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1965-10-02 第49回国会 参議院 決算委員会首都高速道路公団に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年十月二日(土曜日)    午前十時二十分開会     —————————————    委員異動  八月二十五日     辞任         補欠選任      鶴園 哲夫君     横川 正市君  九月三日     辞任         補欠選任      横川 正市君     鶴園 哲夫君     —————————————  八月三十日決算委員長において左の者を副委員  長に指名した。                 柴谷  要君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野知 浩之君     副委員長        柴谷  要君     委 員                 鶴園 哲夫君                 黒柳  明君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        大蔵省主計局主        計官       長岡  実君        建設省都市局長  竹内 藤男君        自治省財政局交        付税課長     横手  正君    参考人        首都高速道路公        団理事長     林  修三君        東京財政局主        計部長      今井  大君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○三宅坂地区における建設工事等に関する件     —————————————
  2. 野知浩之

    委員長野知浩之君) ただいまから決算委員会首都高速道路公団に関する小委員会を開会いたします。  小委員異動について報告いたします。  去る八月二十五日、鶴園哲夫君が小委員辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。  また、九月三日、横川正市君が小委員辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。     —————————————
  3. 野知浩之

    委員長野知浩之君) これより三宅坂地区における首都高速道路建設工事等に関する件を議題といたし、調査を行ないます。  この際、林首都高速道路公団理事長から発言を求められておりますので、これを許可します。林理事長
  4. 林修三

    参考人林修三君) 私、首都高速道路公団理事長の林でございます。去る五月七日に理事長の職を拝命いたしたわけでございまして、今後ともいろいろ御指導を受けることになりました。何とぞよろしくお願いいたしたいと存じます。  小委員会議題になっておりますいわゆる三宅坂インターチェンジ事件でございますが、西松建設の受け持ちました工区に関する支給鋼材横流し事件につきましては、私ども公団のほうの監督不行き届きもございまして、世間に大きないろいろの印象を与えましたことは、まことに恐縮に存じておるわけでございまして、今後ともかようなことのないように、厳重な工事監督をいたしていきたいと存じております。  この事件につきましては、この小委員会で何回か御審議を受けたわけでございますが、結論的には、私どものほうで精査いたしまして、初めに支給いたしました支給鋼材一万一千百三十トンのうち、いろいろその後の精査の結果、千四百八十三トンの余剰を生じたということに相なっております。そのうち、当初の請負契約に基づきまして、五%はスクラップ化するということになっておりますので、差し引き九百九十一トンが支給過剰ということになっております。これにつきましては、西松建設のほうから、現金によりまして、三千六百余万円の返還をいたさせておりまして、全額収納済みになっております。それから同時に、西松建設に対しては、二十カ月間の指名停止措置をいたしております。そういう措置をとったわけであります。  また、内部管理といたしましても、公団の中に、この所有の管理財産管理をいたします管財課を新設いたしました。あるいは支給材管理規程について、いろいろ手続、様式を改正いたしまして、今後そういうことのないようにいたしたいという内部手続もいたしております。同時に、鋼材支給につきましては、オリンピック完了後の工事におきましてはその必要もないと認めまして、現在は支給鋼材の制度は廃止いたしております。大体善後処置としては、さようなことをいたしたわけでございます。  なお、詳細なことは、御質問があればお答えいたしたいと存ずるわけでございます。  なお、この事件に関連いたしまして、この工事監督をいたしておりました職員に、二名ばかり検察警視当局の調べを受けました者が出ました。この点はまことに遺憾でございまして、一人は起訴になりまして、一人は不起訴処分になっておりますが、どちらにつきましても、公団といたしましては、懲戒処分をとって懲戒免職にいたしました。かような結果につきまして、まことに世間をお騒がせいたしましたことを遺憾に思っております。就任以来いろいろと事情調査をいたしましたところ、一応内部措置は終わったことになっておるわけでございます。御了解いただきたいと思います。  なお、御質問があればお答えいたしたいと、かように存じます。
  5. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 本件に対し質疑のある方は、順次御発言願います。
  6. 黒柳明

    黒柳明君 三宅坂の問題については、ほとんど審議し尽くされておるわけでありますが、私はこの小委員会を利用しまして、道路公団資金構成の面について若干お尋ねをしたいと思うのです。  公団法の第一条にありますとおりに、「首都機能維持及び増進に資する」と、このようにございますが、この「首都機能維持及び増進」という問題はどこから来るか。当然東京都自体が首都であり、中央政府が存在する場所である、こういうところから首都機能についての問題が起こってくると思うのですが、私は、問題の結局当事者というものは、当然中央政府、すなわち国である、このように考えるわけでございますが、この首都機能の問題と、国、中央政府とのあり方について、建設省見解を披瀝していただきたいと思います。
  7. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 首都及びその周辺地区交通混雑が非常にはなはだしく、これを打開するために自動車専用道路整備しなければならないということが非常に痛感されまして、この自動車専用道路整備を促進して交通円滑化をはかるというためには、従来やってまいりましたような道路整備の方式では、とうてい間に合わないということで、この首都及びその周辺地域につきまして巨額資金を投入いたしまして、できる限り早くこれを完成して、交通改善に資したいというようなことが目的でございまして首都高速公団の設立がなされたわけでございます。もちろん政府といたしましては、首都機能維持改善をはかるために、公団事業目的の達成のために出資をいたしましたり、あるいは多額公団債を引き受けましたり、あるいは公団債の保証をいたしましたり、資金面において必要な援助を行なうたてまえになっております。しかしながら、同時に、地元と申しますか、首都及びその周辺地区公共団体につきましても負担をいただく、こういうような次第になったわけでございます。
  8. 黒柳明

