○桧垣
政府委員 第一の輸入ひなの問題でございますが、御指摘のように、現在アメリカを中心として、日本に採卵鶏、肉用鶏のひなが輸入されているわけでございますが、その系列は大体四十系統ばかりあるわけでございます。この四十系統の中には、まだ国としてもそれの優劣に関する試験が終わっておりませんけれ
ども、それぞれ長短があるようであるということは確実でございます。また、輸入ひな全般を見ましても、日本の気象風土のもとでどれだけその特性が出るかということは、長期にわたって判定しなければならない問題でございまして、私は、
お話のように、今後、やはりアメリカの系統の中にも、そういう長短、特質に従って整理が行なわれていくのではないかと思います。日本にも優良な鶏質を持った品種系統はあるわけでございまして、これをアメリカのような大量的な飼育にたえるような特質を与えるためには、品種の改良について、やはり大規模な種鶏群と、それに基づく近代的な改良
方式をとらざるを得ないということでございまして、三十九
年度から予算をお願いをいたしまして、大宮種鶏場、それから岡崎の種鶏場、それぞれ大拡充をいたしまして、ほぼ世界的な規模の種鶏改良ができるような施設を目下整備中でございまして、四十一年には整備を終わる予定でございます。国、県の施設、あるいは民間の種鶏場等との協力によって、アメリカ等外国ひなに匹敵するような品種をつくりたいという意気込みでやっているわけでございます。
次に、鑑別師の問題については、私もちょっと理解しにくい点があるわけでございますが、アメリカの輸入ひなのほとんどが種鶏用のひなが入っております。コマーシャルのひなは非常に少なくなっております。したがって、現在出荷されているひなは国内鑑別を必要とするわけでございますので、鑑別師の失業等の問題について、ちょっと理解いたしにくい点がございますが、なお
調査をいたしまして善処したいと思います。
それから廃鶏の肉飼料の問題でございますが、まあ鶏を主にしまして、豚も一部、必須アミノ酸の給源としての動物蛋白質を必要とするということでございまして、魚粉、魚かす、ミール等の確保は、当面はともかくとして、将来相当問題であるということでございますので、そういう動物蛋白質飼料給源を開発するということは考えてまいりたいと思っております。また、合成物質による代替ということも研究をしたい。事実やっておりますが、研究をさしていきたいというふうに思っておりますけれ
ども、廃鶏は何しろ人間の食料にともかくなるものでございまして、これをえさに使うということについては、価格関係でおそらく現状ではとても問題になるまいと思いますが、現在までのところ、廃鶏の羽毛、つまり羽は、これは一定の処理をいたしましてえさ用に利用をいたしております。御指摘でございますので、今後さらに研究さしていただきたいと思います。
それから国内飼料対策、国内の濃厚飼料
生産対策についてでございますが、これはなかなか簡単に
お答えいたしにくい問題でございます。麦対策ということになりますと、
畜産局長の手には負いかねるわけでございます。食糧用の穀物の自給の問題も含め、農林省として検討すべき問題だと心得ておりますので、私
どもも、飼料の関係からそういうふうな検討に加わりたいというふうに思います。
それから養鶏資金の焦げつきの問題でございますが、農業経営資金のたな上げ、負債の問題は、養鶏のみならず、いろいろあるかと思うのでございますが、現在の制度下で、たな上げというのはなかなかむずかしい。ただ、それに対する
一つの対応のしかたは、土地の上で
生産をいたしております農家については、私から申し上げるまでもなく、自作農創設資金の導入による負債の肩がわりという問題が
一つございますし、また、現在制度金融で貸し付けておりますものの実態を見ますと、多くは規定の据え置き期間あるいは総期間一ぱいの条件ではないということでございますので、現在の制度下で許される限度まで条件変更をするということについては、主管局であります経済局と連絡をいたしまして、実情に即してこれらの弾力的措置をとるようにつとめてまいりたいというふうに思います。
農協資金の復活の問題については、系統資金全体として私は十二分に余裕があるはずだと思いますので、御指摘の問題の解決に努力をいたしたいと思います。
それから、えさの鉄道運賃の問題は、数年来
湯山先生から御指摘を受けておるのでございますが、たいへん解決のしにくい問題でございます。と申しますのは、昭和五年に鉄道運賃の等級がきまりますときの
考え方が、いわゆる負担力主義ということでまいりましたのが、最近では、昭和三十五年でございましたか、改正をいたしますころに、徐々に輸送原価主義というのが入ってまいりまして、特殊な運賃等級の設定というのが困難な客観情勢が、運賃理論の上で出つつあるということでございまして、今後、運賃の改定の際に、飼料というものは畜産の主要な
生産資材でございますので、他の資材との均衡を失することのないように、私
どもは十分注意をいたして主張をいたしたいと思っております。
それから、養鶏の鶏舎の固定資産税の問題につきましては、これは実は私もうかつによう口に出せないわけでございます。固定資産税は、言うまでもなく、恒久的な建築物、建物があれば、これは払うのが当然と思うのでございます。鶏舎の中には、恒久的な建築物、建物と見られるものもあり、仮設物と見られるものもあって、仮設物に対しては課税はしてない、固定資産税の論理に従ってそう扱っておるのであろうと思いますが、実態はいろいろ違うのではなかろうか。できる限り養鶏のための鶏舎の固定資産税が免除され、軽減せられるのは好ましい方向でございますので、これもひそかにさらに研究さしていただきたいというふうに思います。
それから電力料金について、養鶏用の電力料金を農事用電力と同じの適用を受けるようにすべきではないかという御
意見でございますが、検討はさせていただきます。ただ、農事用電力の制度ができましたときに、十数年前だったと思いますが、私も実は交渉に当たったのでございますが、その当時は、たしか、かんがい排水用のポンプでありますとか、あるいはもみすり脱穀機等のような電力であって、作業の季節性という点から一時的にしか使えないが、施設は年間置かなければならぬ、したがって、実質的に使用期間中の電力料金をはじくと非常に高いものになる、だから特別料金にせよ、こういう主張をしてまいったのでありまして、養鶏のふ卵育雛とか点灯養鶏とかいうふうに、年間使う電力料金について軽減措置をとるということになりますと、現在農事用電力のたてまえを変えることになりますから、これは養鶏のみの問題ではなく、
農林漁業全体に関係する電力料金問題にわたりますので、関係局
——農政局とも連絡をして、検討はさせていただきますが、右にならえの性質のものではないという感じがいたしますので、それだけつけ加えさせていただきまして、
お答えをいたしておきます。