○石橋
委員 国連で使っております平和愛好国というものに該当するのかどうかということには、総理も依然としてお答えにならないようです。
それじゃ私が疑問としております点を申し上げましょう。中国は、みずからが攻撃されない場合には絶対に介入しないと言っております。しかし、みずからが攻撃された場合、あるいは北ベトナム人民共和国あるいは南ベトナムの民族解放戦線、こういうところから直接援助の要請があった場合にも介入しませんとは言っておりませんですよ。これが問題の一つです。
それからもう一つは、アメリカが平和愛好国だとあなたはおっしゃいますけれ
ども、国連憲章の精神、規定を踏みにじった行為をやっておる。いまその議論に発展しておるのです。少なくとも国連が認めた武力行使というものには該当しない、条約、規定には該当しないと認めますか、外務大臣も
条約局長も。三つの方法についてはですね。例外規定としての憲章第五十一条を援用しているのだと言いますけれ
ども、この五十一条だって厳密な援用じゃない、準用だと言っているのです。だから、厳格にいえば、アメリカのベトナムにおける行動は国連憲章の精神を踏みにじり、規定をじゅうりんしているのですよ。みずからが正義であり、みずからが国連であるかのごとくふるまっているのですよ。しかも、自衛権の行使の限界を越えて北爆をやっているのです。ハノイ三十八キロの近くまでもう進んでいるのです。こういうことをどんどんやっておれば、これは中国としても受けて立たざるを得ないという立場に追い込まれる可能性は絶えず残るじゃないですか。それでもだいじょうぶだ、だいじょうぶだとどうして言えますか。現にアメリカは、私がいま申し上げたように、国連憲章の精神も規定も踏みにじっている。ということは、安保条約の第一条も踏みにじっているということですよ。こういう行為を現実にやっているのですから、決して米中戦争になりません、これ以上戦争は拡大することはありませんと言ったって、これはことばのあやにすぎない、ほんとうに
国民が納得するような説明にならない、こう申し上げているのです。私の申し上げるのはそういうことです。いかがですか。