから今後の内地米の収穫あるいは政府の買い入れ見込みないしは海外の米の輸入見通し等立てました上で、よく国税庁と協議しながら年間のワクをきめたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  54. 大谷贇雄

    大谷贇雄君 よその国から、日本の米が足らぬのでドルを出して輸入してくる。それをわざわざ、国民の食べるほうにはやらずに、飲むほうに使ってくださいというのは、私はどうも割り切れぬ。割り当てすれば、税金は何だかんだと言いながら待ったなしに取れる。それはそうかしらぬが、これは根本的ななかなかむずかしい問題だろうと思う、実際。しろうとの私の言うことは、しろうとだけに率直な民間の偽らない気持ちじゃないかしらんと思う。北海道あたりは三年も冷害が続いて、農民の方がずいぶん困っておる。涙なきを得ません。開拓村はみんなお百姓をやめていかなければならぬ。苦心惨たんして米を生産しても、それでも足らぬ。そこで、輸入してくる。それをお酒のほうに回してください、またそれを割り当てなさいというこの根本的なことは、どうも割り切れない。  そこで、時間がすでに超過したので頼みますけれども、いまの心がけの問題これはさらに農林省、もう内閣全体の問題だ、根本方針の問題だろうと思うので、はたして輸入してきたものをお酒のほうにあれしていいのかどうか、どうぞひとつ御検討願います。
  55. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) ただいま大谷先生から心がまえの問題を私どもに問われましたので、はなはだ僣越でございますが、御答弁申し上げたいと思います。  その前に、私、去る九月二十四日に国税庁次長を喜田村次長のあとを受けて拝命いたしましたので、調査官時代からここでずいぶん御指導賜わりましたが、今後とも御指導賜わりたいと、最初にお願い申し上げたいと思うのでございます。  ただいまの酒米にからみましての大谷先生の御質問は、非常にむずかしい経済のあり方、さらにまたは中小企業をどういうふうに持っていくかという問題を含んでおるむずかしい問題だと思うのでございます。私どもも確かに、中小企業がどんなようなことを考え、そしてまた私どもに言えないようなことで悩んでおるかということは、私も国税局長をいたしましたので、先生は役人はけしからぬというお話でございましたが、私どもは私どもなりにそういった方々の声を聞いておったつもりでございます。しかし、私は根本的になかなかむずかしい問題と思う。  一つは、先ほど先生が御指摘されましたように、基本的にはどうも地酒みたいなものが売れなくなったような時代、この簡単な表現に私は一番深い原因がありはしないかと思うのでございます。さらにもう一つ考えてみますと、経済のあり方は何といっても、統制経済ではございません、自由経済の原理が支配的でございますし、原料の獲得も、あるいはつくり方も、酒税法の一種の統制がございますし、食糧米につきましてはある程度統制がございますが、大部分は私は自由な経済原理が貫かれ、自由企業原則だと思うのでございます。しかし、一方、何と申しましても、中小企業を生かし、また独占禁止法の趣旨の事業主の数が多いほうがより進歩するというような考え方も一つにはございますし、こんなようなむずかしい二つの相反する要請をどういうふうに持っていったらいいか。さらにまた、消費者の好みを私どもがコントロールするということもなかなかできない。一方、しかし、中小企業酒屋さんなども何とか生きていただきたい。こんなような気持ちで、ほんとうに悩みながらやっておるのが、間税部長の申し上げました酒税行政だと思うのでございます。私は、先生のおっしゃるとおりかどうか、まあうまくいっているというような気持ちは必ずしもございません。悩みながら、どうしたらいいかということでやっておるつもりでございます。  私は、何といっても、消費者の好みにもこたえなきゃいけない。生産数量を減らす一方で、消費者価格が上がるというようなことに対する消費者の声も、声が聞こえませんけれども、聞いていかなきゃいかぬ声でございます。一方、何千軒かの事業主として努力されている方々の立場も救わなきゃならぬ。そんなところが、間税部長の申されたようなことで、希望加配というのは確かに妥協的なものです。つくれば売れるという人の声もむげに無視することもできません。それからまた、中央会とか種々の酒造組合というのがございますが、これも任意加入でございます。これを一律に強制することもいけない。そういった一つの妥協点が希望加配であり、これにも種々の意見がございますが、私は、先生のおっしゃったような声を聞きながらひとつ前進したい、いい方向に解決したい。  さらにまた、私が考えますのは、その前に、中小企業が酒をつくっても、ひとつ売れるような酒をつくるような意味で、基本的には協業化、近代化合理化、あるいは合併までいくのかもしれませんが、こんなようなところまで進めていくのが基本的な方策であるかもしれません。毎年毎年酒の数量をきめなければならぬ。こういったバックには、もう少し基本的に中小企業をどういうふうに持っていったらいいかという問題をあわせて考えなければならない。私どもまずいかもしれませんけれども、一応そういう進め方をしておるつもりでございます。  外米につきましても、確かに内地米がいいわけでありますが、しかし、何といっても、食糧事情を考えますと、外米でも酒米にしまして消費者の声にこたえなければならぬということもございます。  さらにまた、直税系統に多く見られる脱税に関連して、間接税のやり方は酷ではないかと。御意見の点も十分考えなければならないものでございます。森脇の問題、吹原の問題、これもまた十分に反省していかなければならぬ点があることは存じております。さらにまた、間接税につきましても、私どもひとつこの際反省して、本日あらわれましたような深い考え方について十分ひとつ検討してまいりたい。  それから、税務調査につきましても、私どもややもすれば行き過ぎになる点もあると考えなければなりませんが、やはり脱税について社会の正義の向かうところにこたえなければならない。これらは十分に、言うに言われない点について先生から御指摘されましたところであり、また私どもも日ごろ悩んでおる点でございますので、ひとつ考えまして、これから十分検討していい方向に持っていきたい、かように考えるのであります。
  56. 竹中恒夫

    説明員(竹中恒夫君) 先輩の大谷先生から、行政に対処する心がまえ、特に声なき声を聞き、公僕精神をもってやれという御指摘、御教示、全くそのとおりであります。幸いに、先生のおっしゃったように、福田大臣はきわめて民主的な政治家であられるわけであります。  大臣の驥尾に付しまして、また先生の御教示の線に沿いまして、今後努力いたしたいと思います。何ぶんの御支援方をお願いいたしまして、お答えといたします。
  57. 西田信一

    委員長西田信一君) 本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時五十五分散会