    黒柳明君 東京都は当然アメリカのワシントンのように政治都市ではございません。例をとるならば、イギリスのロンドン政治経済を一緒に持っているような中心機能を持つ都市であると思いますので、一応ロンドンに例をとってみますと、 ロンドンの場合は、普通会計の歳入の構成が、国家から交付金として昭和三十一年が三一・六%、三十二年が三一%と、大体ずっと三割の数を保っておるわけでありますが、東京都の場合を見ますと、三十一年が一七%、三十三年が一五%云々と、三十九年二一%——やっと二割の線を保つにすぎない。当然これは国と地方との税源の配分の差異がありますから、例としては適当でないと思いますが、要するに、首都に対する国の財政負担が妥当かどうかの適当な断定の材料とはならないかもしれませんが、ともかく、首都機能維持改善のための財政需要に対して、国が十分な責任を果たしているものとは思えないわけです。  その一つの例としまして、昨年の十二月東京都が発行しました「東京都の財政」、その中にこういうふうに書いております。東京都は地方交付税上の不交付団体であることなどの理由によって、富裕団体という、実情にそぐわないレッテルを張られ、昭和二十九年度の入場税国税移管や、近くは三十七年度の法人事業税分割基準改定など、この十年間におよそ八百億円の巨額財源を奪われたと見積もられる、こういうふうに述べておりますが、これはむしろ国地方団体、すなわち東京都に援助をする、こういう形じゃなくして、国によって各種の財政上の制限が都の財政に加えられてきておる、こういうことを明らかにしてきているものじゃないかと思いますが、まず一般論的に言って、都と国の財政関係について、自治省と都の見解を述べていただきたいと思います。
  9. 横手正

    説明員横手正君) ただいまの御質問でございますが、都と国の財政関係、これは都の財源状況、その状況がほかの地方公共団体に比べますと、まだかなり裕福であった面がありまして、交付税の算定上は不交付団体のような形になっております。しかし、臨時多額経費を要するというような場合には、相当の配慮を加えないことには、東京都の首都としての使命が達せられないというような現実の事態になっておる次第でございます。ちょっと御質問の趣旨が理解しかねましたので、なお場合によりまして再答弁させていただきます。
  10. 今井大

    参考人今井大君) 東京都の財政構造でございますが、地方財政全般といたしますと、いわゆる自己財源一般財源比率がおおむね五〇%から六〇%台でございまして、地方全体として見ますれば、四〇%台になっているのが大体の実情でございます。したがいまして、一般財源比率から申し上げますと、東京都は金があるのだという印象は確かにあるわけでございます。事実、一般財源比率が高いわけでございます。が、東京都といたしましては、そうは言うものの、人口増という大きな財政需要をかかえております現況から申しますと、財政需要はそれ以上に高いのだということで、実は、不交付団体であるということについては、それが直接には富裕団体にはつながらないのだということと、地方交付税というものは、静態的なものをとらえまして、それぞれの基準財政需要額が主として静態的なものをとらえておりますので、動態的な、いわゆる投資的経費が十分に見られていないという制約がございます関係上、地方交付税上では、どうしても不交付団体にならざるを得ないということであろうかと思います。大体あとは御質問等でこまかいことがありましたらお答えいたしたいと思います。
  11. 黒柳明

    黒柳明君 昭和三十六年度から四十年度までの第三次道路整備五カ年計画におきます首都高速道路公団事業費総額は一千二百億円ですが、その区分について、金額を報告していただきたいと思います。
  12. 林修三

    参考人林修三君) 首都高速道路公団高速道路計画でございますが、一番最初に、昭和三十四年に公団が発足いたしました際に立てました計画は、当時八路線、一号線から八号線までの八路線でございまして、延長六十九キロ、建設費が八百五十二億八千万という数字でございます。それを昭和三十六年度に至りまして改定をいたしまして、三十四年ないし四十年という七カ年度の計画改定いたしました。このときに若干その一号線ないし八号線のキロ数変更がございまして、六十九・六キロになっております。若干これは路線の線形が変わったことによるものでございますが、工事費はその後の実情を参酌いたしまして、建設費は千五十八億七千万円という数字になっております。これがただいま仰せられました千二百億の数字の基礎でございますが、千二百億という数字は、千五十八億の数字から三十四年と三十五年の建設費を引いたものに、関連街路分担金とか建設利息を加えたものであります。こういう数字になっておるわけでございまして、この計画で三十六年以降はやったわけでございますが、さらに第二次道路整備五カ年計画が三十九年度から始まりました。これにあたりまして再々改定をいたしたわけでございます。このときには、首都高速道路といたしましては、さらに、初めの既定一号線ないし八号線のほかに、いわゆる羽田横浜線、あるいは第二次五カ年計画には、城南線とか内環状線とかいうものの一部が入っておりますが、そういうものを加えて、本年一月でございますが、第二次道路整備五カ年計画ができたわけであります。  それの改定にあたりましての数字を申し上げますと、いまの羽田横浜線その他の——羽田横浜線はこれは基本計画指示を受けております、これを抜きまして、それからなお道路公団として基本計画指示を受けておりません城南線を抜きまして、既定の一号線ないし八号線についてだけ申し上げますと、この四十年、本年改定のものは、延長路線が七十一・五キロ、これはやはり既定路線計画の一部変更がございまして、キロ数が約一・九キロふえております。建設費は千八百二十九億一千万ということに改定をいたしたわけでございます。これは資料として提出した数字になっております。なお、この千八百二十九億の建設費に見合いまして、そのほかに関連街路分担金が百五十億八千万円、建設利息が百六十四億、これを加えまして四十年度に改定いたしました一号線ないし八号線等の建設計画数字は、二千二百五十億という数字になっております。これは御承知のように、三十九年度以降四十三年までの数字を全部含んで完成に至るまでの数字でございます。
  13. 黒柳明

