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1965-09-10 第49回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年九月十日(金曜日)    午前十時四十六分開会     ―――――――――――――    委員異動  八月十一日     辞任         補欠選任      浅井  亨君     小平 芳平君  八月十二日     辞任         補欠選任      木村美智男君     大和 与一君      小平 芳平君     浅井  亨君  八月十三日     辞任         補欠選任      大和 与一君     木村美智男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 江藤  智君                 金丸 冨夫君                 岡  三郎君                 吉田忠三郎君     委 員                 岡本  悟君                 木村 睦男君                 河野 謙三君                 重政 庸徳君                 谷口 慶吉君                 平島 敏夫君                 堀本 宜実君                 前田佳都男君                 相澤 重明君                 木村美智男君                 瀬谷 英行君                 浅井  亨君                 中村 正雄君                 岩間 正男君    国務大臣        運 輸 大 臣  中村 寅太君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        運輸省海運局長  亀山 信郎君        運輸省海運局参        事官       高林 康一君        運輸省船舶局長  芥川 輝孝君        運輸省航空局長  佐藤 光夫君        日本国有鉄道常        務理事      今村 義夫君    参考人        東京都副知事   日比野七郎君        東京港湾局計        画部長      奥村 武正君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (航空に関する件)  (海運に関する件)  (日本国有鉄道の運営に関する件)     ―――――――――――――
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  この際、委員異動について御報告申し上げます。  去る八月十三日、委員大和与一君が辞任され、その補欠として木村美智男君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査のため、東京都副知事日比野七郎君、東京港湾局計画部長奥村武正君、以上二名の方を本日の委員会参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  5. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  航空に関する件について質疑を行ないます。
  6. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 委員長から申されました航空事情の件につき運輸省航空局に伺っておきます。  その第一は、八日の日に前々からの委員会の決議に従いまして調査をいたしました三宅島の飛行場の問題についてでございます。   〔委員長退席理事金丸冨夫着席調査の結果については具体的にかなり詳細にデータ等々を整理をして明らかにしなければならぬ点があろうと思いますから、私はそういう点は、あとあと本委員会におきましても、何らかの形で報告をいたし、承認をするということになろうと思いますから、時間的に、物理的に間に合いませんから、そういう点は省略いたしまして、問題の主要点のみにしぼって質問いたしますから、その点を御了察いただきまして答弁をいただきたい。この場合、運輸省当局に申し上げておきますけれども、従前のようなただありきたりの国会答弁のような形式的な答弁では私は許されないと思う。したがって、すなおに、率直に、是は是、非は非と、こういう態度で、謙虚な気持ちで私は答弁をしていただかないと、問題はもうすでに起きた事象でありますから、これからどうしようかという前向きの形で、政府並びにこの国会もともに取り組まなければならぬ問題の性質ですから、そのようにひとつ答弁を求めておきたいと思います。  調査大筋としては、すでに現地運輸委員長記者会見をいたして談話を発表しておりますことに私は尽きるのではないか、こう思いますければも、いずれにいたしましても、あの飛行場はまことに危険であって、今日の段階では使用不可能である、こういうことだけは言えると思うのであります。私はこれからの対策等々についてはあとあと申し上げますけれども、少なくとも、前々からの委員会で申し上げたように、三億数千万の巨額の国民の血税を使いながら、せっかく飛行場が完成した今日の段階で、飛行場が使用不可能である、こういう結論を出さざるを得ないという一体責任はどこにあるのか。これはもとより運輸省の私は指導のミス、あるいはその工事を担当した東京都のずさんな計画連絡不十分等々あったであろうけれども、そのことで私はこの問題は糊塗すべき問題ではない。一三宅島の空港だけの問題ではない。なぜかならば、毎々申し上げておりますように、今日全国的にローカルの飛行場建設等が行なわれておりますが、これらもこうした問題と私は全く無関係ではない、こういう立場から申し上げるわけですが、一体ああなったいきさつについては、前の国会でそれぞれ答弁しておりましたけれども、私は非常にことばが悪いけれども、いままでの現地調査しない段階では、運輸省当局答弁というのは、きわめてでたらめな答弁をしておった。特に、東京都はきょう参っておりませんからあとで申し上げますが、ジャングルがあって、それが全然今日まで、完成検査までわからなかった、こういう答弁などを言っておりますが、現地を見て、われわれしろうとがもう飛行場着陸をしたと同時に、直ちにあの丘が障害物であることを発見される。かりに当時ジャングル地帯を切り開いて飛行場建設に当たったとしても、その間、航空検査航空調査もしているわけですから、飛行機の上からでも歴然として障害物であることはわかるはずです。そういうことを今日までの答弁の中では一切目をおおって、われわれ国会議員のみならず、国民の全体の目をごまかすがごとき答弁をしたことについては、まことに私は現地調査をしてきた者の一人として遺憾にたえない。この点は一体航空局長はどうお考えになっておるか、まずこの点をひとつ明らかに答弁をしてもらいたい。
  7. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 三宅島の件につきましては、御指摘のように、本日の段階において正式に飛行場として供用を開始し得ない状態であることは、御指摘のとおりでございます。この建設工事いきさつその他につきましては、すでに数次の委員会において御説明申し上げたわけでございまして、御説明の足りなかった点につきましては、先般の現地の御調査によりまして御指摘のように、いろいろお話があったわけであります。  まず、われわれが御説明申し上げました大筋を繰り返しになりますが申し上げますと、当初位置選定の際におきましては、地形状況その他から、障害物をはなはだ残念ながら発見できなかった。しかし、その後の中間検査と申しますか、その後の滑走路工事等がある程度できました際に、はたして十分調査したならば発見し得なかったかどうか、この問題につきましては、御指摘のように、当時十分そういうような点に留意をして、積極的にわがほうにおきましても調査をしたならば発見できたであろうことは、御指摘のとおりであろうと存ずる次第であります。この点につきましては、従来しばしば申し上げておりますように、わがほうといたしましても、その指導の足りなった点について、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。
  8. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 航空局長、すなおに指導の足らなかった点についての責任を痛感している、遺憾である、こういう意を表明されましたから、あえて私はどうこうこれ以上申し上げませんが、そうかといって、しからば、この東京都は、副知事ですか、お見えになっている方は。  ひとつお伺いしますがね、航空局側としてもこの建設過程における指導がまずかったということを率直にまあ認めておりますが、実際東京都は、国費で、公共事業として、工事を直接担当した側になっていますが、あの丘が今日まで発見されなかったという、いままで国会でそれぞれ参考人として来て答弁されておりましたけれども、私ども八日の日に、委員会として委員長以下現地調査をした結果、前に御答弁願っておった事柄については、どうも私ども現地調査した結果、信用できぬ、こういう結論に到達したことは間違いないと私は判断している。そこで、工事を実際担当した東京都としては、測量そのものにずさんなものがあったと、こう一般的には言われていますけれども、私は測量を全くしていなかったのじゃないか、あの現地を見て。ですから、こういう点をひとつもう少し明らかにしていただきたい。  そうしてその結果、もう一つ、これは今度は東京都と運輸省に尋ねておきますが、これは行政上の明らかに責任だと思うのであります。ですから、その責任所在は一体どこにあるのか。しかも、その責任というのは、どう国民の前に申し開きをするのか、この点を、本来は大臣がおればけっこうですが、大臣まだ来ておりませんから、運輸省役人としての考え方、東京都の都の役人としての、しかも責任ある知事にかわって来ています副知事として、私は明快な答弁をこの際求めておきたいと思うわけです。
  9. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) 先般は、現地までわざわざ御出張いただき、まことにありがとうございました。  ただいまお尋ねの点につきましては、運輸省のほうからお答えになりましたとおり、一言で申し上げますれば、当時もう少し厳密に調査をいたしますれば発見し得べかりしものを、十分なる注意が足りませんで見落としたという点は、まことにもう東京都といたしましても、一緒に計画に着手し、また実施部門を担当しました者といたしまして、まことにどうも申しわけないと存じている次第であります。  なお、工事の際におきましては、都のほうとしましては空港建設工事に専念したわけでございまして、先ほどお話がございましたが、障害物につきましては測量しなかったのではないかというお話でございますが、さっき申し上げたような事情でこれを見落としていた関係上、障害物についての測量は行なわなかったのであります。  次に、このような不手ぎわを生じましたことにつきましては、これは皆さま方に対してまことに申しわけないと存じておりますが、御指摘のとおり、行政当局としましてほんとうに相すまぬと存じます。今後十大ひとつ注意いたしまして、再び繰り返すことのないように、こういうことのないように十分戒心をいたしていくつもりでございます。
  10. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 東京都のほうからも、まことに遺憾であって、今後さようなことのないように十分注意をしてまいる、こういうことですから、都の場合は私どもの範疇でありませんから、これ以上申し上げませんが、しからば、監督庁運輸省工事を施行したほうの側も、それぞれ責任を痛感している、こういうことなんです。この責任をしからば具体的に国民の前にどういう形であらわすか、こういうことが問題になってくると私は思う。ですから、過ぎ去ったことですから、もう今日の段階では、死んだ子の年を数えるようなたぐいのものですから、あえて過去のことを私は申し上げません。これからどうするかということが問題だと思うのです。  その問題をある程度分類してみますると、第一に、やはり何といたしましても、もう完成している飛行場ですから、一日も早く定期空路の開設をすることが、やはりその責任所在を明確にして国民にこたえる、あるいは都の場合は、東京都民三宅島の島民の負託にこたえる道だと思うのです。ですから、具体的に都はどうあの三十六メートルの障害物たる丘を除去しようとして、どういう具体的な計画を持っているのか、明らかにしてもらいたい。それから運輸省のほうとしては、いろいろ指導性の欠陥があったというけれども、確かにあった。あったが、それ以外にやはり私はいろいろ制度上にも問題があるように思う、今日の。ですから、やはりこの制度上で改めるとすれば法律改正になりますけれども空港整備法を私は通常国会までに一部改正する必要がありはせぬか。今日いろいろな指導のやり方あるいは指導要綱あるいは細則等の制定を運輸省運輸省なりに策定して全くやれないわけでは私はないと思いますけれども、やはり根本的には、国費を投入してやるわけですから、抜本的な制度改正ということになると、法律改正が必要であろう、こう思うのです。ですから、空港整備法改正を行なって、やはり中間検査等々を行なっていきさえすれば、あの程度障害物はその当時前もって発見されて、今日政治的にあるいは社会的に問題にされているようなことは排除できるのではないか、こういうことが現地を見て考えられる。現実滑走路がある程度整備されてきた段階中間検査をやったならば、三百五十メートル程度の前方のものを、これはもうその検査段階で直ちにわかるのですね、それぞれ測量機を持っているわけですから。ですから、そういう制度がないために完成検査で発見されるというようなことになったと思うので、一体運輸省航空局はそういう法律改正をする今日の段階で意図があるかないか、こういう点を明らかにしてもらいたい。
  11. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 御指摘のように、今日の問題にかんがみまして、われわれといたしましては根本的に空港整備法のあり方についても十分検討を進めなければならぬわけでございますが、とりあえず今日の具体的な問題にかんがみまして、御指摘航空法関係施行規則の中で、御承知のように、飛行場設置許可申請書手続が規定してあるわけでございますが、その手続に規定されておる添付図面関係が今回の事例にかんがみまして十分ではなかったと思われますので、なお詳細な図面を徴するように至急この点の改正をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  次に、御指摘のありました中間検査等関連といたしまして、現実空港調査に参ります者に対しまして、調査の指針といたしまして、空港調査要綱というようなものをなお改正いたしまして、これらの内容について障害物発見等が当然十分にできるようにその要綱改正いたしますとともに、現地に参ります者が責任を持ってそれらのものを調査をさせるような態勢をとらしたいというふうに考えておる次第でございます。
  12. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) ただいまお尋ねの今後の措置でございますが、これにつきましては、前回の委員会で申し上げましたとおり、できるだけ早い機会にやはり障害物を除去いたしまして、新しい空港が完全に使えますようにいたしますことが、東京都といたしましても当然の責務と考えます。今月の下旬に開かれる予定でございます都議会に、これに関しまする予算措置をいたすよう考えております。そこで、この前申し上げましたとおり、経費といたしましては大体三千百万円程度、工期は三月を要する見込みでございます。
  13. 岡三郎

    岡三郎君 関連ですが、実態調査して、私は前から不審に思っていたのですが、いま航空局長答弁で大体わかったのですが、問題は、離島振興ということによって離島飛行場をつくる。そうするというと、施工者あるいは監督者、いろいろとあると思いまするが、受け入れ側として、たとえば東京都が飛行場をつくるということについて、いろいろと設計をするのにしても、飛行場を使う航空士ですか、そういうふうな方々の実地検証に基づいて、実際に離着陸をする場合についての周辺地形はどうかというふうなことは、私は当然飛行場建設には第一の問題だと思うのです。ところがそれがなされてないということについて、先ほど航空局長が言ったように、詳細な図面をつけるということもさりながら、やはり東京都においては港湾局関係がこの仕事に当たっている。離島港湾関係ならいいけれども飛行場をつくる場合に、一体どの程度専門家がそこに動員されているのかということについて、飛行場建設そのものについての工事、そういうことについては、それぞれの土木屋さんがいて、専門的にいろいろ工事を進められると思うのですが、実際飛行場を使う飛行士パイロットの方の、周辺地形調査とか、そういう面についてのいろいろな参考意見、こういうものが具体的に用いられておらなかったんじゃないか、こういう点を私直観的に感じたわけです。離島振興港湾整備をするということならば、港湾局が専門的な立場で土木的にそれをやるにしても、そのもち屋でない人が離島振興というワクの中で国費を使ってやるという場合に、飛行場についての設計はするにしても、実際にどういうふうにその飛行場が気象的にも難点があるかどうかというふうな問題について、航空局長、これは詳細な図面を徴収しただけでは問題にならぬので、やはり特に季節風というものが非常に吹きつけるこういう離れ小島の飛行場というものについては、かなりデータを集めて、やはり専門的な立場パイロットから意見を聴取しなければならぬじゃないか、こういうふうに思うんですがね。この点について、どういうふうに法改正立場とともにお取り上げになるのか、この点をお聞きしたいと思うのです。  これは東京都においても、飛行場を建設する場合における現在のスタッフ離島振興というワクの中における飛行場建設スタッフ、そういう問題について今後どうするのか、ここに問題点があるというふうに考えるのですが。   〔理事金丸冨夫退席委員長着席
  14. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) まことにごもっともな御指摘でございまして、実は先般の委員会でも御説明申し上げましたように、昭和三十六年の十二月には航空機による低空飛行を行ないまして、出発進入方式、ビーコンの位置等検討が行なわれたわけでございますが、当時、これの進入表面関係について、そういう任務を与えておらなかったために、必ずしも十分なその面の調査をわれわれのほうでもしなかったということを、たいへん遺憾に存じておる次第でございます。したがいまして、今後は図面等によりまして――もちろんきちっと測量をして、図面上も十分進入表面がクリアーであるということを確保させますと同時に、現実にこういうような専門家が参りましたときにも、御指摘のような点をも十分に留意をして調査をするように、先ほど申し上げました調査要綱に含めまして、そういう点の注意を徹底させるように今後いたしたいというふうに考えております。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 いまの答弁で大体要を得たわけですが、離島振興というワクの中で政府国費を出して飛行場をつくるということになる場合の、これは三宅島だけじゃなくて、佐渡の飛行場においてもいろいろと問題があるというふうに聞いておるわけですが、実際問題として、低空で飛ぶということも必要でしょうが、飛行士がそこへ行って、実際にその場に立って、そして離発着の環境というものを具体的に一ぺん見てもらう、気象条件とともに。気象条件というものはデータが出てくればわかると思うのですが、やはりあそこへ行ってわれわれが感じたことは、直接飛行場に立って、そして飛行機の出発していく方向を見るというと、たいして初めは感じなかったけれども、なるほど飛行機が飛び出してみるというと、左手のほうがじゃまになるし、これが着陸する場合においてもかなり困難になるんじゃないか。特にこれから季節風の西風が吹いてきて激しい気象状況の中においては、ますますそういうふうな点が感じられたわけです、しろうと目にも。ですから、そういう点で、ひとつ設計その他実際にこれら工事に着手する場合においては、その飛行場を上から見るということとともに、飛行場の場所に立って専門的なパイロット周辺地形状況というものをやはり見るということの一カ条を明確に入れてもらいたいと思うのです。これは都の港湾局自体としても、それだけの専門的なスタッフがいるわけではなし、そういうふうな点で今後そごがないようにしてもらいたいというふうに考えるわけです。  それから、いま吉田さんが言われたように、第二点は、あの飛行場を少し角度を変えていけばあの障害物というものを今後削り取らなくても何とか飛行がうまくできるのではないかと、こういうふうな意見が当時現地で出されているわけです。角度を少し右に振るなら右に振れば何とかなるんじゃないか。しかし、それは逆に言うと、反対側のほうの丘陵があるので、反対側のほうの丘陵にそれがどう支障が出てくるのか、こういうふうな点で、工事費がいま三千百万円と言われておりますが、われわれがあの地形上から見たところ、三千百万円で実際にやり得るのかどうか、そういうふうな問題が一つ考えられるわけです。その点からいって、いま言った飛行場設計を具体的にもう少し角度を直してみたらばもう少しスムーズにいけるのではないかというふうな意見、それから東京都の予算が九月の都議会で提出されるというふうにいま日比野さんから聞いたわけですが、前の答弁では、やはり国の補助というものも相関的に考えてやっていきたいというふうな気持ちを言われたわけです。この点について、かりに話が決着つかないとしても、島民の意向というものをしんしゃくして、すみやかに都のほうとして予算をつけてやられるのかどうか、やはり国の補助のほうが明確にならないというとこれが遅延するのかどうか、自主的に財源を持ってきてもすみやかに航空路開設を進捗させたいとこういうことなのかどうか、この点もう一ぺん明確に都のほうからもお答え願いたいと思う。
  16. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) 予算につきましては、この前いろいろ御意見ございましたが、補助もお願いしてございますけれども、これは先般来の事情でございますので、財源はともかくといたしまして、とにかく九月の議会に予算措置といたしまして、来年の一月までには都の責任において竣工させたい、かようにいま考えております。補助の点につきまして、手続がもしおくれるならば、これはまた別問題でございます。事業の執行上のほうはぜひ予定どおりやっていきたい、かように考えております。
  17. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、来年の一月までには工事をいずれにいたしましても完了したい、こういうことですね。
  18. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) さようでございます。
  19. 奥村武正

    参考人奥村武正君) 現在の完成しております飛行場滑走路を若干右に振ることによって現在の山を切らなくても済むじゃないか、こういう御質問でございますが、これにつきましては、私のほうも検討をいたしまして、要するに三千百万円で山を切るのと、角度を変えることによってあの滑走路並び着陸帯土工量等の比較をやってみますと、角度を変えるほうが約三倍ないし四倍ぐらいの費用がかかりますので、私どものほうではこの際山を切ることにいたしたいと存じております。
  20. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 私、先ほど吉田委員が質問しましたこの法規その他の改定等について、運輸省航空局長からお答えがありましたが、ただいまの方向を若干右に障害面のほうの滑走路を振るという問題は、一昨日現地におきまして相当お互い検討いたしたのでありまするが、ああいう問題は、ただいまのお答えのとおり、また提出せられました表によりますというと、三千百万円で済むものが、それを若干振ることによって一億二千二十万円かかるという見積もりが出ておりますね。ところが、これは、いまからやるから、滑走路もみなやり変えなければならぬから、こういうことになるわけで、私は、当然飛行場設置の場合に、両面の障害物ということを考えながら、この方向及び幅員等を決定する場合には十分なる測量はしてあったものと思うのですが、これは結局、先ほどの、やるはずであったがそれはミスであって、またそれを監督の地位にある運輸省としては気がつかなかったということになるのですか、これはどうでしょう。ただいま一億二千万円といえば、これはもう山を削る以外に方法はないのだ、三千百万円は当然出さなければならぬということになるわけですが、私は、法律になるかあるいは規定かどちらか存じませんが、少なくともこの際そういう点を十分に検討して、そうしてまず飛行場方向等を決定するその初めの測量というものを十分にして、また方向等はこれは当然経費に関係することですから、国が出すから何ぼ使ってもいいというわけのものじゃないんですから、最小限度の数字を出すという意味において、両面の障害物となるべきものについては当然考えがあったと思うのです。現に反対側障害物につきましては除去しておる。もしあれが、今度はただいま問題になっておる障害物の面を右側に若干振るということになれば、それ以上やらなければならぬという問題は起こりますけれども、これは当初考えておれば当然この点のいわゆる最小経費というものの数字が出ておるわけなんですがね。だから私は、規定等の検討の際に、これはどこでもあることと思いまするが、最初の測量、特に進入表面あるいはまた転移表面の角度における三十分の勾配によって、障害のあるものはすべて測量を完全にして、そうしてやらないというと、滑走路だけのところを平地に直して、まあこのほうがよかろうというふうなことでやれば、これはたいへんな国費の乱費になるということにもなろうかと思うのですが、この点に対する航空局のお考えはどうでしょうか。  また、もう一つ伺いますが、この一億二千二十万円という費用は、東京都の計算になったものと思いまするが、これは航空関係監督庁である運輸省としてもこれを是認されておるのですか、まだ検討の余地があるのですか。その点は、あと始末の問題として、さらに問題が変わってくると思うのです。この二点をお答え願いたい。
  21. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 御指摘のように、当初からこの障害物を十分に考慮に入れての検討、方線の決定、滑走路工事施行ということでなかった点は、非常に遺憾に存ずるわけでございまして、将来は十分こういう点も考慮に入れて滑走路方向等を決定すべきものであるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、こういうような問題を、今回の問題を契機といたしまして、あらかじめ防ぎますために、十分詳細な測量図面をあらかじめとりまして、その上に立ちまして必要な工事量その他を検討いたしまして、御指摘のように最小の費用でしかも完全な工事を完成させるように今後指導をいたしてまいりたいというように考えておる次第であります。  第二点といたしまして、しからば現在のこの障害物件を除去するか、あるいは着陸帯の中心点を御指摘のように若干移動いたしましてやるのがいいかという案につきましては、東京都におきましてすでに土量計算等を測量に基づいていたしておりますので、着陸帯を移動する場合の土量計算の約十万八千立米というようなものは、わがほうの技術者も図面によって詳細な説明を受けておりますので、この内容に盛られました工事量につきましては、われわれも、こういうような状態で、要するに結論といたしましては、東京都が言われておりますように障害物件を除くのが、着陸帯を全部移動して障害物件に手を融れないよりは金額的において少なくて工事ができるというふうにわれわれも考えておる次第でございます。
  22. 金丸冨夫

