○森(義)
委員 中小企業
近代化資金助成法で、製材工場がいま一件当たり三百万が頭打ちなんですが、あれの適用を受けて借りているところありますか。いま
木材界の停滞で、とてもそんなところへ手を伸ばしている
状態でないのです。確かにそういう
措置も、あれば無利子で十五年間三百万まで貸してくれるわけですが、半額自分で準備しなければいかぬ。それで、実際製材工場の
機械化、設備の
近代化、そういうものを
考えていただいても、それに対応できるだけの余力がないのですよ、零細中小企業には。問題は、やはり
木材価格の問題です。
価格がいまの
状態で押えられていったら、これは利ざやが非常に薄いわけです。したがって、経営を
近代化していっても、それはほとんど不可能なんです。そういう
意味で、これは時間がありませんので打ち切りますけれども、考慮を願いたいと思います。
次に、
国有林問題についてお伺いしたいと思います。
わが国林業を
考える場合において、
林野面積で三分の一、
森林蓄積で二分の一を占めておる
国有林問題を離れては
考えられないと思うのです。むしろ、
わが国林業を左右するのは
国有林だと言っても、私は言い過ぎじゃない、こういうように思うわけです。
国有林問題につきましては、白書では、中央
森林審議会の答申が近く出るので、それを尊重して抜本的な対策を講ずる、こういうふうに書かれているわけです。三月三十一日に中央
森林審議会の答申が出されたわけです。そこで、それを一読したらすぐわかるように、かなり思い切った組織を含んだ重要な答申が出されているわけです。御
承知のように、あれは約一年十カ月かかって出された答申だし、白書の中でも、農林省としてもその答申を尊重する、こういう基本的な態度を明らかにしておるわけですが、中央
森林審議会の答申の
内容についてお伺いしたいわけです。
一つは、あの答申は大体いつごろまでに
検討して、具体化
施策はいつごろ出そうという
目標を持っておられるのか。それからさらに、あの答申を
検討する機関をどういうふうに
考えておられるか。特に構成ですね。あの中央
森林審議会の答申を
検討する機関の構成についてどうお
考えになっておるか。それからあの答申を完全に具体化するためには、私は
国有林野事業に
関連する諸法規の
改正が必要だと思うわけです。その点についてかなり大幅な
改正が必要になってくると思うのですが、どうお
考えになっておるか。それからこの答申は、
内容に非常にはっきりしておりますように、行政と経営を完全に分離しまして、いわゆる非収益的な行政の部面については一般の財政でまかなう。経営部面については徹底した企業
経済ベースで利潤を上げる。そうしてできるだけもうけて、俗なことばで言えば、国家財政に寄与せい、こういう言い方をしているわけですけれども、現在の
国有林野事業の行なっておる公共的な事業をあのような形で行政と経営を分離して、片方は企業営利主義の形で徹底して公社制度でやっていく。
行政面については国の一般の財政でまかなっていく。こういう形でいままでの
国有林野事業のやってきた公共的な使命が完全に果たされるとお
考えになっておるか。
それから次に、
国有林の問題に
関連しまして、全国
国有林野解放対策協議会、これは三十八年の十月に結成された組織ですが、これがこの間の第三十八
国会までの間に、私の手元の資料では七十三回会合を開いております。そうして
国有林野の開放の問題について、最後に
国有林野の活用に対する要綱という形に整理をして、四十八
国会でこれをどうしても
法律として出すという運動が猛烈に行なわれたわけですが、それが四十八
国会では御
承知のように例の農地報償法であれがもめて、毒食わばさらまででこれをやってしまえという意見もあったのですが、それが押えられて、今度の
国会に出していく、これがはっきりきまったということが、第七回の全国
国有林野解放対策協議会の総会の資料に載っておるわけです。これはひとつ政務次官から御
答弁願いたい。中央
森林審議会の答申と、この全国
国有林野解放対策協議会の従来までやってきた
方針とは、ずいぶん違うわけです。
国有林の開放問題については、
国会における
答弁においても、また前の池田総理、佐藤総理、それから赤城農林大臣の
答弁も、
国有林をいわゆる開放という形にはしない、けれども、活用を
考えておる。とこころが、この全国
国有林野解放対策協議会の
内容は、これは明らかな売り渡し式――払い下げ式でない、売り渡し式の開放運動なんですね。これは次官も御存じだと思うのですが、これとの
関連でどういうふうにお
考えになっておられるのか。私は、中央
森林審議会の答申を忠実に具体化するという
政府の
方針と、これとは、いれないものだと思うのです。その辺がどのようになっておるのか、これは次官のほうから御
答弁願いたい、こう思います。