    黒柳明君 いまの事業総額出資金交付金借り入れ金別内訳お願いいたします。
  14. 林修三

    参考人林修三君) この一番最近改定いたしました、四十年に改定いたしました二千二百五十億、この計画に対応いたしますこの財源関係を御説明いたしますと、出資金が合計でこれは一〇%大体見込みまして二百二十五億、それから交付金が二百五十九億二千万、それから借り入れる金、主としていわゆる高速道路債券等でございますが、これが千七百六十五億七千万、かような数字に相なっております。
  15. 黒柳明

    黒柳明君 私の質問したのは、千二百億の五カ年計画に対応したものの返事をいただきたいんですが。
  16. 林修三

    参考人林修三君) ちょっといま、千二百億の改定前のときの財源計画はここにございませんが、後刻資料で差し上げます。
  17. 黒柳明

    黒柳明君 私が調べた範囲によりますと、出資金が百二十億、交付金が百六十五億、借り入れ金が九百十五億円、計千二百億と、こうなっておりますが、また後日調査していただきたいと思います。  そこで、この出資金について若干質問したいと思うのです。首都高速道路公団法によりますと、法文上義務づけられている出資金は、公団の創立に対して国の義務として十億があるのみで、増資については、公団の申し出により建設大臣が認可し、その負担は国が幾らとする、あるいは地方団体幾らとすると、こういうふうな任意の事項となっている、このように記憶しておりますが、実際にはどのようになっておりますでしょうか。
  18. 林修三

    参考人林修三君) これは私のほうは実は出資お願いするほうでございまして、あるいは政府当局からお答えをいただいたほうがいいのかもわかりませんが、私のほうといたしましては、大体出資最初法律では十億なんですが、その後、大体事業計画の一〇%程度の出資政府及び関係地方公共団体からいただきたいということでお願いをいたしておるわけでございます。で、その一〇%の出資のうちの半額を国から、あと半額関係地方公共団体からということにお願いをしております。で、関係地方公共団体は当初は東京都だけでございましたが、いまの二千二百四十五億は東京関係だけでございますが、その後追加いたしました羽田横浜線に関しましては、神奈川県、横浜市、川崎市からも出資金をそれぞれいただくたてまえになっております。
  19. 黒柳明

    黒柳明君 都市局長にお伺いしたいのですが、国と地方公共団体東京都の出資の内容ですね、それについてお伺いしたいと思うのです。
  20. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 出資金内訳は、ただいま公団理事長から御説明ございましたように、出資金は、その後の増資を含めた額が首都高速道路公団事業費の一割ということにいたしております。その内訳は、国が半分、地方公共団体が半分、こういうことになっております。昭和三十八年度までに出資金が百億、そのうち、政府が五十億、公共団体が五十億となっております。
  21. 林修三

    参考人林修三君) さっき私、羽田横浜線につきまして、関係地方団体といたしまして、神奈川県と横浜市と川崎市と申しましたが、出資団体川崎市が入っておりませんで、神奈川県と横浜市でございます。ちょっと訂正をいたします。  また、四十年度八月末現在の政府出資額はここにわかっておりますが、これを申し上げます。四十年度八月末現在の資本金は百三十二億九千八百万でございまして、その内訳は、政府が六十六億四千九百万、まあ半額でございます。東京都が六十五億七千九百万、神奈川県が四千万、横浜市が三千万、こういうことになっております。
  22. 黒柳明

    黒柳明君 ただいまの答弁によりますと、要するに、国と東京都が半分半分である。国と地方団体出資金折半負担ということは、日本道路公団金額負担を国が出資すると、そういうことと大きな違いがありますが、その原因と根拠はどこにあるか、御説明お願いします。
  23. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 先ほども申し上げましたように、首都高速道路公団の行ないます高速道路につきましては、特定地域相当多額資金が必要なわけでございます。その場合に首都高速道路は、その道路管理いたしますものが地方公共団体になるわけでございます。つまり、都県市道というものにつきまして、この整備を行なうということになっております。  それから将来償還が完了いたしました暁におきましては、これは、したがいまして地方公共団体資産として移管されるものであるということ、それに、先ほど申し上げました特定地域相当多額資金を集中的に投入するという点、この三点から相当分地方公共団体が持ってもいいのではないかという考え方に立ちまして、国と地方公共団体が協力して高速道路をつくるというたてまえをとっております。そのたてまえに即しまして、出資金折半負担ということが行なわれておるわけでございます。道路公団の場合には、これは全国的立場から主として国道につきまして整備いたすわけでございますが、その財源負担は国の出資する分が非常に多くなっているわけでございます。おもな違いはそういう点にあると思います。
  24. 黒柳明