    金丸冨夫君 ただいま、もういまとなっては結局これを少し中心を変えて滑走路自体を振ることによってたいへんな四倍にもなる金がかかるからこれはやむを得ない、やはり三千百万円の予算に基づいて障害物を除去するという以外にやむを得ないということになったようでありまするが、この一億二千万円というものを、これは一昨日問題になりましたように、この滑走路その他を変更する必要があるとか工事をやり直さねばならぬということでたぶん非常に大きい費用が要るのですが、これは航空局の技術者としても、東京都のこの見積もりというものを正しいものと認めての上でございますか。もしそうだとすれば、この問題は、初めの場合工事にかかる前の問題だったらいいが、今日としてはもうやむを得ないのだということにならざるを得ないわけです。これは航空局ははっきりその点は認めておるわけですか、そのほかに方法はないのかどうか、この点をもう一度お伺いをしたい。
  23. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 現地の御指摘がございましたので、わがほうの技術者にも検討をいたさせましたが、障害物件を除去するのが現在考えられておる方法としては一番最良の案である、こういうふうにわれわれは考えておる次第でございます。
  24. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は運輸大臣に聞いておきたいのだけれども、本院の委員長、理事が現地調査された結果のいま質問があったのだけれども、一体政府は、これだけの大きな問題になっておるのに、具体的にどうするということを省議できめてあるのかどうか。いま航空局長答弁し、あるいは東京都の参考人答弁しておるけれども、あなた自身は一体どうしておる、運輸大臣はどういうふうにこれをやれということをこれを指示したのかどうか、まず運輸大臣から具体的に答弁を求めたい。
  25. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) この問題は、東京都と相談をして飛行場飛行機が飛べるようにするということで決定いたしまして、さらに今後こういうことが起こらないようにあらゆる考慮をしていくように十分の注意をしていくということを考えておるわけであります。
  26. 相澤重明

    ○相澤重明君 いま少しく声を大きくして答弁してくれ。  それで、あなたは口頭で指示をしたのか、あるいは文書をもって、大臣命令として、航空局長なりあるいは都知事に対して指示をしておるのか、一体どっちなのか。
  27. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) それの関係航空局の担当の人といろいろ相談をしまして、この問題に対する処理をして相談するときにそういう方法を決定したのであります。
  28. 相澤重明

    ○相澤重明君 私は、本日は当委員会としてのいわゆる現地調査を行なった委員長、理事の質問を中心に行なっておりますから、私はむしろ運輸大臣が、いま申し上げたように、あなた自身が責任のある立場なんだから、あなたが当委員会に対してこれだけのいわゆる問題を提供しておるのでありますから、運輸省としては、責任者としてはこうするのだというやはり企画をはっきりと当委員会に私は文書をもって提示してもらいたい。それで、そのことを東京都もこうするという、東京都も文書をもって報告してもらいたい。いいですか大臣
  29. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 都の方と私どものほうとよく相談をして、そういうようにやりたいと思います。
  30. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから運輸大臣に、特に私は決算委員もかねておりますから、あなたに厳重に言っておきますが、これだけの国費が効率的に運用されなかったということは、国に損を与えたことになる、あるいはこれがさらに多くのいわゆる費用を出すということは、いわゆる運輸省東京都の関係者の職務怠慢である、こういうことにもなるから、あなたはそれをどう処置をするか、いわゆる責任者としてそのことをあとで文書をもって提出してもらいたい。これは徹底的に糾明するからあなたの所信を伺っておきたい。
  31. 浅井亨

    浅井亨君 この問題は、離島振興というのが根本になってでき上がった問題だと私は思うのですが、一体全体、いま相澤委員からもお話がありましたとおり、いわゆる離島振興について確固たる基本というものをお話し合いになってつくられたのじゃないかと思うのですが、そういうことはどういうことになっておりますか。そうでないと、いわゆるそういうような軽はずみ的な考え方で、ただ離島振興離島振興と当面のことを考えて、端的に飛行場をつくったらいいのじゃないかというような気持ちでおつくりになったので、ああいうような工事の面においても、またほんとうにつくるにはどういうふうにあるべきかということを、技術家なり、実際に使用する飛行家、そういう者が一緒になってあれを研究してつくったのじゃないのじゃないか、こう私は感ずるわけなんです。その点はいかがなんですか。
  32. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 御指摘の点、今日からひるがえって思いますと、十分な障害物調査等をいたしませんで工事に移ったということでございまして、まことに遺憾であるわけでございますが、われわれとしましては、離島振興法に基づきまして離島振興計画にも入っておりますことでもございますし、また離島振興補助対象ということで必要なものについては国が一〇〇%補助をするということで、東京都が行ないます空港の建設を助成をするというたてまえで手続を進めてきたわけでございます。
  33. 浅井亨

    浅井亨君 先ほどからおりませなんだんで、ちょっと重複するかもしれませんけれども、いわゆる三千百万円ほどの金がかかるということですが、結論としてはどこが責任を持っておやりになるんですか。これはこの前のときははっきりしてなかったように思います。これをひとつはっきりしていただきたい。
  34. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) この障害物除去工事につきましては、東京都が予算化しておやりになるというように考えております。
  35. 岩間正男

    ○岩間正男君 簡単にお伺いします。  一文惜しみの百文失いということがあるんですがね。私はこの前に、調査測量費はどのくらいかかったかと聞いたんですが、最初にほんとうに科学的に専門家意見を徴してがっちりした計画を立ててやればこういうことは起こらなかった。ところが、ずさんな結果で、技術的に見たって問題にならないことをやっているから、こういうふうにたいへん国損を与えるような結果になっておる。それで、どうなんです。今度第一に専門的に研究したんですか。あの頭、五メートルですね、十万八千立米だけ取ればいいというようなことで結果が出ているわけですけれども、この点については十分に検討したのか。もう一つは、滑走路の変更の問題があったが、季節風との関係はどうなんですか。単に地形だけの問題じゃなくて、風向きということが非常に飛行にとっては重要なことですね。そういう問題についてがっちりした計画を立てて、そうしてほんとうに科学的に信憑性のあるものを確立する。再びこういうことを繰り返すことができないわけだ。三千百万円都で予算をとって、さてやってみたと、どうもまたぐあいが悪いということでは、全く話にならぬ、全然信用ならぬことなんですから、この点は私ははっきりやはりしなきゃならぬ。この問題は、同時に、こういうような問題を今後やっていく場合の、つまり国家の施設の中における科学性の問題というふうに考えられるわけですね。科学性がない。実際これは、めのこ算とか、あるいは全くしろうとが思いつきみたいなかっこうでやっているから、こういう結果になったわけだ。この点については、はっきり科学行政を打ち立てるという立場をとらなければ、ことに近代的な飛行場の建設です、問題は。この点について非常に明確じゃない。今後の国策の方向として重要な問題なんで、この点についてはっきりした答弁をしてほしい。それで、これは運輸大臣はどういうふうに指導するんです、一体。あなたのさっきからの答弁をみると、あいまいで、自信がない。声も小さい。はっきり堂々と確信のあるように、根本的にこういう問題を通じてやってもらいたいと思うんです。だから、要するに、これは専門家のはっきりした今度は見積もり、設計、科学的な調査、その上に立って今後再び繰り返さいようにしていくのかどうか。それから、こういうようなミスのために使う今後の金、こういうものと、それから最初に使った調査費の比較、これは非常に重要な課題になってくるわけです。再び繰り返さないため、この点についてはっきり答えてもらいたい。
  36. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 御質問の第一点の調査費でございますが、三十六年度予算におきまして二十六万一千円の調査費によりまして調査をいたしておるわけでございます。  それから、第二点の着陸帯を移動するというようなことと今回都が考えております障害物の除去等との比較は十分にしたかという御指摘でございますが……。
  37. 岩間正男

    ○岩間正男君 風向き、施設の……。
  38. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 今回東京都が考えております障害物除去工事につきましては、当初気象条件その他を十分調査をいたしましてその方向ももちろん決定したわけでございまして、したがいまして、この障害物が除去されるならば飛行場としての条件を十分に備えておるものになるというふうに考えておるわけでございます。それに対しまして、中心線を移動した場合に風の方向等が若干変わるというような状況にあるかと思いますが、これは着陸帯の先端を四十二メーター程度動かすというものでございますので、正確にこれを比較したわけでございませんが、風向その他について非常に大きな変化というものには必ずしも相ならないように思いますが、いずれにいたしましても、そういうものは、土量といたしまして十万八千立米、これは計算上出ておりますが、非常に大きな土量になりまして、そういうものは削れないということに結論は相なっておりますので、当初十分に調査いたしました気象条件その他によってできます滑走路方向の先のほうの障害物を除去するのが、経費的にも一番安いし、完全な飛行場になるという考え方を現在とっておるわけでございます。
  39. 岩間正男

    ○岩間正男君 それから、専門的調査はどうです。今度のについて、どうなんです。一体どれだけのことをやったか。
  40. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) それから、つけ加えますけれども、この土量の十万八千立米並びに工事の内容につきましては、東京都におきまして現地調査測量していただきまして出た結論でございます。
  41. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 ただいままでに各それぞれの委員の発言がございましたわけでございますが、要は、私はこの委員会は、この問題の取り扱いにあたって、今後いかにこれらの問題を打開するのかという、その見出し方について中心的にいまお話があったと思うわけで、その意味では、岡先生からは、一体これからあの飛行場を使用できるようにするためには、費用の関係、さらには工期の関係が質問をされまして、これに対して都のほうからは、経費の負担の責任所在、工期についても申し述べられましたから、これはこれで私は一つ結論が出たと思います。それから、行政責任については、私並びに相澤先生からも申し述べられまして、これは大臣に対する質問でございますから、しかも委員の書面での回答の要求ですから、それはひとつ大臣のほうで十分整理をして、あとあと当然、これは本委員会での委員の要求ですから、この委員会に提出をしていただけば、問題がある程度解決するのじゃないか、こう思います。  それから、本委員会現地調査をした段階で、滑走路を若干、四十五メーターほど北東に振ってみたらどうか、こういうことについて出た意見については、金丸先生から具体的にこの委員会指摘をされまして、それは現在種々研究調査をした結果、経費的にも技術的にも不可能であるという答えが出まして、それはそれで一つの方向が出たと思う。したがって、私は委員長に、きょうの委員会のまとめのようなことになりますけれども、計らっていただきたいが、そういうそれぞれの一つの結論といいますか、方向が出ましたけれども、やはり何としても、いままで行なわれてまいりました運輸省なりあるいは東京都の私は広い意味の責任は免れないと思うのですね。ですから、その責任を果たすために、一応の工期等々が明らかにされましたけれども、この際は、可及的すみやかにこの国民負託にこたえるために、定期空路開始にあたって関係者は全力の努力を払うべきである、これが一つ言えると思うのです。  それから二つ目には、運輸省当局も認めておりまするように、これから再びかような指導監督の不行き届きにならないようにするためには、たとえば一つの例をあげて、図面等々についても、細部的な図面を作製する等のことを申されましたが、そのことよりも、私は法律的にも、若干この問題を契機に、欠陥があるような気がする。そこで、法律的についても、たとえば中間検査等々を行なう場合には、当然整備法の法律改正がございますから、このことも含めて、政府は法律的欠陥については十分通常国会前に検討を加える、こういうことで、あとあと離島航空の問題、あるいは当面迫っておりまする国鉄の十月ダイヤ改正等々の問題がこの委員会にいま提起されておりますから、この問題についてはこういうところで本日は打ち切ってはどうか、私はこう思うので、委員長からお計らいを願っておきたいと思います。
  42. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまの吉田委員の御発言に関しまして、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 岡三郎

    岡三郎君 大臣に申し上げますが、先ほど吉田君、相澤君から言われましたが、書面で出すとか何とかということですね、これについては、具体的にこういうふうな結果になったということについて、いろいろと局長のほうから大臣のほうにも上申されていると思うのですが、これは離島だけではなくして、国内の中においてもローカル飛行場というものが絶えずいろいろな問題があるわけですよ。ですから、そういう面について、航空整備法なり、施行規則なり、具体的にこういうふうにすべきであるという方向づけをもって当委員会に書面で出してもらえば、それを一つの基礎にして、次の国会に整備法の改正なり、修正なり、一部改正なり、あるいは施行規則の点についての検討ということに具体的に入れると思うので、そういう中に、図面をもう少し詳しく出されるとか、いろいろと中間検査するとか、あるいは設計上においてこういう具体的な方法がなくてはならないとか、こういう内容が含まれてくると思うので、そういうふうに具体的に離島並びに地方のローカル航空等について、今後運輸省としてとるべき手だてと申しますか、そういうものを次の法改正に至る前提として御提出いただければ、これはけっこうじゃないかと思うのですが、そういうように大臣ひとつ。
  44. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 御説のように、検討して御趣旨におこたえいたします。
  45. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 次に、私は、せっかく大臣もお見えになっておりますから、この際は、飛行場の建設の問題は、これを契機にして、たとえば前の委員会で問題になっております松本空港の問題がございますね。それから、たとえば、これは全国的にございますけれども、先ほど岡先生が指摘をいたしました佐渡の飛行場、あるいは明年おそらくは使用開始になるであろう、北海道でございますれば紋別の空港、あるいは旭川の空港等々ございます。こういう問題については、今日までの本委員会の質疑を十分踏まえて、再びこういうことのないようにしていただくことが当然でありますけれども、これに関連して、最近国内ローカル航空のあり方の問題について、やはり運輸省としては、この際抜本的にその政策を樹立して、施策に移す段階ではないか、こういう気が私はするのです。御承知のように、戦後、いま問題になっておりまする日米航空協定に基づく日本航空ができて、それぞれの歴史的経過はございますけれども、国内幹線の運営については、昭和三十四年以降にただいま私が冒頭に若干申し上げたような方向から種々議論されまして、当時の私は関係のあるものを見てまいりますれば、自由民主党の中にもその調査会がございましたし、それからわが党の、社会党の中にも運輸部会がございまして、それぞれ検討された資料等ございます。その資料等若干のニュアンスは違いますけれども、ローカル航空についてはこの際やはりきちんと政府が政策を立てて方向づけをして営業開始をさせなければならぬ、こういうことになって、おい立ちとしては、いまの全日空が設立認可をされ、例のたしか全日空が八丈で事故を起こした、それを契機に基盤強化をやるということで、いろいろ変遷はあったけれども、一貫してそういう方針が貫かれて今日に至ったと思うのであります。私は、その当時、こういう方向づけをして、運輸省が施策を踏まえて指導したということについては、適切であると思います。しかし、その後、昨年、一昨年来たびたびこの委員会で問題になっておりまするように、弱小の航空会社を認可したために、需給のバランスがとれずして、過当競争の段階に入ってきて、たいへんな混乱を生じてまいりました。これに対して、前運輸大臣のときからそういう問題が政府の問題となってきて、漸次この政府のてこ入れによってこうした弱小の航空会社を二社ないしは三社に合併、併合せしめて基盤強化をいたす、結果的には国民の負託にこたえる、しかも政府の経済計画の中にありまする地域格差是正のために、地域開発にも貢献させる、こういう大方針でやられてきて、それが、名前はあえていま申し上げませんけれども、二、三の会社が全日空に統合され、一つにはいまの国内航空会社に統合されて、大体大筋としてはいま日本航空を含めて三社が日本における航空業を営んでおる私は企業だと理解していいんじゃないかと思うのですね。ところが、御承知のように、日本航空そのものは特殊会社ですから、政府の出資もかなりございますから、これはこれとして、全日空については、先ほどの歴史的なものもあって歩んできた。しかし、現在の問題としては、国内航空等については、これは歴史的なものも浅いし、のみならずその認可されている路線そのものの経営基盤というものは非常に脆弱である、薄弱である。ですから、飛行機を飛ばしたならば直ちに採算ベースが赤字になる、こういうものが多い。これは私この席上でデータを申し上げませんけれども、これは歴然としていますね。わずかに独立採算制に伴う企業線があるのは、東京-大分、あるいは大阪-高松ですかね、ここらあたりが若干いま申し上げたような結果になるけれども、それ以外すべて赤字路線だ。そこで私は、この際は運輸省としてこういうものについて一体どうこれから指導したり育成をするのか、当初あえて私が運輸大臣にお伺いした意味はここにあるわけですけれども政府は整理統合、合併等々の方針を打ち出したときに、国際線を主として持つ日本航空は別として、今日まで幹線を持っておった日本航空のシエアというものを全日空ないしは国内航空にその部分を割愛をして、そうしてつまりこの経営基盤を強化しつつ、ローカルの航空開発をやり、経済的に見て地域格差を是正する、あるいは地域開発をやる、こういう大方針が一昨々年の秋ごろに本委員会でも明らかにされて、そういう方向に今日進んできたと思うのです。ですから、これを踏んまえた場合、現状一体どうなったかというと、そうなっていない。運輸省指導はそうなっていない。ですから、これは私が今日申し上げたような大きな問題だと思う。とりわけ国内航空は、御承知のように、ただ単に企業同士が集まって形成された株式会社ではない。御承知のように、市町村自治団体がかなりの出資をした特殊な会社になっております。ですから、こういうものが、かりにですね、いまの状態では、ぎりぎり結着まで私は経営の内容がきているのではないか、こう見ておりますが、今日の政府の経済施策の失敗から、毎月々々五百ないし六百の倒産会社が出ておりますけれども、不幸にしてそういう状態になった場合、政府が一体今日まで指導した責任の上でどうしようとしているのか。さもないとすれば、一体こういうものについてどう育成強化をして、政府が常に主張しております基盤強化をやりつつ地域格差を是正をして、そうして開発に貢献させるか、これをやはりもうちょっと具体性のある私は施策から出発して、行政ですから、施策というものを明らかにしてやらないと、これはたいへんなことになるような気がするので、せっかく大臣がおいでですから、大臣の抱負をこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
  46. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 日本の航空施策につきましては、いま吉田委員が言われたように私も感じておりますので、航空審議会を早急に整備強化いたしまして、これに諮問をいたしまして、大体の日本の航空行政のあり方等につきまして基本的な態度を確立して進めてまいりたい、かように考えております。
  47. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 基本的に申し述べられましたので、原則的には私の考えもそういう考えを持っておりますから、わが党の政策にやや一致しておりますから、私はそれでいいと思いますけれども、具体的にやはり日本航空はもうすでに、国際競争力の基盤を強化しなければならぬということで、年々歳々国が、ある意味においては私は補助政策だと思いますけれども、幾ら特殊会社だといっても、かなり国費を投資するわけですから、ですから助成の政策であり、やはり補助政策の私は一つだと見ている。ですから、それと並行して、全日空なりあるいは国内航空に対してもそういう措置をとらなければ、せっかく飛行場ができても、いわゆる需要がなければ飛行機が飛ばない。今度の三宅島とは質的には違いますけれども、松本の飛行場のように、たとえば先般開業した中標津の飛行場など私は視察してきましたけれども、一日に、運輸大臣、一人か二人ですよ、飛行機を利用する数は。そのときですね、国内航空に、飛行機をそこにぜひ、飛行場ができたから、あなた飛ばしなさいとあなたから言うてみても、何も国のそれに対する補償もなければ、それから補助もなければ、あるいは助成もないままでやれと言っても、これは話にならぬ。飛べないのです、企業ですから。そこですね、いろいろな問題が付随して出てくるわけですから、こういう点具体的に、私は前々から言っているように、少なくとも最近、特に飛行機が発展をしてきて、大型化してきている。ジェット化している。それから、たとえば、われわれが今度三宅島を視察したときに乗ってまいりましたYS11にしても、かなり近代性を装備しているわけです。ですから、そういうものを少なくともローカルの飛行幹線にこれから航空会社が使おうとすれば、当然今日までの乗員の再教育をしなければならぬ。あるいは古いものについては、一つの例をとってみますれば、ゲージを全部変えるとか、これは安全性の問題も含めて、そういう費用が膨大にかかるのですね。こういうもの等については、やはり具体的に、航空乗員の育成、訓練費については助成するとか、あるいはもっと積極的に既存の航空の諸設備については具体的に積極的に整理促進をするとか、こういうこと等があっていいと思うのですね。申し上げれば幾つもございます。ありますけれども、大体私がいま二つ程度申し上げましたが、こういう点を拾い上げてみて、ちょうど通常国会前に臨時国会がございますから、臨時国会はどうか、私はそこまで申し上げませんが、少なくとも通常国会を前に置いているきょうの委員会なので、しかも予算編成期でありますので、政府としては、法律上、そういうことから勘案してきめのこまかな、私はこの際方向としては、いま原則的に基本的に大臣が言われた方向を踏んまえて、こまかな私は施策を打ち出していただかなければならぬ段階じゃないか、こう思うので、この点は一体どう大臣はお考えになっておりますか。
  48. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 私も吉田委員と全く同様に感じておりますので、そういう観点に立って航空審議会にはかって早急に推進していきたい、かように考えております。
  49. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、大臣、具体的に言いますと、たとえばこれからここで審議される離島航路の問題、海の関係ですが、これは計画航路ですから、まだまだ不満足であるけれども、つまり離島航路については補助政策がとり行なわれておりますね。これはあとで話しますが、具体的にありますね、現実に。そこで私は、空の関係についても、それぞれ政府の経済政策を踏んまえて、現在できておりますつまりローカルの飛行場飛行機を飛ばすということについては、これは定期航路ですから、運輸省が認可したものについては計画航路と同等に私は見ていいと思うのですね。ですから、そういうものについては、オールマイティに見るというわけにはまいらぬかもしれぬけれども、少なくとも具体的にそういうものを種々検討して、やはりこの際おそまきながらも、私はやはりそういうものについては、補助政策なりあるいは助成の政策を、先ほど言ったように既存の設備を拡充するのと並行して考えていかなければならぬじゃないか、こう思うのですがね。そういう理解でいいですか。
  50. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 私は、やはり航空、航路等についても、総合的に調整、整備しますとして、どうしてもいま吉田委員が言われるように特殊の地域であって、これはもうどう考えてみてもそろばんに乗らぬというようなところであっても、必要度の高いところについては、やはり離島振興法の中の精神と同じような考え方に立ってできるだけの方法を考えなければならぬと、かように考えております。     ―――――――――――――
  51. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 離島航路に関する件について質疑を行ないます。
  52. 相澤重明

