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1965-10-02 第49回国会 参議院 決算委員会国有財産に関する小委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年十月二日(土曜日)    午前十時三十六分開会     —————————————    委員異動  九月三日     辞任         補欠選任      久保  等君     矢山 有作君  十月一日     辞任         補欠選任      矢山 有作君     瀬谷 英行君  十月二日     辞任         補欠選任      二宮 文造君     鈴木 一弘君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         相澤 重明君     副委員長        谷口 慶吉君     委 員                 山崎  斉君                 瀬谷 英行君                 鈴木 一弘君                 高山 恒雄君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        大蔵省国有財産        局長       松永  勇君        大蔵省国有財産        局国有財産第二        課長       立川 宗正君        日本専売公社総        務部長      山口 龍夫君        日本専売公社施        設部長      服部誠太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○碑文谷マンションに関する件 ○日本専売公社に関する件     —————————————
  2. 相澤重明

    委員長相澤重明君) ただいまから決算委員会国有財産に関する小委員会を開会いたします。  小委員異動について報告いたします。  去る九月三日、久保等君が小委員辞任され、その補欠として矢山有作君が選任されました。  また、十月一日、矢山有作君が小委員辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。  本日、二宮文造君が小委員辞任され、その補欠として鈴木一弘君が選任されました。
  3. 相澤重明

    委員長相澤重明君) まず、碑文谷マンションに関する件を議題といたし、調査を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。  まず最初に、委員長のほうから松永局長にお尋ねいたしておきたいと思うのでありますが、当小委員会碑文谷マンションに対する質疑が何回か行なわれましたが、この碑文谷マンションに対して国は違約金請求をしなければならぬ場合もある、こういうことで、またその場合の取り扱い等についても局長から御答弁をいただいておったのでありますが、その後の経過について当局からひとつ御説明をいただきたいと思います。
  4. 松永勇

    説明員松永勇君) 前回までの本委員会調査におきまして、私のほうとしまして、楽石社に対して、契約違反を事由に、契約書に定めるところに従いまして約九千万円の違約金支払い請求いたしたわけでございます。これによりますと、八月の二十六日に納入告知書を発送いたしました。相手方はこの納入告知書支払いに応じませんでしたので、九月の七日に法務省訟務局に対しまして支払い命令申し立て手続き依頼したところでございます。自来、法務省と私のほうとで緊密な連絡のもとに、この事案処理促進をはかってまいったわけでございます。九月の三十日、法務省から訴訟の提起をいたしました。同日、裁判所においてこれを受理されたところであります。今後裁判という形を通じてこの処理促進をはかってまいりたいと考えております。  なお、この訴訟によって確保いたそうとする国の債権、そのための担保といたしまして、この相手方が持っております不動産につきましての仮差し押え等の手続をただいま法務省依頼して進めております。今後は法務省と緊密な連絡のもとに訴訟ということで処理してまいりたいと思います。
  5. 相澤重明

    委員長相澤重明君) いま一点、この楽石社納入告知書に対して応じなかった何か理由でも、当局側文書か何かで回答が来ているのですか。
  6. 松永勇

    説明員松永勇君) 文書でもって要望にこたえ得ないという趣旨のことを申してまいっております。
  7. 相澤重明

    委員長相澤重明君) それをひとつ読んでみてくれませんか。
  8. 松永勇

    説明員松永勇君) ちょっと長うございますが、それでは読み上げてみます。説明員から……。
  9. 立川宗正

    説明員立川宗正君) 文書は、四十年八月三十一日付の文書でございます。あて名は関東財務局総務部長本間英郎殿。「拝啓 社会福祉法人楽石社授権に基き、次のとおり通知します。かねて楽石社は、関東財務局長から特別違約金支払債務確認書提出方を求められていましたが、当職等楽石社授権に基づき、昭和四〇年七月二九日付内容証明郵便をもつて同局長あてその認定不当性主張し、違約金請求撤回方を申し入れました。しかるに貴官は右不当認定に追随し、昭和四〇年八月二六日楽石社に対し特別違約金納入告知書を送付されましたが、楽石社としては、このような一方的請求には、到底応ずることができません。右御了承願いたく念のため通知します。」、先ほどの日付と、社会福祉法人楽石社理事長伊沢勝麿。この代理人弁護士といたしまして、東京都中央区日本橋通二丁目一番地大同生命ビル三階右代理人弁護士原田勇、同秋守勝。  以上でございます。
  10. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 立川説明員、今度説明する場合にはなるべく大きい声を出すように、いま副委員長から注意を受けまして、聞き取れない面もあるようでございますので。
  11. 立川宗正

    説明員立川宗正君) はい。
  12. 相澤重明

    委員長相澤重明君) いまの立川説明員のいわゆる納入告知書に対する撤回楽石社側回答について、何か御質問がありますか。
  13. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 いまの回答、はっきり聞き取れないところもあったのですが、要するに、違約金支払いに応ずる義務はない、こういう趣旨結論なんですね、結論としては。その理由は、どういう理由でもって違約金支払いに応ずる義務はないということを言っておるのか、その理由を明らかに——明らかになっているんだったら、それを聞かしていただきたいと思います。
  14. 立川宗正

