○田中(織)
委員 この点は検察当局のほうでも再
調査を進めていただくということで、私現地を見ておりませんけれ
ども、相当な護岸もしておるようでありますが、
一つは、夏場になりますと子供たちの海水浴場として自然の海水浴場であったのが、全然できない。途中でプールをつくろう、こういうような話し合いがあったそうでありますけれ
ども、いよいよ埋め立てが完了してしまうと、そういう地元の子供たちの要望には耳をかさないというような
状況にあるようでございます。検察当局で罪にすることが、あるいは
責任の所在だけを追及することが私が質問申し上げた趣旨でもございませんから、どうかひとつ——弁天島の埋め立てに通ずる
関係を埋め立てるというようなことになれば、それらの景勝地がまるっきり死んでしまいます。ここに小さく白く出ているのが那智の滝でございます。この砂浜がいわゆる問題の砂丘であります。ここにあるのが弁天島でございます。田村博士などに伺いますと、この三つがここを国立公園の特別地域に指定した三つの柱だとまでおっしゃられているので、その点を阻害するようなことについては——しかもその点については、砂丘であるということがはっきり、綿密に調べれば地図の上からも出てまいるものを、公有水面だということで偽って知事に認可をさせて進めて問題を起こすというようなことは、今後もこの地域は観光地ですから、地価もだんだん上がっていくと思いますけれ
ども、そういう形で特定の者を利得せしめるわけにはまいらないと思いますので、特に公園局のほうでも特別な強力な指導をお願いしたいと思います。あげてこの件についての和歌山地検での再
調査に期待をかけたいと思います。
それからもう
一つの問題は、これは七月十日に和歌山地検へ告訴と告発をいたしたのでありますが、告訴の
関係者は、その後町当局との話し合いというか、伺えば、何かそういうような問題を検察当局へ持ち出したことで、いわば極端なことばで言えば村八分的なことになりはせぬかということで告訴を下げたということを昨日私のところにも
連絡をしてきておるのでございますが、これは農林省
関係の担当官にも申し上げましたし、それから
法務省のほうでもお調べをいただいておると思うのですが、和歌山県の伊都郡かつらぎ町の妙寺町であります。そこにある——具体的には妙寺駿河ノ段千八百四十三番地の農地一町六反歩、これは現在までは国有農地で、戦前から十七、八名の者が耕作をいたしておったのでありますが、何でも戦時中に食糧増産のために戦時特例法によっていわゆる国有農地になっておるようでございますが、農民は戦前からも引き続き耕作をしておるということであります。ところが、三十八年の十一月の三十日にこの妙寺町の近くに県立の農業センターを建設されるので立ちのいてもらいたい、離作してもらいたいという町長からの通知がありました。いきなりなことなので農民は驚いて、町当局と数回にわたって折衝をいたしましたところが、この国有農地には当時使用料も払っているから離作の意思はないということになった。それならひとつ国から払い下げを受けてもらうが、この土地も一率にはまいりませんので、一反四十万円、三十五万円、三十万円と三
段階にわたって評価をして、そのうちの半分はいわゆる耕作権の保障ということにいたしました。そういたしますと、一反歩四十万円の土地は二十万円、三十五万円の土地は十七万五千円、三十万円の土地は十五万円ということで払い下げることに
決定をいたしまして、三十八年の十二月、町当局が手続をとって進めてもらう、そういうことだろうと思います。三十八年の十二月に、いま申し上げた二十万円、十七万五千円、十五万円、それぞれ耕作している面積にかけましたものの代金の半額を、残りの半額を三十九年の十二月に町当局へ払い込んだ。ところが、代金を完済しても所有権移転登記をしてくれないので、これまた町へ持っていったところ、たまたま四十年の三月三十一日付で、和歌山県の農林部長より各人あてに払い下げが
決定して、その代金を納めろという通知が町当局を通じて出されているということがわかりましたので、調べてみましたところ、払い下げ代金は総額で十八万二千円、十八人の払い下げを受けたいという者が払い込んだ金は全部で三百三十八万円余であるということで、あまりにも差額の大きいことに驚いて、町議会に問題を持ち出したり、あるいはそのうちの
関係者が和歌山の行政監察局へいわゆる苦情
相談の形でこれを持ち込みまして、行政監察局のほうでは、私の聞いておるところでは、これが農地の正当な払い下げの
関係であるということであれば、国へ払い込む十八万何がしかを引いた残りは
関係の農民に返還をしてやるか、あるいはこれは多少複雑な事情があるようでありますが、県立農業センターの敷地を県へ提供するために、その敷地の農民にかえ地として提供する金をこの払い下げ代金の中から
処理しているというような事情もございます。あるいは地区の農道の補修であるとか、そういう若干公共的なものは農民から町当局が寄付してもらうというようなことの話がつけば、その部分は返さなくてもよいだろうけれ
ども、原則としてはやはり十八万何がしかの国へ納めるものを除いたほかは返すべきだという
勧告というか、そういう指導をなされたそうであります。町長はがんとして聞かない。自分のやっていることは間違いないのだということでがんばっておるというのが
現状であります。私の調べたところによりますと、ここには国有農地がまだほかにもあって、いま私が申し上げた県立農業センターの現在建設されておる敷地も、登記面で見ればまだ国有農地なんですね。したがって、これは和歌山県が国有地を借り受けておったのではないかというふうに思うのでありますけれ
ども、その町が県立農業センターの建設地を提供するという名目で農業センターのところを耕作していた農民五人が、今度の問題の一町六反の中で八反ばかりの払い下を受けたということになっておるわけですが、町当局が町議会へ出した書類によりますと、この国有農地を払い下げて、農民から受けた三百三十八万八千九百九十円のうち、百八十万七千五百円がいわゆる離作補償費として出された。それから三十五万二千八百五円が道路の改修費。これはどこの道路の改修かはわかりません。それから国へ納める十八万二千四百六円。それから
昭和三十九年度の国有農地の賃借料として九千五十円というようなものを支出いたしまして、差し引き百万一千三百十八円はまだ現金が残っておって、これを農協で町が保管をしているというようなことを町議会で発表をしておるようであります。町長の言い分としては、業務横領その他で告発が出たのかもしれませんけれ
ども、別に自分が個人として身につけていない、こういう点からそういう強がりを言っているではないかと思うのでありますが、こういうような形の払い下げをめぐって、農民から町が預かったものの中から離作補償費の百八十万円であるとかあるいは道路改修の三十五万円というような、これは道路改修をやれば町議会にそれぞれ
予算を出して行なうのが私はあたりまえのことじゃないかと思うのです。こういう取り扱いをしておるところにやはり町当局の財政的な、あるいは行政
運用にも問題がありますし、私の調べたところでは、農林省の
関係は適法の書類が出てまいりましたので、
法律にきまった価格で払い下げたという点でその点の違法はないようでございますけれ
ども、それを預かった町当局あるいは町の農業
委員会、その
関係においては若干私は問題があるのではないかと思うのであります。この点については、検察庁のほうは四月十日に告発状が出ましたし、一部告訴者は告訴を取り下げるというような形で、まだ取り調べが進行していないのは無理からぬと私は思うのでありますが、その後農林省の
関係では、京都の農政局その他にこれまた
関係者が陳情に行って事情を調べたりしておると思うのですが、その点がどうなっておりますか。
また、この点については和歌山の行政監察局が、苦情
相談の形で持ち込まれたことに対してきわめて適切な指示、指導をなされたと私は思うのですが、現実にそれが実行されなければ行政監察局の存在ということにかかわると思うのであります。行管の立場からも御見解等を得ておきたいと思います。