    ○相澤重明君 東京都の副知事参考人としてまことに御苦労ですが、これだけはやっぱりあなたの所管にもなりますから、暫時お聞きを願いたいと思います。  最初に運輸大臣、いまここに伊豆諸島の航路に関する陳情書というものが私どもの手元に来ているのですが、運輸大臣には、こういう伊豆諸島の島民が、航路が変更され、削減をされるということについてお聞きになっておりますか。  それから、東京都の参考人の副知事は、あなたのいわゆる東京都の都民の問題ですが、伊豆諸島の諸君がきょうから、この九月十日から在来の航路が大幅に削減をされて、いま空港の問題で、輸送の問題で前段は審議されたのですが、すでに現在あるこの交通の唯一のいわゆる航路が、大幅に船が削減をされる。こういうことは、これは一体何をいままでやっておったのかということを私は感ずるわけでございますが、これをひとつ御両者から、運輸大臣東京都の副知事と両方から、この伊豆諸島の問題について、あなた方はこれを聞いておるのかどうか。聞いておるとしたならば、この九月十日からの今日の苦しい事態を、島民の諸君の生活に最も大きな関係のある問題をどうあなた方はこれを打開をしていくかということについて、ひとつ御答弁をいただきたい。
  53. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  54. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記とって。
  55. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) いま相澤委員から発言がありました点につきましては、かねてから言っておりました、島民が不便を感じないようにあらゆる配慮をするように、検討するようにいたしております。ただ、会社が船が古くなっておるということと、それから採算が合わないというようなことが原因だと思いますので、そういう点につきましては、できるだけその方面の配慮をすべきである、こういう基本的な考え方に立って検討されておるような次第でございます。
  56. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) 八月の十四日に三宅島方面の航路を経営しております東海汽船から、就航船腹のうち一隻が非常に老朽化をしてまいった、こういうことから、この船を航路の就航からはずす、それに伴って航路の運航計画の変更について関東海運局に申請があり、私どもは、ただいま大臣から御答弁のありましたように、航路経営の面も考えなければなりませんけれども、やはり離島住民の唯一の足ということでございますので、この会社の航路の運航計画の変更につきましては、現在これを直ちに認可するということではなく、また、東京都からも当方に御意見がございまして、また、当然三宅島その他の島々の住民の方からの御意見もございますので、会社、東京都並びに地元というところとよく話し合いをして、納得のいく線でとりあえずの措置を講じたい、つまり、隻数の削減をできるだけ少なくするというふうにいたしたいということで、現在までのところ、まだその最終的な線が出ておりませんので、当方としては、この会社の運航計画の変更については、この会社の原案のままでは認可する意思はございません。  なお、基本的な問題といたしましては、ただいまの大臣の御答弁にありましたように、根本的に採算に乗らない離島航路でございますので、これは今日まで全国的に見ますと、昭和二十七年来、国としても航路の補助金――離島航路整備法に基づきまして補助金を交付しております。なお、地方庁におきましても、それぞれの立場から補助をいたしております。根本的に従来の補助のやり方では不十分ではないかということで、ことしの五月以来、海運造船合理化審議会の離島航路部会というものを設けまして、そこに基本的な方策について諮問をいたしました。最近その結論を得ておりますので、その結論に基づいて補助の増額及び新しい船舶の建造に対する助成ということを柱にいたしまして、新しい方策を、ただいま予算編成期でございますので、大蔵当局と折衝いたしておる次第でございます。
  57. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) ただいま伊豆諸島の航路の問題につきまして、いろいろ御質疑がございました。もちちん東京都としましては、これは管内の離島の町村の住民の生活につきまして、非常に重要でございますので、いろいろ運輸省の御当局とも御相談申し上げまして、この対策を講じた次第でございます。  お聞きのように、第一に、この会社におきましては、物理的に船が一隻古くなって使えなくなったということ、もう一つ、赤字でもって採算がとれないので、航路を削減したいというのであります。東京都としますと、従前とも運賃等につきましては、東京都内から島に参ります航路につきましては、貨物の運賃の値上がりを防ぐために、毎年八百七十万円の補助をいたしておるわけであります。会社としますと、この補助をもう少しふやしてもらえば航路をふやせるのだ、端的に申し上げれば、このようなお話でございます。物理的に船が減りますことにつきまして、東京都のほうでは、すぐに対策はできませんけれども、少なくとも、そのような見地から、航路を現在よりも落とさないように、でき得べくんば、かりに下田のほうの航路が物理的に不可能としますれば、穴埋めの一環といたしまして、東京と島の間の航路をふやすように、目下会社と折衝中でございます。  ただ、これにつきましては、相当のお金がかかりまして、会社に対しまして、補助の増額をいたしませんことには、会社としまして、この計画の変更を実施する意思もないようでございますので、これはやはり予算の問題もからみますので、その方面の手続を進めておりますので、いずれにいたしましても、正式の予算手続以前に、実情をよく御了解を願いまして、少なくとも、都内から島に向かいます航路につきましては、現在よりも改善していきたい、かような方針をもちまして、本日も午後からこの実現につきまして努力をいたすつもりでございます。  さしずめ、これがきまるまでの間につきましては、少なくとも、都内からこの島に参ります航路につきましては、暫定的にいたしましても、既定の計画をそのまま継続していくように、目下強い要請をいたしておりまして、たぶん、会社としても、これをのんでくれるものと、かように考えております。
  58. 相澤重明

    ○相澤重明君 それで、東京都の参考人の副知事は、話がつくまでは現在の運航しておるものを減らさないようにひとつ要望するということをきょうの午後お話しになるということですね。局長は、関東海運局においてこの事態を処理をする、できるだけ減らさないようにしていきたいと、こういう話なんだけれども、あなたは具体性がない、東京知事はいまのをそのままやっていく、あなたはただできるだけ減らさぬようにする、こういうことなんだけれども大臣がおるから、私は、あなたのほうの運輸省の年次報告で、こういう離島航路に対するところの助成、あるいは公団が、いわゆる三十八年の二月の「ときわ丸」の沈没事故を契機に、当委員会でも何回かこの問題を審議をして、そうして離島航路に対するところの助成策、並びに不採算線のいわゆる代替建造、改造、こういうものに対する予算というものをつけているのですよ。公団にこれをやらせることになっておる。それをいまになって、「藤丸」が老朽になったからこれは就航ができないからと言っておるようでありますが、国会においてこういうことをやって、しかも、あなたのほうで、これは私どもに報告を出しておる。これは一体どういうふうにやっておったか、こういうことを見ると、私は、運輸省が少し離島航路の問題について頭を突っ込むのが足りないのじゃないか、もっと真剣にこの離島の住民のことを考えてやらないと、もう、すぐ問題が提起されてからその場でやはり苦しむようなことになってしまうのじゃないかと思うのです。こういう点で、公団が三十九年度にも九億円を増額をして旅客船建造、いわゆる建改造を行なう、しかも、それによって事業者が負担するのは三〇%で足りるわけです。あとは国の助成金でいい、公団がやってもいいということなんですが、   〔委員長退席理事金丸冨夫着席〕 そういうことを言えば、日比野参考人は、会社ができるだけ助成してもらえばと言うのですけれども、たいした自己資金というものは負担しなくても、そういうことができることになっておる、そういう報告をしていながら、一体なぜいままでやってなかったのか。こういうことが私はやはり非常に問題になると思う。そこでですね、これは大臣は就任後まだ日が浅いけれども、しかし、少なくとも、各局長にそういういろいろな問題についてはお尋ねになっておるだろうと思うし、幸い、きょうは局長も出ておりますから、こういう老朽船を代替建造する場合の公団のあり方、公団に対するところの資金の増額、こういうものをわれわれきめておるのでありますから、そういう点について、なぜ「藤丸」がそういうもう就航ができないのだ、こういうようなところまで追い込まれなければいけなかったのか、あるいは、そういうことは会社はなかったのか、政府としてそういう申請が会社側からあったのかどうか。こういう点もあわせてひとつ御答弁をいただきたい。私は、このことはきわめて緊急性の問題だと思う。いま飛行機がないですから。三宅島はさっき言ったように、航空機は使えない。結局、船による以外は輸送というものはない。島民というものは、ただいま大ぜいの傍聴者が来ておりますが、これは日比野知事の、あなたの所管のところなんですがね。これだけ島民が苦しんでおるものを、しかも、国家としては予算もたくさんつけて、しかも、助成もすることができるようになって代替建造をやれと、こう言っているのです。それをなぜやっておらないかということ対しては非常に問題だと思う。大臣がもし何だったら、ひとつ局長のほうからも答弁を願って責任所在を明らかにしていってもらいたい。
  59. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) この方面の航路に東海汽船の就航させる船舶のうち、今般、「藤丸」のかわりにこの航路に特に配船をいたします「あじさい丸」という船を予定をしております。この船は公団の共有でできた船でございます。  なお、「藤丸」の代船建造につきましては、現在、離島航路の全般の問題にも関連をいたしますが、船舶公団の七割の共有だけではなお採算的に不十分であるというふうに考えられる次第でございます。で、会社側といたしましても、現在の七割程度の共有では採算に乗らないというふうにも言っております。これはその後の、代替建造したあとの航路補助によりましてそれがまかなえる、こういうことでございます。したがいまして、その航路補助の増額という点につきまして、ただいま東京都のほうから近く増額の方向で御検討になっておるということでございますので、それに基づいて代船の建造も進め得るのではないかというふうに考えております。
  60. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっと大臣に聞きたいのですが、具体的に減る問題の中で、いま一覧表を見るというと、下田-三宅の航路が全面休止になる。しかもいままでそこに使っていた「あじさい丸」を東京三宅-大島、三宅のほうに使うと、こういうことですね。これはずいぶん片手落ちで、いままで使っていた船を取り上げて片っ方へ持っていっちゃって、片方は全部だめだ。われわれが聞くところによるというと、下田-三宅航路は、特に島民の需要として野菜が非常に不足する、そういうものを含めて、下田航路というものはかなり重要なんだということを言っておりましたが、もう島民の生活状況全体から見て、いままでかなり往復していた航路を全面廃止ということは、これは非常に問題があると思う。そういう点で総体的に、いま亀山さんのほうから言われたように、できるだけ削減を減らすということに努力すると言っておりますが、島民の生活基盤といいますか、生活条件から見て、一律一体に、とにかく三宅-下田航路は切っちゃうのだということでは、これはうまくないんではないかというふうに考えるわけですが、この点について、各会社とも、いま合理化という問題で非常に苦しんでおるわけですが、補助をする場合に、大臣にお伺いしたいのですが、こういうふうないわゆる船をつくる代替建造の場合における公団の出資という問題は別にして、東海汽船そのものが、全体の経営がどうなっておるのか、そういう問題が一つあると思うのですが、この点について、離島振興の中におけるいままでかなり往復していたこういうふうな下田-三宅航路が全面的に閉鎖になるということについて、これは非常に影響が大きいと思うので、総合的に、つまり会社の合理化とか経費の問題で赤字を防ぐためにやるにしても、バランスというものがあると思うのです。われわれが聞くところによると、大島航路については、元町ですか、あそこの大火があって、観光客がかなり年間において減ってきておるというような面の減収ということも響いてきておるということを聞いておりますが、いま言ったような点について、大臣として、いまそういう具体的な内容の当面の実情というものを聞いておるのかどうか。とにかく総体的に、東京都のほうとしては、東京三宅島間における航路については積極的にある程度確保すると言っておるが、下田-三宅になると、下田というのは東京都ではないから、これはそうすると静岡の領域だから、こういう点について東京都のほうを、ひざもとだから積極的にどうこうするということについての話し合いはうまく進捗するかもしれない。しかし、どうも下田ということになると、そういう影響力が少ないのでばっさり切ったという印象を持つわけですよ。そうでないと、全面的に休止になるということはちょっとおかしいのですが、そういう面について政治的に考えて、東京から三宅島ばかりでなくて、従来の下田-三宅についても十分事情を聴取して、全面閉鎖ということにならぬように特段の手段を講じてもらいたいと思う。この点について大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  61. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 離島との間の航路の問題につきましては、これはここだけではないという事情だと思いますので、私はやはりこの東海汽船の問題等を考えましても、新しい船をつくってやってもその間は採算はとれないと、こういうことだと思うのです。しかし、東海汽船が他の面ともいろいろやっておる面とプールをしてやれば何とかなるんじゃないかということで、私は今日まで押してきておるのですが、やはり会社というような民営にやらせますと、いつまでも永久的に赤字になるところをただやれやれと言ってもこれは多少無理だと思いますので、そういう点に対しては、やはり何らかの援助の措置を考えて、そして島民の足が――足がよくなっていくというならわかりますが、悪くなっていくという方向にはいかないように万全の措置を考えたいと、かように考えます。
  62. 江藤智

    ○江藤智君 大臣にこの問題について一言私申し上げたいと思うのですが、三宅島に参りましていろいろ陳情を聞きましたときには、この九月から航路回数が減って九航路になるということでございますね。離島航路につきましては、先ほど来のお話のように、いろいろ苦しい面がございますし、会社も苦しいでしょうし、その面も考えられますけれども、とにかく、あまりにも削減の度合いがひど過ぎると思うのですね。でございますから、その影響というものを考えますと、とにかく船が一隻間に合わないとかいうようなことではなくて――という理由にしては少しひど過ぎる、会社の経営という面を考えても少しひど過ぎるんじゃないか。こういう特別な事柄はやはりそういう気持ちで御指導になっていただきたい。そうしませんと、地域住民といいますか、島民の方々に対する影響は非常にひどいじゃないか。私も実は意外な感を受けてまいったわけであります。離島航路そのものにつきましては、なるほど各航路別の助成ということを考えるということが抜本的なことだと思いますけれども、今度の場合は少し程度がひどいと思うものでありますから、そういう点を十分にひとつ御認識くださいまして、今後の措置を講じていただきたい。これは時間の都合で、私、要望いたしておきます。
  63. 岩間正男

    ○岩間正男君 関連。運輸大臣退席される前にお聞きしたいのですが、総合運輸交通政策という面から、この問題を一体検討したのかどうか。それから、さっき空港の問題が出たわけですが、これは国家から三億の補助があったわけです。ところが、最近は国家の海運に対する補助は全然なくなっているでしょう、島に対しては。そうして東京都が八百七十万でまかなっている、こういうかっこうになっているわけです。そうすると、飛行場つくるのも必要です。しかし、これは全く生命線でしょう、全くこれは道路なんだ、海の道路なんだ。東京はなるほど高速道路がつくられて、そうして一メートル十万円くらいかかる道路をつくっています。オリンピックでこのために一兆以上の金をつぎ込んでいる。しかし、一体この島に対してはどうなんです。一文の補助もやらない。そうしてわずかに東京都にまかなわせている。そうして五、六年たつと、それを廃止してしまう。二十三往復を今度は九往復に減らす。こういうことでは明治時代に戻るじゃないですか。こういう事態に対して、一体どうなんだ。  私はお聞きしたいのだが、離島振興法の第一条にはこう書いてある。「この法律は、本土より隔絶せる離島の特殊事情よりくる後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する対策を樹立」する、こういうふうに書いてあるわけです。そうすると、後進性を除去するどころか、後進性に戻すのだ、明治時代に戻るのです。そうすると、根本的に東京の足もとで起こっているこういう重大な問題に対して、総合的な運輸交通政策というものが全然立ってないのじゃないか。これは佐藤内閣の政策の重大なミスになる、欠点になるのです。そうして、島民の生活の重大な問題に関係してくるわけです。産業の輸送がとだえるのですから、産業がだめになる、観光の問題もあるだろうし、文化の交流の問題もある。ことに民生の問題、民生の問題でどうするのか。これは医療の問題なんかで、医者にかかれないという事態が起こっている。急病の場合はどうしても飛行機のなになんかもやらなくちゃならないだろうし、この点については、これは何か自衛隊がいままでヘリコプターで運んだ、八十何回運んだというようなことも聞いているけれども、しかし、こういう問題はもっと全面的に押し出すような形で検討することは当然だ、当然の要求である。それなのに、さっきの海運局長のあれは、できるだけ減らさないようにする、そんなばかげた消極的な態度では話にならぬ。これは相澤委員もさっき指摘されたように、交通運輸総合対策として、この離島の振興法とも関連して、はっきり一体この船の問題どうするのか。むしろ、これを拡大して、もっと大きくするというのが当然でしょう。そうして、ぼろ船の建造についても、国家が十分見てやる。すでにいままでだって見ていたわけですから、昭和三十年あたりには五百二万、三十一年が三百四十七万、三十二年はゼロ、三十三年は百六十四万、三十四年は八十二万、ところが三十五年は、これ以後は全部これを切っている。これは一体どういうわけなんです。東京都だけにまかして、そうすれば、こういうじり貧の状態も当然起こってくると思うのです。そうすると、やはり国家的な見地に立ってこの問題を検討することが当然です。したがって、これに対する総合的な交通運輸政策をどう考えるかという点、一言、退席の前に伺っておきたい。
  64. 中村寅太

    ○国務大臣中村寅太君) 大体離島航路につきましては、離島航路整備法でいろいろ援助しておるのですが、この会社は、会社全体の経営が黒字でございますので、そういう点の補助がやられなかったのではないかと思いますが、今度こういうことの問題が起こってきますと、私が先ほど言いましたように、その航路がいつまでたっても赤字になるというような特殊事情のところにつきましては、会社全体がたとえ黒であっても、その黒のほうをいつもここに回すということはやはり一つの限界がありはせぬかと考えますので、今後もこういうことも考慮の中に入れまして、できるだけ離島島民の方に迷惑のかからぬようにひとつ進めてまいりたいと思います。
  65. 浅井亨