    説明員立川宗正君) 先ほどの文書の中にも引用されておりましたけれども、その前に実は債務確認書提出方を催促いたしましたときに、向こうはそれに応ずることはできない、こういうことをやはり文書で答えております。これをひとつそれじゃ読み上げてみたいと思います。「昭和四〇年七月三日関財管三第二一六号特別違約金請求について、当職等社会福祉法人楽石社授権に基づき、次のとおり回答します。貴官から楽石社に対する右特別違約金請求通知は、貴官の恣意的判断に基づくものであって事実に反し、到底承認することはできません。楽石社が、社会福祉法人日本ベル福祉協会本件土地権利譲渡をした経緯はすでに楽石社から貴官に対し上申書をもって上申したとおりであります。すなわち、楽石社としては、本件土地使用目的にかんがみ、日本ベル福祉協会から、福祉施設用地として使用する、譲渡許可の獲得には責任をもつとの確約を得て、その許可手続を全面的に日本ベル福祉協会に委任したものであります。」しかも、こういうふうな依頼をしたわけでございますが、この約束をたがえて——日本ベル福祉協会は一応その確約を取るという前提のもとにやったのだけれども、国の許可を得たというような話で、楽石社からベル福祉協会のほうに売ってくれという依頼があった、そういうことで、もう楽石社は、ベルが全面的に国との交渉をするということでやったのだ、ところが事実はそれに反してやっていなかったということで、要するに楽石社のほうには責任はないのだということで、債務確認に応じられない、こういうことで反対したわけです。
  15. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 国の許可を得ているというベル福祉協会言い分が事実と相違をしておったということになるわけですね。そうすると、楽石社としては、ベル福祉協会言い分信用したから自分のほうには責任がない、こういうふうな主張のように聞き取れるわけなんですけれども、その点は、この国の許可ははたしてどういうふうになっているのか、その許可が得られていたかどうかを確認をしなかった楽石社責任ということもあると思うのですが、その点はどういうことになるのですか。
  16. 松永勇

    説明員松永勇君) 国の許可を得るようにベル楽石社との間の話し合いがあったようでございます。ですが、国のほうからはこれはまだ許可を与えていなかった。許可を与えるという形はどういう形になるかと申しますと、かりにいま許可を与えたとすれば——これは楽石社と国との間に契約がございます。この契約には、用途指定譲渡禁止転売禁止という条項契約書に入っているわけでございます。許可をするということは、楽石社と国との間の契約書更改するということが行なわれなければならないわけです、もし許可をすれば。そういう許可もなされていないし、契約書更改もなされていなかったということでございます。
  17. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 その責任は一体どちらにあるのか。許可を与えていないということが事実であるとすれば、いずれにしても九千万円の違約金支払いについては支払い義務があるという結果になるのじゃないかと思うのでありますが、その点はどういう解釈をしているのか。つまり、国の許可があったかなかったかといったような問題は、ベル楽石社との間の問題であって、国が許可を与えていなかったということだけは事実だということになるわけですね。
  18. 松永勇

    説明員松永勇君) 先ほど許可ということばを使いました。実は平俗的なことばになっております。私どものほうの国有財産売買は、いわゆる行政処分というようなものではございません。民法上の売買ですから、許可というのは法律的にはおかしい。すべて契約書によって定められている契約更改するという形をとらなければならない。したがって、これを私のほうとしてよろしいという意思表示をするのは、契約更改するという手続によって行なうわけであります。その契約による更改手続は、相手方楽石社でございます。楽石社との契約更改という手続は全然とられていないわけであります。したがいまして、私のほうとしては、楽石社契約違反をしておる。なお、楽石社ベルとの間には、国のほうのそういう許可——許可ということばはちょっと正確でございませんが、許可をとってもらいたいとか、もらおうとかいうことで話し合いがあったわけでございます。したがって、先ほどの楽石社からこの回答の文言の中にありますように、要するに、それはベル許可を得てくれるはずだったのだから、自分のほうには責任がないのだということを御主張なさっておるわけです。しかし、楽石社ベルとの間の問題、この点はやはりいま両者の間の争いになっておるようでございます。それはそれで別途何かいま訴訟が提起されておるというように聞いております。
  19. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 いずれにしても、民法上の契約関係は不成立であるということは事実なんですね。そうすると、問題は、ベル楽石社との間の紛争にはなっても、国としてはこれは契約関係が成立していないのだから、当然違約金という問題は、どちらが当事者になるかということは別として、発生をしてくる問題になってくるわけなんですね、これは。
  20. 松永勇

    説明員松永勇君) おっしゃるとおり、私のほうとの契約関係は、楽石社との契約関係でございます。その契約関係が変更されておらず、更改されておらず、従前の契約が存続しておるわけで、それに違反しておるということで、その楽石社に対する違反違約金請求ということになっております。
  21. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 そうすると、その違約金請求そのものについては、これは法律上も正しいということになるわけですね。相手方はその違約金請求そのものが事実と違反をしておって応じがたいということを言っておるらしいのですが、この民法上の契約関係が成立していない、そういう状態においては、明らかにこの違約金請求をされてもしかたがない状態にある、こういうことになるわけですね。相手方のその事実に違反をしておる云々ということは、そのベル楽石社との関係相互関係について言っておるのであって、それは一種の責任回避のような形であって、その違約金請求そのものについては、これは否定できない、こういうような形になるのですか。
  22. 松永勇

    説明員松永勇君) 私たちはそういうふうに解釈いたしまして、私たち主張の正しさを求めるために訴訟を提起しております。
  23. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それじゃ、その場合の不動産の仮差し押えを進めておるということでありますけれども、その仮差し押えというものは具体的にどういうふうに進捗しておるのですか。
  24. 松永勇

    説明員松永勇君) これは、先ほどちょっと御説明申し上げましたように、まだ実際に仮差し押えの手続はいたしておりません。私のほうから法務省に対してその依頼をいたしまして、法務省の疑うが現在その検討をし、近くおそらくは実行に移されることだと思いますが、その不動産と申しますのは、楽石社の所有する不動産でございまして、その所在地は文京区第六天町にございます。楽府社名義不動産でございまして、土地については三筆でございまして、合計三百三十四坪八四、建物三二・一五坪というものであります。
  25. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 その土地建物用途内容、これを具体的におっしゃっていただきたいと思います。
  26. 立川宗正

