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参考人(林敬三君) お尋ねの都市周辺ベッドタウン化と、それに関連し、
影響を持ちます
地方公共団体の施設、この調整をいかにするかというのは非常に重要な問題でございますし、また、お尋のように、ここ数年来、千葉県知事、あるいは神奈川県当局、埼玉県当局からも相当やかましく苦情を訴えられておるところであります。住宅
公団といたしましても、もっともなことだと思います。
で、御指摘のような
交通の問題、これはたとえば神奈川県で言いますと、茅ケ崎とか辻堂とかいうところから、特に茅ケ崎あたりから通うのにもたいへんな問題でございますし、それから千葉県でありましても、習志野の方面から通う場合でも二時間以上かかりまして、非常に通う人も、都市まで通うのに苦痛を感じております。また、近所の方も
交通にいろいろと迷惑を感じておられる。どうしてもああいう大きなベッドタウンといいますか、ニュータウンをつくりますときには、まず
交通のことを考えなけりゃならない、それから上下水道のこと、当然でございますし、ガスのことを考え、
道路のことを考え、小学校のことも考える。それがそれぞれの法規によりまして分担がありまして、
自治体の任務になっておることも相当あるわけでございます。それはただ
自治体だ汗に
——わずかな戸数ならば
自治体だけに御迷惑をかけてもそれは消化できるのでございますが、たいへん大きな、万をこえるような人口が急にふえるというようなところでは、ことに
地方の、わりに小規模の
自治体では参ってしまうこと、御承知のとおりでございます。これはできるだけ国で考えるものは国で考え、また、
公団でかわってその困難というものを緩和できるものは緩和いたしまして、また、地元にも地元の繁栄の
——長い意味では繁栄になることであって、御協力をいただく、こういう
方向で調和をはかってやっていかなければいけないと存じます。ただやみくもに宅地をつくって家さえ建てればということでは、毛頭りっぱな団地ができるはずもございませんし、
地方の当局、県の当局、市の当局とはよく話をいたしまして、また、
中央に対して
公団として要望すべきものは強く要望してその実況をばかりまして、その調整に遺憾なきを期してまいりたいと思っておるのでございますが、参りましてからも、千葉県知事とも会いました、埼玉県知事とも会いました、神奈川県知事とも会いまして、その地元当局の言うところもいろいろ聞き、また、こちらの
事情も聞いてもらって、そして調和をはかりながら、
一つ一つ団地を、この状態のもとにおいてもできるだけスムーズに実現をさしていきたいと考えております。
そこで、お尋ねの地元優先のことでございますが、これは神奈川児当局からも相当な御要望がございます。で、御承知のように、住宅
公団の任務というものが、府県の区域にかかわらず、府県の区域を越えてのもっと大規模な住宅と勤労との対策を立てて、勤労者に対して住宅を供給するというためにつくられておる点が
一つございます。府県の中だけの住宅緩和であれば、知事さんなりそれ以下の方で、その
地方でやっていただく。しかし、府県を越えて、神奈川県に住んで東京に通うとか、千葉県に住んで東京に通うとか、そういうような問題が、どうしても
お願いをしなきゃならない部面が出てくるものでございますから、それを住宅
公団が一番主眼として担当をして任務をやっているというような面がございます。しかしながら、地元に生まれるニュータウンでございますから、地元に対してそればまた相当な犠牲を払っていただくわけで、そこで地元に対する優先ということもある
程度認めるのが公正の原則に合致する、こう思って、約二割
程度は地元優先ということでワクを従来出してまいったのでございますが、しかし、地元もまた、東京だけでない、特に神奈川県あたりは住宅難がきつうございます。そこで、これを三割に上げてやってまいろうと思って、いま交渉中でございますが、地元のほうではもっと上げられないかということも御要望があります。で、その閥はいろいろと相互で折衝しまして、一番妥当なところに落ちつけていきたい、こう思っておりますが、あまりまた極端に、ある県だけの住宅
公団になってしまってもいけない点ございまして、東京都その周辺というのは、居住状態と勤労状態からいうと、もう県の域を越えたような
一つの、一環をなしているものでございますから、そこでまた、そうでないと私
どもの仕事の、勤労者に対する住宅を供給するということが十分できませんので、その点のところを適当なところに、現在の状態あるいはずっと進展の度合いというものをにらみ合わせてセットタウンをしていかなければいけないと考えておるわけでございます。
それから洋光台の
交通のことでございますが、これもまず洋光台団地をつくりましたら、
交通のことを一番先に考えていかなければならないと思っております。あそこは鉄道のほうに
お願いをしまして、大体あそこの中に鉄道を通していただくということになっておりまして、駅が二つできるというような予定で進んでおるように存ぜられます。根本的な解決というものは、それによって解決をしていく、そのほか、バスによって解決をつけるということで、
交通の確保というものをはかっていかなければならないと存じます。それにしても、また藤沢なり、横浜なりから、また東京の間というものは、東京へ通う方にはそれだけ
交通機関に対して負担をかけるということもありますので、これは鉄道当局、私鉄当局ともよく話をして、それが極力スムーズに
輸送されるような努力をいたして実現せられるようにはかってまいりたいと思います。