    浅井亨君 離島振興法に基づいてああいう飛行場もできたわけですが、いまこの航路の問題ですが、非常に削減しておるところが多い。離島振興というのは産業の振興ということになるのですが、片方では飛行場をつくった、片方では航路をなくしてしまった、こういうことになったのでは、手を取って足をつけた、足をつけて手を取った、こういうことになりまして、島民というのはたいへんだと思うのですよ。こういう面で、いわゆる東海汽船自体の赤字とかなんとか言っておりますが、そういうことの内容はどういうふうになっておるのか、これも一ぺん明らかにしていただきたいと思うのです。いわゆる国家としてこういう問題は総合的に、ほんとうに離島振興なら離島振興らしく産業の面も航路の面も全部考え合わせたものを、ひとつ説明していただきたいと、こう思うのです。時間がなければ、この次でもけっこうですけれども、この点を総合的に話をしていただきませんと、どうも納得できないような気がするのですが、お願いしておきます。
  66. 岡三郎

    岡三郎君 東京都に伺いますが、具体的にいって、十日から実施するということですが、暫時これを猶予してもらいたいということで、待てということで、運輸省のほうでも待たしておるのです。具体的に東京都自体としてはいままで八百七十万ですか、補助を出しておる。実質的に赤字路線、そういう点について東京都自体の財政もかなり苦しいというところはわかりますが、東京都としてはこの点どういうふうに積極的にやっていくつもりですか。つまり、会社の経理実態を見て東京三宅島航路、こういう点については積極的に金を出すのかどうか。  それからもう一点、これは下田のほうは東京都は関係がないのですが、こういう点について総合的に貨物に補助金を出したということになるのですが、こういう点について海運局のほうとして、下田航路というものは要るのか要らないのか。静岡県というものについては、これはどういうふうにものを考えておるのか。この点について具体的にまず東京都のほうから、八百七十万の補助金というものは必ずしも現時点においてはそれほどたいした補助金でない。もう少し詳細に調査して、これを具体的に減らないようにするために補助金というものをふやす方法を考えるのかどうか、貨物の問題になってくると思いますが、その点をお聞きしたいと思います。
  67. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) 将来恒久策は別といたしまして、当面、先ほど申し上げたとおり、少なくとも、かりに下田のほうを削減されますと、本土との間の航路はやはり数をふやさなければならない。また、そのためには、会社のほうの事情を考えますと、船がない。ただ現在ある船をさらに効率よく使う。それには、やはり新しい乗り組み員を増員いたしまして、フルに使う以外にない、こういう話でございます。そういうような積算から、おいおいに、会社のほうのそれに要する経費を伺いまして、新しい航路、たとえば三宅の航路を一航路ふやすには、どのくらいの乗り組み員を増員いたしまして、どのくらい経費がかかるか計算いたしまして、それに基づいて必要な額を出して会社のほうに協議したいというふうに考えておる次第でございます。  八百七十万という数字につきましては、これは仰せのとおり、十年間据え置きになっております。物価等を考えますと、あるいは妥当でないかもしれませんが、この点につきましても、さらに合理的な基礎に基づきまして検討したいと考えております。
  68. 岡三郎

    岡三郎君 それとあわせて、いまの補助金の再検討をしてもらうことは当然として、実際に調査してみるというと、港の整備というか、かなり島相応にされてきていると思いますけれども、もう一歩積極的にやるというと、いまの三宅港がいま工事中でありますが、あそこがもう少し完成して、そうして、ほかの港のほうの波止場の延長ですか、そういうものがなされるというと、横づけにされるという話を聞いたわけですが、西の風が強く吹く場合において、どうしても港のいろいろ多角的な利用ということになると思うのですが、もう一歩進めて、いまの汽船が沖にとまって、はしけで来るというふうなやり方について、どういうロスがあるか、やっぱり横づけにしてくれば、かなり島民もいいし、船会社としてもやりいいのではないか。そういう面において積極的に別の意味における投資といいますか、設備に対する補助とか、そういうものについて、もう一段お考え願いたいと思うのですが、東京都自体についてその点はどうですか。
  69. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) ただいまお話しの離島航路の港の整備でございますけれども、これも実は運輸省当局の格別の御配慮によりまして、いわゆる離島振興法の事業といたしまして非常に高額の、高率の補助をいただきまして、ずっと前からやっておるのでございますが、ただ、島の事情から申しまして、重点的に見てやるものだけでなく、全般的にやっぱりやらなければなりませんので、投資額はどうしても年間そう大きな額になりませんので、非常におくれておりますけれども、大体最近におきましては、各港ともいろいろと振興に近づくような状態になりましたので、お話しのとおり、数年じゅうに大体大きな島については接岸できるような設備が完成される見込みでございますので、御了承願いたいと思います。
  70. 岩間正男

    ○岩間正男君 東京都に伺いますが、東京都で東海汽船に補助を出しておりますが、したがって、それに対していろいろ業務内容についても、ある程度これは立ち入る権利を持っているのだ――報告を受けているのでしょう。その点から、東京都からでけっこうですからお聞きしたい。  第一に、年間の実績はどうなのか、つまり輸送量ですね。乗客の数は幾ら、それから、いろいろな貨物ですね、産物ですね、そういうものの数量は一体幾らか。そうして、これをかりに金額にすればどうなるのか、これをまずひとつ教えていただきたい。これは資料がなければ、あとで資料を出してもらいたい。  それから、その次に運賃の問題です。今度のたとえば三宅島の例、八丈その他になりますけれども、これは飛行機の場合はどのぐらいになるのです。それから現在の船の運賃は幾らなんです。そういう問題、そうしてまた、飛行場開設すれば、輸送量はどのぐらいに見込んでいるのか。これは航空局おいでになりませんが、あとで数字として出していただきたい。総合的にこの問題を検討しないと、ほんとうにいつでも片びっこになっているわけだな。そして、まことにがたぴししているわけです。離島振興なんて、きれいなことをうたっていても、内容はさっきのように、すでにうまくないことが起こっている。しかも、飛行機をどのぐらいの人がいまの経済状態の中で利用できるのかどうか、これは非常に何だか一つのアクセサリーにはなっているけれども、一方では生活がこわされている、実際こわされている、こういうかっこうです。明治的に追い込まれている。こういうばかげたことは許されないので、国会の論議の中では非常に重大な問題です。この点から根本的に当面の問題を片づけながら、同時にこの問題をやっぱり解決していくということが、ことに東京の一環としては重要なんですね。その点を伺いたい。
  71. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) 御指摘のこまかい資料につきましては、持参いたしておりませんので、あとで文書をもちまして御報告申し上げたいと思います。  それから補助金につきましては、これは実は先ほど運輸省のほうからお話がございましたとおり、貨物の運賃に対しますものを対象といたしまして補助いたしたのでありますが、会社全体としますと、伊豆七島でございますと、たとえば大島航路とか八丈航路のごとく黒字を出している航路もございます。これは船客がおもでございます。そういうこともございまして、都としては八百七十万円という数字、これを急にふやす必要はないということで押えてまいったわけでございまして、実は物価にスライドした数字ではございません。ただいまお話しの補助金を交付するにつきましては、もちろん会社から詳細な資料をとりまして計算を出しておるわけでございますが、ただいま手元にございます資料によりますると、補助対象になります貨物部面の収支につきましては、会社の報告によりますと、昭和三十九年度で申し上げますと、欠損が千百六万二千円ということになっております。これに対しまして八百七十万円の補助をしているという形になっております。その前年度につきましては、千五百三十九万七千円の欠損でございます。かような数字になっておりまして、いずれも欠損には相違ございませんが、年によりましてだいぶ異同がございますので、これは固定した補助率を算定いたしますことは非常に困難かと存じますけれども、今後、お話しのとおり、合理的な算出の基礎を見つけまして、適正な補助をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  72. 相澤重明

    ○相澤重明君 副知事さんがお帰りになるので、先ほどの答弁で私も、当面の対策はやっていただけるようですから、すぐお帰りいただいて、これだけの大きな問題を早く処理のできるように希望しておきます。  それから、あまり政府に遠慮する必要がないんですよ、東京都は。自分の管下の問題ですから。御承知のように、九州の天草は橋を島にずっとみんなかけたのですから、そのくらいのことをみんなやっているのですから、東京都が政府に遠慮する必要はない。離島振興はどういうふうにやるかという根本的な問題を、この際、当面の問題を処理していただくと同時に、恒久的対策を考えていただきたい。そういうことをいずれお尋ねしたいと思いますが、そういう意味で、お帰りになっていだいて……。
  73. 岩間正男

    ○岩間正男君 お帰りになる前にちょっと。経営権に対してどれだけ、補助金を出していればタッチできるのか。したがって、損失の計算を報告しているわけだが、これについては、どういう監査をやっているのか。あなたたちこれを了承するのか。三十九年度を見ますと、東京-八丈航路、東京三宅、それから神津島-下田-三宅、大島-三宅、全部で五千八百七十四万の欠損を報告していますね。しかし、これはこのまま承認するんですか。これはどうなんです。経理については、あなたたちだれか監査をやるのかどうか、補助金出していて。
  74. 日比野七郎

    参考人日比野七郎君) ちょっと私、お持ちの資料と合いませんのでわかりませんけれども、一般的に自治法によりまして補助金を交付します場合には、それに対して当然監査権があるわけでございます。ただ、会社全般についての経理についての監査権は疑問でございまして、補助の対象になる事業と私ども解釈いたしておりますが、そういう面に限りまして私ども厳密に計算をいたしましてやっております。
  75. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) ほかに御質疑がなければ、参考人にお帰り願いたいと思いますが、委員の方、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) それでは、参考人の方、長時間御苦労でございました。ありがとうございました。  海運局のほうに質疑がございますか。なければ次に移りたいのですが。
  77. 岡三郎

    岡三郎君 具体的に「藤丸」が休航するということになって、公団による代替建造とかいろんな問題があるけれども、やはり船がなければ、就航せいと言ってみてもなかなかできないことだと思うのですが、具体的にどういうふうに指導する方針ですか、指導方針を聞きたいのです。観念的でなくて具体的に。
  78. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) この会社は船を現在十一ぱい持っております。そして多数の航路を経営しておりますので、そのうちで今回、船は一ぱい減ることによる影響を少なからしめるということで、最も能率的な運営をさせていく。たいへん抽象的な答弁でございますけれども、非常に複雑な航路の構成になっておりますので、それ以上ちょっと具体的に申し上げられませんが、現在問題になっております下田-三宅の航路は、昭和三十七年に伊豆急行鉄道が下田まで開通したときに相当増便をいたしましたのでございます。それが思ったように収益をあげないということでなかなか新造船ができないということで今日に立ち至ったわけでございますので、ただいま東京都のほうからもお話がございましたように、三宅島といたしまして、一体下田航路というものと東京へ行く航路あるいは三宅から大島へ行く航路、こういった航路といずれが緊要性が高いか、すでに一ぱい老朽化いたしまして、これが継続使用が非常に困難な状況になっているという当面の事情につきましては、これらの航路のうち、三宅島の経済あるいは住民の動きから見て最も必要な、最も緊要な点はどこであるかということによって、やはりきめるよりしかたがないというふうに私は考えております。  そこで、もう一つは、東京都のほうで東京都と三宅を結ぶことだけをお考えになっているようでございますが、私どもは、これは東京都としても、東京都の住民でございますので、やはり三宅島の住民が下田へ行く必要性、また、現在どの程度三宅島の方たちが下田へ行くかというぎりぎりのところを調べまして、この航路をどうするかということを考えていきたい、こういうことで、いま関東海運局にそういう線で東京都とも話し合い、会社とも話し合うというふうに指示をいたしておる次第でございます。
  79. 岩間正男

    ○岩間正男君 いつまでですか。当分の間延長するということですが、いつまで保証があるのか。きょうから欠航になっておるのでしょう。それを当分の間延長する、当分の間というのがはっきりしないが、当分の間とこっちではそんなこと言ったって、実際いま現地にいる局民の方たちはたいへんなことだと思う。当分の間なんて不安定きわまりない。これについてやはりももっと具体的な対策を出さなければ非常に不親切です。どうです、その点。
  80. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) 先ほど東京都のほうから御答弁ございましたように、東京都として会社側のぎりぎり決着のところの補助金額というものをしぼって、きょうにもそのことについて最終的に会社側と話し合うという態勢だと伺っておりますし、私どもはそういう線で東京都並びに会社側と海運局側と三者で話をしております。この話の決着は早急に煮詰めてもらいたい、いま言ったように、ぎりぎりの線でございますから、遠い将来の方策のことを急に論議しても始まりません。それはそれとして、私どもは基本的な方針を考えたいと思っております。そこで、早急にそれを決定すれば、三者の間の話し合いのついたところで航路の変更を認可する。この認可があるまでは航路の変更はできないわけでございますから、そういう線でいま進めておりますが、ぎりぎりのところ、ここ数日間のことだというふうに考えております。
  81. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、それに対する対策がなくて、それでぎりぎりのところと言っても、その先にいって不能におちいる、こういうこともあり得るということですか。そういう前提ではたいへんなことだと思うのです。どうなんですか、そこのところをもっと具体的に積極的にやらなければこれは施策になりません。どうなんですか。そういう方針、趣旨で臨んだのですか。つまり、本年度なら本年度延ばす、その間に代替船の問題とか、ここでなにしてみたって……。どうなんです、少なくとも、そういう目途で交渉に当たるという方法でなければしようがないじゃないか。こんな形が――ここの一時のがれじゃ話にならぬ。
  82. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) 先ほど恒久的な方策については、離島航路全般の問題について、離島航路全体を一体どうするかということで、四十年度の国の補助金は七千三百万円、これが全国の四十近くの離島航路に配分されております。離島航路の補助金を増額することが来年度の予算編成の問題にからんでおります。船舶建造の場合に、現在は公団の共有する七割でございます。これを八割あるいは九割、その航路の事情によっては引き上げていく、これも財政投融資の予算、そういう線で大蔵省と現在折衝を始めておる段階でございます。これが決着いたしますれば、予算に基づく新しい補助のやり方、これも実は先ほど申し上げましたように、海運造船合理化審議会の離島航路部会、これは離島航路の代表の方々も入った結果、一つの結論を運輸大臣に答申しております。これに基づいて、いま予算上の問題、あるいは法律上の問題について折衝をいたしております。私どもは、こういうところの航路が採算上の理由によって減っていくということは絶対避けなければならない。あるいは現在ある航路でも、月に一回程度とか、あるいは船舶が小型のために定期であっても欠航するというところは大きい船にしていく、そういうことをそれぞれの航路について計画を立てる。これは長期的な見通しとその年度の計画というふうな二通りの計画を立てさせて、それについて都道府県知事計画作成段階において十分意見を反映させ、さらに、それを中央において運輸大臣がこの計画を承認する、承認した以上は、その計画どおりに行なって生ずる赤字はこれを補てんする、大ざっぱにいってそういう方式で補助のやり方を全面的に変えていきたいというふうに考えております。これが抜本的な将来の方策でございますので、これによって、当面問題になっております三宅の航路につきましても、そういう方策の線に沿って考えていくというふうに考えております。
  83. 岩間正男

    ○岩間正男君 恒久対策は、これは今後大いに論議しましょう。お尋ねしているのはいまの問題です。ぎりぎりのところのその間のブランク問題をどうするか、この問題がはっきり答えられなければ答弁にならないですよ、その点を聞いている。五日の間に答えを出すんですね。これは出してもらわなければ……。いま言ったような、船をどうするか、具体的にそこのところを埋める、そこのところをはっきりしておきたい。それを念を押しておきたい。そういう方法を考えて進めて、ちゃんと現在の措置、それから恒久策、当面の措置と、この二つを明確にする必要がある、この点いかがですか。
  84. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) 当面の措置につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、現在東京都と東海汽船と話し合って、そして、ぎりぎりの線を出して、それによって関東海運局で納得のいく線で認可をする。これを数日中にきめなければならないということで督励をいたしております。
  85. 相澤重明

    ○相澤重明君 四十六国会で、同僚の岡委員吉田委員と一緒に、小型船海運業法及び小型船海運組合法の一部を改正する法律案の審議の際、いわゆる木造船等の問題について、われわれがずいぶん長くかかって審議をしたのでありますが、その結果はどうなったのですか。それから現状の木造船の業者は、一体仕事があるのかないのか、それから海造審についてどういう方針で答申がなされたのか。これは八月中に答申がなされるように言われておったのでありますが、どういうふうになったか。登録制の問題についてはどうなっているのですか。これは私どもが、当時のこれは会議録ですが、当時の会議録で高林参事官もいろいろ答弁する、局長も答弁しているのですが、具体的にどうなっているのかということは、私はこれは非常に大きな問題だと思う。簡単に御答弁いただいて、あとはそういうものをひとつ資料を作成して報告してもらえば私はいいと思う。いずれ、次の機会に十分この問題は究明したいと私は思う。  いま私どもが聞いている話では、全国の木造船業者は、もう仕事がないそうじゃないですか、船台ががらあきだと言っていますね。それでは、あなたたちがこういう国会答弁している問題をまるきり逆じゃないですか。私はこの点、この内航二法に関係をしてあれだけ――金丸委員もずっと全部出ていますよ。これを一体だれが責任負うのか。具体的に、私は時間がないからそういうふうに簡単に申し上げたのですが、現状を報告してもらって、そして海造審の答申というものもどういうふうになったか、現在の木造船業者の実態はどうなのか、それから登録制についてはどうするのか、こういうような問題についてひとつ御答弁いただいて、あとは資料をひとつつくって出してください。それだけです。
  86. 高林康一

    説明員(高林康一君) お答えいたします。  内航二法の実施状況でございます。内航二法におきまして、まず大きい眼目に立ちましたのは、適正船腹の策定と、それから最高限度量を設定するかどうかという、こういう問題でございます。この点につきましては、昨年十二月に適正船腹量を昭和三十九年度を初年度といたしますところの五カ年間につきまして設定いたしました。それと同時に、現有船腹量と対照いたしまして、非常に過剰の状況でございますので、最高限度量というものを設定いたしました次第であります。その最高限度量を設定いたしましたのは、昨年十二月二十四日でございます。その後、国会の御決議もございまして、私どもといたしましても、最高限度を設定いたします場合に、十分造船事業というものを勘案して実施していく必要がある。したがって、そういう観点から、代替建造は全面的にこれを認めていく。また、特殊の新規需要が必要なものについてもこれを認めていくという方針で進んでおります。ただいま、六月末までにそれぞれ建造申請がありましたものの集計では、鋼船、木船合わせまして約十四万トンが六月末までにわれわれとして建造を適当であるというふうに見たものでございます。大体この十四万トン程度工事量というものは、いまのところの船台の状況から見まして、ほぼ十月ぐらいまでのものはあると考えられます。その後の認可申請につきましても、逐次これをそれぞれ関係者の意見を聞きながら処理をしておるという状況でございます。  なお、内航二法におきましては、適正船腹量は毎年度策定することになっています。この適正船腹量は、先ほど申しましたように、三十九年度を初年度といたしますところの適正船腹量は、昨年末にきめたわけでございますが、四十年度を初年度といたします五カ年の適正船腹量につきましては、ただいま海運造船合理化審議会の内航部会におきまして、いろいろ検討を進めております。そこにおきまして小委員会を設け、大体本年度を初年度といたしますところの、五カ年間の適正船腹量については、これを大体決定しておりまして、近く内航部会を開き、これをはかりたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、詳細な数字につきましては、また後ほど資料として提出させていただきます。
  87. 相澤重明

    ○相澤重明君 資料を提出していただくということでありますからけっこうでありますが、あなたのほうで運輸経済年次報告を私どもの手元に出して、この中を私ずっと全部読んでみた。それから参議院の運輸委員会で、あの法律制定の際に非常に議論をして、実は私ども社会党としては、ああいうような法律だったらつぶしちゃおうかというところまでいったわけです。けれども、与党の皆さんともお話し合いをし、また、政府の意向も聞いて、とにかく条件をつけて、いわゆる附帯決議をつけてやったんですよ。附帯決議はどうなったんです。その結果は尊重されているんですか。そういうことも、現実に私は全国の木船業者が船台ががらあきになるような、実際に食うや食わずのような状態に追い込まれるということは、法律の結果としては、まことによくない。これはもっと前向きの姿勢で法律ができたはずなんです。しかも、われわれ運輸委員会としては、そういう問題についていろいろな角度から心配をして、そういうことのないようにということで、しかも、附帯決議までつけてやった。そういうことを実際に政府当局が守っていないということになると、これはたいへんな私は問題だと思う。そういう点で資料を御提出をいただくわけでございますが、最後に、附帯決議はどう処理をされたのか。附帯決議はあれは附帯決議だからということでもしなおざりにされるならば、これは国会を尊重しないということになるから、したがって、私どもとしては非常な問題が提起されると思うのです。  それからいま一つは、海造審等に対して船舶局にはかなり出席の要請等もあったようであるが、実際に具体的な説明をしたのかどうか、そういうようなこともどうも議論になるわけでございますが、きょうは時間がないので私はこれで終わりますけれども、いま少し、この法律をきめるときに私どもが審議をしたその内容というものが尊重されないと、役人がいや法律さえ通ってしまえばあとはどうでもいいという、こういうことでは許されないと私は思う。そういう点で、附帯決議の問題についてひとつ御答弁を願っておきたい。それで終わります、資料を出してもらうことで。
  88. 高林康一