    説明員立川宗正君) これは楽石社との間に売買契約を結びました当時の定款で記載された財産でございまして、基本財産といたしまして、土地文京区所在の二百四十三坪七九、それからそこに木造二階建て一棟、これが三十二・一五坪——それぞれ十六・一〇と十六・〇五になっております。それから次に、これは楽石社の同じやはり所有財産でございまして、土地として三筆、四十二坪五九、それから四十八・四六、以上で三百三十四・八四坪になるわけであります。
  27. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 この違約金の問題に対する相手方の態度としては、その支払い能力の問題で不能であるということが主たる理由になっておるのか、あるいはまたその違約金支払い当事者としては、自分たち責任がないということを特に主張をしているのか、どちらになっておりますか。
  28. 松永勇

    説明員松永勇君) 先ほどの文書の文面によりますと、先生も先ほど御指摘なさったように、要するにベルとの関係で、自分のほうはそれが国の了解を得てもらったと思っておったということを主張なさっているように私は受け取っておりますが、なおこれから先の詳しいことは、相手方としましてもおそらく訴訟における訴訟技術の問題もありましょうし、詳しいことはそれ以上わからないわけです。
  29. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それでは、あとは事実問題は一切訴訟にかかってしまうということになるわけですか。こちらのほうとしての主張言い分、国の立場からの言い分といったようなものは、一応それでは訴訟の場面でもって主張すると、こういう形になるわけですか。
  30. 松永勇

    説明員松永勇君) 国のほうの言い分立場というものは、先ほど来申し上げていますように、契約相手方である楽石社契約違反をし、それによって契約書に定める条項に従って損害賠償請求するということで、この正しさを裁判所確認を求めるという訴訟を提起しております。
  31. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 判決がどういうふうになるか、それはまだこれから先のことなんですけれども、相手方支払い能力なりあるいは訴訟見通し、時間的な見通し等についてはどうですか。
  32. 松永勇

    説明員松永勇君) 訴訟見通しにつきましては、私はまことにしろうとで、法務省のほうにもう訴訟の代理と申しますか、国を代表する訴訟としては法務省にやっていただくということになるわけでございますが、したがって、その時間的にどのくらいかかるかというようなことも、私よくわかりません。が、この訴訟状況によって、今後法務省とも緊密な連絡をとって、正しい主張が実現されるように努力いたしたいと思っております。
  33. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 違約金支払いを要求をして訴訟に持ち込む以前に、このような事態に立ち至らないような監督なり指導方法というものはなかったのかどうか、その点について。
  34. 松永勇

    説明員松永勇君) その点については、私おわびを申し上げたいと思うのでございますが、実はこういう用途指定をつけた契約条項につきましては、その用途に供すことが要するに国の意思でございます。その意思を実現させるために、当然これは十分、監査と申しますか、監視しなければならないという義務があろうかと思います。その点につきまして、私のほうからもこの楽石社に対して、十分なる監督と申しますか——監督というのは失礼でございます、監査でございますか、そういうことをやっており、こういう転売という事実が発生する前に、こういう事態が起こらないように措置してまいらなければならなかったことと考えておりますが、一面、この楽石社というのは社会福祉法人でございまして、厚生省監督下にある法人でございます。特殊法人でございます。公益法人でございます。その辺が、私のほうとしても、まあそういう社会福祉法人である、厚生省監督下に属しているというような点を比較的安易に考えて、そういう私のほうの契約実行監視するという点が抜けておったという点を非常に残念に思います。そういう点で、今後こういう用途指定の売り払い財産につきましては、昨年の国会における修正をされました国有財産法に基づきまして、国の契約意思というものが実現していくように十分なる監査を実施していかなければならない。従来私のほうのそういう点に対する監督が十分でなかった。こういう国有財産審査決算委員会における審査を機会に、私たちとしても、今後、適正な国有財産処理をはかるということと同時に、そういう契約をした後の監視あるいは監査というものを継続していかなければならない、そういう体制を確立して、今後厳密な監査と同時に指導をしていかなければならぬというふうに考えております。これから早急に再検討して、そういう体制を確立いたしたいと考えております。
  35. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 厚生省監督下にある特殊法人だとすれば、厚生省にも指導なり監督の主たる責任あるいは義務があるというふうに考えられるのでありますが、厚生省の面はどうなんでしょうか、その点は。
  36. 松永勇

    説明員松永勇君) 私たち本件事案が出ましてから、厚生省にもこの点をよく連絡いたしておりまして、厚生省としても十分な監督をしていただきたい。それからなお、この楽石社に対する今回の措置等につきましても連絡をいたしまして、やむを得ずこういう措置をとらざるを得ないということも話しております。今後も、そういう社会福祉法人としての監督官庁である厚生省とも十分な連絡をはかってまいりたいと考えております。
  37. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 厚生省にもそうすると責任があるということになると思うのですが、監督体制というようなものが、あるいは監視機関というか、監督体制というものができていなかったのかどうか、その責任体制というものがあいまいになっておったためにこのような結果を招いたのか、その厚生省における体制の問題はどうなんでしょうか。
  38. 松永勇

    説明員松永勇君) これは、厚生省のことについて私が説明いたしますのは、ちょっと出過ぎだと思います。いずれにしろ、厚生省厚生省としての法の執行としての監督をなさっておるところでございます。私たちは、厚生省はとにかく、これは別としましても、私たち契約による国有財産用途指定というものは、そちらは別として、独自にこれをやるべき責任があるというふうに感じておりまして、今後そのような方法でやってまいりたいというふうに考えております。
  39. 相澤重明

    委員長相澤重明君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  40. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 速記を起こして。
  41. 高山恒雄

