○伊藤(よ)
委員 今回の法案が出る前から、新聞等で、母子保健基本法が出るとか母子保健法が出るということを、盛んに一月ごろから厚生省の談とかいろいろ出まして、
一般には非常にこの法案に対して期待が多うございまして、各方面から、法案の内容がまだはっきりしないうちから、ぜひ母子保健法は通してもらいたいというような
陳情やらいろいろな
陳情が、前もって各団体から私
どもの手元へもまいりました。ところが、法案がはっきりいたしますにつれて、これでは私たちの
考えているような法案の内容ではないというので、今度はいろいろな方面から、こういう点を修正してくれなければ困るとか、あるいはこんな状態ではむしろ現在の母子保健事業が後退するから、こんな法案なら廃案にしてほしいというような御要望やら、この法案をめぐって御
陳情がございました。そしてまた、私たち——いまちょっと大臣のおことばの中にございました、中央児童審議会の母子保健部会の中間報告というのによって今度の法案が出されたということが新聞等でも伝えられ、そしていまの大臣のおことばの中にもあったのでありますけれ
ども、この中央児童審議会の母子保健部会の中間報告なんでございますが、この中に盛られている重要な点も、この母子保健法、今度の法案の中にはあまり盛られていないように
考えるのでございます。この点は、私
ども法案を拝見して、だんだんいろいろ調べてみればみるほど、ますますこの法案というものがたいへん未熟な、不徹底な法案でありまして、何のためにこういう法案をお出しになったか、もう少しちゃんとした法案にしてからお出しになってもおそくはないので、せっかく母子保健法というものをお出しになるならば、もう少しりっぱな法案をお出しになるまで延ばしておおきになったらよかったのじゃないかということをつくづく
考えるわけでございますけれ
ども、なぜこのように不備なものを急いでお出しになったか、その点たいへん私たちは不審に
考える次第でございます。
そこで、最初に私はもう一点、こまかい点に入る前にちょっと伺いたいのでございますけれ
ども、最近私
どもの手元に、母子保健法は本国会で必ず成立するように先生の絶大なる御尽力をお願いするという
陳情書が、七月二十二日付で、まいっております。これはかねて私
どもに、最初保健法を通してくれとか、またいろいろ修正してくれというような御要望があった団体でございまして、一々ここに読み上げなくてもいいかと思いますけれ
ども、国民健康保健中央会、あるいは主婦連合会とか、全国母子健康センター連合会とか、東京都の
家族計画協会、あるいは日本看護婦協会、助産婦会とか、そういうような非常にたくさんの団体からの御
陳情でございますが、この中でたいへん私たち
考えさせられたことは、「さきの国会で母子保健法が継続審議になりました。そのため、従来から行なわれてきた母子保健
対策が全国的にストップし、おかあさんと子供の健康を守る大切な行政が空白状態になっています」というようなことが書いてありました。こういうことが、実際あるのでございますが、母子保健法がこの
委員会で審議されるのはきょうが初めてでございます。もちろん、提案されたからといって、過程においてほんとうにこの法案が成立するかどうかはこれからの審議にかかっているわけでございますけれ
ども、法案が成立するかしないかわからないのに、すでにこのような母子保健
対策が全面的にストップするような状態がほんとうにございますのかどうか、その点についてはどういう状態になっておりますか、お伺いしたいと思います。