    説明員(高林康一君) 内航二法に関しますところの附帯決議につきましては、これは最高限度が設定されました場合に一番問題になるわけでございます。これにつきましては、私どもといたしましては、内航二法に対するところの附帯決議を尊重するということについて、当時最高限度を設定いたします場合、その考え方によりまして特殊需要というようなものは当然これは必要である。また、代替建造というものは、船腹の増加を来たしません関係上、これも当然適当であろうというような観点から、最高限度を設定いたしました場合におきましても、それをそれぞれの所要の姿というものを見ながら、これを、先ほど申しましたように、大体自己資金船におきまして約十四万トン、そのほかに公団船といたしまして約四万六千トン、合わせまして十八万トン程度、総量といたしましては大体従来のそれぞれの造船所の総量というものに近いようなものが出ておるかと思います。ただ問題は、今後、昨年の末から今年にかけまして、たとえば石炭が非常に減産になっておる、あるいは鉄鋼の操短というような関係がございまして、非常に内航海運に対するところの需要が激減しております。そういうような関係で、船舶建造というものに対するところの需要というようなことがまた相対的に非常に減少しております。そういうような観点から、今後やはり造船工事量というようなものに相当大きな影響を及ぼすであろうということは、今後としては十分見通される点でございます。これらの点については、私ども十分問題点はあるということは存じておりますが、船舶局長ともよくその点をいろいろ御相談しておりますし、また、今後さらにそういうような内航海運及び中小造船所というようなものを一体的にどのように考えていくかということについて、さらに詰めて検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  89. 芥川輝孝

    説明員(芥川輝孝君) 三十九年六月二十五日の参議院運輸委員会の附帯御決議第一項は、ただいま海運局のほうから御説明申し上げたとおりでございます。  第二項は私どもの担当でございます。これは木船造船所の設備合理化についてでございますが、本年度予算、中小金融公庫で二億すでに確保済みでございます。それで中小企業近代化促進法によります近代化計画、この十月に大体きめる見通しを持っております。これは近代化促進法による審議会にかけまして、そして二億を使っていく目安を立てるわけでございます。これはすでに金も確保しておりますし、それから計画も、ただいま申し上げたようなことで進んでおりますので、第二項に対しまする御説明は、現状報告、その程度でございます。  第三項につきましては、内航小型船舶の安全性確保の問題でございまして、これは造船技術審議会の中に安全部会を設けまして、さらに内航船だけを対象といたしまして、満載喫水線を小型内航船にどう適用していくかという技術研究につきましては、数回以上会議を開きまして、もう来年度は実船実験を主としたようなことをやってまいりたいというふうな段階まで進んでまいりました。ただ、これは御承知のとおり、非常に満載喫水線を引く問題は、荷主の――荷主のと申しますか、海運業者の経済が非常に重大な影響がございますので、技術的にはなるべく荷主のたくさんとれるところをねらっていかなければいけませんので、いましばらく、ただいま申し上げたような実船実験を、やっていく必要があるというようなことでございます。
  90. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) では、次回に要求文書の提出をお願いします。
  91. 岡三郎

    岡三郎君 いまの答弁でちょっと気になったことですが、鋼船と木造船合わせて十四万トン、こういう話があったのですが、その場合における木造船ですね、木船のいわゆる造船率というのは、それはどうなってんのかね。つまり、最近の情勢で言うと、木船のほうの船台があいていると。鋼船と合わせて幾らということになると、はっきりせぬから、その点、木船のほうのあれはどうなっているのか、ちょっと具体的に言ってください。
  92. 高林康一

    説明員(高林康一君) 六月末までで、本年の初めからの造船実績におきましては、三千百九十三総トンでございます。したがいまして、かなりこれは相当減少した数量になっておると思います。ただ、木船造船所の実態といたしましては、現在おそらく六〇%が鋼船、それから四〇%が木船というふうに、水揚げ高あたりから見ますと、大体木船造船所と申しましても鋼船をやっている。企業ごとによりましては相当違いがありますけれども総体的にはそういう傾向になっておりますので、先ほど鋼船、木船あわせて御説明申し上げた次第でございます。
  93. 岡三郎

    岡三郎君 いま言われていることについてわれわれが指摘したいのは幾つかあるけれども、その中で木船のほうの需要量が減ってくるということで、木船の建造というものについて十分配慮してもらいたい、こういうことだったと思う。船台はあいてるんですか、どうですか、木船のほうは。一緒に会社の中で鋼船もつくり、木船もつくっているのもあろうが、その点どうなんですか。
  94. 高林康一

    説明員(高林康一君) 具体的にはそれぞれ地区によりまして、造船所によって相当違いがあると思います。ばく然たる全体的な数字の感じで申しますと、大体この秋口ぐらいまでの需要量というものは比較的あるのではないか。私の現実に参りました地区におきましては、そういうような船台の状況計画的にはなっておるわけでございます。ただ、秋口を過ぎました場合、こういうような点では、先ほど申しましたように、全体に内航に対しますところの輸送需要というものは非常に減退しておりまして、昨年たとえば鉄鋼なんかにつきましては、すでに八〇%というふうに前年度対比で輸送量が減っておりますような状況で、需要が非常に減退しておるというような状況で、今後の需要につきましては、やはり相当問題があるのではないかというふうに感じておる次第でございます。
  95. 岡三郎

    岡三郎君 まあ今後の需要量の問題点もあるようですが、現在五百トン未満の小型船については、財投の裏づけがない。つまり、公団は五百トン以上について資金の裏づけをしているということになると思うのだが、それはどうなっているのです。
  96. 高林康一

    説明員(高林康一君) 公団につきましては、ただいま御指摘のございましたように、公団の公募におきましては、原則といたしまして五百トン以上、三千総トン以下というふうになっておるわけでございます。この実績について見ますと、三十九年度でございますけれども、五百トン以下――まあ原則としてでございますので、これは原則以外のものも当然あるわけでございますけれども、昨年、三十九年度におきますところの公団船で五百トン以下の建造をいたしましたものは、一般の、鋼船ではございませんが、タンカーにつきましては、四百九十九トンというのが一つございます。そのほかに、もっと小さい、六十六トンあるいは百二十六トンとか、九十六トンとかいうようなのがございまして、五百トン以下の建造実績は全部で七隻になっております。昨年度の実績でございます。
  97. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、いまタンク船についてはあったということだが、木船についてはないのですか。
  98. 高林康一

    説明員(高林康一君) ございません。
  99. 岡三郎

    岡三郎君 で、われわれがこの前に内航二法について口やかましく言ってきたのはここなんですよ。要するに、だんだん大型化して、鋼船化してしまうから、木船のほうはだんだん捨ておかれてしまう、それじゃ中小企業者がたまったものではない、こういうことで、内航二法のときに強く指摘してきて、原則として五百トンと言っておる、けれども、それは原則であって、実情に即してこれについての救済策をやらにゃいかぬのじゃないか。これは何も一般的な問題だけでなくて、やはり平常における機帆船なんかについても、しちめんどうくさく言ってきたわけですよ。一般木造船というのは五百トン未満が多いのですから、小型船が多いのですから、小型船のほうについて全然財政投融資の裏づけがないというのなら、これはわれわれこの内航二法を審議して附帯決議をつけた精神が生かされてきてないと、こう見るべきなんだな。それではおさまらぬということになると思うのです。大蔵省のほうがどうだこうだという話もよく聞きましたが、われわれはやはり内航の中における弱小、そういったものをやはり社会的に救済するという方向の施策というものを強く要求して、やはり附帯決議もつけ、そして内容的に内航二法に即して質問を申し上げて、大体そういう方向で鋭意努力するということになっていたと思うのだがね。高林さん、どうだね、これは。これじゃあとが見えないな。
  100. 高林康一

    説明員(高林康一君) 五百トン以下というものがどのように――まあ確かに、ただいま公団船の三十九年度の実績については、先ほど申し上げましたような状況でございます。
  101. 岡三郎

    岡三郎君 タンク船はだいぶあるのだよね。
  102. 高林康一

    説明員(高林康一君) はあ。それから一般の、公団船以外で、商工中金あるいは北東開発公庫、それから中小企業金融公庫あるいは自己資金、そういうようなもので考えてみますと、先ほど十四万トン程度ということを申し上げましたけれども、五百トン未満と五百トン以上に分けますと、大体五百トン未満が六万四千トン程度、それから五百トン以上が七万三千トンないし四千トン程度というふうになっておるわけでございますけれども、私どもといたしましても、中小造船所というものについて、そういうような五百トン、国の公団資金につきましてただいまのように原則としての考え方で、ただしそれ以下のものもございますけれども、また、機帆船のほうにつきましても、そのような姿でやっておるわけで、ただ、御指摘のございましたように、内航二法に対しますところの附帯決議につきまして、われわれといたしましては、それをどのように実現していくかというようなことについて、いろいろ努力してまいったわけでございます。ただ、もちろん、いろいろな状況によりまして、なおわれわれの努力が十分でないという点は、私どもも十分反省しておるところでございます。今後そういうような点につきまして、さらにいろいろ公団その他のワクの拡大その他についても、われわれといたしましていろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。ただ、問題といたしまして、全般的な需要動向というような問題が非常に問題でございまして、そういうような点について、今後の船腹需要というようなものについては、われわれとして相当むずかしい状況になるのではないか、そういうような面についても、さらにてこ入れを要する段階に来ておるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  103. 岡三郎

    岡三郎君 どうも時間がないのに、ずいぶん説明は長かったけれども、結局、中身はないんだな。中身がないのに、時間がないのにだらだらやられると実際いらいらしてくるんだが、いまの高林さんの言っているのは、この前の二法の通るときの一応の説明であって、それから時期がずいぶんたって実施されている段階で、鋭意いま努力していると言っても、これはちょっと言いわけ的に聞こえるだけにすぎないんだな。だから、われわれのほうはつとに言われているように、五百トン未満の小型船についてこれをどういうふうに救済するのか、このことがなければ、それは大きいのばかり、資力のあるのばかり助けてあとは捨ておくということ以外にないのじゃないかということは、速記録を見ればわかると思うんですが、だから、要は、どういうふうに財政の裏づけをして、造船所も、それから小型船を持っている中小企業者も救えるようにしてやるのかということに尽きておると思うのです。だから、いままでのやつを見てみるというと、大きいやつばかりこっちのものが一生懸命やってやって、あとのほうはもとのもくあみじゃないのかな。われわれはここででかい声を出して言ったけれども、へ一つで終わっているような気がするんだがな。これじゃちょっと困るね。委員長、簡単に時間でやめようと言ったけれども、これはできないな。いまの高林さんの言っているのは、前の内航二法の通るときの委員会答弁と同じで、あのときのほうがまだよかった。いまになってみるというと、中身がないんじゃこれはちょっとおさまらないな。前の航空局のときにも、公団をつくればすぐ国際空港ができると言ってごまかされてきたような印象を受けてきた。これも二法が通ってしまえばもとのもくあみで何もないというなら、今後は海運局から出てきた法案は審議しないということにならざるを得ないな。だって信用できないもの。言っていることとやっていることが違うということになったら、これは根本的な問題だな。
  104. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) 私も経過は速記録等で承知いたしておりますが、ただいま参事官が申し上げましたように、率直に申し上げますが、三十九年六月にこの法案が通りましたときの状況と現在の状況と、内航海運状況が非常に悪くなっておる。これは現在の過剰船腹七十万、三分の一は遊んでいる。ということは、一つの船が月のうち三分の一の航海はぶらぶらしておる。全部係船しておるわけではございません。つまり、運賃の水揚げは三割に減っておる。月に四航海するものが一航海か二航海しかやっていないというのが実情でございます。他方、おしかりになるかもしれませんけれども、大型の専用船が少ない荷物を運ぶというような状況でございます。石炭の合理化でやむを得ない。石炭のほうがつぶれてしまうということで、荷物の量それ自体が非常に減ってまいった。小型船に対する船腹需要というものの見通しが、われわれが三十九年六月当時考えておったことよりも非常に悪くなった。いまの段階においてさような見通しをつけて、小型船の需要が国民経済的に見てこれだけ必要なんだということをはっきりつかむことが非常に困難であるというのが実情でございます。非常に昨年の答弁にいいかげんなことを申し上げたというよりも、現在の時点の内航海運状況――私どももちろん木船造船所その他の造船所の事情を全く無視しておるわけではございませんけれども、いま言ったようなことで、現在それでは木造船をどんどんつくりますと言えといっても、船腹需要のあり方から見て、はたして財政資金を使ってやっていけるだろうかというのがほんとうに苦しいところでございます。この前の内航二法の附帯決議の趣旨、そこにおける委員会の論議というものは私も詳しく承知いたしておりますけれども、そういう事情でございますので、いましばらく、ほんとうに造船所としてあるべき姿はどうなっていくのかということをはっきり――これは造船所の政策、集約統合という問題もございましょうが、近代化の問題もございましょうが、それから片や、小型船の船腹需要というものの見きわめをつけて、その上でひとつ公団でこの程度の小型船は何としてもつくっていくのだというものを打ち出したいと思うのであります。今日現在、それを申し上げられないということに対して、先ほど来非常に苦しい答弁をいたしておる次第でございます。
  105. 岡三郎

    岡三郎君 いま局長の言った点は、最近の経済不況を反映して一応わかるような気がするのです。少なくとも十八万何がしの、いま仕事を進めている五百トン未満には財政投融資がつかない、ここにあると思うのです。全体的な仕事の量が減っておるということについてはわかるような気がするのです。その中で、小型船だけ依然としてまま子扱いされて、全然日の目を見ない。これでは中小造船も、中小企業の代替建造というものは振興しない。そんなものはのたれ死にしてもかまわぬということでは、審議の過程から見てそれは許されぬと思うのです。そこで私が言うのは、仕事の量は全体に減ってきていれば減ってきているほど、中小型のほうの代替建造というものもある程度やはり見てやらなければ中小企業対策にならぬというのですよ。大きなところばかりやっていたのでは、これは中小企業そのものに対して何ら手を打っているということにはならぬと思うのです。だから、そこのところを一歩進めて何とかしてもらいたいというのが、この前の附帯決議なり、われわれの要望なんです。ですから、仕事の量が全体的に減ってくるといっても、全然小型のほうは手当てしていない、ここに問題点があるわけです。だから、全体の公団の予算のせめて一割でも芽を出して、中小型、五百トン未満のほうにも回しているのだ――原則というのだから、九割大型のほうにいけば、一割ぐらいは原則論からはずれたっていいのだ。そこに原則ということばがあれば、そういう解釈も成り立つと思うのです。ところが、これは全然なくして、出てきたやつはそこに四百九十九トンのタンク船だ、それじゃ答弁にならぬね。この点どうですか。仕事の量が減っていて内航海運全体について苦しい状況にあることはわかるにしても、五百トン未満についての公団の裏づけというものをどうしてやらないのか。原則ということにかかずらったら原則じゃないです。原則というのは、こういうこともあり得るということの余地を入れて原則ということばに私はしたんだろうと思うんですがね。それであるからこそ、あなた方も、やはり何とかそういう点は趣旨を生かして今後やっていきたいというふうに言っているわけなんです。ところが、全然余地がなければこれは、原則論でなくて、そのものずばりということになってしまうんだが、それでは趣旨に反するわけです。局長さん、あなた新しくなったんだから、高林さんの前の答弁答弁として、こういう状況下にあって、中小造船所なり、中小船を持っている人々について、どういうふうに救済をしていくのかということについて、やはり積極的に、原則は原則として、もう少し余地を持たして芽を出させるような方向に強力なる推進がなければ、これは附帯決議違反ですよ。この点もう一つ力強いやつを言ってもらって、附帯決議の趣旨を生かすということを積極的にやはりやっていく答弁をいただきたいと思うんだね。
  106. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それで局長、当時の論議をもう一回思い起こしていただきたい。当時はあなた局長でなかった。だから高林さんが中心人物であったが、思い起こしていただいて、速記録に明らかになっていると思うが、たしか当時相澤さんか岡さんが発言しているんですがね。かりに木船の需要量が、適正船腹量との関係でないとすれば、つまり鋼船を代替建造する場合に、今日船舶公団がありますね。その資金を活用させつつ、つまり木造船の需要を漸次鋼船化していくように指導しますと、こういう答弁をしているんだから、その指導が適正になされておったら、いま岡先生なり相澤先生の言ったような現象というものは、ぼくは起きてこないような気がするんだが、こういう関係はどう指導したのか。いまの岡さんの答弁とあわせてお聞かせ願いたいと私は思うんです。
  107. 高林康一

    説明員(高林康一君) 大体全体的な傾向といたしましては、木船から鋼船へという姿になっております。そういう意味で鋼船化を促進する。ただ、実際問題といたしまして、大部分の現在の内航海運業者の一番多いのは一ぱい船主です。この一ぱい船主というものがそのままの姿ではなかなか鋼船化できないというようなのが実態でございます。そこで私どもといたしましては、大体そういう一ぱい船主がある程度の数が集まって、そうして、まあことに四国地方で多うございますけれども、そういうような一ぱい船主が集まってある程度の船を持ち合う、これはまあ解撤が要りますので、そういうふうな船を持ち合って株式会社、あるいは組合の形態も一、二ございますけれども、そういうようなところでやらせていく、そうして今後の需要に応じ得るところの比較的適当ないわゆる専用船というようなものをつくっていく、そういう姿で、昨年といたしましては、公団船についての鋼船化、そしてまた専用船化という線を進めてまいって、大体そういう関係の会社というものも若干そこで石炭専用船その他へ出てきたわけでございます。そういうような点は、私どもといたしましては、やはり一ぱい船主というような状況から見て、そのままの形ではなかなか今後の合理化に寄与するわけにいきません。そういうような、でき得る限り地域的にある程度まとまっていただくというような方向で進めてきたつもりでございます。
  108. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、たとえば二百トンと二百トンと百トンの船があった。それを合わして五百トンになる。三つを廃船にして、まとめた五百トンについての財投の裏づけをすると、そういうことですか。それは具体的にどこで指導しているのですか。
  109. 高林康一

    説明員(高林康一君) 具体的にいまおっしゃったとおりの姿でございます。具体的には、石炭専用船ではそういうのが二はいそれぞれ、九州炭の石炭専用船として就航したわけでございます。
  110. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、どうしても今後五百トン未満はやらぬということですか。やらぬということならば、またこれは速記録に立ち戻らなければいかぬな。原則ということばと、やらぬということとは違うのですからね。何ゆえに五百トンというものを基準にして、それを原則としてやるということを言ったのか。原則という日本語は、原則ということばの意味のとおりに余地がある、幾らか。それをたてまえにしてやっていくということなんだから、余地の問題をどう考えるかということなんだな。それじゃなかったら原則ということばは、まぎらわしくて要らぬですよ。そこのところをわれわれが言っているので、いまの御答弁ならば、もう五百トン未満はだめなんだ、おだぶつなんだ、原則じゃないんだという、こういう答弁に立ち帰っているんですがね。それじゃちょっと前とは違ってくるが、それはどうなんですか。
  111. 高林康一

    説明員(高林康一君) 一般船の部門につきまして申し上げますと、昨年の公団船におきましては、隻数といたしましては、全部で二十七隻、昨年公団船といたしまして、これは石炭専用船を除いて、いわゆる一般船でございますが、二十七隻でございます。そのうち五百トン以下というのは、先ほど申しましたように七隻という姿になっているわけでございます。これは、今後の需要の動向等によりまして、確かに御指摘のございますように、また、この内航二法の御審議の過程にありましたように、地域的な輸送需要といたしまして、かなり小型のものも必要であるということは十分考えられますので、そういう意味で、われわれといたしましては、原則として、というふうなことで考えているわけでございます。実態といたしまして、全般的な姿といたしましては、比較的五百トン以下の需要というものは少ないかと、こういうふうに考えますけれども、もちろん特殊需要といたしまして相当必要な部面が出てまいりますので、そういうような面は、原則として、というようなことの表現で公団船を処理してまいった次第でございます。
  112. 岡三郎