    黒柳明君 高速道路公団の場合は、確かに延長キロ数にしますと七十キロ余でございますけれども総額事業費は、先ほど答弁ありましたように、一千二百億にのぼるわけです。今度は、日本道路公団全国に散在しております大体六十路線の総事業費をトータルしますと五百二十三億、そうなりますとこれに比べて高速道路公団の場合は約二倍に当たるわけですが、規模の大小やキロ数あるいはその他によって見た場合に、事業費負担規模事業の大きさ、そういうようなことからも考えていかなければならない、こう思うわけですが、これについてどうでございますか。
  25. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) いま道路公団事業費が五百億でございますが、公団は御承知のように、東名高速道路あるいは名神高速道路というようなものを現在やっております。それ以外の道路もやっておりますので、規模といたしましては、道路公団規模のほうが非常に大きいものである、したがって、キロ数にしましても、道路公団のほうがはるかに大きいのであります。
  26. 黒柳明

    黒柳明君 ですから、散在している六十路線を集めても五百億になる、こういうふうに質問したわけです。そうして名神や何かと比べて大きいことも私は知っております。そういう散在しているのを集めても五百億にのぼるわけです。東京都の首都高速道路公団の場合においては、一つ東京都に入っているだけで一千二百億、それに対してキロ数や何かを問題にするのではなくて、その規模あるいは事業費総額、こういった分担負担というものを考えていかなければならぬ、こういう質問をしたのです。
  27. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) あるいは見方の相違になるかと思いますけれども全国的に道路なり街路なりの整備がおくれたところを、それについて資金を投入しなければならないというような形で、たびたび特定地域相当集中して整備を促進していくということになります場合には、そういう立場から考えますと、やはりそれだけの負担と申しますか、そういう形でいただかないと、他の地域よりも重点を置いて行なうということになりますので、それ相当負担をしていただいてその整備をはかるという必要があるのではないか。もちろん負担能力という点も問題になるかと思いますけれども首都高速道路公団地元公共団体大都市でございますので、相対的に見ますれば、他の地域公共団体と比較いたしますと、負担能力も高いのではないかというような考え方相当負担地元にしていただくということになっております。
  28. 黒柳明

    黒柳明君 結局、東京都という特定地域には、国としてほかと均衡を保ちながら出資していかなくてはならない、こういう御答弁のように聞いたわけです。そうすると、公団法の第一条、先ほども読み上げました首都機能の問題は、国の政府がここにあるから、こういう首都という、こういうことが出てくるわけですが、東京都という地方団体に何か国が恩恵を与えるような、そういうような考えからは、この公団法の第一条の解釈がちょっと判断がしにくいのじゃないかと、こう思うわけです。国はその管理者として責任もあり、首都機能維持向上をみずから保つためにも、相当負担の、東京都に対して必要が生じてくるんじゃないか、こう思うわけです。この点はいかがですか。
  29. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 首都でございますから別に負担を国が多くしなければならないというようなたてまえは、われわれのほうの受け持っております高速道路につきまして負担金をふやしているというようなことは、そういう面はあまりございません。と申しますのは、同様なものが阪神高速道路公団ということでできておりますけれども、この阪神高速道路公団につきましても、同様な方法で財源負担をいたしておりますので、首都であるから高速道路についての負担を多く持つという考え方は持っておりません。もちろん、大都市交通混雑というのは相当ひどいものでございます。そういうものにつきまして国が相当負担をするという考え方でできておりますので、首都なるがゆえにという点に着目して国の負担を多くしているということは、数字の上からは言えないと、こういうふうに考えます。
  30. 黒柳明

    黒柳明君 首都の問題と国家の問題についてはまたごちゃごちゃしますので、この辺にさせていただきたいと思いますが、少なくとも公団出資金地方団体と国と同額を出させると、先ほど答弁がありましたように、六十六億と六十五億ですか、という政府見解は、限られた東京という地域にしか関係がないから日本道路公団と違うのだと、こういうふうな見解をお持ちだと思うのですが、それでよろしいでしょうか。
  31. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 限られた地域というだけではございませんで、その道路管理者——東京都の地域について申しますと東京都道でございます。都道でございますので、東京都でございますのと、償還後は東京都の資産に移管されると、こういう点を総合的に考えて、お互いに国と公共団体が協力して負担する、こういう考え方になっております。
  32. 黒柳明

    黒柳明君 出資金の問題についてはこの辺にしまして、交付金の問題について若干お伺いしたいと思うのですが、公団に対する交付金補助金について、国と都の交付金公団法上どうなっておりますか。
  33. 林修三

    参考人林修三君) いま交付金は都のほうから、羽田横浜線のように、神奈川県に関しましては神奈川県、こういう地方団体からだけいただいております。
  34. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 首都高速道路公団につきましては、公団法の四十一条二項におきまして、地方公共団体は予算の範囲内において公団に対して経費の一部を補助することができるというので、法律上は補助金という形でございますが、予算上の名前は交付金ということになっております。
  35. 黒柳明