    高山恒雄君 いまの関連からちょっと申し上げますがね、厚生省としては、つまり楽石柱に対する、社会福祉法人であるからこれにひとつ協力してほしいという援助の話があったのかどうか。そうすれば、厚生省は別じゃとおっしゃるけれども、それに対してやっぱり当時の情勢からやらざるを得なかったんではないか、こういう気がするのです。その点はどうです。
  42. 松永勇

    説明員松永勇君) この楽石社に当初この財産を売り払う際につきましては、私のほうとして、楽石社というものの実態を十分調査するということは、これは当然でございます。その際に、この楽石柱調査とあわせて、厚生省からこの楽石社というものの状況を聞いております。当時の社会局長から公文でもって、その楽石社というものの実態、そうしてそれがきわめて当時社会福祉法人としては重要な施設、事業を行なっており、そうして優秀なる社会福祉法人であるという趣旨、それから今後施設を拡充する必要があるのだというような趣旨公文をいただいております。
  43. 高山恒雄

    高山恒雄君 そういう推薦お話があったために、いわゆるそれも信頼した上の契約ということになっていると思うのです。この点はもうそれに間違いないですね。それで、ずさんであったということよりも、その信用のほうにウエートをかけ過ぎた、こういうふうに見てもよろしいか。
  44. 松永勇

    説明員松永勇君) まあ当時の契約をいたしました担当者のそういう公文文書にあらわれている以外の心証というようなものは、ちょっといまとなっては正確なことはわかりませんが、推測するに、当時この楽石社というものが、日本ろうあ者に対する福祉施設として日本の第一人者であったという、当時の楽石社の先代の方の偉業というものを非常に高く評価しております。当時厚生省としてもこの楽石社を高く評価しておったということは事実でございます。私のほうといたしましても、その点は相当これを高く買っておったということではないかと考えております。
  45. 高山恒雄

    高山恒雄君 そうなると、この問題は、厚生省は別問題だというお話ですけれども、厚生省推薦をした責任があるし、厚生省も高く評価して争ういう要請をしたということですから、これは今日はやっぱりその責任の一端を負うておる、こう言っても間違いないですね。
  46. 松永勇

    説明員松永勇君) 私たちとしまして、厚生省責任があるというような言い方は実は避けたいと思います。いずれにしろ、私たちは、契約組手方にこれを適正に、そして国有財産処理として最も妥当だという確信を持って売るように努力する。その確信を持つ一つ方法として、厚生省の御意見を聞いた。聞いた御意見を、お前さんのほうがそう言ったから売ったのだというような無責任なことを申すべきでないと思います。売った責任者としては、私たちがあくまでも責任者であるというふうに考えております。
  47. 高山恒雄

    高山恒雄君 そうすると、国有財産局のこれはミスだということになろうと思いますが、そのミスの点に関連して、そういう最初からのミスでありますならば、私はまだ、手続法務省とも十分連絡をとってこれからやりたいとおっしゃるのですが、不動産の仮押えをやるとおっしゃいますけれども、一体その不動産自体は他に抵当に入っておることはないのかどうか。一番抵当とか、二番抵当とか、抵当もあるはずですが、全然それは無きずな資産であるのか。
  48. 松永勇

    説明員松永勇君) 登記面によりますと、この不動産は、実は根抵当に入っております。相手先はある信用金庫でございまして、約二百万円の借金の根抵当ということになっております。
  49. 高山恒雄

    高山恒雄君 それは、根抵当というのは一本だけですか。一つだけですか。どれが入ったのですか。二百四十三坪、四十二坪、四十八坪と、三つありますね。そのうちどれが入っておるのですか。えらい金額が少ないですね。
  50. 立川宗正

    説明員立川宗正君) これは、先ほど申しました土地二百四十三・七九坪ですか、それから建物三十三坪、これが根抵当二百二十万でございます。
  51. 高山恒雄

    高山恒雄君 それはいつごろ抵当に入っておるのですか。
  52. 立川宗正

    説明員立川宗正君) 三十五年の五月六日でございます。
  53. 高山恒雄

    高山恒雄君 そうしますと、最初契約するときには、もう抵当に入っておったわけですね。したがって、国有財産局としては一体何を基礎にしてやられたのかですね、ただ信用ということじゃなくて、相当の楽石社に対する信頼が起きて初めて契約成立ということになろうかと思うんです。何を基礎にしてやられたか、この点ちょっと……。
  54. 松永勇

    説明員松永勇君) 私たち、この社会福祉法人国有財産を売り払う際には、その社会福祉法人が、その国の用途指定をする事業に確実に供し、そしてその施設売り払いを目的とする意図に十分供していく能力ありやというような点を審査するわけでございます。売り払いにつきましての代金の支払いという面につきましても、もちろんこれは審査をしなければなりません。しかし、社会福祉法人のような相手は、もうけているということが非常に少のうございます。そこで、従来安定的にやっていけているというような場合には、担保として、私たちの売り払った国有財産を担保に提供させるということ、したがって、第一回目に即金として頭金を払っていただき、その残りは通常七年ぐらいの延納を認める。その延納の担保としては、売り払った不動産そのものを担保に提供させるということで措置してまいっております。社会福祉法人が経営的に特にどうこうということがなしにやっていければ、通常それで支払いを受け得るということで、従来も大体そういうことでいけておりますし、そういう趣旨で参っております。
  55. 高山恒雄