    岡三郎君 いま、時間がないから、これ以上ここで申しませんがね、先ほどの、年間の見通しについてですね、それから現状までの実際の代替建造の企画ですか、それを承認して実行しているもの、それから今後の見通しですね、それで、五百トン未満について、タンク船その他でやられたというのですが、実際問題として五百トン未満の木造船については、これは公団でやるつもりがないとするならば、あくまでも中小企業金融公庫とか、そういう金融公庫でやるということなんですか。われわれとしては、そこのところをはっきり伺っておかないと困るから、御答弁願いたい。
  113. 亀山信郎

    説明員(亀山信郎君) 仰せのとおり、原則の例外、原則ですから例外があるということをはっきり申し上げておきます。五百トン未満についても公団でやりますが、しからば、その例外の限度はどの程度かということについて、現在、先ほど申し上げましたように船が非常に余っている。特に三十五、六年ごろから急速にふえたのは、五百トン以下の小型鋼船でございます。そういう事情から見て、これもスクラップ・アンド・ビルドで五百トン以下の鋼船をつくっていくものの希望があり、その希望が合理的で、国民経済的にもなるほどそうだというものがあれば、これは先ほどごくわずかな実績を申し上げましたけれども、今後もそれについては船舶公団の対象にいたします。
  114. 相澤重明

    ○相澤重明君 さっきから局長の答弁を聞いていると、船が余っている、余っているというけれども、余っているというのは、登録したものと、無登録のものと見て、それで一体どっちがそういうふうに、政府の最初の計画したものについてこういう事情変化があったということになりますか。私は、現実にいままであなたたちがこういう資料でいろいろ私どもに年次報告をしておるが、昨年のこの法律を審議するときにも、いろいろ資料を出してもらったわけですが、出してもらったけれども、結果として、二十四万トンからになるいわゆる船がふえたというのは無登録でしょう、それは実際には。だから、そのいわゆる五百トンというその登録規制の問題がどういうふうに波及をしてきたかということが、やはりいまの政府答弁だけでは私どもを納得させることはこれはなかなかむずかしい。私はそう思うのですよ、いろいろの資料を見てみると。それからいま一つは、いわゆる内航二法を通して、運輸大臣はすべて政令でもってこの指定をしているじゃないですか。中小企業に対して、いわゆるこの木造船業に対して近代化促進法のこの業種指定をしているじゃないですか。これは何のために指定をしたのだ。つぶしていいということで指定をしているんじゃないと思うのだ、これは。そういうことからいけば、これはもう私は、国会の議論と、そうして国務大臣が、担当運輸大臣が、そういう近代化の、いわゆるこの促進法による政令で指定をしておるということに対して、私は、事務当局が大臣のそういう政令指定業種になったことすらこれは実際に促進をしてやっておらぬのだ、こういう結果論になると思うのだよ、私は反面解釈からいって。これは同僚岡本委員もおりますが、当時次官の。当事の内容はずいぶんわかっておると思うのだけれども、私は大臣のいわゆる指定というものはそんなものじゃないと思うのだよ。そういう政令で業種を指定していわゆる近代化を進める、促進する、やるということに指定をしておりながら、財政的には何にも援助していない。何だ一体、紙っぺらを出しただけでもってそれで業界が立ち直るなんと思ったら大きな間違いだ。そういうことを、いま岡委員指摘をされたように、私は、この速記録なり――何回もやったのですが、特にこの速記録の中でいろいろなことをみんなが言っておる。そういうことに対して、今度は政府が、法律が通ったら大臣が政令で業種を指定しておりながらそれさえ満足にやっていない、こういうことになったら国会軽視もはなはだしい、こういうことを言わざるを得ないわけです。ひとつ具体的に、さっきから委員長が私どもの言ったことに対して資料を提出してもらうことになったのですが、そういうようなものをひとつまとめて資料をつくって出してくださいよ。私はそうでないと納得できないのですが、法律つくるときだけは、何とか通してくれと言って、協力をしたはいいけれども、全く中はからっぽ、中小企業が倒れていってしまう、こういうことであっては、これはわれわれ運輸委員会として許すわけにいかぬですよ。だから、いままでの改造船なり、あるいはこの政令を出した指定業種、この近代化促進法に基づいて出したのでしょう、これは。そういうようなことの経緯を明らかにして、それから今後のいわゆる対策というものを、さっき岡委員の質問に対して若干答弁されましたけれども、それは原則ということに対して、もっと大臣のそういう指定をした趣旨というものを生かすように、私は、もう政府が努力する。その努力する資料をつくって当委員会へ出してもらいたい。時間がないから私はあまりやりませんけれども、そういうことで私はひとつ資料要求しておきます。
  115. 岡三郎

    岡三郎君 いまの局長の言ったことについて一応言っておかなければいけない。  いま局長が原則に対する例外の一例を述べられたが、私はこれが全部とは聞かない、一例だというふうに聞いておきますが、問題は、少なくとも小型鋼船については何とか例外を認めていくということでは、これまた附帯決議の趣旨に反すると思う。木造船についてもやっぱりこれを認めていくということが言われなければならぬし、これは大体、大蔵省の鼻息ばかり聞いていないで、運輸省運輸委員会の言うことを聞くべきだよ、金取っちゃったのだからね。この次はあなた、それはそういうふうに大蔵が言ったって、これはこういうふうに必要上なって、こうなって例外はこうなんだ……。だから、私はそういう点で、いま局長が言った例外というものの説明は一例だというふうに考えてやめますが、要するに附帯決議の線というものを生かして、委員会における審議の過程というものを十分に生かして、例外というものを生かしてもらわなければ納得できないと思うのだが、そういう点で資料が出てきてからもう一ぺんやることにして、きょうはこれで終わりましょう。
  116. 浅井亨

    浅井亨君 先ほどからお聞きいたしておりますと、いわゆる附帯決議なんかも一軽視しているとか、また、このいま原則論でずいぶん問題になっておりますが、こういうようなことをいま話しておりますが、絶対に当局におきましても、また昔を思い起こして、私も思い起こさなくちゃいかぬと思いますが、ただ、いわゆる大臣が約束せられたこととか、こういうことは率直に実行に移してもらいたいと思うのです。私もその節いろいろ質問した中に一、二ありますが、それに対して今日までどうなっておるかということを一応ここで御返事願いまして、時間もないことでございますから、また後ほど機会を見まして質問したいと思います。  それでその一つは、小型造船、ですね、小型船の造船業者の登録制はどういうふうにその後なっておるのですか。それが一つ。  それからもう一つは、海運造船合理化審議会委員ですね、この中に業者を入れるということを大臣答弁しておられるのですが、その後入っているのか入っておらないのか。  この二点をひとつ御返答願いたいと思うのです。その上から私は後日機会を見てひとつ詳細にわたって質問をしたいと思う。こういうふうに考えております。その二つだけお願いします。
  117. 高林康一

    説明員(高林康一君) 私のほうから、あとの問題だけ御説明いたします。  海運造船合理化審議会の委員といたしましては、中小鋼造船組合、正式の名前はちょっとあれでございますが、中小型の鋼造船連合会の会長さんが委員として入っておいでになります。なお、専門委員といたしまして木造船工業会の会長さん、それから内燃機――エンジンの関係でございます。これも正式の名前を、ちょっと手元に資料がございませんが、エンジン関係の内燃機の連合会の会長さんが専門委員としてお入りになっております。
  118. 芥川輝孝

    説明員(芥川輝孝君) 木造船所の登録の問題、ただいま御質問がございました。私のほうで……
  119. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) 大きい声で願います。
  120. 芥川輝孝

    説明員(芥川輝孝君) 私のほうでは、実は私まだよく勉強しておりませんけれども、この御決議のときも、それからその後も、ここでそういう御審議があったようには、どうも私まだはなはだ不勉強で申しわけないのでございますが、登録制の問題はここでは御指摘なかったのではないかと存ずる次第でございます。そこで、ただこれにつきましては、それにかわるような法的措置はないかということで、まだ運輸省として最終まできまっておるわけではございませんけれども、五百トン以上の造船業者に対してやっておりますような法的規制をやって、技術の向上と経営の、健全なる経営上の発達をはかるというふうなことをやっていけばいいのではないかと思いまして、ただいまその方向で研究しておる次第でございます。
  121. 浅井亨

    浅井亨君 いま審議会委員のことで、これこれの人が入っていると言うのですけれども、私が質問した以後でそういうことをよくお考えになって、新たにその線に沿って強力に推進していこうというわけで審議会のメンバーをお考えになったことがあるのでしょうか。
  122. 高林康一