    黒柳明君 東京都の見解は……、
  36. 今井大

    参考人今井大君) 交付金につきましては、これは毎年度政府が決定いたすものでございまして、私のほうは政府の決定に基づいて交付金を支出をしているわけでございます。ただ、私のほうの希望といたしましては、東京都の財政が非常に逐年苦しくなってまいります関係上、交付金の算定等につきまして、いろいろ関係方面等へはお願いはしている状態でございます。
  37. 黒柳明

    黒柳明君 五カ年計画において東京都が道路公団へ出した交付金の額は……。
  38. 今井大

    参考人今井大君) 交付金につきましては、私、道路の五カ年計画の内容を詳しくは存じ上げませんが、三十八年度までに東京都が出しました交付金は百三十五億程度でございまして、三十九年度が四十七億、四十年度がやはり四十七億程度でございます。
  39. 黒柳明

    黒柳明君 地方団体補助金交付金、たとえば東京都の場合ですが、それは予算の範囲内で建設費の一部に充てるため交付できると、こういうふうに定めてあります。すなわち、地方団体の任意性というものは強く法文上に規定しているわけでございますが、実際問題としてこの点についてはどうなっておりますでしょうか、建設省見解お願いしたい。
  40. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 五カ年計画の参考資料におきましては、首都高速道路公団交付金の額というものを一応予定いたしておりますけれども、実際に仕事をいたします毎年度の事業の執行にあたりましては、交付金の額を予定いたしまして、地方公共団体のほうと御相談をいたしまして一応の額をきめ、交付金の額をきめて事業の執行に当たっておる次第でございます。
  41. 黒柳明

    黒柳明君 東京都としては、この交付金についてどのような意見と希望を持っているか、忌憚のないところをお話ししていただきたいと思います。
  42. 今井大

    参考人今井大君) これは事務的な問題で申し上げますれば、交付金道路公団資金コストを六%にするために無利子資金を出すということで交付金というものがきまるわけでございます。その算式におきまして、建設費総額から、現在の話し合いでは、関連街路分担金を建設総額から引きまして、残余のコストを六分に回すというような計算でやっているわけでございます。都といたしましては、関連街路分担金も実は資金コスト六分に回ってもいいのじゃないかというような考えがあるわけでございますが、話し合いで、いま、するということでございまして、相手があることでございますので、私どもの一応の考えといたしましては、関連街路分担金の三分の一くらいは建設費総額から引いていただいて、あと資金コスト六分に回すようにして交付金を定めていただければいかがかというようなことで、首都圏の要求に際してはそのようなお願いをしてございます。
  43. 黒柳明

    黒柳明君 要するに、いまの交付金では負担が重過ぎると、こういうことでございますか。
  44. 今井大

    参考人今井大君) 財政上非常に苦しく、東京都全般の財政が非常に苦しくなっているということでございます。
  45. 黒柳明

    黒柳明君 先ほど五カ年計画の都の交付金が百三十五億と、こういうふうな答弁がありましたが、また、先ほど私が質問しましたように、この交付金は法文上は任意と、こういうことになっております。実質的には閣議で決定して義務化されているというふうになっていますけれども、法文上の根拠と、実際上計算上の根拠を明らかにしてもらいたいと思います、建設省のほうに。
  46. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 法律上は確かに予算の範囲内において経費の一部を補助することができるのでございまして、任意になっております。それから五カ年計画というのは、道路全般につきまして閣議決定があるわけでございますが、これにつきましては、首都高速道路公団資金のみならず日本道路公団阪神高速道路公団、それから各公共事業費として整備いたします道路街路事業全部があがっているわけでございまして、これにつきましては、それぞれ国の負担あるいは地方負担がこれぐらいであるということが参考資料で…されておりますが、この場合におきましては、地方財政の問題も考慮して、これはさまっているものと思われます。ただ、実際に事業を執行いたします場合には、これは毎年度事業計画を立てて、事業計画に基づきまして事業を執行いたしているわけでございまして、実際に事業を執行いたします場合には、それぞれ地方公共団体におかれましても手続をとられて交付金を出しておる、こういう形になっておるのでございます。
  47. 野知浩之

    委員長野知浩之君) ちょっと政府委員参考人に申し上げますが、聞き取りがたいような部分がありますから、はっきりひとつ声を大きくして答弁していただきたいと思います。
  48. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、日本道路公団資金構造が違う首都高速道路公団に対して、一般的な有料道路の還元計算を一律に適用していいかどうかと、こういう面に対しての検討はしたことございますですか。
  49. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) ただいま東京都のほうで申されましたように、交付金は、資金コストを六分にするという観点からきめられて、交付金の額を算定いたしておりますけれども、ただいま問題になりました関連街路の分につきまして、これを事業費資金構成建設費コストを安くするという算定の根拠に関連街路分担金全部についてあげることが適当かどうかという点につきましては、われわれのほうといたしましても検討はいたしております。
  50. 黒柳明