    高山恒雄君 その方法はよくわかりますが、譲渡されたものを直ちに、支払い不可能のために再度他に譲渡をするという事態が起こっておるということは、不健全であるからそういうことになったと思うのです、いわゆる日本ベル協会のほうに譲渡するということは。その不健全であるという事実は、むろん譲渡をした楽石社に対するその土地自体を抵当物件にはするけれども、しかし譲渡するということは、これはこの問題だけでなくて、たくさんあるわけですね。一応払い下げはしたけれども、次にまたそれよりも高い値段で譲渡していく。したがって、そこの金利のさやをもうけよう、こういう悪らつがあるわけです。そういうことを考えてみると、いわゆるその土地そのものを抵当物件にしてあるからといって、社会福祉というつまり社会的な地位を利用して悪らつな方法でやった、こう見ざるを得ないですね。もしこれが、おっしゃるように、真に社会福祉事業というのは今日赤字だ、こういう事態からいえば、多少困難であるけれども、これは社会のために貢献しておる、こういうことで、まあ政府は信用してしまった。一方では譲渡をしなくちゃならないようになってしまった。こういうところに問題があろうかと思うのです。そのときに、いまごろになって皆さん方はこの三十五年の抵当物件とおっしゃるけれども、この二百四十三坪、四十二坪、四十八坪という抵当物件を——これは楽石社の個人所有ですね、それをつまり仮押えをしなくちゃならぬ、こういう事態がいま起こっているわけです。したがって、その場合の抵当物件を、譲渡するものだけの抵当物件でなくて、そうした支払い能力があるかないかという点に関しては、個人資産までどうして調べなかったのか、当時それは調べることになってないのかどうか、この点ちょっとお聞きしたい。
  56. 松永勇

    説明員松永勇君) 私のほうでは、担保の提供を受ける際に、残る債権との見合いで、その債権を十分満足し得る担保ということに着目しまして、担保の提供を求めておるわけでございますが、その売り払い物件を売り払った際に、大体半分の金額を一挙に払っていただいて——頭金として。そうすると、残りの金額の担保と、それからそれが延納になっておりますから、延納期間中に延納を遅滞するということが起きる場合の利子の加算分、こういうものを計算いたしまして、それが売り払った物件の担保価値とどうであるかということを検討し、その売り払った担保物件が担保価値として十分である場合には、その売り払った国有財産だけを担保として抵当権を設定する。もしそれが足りないという場合には、その他の担保物件を求める、あるいは銀行の支払い保証を求めるという措置を講ずるようになっております。本件の場合には、売り払った担保物件が、売り払ったものでもって担保価値が十分であるということでございましたので、他の財産の担保は徴していなかったということでございます。
  57. 高山恒雄

    高山恒雄君 そうすると、これは法的な問題になりますから、私も十分勉強しておりませんけれども、個人の所有資産に対するいわゆる仮処分をしておく、仮差し押えをするという、その手続は可能なのかどうか、押えて取ることができるのかどうか、この点はどうです。
  58. 松永勇

    説明員松永勇君) 通常はもちろんこの担保差し押えということは十分可能でございます。ただ私たちは、この法人社会福祉法人である。それの基本財産になるという点で、種々検討して、法務省当局とも協議いたしておるところでございます。法務省当局との協議の話では、基本財産に入っておってもこれに対する仮差し押えの制限にはならないということでございますが、これは仮差し押えできるという見解になります。
  59. 高山恒雄

    高山恒雄君 それは、法務省の見解として、そういうことができるということだけですね。それで、まだこれから手続をする、その手続をしようと、こういうことですね。そうしますと、もしこれができるということで、これからしょうということですが、この日本ベル協会といま紛争になっておる問題が解決つかなければ、この問題の解決はつかないということになりますね。これはどういうことになるのです。日本ベルは全然政府は関係ないのだと、しかしその問題はいま提訴中である、したがって仮差し押えをしてみても、その問題が解決つかない限り、法的に私有財産まで押えて取るということができるかどうか、この点はどうです。
  60. 松永勇

    説明員松永勇君) もちろん、現在の訴訟で、私有財産でも訴訟に勝てば、訴訟の執行として私有財産を取れることは、御承知のとおりでございます。ただ、別途ベル楽石社との間で訴訟がある。これは私たちとは関係のない訴訟でございます。その訴訟がきまらなければ、私たち訴訟ができないという性質のものじゃございません。ただ関連はある。しかし、国の訴訟は国の訴訟としてこれを提起し、そして判決を求め、執行するという関係でございます。
  61. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 この仮差し押えのいま準備中ということなんですけれども、一体いま準備中がそう長く続くわけはないだろうと思います。裁判所のほうに出して決定をとるというのはいつごろの予定ですか。
  62. 松永勇

    説明員松永勇君) 仮差し押えの依頼をいたしましたのは、先ほど申し上げましたように、九月二十四日に私のほうから法務省依頼いたしております。あと法務省がこれは裁判所に対して請求をすることになっております。私たち法務省から聞いておるところでは、もう近々のうちにできるということを言っておりますので、そう時間はかからないと思っております。
  63. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 もう一点だけで終わりますけれども、この文京区の土地建物の大体の価格というのはどの程度になっておりますか。どの程度のものと見られておるのか。
  64. 松永勇

    説明員松永勇君) これは正確には実はまだ私たちもよくわかりませんが、建物はおそらく金額的にはそうたいしたものではなかろうと思います。土地としましては、合計三百三十四坪でございますから、あの辺の土地をどのくらいに評価するかということで、私正確にどうもわかりませんが、坪十万円と見まして約三千三百万ということになりますが、あの地区はあるいは十万円をこえるであろうというふうに考えております。
  65. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 局長ですね、いまの鈴木君の質問もちょっと舌足らずだったと思うんですが、局長の答弁も少し公式的に思うので、九千万円の違約金の算定基礎というものを説明したら、ちょうど両者の意見がはっきりするんじゃないかと思うんですがね。それに対する評価の問題も出てくると思いますから。
  66. 松永勇

