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吉田忠三郎君
開会後の初めての
委員会ですから、私はこの際きょう関係の局の諸君から報告されることについて若干質問をいたしておきたいと考えます。
まず冒頭に、最近、
海難事故、さらには国鉄の
事故、そしてまた
航空関係の
事故につきましても、ひんぱんと言わなければなりません。こうした問題は、過去の
委員会におきまして、たびたび私どもがそれぞれの関係の諸君に指摘をいたし、改善を求めておったところであります。にもかかわらず、かなりこの
委員会では、そのつど万全の措置をとった、あるいは努力をした、こういうことの答弁がございまするけれども、私は残念なことには、今日の段階で、その努力のかけらさえ見ることはできないと言わざるを得ないと思うのであります。したがって、これらにつきましては、私は明後日の
委員会におきまして詳細に、内航海運、外航海運、
航空関係、私鉄、国鉄はじめ路面
交通事故についての抜本的な問題について皆さんにそれぞれ意見を求めたいと考えまするから、あらかじめ各関係の省庁の役人の諸君は準備をしていただきたいことを冒頭に申し上げておきたいというふうに思います。
さて本論に入りますけれども、私の質問の第一点は、今度の三宅島
航空事故の
——あえて私は
事故と言いますけれども、その問題について
航空局長に質問をいたしておきます。本日の
委員会に
航空局から出されました
資料は、この
資料でございます。先ほど
航空局長がこの
資料の説明をいた
しました。きわめて簡単でございますけれども、こういう付言をいたして報告をされました。しかも、まことに申しわけない、いつものとおりの説明なんです。言いわけなんです。私はこの問題はただ単に言いわけや申しわけでは済まされない問題だと思うんです。なぜかならば、今日この完成をしたといわれています三宅島の飛行場が使えない。使えないということは、私は完成していないということだと思う。しかも、その
原因は、先ほど局長も説明をしたように、今日検査をしたところが、「
航空法の規定に基づく
進入表面及び
転移表面上に突出する小さい丘がある。」からである、こう言っているんです。つまり、その
原因の主たるものは
滑走路の直前に丘があるということだと私は思う、簡単に言ったら。結果的には
航空機の離着陸ができない。できないから使用ができないということだと私は思うけれども、局長、いやしくもこの飛行場は国民の血税でまかなわれている。ここに書いておりまするように、一切国費を投じてこの飛行場は建設をされたはずだ。すべからく国民の血税であります。しかも、その血税たる国費から三億一千万円という巨額を投じて三カ年間の計画でこの飛行場がつくられることになったのです。今日一体、離着陸ができないからといって、ただ単にこの段階で、この
委員会であなたがまことに申しわけないということだけでは、私は済まされない、こう思う。一体政府の
関係者はこの問題について国民に対してどう申し開きをしようといましているのか、この
委員会でひとつ明らかにしていただきたい。
それから第二には、
運輸省はこの問題について
指導したはずなんです。その
指導に基づいて
東京都が建設をしたと私は思うのです。ですから、今日鉄筋のターミナルビルや
航空保安事務所等々も六月末にすでに完成をしている。しかも、八月の一日に
空港開きをして、お互いに地域住民それぞれの
関係者がお祝いをするということも前々からわれわれは聞いている。そういうことが言われておった。ところが、今日これがたまたま最終検査をしたところが、先ほど来申し上げたような
障害物の丘があったために離着陸ができない、使用に耐えない、こういうことを言いだす。しかも、その最たる使われないという
原因は何か。一つの
航空会社が運航を中止する、延期をするということになって、初めて
航空局の諸君があわてふためいたじゃないですか。一体飛べないような
障害物があって
滑走路やビルをせっせとつくるばかげた話は私はないと思う。こういう一体話というものは、現代としてはあってはならないと思うのです。一体
航空局長、この始末はどうとるつもりであなたはおりますか。しかも、あえてあなた方に私は言いずらいことを申し上げますけれども、毎度のことながら、この問題が社会的に表面化をしてきたところが、またまた
運輸省と
東京都と責任のなすり合いをやっている。責任のなすり合いをやるのはけっこうだが、迷惑をこうむるのは国民であります。
航空局では何と言っていますか。あの丘は前々から
工事をする前に心配であるということを注意しておいた、こういうことをいまごろぬけぬけと言っている。
東京都のほうの言い方はどんなことを言っているかというと、そんな注意は聞いたことはない、
航空局の
指導によって今日建設を進めてきたのであるからいまになってそんなことを言うこと自体おかしいということでやり返しているわけです。国民の側から見ますれば、一体何が何だかわからぬ。まことに理解できません。この理解できない点を、今日のこの
委員会で、政務次官も来ておりますから、明快にこの