    黒柳明君 どうもことばだけじゃなくて、内容まで不明瞭で、まことに申しわけないんですが、まあこれ以上時間がございませんで、ほかの人に迷惑かけると思いますが、関連街路建設費の国と都とそれから公団との負担額についてどうなつているか、お伺いしたいと思います。
  51. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 関連街路と申しますのは、高速道路がその上に乗る下の街路のことでございますけれども、関連街路につきましては、その三分の一を公団負担する。三分の二につきましては一般の公共事業と同様に三分の二のさらに三分の二を国が負担し、残りの三分の一を公共団体負担するという形になっております。ただ、公団分担いたします関連街路分担金、つまり全事業の三分の一につきましては、これを高速道路の建設事業費とあわせまして、先ほどの建設コストを六分にするという計算でそれぞれの公共団体及び国の分担をさらに公団資金の中の分担をきめているわけでございます。
  52. 黒柳明

    黒柳明君 公団負担分の三分の一、さらにその三分の一は都が負担すると、まあこういうわけですから、その額は五カ年計画において全部で総額しますと三十五億になるわけです。それから三十八年度の単年度だけ取ってみても十五億となっておりますが、これはこれでよろしいですか。
  53. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) ちょっと数字は検討さしていただきたいと思います。
  54. 黒柳明

    黒柳明君 非常に不勉強で、質問しても張り合いがないんですけれども、またこの次はひとつ勉強して出てきていただきたいと思うんです。私も一生懸命わからないながらも勉強してきたつもりですけれども、そのように答弁があいまいですと、この次の質問する意欲がそがれちゃうような気がするんですが、ただいまのは大体私もその数字でいいんじゃないかと思うんですが、そうすると、一般街路事業費の国とそれから地方団体負担割合、これについてはどうなっていますか。
  55. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 一般街路につきましては、先ほど申し上げましたように国が三分の二、公共団体が三分の一と、こういうことになっております。
  56. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、この公団間の街路事業では、都が実際に一般の街路事業の場合以上にこの超過した負担をしていると、こういうことになると思うんですが、超過負担額はさっきも言いましたように五カ年計画で三十五億です。三十八年度だけでも十五億です。こういうことは非常に公平論の上から見ても何か矛盾があるように思うわけです。この点どうでしょう。
  57. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 関連街路につきまして公共団体負担分が多いということはお説のとおりでございますが、これにつきまして申し上げますと、関連街路といいますのは、先ほど申し上げましたように高速道路が広い街路の上に乗って進める場合はそれでいいわけでございますけれども、既設の街路を広げなければ高速道路を乗せられないというような場合はその既設の街路を広げるということをいたします。そういうものを関連街路の建設と言っているわけでございますが、これも街路整備されますと、高速道路が裨益するだけではなくて、その街路街路としての効用も増すわけでございます。しかも先ほども申し上げましたように、街路につきまして全国的に相当要望がございますけれども高速道路の関連のゆえをもってそこの街路が一時に促進されるという点もございますので、通常の場合よりは公共団体負担を多くしてもいいんじゃないか、こういう考え方で関連街路につきましては公共団体負担が多いという形が出ているわけでございます。
  58. 黒柳明

    黒柳明君 要するに東京都には負担をうんとかけてもよろしい、まあこういう結論だと思いますが、先ほど東京都からの話によりますと、交付金をもうちょっと楽にしてくれと、こういうことでこの点矛盾があると思うんです。先ほども言いましたように、一般の街路とそれから関連街路の間に超過負担東京都に負わせる、こういうことは少なくとも何かの形で是正をしていただきたいと、こうも思いますが、自治省からこの点も含めて四十一年度の予算案の編成にあたって政府に具体的な要望が出ていると、こういう話を聞きますですから、それについて説明お願いします。
  59. 横手正

    説明員横手正君) 私どものほうといたしましては、第一点といたしまして出資金率について検討を要するじゃないだろうかということを考えております。現在一〇%でございますが、これが確たる根拠のある率ではないんではないかと、かように考えております。したがいまして、私どものほうといたしましては、関連街路事業を除きましたいわゆる高速道路分につきまして、資金コストを六分に押えた場合の無利子出資金比率、これが約一六%前後になろうかと思われますが、出資金率はそこまで上げるべきではないだろうか、こういう考え方を第一に持っておるわけでございます。  また第二点といたしましては、先ほど先生から御指摘あったわけでございますが、関連街路事業分につきましての地方公共団体負担が一般街路事業の場合と比べまして、持ち分の率がかなり大きいのではなかろうかという感じを受けるわけでございます。この面につきましても、しかるべき措置が必要ではないか、こういう考え方を持ちまして、過般申し入れを行なわせていただいておる次第でございます。何ぶん短期間に多額資金が要るわけでございます。そうした面での改善措置がまず講じられる必要がある、こういう考え方に立っておるわけであります。
  60. 黒柳明

    黒柳明君 昨日東京都の方とも、また自治省の方とも、いろいろこの問題について話し合いしましたが、そのときは非常に自治省東京都からも、大蔵省、建設省に対して強い要望の意見が出まして、私も気を強くしてこの問題に臨んだのですが、きょうの態度は非常に消極的なので、私もがっかりしたのですが、自治省から建設省関係について二つの要望事項がここに出ております。私パンフレット持っております。これに対して昨年も自治省が予算案にあたって一〇%から一三%ですか、この一三%というのは二年後には一六%にしていきたい、こういう前提のもとである、こういうことをお聞きしましたが、大蔵省は、この自治省からの提案に対してどのようにお考えになっているか。また本日は首都公団資金問題についていろいろ検討したわけですが、建設大臣も御出席になりませんし、それぞれの方からもし何か述べることがあれば述べていただきたいと思うわけでございます。  私の質問は以上でやめさせていただきます。
  61. 長岡実