    説明員松永勇君) 違約金として約九千万円の要求をいたしておりますが、これは御承知のように、目黒の土地を売ったことに伴う目黒の土地の現在の時価プラス違約金三百万円、合計九千万円ということになっております。目黒のほうの土地の坪当たりの評価がちょっとどのくらいになっておりますか、約十九万五千円ばかりの目黒のほうの土地になっております。本件は第六天の土地でございます。目黒の土地が二十万くらいに評価されておりますから、第六天のほうの土地も二十万、私どもこういう鑑定のほうはあまり詳しくございませんから、そのくらいの金額ということが一応の推定として出てくるかと思います。
  67. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 速記をとめて。   〔速記中止
  68. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 速記を起こして。
  69. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 さっきの答弁では、十万と見て三千三百万ではないかという話だったわけでしょう。今度は、大体向こうが十九万程度だから、二十万程度ではないか。結局、違約金の九千万円が——全体入れてですね、それはこの三百三十四坪の問題で片づくんですか、はっきりと。これは信用金庫のほうにも入っておりますから、多少減るでしょうけれども、その辺の見込みははっきりしているんですか。
  70. 松永勇

    説明員松永勇君) 九千万円の金額に、この第六天の土地の仮差し押えだけで十分であるというふうには、おそらく私は不足であろうと思っております。ただ現在この債権を確保する手段として残されている方法として、確保できる不動産が現実にこれだけある、さしあたりそれを仮差し押えをしておきたいという趣旨でございます。もちろんこれだけで確保できるというふうには考えておりませんし、また裁判の結果にもよるわけでございます。今後そういうものの全体を通じてできるだけの債権の確保の方法を講じてまいりたいというふうに考えております。
  71. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 そうすると、不足分は債権を留保しておいて、楽石社が今後裁判が確定した後に何年かにわたって支払わなければならないという義務が生ずるということになるわけですね。
  72. 松永勇

    説明員松永勇君) 裁判で確定判決を受けた後、その支払いをどう求めるかという問題になろうかと思いますが、実は確定判決を受ける前にまだそこまですべてのものを読み切ってない、当面この不動産がそこにあるわけで、買った場合の確保の措置として不動産の仮差し押えをしたいということでやっておる状況であります。
  73. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 他に御発言がなければ、本件に関する調査は、本日はこの程度にとどめておきます。     —————————————
  74. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 次に、日本専売公社に関する件を議題といたし調査を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言願います。  まず、委員長から、当委員会に対する資料が提出をされておりますので、それぞれ御説明を願いたいと思います。
  75. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) お手元に御提出しました資料の概略を御説明申し上げます。  第一ページでございますが、これは先般一日のこの委員会におきまして二宮先生からお尋ねがあった点でございます。第一点は交換物件の評価でございますが、これは別添のとおりということでございます。別添というのは、この二枚目にございます。  簡単なほうから「2」のほうからちょっとやってしまいますが、次の渡し物件の前所有者名について、これは大京町のうちを昭和二十四年に公社が買いましたと申し上げましたのですが、その前所有者はだれであったか、こういう御質問がございました。これはここにございます川名金太郎という方であるということでございます。  それから第三点の受け物件の建築年月でございますが、これは代沢のほうのうちが新築同様と申し上げましたところ、しからばいつなのかと、こういう御質問でございました。これは調査いたしましたところ三十九年の一月に本体ができまして、同じ年の六月に若干の増築が行なわれた、こういうことでございます。  それから渡し物件、これは大京町の宿舎でございますが、これの坪数が台帳面と売ったときの坪数が違うじゃないか、こういう御質問でございましたが、これにつきましては、購入時の現状は、公簿で三十坪、実測で二十九・七五坪。それに対しましてその後の増加坪数、これがその欄に書いてございますように、二十九年の七月に八・七五坪増築いたしまして、それから誤謬訂正が一つございます。これが二・七〇坪ふえております。それからさらに六坪増築いたしまして四十七・二〇坪になっております。それを平米に換算いたしまして百七十平米になった。それをさらに坪に換算すると五十一・五三坪になる。ここにまことに不手ぎわがございまして、ひとつおわび申し上げなければならないのでございますが、この平米に換算いたしますときに換算違いをいたしております。ですから四十七・二〇を平米に換算して、またこれを坪数に直せば当然四十七・二〇になったはずでございますが、換算の誤りがございましたので三坪ばかりふえてしまった、こういうことになっております。このふえた坪数をもって鑑定を依頼いたしましてそのままで売ってしまった。これはまことに私のほうの事務上のミスでございまして申しわけございません。  それから右のほうに「注」としてありますが、これは先般二宮先生の御質問にお答えいたしまして、いつから小林さんが入っておられたのか、こういうことでございましたが、そのとき私資料を持ちませんでしたので、仙台から帰られてからくらい、約五年間とお答えしたかと思いますが、その後正確に調査いたしましたところ、二十四年七月に購入と同時に入っておられます。その間仙台の地方局長をされておったのが一年間くらいございまして、その間は出ておられますが、前後を通算いたしますと約十四年間住まっておられた、こういうことでございます。  それから次に評価でございます。この渡し物件の評価、まず土地でございますが、実測面積三百二平米六十六、坪数にして九十一・七一でございますが、これを公社におきましては千五百六十六万円と評定をいたしております。位置、現況はここに書いてございますように、信濃町北方約一キロの位置、都電から約三分。それから現況としましては敷地はこれこれ、間口が十六メートル、奥行は十八メートル。付近は住居地域、準防火地域に指定されておる。住宅、アパート等が混在した地域で、周囲にはアパートが立ち並んであまり日当たり等はよくない。  それから価格評定に関する説明でございますが、次の不動産鑑定士の評価した価格千五百六十五万五千円とございます。公社におきましては、不動産を処分いたしまする場合には、いろいろなものを調査することになっておりますが、中でもその不動産鑑定士の評価鑑定、これに最もウエートを置いておりまして、陣容も少ない等の関係もございまして、大体不動産鑑定士の評価そのものをとっておる場合が多うございます。本件につきましては千五百六十五万五千円、これが評価でございますが、単に端数を切り上げた程度だけであります。売買実例もこれは調査するということになっておりますが、これは適当な売買実例がなかった。調査はいたしました。なお、この不動産鑑定士の評価でございますが、これは不動産研究所の評価をとりました。  それから建物等でございますが、ここにいろいろと細目が——構造、実測数量、経過年数等書いてございます。公社の規定におきましては——この終わりから四段目に復成式価格というのがございます。いまこのうちをつくるとしたら幾らでできるかというものを一応計算いたしまして、それから今後の耐用年数、さらに損傷の度合いというようなものを勘案し、さらに不動産鑑定士の評価というものともにらみ合わせまして評定価格を出すということになっておりまして、それがこの表に示されておるとおりでございます。建物の本体が百四十九万四千円、ほかの構築物を入れまして合計百八十六万円でごごいます。位置は前と同じ。現況につきましては、ここに書いてございますように、二十四年七月に購入したものでございまして、建築資材は粗悪で古材を使ってつくったもので、ただしその後二回にわたって先ほども申しましたように増築しておりますから、その部分は比較的新しい。さらに北側の一部については土台が腐朽化しておる現状で、これは白アリが食っている現状で、それを薬品を注入してもたしておる、こういうような状況であります。そのようなことを勘案しまして、ここにあります価格で評価した、こういうことでございます。価格は、不動産鑑定士の評価した価格は百八十一万二千円、これも不動産研究所の評価でございますが、これと百八十六万円との差額が若干ございますが、これは評価の時点が不動産研究所の評価が昨年十一月の末の時点でとっておりますが、その後若干手直しをいたしましたので、その実費をこれに換算いたした、こういうことでございます。売買実例は相当なものがございませんでした。  それから受け物件のほう。これは代沢のうちでございますが、これの評価でございます。  まず土地でございますが実測、これは私道部分も含めまして一八六・〇八平米、坪数にいたしますと五六・二九坪になります。これを八百四十八万六千六百七十円、こういう評定をいたしました、た。位置、下北沢駅から南へ約十三分、一・一キロ、環状七号線の東約一キロの幅員六メートルの舗装公道に面している、こういうことであります。それから現況といたしましては、読むのは省略いたしますが、傾斜のない宅地であって、付近は住居専用地域に指定されている高級住宅地であり、日照、通風等もいい、こういう状態であります。それから公社までの通勤所要時間は自動車で約三十分、日用品の購入その他も便利であるということでございます。それから価格評定に関する件でございますが、これも不動産研究所の評価でございますが、八百四十万六千円、私道部分が二十万円、合計八百六十一万四千円。こちらの評価より若干高くなっておりますが、これにつきましては売買実例を二例調査いたしております。代沢四の二十八ということでございまして、これは平米で出ておりますが、これが単価四万六千八百八十五円、それから四万五千三百七十二円ということでございます。こういうものを勘案いたしまして、最初ございましたような評定価格、平米当たりにして平均で四万五千六百八円、このくらいが妥当であろう、こういう評定を下だした次第であります。  それから建物等につきましては、これも渡し物件と同じような考えでやっております。住宅建てが、建物が六百二十九万四百六十円。また構築物を合わせまして六百七十一万三千三百三十円。これはまだ新築同様でございまして、間取りも適当、内部の仕上げ等も上の部に属する、こういうことでございます。これの不動産研究所の評価が八ページにございますが、七百五十七万三千三百円でございます。これも売買実例が二件、前の土地売買実例が上物でございますが、これは住宅建ての実例でございますが、四万八百三十五円、ほぼ同じのが二件ございます。そういうものを勘案いたしまして六百七十一万三千三百三十円、こういうふうに評価をいたしましたということでございます。  概略そんなところでございます。
  76. 相澤重明