委員会を通してこの問題の解明を国民の前に私はしていただきたい、すべきである、こう考えております。
それから、私はしろうとですから、第三に伺いますけれども、かりに
航空局が注意していたとして、注意どおりに
工事が運ばない、丘は依然として残っている状態、こういうことはいままでだれも気がつかなかったということで一般社会で常識的に通る私は話であるかどうか。かりに
航空局の
指導どおりにやっておる、注意されたとおりにやっておる。今日三年間たって、すでにもう飛行場が落成をして、八月一日に
空港の開きをやる。おそらくは一番機を飛ばす準備をしておったと思うんだが、いまになってだれもがその丘に気がつかなかったというようなことが一般常識として社会に通用する私は現状の問題であるかどうか、これも私はすなおに受けとめて先ほど申し上げたように答弁をしてもらいたい。しかも、私は考えてみて、
航空局が注意をしたとして、注意のしっぱなしで済まされる問題ではない。そういうこと自体についてうかつな話だったと思うんだ。しかも、今度の問題の発端は、先ほども言ったように、
航空会社のほうから、あれでは飛行機を飛ばすことはできませんと断わられてから、初めてびっくりして、ああでもないこうでもないということを言いだしておる。しかも、この報告では、
東京都に可及的すみやかにその
障害物件を除去するようにしたのである
——可及的すみやかなどという、そういういまどきまことに文学青年が使うような表現でこの
委員会でごまかそうとしたって、私は許されない。まことに無責任きわまりない私はやり方だと思う。
佐藤内閣はいま一般国民から無責任な内閣だといわれているようでありまするけれども、いかにそんな無責任時代とはいえ、これぐらいいいか
げんな取り扱いをしていることについては私は驚かざるを得ない。非常に私は端的に、きょうは口が悪いけれども申し上げますけれども、これらについて一体あなた方はどういう責任をとるつもりでいるか、その点をお聞かせ願いたいと思うんです。
それから、もう一つ私はふしぎでならないのは、この建設については、三カ年計画で計画をし、
工事を施行したはずなんです。三カ年ということになりますると、かなり長期的な期間を要したと私は思う。決して短い工期ではないと私は思う。この間、
航空局の役人の諸君、あるいは
東京都の役人の諸君も、ずいぶんと三宅島に視察をして、
調査をしたり検討をいたしていたと私は思います。そのときに、目の前にある海抜三十六メーターもある丘が目にとまらなかったといって、一体今日国民が、特に島の住民が、幾ら
航空局長が近眼でめがねをかけておるからといったって、目にとまらなかった、目に入らなかったといって、一体これは理解できますか、信用できますか。まことに私は奇妙千万としか言えないふかしぎな問題だと思うんです。しかも、あなたは先ほど、この丘を取り除くためには三千百万
程度の金がさらに必要である、こう言っていますけれども、私は三千百万ではあがらぬと思う。この
図面であなたが説明をした関係で、ほんの飛び出してきた
部分のみ取り除くならこれでいいかも
しらぬけれども、今日ほど
航空安全が社会で問題になっているとき、あんなちゃちなやり方は私はやめたほうがいいと思う。やるなら、根本的にこの丘を取り除いて、名実ともに利用される国民の利益になる私は飛行場にすべきだと思う。そういた
しますれば、大体私は、あなたが申された三千百万から一億
程度の経費はかかる。さらに工期も、一年以上の日数が私は必要だと思うのです。こうなってまいりますれば、この一年間の工期、建設費、あるいはかりにあなたの言い分を通して、追加金として三千百万認めたとしても、ことごとくこれは国民のやはり税金ではないですか。こんなようなずさんなでたらめないいか
げんな税金の使い方をされたのでは、税金を納める国民の立場から見ますると、まことに身にしみるものが私はあろうと思う。私は、
航空局のみならず、各それぞれの役人に申し上げておきます。あなた方、役人だから、これでよいかも
しらぬ。民間会社であってみてごらんなさい、直ちに倒産
しますよ。これは倒産
します、このくらいのことをやっておったのでは。私はどうも日本の役人というものはありがたい状態に置かれていると思うのです。このような醜態を演じた場合に、私は直ちに責任をとるべきだと思うのだ。ところが、依然としてそういう態度も見えない。まことにおくれて申しわけありませんでしたという
程度だ。しかも、これに類似する
事故がかなり各般にわたってありまするけれども、私は今日、この責任者がきびしく処分されたなどということを聞いた覚えがない。ですから私は、こういうことが山積をして、まさに今日の役人が税金を使い公共の仕事をする場合に、ある意味においては惰性的なものになっているのじゃないかという危惧さえ持っています。きょう、幸い政務次官が来ておりまするから、この問題について、一体政務次官は、政府を代表して、どうこの責任の所在を明らかにして責任をとろうとしておるのか明らかにしていただきたいことを申し上げて、とりあえず私の質問を、第一段階として終わりたいと思います。