    説明員(高林康一君) その御趣旨によりまして、中小鋼造船、それから木造船、それから本年度におきましては内燃機――エンジン関係の方、そういう方の御参加を願ったつもりでございます。
  123. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) それでは、ただいま要求せられました書類、文書の提出をお願いいたしますと同時に、委員長としても要求したいことは、本院の附帯決議として決定せられた問題及びこれに対して運輸大臣答弁せられたことは、これを十分に今後の行政に生かすように一そう努力を要求いたします。  では、この問題はこれで打ち切りまして、次に移ります。     ―――――――――――――
  124. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) 日本国有鉄道の運営に関する件について質疑を行ないます。
  125. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 国鉄の十月のダイヤ改正関連をして、安全の問題、要員の問題あるいはまたサービスの問題、経営方針等について質問をしたいと思います。  これは、私自身のきょうの体験からまず申し上げたいと思うのですけれども、本日午前八時五十三分ごろでしたが、私が乗ってまいりました上りの準急「あかぎ号」というのが熊谷と吹上の間の無人踏切でもってトラックとぶつかりまして、トラックは転覆をし、若干の死傷者が出ました。電車の前部の乗客がけがをしたために救急車で運ばれまして、一体何人ぐらいけがをしたか詳細はわかりませんが、ひっくり、返ったトラックが電車の後尾から約百メートルぐらい後方にまるきりあおむけになっておりましたので、十四両編成の電車の最後部から百メートルぐらいあとですから、衝突をしてから三百メートルぐらい電車が進んでからとまったものというふうに考えられます。結局この電車の前部を破損したために運転が不能となり、吹上駅でもって打ち切りとなってしまいました。この事故でもって私考えましたことは、直接の責任というのは、おそらく一時停止を行なわなかったであろうトラックの運転手にあると思います。しかし、間接的には国鉄にも相当の責任もないというわけにはいかない。なぜかといいますと、この上り電車は、すでに熊谷で八分遅延しておりまして、この遅延なかりせばこの衝突もなかったんではないかというふうに考えられます。その遅延の原因は何かというと、これは駅長並びに車掌に聞いたのでありますけれども、多客によるものではない、始発駅からおくれてきた、このおくれはほとんど毎日のように慢性化をしておる、こういうことであります。それならば、この遅延の慢性化に対しては、その原因の究明があってしかるべきであると思いますし、原因の究明が行なわれたならば、直ちに遅延をしないような措置が講ぜられるべきであったと思います。それらの措置が全く放任をされてきておるということは明かな事実なわけです。きょう私の乗ってまいりました電車が、ぶつかったトラックは、積み荷がなかったようでありますが、もしも砂利でも満載をしておって、トラックのほうがあおむけにひっくり返らないで、電車のほうが反対側の下り線によろけてころがるということになると、ちょうど下りの急行電車が来たところでありますから、まごまごすると三河島事件の二の舞いになる可能性があったわけであります。こういう非常な危険な事柄は珍しい事故じゃなくて日常茶飯事になっております。こういうことを繰り返していけば、それこそ何かのはずみで再度鶴見事故もしくは三河鳥事故のような大事件に発展するという可能性を秘めておるわけです。  このような本日の経験から私が質問をしたいのでありますけれども、今後幹線はこの無人踏切というようなものがないようにしなければならぬ。できれば高架立体交差というものを、少なくとも密度の高い幹線では行なわれるべきであるというふうに考えるのでありますけれども、そうような幹線鉄道の高架立体交差方式について、国鉄ははたしてどのように準備をしておるか、将来構想の中に考えておるのかどうか、こういう問題が一つ。  それから電車の間接的な事故の原因となりました多客の問題でありますが、おそらくこれは始発駅におけるラッシュの通勤からきていると思うのであります。この通勤対策において、十月の時刻改正は、問題を解決するために必要にして十分な措置を講じておるのかどうか、これが第二の問題であります。  それから第三の問題としては要員問題でありますが、たまたまここで事故が起きたために、乗務員は発炎筒をたいたり、あるいは負傷者の手当でといったようなことでてんてこ舞いをしておって、車内放送どころの余裕はなかったというふうに考えられます。乗客は、事故があったということはわかったけれども、一体それがどうなるのか見当がつかないという不安な状態におとしいれられるわけであります。聞くところによりますと、十月のダイヤ改正で、新幹線の問題で組合側との交渉を行なった際に、乗務員は一人でたくさんであるという答弁も当局側でなさったそうでありまして、あくまでも人間を節約をしていくという方針のようでありますが、このような事故の際に、もし運転士が一人であって、運転士がもしも負傷をするといったようなことになった場合に、一体どういうことになるのか、そういうことも考えてみなければならぬと思うのであります。安全の面から考えて、人間を節約をするということがはたして当を得たものなのかどうか、今後の方針としても私は相当深刻に考えてみる必要があるのじゃないかと思うのでありますが、とりあえず以上の三点についてお答えを願いたいと思います。
  126. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 瀬谷先生の御質問の第一の踏切の問題でございますが、お話のとおり、踏切が非常に国鉄の線上で多うございまして、しかも最近自動車、トラック、バス、乗用車その他の自動車あるいは農耕機といったような交通量が非常にふえておりまして、踏切の保安問題というものは、国鉄にとっても非常に大きな問題でございます。したがいまして、事故の件数も、かなり過去において上昇しておったわけでございますが、こういう点から考えまして、国鉄といたしましては、実は昨年度、複線の線路におきましては、無防備の踏切を絶対なくそうということで、非常に交通量の多い所は立体化――これはもちろん法指定の踏切は立体化をしていく、それからいままで警報機はありますが、踏切警手がいないというような所でも、その必要のある所は踏切警手をつけていく、それほどでない所でも、全部これは警報機をつけるということで、昨年その点は、複線の区間につきましては全部完成いたしまして、無防備の踏切というのはなくしたのでございますが、それでことしは、単線区間におきましてもそういう方針で進もうということで、相当の予算を計上しておる次第でございます。第三次長期計画におきまする設備投資計画におきましては、踏切の対策といたしまして、これはもちろん四十年から四十六年のことでありますが、約六百億の予算を計上いたしておりまして、これを今後、逐次単線区間においても強化していくという手はずになっているのでございます。ただ、最近におきまする事故の状況を見てみますと、警報機のある踏切におきましても、その警報を無視して走ってくる自動車がかなり多いわけで、これが一つの原因になっておるんじゃないかという感じもいたしますが、いずれにいたしましても、国鉄といたしましては、そういう踏切の防備の強化には全力をあげてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。立体化の問題につきましては、これはもちろん非常に大きな金がかかりますので、計画は持っておりますが、そう一度にいくとは考えられませんが、逐次、これも実施に移していきたいというふうに考えております。  それから第二の通勤の問題でございますが、今回の時刻改正におきましては、もちろん各地の複線化なり、あるいは電化が完成いたしましたことと、それから軌道の強化というような問題が、輸送力を増強する条件が整備されたということで増発をいたす予定でございますが、もちろん通勤問題は、これは国鉄といたしましても一番大きな問題でございまして、この点につきましては、たとえば東海道線におきましては、現在は朝の八時から九時の一時間はラッシュ時間帯ということで、急行その他の列車は、優秀列車は入れないということにしておりますが、これを今度の改正におきましては、七時半から九時半の二時間くらいの間は優秀列車をのけて、通勤の専用時間帯にするというようなことで、数本の通勤列車を増発いたしておるような次第でございます。ただ、もちろん現在の線路容量におきましては、十分な増発をいたすことは、これは非常に困難でございまして、われわれとしては、できるだけのそういう優秀列車の到着時間は多少不便になっても前後におくるというようなことをして、通勤列車の増発に充てたということでございますが、全般的には、先生のおっしゃるような満足すべき状態であるということはまだ言いかねます。これはもちろん新しい線路を増設いたしまして線路容量をふやさぬことには、とうていそれを満足するようなかっこうにはならないと思いますが、今後通勤輸送には、御承知のとおり、第三次五カ年計画では五千二百億近くの金を入れるということでございますので、そういう投資をいたしまして線路容量をふやし、あるいはふやすことによって抜本的な改正がはかれるというふうに考えておるのでございます。ただ、それまでの間どうするかということでございますが、これにつきましては、一列車当たりの車両をふやすと、あるいはヘッドを詰めるというようなことをいたしまして、今後もできる限り通勤の緩和をはかってまいりたいというふうに考えているのでございます。  それから第三番目の要員の問題でございますが、これは国鉄といたしましては現在の非常に大きな輸送量でございますが、これをまかなうために、能率的に運営をするということは、これはもう一つの大きな使命でございますので、できる限り要員を少なくして、少ない要員で能率的な運営をするということは当然のことだろうと思いますが、したがって、ことしはこの十月の時刻改正におきましては、しかしただ少ない人員ということだけでは運営ができませんので、かなり多くの、約四千五百人の人間を準備いたしまして、これに当たった次第でございますが、新幹線の問題につきましては、二人乗務がいいか一人乗務がいいか、これはいろいろ問題がございまして、私どもとしては、保安設備の問題によりましてこの問題は解決できるのじゃないか、保安設備が非常に、在来線と異なりまして、十分な保安設備を新幹線にはいたしておりますので、その点で一人乗務が可能ではないかというふうに考えている次第でございます。しかしこの問題は、まだ組合との話し合いがもちろん残っておりますので、ただいまのところまだきまっておりませんが、もちろん組合との間で十分の協議をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  127. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 踏切の問題でありますけれども、事故の場合の連絡方法といったようなことが、保安設備の面にはたしてどの程度行なわれているかという疑問があるわけです。きょう衝突しました吹上-熊谷の間は約八キロほどある。そのちょうどまん中辺で、トラックと衝突事故が起きた。救急車が来るのに相当手間がかかったわけでありますが、近所の農民が走ってきて、そうして電話かなんかで頼んで救急車を呼んでもらったということじゃないかと思うわけであります。ああいう場合に、駅までかなり距離がある、隣の駅にも連絡できないという状態では、たとえば車掌と運転士との間だけで連絡がとれたとしても、ちょっと手がないわけなんです。だからそういう場合に、無線電話等で、直ちに事故の報告ができるといったような設備が、新幹線のみならず、現在線の各車両にもなければ、きょうのような不測の事態が起きた場合に非常に困惑すると思うのですが、それらの設備は、今後新幹線以外の各線に取りつけるという準備があるのかどうかということが一つ。以上、まずそれから……。
  128. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) お話のとおり、駅間が長いような区間におきましてたまたま事故がございますれば、確かに駅との間の連絡は不十分になるという点は、おっしゃるとおりだろうと思いますが、国鉄におきましても、無線設備の必要な点は十分認識いたしておりまして、今後そういう設備をやっていかなければならぬということで検討はいたしておりまして、たしか常磐線だと思いますが、ここで一応いま試験をしている段階だと思っております。したがって、この試験の結果によりまして、もちろん投資も相当多額にかかりますし、あるいは波長の問題その他いろいろな問題が出てくると思いますが、そういう問題を解決しながら、逐次これは広げていきたいというふうに考えております。
  129. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 通勤対策の問題なんですが、これは国鉄のダイヤの編成をする基本方針に相当問題があると思う。いま東海道の場合は、優秀列車は通勤時間帯を避けるというふうに言われましたけれども、東北、上信越の場合はそうじゃないんですね。従来、たとえば下り列車の場合は、上野から出る時間帯は、特急やら急行というのはあまりなかった。ところが、最近の時刻改正でもって、十八時間前後の急行とか特急とかいうのが上信越線にも東北線にも入ってます。そうすると、ちょうど十七時から十八時半ころまではこれはもう通勤の時間帯になるわけですが、この通勤列車が途中駅で待避をさせられるという形になるわけです。こんなのはごく少数の遠距離客のために多数の通勤者によけいな時間のロスをさせるということになるわけです。私はよく知っておりますけれども、高崎線の通勤列車等は超満員です。その超満員のお客がまだおり切らない、まだ立ったままのお客が一ぱいいるやつを近辺に待避をさせるというようなダイヤの編成方針というのは、いかにも私は意地の悪いやり方だと思うんです。こういう意地の悪いやり方が十月のダイヤ改正で解消されたかと思ったら、ちっともされていない。ということになると、国鉄のダイヤ編成方針というのは、大量のお客をいかにして円滑に運ぶかということじゃなくて、大量のお客に対していかに意地の悪い方法でもって不便を与えるかということにその基本方針が置かれてるような気がする。これはもうはっきりダイヤを検討した場合に指摘できるんです。今後もこういう方針をますます意地悪くするおつもりなのかどうか、その点をお伺いしたい。
  130. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 私ども、通勤輸送につきましては最大の重点を置かなきゃならぬと思っておりまして、その点におきましては決してそういう意地の悪い輸送というようなことを考えてやっているわけではございませんが、ただ、東北線につきましても、ただいま御承知のように赤羽-大宮間の線増をいたしておりますが、こういう線ができまして、中距離以上の列車と近距離の列車とが完全に分離できますれば、その点の支障はなくなると思いまして、いま目下急いで工事をやっている段階でございますが、そういう物理的な条件を整えることをまずやりまして、そうしてそういう矛盾がないようにしたい、こういうように思うわけでありますが、まあそれまでの間ももちろん、いまおっしゃいましたように通勤客の利便をはかるということは、これはもうわれわれとしても最大の努力を払わなければならぬというふうに考えております。ただ、長距離客の終着駅の時間帯なりあるいは乗りかえなりというようなことを考えますと、その点で若干そういう矛盾が出てくる場合もあるかと思いますが、そういう点は若干避けられないと思いますけれども、できるだけそういうことのないように今後努力していきたい、かように考えております。
  131. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 私は、線路容量の点でどうしてもこれは避けられないという、あるいはこれ以上無理ができないという点で無理をしろということを言っているわけじゃない。くふうのしかたではできることは私はやるべきじゃないか。たとえば新しい時刻表によると、上野十八特発の仙台行きの特急というのができました。それから十八時十分発の宇都宮行き準急というのができました。十八時三十九分発桐生行きの準急というのができました。高崎線の場合は、十八時四分発の第五佐渡、こういった列車があるわけです。考えてみたらわかると思うのですけれども、十八時上野というのは最も通勤客の多い時間です。そうすると、この前の通勤列車というのは、いやおうなしに途中で待避をせざるを得ない。それからまた十八時の列車に乗るお客のことを考えてみたらいいと思う。たとえば東京駅に新幹線なり東海道線でもって到着をして、上町まで行かなければ乗れないわけです。上野まで行くのに、長距離客が通勤客と一緒に東京-上野間というものを、あの一番混雑する国電に乗って行かなければいけないわけです。そうすると、普通だったら十分くらいで行けると思うのですけれども、荷物を持った長距離客があの通勤客と一緒になって、東京-上野間を渡らなければならぬということは、長距離客に対してもずいぶん私は不親切だと思う。もっとも自動車でもって上野駅へ直行するお客のことばかり考えているのだろうと思うのですけれども、そういう客ばかりじゃないわけです。東海道あるいは中央線から上野へ乗りかえるお客があるわけです。そうすると、そういう長距離客の立場からしてみても迷惑な話でしょう。通勤客も迷惑な話なんです。両方とも迷惑なダイヤを組むということは、やはりダイヤ編成の方針というのは、基本的にはお客に対してはなるべく不親切に、こういう考え方で出ているからじゃないかというふうに私は思いたくなる。これは現実の問題なんです。在来からの例であればしかたがない。新たにこういうようなダイヤを組むということは、考え方というものは、やはり利用者の立場に立ってないというふうに考えざるを得ないのじゃないですか。その点、私はもしそうじゃないというふうに言えるのだったらば言ってもらいたいと思う。長距離客にとってみれば、ここの約一時間ほどの時間帯を前にするかあるいはあとにするかということによってたいした違いはないのです。これは当然私は考えるべきだと思う。それからそのことと、今度の新幹線がスピード・アップをすることになったようでありますけれども、新幹線を増発するかわりに、東海道線の急行やら準急というものを削減をする、その点はがまんをしてもらって、新幹線に乗りかえてもらいたい、こういうことなんだろうと思うのですけれども、新幹線でとまらない駅だって一ぱいある、準急のとまる駅には。いままで在来線の準急、急行がとまっていたところ全部に、新幹線のほうで駅を新設するというならば別でありますけれども、それじゃ新幹線がまたのろくなってしまう。こういうことはサービスの低下ということに明らかになる。サービスの低下じゃないのだ、もっとうまい方法があるのだというふうにおっしゃるならば、その点は一体どういうことなのか、その点も御説明いただきたい。
  132. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 前段の通勤列車を犠牲にして優秀列車を優先させているというお話でございますが、まあ私ども、いま通勤列車につきましては、もちろん、先ほど申し上げたように、かなり相当重点を置いて編成したつもりでございますが、優秀列車の到着時刻を一時間、二時間前後に振っても差しつかえないじゃないかというお話でございますけれども、まあやはり青森から先の船の状態その他のことを考えますと、この時間帯が一番いい時間帯になるというようなことでまあ編成しているわけでございまして、もちろんこういう問題、できるだけ頭をひねって、通勤列車の御迷惑にならないような方向での将来のダイヤ改正の心がまえということは、十分念頭に入れてまいりたいと思うわけでございます。  新幹線を増発したかわりに現在線を減らすのはおかしいじゃないかというお話でございますが、御承知のとおり新幹線をつくりましたのは、現在の東海道線がもう容量一ぱいでどうにもならない、しかも今度通勤列車をふやす、たとえば東京周辺、名古屋周辺、大阪周辺といったところをかなりまあ通勤列車をふやすわけでございますが、その通勤列車をふやすということになりますと、どうしても準急列車あるいは急行列車を減らさざるを得ないということになるわけでございまして、私どもといたしましては、これはもちろん現在の準急列車はこれは商買的には非常にいい列車でございますけれども、それをやめても通勤列車を優先せざるを得ないということで、これに通勤時間帯、しかもそれが東京、静岡付近あるいは名古屋、大阪というような八時から九時くらいまでの時間をその地区によってやってみますと、やはりあの程度の列車はどうしても削減せざるを得なくなったわけでございます。また、貨物列車の増発も、これは新幹線ではまだやっておりませんし、現在の東海道線で貨物列車の増発もやらないと、いままで東海道線がネックになって輸送制限を続けておる事例が非常に多いわけでございますので、そういう通勤列車と貨物列車の増発をするということから、現在線の準急列車を、あるいは急行列車を削減せざるを得なくなったわけでございます。まあ決して私どもその新幹線に乗せんがために現在線を切ったということでなくて、むしろ現在線の通勤なり貨物輸送を緩和するためにはそうせざるを得なくなったのであるというふうに御了承をお願い申し上げたいと思うのでございます。
  133. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 じゃ、もし準行なり急行が、サービスということを考えてだというふうにおっしゃるなら、スピードはサービスの中に入っているのかどうかということもあるわけです。今回のダイヤ改正によってどうも私がちょっと見たところによると、上越線等の場合はスピード・ダウンですね、たいがい。スピードを落として銭だけ取る、こういう虫のいい準急ができているのです。しかも、準急の所要時間と各駅停車の電車の所要時間と同じくらいのがあります。これはこういうあつかましいことをやっていいのかどうかということが一つと、それから東海道でいうならば「東海四号」というような準急は、静岡から浜松までの例をとりますと、ほとんどたいがいとまっているのですね。とまらない駅というのは用宗と金谷と天龍川だけなんですね。あと全部とまっているのですよ。各駅停車と同じようなものです。こういうふうにほとんどみんなとまっている準急が、準急料金を取る準急としてふさわしいのかどうか、こういう問題がありますね。これでもなおかつサービスをしているのだということが言えるのかどうか、こういう問題があります。こういうことをやっておって、はたして運賃の値上げをお客に要望して、お客がすんなりとやむを得ないのだと料金の値上げに賛成しようという気になるかどうか。私はやはりこの営業政策としては考えるべきじゃないか。少なくとも運賃値上げということを標榜をする以上は、十月のダイヤ改正でもっていままで以上便利なサービスをすると、こういう点があらわれなければならぬと思う。これだけ停車をするのだから、準急は準急だけれども、準急料金は取らないのだというなら話は別ですが、そうでなくて、やはり幾らとまっても、よけい時間がかかっても、料金はちゃんといただきますというような方針だろうと思う。こういうようなことがちょっと見ただけでもたくさんあるわけです。で、列車の数はふえたかもしれないけれども、その質の面においては、サービスは極端に低下しているということが言えると思います。こういう方針は、やはり利用者を粗末にする、便宜を考えない、こういう基本的な考え方から出発したものというふうに考えざるを得ないのでありますけれども、はたしてどうでありましょうか。その点をお答え願いたいと思うのです。
  134. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 先生おっしゃるとおりに、スピードの問題がサービスの大きな要素であることは申すまでもございませんし、準急、急行というような列車が、料金をいただくというのは、もちろんスピードと、その車内のアコモデーションというようなことが、普通の列車に比べてすぐれているからいただくということになるわけでございまして、したがいまして、スピードの問題からいえば、私ども、できるだけ停車駅を少なくしてスピードを上げるということが、これはもう当然のことでございます。あるいはまた線路をよくして速度を上げるということが当然のことでございまして、したがって、軌道の強化なり、あるいは車両の改善をはかってスピードを上げていくということは、これは鉄道屋の本能として、そういうことに、スピードを上げることに全力をあげているわけでございます。一分でも二分でもスピードを上げるということに全精力を――安全はもちろんとして、それは当然のことといたしまして、スピードを上げることには重点を置いているわけでございますが、ただ私ども実際にダイヤを引きます場合に、どこに停車させるかという問題になりますと、これはまあ地元の要望とのかね合いがあるわけでございます。地元といたしましては、準急をとめろという声があちこちから非常に強い要望となってあらわれてくるわけでございまして、そういう地元の要望、お客さんの利用状況、そういったものを勘案して停車駅をきめているわけでございます。したがいまして、われわれの考え方から、多少ふえているという点はあるかもわかりませんけれども、まあスピードと、そういう地元の御要望とをかね合わせてこういう停車駅にしたわけでございまして、その点はまあ今後といえども、必ず停車をしていない駅から停車をしてほしいという要望は非常に熾烈でございますので、その辺のかね合わせというか、スピードとの見合いが、今後非常に大きな問題になってこようかと思いますが、あくまでも私どもとしては旅客の、お客さん本位のダイヤを組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  135. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 まあ一応観念的にはお客さん本位というふうにおっしゃっているけれども、実質的にはあまりお客さん本位になっていないわけです。先ほど特急の新設等については、行き先の船の連絡その他というふうにおっしゃったけれども、船の連絡というのは、青森行きなんかの場合は船の連絡ということを考えなければならないけれども、これは十九時発の「はくつる」というのでありますから、これはいいとして、十八時発の仙台行きというやつは、これは連絡船の連絡ということはないわけです。それから十八時四分発の新潟行きだって、こんな時間に佐渡に行く船の連絡ということはないというふうに考える。そうすると、これらの列車は、一時間繰り上げてみても、三十分繰り下げてみても、一向に差しさわりのない列車なんです。そうすると、十八時という時間の設定は、どう考えてみてもまずいと、こういうふうに言えます。利用者にとっても容易じゃないし、通勤者にとっても迷惑だということになる。だから、いろいろの弁明をなさっているようですけれども、これはどうも弁解の余地がないというふうに考えます。それからサービスの問題については、いろいろここで具体的に言いますと長くなりますから、一応あらためて総裁なり大臣のほうからも、基本方針については私は答えていただきたいと思うのでありますから、本日の委員会で、利用者に対しては極力不親切だ、できるだけ意地の悪いようなダイヤじゃないかという質問があったのだけれども、総裁として、それに対して次回ちゃんと答えられるかどうか、その点、あるいは大臣にもその点、いなくなっちゃったからしようがないけれども、今度言っておいてもらいたいと思う。あらためてこれは責任者の所信を聞きたい、こういうふうに考えております。  それから要員の問題なんですけれども、何といっても列車の数をふやし、業務量をふやして、要員をふやさないということは、それはやはり不自然なんですよ。不自然なことをやろうとすれば、組合側と衝突するということも、これは当然のことであると思う。その不自然をあえて今回もやろうとしているのかどうか、経営の合理化ということと、要員の節約ということとを結びつけているのかどうか、その考え方を聞きたいと思う。この日本国有鉄道基本問題懇談会意見書というのを見ますと、「国鉄では、過去十数年にわたり、要員不増の基本方針を堅持し、おおむね四十五万人をもって年々増大する輸送量をまかなってきた。この結果、国鉄職員一人当たりの生産性がいちじるしく上昇したことは事実である。」、こう書いてある。これは平たく言えば、国鉄は仕事がふえても要員をふやさないできた。だから今日までの間に職員一人当たりの仕事の量というものはうんとふえている。職員は従来よりもはるかによけいな仕事をやるようになってきたということを言っているわけです。そのことを今後も続けていくのかどうか。そうすると、どこかで破綻を生じてくるということになると思う。その点組合側と要員問題の話し合いがつかないままダイヤ改正を強行するということになれば、多くの問題が生じてくるし、安全にとってもゆゆしいことだと思うのですが、これは小口貨物の合理化の問題、あるいは十月のダイヤ改正の問題、両方ひっかかってきますけれども、こういう要員の問題について、はたしてあくまでも要員不増、つまり人間をふやさないという基本方針を堅持したいというのかどうか、安全を犠牲にしても、要員というものは節約をするんだというたてまえを通すのかどうか、その点をお聞きしたいと思うのです。
  136. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 国鉄が従来から頭数をふやさないで能率的に運営をやっていきたいということで、ここ数年要員をふやさずにやってきたことは事実でございます。しかも、私どもといたしましては、できるだけ仕事のやり方なり、あるいは投資をすることによっての要員の数をふやさずにやっていく方法というものを、やはり考えていかざるを得ない。これは私どもに課せられた一つの大きな使命だと思います。また一方経営的に申しましても、毎年々々人件費は上がってまいりますので、これをカバーする道は、やはり頭数を減らす以外にないと思うのでございますが、しかしこれにはもちろん、先生おっしゃるように、私も一つの限界はあると思います。したがって、今後私どもとしては、なお十分合理化の方向は努力をしていかなければならぬと思いますけれども、さらに電子計算機あたりの問題も取り入れたり、あるいはまあいままで考えなかったようないろんな新規の技術を導入するというようなことで、できるだけ頭数は押えていくということに変わりはございませんけれども、しかし、だからといって、安全を犠牲にするというようなことを考えているわけではございません。現に本年度におきましても、前年度予算に対しまして八千四百四十人の増員は認められておるわけでございまして、そういうように必要とあれば、どうしても必要なものはやっていく。しかし精神的には、できるだけ経営のやり方なり、その他作業のやり方、いろんな面からの合理化ははかっていく。しかし、やむを得なければこれはふやすということは、もうやむを得ないことだと思うのであります。しかし、現実に今度のダイヤ改正なり、あるいは小口貨物の合理化などにつきましては、目下組合との間で団交を重ねておる現状でございますので、十分両者の間で話し合いをした上で実施していくという立場は、もちろんこれは当然のことでございます。
  137. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 先般、採用試験には合格したけれども、なかなか実質的には採用されない。それで悲観して自殺をしたという青年があったわけです。あれは結局国鉄自身が要員のワクにとらわれて、その要員面でもって非常に窮屈な操作をやってきたということがああいう結果になったのだろうと思う。私は今後も必要な人員というものは、やはりけちけちしないで確保をするというのが基本方針でなければならぬと思う。国鉄の使命というのは、要員をふやさないことじゃなくて、輸送力をふやすということじゃないかと思う。その輸送力をいかにしてふやすかということであって、そのために必要であれば、人間が要るだけはこれはとる、無理のないような要員配置をするという考え方じゃなければならぬと思う。基本方針というのは、輸送力をふやすことじゃなくて、要員を節約することだという考え方があたかも合理化の基本方針であるかのように思い込ませられるようなことになると、これは業務の面でとんだ破綻を来たすと思う。そういうあべこべの事態が出てこないかどうか、私はその点を非常に心配しているわけだ。そういう面が組合側との話し合いの不調ということになっているのじゃないかと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
  138. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) おっしゃるとおりに、国鉄といたしましては、お客さんなり、あるいは荷主さんの要望に応じて的確なる輸送をやるということが、もちろん課せられた当然の使命でございますので、その需要を完全にまかなうということに最大の重点があるわけでございます。したがいまして、われわれとしては、輸送の方法もいろいろ近代化した輸送の方法をやっていくということは当然のことでございますし、輸送量をふやしていく、あるいはその輸送の質を上げていくという努力は、これは当然のことでございます。したがいまして、もちろんそれのほうが主体でございまして、要員の合理化をするということが目的ではないことはもう明らかな事実でございます。ただ、そのふえる輸送量をどう消化していくかというその方法論におきまして、ただ人間だけをふやしてやっていくということでなくて、近代化された姿においてあくまで合理的な輸送体制をつくり上げるということによって、要員のほうも少なくできるように、なるべく少ない数でできるようにという努力は、あわせて、やっていかなければならぬという立場だろうと思います。
  139. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 国鉄は、本来の国鉄の業務以外の人間はなるべく整理するという方針にのっとって被服工場を廃止したり、あるいは炭鉱をやめたりしてきているわけです。そういうことであるならば、本来の営業に必要な人間だけに限定をされるというふうに考えられるのでありますけれども、鉄道公安官等の場合は、本来警察官等が行なうべき職務を鉄道職員のワクでもってやっているわけです。この被服工場を廃止したり、あるいは炭鉱を廃止するというようなそういう方針にのっとるならば、鉄道公安官も廃止をして、その人間を営業面に回すというふうにするのが、たてまえとしては私は筋が通ることになるのじゃないかと思うのでありますけれども、その点公安官は依然として存置をしておくということは、一面まだ要員面においてゆとりがあるということになるのかどうか。ゆとりがないにもかかわらず公安官は営業面のワクを食って存置しておかなければならないというふうに考えられるのかどうか。これは人員のゆとりがある場合に、公安官といったような仕事を残しておくということならまだ考えられるのですけれども、今日のような要員が不足だというふうに言われておるおりから、公安官をそのままにしておくということは、一面において筋が通らないような気がいたすのでありますが、その点はどうですか。
  140. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 公安官は、御承知のように、列車なりあるいは構内におきまする秩序の保持に当たっておるわけでございますが、新聞などでもごらん願いますように、車内の犯罪その他におきましても、まだかなりいろいろ出ているわけでございまして、やはり公安官がいるということによってお客さんが安心感を得られるという場合も非常に多いわけでございまして、したがいまして、私どもまだ現時点において公安官は必要であるというふうに考えるわけでございます。
  141. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 必要ならば、その公安官の月給は、警察庁かなんかの予算でもってまかなったほうが私は筋が通るような気がするのです。これは国鉄自体がまかなうべきものじゃないような気がする。私鉄で公安官を雇っているところはないような気がする。私鉄もやはり公安官を雇っているのかどうか、もし私鉄もサービスのために公安官を雇っているという例があったらお知らせ願いたい。
  142. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 私、私鉄のことはよく存じませんので、ちょっとここではっきり申し上げかねます。
  143. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 まあ、給与の面でも私鉄に歩調を合わせる、経営の面でも私鉄というものは参考になるのですから、公安官というのは国鉄にのみ必要であるというふうには考えられない。私が言いたいのは、公安官という制度のよしあし、あるいはその役割りについて云々しているのじゃない。この公安官というワクがあって、なおかつ一般の営業の面の人間のほうが不足している、こういう状態ならば、公安官のワクというものももっとこれは考えなければならぬじゃないかということを言っておる。帰するところは要員の不足、ダイヤの改正等によって要員が必要になった、これだけ必要だ、安全のためには欠かせることはできないと言われているならば、そういう事柄は関係の労働組合と十分に話し合いをして解決点を求めるということが、今日の時点においてすでにあっていなければならぬ。いまだにその点話し合いがついていないということになると、あと二十日間しかないのですから、ダイヤ改正まで。非常に私は不安だと思う。この間に労働組合側と要員の問題についてきちんと話をまとめるという目安が立っているのかどうか、また解決しようというふうに心がけていらっしゃるのかどうか、その点についてお伺いしたい。
  144. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) ダイヤ改正というような大きな事柄につきまして、組合の協力がなければいけないことはもうたしかでございまして、そういう点で私ども目下精力的な団体交渉をいたしておるわけでございますが、おおむね二十日ごろを目途として、ぜひ妥結したいということで、いま精力的な団交を重ねている段階でございます。
  145. 木村美智男

    木村美智男君 関連ですから、団体交渉の問題をひとつ聞いて、あとまた続けますが、二十日を目途に団体交渉は妥結をされるということは、私どもが聞いている限りは、だいぶ要員の問題、あるいは安全の問題等についても意見の開きがあるように聞いているものですから、したがって、当局側としては、ある程度ダイヤ改正を予定どおりやるためには、これは双方同じ安全を守るという気持の上から立てば、必ず一致点が見出せると思うのですけれども、どうもいままで聞いた状況では、当局側のほうがだいぶ固執しているような関係が考えられるのです。ある程度譲っても、この問題は円滑に話し合いをまとめて、そして実行に移すという心がまえがあるかどうか、いまの問題に関連してそれをまず最初にお伺いをしておきます。あとから二、三続いて伺います。
  146. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) ただいままで団交が多少おくれておりますのは、実は組合のほうの執行部の交代等がございまして、事務的にギャップがあるために少しおくれている点もございますわけでございますが、もう交代もできたことでございますし、今後精力的に団交を続けることになるだろうと思います。具体的にどういう点が問題になっているかということにつきましては、実は私まことに申し上げかねますけれども、詳しく存じませんので、もちろんいろいろ問題を煮詰める過程においては、十分組合の意見を聞きながらやっていくという態度は、これはもう当然のことでございます。
  147. 木村美智男

