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芳賀委員 最後に、一点お尋ねしておきたいのは、八月中に来年度四十一年の
予算に対して各省が大蔵省に要求を出すことになっておるわけでありまして、目下
農林省においても作業を進めておられると思うわけです。したがって、来年度
昭和四十一年における
農林水産業全体に対する
基本的な
施策というものは、
農林大臣として初めて構想として出されると思うわけでありますので、この際、明年度以降における
農林大臣としての
重点構想としてこういうものを
考えておるということがあれば聞かしてもらいたいのと、こちらからお尋ねしておきたい点は、従来も問題になっておるわけでありますが、
予算編成との関連で、食管特別会計における特に赤字といわれる一般会計からの繰り入れ分、これを従来は
農林省予算ということで農林
予算の中に包括しておるわけでありますが、この数字は、現在においては農林
予算全体の三分の一以上を占めておるわけであります。こういう擬装された農林
予算というものは、総体で幾らであるということで農民を幻惑しておるわけでありますが、これらは決して
農林省予算、農林
予算として処理すべき問題ではないというような点については、前
農林大臣の赤城さんにもしばしばわれわれは指摘しておる点でありますが、四十一年の
予算編成にあたって、この一般会計からの繰り入れ分というものは、決して
農政のための費用ということにはわれわれは
考えておりません。これを区分するということに対して努力をされてしかるべきであるというふうに思うわけです。
第二点は、今年の
通常国会においても赤城
農林大臣にただしたわけでありますが、現在の
農業の実態から見て、毎年農民が減少するような実態から見て、この際、社会保障制度の一環として、現在の国民年金制度から切り離して、
農林漁業者を主体にした農民年金制度の制定の問題に対しても、来年度はいま一歩前進した形で
農林省においても
検討を進める必要があるのではないかというふうに
考えられますので、この点に対して一体どう思っておられるか。
それからまた重要な問題としては、先般の
国会において新しい乳価制度、あるいは砂糖
価格安定法、あるいは飼料関係、
畜産関係の法律が通っておるわけでありますが、特に国産牛乳の学校給食の問題については、赤城
農林大臣から当
委員会に、
昭和四十一年から四十五年までの五カ年
計画で全国の小中学校に対しては全量を国産牛乳をもって充当するという、いわゆる五カ年
計画案なるものが提示されておるわけです。そうすると、大事な四十一年においては、少なくても
計画案によりますと、今年は七十万石でありますが、来年度は百十万石、二十一万トンということになっておりますので、この
計画というものが当初からくずれるというようなことになりますと、またこれは全面的に瓦解するわけですからして、こういう五カ年
計画についても、十分
農林大臣としても認識されて、これ以上の線で
実行できるように配慮すべきであると思いますが、その点を一体どう
考えておるか。
それからもう一つは、特に
畜産物の中で、卵価が暴落して不安定になっております。これらの解決には
農林省としても当たっておられると思いますが、やはり抜本的に解決するためには、現在の
畜産物
価格安定法の根本改正等を行なうことによって、卵についても現在の豚肉等と同様に国が安定基準
価格を
決定して、その基準
価格を鶏卵の市価が暴落した場合、低落した場合においては、直ちに
畜産振興事業団が買い入れ発動をするというようなことろまで抜本的な
措置を講じなければ、卵価問題の解決はできないと思うわけであります。これに伴う飼料の
対策等についても、まだ非常に不安定な点でありますので、あわせてこれは
畜産全体の問題として、飼料関係の問題についても、抜本的な改正あるいは
予算上の
措置が十分講ぜられてしかるべきだというふうに
考えられるわけです。
これは私がいま気がついた点でありますが、明年度の
農林省の
予算の編成作業というものと関連して、
重点的に
坂田農林大臣としては、四十一年度にはどういう積極的な姿勢で取り組むかというような点についても、御構想があればこの際聞かしてもらいたいと思います。