    委員長相澤重明君) ただいまの説明によりますと、いままで質疑の中で御説明をいただいた中に、土地の坪数の換算のしかたに若干の違いがあって、むしろいままでの説明のほうが坪数が多かったということになるわけですね。だから今度の平米を坪数に直すというと、むしろこのほうが、いまの説明されたほうが正しいんでしょう。
  77. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) そうでございます。
  78. 相澤重明

    委員長相澤重明君) そういう意味ですね。むしろ小林君にはよけいに払わしたという勘定になるのですか。
  79. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) まことに申しわけないのでございますが、そうでございます。
  80. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 本件に関して、質疑のある方。
  81. 高山恒雄

    高山恒雄君 私はこの資料に基づいてではないですが、もっと以外なものでちょっと質問したいのです。新聞にも出ておりますごとく、この専売関係のこうした地位にある人ですね、こういう人は、小林章氏だけの問題でなくて、つまり職権的な特定なその優遇処置——伝統的に便宜をはかって優遇されているのかどうか、この点、ちょっと聞きたいのです。単にいま表面に出ている小林氏の問題だけじゃなくて、専売公社としては、従来からそういう職責の地位を持つ人には特別の住宅の融通をしてやる、東京都内だけじゃなくて、地域においてもそういう何か慣例が——まあ、そうした特別のきまった法的なものではないでしょうけれども、全然私はないと思いますが——慣例において、もう伝統的に、そういう特権を与えて、何かの方法で住宅ぐらいは便宜をはかってやろう、こういうことがあるのかないのか、一ぺんお聞きしたいのです。
  82. 山口龍夫

    説明員(山口龍夫君) ただいまのお話でございますが、退職の場合に役員または職員に住宅のような問題で便宜をはかるということは決してございません。大ぜいの役員、職員がやめておりますから、その中でほんの例外的に、公社もいわば扱いかねているという形であるし、本人もほしいという話がありましたものを、例外的に若干そういう例があるということでございまして、特別に退職に際して考えるというようなことはございません。
  83. 高山恒雄