    説明員(長岡実君) 大蔵省といたしましては、四十年度並びに四十一年度に、いまおっしゃったような要求が出ておることは重々承知いたしております。四十一年度にどのような措置をとるかということにつきましては、現在の段階では、私の口から結論を申し上げることは差し控えさしていただきますけれども、基本的な考え方として一言申し上げさしていただきますと、この問題は首都高速道路公団ができたときのいきさつ論から考え直していただかないと、なかなか御理解がいただけないのではないかと思うわけであります。そのいきさつ論の理由の一端は、先ほど都市局長が申し上げましたように、それまでの道路整備というのは、東京都でいえば街路あるいは一般的な道路の予算、それと全国的な道路公団の有料道路措置をされておったのでございますけれども東京都が非常に交通麻痺がはなはだしくなりまして、何とか普通の措置以上に道路整備促進をしなければならないということから、道路公団とは別に、首都高速道路公団ができたわけでありまして、そのとき、先ほどから都市局長も申し上げておられましたように、道路の性格が、受益が特定しておって、非常に地域的に限定されておるという道路の性格論と、それから道路整備財源配分にあたって、一般の制度以上に首都高速道路整備に金をかけなければならないのであれば、やはり応分の負担をしていただくという、主として二つの理由からいまの出資金並びに交付金の制度ができたと承っております。  関連街路分担金につきましても、結果的には、その部分は無利子でありますから、関連街路分但金は終局的には公団負担であって、しかも無利子であれば先ほど出資金交付金のルールから言えば、東京都の負担になるということは、結果輪的にはそのとおりでありますけれども負担としては関連街路分担金公団負担、それから残る街路分担については一般の街路負担と同じように、国と都が二対一の割合で負担しておるというふうに御理解いただければ、負担の問題は、決して何といいますか、関連街路分担金だから、東京都にたくさん国が何か負担をかけているということではないわけです。問題は出資金交付金の原則論的な問題に立ち帰るわけでありますけれども、そういうふうに私どもは理解しているわけでございます。四十年度並びに四十一年度に東京都の財政状態もたいへん窮屈になられまして、そういう御要求が出てきましたことは私どもも了解いたしておりますけれども、今日の制度はやはりそういうような、昭和三十四年度に首都高速道路公団が発足したときからのいきさつがある。したがって、この問題に対する結論を出す場合にもいろいろの観点から検討を要する問題があるということだけ一言申し上げたいと思います。
  62. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 公団はいいですか。
  63. 林修三

    参考人林修三君) 私のほうとしては、実は大体資金コスト六%ということを目標にいたしまして、そういう範囲で実は出資金交付金をいただければ実はいいわけでございまして、端的に申し上げますれば、その内訳は実は政府及び関係地方公共団体の御決定に待ちたい、かように考えているわけでございます。
  64. 竹内藤男

    説明員竹内藤男君) 建設省といたしましても、四十一年度の予算要求にあたりましては、国の出資金の増額、それから関連街路分担金の負担割合の変更について検討してくれということを大蔵省のほうにお願いいたしておるわけでございます。
  65. 今井大

    参考人今井大君) 私のほうからは政府関係機関、建設省あるいは自治省を通じまして、すでに首都整備事業の要求といたしまして、首都整備委員会にもそれぞれ要求を出しているわけでございます。その線に沿いまして御審議をしていただきたい、かよう希望するわけでございます。
  66. 黒柳明

    黒柳明君 先ほど主計官から、高速道路公団ができたときのいきさつから理解していただかなければわからない、私もそのいきさつは十二分に心得ておるつもりですが、ともかく過去のことはどうあれ、やはりやがて東京−大阪間を三時間で突っ走るという時代になるわけであります。いつまでも過去のことにこだわっていてはだめだと考えますし、先ほどから繰り返すようですが、首都の問題は国で、中央政府でめんどうを見ていかなければならないということを大前提にしての本日の質問である、こういう意見を言うわけですが、また繰り返して言うわけですが、建設省自治省東京都も予算編成にあたって、非常に交付金多額負担させられていることに対して、若干いろいろ困っている点がある、こういう点をこの委員会の場所で審議されて、たとえ今回において結論が出ないにしても、必ずや自治省の、あるいは東京都のお困りの点がこの次の委員会において論議され、やがては解決の方向に向かっていくのではないか、そういう大きな意味を持った本日の委員会であったと思いますが、その点についていささか消極的な態度でがっかりいたしたわけですが、ひとつまたお帰りになって、各省ごとに十分なる検討をしていただきたいと思います。  以上でございます。
  67. 柴谷要