    木村美智男君 いまの話については、多分に執行部が交代時期にあってというような言い方で、組合側に責任のあるような言い方をしましたけれども、そうでなくて、大会が終わったあとの交渉で、なかなか進まない状況が出ているようであります。これは常務のほうはこまかいことは知らぬかもしれません。十分ひとつ事情を聞いていただいて、やはりまとめ役の立場にあなたのほうが立っているわけですから、私がさき申し上げたような趣旨に沿ってひとつ交渉を精力的にまとめて、そして円滑に妥結ができるようにやってほしい。これは要望です。  当局側に基本的に聞いておきたいのですが、今度のダイヤ改正というのは、とにかくこの前の白紙ダイヤ改正に次ぐ非常に大規模なダイヤ改正である。この資料やなんかも若干もらって見ているのですが、二百二十二本、約四万七千キロもふやすというダイヤ改正というものは、これは相当大きいダイヤ改正です。このダイヤ改正が当局の大体説明によりますと、全国的に電化あるいは複線化工事が進んだからということが主たる理由になっているのですが、私は、最近特に国鉄は過密ダイヤということがいわれているのですから、そういういわゆる設備拡張なり近代化なりによってのみではないと思いますけれども、そういうことが重点でこのダイヤ改正がやられたのかどうかということを基本方針としてひとつ伺いたい。それはどういう意味かというと、一体最近、これは国鉄が当然物を運び人を運ぶというその使命からいって、最近のこの経済の動向というものを国鉄自体がどういうふうに把握をして今度のダイヤ改正をやっているのか。なぜそういうことを聞くかというと、この間、北海道あたりをちょっと見てまいりましたら、最近特に釧路方面では非常な二、三年来の魚の不況が、ことしは大漁だという状況が出てきて、そうして一般のワムとか、いろいろ有蓋貨車が特休といって遊んでいる。各構内に十両、十五両ずつ係留されておって、そうかと思うと、冷蔵車が不足なために、鉄製のレテというんですか、不足なために、実はせっかくとれた魚が、サバであろうとイカであろうと肥料に回される、こういったような状況が出てきているので、一体物資の現実の状態をどういうふうにつかまえているのか、あるいは貨車の関係でもだいぶふやしているように見えますから、最近の経済不況の中で一般的に考えれば滞貨なんというものは減少している、こう常識的には考えるわけですけれども、しかし実際の問題として貨物列車もふやしているところを見ると、滞貨もふえているのか、減っているのか、これは国鉄自体としてどうこれを把握しているかということ。さらにお客さんの場合には、レジャーであるとか、あるいは混雑状況であるとかいうようなことを各地域ごとというか、線区ごとにそういう輸送効率といったようなものを把握した上で、今回のダイヤ改正というものを行なったのかどうかということをまず最初にお伺いしたい。
  148. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 最近の貨物輸送の状況は、いま先生お話がございましたとおり、必ずしも活況は呈しておりません。鉄道に対する輸送申し込みも五十数万トンでございまして、輸送力よりもはるかに下回っておるというような状況でございます。したがいまして、現在におきましては一般の普通貨車は遊んでおるという状態も先生のお話のとおりでございます。ただ私どもは現時点だけを考えてダイヤ改正をするわけにはまいりませんので、特に秋冬繁忙期になりますれば、必ず農林物資を中心にいたしまして、財貨ははね上がってくるであろうということが短期間的にも考えられますし、さらに将来におきましても、いろんな経済政策が行なわれておりますが、こういうのが芽をふいてきますれば、必ずまた輸送の鉄道のへ出荷もふえてくるであろう。従来見ておりますと、まあ不況のときにはなるほど貨車は余りますけれども、一たん好況になると、もう貨車が足りない足りないという苦情が出ておるのが、これはもう過去繰り返してきた事態でございますので、私どもといたしましては、若干ことしは輸送力的に余るかもしれませんけれども、将来のあれを考えまして準備を進めておるような事情にございます。したがいまして、まあことしの秋冬繁忙期には、このダイヤ改正によって、荷主さんからのいままでのような貨車が足りないという不安が起こらないような措置は講じ得るんじゃないかというふうに考えるわけでございます。  それから旅客の問題につきましては、これはもちろん各線区におきまする旅客の輸送の実態を、これは私ども毎年一回質的な調査をいたしておるわけでございますが、その質的な調査に基づきまして、用務客なり、あるいはレジャーの客なり――レジャーの客といいますが、観光客といったような、あるいは家事その他の輸送といったような分類に分けて、いろいろ実態に即したダイヤを組むという基本的な姿勢でやっておるわけでございます。
  149. 木村美智男

    木村美智男君 いまのような答えだと、結局必要性によって、今回はその必要に応ずる輸送力増強をはかるためにダイヤ改正をしたということで、非常にもっともに聞こえますがね、そうだとすれば、当然必要な輸送をするために必要な人間はどうしても措置するというさっきの考え方からいきますと、今回、先ほど四千五百ぐらいふやすというふうに言われましたけれども、これは今度のダイヤ改正全体を通して四千五百なのか、また純然たる増加が四千五百なのか、そういう面でひとつこれを明らかにしてほしい。それから別途予算定員として約二万名ぐらい当局自体が予算要求をしているようでありますけれども、これはダイヤ改正の面をこの中には含まれておるのかどうか、今回のですね。さらに、この二万名の必要性というか、あるいはこの出てきた考え方、根拠、これをひとつ明らかにしてもらいたい。  それから安全について、特にこの新幹線の場合には、今度はスピード・アップをして三時間十分で超特急が走る。それから特急も四時間にする。しかも、これに対して相当数の増発をするわけですから、いまのような状態の中でも雨が降ると土砂くずれや何かがあって相当の遅延を来たす。台風になればもう始発からストップさせる。こういう状況の中で、これに対して特別にこの輸送の安全性を、いろいろ万全の措置を講じたという抽象的な言い方をしているようですけれども、具体的にどういう措置を訓じたのか、これを明らかにしてもらいたい。  それから、さっき瀬谷委員からいろいろ質問されておりましたが、要するに、この準急や急行か走っておるために、この短区間を利用する旅客に対するこの停車瞬間が長いとか、待ち合わせが長いとかということで、非常に地域住民からの苦情が出ております。われわれが実際に乗ってみた場合にも、はなはだしいところは十分くらい待たされておって、これなら次に行ってからまあ交換したらいいじゃないかと思うようなことがたくさんある。そういう点ではもう少しこのローカル線あるいは鈍行に対する改正の考え方として、旅客サービスということを看板にしておるのですから、そこをもう少しやはり考慮したダイヤ改正に、まだ時間のあることですから、ある程度やれるのじゃないかと思うのですが、具体的にそういうことをやる計画あるいは意思があるかどうか。  それからさっきですね、将来のことを考えるというならば、国鉄が何か一つ事故でも起きるというと、その最大の理由は過密ダイヤということが言われておるのですから、今回みたいな東海道新幹線がふえたことによって、東海道線の従来の急行等を大幅に削減をした。こういう時期は、さっき言われたように、貨物輸送が活況を呈していないという今日の事情の中で、少なくともこの過密ダイヤでないということを、東海道線では一つのモデル、ケースとして考えられるような気がする。そこに貨物もふえもせぬのに、何だか申しわけないから急行貨物を特急が七本、普通十一本、 こういうふうにぶち込んでおりますけれども、若干の貨物輸送を急ぐといったような任務は、当然意義はそれなりにわかりますけれども、こういう時期こそこの東海道、旧来の東海道線を一つの過密ダイヤでない線路のモデル、ケースとして、テスト的にもこれはやってみるだけのそういう配慮というものは、むしろ将来のダイヤ改正というか、今後の国鉄の運営の上から、安全を保つという面から考えてもきわめて大事な問題だと思うのですが、そういう点を、この貨物輸送との関係で特に東海道線をひとつ出してみたんですけれども、そういう考えはないかどうか。以上のことをひとつ答えていただいて、あとは今回のダイヤ改正についてはひとつ十分組合側と話を煮つめていただく。そうして円満に話し合いがまとまるように、まとまらぬ場合にはまた具体的な問題としてさいていただいて、私どももそれはまとまるように努力もしたいと思いますし、きょう皆さん方が答えられたことに違っていた場合には、ある程度追及をすることもあり得ると思うのです。そういうことのできるだけないように、ひとつ問題を先ほど言ったような考え方でまとめてもらうように努力を特に要望しておきます。前のほうは質問ですから答えてください。
  150. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 第一点の要員の問題でございますが、国鉄として要求いたしましたのは、先ほど申し上げましたように八千四百四十で、それが認められたわけでございまして、これにはもちろん秋のダイヤ改正なり、あるいは長期計画のスタートに伴いまする工事要員増なんというものを含んだ数でございます。二万名という数字は、おそらく組合側の要望の数字じゃないかと思いますが、われわれのほうとしては、ことしは八千四百四十が認められたということでございます。
  151. 木村美智男

    木村美智男君 何ぼ要求したか。
  152. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 八千八百八十を要求いたしまして、八千四百四十という数字でございます。  それから新幹線の安全対策でございますが、これは実は部内で五月以降新幹線の対策委員会を設けまして、いろいろな問題について検討をいたしたわけでございますが、具体的な事例を一、二申し上げますと、たとえば、御承知のように架線の吊り金具が悪くての故障が多かったということで、その架線の金具を改良して全部取りかえるとか、あるいは築堤の崩壊に対しましては、くいを打ってその防止をはかるというような、あるいは車両につきましてもいろいろな観点から改善をはかったわけでございまして、こまかい内容につきましては、いま私ここで資料を持ち合わせておりませんのでございますが、いままでのいろいろな起こりました事故を分析いたしまして、その手当てをすると同時に、将来にわたって考えられることをいろいろ技術的にも想定いたしまして、手を打ってきた次第でございます。  それからローカル線の問題につきましては、実は今度のダイヤ改正では、全体で旅客列車九十八本ふやしますうちで、特急が二十六本、急行が四十本、準急二十五本、ローカル列車は百七本あるわけでございまして、必ずしもローカル列車を軽視しておるということにはならないということになるわけでございます。百九十八本の内訳は百七本がローカル列車であるということでございます。したがいまして、私どももちろんローカルの特に通勤の輸送につきましては、今後とも重点を置いてまいらなければなりませんが、先ほどからのいろいろなダイヤの修正と申しますか、もうちょっとこうすればよくなるのじゃないかという点の修正をはかれというお話でございますが、これはもちろん今後改正後におきましても、これは逐次やれる点から修正をしていくということはもう当然のことでございます。本社におきましても、一々ここをこうせというわけにはまいりませんが、支社なり管理局においてそういう不都合な点は修正のつく限り修正していくという態度は、もうこれは私ども当然とらしたいと思っております。
  153. 相澤重明

    ○相澤重明君 議事進行を兼ねて。いま答弁をしておりましたが、木村君の質問のような答弁をされるのに、ただここだけで答弁してもちょっとわかりにくい点もあるから資料を出してもらいたい。それで委員会を昼も食わずにやっておるのもこれはなかなかたいへんだ。それに特に問題は、参議院の運輸委員会は十月ダイヤ改正を前にしていままであまり説明されなかった。きょう初めてこれを伺った。こういう点で、新聞に当局は発表しても、私がいつも言うように専門委員会には実際には何もわかっていないわけです。こういう点は国鉄当局自身がむしろ積極的に説明するという態度でなければならぬと私は思う。そういう意味で、さっきもローカルがどうとか急行がどうとかいう話があったが、線区別にふえるのと減るのと、そういうものを資料でやはり出してください。木村君の言ったようなことを資料で出して、もらう。私の希望は、きょうだけで問題は解決をしない、ダイヤ改正の問題について、要員事情等も含んで組合と当局が団体交渉を積極的に進めて、二十日を目途に解決するというなら、私は総裁なり副総裁が出て、そのことはきちっとして、そうして、輸送に対するところの国鉄当局のき然たる態度をやはり明示する、これがない限り、やはりいかんと思うのです。  そこで、委員長代理に要望しておきますが委員会を二十五日前後に開けるかどうか、これは委員長と理事とよく相談してもらいたい。これが一つと、もし開けない場合でも、通勤輸送等の問題はダイヤ改正にとってきわめて大事なことですから、もし本委員会が開かれないとするならば、小委員会を開いてもらいたい。そのようにして、とにかくこのダイヤ改正を迎えるにあたって、問題が解決するように私はやはり努力をしてもらいたいと思う。そういうことを要請しておきます。  それから、この際国鉄にひとつ注文をしておきますが、どうも国鉄は、石田総裁のたび重なる談話で来年度から運賃値上げということを言っておるが、運賃値上げということも国民の協力なくしてはできないことであるし、やはり現在の鉄道輸送についてサービスをよくしなければ運賃値上げ等をいくら言っても国民はついてこない。私、先日決算委員会で島根県、山口県等を回ったわけです。島根県の三江線というところがある。ここは全く貨物が唯一の、林間産業がその地方の収入のようでありますが、七月の豪雨でもって橋が落ちたきりそれがいまだに開通していない。聞けば日立か何かに特別な橋げたであるからこれをいま注文しておって、ことしの十一月過ぎになれば通るだろうなんて言っておる。何を言っておるか。いままである鉄道が橋が落ちちゃってもう全然不通なんです。その地方ではもうみんな困っておる。運賃値上げをするのはいいけれども、いまあるものをなぜもっとサービスして住民の協力を得ないか。またそういうふうな地方産業にとって大事なものは全力をあげて災害復旧をやるべきだ。そういうことがないということは、まことに私は遺憾だ。これは総裁にきつく私は申しつけるつもりでおりますけれども、常務がせっかく出席しておるのだが、なまじっかなことを言ったって、それはもう言うことを聞かない。そういうようなことでは決して鉄道の使命は果たせるものじゃない。そういう点で、先ほどからの瀬谷委員木村委員の質問に対する資料を提示してもらう。私は新年度の予算ももう大蔵省等と折衝に入っておると思うのですが、そういう定員増についても幾ら要求するのだという内容をひとつ資料として提出してもらいたい。  それからいま一つの問題は、やはり決算委員会現地調査に行ったときに強い要望が出たことですが、東海道新幹線大阪までのものをさらに山陽新幹線、こういうことで、大阪で万国博覧会があるのにそれにぜひとも間に合わしてくれという大阪、兵庫、岡山の知事の要請があった。これに対してどうするのかということを、案があるだろうと思うから、それをひとつ資料として提出してもらいたい。  そういうことで、言いたいことはうんとあるし、やりたいことはうんとあると思うのですが、きょうは時間がないから、私は資料要求をして、特に新幹線の安全対策については、あれだけ多くの国民から監視をされて、問題を提供しておるのだから、一体どういうふうにして、三時間十分なり四時間でもってそれぞれ特急なり超特急が運転ができるか、安全が確保されるその対策をきめておるだろうから、その対策のきまったことを資料として提出を要求いたします。  委員長には、さっきの委員会の運営について、ひとつ委員長なり理事と打ち合わせをして、そういうようにもってくるように、十月。ダイヤ改正を前に、ひとつはっきりできるようにお願いしておきたいと思います。これは委員長に要請です。
  154. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いま相澤さんから言われた点、私も同意見でありますので、ダイヤ改正の前に委員会を開催するか、あるいは関係の小委員会を開催するということが行なわれたほうがいいと思います。そういうことができるかどうか検討していただいて、できるように取り計らっていただきたいということを最初に要望いたします。  それから、安全と要員の問題でありますが、きょうは常務が出ておりますけれども、この問題はとことんまで突き詰めてまいりますと、国の大きな政策の問題になってくるわけなんであって、どうしても大臣なり総裁に所信を表明してもらう必要が出てくる。たとえば先ほど私が申し上げたように、安全の面からいって、幹線の場合は全部これを高架にして、踏切を廃止するというようなことはやるべきだと思うんです。やるべきだと思うが、これに伴う予算というものは並みたいていのもんじゃない。  それから、新幹線の場合の、これはひとつお聞きしておきたいんですが、先般、車輪がかけて沿線の家へ飛び込んだという事件がありました。幸いにして死傷者はなかった。しかし、場合によると、運の悪い人がそこに居合わせると、命をとられるということにもなったかもしれない。だから、ああいった問題に対して、新幹線は三時間十分で走れた、走れたことは走れたけれども、派生的にそういったような問題が生じた、あるいは生じる可能性があるということになるなら、それに対する原因の究明なり、対策というものが当然行なわれた後に、そのスピード・アップも行なわれなければならぬだろう、はたしてあのような事故に対してどういったような原因の究明があったか、対策はどのように行なわれておるのか、新幹線スピード・アップに対して必要な措置がどのようにして行なわれておるのか、そのこともこの機会に、もし御答弁できるならお答えを願いたいし、御答弁できない面については、資料として提示をしていただきたい。また、新幹線のスピード・アップだけを行なっているけれども、在来線の面は、ちょっと見ただけでありますけれども、スピード・ダウンをしているという点があります。私はちょっと拾ってみたんですけれども、変な結果になってくるんですよ。準急のほうは所要時間が、たとえば熊谷-上野間に例をとると、一時間二分と一時間三分、急行のほうは一時間九分と一時間七分、よけい銭を取られる急行のほうが、よけい時間がかかっている。たくさん乗ったから銭をよけいもらうというのは私はおかしいと思うんです。急行に関する限りは。こんな面がちょっと拾っただけでもある。それから私は電車の中の広告を見たんですけれども、新設の準急で「はるな」号ですか、「あかぎ」号ですか、そういうものができた。時間を見たら、上野の折り返し時間が十二分しかない。十時二十分に着いて十時二十二分に引っ返している。こういうようなことは、上野駅のようなああいう袋小路のような構造の駅では、混乱を招くもとだと思う。混乱を招くことをあえて承知の上で運用効率を高めるために折り返し時間を短くして、そしてこれからの年末輸送に対処しようとする真意は那辺にあるのかということを私は聞いてみたい。そういう点についてもお答えができるなら最後にお答えを願いたいと思います。
  155. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 新幹線の車輪が破損しました件につきましては、お話のとおりに非常に危険な事故でございまして、その後部内で、その道の専門の技師達が対策を立てまして、悪いのは全部取りかえたはずでございますが、このいきさつにつきまして、私詳しい事情を存じませんので、この次までにあるいは資料によってお答え申し上げたいと思いますが、本日は的確な御回答を申し上げかねるので御了承を願いたいと思います。  それから、国鉄の列車の話につきましては、先生の御質問にちょっと私いまここでは御回答申し上げかねますので、あとでまた御説明申し上げたいと思います。
  156. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  157. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) 速記をつけて。  ただいままでいろいろ質疑が繰り返されたわけですが、委員長として国鉄に御要求申し上げたいのですが、時刻改正の問題で、その時刻自身が非常に問題になっているようですから、本委員会に時刻の確定しているものをひとつ提出をお願いしたいと思います。それを早急に各委員にひとつ送っていただく、それによって具体的な検討をする必要もあるだろうと思います。これをお願いします。  それから改正の方針等についても、大体改正の大要というものはわれわれは新聞では見ておりますけれども、本委員会説明がなかったようにただいま質疑で聞いておりますが、これはもしなかったとすれば、総括的にやはり本委員会で一応聴取する必要があるだろうと思うのです。これをひとつ次回に説明をしていただくようにお願いします。  それでは、先ほど理事会の決定として、次回は、十月に臨時国会が召集される場合は、召集日の前日に開会、前日が日曜のときは、前々日にすることということで御報告申し上げましたが、ただいま相澤委員その他の委員の御要求がございましたので、ダイヤ改正に対する質問等も多いので、委員長、理事協議の上、すみやかに本委員会、また本委員会が開催が困難という場合には小委員会を開いて、そうして再度説明を聴取することにいたしたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 金丸冨夫

    ○理事(金丸冨夫君) それでは次回はさようなことにいたしますので、御了承いただきます。  つきましては、小委員会の件に関しまして、通勤輸送対策に関する小委員会のメンバーとして、木村美智男君及び浅井亨君が一時委員辞任せられましたため、二名の欠員が生じております。先般の委員会において、小委員補欠選任委員長に御一任願うことに決定いたしておりまするので、この補欠として木村美智男君及び浅井亨君を指名いたします。御了承をお願いします。  では、本日はこれをもって散会いたします。    午後三時十二分散会