    高山恒雄君 いやそれはないとおっしゃるけれども、しからばこういう慣習がどこから出てきたかということを私は疑う。むろん御承知のように、昭和二十二年、三年、四年ですね。朝鮮ブームまでは、特にこの住宅難ということは、皆さんも御承知のとおり、引き揚げ者と両方でですね、そういう面における、その便宜を与えた結果、それが慣例になって、今日においても依然としてそういう職責の上位にある者にその便宜をはかられている慣習が、私は残っているのじゃないか、したがって、この問題の一部分的なものがいまここに出ているけれども、一体全国的に、地域的に、この東京都近在だけじゃなくて、九州から北海道に至るまで、そういう便宜を与えたような私は実績が過去にあるのじゃないか。したがって、それがずっと慣例的に今日まで、そういうことでそうした職権の地位を持つ人には私はもっと数多くあるのじゃないか、こう思うのですが、それはあるのかないのかですね。
  84. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) もっと小林さんのほかにこういう事例があるのではないかという御質問でございますが、できる範囲におきまして、過去十年ぐらいの実績を全国にわたって調べましたところ、小林さんの分を含めまして七件ございます。大部分は交換でございますが、七件ございます。そのほかに今度初めてわかったのでございますが、直接役職員を相人にしない道路公団等におきまして、その後そこからまた取得されたというのも二件ございます。まあ、その程度でございます。
  85. 高山恒雄

    高山恒雄君 その七件というのは、東京都だけを中心にした七件ですか。
  86. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) 七件のうち、一件は高崎でございまして、他の一件、京都がございます。その他は東京でございます。
  87. 高山恒雄

    高山恒雄君 京都と高峰の問題の調査をされたという事実に基づいて小林議員の問題についていろいろこの評価の問題その他で疑義が今日出たのですが、結論的にはいま小林議員のこの評価は、むしろ坪数からいって高きに過ぎた、こういうことのように結果が出たわけですが、この京都、高崎、その他四件ですか、小林氏を含めて五件ですね、この小林氏を除いたあとの六件というものは、評価その他についても妥当だと思っておられるのか、この点についてお聞きしたい。   〔委員長退席、副委員長着席〕
  88. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) 早急に調査いたしましたので、ちょっと各地方局から資料が集まったところでございますが、それぞれの時点におきましてほぼ同じようなケースで評価しております。すなわち大体不動産研究所の鑑定をとりまして、さらにできれば近傍類似の売買実例等をとり、さらに建物等につきましては、復成価格というようなもので計算をやっております。
  89. 高山恒雄

    高山恒雄君 この資料来ていますか、七件の問題は。
  90. 谷口慶吉

    ○副委員長(谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  91. 谷口慶吉

    ○副委員長(谷口慶吉君) 速記を始めて。
  92. 高山恒雄

    高山恒雄君 それではこの七件の資料をひとつ提出してもらうことを要求いたします。
  93. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) かしこまりました。
  94. 高山恒雄

    高山恒雄君 私、以上終わります。
  95. 谷口慶吉

    ○副委員長(谷口慶吉君) じゃ私からちょっとお尋ねいたしたいのですがね。これが二宮委員から問題になりましたのは、あなた方が提出されたこの資料に基づけば、何も問題はないような気がする、高級官吏であった人に払い下げてならないという法律でもない限り問題にはならないと思う。なぜこれが問題になったかということは、勧銀が小林さんの資産に対して千八百万円になおプラス五百万円、都合二千三百万円、これだけ融資したのはおかしいじゃないかというので問題になった。これは国有財産局長、それについて御調査になったことございますか。
  96. 松永勇

    説明員松永勇君) ただいまのお話にございました小林議員の問題につきましては、私のほうとしては、国有財産でございませんので調査いたしておりません。もっぱら専売公社のほうで調査をなさっているわけで、専売公社から答弁していただきます。
  97. 谷口慶吉

    ○副委員長(谷口慶吉君) それじゃ専売公社のほうで御調査になったら、その調査の経過並びにお考えを承っておきたい。   〔副委員退席、委員長着席〕
  98. 服部誠太郎

    説明員服部誠太郎君) 本件につきまして、先般二宮先生のお話がございました直後に、勧銀のほうに事情を調査いたしました。そういたしましたら、こういう事情だそうでございます。すなわち勧銀のほうでは五月二十日に小林さんに自宅購入資金として千八百万円の融資をなさった、期限は三年ということでございます。それに対して、この交換契約がなされたのが二十九日でございまして、登記がなされたのも二十九日でございますが、三十一日に根抵当を勧銀のほうで設定されたそうであります。それから六月の七日に、さらに五百万円お借りになったそうでございます。これに対しては、担保も何もなしに二カ月という短期の融資であったというふうに聞いております。この二カ月の五百万円、この期限が八月の七日に参りまして、そこで期限を延長してくれ、こういうことになって、そのときにこの財産の上に二番抵当根抵当として設定された、このような事情であると勧銀のほうから聞いております。
  99. 谷口慶吉

    ○谷口慶吉君 あなた方を信用しないというわけじゃないのですけれどもね、不動産研究所の調査が、評価がはたして適正妥当な評価であったかどうかということは、私は問題になると思う。それともう一点は、勧銀ともあろう金融機関が、売買された価格よりも上回ってなぜ貸し付けたかということが、二宮委員の私は疑問を持たれた第二点だと思う。ですから、次の機会に、委員長にお願い申し上げておきますが、勧銀の総裁と不動産研究所の所長、これを参考人に呼んでもらうようにお願い申し上げます。
  100. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 委員長としてはいまの谷口委員の御要請については、正副委員長相談をして、その時期方法等について決定をしたいと思っております。  ほかに御発言ありますか。他に御発言がなければ、本件に関する調査は、本日のところこの程度にとどめておきます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  101. 相澤重明

    委員長相澤重明君) 速記を起こして。  別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会