    柴谷要君 私、すわったまま二、三質問いたしますが、皆さんもすわったままでけっこうですが、一言まず道路公団にお尋ねをいたしますけれども、小委員会が持たれた理由は、言うまでもなく三宅坂地区における高速道路公団建設工事に関して不正が起きた。その不正というものはだれによって起きたかといえば、それは請負業者西松建設が起こした事件、それに対する監督不行き届きという点は公団側にあるとしましても、やはり業者の中におけるおもな不正が今日の問題を惹起したと思う。今後これから相当工事を続けていくわけでありますけれども、これらの不祥事件が再び起きないように厳重な監督といっても、現在の陣容その他ではたしてそれが可能であるかどうか。三宅坂の問題にいたしましても、一対一の割合で監督するわけにはいかぬ。やはり多少抜け目があるわけなんですが、相手がやろうとすればいつ何どきでもできるのじゃないか。そういう事件が起きれば、いつも現場におる責任者が監督不行き届きとかあるいは失態とかいうことで処分をされていったなら、作為的に、これは現場にきた監督がちょっとうるさい男だ、ひとつ悪いことをしてこの監督を追い出してやれということになれば、作為的にできないとは言えないと思う。そういう事件が起きないとも限らないのですが、こういう点については十分な配慮をされておられるかどうか、関係者からひとつ御答弁いただきたいと思う。
  68. 林修三

    参考人林修三君) 首都高速道路公団事業量も毎年相当多額に上りまして、オリンピックは済みましたが、今後ともなお若干ずつふえていくような状況でございます。したがいまして、その工事の実施あるいは監督にあたりましては、相当の実は人員を要することは、これはおっしゃるとおりでございまして、私どもといたしましても、人員の整備あるいは人員の内容の充実ということについては、今後とも公団としてはやっていきたいと存じますし、また関係当局から資金的予算的の措置お願いいたしたい、かように考えております。しかし、ただそう申しましても、そう極端に人員をふやすということもこれは事実上不可能でございます。したがいまして、その工事監督にあたりましては、いろいろ配慮をいたしまして、十分にその少ない人員で実質をあげていきたい、かように考えております。ただ、そこでオリンピック工事中に行ないました鋼材支給でございますが、これを公団が買いまして建設業者に支給をいたしておったわけでございますが、こういうふうに公団が自分で財産を持ちましてそれを支給して使わせるということについては、もちろん個々に利害得失はあるわけでございますけれども公団のほうの監督能力というような点もございまして、最近の鋼材の市況等から申して、必ずしも鋼材支給によることは得策じゃない、かように考えまして、本年の春以降鋼材支給ということは実は打ち切ってやめたわけでございます。そういう点においては、この三宅坂事件の場合のような監督の問題につきましては、若干そういう方面の手は打っているだろうと思います。業者が鋼材を買いまして仕事をやる。ただ設計どおり鋼材を使うかどうかということは、これは十分な監督が要るわけでございます。工事の安全確実という点からいきますれば要るわけでございます。これは十分な人員とは申しませんが、乏しい人員でございますが、十分にその点は工事担当者で配慮いたしまして万全を期していきたい、かように考えております。
  69. 柴谷要

    柴谷要君 こういう不祥事件が起きたあというものは、とかく一定の期間においては緊張していて、まともと言ってはなんですけれども、正しい工事なりその他が行なわれることは明らかだと思うのですが、やはり一定の期間が過ぎてしまって、のど元過ぎれば熱さを忘れるで、やはりその時期が過ぎるというと起きやすい性格のものである、こう思うのです。そういうものに対処して、首都高速道路公団としては再びこういう不祥事の起きないように最善の努力をぜひ払っていただきたいということをお願いするわけです。私は、あえて今回の事件に関連をして、罪に問われた人を擁護しよう、あるいはなかったと——否定しようと、こういうつもりではありませんけれども、第二建設部長であった伊藤君などは、過去のいきさつをぼくはよく知っておるわけです。世間に伝わるような男でないことは私十分に承知しておるのです。むしろ事件が発生して内容を調べたときに、これは少しまゆつばが多いのじゃないかとすら感じたわけです。これがたまたま西松建設の現場の所長によって起きたということですけれども、これらの問題はすでに十分調査が済んでおりますから蒸し返してやりませんが、どうかひとつこういうことのないように、ぜひ理事長も新しく決意を持って臨まれたようでございますのでやっていただきたい、こういうふうに切望するわけです。  前回、私小委員ではなかったのですが、前の委員が非常に熱心に調査して資料もいただきましたので、以上で小委員会を、個人の見解ですけれども、ぜひ打ち切りたいとこう思います。  で、本日出席の委員に、最後の結論を、委員長と副委員長にひとつつくらせていただいて、決算委員会に報告する、こういう方向に持っていきたいと思いますので、御賛同いただければ提案したいと思います。お願いいたします。
  70. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 先ほど黒柳委員の御質問に対し、公団建設省のほうで答弁保留の件がありましたが、わかりますか、いま。
  71. 林修三

    参考人林修三君) ちょっとここに資料を持ち合わせておりませんので、後刻決算委員会のほうに御報告いたします。  ただいま柴谷先生から非常に御理解あるおことばをいただきまして、まことに公団の職員一同非常に感銘いたしておるわけであります。今後とも私不敏でございますが、公団事業の適正な執行にあたっては全力を尽くしたいとかように考えております。
  72. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 他に御発言ございませんか。——本件に関しましては、小委員会におきまして前国会から引き続き調査を重ねてまいりましたが、調査は終了したと存ぜられます。つきましては、その概要を決算委員会に報告いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告の内容につきましては、本小委員会委員長及び副委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十六分散会